JP2005113137A - 医療用途のためのスクリーン印刷可能なヒドロゲル - Google Patents

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Abstract

【課題】 スクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物、ならびに、所望されるパターンを形成する能力、およびほとんどまたは全く収量損失なしに所望される寸法のゲルの支持体上への直接配置、および最終的な厚さの制御を与える方法の提供。
【解決手段】 (a)可溶性または部分的に可溶性な重合体であって、共重合体、混合重合体またはそれらの混合物である重合体、(b)開始系、(c)増粘剤、(d)水、および(e)溶媒を含み、但し粘度が約10Pa.s以上であることを特徴とするスクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒドロゲル組成物、それに関するスクリーン印刷可能な適用方法および医療用電極の形成におけるヒドロゲル組成物の使用に関するものである。
ヒドロゲル膜(通常50%より多い水を含有する)は、その親水性すなわち水を引きつける性質、および患者の皮膚と接続すると導電性部材(電極用途)として働く性質のため、多くの医療用途に利用されている。ヒドロゲルを使用することに関する典型的な医療分野への応用例としては、コンタクトレンズ、絆創膏、経皮的電気神経刺激装置(TENS)ユニット、電気外科手術装置(ESU’s)、心電図(EKG)/脳電図(EEG)装置、イオン浸透療法、人工筋肉、人工臓器、人工器官がある。最も広く利用されているヒドロゲル、特に移植物、血液袋、注射器等の医療用途に応用されるヒドロゲルは、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチルである。
医療用途として利用される先行技術において開示されているヒドロゲル組成物には様々なものがあるが、これらの組成物の多くは、重大な欠陥を有するヒドロゲル膜である。より重大な欠陥は、単量体をベースとするヒドロゲル溶液および現行のヒドロゲル膜の製造方法に関する点である。
たとえば、従来技術の組成物の多くは、主に単量体と水の溶液からなるものである。これらの未重合の単量体に関連して、それは強い臭いがあり、重合することによって低減され得る。しかしながら、単量体は100%が転化されず、一般には約50%が転化されるため、いくらかの臭いは残存し得る。また、これら未重合の単量体は、ヒドロゲル膜の表面に移動する可能性があり、そして有毒である可能性がある。
現在製造されている多くの従来技術のヒドロゲル組成物は、キャストされ、剥離ライナーを有するフィルムとして販売されており、またスクリーン印刷を行うには不向きなものである。先行技術に開示されている典型的なヒドロゲル組成物は、スクリーン印刷技術を経ないでシートに適用される。ヒドロゲル組成物をスクリーン印刷に用いるには、特定の粘度とせん断減粘性が要求される。スクリーン印刷可能性のために要求されるこれらの特性は、所望の寸法のヒドロゲル組成物を所定のパターンおよび配置に正確に形成することを可能にする。先行技術の組成物は、ヒドロゲル組成物のレオロジー、ずり減粘、粘性のために、ヒドロゲル膜の形成の容易さおよび製造されるヒドロゲル膜厚が制限される。先行技術の組成物のレオロジー、ずり減粘、粘性等の特性は、より緩慢な製造時間、大量の収量損失、最終的なヒドロゲル膜厚に関する最小限の制御をもたらす。
上述したように、ヒドロゲル組成物および既知の組成物から作られるヒドロゲル膜を利用する医療用電極を開示している多くの先行技術特許が存在する。以下に、従来技術の記載について説明する。
米国特許第5,540,033号明細書は、無菌包装される粘着性を有するヒドロゲル生成物を製造する方法を教示している(特許文献1参照)。その方法は、水、放射線(UV光ではなく電子ビーム)によって架橋してヒドロゲルを形成することが可能な重合体、および混合物が放射に曝されるときにポリマーが架橋するのを抑制するのに十分な量の架橋抑制剤の水性混合物を準備する工程、ヒドロゲル製品の所望の形態または形状を有する型中に該混合物を提供する工程、密封された包装中に成形された混合物を封入する工程、および混合物を同時に架橋および滅菌するのに十分な量の放射に曝して無菌状態にて密封された粘着性を有するヒドロゲル製品を提供するための工程からなるものである。特許文献1は、所望の形態を有しかつ約20〜100milsの厚さで支持体上に混合物をキャストする工程を含む提供工程を開示している。キャストされた混合物の厚さが約25〜30milsより大きい場合、典型的にはキャストされた混合物に対してスクリムを適用する。
米国特許第5,868,136号明細書は、人の皮膚と電気的に接触する電極について開示している(特許文献2)。該電極は、外部の電気的装置と接続するための手段を備えた電気伝導性部材、および前記電気伝導性部材に電気的かつ機械的に接続された前記患者の皮膚に電気的に接続するための手段を含み、前記接続手段は、非液体状の膜であり、および多価アルコールによって可塑化される電気伝導性有機重合体を含む。なお、前記有機重合体は、約15〜30pphのアクリル酸と、約0.5〜30pphのN−ビニルピロリドンおよび0.01〜2pphの架橋剤を含む単量体混合物、および約0.5〜8pphのN−ビニルピロリドン/アクリル酸重合体からなる増粘剤から誘導される、単量体混合物に由来するものである。特許文献2は、20〜100milsの範囲内の接続フィルム厚さを開示している。
米国特許第5,622,168号明細書は、架橋された水溶性重合体の均一水溶液、前記水性混合物の横断電気抵抗を60Hzでのインピーダンスを約1000オーム未満に低減するのに有効な量の水溶性電解質を含む高い導電性を有する親水性ゲルを教示している(特許文献3)。そして、その親水性ゲルは、使用環境時に大気に曝されるときに、該電気伝導性親水性ゲルの乾燥を遅らせるのに有効な量の湿潤剤を含む。生理学的電極は、感覚の鋭い生物の表皮に電気的に接触することに適合され、電気伝導性を有する粘弾性の親水性ゲルのシートを含む。特許文献3は、以下に示す方法により、親水性ゲルを電極に使用することを教示している。その方法は、1)水性混合物をキャストしてシート形状(架橋する前に、0.1〜2mmの液膜厚)を形成し、2)前記膜を固形ゲルにするのに十分な量の高エネルギー放射線にその水溶性膜を曝し、3)任意選択的に、電気伝導性部材として使用するために望まれる大きさおよび形にヒドロゲルシートを裁断し、および4)固体ゲルを電極上に配置することを含む。
国際公開第97/02811号パンフレットは、ヒドロゲルパッチを開示している(特許文献4)。そのパッチは、a)水の存在下にゲルを形成し、ヒドロゲルの重量に基づいて約4質量%以上の量で存在する親水性化合物、b)ヒドロゲルの重量に基づいて約95%以下の量の水、c)反応を触媒することができる酵素、およびd)電解質を含む。特許文献4は、ガードナーナイフによってヒドロゲル組成物をキャストすることを教示している。
国際公開第00/45698号パンフレットは、患者の皮膚に電気的に接触させる電極を開示している(特許文献5)。その電極は外部の電気器具との接続に適合された電気伝導性部材、患者の皮膚と電気的に接続するための非液状膜を含み、該非液状膜は該電気伝導性部材に対して電気的かつ機械的に接続されている。該非液状膜は、多価アルコールによって可塑化された電気伝導性有機重合体を含む。ここで、前記有機重合体は、約15〜30pphのアクリル酸、0.5〜30pphのN−ビニルピロリジンおよび0.01〜2pphの架橋剤を含む単量体混合物から誘導される。その単量体混合物はN−ビニルピロリジン/アクリル酸共重合体とN−ビニルピロリジン/ビニルアセテートからなる群から選択される約0.5〜8pphの増粘剤をさらに含んでもよい。
米国特許5,540,033号明細書 米国特許5,868,136号明細書 米国特許5,622,168号明細書 国際公開第97/02811号パンフレット 国際公開第00/45698号パンフレット 米国特許第3,380,831号明細書 米国特許第2,927,022号明細書 米国特許第2,760,863号明細書 米国特許第2,850,445号明細書 米国特許第2,875,047号明細書 米国特許第3,097,096号明細書 米国特許第3,074,974号明細書 米国特許第3,097,097号明細書 米国特許第3,145,104号明細書 米国特許第3,427,161号明細書 米国特許第3,479,185号明細書 米国特許第3,549,367号明細書 米国特許第4,162,162号明細書
上述したような従来技術の欠点を考慮すると、これらの欠点を克服する新規なヒドロゲル組成物およびその製造方法に対する必要性が存在する。したがって、本発明の目的は、スクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物、ならびに、所望されるパターンを形成する能力、およびほとんどまたは全く収量損失なしに所望される寸法のゲルの支持体上への直接的配置、および最終的な厚さの制御を与える方法を提供することである。
本発明は、(a)可溶性または部分的に可溶性な重合体であって、共重合、混合重合体またはそれらの混合物である重合体;(b)開始系;(c)増粘剤;(d)水;および(e)溶媒を含み、但し、粘度が10Pa.s超であることを特徴とするスクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物を提供する。
本発明は、さらに、(a)スクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物を供給する工程;(b)基質を供給する工程;(c)スクリーン印刷技術を用いて、前記基質上に(a)の組成物を堆積させる工程;および(d)前記基質上の前記組成物を加工してヒドロゲル膜を形成する工程という段階を含むことを特徴とする加工されたヒドロゲル膜を製造する方法を提供する。さらに、本発明は、上記方法により形成されたヒドロゲル膜を提供する。
また、本発明は、本発明のヒドロゲル組成物を利用する電極および前述の方法によって形成されたヒドロゲル膜を利用する電極を提供するものである。
本発明に係るヒドロゲル組成物は、標準的なUV産業技術を使って硬化させることが可能な系を与え、製造中の収量損失を減少すること、およびヒドロゲル膜の別個のオフラインの形成を排除することによってより迅速かつ安価な加工を実現することを可能にする。さらに、該ヒドロゲル組成物により、皮膚に接着し、かつ測定電極と皮膚との間の良好な電気的接触を保証するのに十分な粘性を有する製品を生産することが可能となるために、追加的なゲルまたはペーストを使用する必要がなくなり、電極の製造コストを減少させるとともにその生産時間を短縮する。
本発明に係る方法は、ヒドロゲル膜を所望の正確な位置と寸法にて電極上に直接形成することを可能とする。
さらに、本発明に係るヒドロゲル膜を形成した電極は、患者の皮膚に付着するのに十分な粘着性を有しており、医療用電極として使用することができる。
特に指示されていない限り、明細書および特許請求の範囲に使用されている配合成分の量、分子量のような特性、反応条件等を表す数は、全ての場合において、「約」という言葉を付けて理解されるべきものである。それゆえ、反対の指示がない限り、以下の明細書および添付した特許請求の範囲に記載された数値的パラメーターは、本発明において得ることを求められる所望の特性に依存して変化してもよい近似値である。少なくとも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を限定しようとするものではなく、それぞれの数値的パラメーターは、少なくとも報告された有効数字を表すことを考慮に入れ、かつ通常の概数を得る方法によって解釈されるべきものである。
本発明の新規なヒドロゲル組成物は、先行技術において際立っていた多くの問題点を同時に解決するものである。その問題点とは、(1)単量体の強い臭い、(2)ヒドロゲル膜の加工方法および電極の構造、そして(3)劣悪な粘着性である。
従来技術の未重合の単量体に起因する強い臭いの問題は、単量体を主成分とする溶液を、機能性重合体と水を主成分とする溶液に置き換えることによって克服される。本発明において、少量の単量体を用いて架橋を促進してもよいが、本発明においては単量体は必要ではない。本発明の組成物中に用いてもよい単量体の含有量は、組成物の加工中に、最小限の単量体の臭いをもたらす。
さらに、本発明のヒドロゲル組成物は、スクリーン印刷してもよいし、スクリーン印刷技術を使用して加工してもよい。それは、スクリーン設計のパターンを反映したヒドロゲル膜を形成することを可能にする。組成物をスクリーン印刷するためには、所定の粘度およびずり減粘特性が要求される。本発明の組成物は、約10Pa.sより高い粘度とスクリーン印刷に適したずり減粘特性(詳細は後述する)を実現する。これは、収量損失をほとんどまたは全くともなわず、しかし最終的厚さに関する精密な制御をともなって、直接に支持体上(例えば電極上)への所望の寸法のゲルの配置を可能とする。本発明の組成物は、1〜25milsの厚さのヒドロゲルをもたらす。
電極の形成に使用される多くの他の種類の組成物が既にスクリーン印刷されているので、本発明の方法は、電極の製造業者が所望の寸法のこれら電極上に簡単に同一の方法でヒドロゲル組成物を適用することを可能とする。また、本発明の組成物は、標準的なUV産業技術を使って硬化させることが可能な系を与える。これは、製造中の収量損失を減少すること、およびヒドロゲル膜の別個のオフラインの形成を排除することによって、より迅速でより安価な加工を可能にする。
加えて、本発明のヒドロゲルは、皮膚に接着し、かつ測定電極と皮膚との間の良好な電気的接触を保証する十分な粘性を有する製品を生産するために、追加的なゲルまたはペーストを使用することを必要としない。これは、電極の製造コストや生産時間を減少するものである。
ヒドロゲル組成物の主な成分は、以下に示すとおりである。
1.有機粘弾性重合体
重合体結合剤は、この発明に係る組成物にとって重要なものである。本発明の重合体成分は、ヒドロゲルが凹凸のある表面に順応し、粘性を与えることを補助するのを可能にする。例えば、本発明の重合体は、粘弾性重合体であってもよい。加えて、該重合体は、水溶性または部分的に水溶性である。それらは、全組成物に開始系が導入されるとヒドロゲル膜となる。
本発明の好ましい重合体は、光架橋性重合体結合剤であることが好ましい。その好ましい重合体について以下に詳しく述べる。それらは、共重合体、混合重合体(interpolymer)またはそれらの混合物から製造される。ここで、共重合体または混合重合体のそれぞれは、(1)C1-10アルキルアクリレート、C1-10アルキルメタクリレート、スチレン、置換スチレンまたはそれらの組み合わせからなる非酸性コモノマー、(2)エチレン性不飽和カルボン酸含有部分からなる酸性コモノマーを含む。ここで、該カルボン酸含有部分の2〜25%は、第1の官能性ユニットおよび第2の官能性ユニットを有する反応性分子と反応する。さらに、該第1の官能性ユニットはビニル基であり、該第2の官能性ユニットは該カルボン酸含有部分と反応することにより、化学結合を形成することができる。ビニル基の例は、メタクリレート基およびアクリレート基を含むが、これらに限られるものではない。第2の官能性ユニットは、エポキシド、アルコールおよびアミンを含むが、これらに限られるものではない。酸性コモノマーの反応した部分は、重合体における第3のコモノマーユニット(3)となる。第4のコモノマー(4)は、C1-10アルキルまたはアルコキシメタクリレートまたはアクリレートを含む非酸性コモノマーである。得られる共重合体、混合重合体またはそれらの混合物は、全重合体重量の少なくとも10質量%の酸含有量、5〜80℃、好ましくは5〜40℃のガラス転移温度、ならびにその2000〜250000およびそれに包含される全ての範囲の重量平均分子量を有する。得られる共重合体、混合重合体またはそれらの混合物は、Na2CO3またはK2CO3等の塩基とさらに反応することにより、そのメタクリル酸およびアクリル酸ユニットを、それらの塩形態へと変換される。この得られる塩は、より多くの水を引きつける特性がある。
この技術においては、組成物中の酸性コモノマー成分の存在は重要である。酸性官能基は、部分的に水溶性である能力、塩になって完全に溶解性になる能力を与える。さらに、これらの酸ユニットは、UV−架橋性ユニットの導入のための反応部位を提供する。適切な酸性コモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、またはクロトン酸、およびフマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、ビニル琥珀酸およびマレイン酸等のエチレン性不飽和ジカルボン酸に加えて、それらのヘミエステル、そして場合によっては、それらの無水物およびそれらの混合物を含む。
非酸性コモノマー(1)および(4)が、前述のように、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレートである場合には、これらの非酸性コモノマーが、重合体結合剤の少なくとも50質量%、好ましくは70〜75質量%を構成することが好ましい。該非酸性コモノマーがアクリレートでない場合には、これらの非酸性コモノマーが、重合体結合剤の50質量%を構成することが好ましく、また、残りの50質量%は無水マレイン酸のヘミエステルのような酸無水物であることが好ましい。
重合体結合剤の非酸性部分は、長鎖(C5より大)アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、またはアルコキシアクリレートまたはアルコキシメタクリレートである非酸性コモノマーを少なくとも10質量%含有して、UV-架橋処理後に皮膚への良好な粘着を達成する必要がある。これらのコモノマーユニットは、その重合体のTgを低下させることを補助し、かつ親水性のものである。単一の共重合体または複数の共重合体の組合せたもののそれぞれが、上述の様々な基準を満たす限りにおいては、これらの結合剤としての使用は認められる。上述の共重合体に加えて、少量の他の重合体結合剤を添加することができる。これらの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、およびエチレン−プロピレン共重合体のようなポリオレフィン類、ポリビニルアルコール重合体(PVA)、ポリビニルピロリドン重合体(PVP)、ビニルアルコールとビニルピロリドンとの共重合体、加えてポリエチレンオキシドのような低級アルキレンオキシド重合体であるポリエーテルを挙げることができる。
また、酸性コモノマーは、光架橋性官能性ユニットのような反応性分子を導入するための反応性部位を有する重合体を提供する。以下に概略を示すように、これは、カルボン酸含有部位の2〜25%を用いてビニルユニットを有する反応性分子と反応させることによって達成される。示すように、最終の重合体は、反復単位を有する。これらの重合体は、当業者によく知られたものである。
Figure 2005113137
式中、
、RおよびRは、メチル基または水素またはそれらの混合物であり、
は、芳香族基または他の原子(例えば酸素)を含有してもよい直鎖、分岐または環状アルキル基であり、
は、アルキル(C1-C10)であり、
は、アルコキシ(C1-C10)である。
アクリレート重合の当業者によれば、本明細書に記載されている重合体を、一般的に使用される溶液重合技術を用いて製造することができる。典型的に、そのような酸性のアクリレートポリマーは、比較的低沸点(75〜150℃)の有機溶媒中で、α−またはβ−エチレン性不飽和酸(酸性コモノマー)を、1つまたは複数の共重合可能なビニル単量体(非酸性コモノマー)と混合して、10〜60%の単量体混合溶液を得て、次いで、重合触媒を添加し、および常圧下において溶媒の還流温度まで加熱することにより単量体を重合して合成される。重合反応が本質的に終了した後、製造された酸性重合体の溶液は、室温まで冷却される。
反応性分子、フリーラジカル重合抑制剤および触媒が、上述した冷却後の重合体の溶液に添加される。その溶液は、反応が完結するまで攪拌される。任意選択的に、前記溶液を加熱して反応を促進してもよい。反応が完結し、反応性分子が重合体の主鎖に化学的に結合した後、前記重合体の溶液は、室温まで冷却され、試料が採取され、そして重合体の粘度、分子量および酸当量が測定される。
さらに、重合体結合剤の重量平均分子量は2000〜250000の範囲およびその中に包含される全ての範囲内の値である。重合体結合剤の分子量は、その用途に依存する。10000より小さいものは、一般にペースト組成物として利用でき、10000より大きいものは、一般にテープやシートとして利用できる。10000より小さい分子量の重合体は、一般に皮膜形成力に劣る。10000より小さい分子量の重合体をテープの処方に使用してもよいが、一般に、他の相溶性の高分子量重合体と混合して、膜またはテープを形成することが必要とされる。
本発明においては、慣用のUV−硬化性のメタクリレート単量体を使用してもよい。その用途によっては、必ずしも本発明の組成物中に単量体を含有する必要はない。単量体成分は、乾燥した光重合性層の全重量を基準として0〜20質量%の量で存在する。そのような好ましい単量体は、t−ブチルアクリレートおよびメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレートおよびメタクリレート、エチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、デカメチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、2,2−ジメチロールプロパンジアクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールジアクリレートおよびジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、グリセロールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、ポリオキシエチル化トリメチロールプロパントリアクリレートおよびトリメタクリレート、および米国特許番第3,380,831号明細書に開示されているものと類似の化合物(特許文献6参照)、2,2−ジ(p−ヒドロキシ−フェニル)−プロパンジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレートおよびテトラメタクリレート、2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)−プロパンジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタクリレート、ビスフェノールAのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−メタクリルオキシエチル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、ビスフェノールAのジ−(2−アクリルオキシエチル)エーテル、1,4−ブタンジオールのジ−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)エーテル、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリオキシプロピルトリエチロールプロパントリアクリレート、ブチレングリコールジアクリレートおよびジメタクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリアクリレートおよびトリメタクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジアクリレートおよびジメタクリレート、1−フェニルエチレン−1,2−ジメタクリレート、ジアリルフマレート、スチレン、1,4−ベンゼンジオールジメタクリレート、1,4−ジイソプロぺニルベンゼン、1,3,5−トリイソプロペニルベンゼンを含む。また、少なくとも300の重量平均分子量を有するエチレン性不飽和化合物、例えば、炭素数が2〜15個のアルキレングリコールまたは1〜10個のエーテル結合を有するポリアルキレンエーテルグリコールから調製されるアルキレングリコールジアクリレートまたはポリアルキレングリコールジアクリレート、ならびに米国特許2,927,022に開示の化合物(特許文献7参照)、たとえば、複数のフリーラジカル重合可能なエチレン性結合、特に末端の結合として存在するエチレン性結合を有する化合物も使用することができる。いくつかの実施形態において使用されている単量体は、ポリオキシエチル化された(polyoxyethylated)トリメチロールプロパントリアクリレート、エチル化された(ethylated)ペンタエリトリトールトリアルキレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレートおよび1,10−デカンジオールジメタクリレートである。
組成物中の重合体、単量体およびそれらの混合物の全質量%は、全組成物を基準として約5〜35質量%の範囲およびそれに包含される任意の範囲内である。組成物中の単量体は、全組成物を基準として約5質量%未満の量で存在する。
2.開始系
本発明に適する開始系は、熱開始、酸化還元開始、光開始、電離放射線開始、電子開始およびプラズマ開始を含む。より好ましい開始系は、光開始である。
好適な光開始系は、周囲温度にて化学線を照射することによりフリーラジカルを発生するものである。これらは、共役炭素環状系中に2つの環内炭素原子を有する置換または無置換の多核キノンを含む。多核キノンの例は、例えば、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、9,10−アントラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントレンキノン、ベンズ(a)アントラセン−7,12−ジオン、2,3−ナフタセン−5,12−ジオン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、2,3−ジメチルアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、レテンキノン、7,8,9,10−テトラヒドロナフトラセン−5,12−ジノン、および1,2,3,4−テトラヒドロベンズ(a)アントラセン−7,12−ジオンが挙げられる。有用な他の光開始剤は、幾つかは85℃程の低い温度において熱的に活性であるものの、米国特許第2,760,863号明細書に開示されており、ベンゾイン、ピバロイン、アシロインエーテル等のビシナルケトアルドニルアルコール類、たとえば、ベンゾインメチルとエチルエーテルなどが含まれる;α−メチルベンゾイン、α−アリルベンゾインおよびα−フェニルベンゾインのようなα−炭化水素置換芳香族アシロイン類、チオキサントン、および/またはチオキサントン誘導体および適切な水素供与体を含む(特許文献8参照)。米国特許3,427,161、米国特許3,479,185および米国特許3,549,367に開示されているような、フェナジン、オキサジンおよびキノン類の染料、ミヒラーズケトン、ベンゾフェノン、ロイコ染料を含む水素供与体を伴う2,4,5−トリフェニルイミダゾリル二量体(特許文献15から17)、およびそれらの混合物に加えて、米国特許2,850,445、米国特許2,875,047、米国特許3,097,096、米国特許3,074,974、米国特許3,097,097および米国特許3,145,104に開示されている光還元性染料および還元剤を開始剤として使用することができる(特許文献9から14)。また、米国特許4,162,162に開示されている増感剤も光開始剤および光抑制剤として有用である(特許文献18)。光開始または光開始系は、乾燥した光重合性被膜の全重量を基準として、0.05〜10質量%である。
3.増粘剤
本明細書で用いられる際に、“増粘剤”は、流体分散物または溶液の粘度および/またはチクソトロピーを増大させる任意の物質を意味する。また、増粘剤は、補強剤および/または伝導性充填材としても機能し得る水膨潤可能な成分であってもよい。本発明に適した増粘剤は、ポリビニルピロリドン(PVP K90, ISP Technologies, Inc.);ヒュームドシリカ(Cab-o-sil(登録商標), Cabot Corporation);Polyclar(登録商標)V,ISP Technologies,Inc.;Aculyn(登録商標) ISP Technologies,Inc.;ポリエチエレンオキシド(PEO 5MM, Polysciences,Inc.);カルボキシメチルセルロース(Aldrich);ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体(PVP/VA, S-630, ISP Technologies,Inc.);Kelgin(登録商標)(ISP Technologies,Inc.);タルク;およびガラスビーズが含むが、それらに限られるわけではない。
4.溶媒
有機媒質の溶媒成分は、重合体およびその他の有機成分をその中に含む完全な溶液を得るために選択される。該溶媒成分は、溶媒の混合物であってもよい。本発明に用いられる溶媒は、重合体およびその他の有機成分の完全な溶液を得るために必要な量が必要とされる。溶媒は、組成物の他の構成要素に対して不活性(非反応性)であるべきである。そのような溶媒は、脂肪族アルコール、そのようなアルコールのエステル(たとえば、酢酸エステルおよびプロピオン酸エステル);パイン油およびα−テルピネオールまたはβ−テルピネオールまたはそれらの混合物のようなテルペン類;エチレングリコールモノブチルエーテルおよびブチルセロソルブアセテートのようなエチレングリコールおよびそのエステル類;ブチルカルビトール、ブチルカルビトールアセテートおよびカルビトールアセテートのようなカルビトールエステル類およびテキサノール(登録商標)(2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)等のその他の適切な溶媒を含む。その他の好適な溶媒はより低い沸点を有し、そのような溶媒は酢酸エチル、メタノール、イソプロパノール、アセトン、キシレン、エタノール、メチルエチルケトンおよびトルエンを含む。
5.ヒドロゲル組成物の任意選択の添加剤
イオン性成分、殺生物剤、防腐剤、湿潤剤、界面活性剤および接着促進剤のような添加剤を、ヒドロゲル組成物中に含んで所望の特性を達成することができる。幾つかの添加剤について、以下に簡単に説明する。
本明細書で用いられる際に、“イオン性成分”は、負(アニオン性)または正(カチオン性)または両方(両性)のいずれかの状態にて電荷を帯びることが可能な原子、基または分子を意味するか、または原子が既に電荷を帯びた状態で存在する材料を意味する。本発明のイオン性成分は、横断電気抵抗を減少させるために添加される。例えば、本発明のイオン性成分は、塩(カチオン性、アニオン性または有機酸のアニオン)、緩衝剤および/またはイオン性重合体または高分子電解質であってもよい。
本明細書で用いられる際に、“殺生物剤”は、組み込みまたは適用される試薬であって、バクテリア、真菌類、カビおよび海洋生物を含む生物材料(それらに限定されるものではない)を駆除または抑止することができる剤を意味する。本発明において、殺生物剤を、水性環境のために促進し得る生物の成長を駆除または抑止するために使用してもよい。例えば、高エネルギー放射線、Germ-all(登録商標)(ISP Technologies, Inc.)、およびIrgasan(登録商標)(Chiba Specialty Chemicals)を含むが、それらに限定されるものではない殺生物剤を本発明において使用することができる。
ここで使われている“防腐剤”という用語は、生物、熱、酸化および天候を含むがそれに限定されるものではない手段により品質が低下するのを防ぐために、組み込みまたは適用される化学製品を意味する。
本明細書で用いられる際に、“湿潤剤”は、水分の保持を促進する任意の物質を意味する。例えば、当業者にとって良く知られたその他の潤湿剤の中でも、ソルビトール、プロピレングリコール、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリ(プロピレンオキシド)またはそれらの混合物を本発明において使用してもよい。好ましくは、本発明において使用される潤湿剤は、生物学的適合性を有するものである。
本明細書で用いられる際に、“界面活性剤”は、表面張力を変更する任意の物質を意味する。例えば、当業者によって知られているその他のものに加えて、以下の界面活性剤、Pluronic(登録商標)P85(BASF)、Pluronic(登録商標)P84(BASF)、Tween(登録商標)80(Aldrich)、ドデシル硫酸ナトリウム(Aldrich)、Amphosol(登録商標)CG、Amphosol(登録商標)HCG、Ninol(登録商標)LL(Stepan Corporation)、グリセロール(Aldrich)、ラウレス硫酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールエステル類を本発明において使用してもよい。
本明細書で用いられる際に、“接着促進剤”は、所望の支持体に対する加工されたヒドロゲル膜の接着力を改善するために、ヒドロゲル組成物中に添加されるものを意味する。
6.加工されたヒドロゲル膜および電極の製造
本明細書に記載されるヒドロゲル組成物を用いて、加工されたヒドロゲル膜を作製してもよい。ひとたび、ヒドロゲル組成物を調製して、スクリーン印刷に適した稠度およびレオロジーを有する組成物を形成したならば、次いで、スクリーン印刷の当業者に知られた慣用の方法で、その組成物を支持体の上に印刷する。その組成物は、スクリーン模様のパターンを反映する所望のパターンにスクリーン印刷される。
ヒドロゲル組成物の粘度は、典型的には、低、適、高の剪断速度で、ブルックフィールド1/2RVT粘度計を用いて測定される際に、以下に示すような範囲にある。
Figure 2005113137
本発明のヒドロゲル膜を、(1)以上に述べたようにヒドロゲル組成物を供給する工程と;(2)支持体を供給する工程と;(3)スクリーン印刷技術を用いて支持体上に(1)の組成物を堆積させる工程と;(4)前記基質上の前記組成物を加工して、ヒドロゲル膜を形成する工程という段階を含む方法によって形成してもよい。
さらに、上述の方法によって形成するヒドロゲル膜の支持体は、電極であってもよい。このように、ヒドロゲル膜は、所望の正確な位置と寸法にて電極上に直接に形成される。この電極は、医療用途に使用され得る。ここで、該ヒドロゲル膜は、患者の皮膚に付着する程の十分な粘着性がある。
本発明のヒドロゲル膜は、周囲条件下において最終的に溶媒を失うので、好ましくは、それらは水およびガス不透過性容器中で保存される。もし、ヒドロゲルが所望の形に印刷および成形され、使用を予定される電極と別個に保存される場合、好ましくは、両表面は剥離層によって覆われる。もし、ヒドロゲルが、使用が予定される電極に直接印刷および設置されて保存される場合、その露出表面、すなわち皮膚に対して適用される表面は、好ましくは剥離層によって覆われる。用いられる剥離層は、例えば、当業者にとって知られている任意のものであってもよく、たとえば、ポリエチレンまたはポリエステル層を用いることができるが、それらに限定されるものではない。
本発明を、以下の非制限的実施例を参照してさらに詳細に記載する。
(実施例1)光架橋性重合体の製造
Figure 2005113137
手順:
1)窒素ガス導入口とメカニカルスターラーを取り付けた1Lのフラスコ中に、200グラムのメチルエチルケトン(MEK)を添加し、窒素ガス雰囲気下で加熱して還流させた。
2)35グラムのジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、40グラムのメチルメタクリレート、25グラムのメタクリル酸および150グラムのMEKの混合物を、ポンプ#1を使用して、120分間かけて一定速度にて、前記1Lのフラスコに連続的に添加した。
3)6グラムのVAZO52および26グラムのMEKの混合物を、ポンプ#2を使用して、140分間かけて、前記1Lのフラスコに連続的に添加した。それら2つのポンプは、同時に作動を開始した。添加中、反応混合物を窒素ガス雰囲気下において、攪拌した。
4)添加後、120分間にわたって還流温度にて攪拌を続けた。
5)上記反応混合物を60℃まで冷却し、200グラムのMEKを添加した。その温度を55℃に保持し、1グラムの4-メトキシヒドロキノン(MEHQ)を添加した。
6)そして、1グラムのテトラエチルアンモニウムブロミドを添加した後、引き続いて13.75グラムのグリシジルメタクリレートの添加を行った。
7)混合物を58℃で24時間にわたって攪拌した。そして、溶媒を蒸発によって取り除き、さらに混合物を減圧下、50℃で12時間にわたって乾燥した。
8)VAZO52をDuPontから受領したことを除いて、全ての材料は、Aldrichから受領した。
(実施例2)ヒドロゲル組成物#1:
1.増粘剤(ポリエチレンオキシド)(PEO)(MW 2MM) 2.3%
2.H2O 57.7%
3.界面活性剤(Pluronic(登録商標) P84) 2.6%
4.イオン性成分(NaCl) 0.6%
5.重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基) 16.0%
6.溶媒(カルビトールアセテート) 19.1%
7.光開始剤(Irgacure 369) 0.3%
8.二官能性単量体(ポリエチレングリコールジメタクリレート(PEGDMA)) 1.4%
手順:
100mlのビン中で、1.6gの増粘剤(ポリエチレンオキシド(MW 2MM))を、40.4gの水と2分間で組み合わせて、その後、終夜で転動させて溶解した溶液を製造した。溶解した溶液に対して1.8gの界面活性剤(Pluronic(登録商標) P84,BASF)を添加し、溶解するまで約5分間にわたって手で攪拌した。その溶液に0.4gのイオン性成分(塩化ナトリウム,JT Baker)を添加し、溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。別個に、100mlのビーカー中で、上記の方法論にしたがって製造された11.2gの重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)を、20%刻みで、各添加後に1時間の混合をしながら、50℃において、13.4gの溶媒(カルビトールアセテート,Eastman Chemical)中に添加した。全ての添加の後に、最終的に得られた溶液を、50℃で終夜攪拌した。0.2gの光開始剤(Irgacure 369,Ciba)を、重合体溶液に添加し、そして溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。最後に、上記二つの溶液を組み合わせ、そして1.0gのPEGDMAを添加した。そして、得られた溶液を、5分間にわたって激しく攪拌した。
ヒドロゲル組成物♯1は、スクリーン印刷に適した組成物を与えた。得られた組成物をスクリーン印刷し、完全に硬化するまで水銀灯を使用してUV-放射に曝した。この加工により、粘性のあるヒドロゲル膜が得られた。
注:
1.PEO=ポリエチレンオキシド(MW 2MM),Polysciences,Inc
3.均一な混合物を作るための界面活性剤,BASF
4.イオン性成分−塩化ナトリウム,JTBaker
5.重合体=(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)
6.カルビトールアセテート,Eastman Chemical
7.Irgacure 369,Chiba
8.PEGDMA=ポリエチレングリコールジメタクリレート,Aldrich
(実施例3)ヒドロゲル組成物#2:
1.H2O 60.6%
2.増粘剤(PEO)(5MM) 1.9%
3.重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)16.9%
4.溶媒(カルビトールアセテート) 14.8%
5.光開始剤(Irgacure 369) 0.2%
6.イオン性成分(NaCl) 0.5%
7.二官能性単量体(PEGDMA,Aldrich) 1.5%
8.三官能性単量体(トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA),UCB Chemical Corp) 1.0%
9.界面活性剤(Pluronic(登録商標) P84,BASF) 2.6%
手順:
100mlのビン中で、0.6gの増粘剤(ポリエチレンオキシド(MW 5MM))を、20.6gの水と2分間で組み合わせて、その後、終夜で転動させて溶解した溶液を製造した。溶解した溶液に対して0.8gの界面活性剤(Pluronic(登録商標) P84,BASF)を添加し、溶解するまで約5分間にわたって手で攪拌した。次に、その溶液に0.2gのイオン性成分(塩化ナトリウム,JT Baker)を添加し、溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。別個に、100mlのビーカー中で、上記の方法論にしたがって製造された5.7gの重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)を、20%刻みで、各添加後に1時間の混合をしながら、50℃において、5.0gの溶媒(カルビトールアセテート,Eastman Chemical)中に添加した。全ての添加の後に、最終的に得られた溶液を、50℃で終夜攪拌した。0.07gの光開始剤(Irgacure 369,Ciba)を、重合体溶液に添加し、そして溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。最後に、上記二つの溶液を組み合わせ、そして0.5gのPEGDMAおよび0.3gのTMPTAを添加した。そして、得られた溶液を、5分間にわたって激しく攪拌した。
(実施例4)ヒドロゲル組成物#3:
1.増粘剤(ポリビニルピロリドン(K-90),ISP Technologies) 6.5%
2.H2O 49.4%
3.重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)21.4%
4.光開始系(Irgacure 369) 0.3%
5.溶媒(カルビトールアセテート) 18.8%
6.イオン性成分(NaCl) 0.6%
7.湿潤剤(グリセロール(Aldrich)) 3.0%
手順:
100mlのビン中で、0.7gの増粘剤(ポリビニルピロリドン(K-90),ISP Technologies)を、0.5gの水と2分間で組み合わせて、その後、終夜で転動させた。次に、その溶液に0.07gのイオン性成分(塩化ナトリウム,JT Baker)を添加し、溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。別個に、50mlのビーカー中で、上記の方法論にしたがって製造された2.4gの重合体(メチルメタクリレート−co−メタクリル酸−co−UV重合性基)を、20%刻みで、各添加後に1時間の混合をしながら、50℃において、2.2gの溶媒(カルビトールアセテート,Eastman Chemical)中に添加した。全ての添加の後に、最終的に得られた溶液を、50℃で終夜攪拌した。0.03gの光開始剤(Irgacure 369,Ciba)を、重合体溶液に添加し、そして溶解するまで約2分間にわたって手で攪拌した。最後に、上記二つの溶液を組み合わせ、そして0.3gの湿潤剤(グリセロール(Aldrich))を添加した。そして、得られた溶液を、5分間力強く攪拌した。
ヒドロゲル組成物♯3は、スクリーン印刷に適した組成物を与えた。得られた組成物をスクリーン印刷し、完全に硬化するまで水銀灯を使用してUV-放射に曝した。この加工により、粘性のあるヒドロゲル膜が得られた。

Claims (16)

  1. (a)可溶性または部分的に可溶性な重合体であって、共重合体、混合重合体またはそれらの混合物である重合体;
    (b)開始系;
    (c)増粘剤;
    (d)水;および
    (e)溶媒;
    を含み、但し粘度が約10Pa.s以上であることを特徴とするスクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物。
  2. 前記重合体は、共重合体、混合重合体、またはそれらの混合物である光架橋性重合体であって、該共重合体または該混合重合体のそれぞれは、(1)C1-10アルキルアクリレート、C1-10アルキルメタクリレート、スチレン、置換スチレンまたはそれらの組合せである非酸性コモノマー、(2)エチレン性不飽和カルボン酸含有部分を含む酸性コモノマーおよびその塩であって、該カルボン酸含有部分の2〜25%が、第1の官能性ユニットおよび第2の官能性ユニットを有する反応性分子と反応し、前記第1の官能性ユニットがビニル基であり、および前記第2の官能性ユニットが該カルボン酸部分との反応により化学結合を形成することができる酸性コモノマーおよびその塩、(3)酸性コモノマーの反応した部分から形成される第3コモノマーユニット、および(4)C1-10アルキルまたはアルコキシのメタクリレートまたはアクリレートを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記ビニル基が、メタクリレート、アクリレートまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  4. 前記第2の官能性ユニットが、エポキシド、アルコール、アミンまたはそれらの混合物から選択されることを特徴とする請求項2に記載の組成物。
  5. 単量体をさらに含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 前記単量体が、ポリオキシエチル化されたトリメチロールプロパントリアクリレート、エチル化されたペンタエリトリトールトリアルキレート、ジペンタエリトリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレートおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  7. 前記溶媒は、カルビトールアセテート、エタノール、メチルエチルケトン、アセトンおよびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 前記増粘剤は、ポリビニルピロリドン、フュームドシリカ、ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテート共重合体およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 湿潤剤、界面活性剤、殺生物剤、防腐剤およびそれらの混合物からなる群から選択される添加剤をさらに含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の組成物。
  10. イオン性成分をさらに含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の組成物。
  11. スクリーン印刷に適したペーストの形態にあることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の組成物。
  12. (a)スクリーン印刷可能なヒドロゲル組成物を供給する工程;
    (b)支持体を供給する工程;
    (c)スクリーン印刷技術によって、前記支持体の上に(a)の組成物を堆積させる工程;および
    (d)前記支持体上の前記組成物を加工して、ヒドロゲル膜を形成する工程
    を含むことを特徴とする加工されたヒドロゲル膜の製造方法。
  13. (a)請求項1から11のいずれか1項に記載の組成物を供給する工程;
    (b)支持体を供給する工程;
    (c)スクリーン印刷技術によって前記支持体上に(a)の組成物を堆積させる工程;および
    (d)支持体上の前記組成物を加工して、ヒドロゲル膜を形成する工程
    を含むことを特徴とする加工されたヒドロゲル膜の製造方法。
  14. 請求項13に記載の方法によって形成されたヒドロゲル膜。
  15. 請求項10または11のいずれかに記載の組成物を利用した電極。
  16. 請求項13によって形成されたヒドロゲル膜を利用した電極。
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