JP2005111395A - 排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分の酸化触媒構造体 - Google Patents

排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分の酸化触媒構造体 Download PDF

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Kazuhiro Yano
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敏彦 櫻井
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Abstract

【課題】排ガス中に含まれる一酸化炭を酸化除去する触媒活性が持続する触媒構造体を提供する。
【解決手段】該ジルコニア担体は少なくとも1種の無機または有機のジルコニウム化合物を大気中、450〜600℃で焼成したものである。触媒構造体の容量1リットル当たりのジルコニア量は20〜100gである。
【効果】使用温度でSOの酸化能が低い。アンモニアの吸着が少なく酸性硫酸アンモニウム等の酸性硫酸塩が形成しにくい。硫酸塩やダストと触媒との接触が低減できて活性成分担持量を多くしなくても一酸化炭素等可燃成分の酸化能の長期継続が期待できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、製鉄工場の燒結鉱の製造工程において発生する、SOx、ハロゲン、硫酸塩類ダスト、ヒュームを含む燒結炉排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分を酸化し環境を保護すると同時に反応熱を有効利用する触媒構造体に関するものである。
製鉄工場の燒結鉱の製造工程で生成する排気ガスには、一酸化炭素、微量の揮発性有機物(VOC)などの可燃成分のほか、NOx、SOx、ハロゲン、酸性硫酸塩類ダスト、重金属ヒューム、水蒸気等が含まれる。
これら有害成分を含む排気ガスは、通常排気ガス処理が施された後に大気排出される。排気ガス浄化処理としては、まず集塵装置により重金属ヒュームや微粒子ダストが除去され、次に脱硫装置により硫黄成分を含んだSOx等が除去され、次いで脱硝装置によりNOx等の窒素化合物が除去され、最後に一酸化炭素等の可燃ガスが触媒反応装置で酸化除去される。しかる後、熱交換器を通り熱回収されガスは大気中に排出される。
しかし、前記排気ガス処理設備で処理された後のガス中にも微量のSOx、ハロゲン、酸性硫酸塩類ダスト、重金属ヒュームが除去されず、触媒反応装置に到達する。
特にSOx、ハロゲン等のガス体は触媒に吸着し、触媒活性点であるPtを覆い、触媒の酸化能を低下させる。
また、分解温度の高い酸性硫酸塩類ダスト(例えば酸性硫酸アンモニウムの分解温度は490℃)が触媒表面に付着し、触媒細孔を閉塞する結果、排気ガスの酸化除去効率を低下させる。
酸化能の低下した触媒は、一般的には随時装置運転を継続しながら加熱再生されるが、これらの影響により触媒再生頻度を上げても触媒活性の持続が難しい欠点があった。
酸化除去用触媒の活性を持続させるための解決策として、例えば、下記特許文献1には、「燒結炉排気ガス中の一酸化炭素の酸化触媒として、排気ガス処理中の活性持続のためコージェライトに0.24mg/cm以上のPtを担持したPt−γ−アルミナ触媒成分をハニカム支持体にコートした触媒」が開示されている。
これは、例えば四角孔の300セル目のコーディライトハニカムでは、幾何学表面積22cm/cmで触媒全容積1リットル当たりPtの担持量が5.28g以上必要とする事に相当し、210セル目の製品では幾何学表面積19cm/cmで4.56g以上、80セル目の製品では幾何学表面積10cm/cmで触媒全容積1リットル当たりPtの担持量は2.4g以上、30セル目の製品で幾何学表面積8cm/cmで触媒全容積1リットル当たりPtの担持量は1.92g以上必要とする事に相当する。
特公平3−53971号公報
前述した様に、微量のSOx、ハロゲンガスの触媒表面への吸着や酸性硫酸塩ダストの触媒表面への付着や触媒細孔の閉塞等が、活性メタル表面積や触媒のBET比表面積を低減させる。活性の継続時間を少しでも長く保つために活性メタルの担持量を高める必要があるが、メタル担持量を高めても活性持続時間が短く、実用技術としては問題があった。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、触媒使用温度400〜500℃でSOの酸化能が低く、入口ガス中に含まれるアンモニアの吸着も少なく、生成する酸性硫酸アンモニウム等の酸性硫酸塩の形成も低減することができ、これらのダストの直接的な付着も防止でき、適度なメタル担持量で一酸化炭素や可燃成分の酸化能を長期に持続する触媒を見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一酸化炭素等可燃成分の酸化能を有する活性成分をジルコニア担体に担持した触媒を一体構造を有する支持体表面に被覆してなる触媒構造体であって、該ジルコニア担体は少なくとも1種の無機または有機のジルコニウム化合物を大気中、450〜600℃で焼成したものであり、触媒構造体の容量1リットル当たりのジルコニア量が20〜100gであることを特徴とする排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分の酸化触媒構造体である。
本発明で用いる支持体は、粒状、球状、ペレット状、押出し状、板状、円筒状、格子状の外、一体構造を有する支持体、フイルター状等の任意の形状をなすものであってよいが、燒結炉の様に排気ガス中にダストが多く含まれる場合は、セル目の大きいセラミック素材の一体構造を有する支持体を用いる事が好ましい。一体構造を有する支持体は例えばハニカム構造体、三次元網状構造である。
セラミック素材としてコーディライト(2SiO・2Al・5MgO)、ムライト(2SiO・3Al)、α−アルミナ、アルミナチタネート、チタニア、Si C、珪酸マグネシウム、シリカ・アルミナのハニカム状に成型したものや、ニチアス社や西部技研社から市販のセラミック繊維やシートで一体型構造を成型したもの、また、市販の活性炭、カーボングラファイト製のハニカム、市販のスポンジ状のセラミック三次元網状構造体がある。これらはそれ自体ではほとんど触媒担体機能を持たないので、表面に触媒担体機能を有する多孔質体を被覆して使用する。また、多孔質体にはPt、Rh等の活性成分を担持しておいてもよく、あるいは担体基材に被覆した後に活性成分を担持してもよい。
一体構造を有する支持体の内、コーディライト(2SiO・2Al・5MgO)から構成されたハニカム構造体が安価で最も好ましく用いられる。また、本発明に係る触媒の支持体は、上述した安価な組成構造体で構成され、機械的特性、物理的特性、例えば圧損強度、摩耗性、落下強度などが優れた物理的特性を有する。
ハニカム構造体や三次元網状構造体のセル数としては1平方インチ当り30〜300セルが適当である。30セル以下では、支持体体積当たりの幾何表面積が低く、体積当たりの触媒性能が低い。300セルを超えるとダストによる貫通孔の閉塞が起き易い。燒結炉排気ガスの様にダストの比較的多い排気ガスには,1平方インチ当り好ましくは30〜100セルの一体構造を有する支持体を使用する。
次に本発明に適用される一酸化炭素の酸化に用いる触媒を説明する。
本発明はで用いるジルコニア担体は、BETの比表面積が60m/g以上、好ましくは80m/g以上で、平均粒径が0.5〜10μmのものである。市販のジルコニア粉末を使用しても良いが次の安価な製法で製造できる。
例えば市販の硝酸ジルコニウムの直接熱分解により、または、硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、コロイド状ジルコニアなどの無機化合物、酢酸ジルコニル等の有機化合物などから選ばれるジルコニウム化合物の水溶液にアルカリ水溶液を加えて、生成する水酸化ジルコニウムを遠心分離して濾取、洗浄後、乾燥し、大気中350〜600℃、好ましくは450〜600℃で1〜12時間焼成し、粒径1μm程度まで粉砕することにより、ジルコニアを得ることができる。これら原料中に、微量の不純物等が含まれる場合でも、得られる物性に大きく影響を与えるものでない限り問題はない。ジルコニアは、希土類、La、Ce、Nd等の酸化物を1〜20重量%添加されたものであってもよい。
ジルコニアの焼成を450〜600℃で行う事により、100〜500℃の温度範囲における昇温脱離(TPD)によるアンモニアの吸着測定で、吸着量を0.10mmol/g以下に抑制する事が出来る。450℃を越えない温度での焼成では、アンモニアの吸着量が多く、600℃を越える温度での焼成ではBET比表面積が低下し、触媒化後の一酸化炭素やその他の可燃成分の酸化活性が低くなるので好ましくない。アンモニア吸着量が抑制される結果、製鉄工場の燒結鉱の製造工程やその後の排ガス処理工程からの排気ガス中に含まれるアンモニアの触媒への吸着を抑制し、アンモニアとFe、アルカリ、Pbなどとの反応の結果生成する酸性硫酸アンモニウム金属塩等の形成も低減可能となる。
担体に担持する活性成分は、一酸化炭素等可燃成分の酸化能を有する公知の酸化活性成分であってよく、貴金属元素またはその酸化物、とりわけPt、その酸化物またはこれらの混合物がSOx、ハロゲンの被毒に強い点で好ましい。またPtへの適量のRhの添加は、一酸化炭素酸化能を落とさずSO酸化能を抑制する。
活性成分としてのPtは、市販の例えばエヌ・イー・ケムキャツト社製のPt原料、白金の酸化物、例えば塩化白金酸、塩化白金アルカリ塩、塩化白金酸アンモニウム、アンミン白金塩化物、白金の有機塩化合物等の溶液にアルカリや酸を添加したり、これらの塩を酸化分解させ、還元処理して得られるPt微粒子、酸化物、水酸化物であってよい。
活性成分としてのRhは、市販の例えばエヌ・イー・ケムキャツト社製のRh原料、Rhの酸化物、例えば塩化ロジウム、塩化ロジウム酸、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、ロジウムの有機塩化合物等の溶液にアルカリや酸を添加したり、これらの塩を酸化分解させ、還元処理して得られるRh微粒子、酸化物、水酸化物であってよい。
前述のPtあるいはRhの担持状態は、熱分解した状態でも、またはアルカリや酸で中和沈殿した後、濾取、水洗した状態でもよいが、還元処理を行ったものを用いるのが好ましい。還元処理には湿式還元法と乾式還元法がある。湿式還元法ではPtあるいはRh原料をそのまま、またはそれをアルカリや酸で中和したもの、またはPtあるいはRh原料をジルコニア粉体に浸漬または吸液したもの、または支持体にジルコニア粉体を被覆した後PtあるいはRh原料をジルコニア粉体に浸漬または吸液させたものを、そのまま、または一旦乾燥または焼成後、水溶液中で10〜95℃でホルマリン、ヒドラジン、シュウ酸、SBH(ナトリウムボロハイドライト)等の一般的に用いられる還元剤を用いて10分〜一昼夜、還元を実施する。
乾式還元では、所定の焼成を行ったジルコニア粉体にPtあるいはRh原料をそのまま、またはそれをアルカリや酸で中和したもの、またはPtあるいはRh原料をジルコニア粉体に浸漬または吸液したもの、または支持体にジルコニア粉体を被覆した後PtあるいはRh原料をジルコニア粉体に浸漬または吸液させたものを、そのまま、または乾燥焼成するか、またはアルカリや酸で中和後水洗乾燥し、水素ガス、一酸化炭素等の還元性ガスやそれらを窒素で希釈した還元性ガスを使用し150〜600℃、好ましくは200℃〜500℃で30分〜3時間、還元を行なう。
アルカリや酸で中和後水洗処理をしていない場合は還元処理によりPtあるいはRhを固定した後に温水による洗浄で水溶性残留不純物を除去する事が触媒の低温活性向上に好ましい。
触媒を一体構造を有する支持体に被覆する場合、触媒のPtおよびRh担持量は、触媒を支持体に被覆した触媒構成体の容量1リットル当り、PtおよびRhの元素換算で0.5g〜3.0gである。PtおよびRh担持量がこの範囲より低いと一酸化炭素等可燃成分の酸化活性が弱く、担持量が高いと経済性で不利となる。
活性成分をジルコニア担体に担持した触媒を一体構造を有する支持体表面に被覆した触媒構造体を製造する方法には、1)まず活性成分をジルコニア担体に担持させた粉状の触媒を製造し、その後、該触媒を一体構造を有する支持体表面に被覆する方法と、2)予めジルコニア粉体を一体構造を有する支持体表面に被覆し、その後、活性成分を支持体表面に被覆されたジルコニア層に担持する方法がある。
前者の方法1)では、活性成分をジルコニアに担持した触媒を得るには、ジルコニア粉体を活性成分の原料物質の均一溶液または均一分散液に浸漬し、ジルコニア粉体に活性成分を吸着させた後、粉体を濾取するか、あるいは必要な量の活性成分の原料物質を、ジルコニア粉体の吸水量に相当する量の純水に溶かし、それをジルコニア粉体に噴霧または滴下する。その後この粉体を50〜200℃で乾燥し、450℃から600℃の温度で焼成して活性成分を担持させたジルコニア粉体を得る。乾燥後に前述した還元処理や温水洗浄を行っても良い。
次に、これらの粉体を純水およびバインダーと混合し、スラリー化し、ボールミルを用いてスラリー中の粒子を径が0.1〜10μmになるまで粉砕する。ここで用いるバインダーは、シリカ、ジルコニル等が好ましく、特にジルコニアバインダーが好ましい。バインダーの量は被覆層乾燥固形成分1kg当たり固形分として100〜200g、純水の量はジルコニア粉体のスラリーを所定の固形分濃度に調節する量を含め被覆層乾燥固形成分1kg当たり300〜800mlである。スラリーは純水の添加により所定の固形分濃度に調節する。スラリーの被覆前の乾燥固形成分濃度は例えば30〜60重量%であってよい。この場合、比重は1.20〜1.60g/mlとなる。このスラリーを一体構造を有する支持体に被覆する。
セルの数によって支持体表面の被覆に用いるスラリーの最適な固形分濃度は異なるが、好ましくは40〜50重量%である。支持体をスラリー中に5〜60秒間沈め、取り出した後、余分のスラリーを空気流等で取り除き、100〜200℃で乾燥する。乾燥後450〜600℃の温度で焼成を行い、支持体を粉体触媒で被覆してなる触媒構造体が得られる。被覆完成後の支持体1リットル当り、被覆される粉体触媒とバインダーの固形物量は、支持体のセル目、構造によって異なるが、通常30〜160gである。
後者の方法2)では、市販のジルコニア粉体を純水およびバインダーと混合し、スラリー化し、ボールミルを用いてスラリー中の粒子を径が0.1〜10μmになるまで粉砕する。ここで用いるバインダーは、シリカ、ジルコニル等が好ましく、特にジルコニアバインダーが好ましい。バインダーの量は被覆層乾燥固形成分1kg当たり固形分として100〜200g、純水の量はジルコニア粉体のスラリーを所定の固形分濃度に調節する量を含め被覆層乾燥固形成分1kg当たり300〜800mlである。スラリーは純水の添加により所定の固形分濃度に調節する。スラリーの被覆前の乾燥固形成分濃度は例えば30〜60重量%であってよい。この場合、比重は1.20〜1.60g/mlとなる。セルの数によって支持体表面の被覆に用いるスラリーの最適な固形分濃度は異なるが、好ましくは40%〜50重量%である。
その後、支持体をそのスラリー中に5〜60秒間沈め、取り出した後余分のスラリーを空気流等で取り除き、100〜200℃で乾燥する。乾燥後450〜600℃の温度で焼成し被覆が完成される。被覆完成後の支持体1リットル当りに被覆されるジルコニアとバインダーの固形物の量は、支持体のセル目、構造によって異なるが、30g〜160gである。
これらの被覆を完成した後、該ジルコニアとバインダーの固形物で被覆された支持体を活性成分の原料物質を含む液中に室温〜98℃の温度にて浸漬または吸液し、室温〜200℃の温度で乾燥した後、450〜600℃の温度で焼成し、場合によっては還元処理を行い、更に洗浄してから50〜200℃の温度で乾燥して、触媒構造体を得る。
ジルコニアまたは活性成分−ジルコニアの触媒は、何処かの工程で450〜600℃で1時間から12時間熱処理を受けさせる。熱処理条件は好ましくは大気中2〜5時間である。
ジルコニア量は触媒構造体の容量1リットル当たり20〜100g、好ましくは30〜60gである。この範囲のジルコニア量では、ダストによる目詰まりもなく一酸化炭素等可燃成分の酸化性能の持続に効果がある。
支持体をジルコニアスラリーに浸す高さを調節する事により、触媒構造体の一部例えばガス流れ方向の前部のみにジルコニアの被覆を行い、飛散酸性硫酸塩ダスト類が付着堆積し易い触媒表面を保護する事が出来る。
活性成分層やジルコニア担体にチタン酸アルミニウム、チタン酸カリウム、SiC等の市販のウイスカー、ガラス繊維、アルミナ・シリカ繊維、活性炭繊維、カーボングラファイト繊維等の耐酸性繊維状物質を添加して被覆層の密着性を増す事も好ましい。
[使用方法]
触媒層の出口ガス温度は、入口ガス温度に処理ガス中に存在する一酸化炭素の酸化熱による昇温が加算される。一酸化炭素の濃度変動を考慮し、触媒層出口温度が490℃以上、好ましくは500℃以上を維持する様に、入口ガス温度の制御を行う事が当該被毒成分共存ガスの処理で長期一酸化炭素の接触酸化活性維持に望ましい。入口ガス温度350℃未満では除去効率が低いことに加え、極微量のSOxによる被毒で活性の維持が難し い。
また、一酸化炭素の濃度が低い時に易燃性のガスを入口ガス側に追加して触媒層の温度を上げることや、活性低下が観測された場合500℃以上の熱風による再生処置を行う使い方が望ましい。
処理ガスの酸素濃度は、ガス中の可燃成分を燃焼するに充分な理論量以上で有れば良いが、好ましくは理論量の2倍から10倍を必要とする。本発明による触媒構造体の反応装置への充填量は、通常、空間速度(SV)1,000〜100,000h−1、好ましくは3,000〜80,000h−1である。本発明による触媒構造体の設置位置は、脱硝装置を併用する場合、脱硝触媒層の前後どちらでもよいが、これを前段に設置する場合、脱硝用の還元剤が酸化されることのないよう、処理ガス流に対して還元剤の注入口前段に設置する。
本発明の触媒構造体は、(1)使用温度でSOの酸化能が低い、(2)アンモニアの吸着が少なく酸性硫酸アンモニウム等の酸性硫酸塩が形成しにくい、(3)硫酸塩やダストと触媒との接触が低減できて活性成分担持量を多くしなくても一酸化炭素等可燃成分の酸化能の長期継続が期待できる、(4)排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分を酸化し反応熱を有効に広範囲な用途で使える、(5)共存VOCやダイオキシン類の除去も可能である、等の利点を有し、エネルギー源の節約、有害物質の分解除去による環境保全の他、省エネによる二酸化炭素の削減が可能で、地球温暖化の防止に利用出来る。
以下に実施例および比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
市販のBET比表面積値97m/gを有するジルコニア粉体(平均粒度1μm)を550℃2時間大気中で焼成し、BET比表面積値43m/gのジルコニア粉体1,000gを得た。これにバインダーとして市販の20%酢酸ジルコニル883g(ジルコニアとしての固形分176g)、純水500mlを均一混合し、同粉体をボールミルにて8時間湿式粉砕して取りだし、230mlの純水を加えて固形分約45重量%のジルコニアスラリーを調製した。
このスラリーに1インチ平方当たり80セルのセル目を持つ日本ガイシ社市販のハニセラム(コージェライト製ハニカム支持体)150mm×150mm×高さ50mmを浸漬し、引き上げ、空気流で余分なスラリーを除去した後、110℃で60分乾燥し、400℃1時間焼成して、ハニカム支持体1リットル当たり65gの固形分を被覆した。
次に、この支持体を、エヌ・イー・ケムキャット社製の塩化白金酸5.75g(HPtCl、Pt含有率40%、Ptで2.3g)を溶解した加温水溶液に浸し、95℃2時間保持後引き上げ、100℃で乾燥した。これを水素を含む気流中で400℃1時間還元処理した後、温水洗浄し110℃乾燥して2.0g/リットルPt−ジルコニア触媒コート(被覆)コージェライト製ハニカム触媒構造体A−1(触媒構造体としてのBET比表面積は4.9m/g)を調製した。
実施例2
実施例1で用いたと同じBET比表面積値97m/gを有するジルコニア粉体(平均粒度1μm)を550℃2時間大気中で焼成した。BET比表面積値を43m/gとしたジルコニア粉体824gを得た。これにエヌ・イー・ケムキャット社製の塩化白金酸77.5g(HPtCl、Pt含有率40%、Ptで31g)を含む水溶液300mlを滴下し、100℃2時間乾燥した。
次いで、この粉体を水素還元炉中で水素を含む気流中で400℃1時間還元後、温水中に縣濁し、濾取、洗浄し、3.63%Pt−ジルコニア粉体855gを調製した。
このPt−ジルコニア粉体とバインダーとしての20%酢酸ジルコニル883g(ジルコニアとしての固形分176gを含む)、純水500mlとを均一混合し、粉体をボールミルにて8時間湿式粉砕し、取り出して純水を加えてPt−ジルコニア固形分約45重量%のスラリーを調製した。
このスラリーに1インチ平方当たり80セルのセル目を持つ実施例1で用いたと同じコージェライト製ハニカム支持体150mm×150mm×高さ50mmを浸漬し、引き上げ、空気流で余分なPtを含むスラリーを除去した後、110℃で60分乾燥し、400℃1時間焼成して、Pt−ジルコニアの触媒成分をハニカム支持体1リットル当たり65g被覆して、2.0g/リットルPt−ジルコニア触媒コート(被覆)コージェライト製ハニカム触媒構造体A−2(触媒構造体としてのBET比表面積は4.8m/g)を調製した。
実施例3
実施例1で用いたと同じBET比表面積値97m/gを有するジルコニア粉体(平均粒度1μm)を使用して実施例2と同様の手法で被覆後支持体を得た。
次にこの支持体を、エヌ・イー・ケムキャット社製のテトラアンミンPtジナイトレート水溶液([Pt(NH](NO)4水溶液、Pt含有率5.7%)を純水で希釈して2.3%Pt含有率のテトラアンミンPtジナイトレート水溶液とした液中に5秒間浸し吸液させ、引き上げ、空気流で余分なPt液を除去し、99gのPt液量を吸液させた。100℃で乾燥60分、500℃2時間焼成後、温水で洗浄乾燥して2.0g/リットルPt−ジルコニア触媒コート(被覆)コージェライト製ハニカム触媒構造体A−3(触媒構造体としてのBET比表面積は5m/g)を得た。
実施例4
実施例3と同様の手法でジルコニアを被覆した支持体を作成し、エヌ・イー・ケムキャット社製のテトラアンミンPtジナイトレート水溶液のPt含有率を2.07%、1.84%、1.59%に変えて、同様の手法でPt担持・焼成・温水洗浄・乾燥を施し、各 1.8g/リットル、1.6g/リットル、1.4g/リットルのPt−ジルコニア触媒コートコージェライト製ハニカム触媒構造体(触媒構造体としてのBET比表面積は各々5.3m/g)を得た。
別途、エヌ・イー・ケムキャット社製の硝酸Rhを純水で溶解調整し、0.23%、0.46%、0.69%Rh含有液を作り、各液に上記1.8g/リットル、1.6g/リットル、1.4g/リットルのPt−ジルコニア触媒コートコージェライト製ハニカム触媒構造体を5秒間浸し吸液させ、引き上げ、空気流で余分な液を除去、92gのRh液量を吸液させた。100℃で乾燥60分、500℃2時間焼成後、温水で洗浄乾燥して2.0g/リットル(Pt+Rh)−ジルコニア触媒コートコージェライト製ハニカム触媒構造体A−41、42、43(触媒構造体としてのBET比表面積は4.8m/g)を得た。
実施例5
実施例1で用いたと同じBET比表面積値97m/gを有するジルコニア粉体(平均粒度1μm)を、550℃2時間大気中で焼成し、BET比表面積値43m/gのジルコニア粉体1,000gと成したものに、バインダーとして実施例1で用いたと同じ20%酢酸ジルコニル883g(ジルコニアとしての固形分176g)、純水500mlを均一混合し、ボールミルにて8時間湿式粉砕して取りだし、560mlの純水を加えて固形分約40重量%のジルコニアスラリーを調製した。
このスラリーに実施例3の2.0g/リットルPt−ジルコニア触媒コート(被覆)コージェライト製ハニカム触媒構造体A−3を浸漬し、引き上げ、空気流で余分なスラリーを除去した後、110℃で乾燥60分、400℃1時間焼成して、ジルコニア被覆層を触媒構造体1リットル当たり40gの固形分として被覆し、ジルコニア表面コート−2.0g/リットルPt−ジルコニア触媒コートコージェライト製ハニカム触媒構造体A−5を得た。
比較例1
ジルコニア粉末を市販のアナターゼ型のチタニア粉体に変更した以外は実施例1と同一の処理により、2.0g/リットルPt−チタニアコート(被覆)コージェライトハニカム触媒構造体Bを調製した。
比較例2
ジルコニア粉末を市販のγ−アルミナ粉体に変更した以外は実施例1と同一な処理により2.0g/リットルPt−γ−アルミナコート(被覆)コージェライトハニカム触媒構造体Cを調製した。
SO酸化性能評価試験1
上記触媒構造体A−1〜3、5、B、Cを夫々1%一酸化炭素−50ppmSO−空気からなる調製ガスを使用して、空間速度(SV)61,000h−1でSOの酸化能の測定を行った。この結果を図1に示す。実施例1、2、3で得られたPt−ジルコニア触媒構造体A−1〜3、実施例5で得られたジルコニア表面コートPt−ジルコニア触媒構造体A−5は、概略同様の結果を示した。これから、Pt触媒構造体A−1〜3や表面ジルコニアコートPt触媒構造体A−5がチタニアを用いた触媒構造体B、γ−アルミナを用いた触媒構造体Cに比較して触媒使用温度300℃以上、特に400−500℃でSOのSOへの酸化能が低い事がわかる。
SO酸化性能評価試験2
上記触媒構造体A−41〜43を夫々1%一酸化炭素−50ppmSO−空気からなる調製ガスを使用して、空間速度(SV)61,000h−1でSOの酸化能の測定を行った結果を図2−1に示す。図2−2には、実際の焼結炉排気ガスによる入口反応温度420℃のCO酸化性能(SV:60,000h−1)試験結果を示す。
Rhの添加により、CO酸化性能は変化せず、SO性能が低下する事がわかる。
CO酸化性能ライフ試験
実際の焼結炉排気ガスによる、SV=60,000h−1、入口ガス温度420℃でのライフ試験の結果を図3に示す。本発明の実施例1、2、3、5で得られたPt−ジルコニア触媒構造体A−1〜3、5は、比較例1、比較例2と比較して当該被毒成分を共存する処理ガスに対して一酸化炭素除去能の低下が見られず、著しく耐久性が優れていることがわかる。
アンモニア吸着量の測定

実施例で使用したジルコニア粉体(550℃2時間大気中焼成粉体)、チタニア粉体(550℃2時間大気中焼成粉体)、γ−アルミナ粉体(550℃2時間大気中焼成粉体)ならび未焼成ジルコニア粉体を夫々ヘリウムガスで500℃まで加熱前処理し、100℃でアンモニアを1時間流通し、100℃で真空脱気した。各粉体について、温度100℃〜500℃におけるアンモニアTPD(アンモニア吸着量の総和)を測定した。この結果を表1および図4に示した。
これらから、実施例のジルコニア焼成品のアンモニア吸着量がチタニア焼成品やγ−アルミナ焼成品やジルコニア未焼成品より少ない事、および触媒層温度400℃前後以上では殆どアンモニアの吸着が無い事が分かる。
Figure 2005111395
入口ガス温度とSOのSOへの転化率の関係を示すグラフである。 入口ガス温度とSOのSOへの転化率の関係を示すグラフである。 Rh/Ptモル比と一酸化炭素の転化率の関係を示すグラフである。 時間(日)と一酸化炭素の転化率の関係を示すグラフである。 温度とアンモニア脱着量の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 一酸化炭素等可燃成分の酸化能を有する活性成分をジルコニア担体に担持した触媒を一体構造を有する支持体表面に被覆してなる触媒構造体であって、該ジルコニア担体は少なくとも1種の無機または有機のジルコニウム化合物を大気中、450〜600℃で焼成したものであり、触媒構造体の容量1リットル当たりのジルコニア量が20〜100gであることを特徴とする排気ガス中の一酸化炭素等可燃成分の酸化触媒構造体。
  2. 活性成分がPt、その酸化物またはこれらの混合物であり、Rhを含んでもよく、活性成分の量が、その元素換算で、触媒構造体の容量1リットル当たり0.5〜3.0gであることを特徴とする請求項1に記載の触媒構造体。
  3. 昇温脱離(TPD)によるアンモニアの吸着量測定で100〜500℃の温度範囲におけるアンモニアの吸着量が0.10mmol/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の触媒構造体。
  4. BET比表面積が60m/g以下 であることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
  5. 支持体がハニカム構造体または三次元網状構造体であり、そのセル目の数が1平方インチ当たり30〜300個であることを特徴とする請求項1に記載した触媒構造体。

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