JP2005110436A - 静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子 - Google Patents

静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子 Download PDF

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Abstract

【課題】高精度な駆動を行う場合であっても、波形データ生成部を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減できる静電アクチュエータを提供すること。
【解決手段】外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成するとともに、波形データを保持するキュー0及びキュー1〜3を有する波形出力レジスタ73と、波形出力レジスタ73のキュー0に保持された波形データを駆動時間経過後に消去するとともに、キュー1〜3に保持された波形データをキュー0に移動させる波形データ管理部74と、波形出力レジスタ73のキュー0に保持された駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部75と、入力された駆動パターンを変換して電圧として出力し、電極に印加するスイッチング回路60とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、静電気力で駆動される静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子に関し、特に高精度な駆動を行う場合であっても、波形データ生成部を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減できるものに関する。
アクチュエータを構成する固定子及び可動子相互間で静電気力を発生させ、その反発力・吸引力により可動子を駆動する静電アクチュエータが知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。静電アクチュエータは、図18に示すように、MPU(波形データ生成部)1と、波形出力レジスタ2と、出力波形生成部3と、スイッチング回路4と、アクチュエータ(固定子及び可動子)5とを備えている。図19は、プログラムROM6に格納された制御プログラムに基づいて波形出力レジスタ2にデータを入力するプロセスを示している。
このような静電アクチュエータでは、図20に示すように、制御プログラムとMPU1とを組み合わせることで、アクチュエータ現在位置及び駆動方向(固定子に対する可動子の現在位置及び可動子の駆動方向)を算出し(ST1)、それに応じてプログラムROM6上の波形データ列から適当な波形データ(駆動時間と駆動パターン)を取り出し、波形レジスタにセットする(ST2)。この波形出力レジスタ2にセットされた波形データに基づいて、出力波形生成部3において、波形データを生成し、この波形データをスイッチング回路4において電圧に変換し、アクチュエータ(固定子及び可動子)に設けられた電極に印加するようにしていた。
なお、予め定められた駆動時間が経過したか否かが判断され(ST3)、経過している場合には次の波形データを出力するために、アクチュエータの現在位置及び駆動方向に応じて波形時間データ列から適当な波形データが波形出力レジスタ2にセットされる。
このように電圧を印加することで機械的な駆動力を発生させる装置として静電アクチュエータの他、圧電アクチュエータ等、電気機械変換素子が知られている(特許文献3,4参照)。
特開平8−140367号公報 特開平10−239578号公報 特開2001−119917号公報 特開2002−27767号公報
上述した静電アクチュエータ及び静電アクチュエータ駆動方法であると次のような問題があった。すなわち、設定された最小波形単位時間(例えば0.1ms〜1ms)に対し正確に波形データを生成するためには、可動子の現在位置及び駆動方向を算出するステップを駆動波形の要求分解能(0.1ms)に対して十分小さい値(例えば1/1000以下)に抑える必要がある。このスペックを実現するためにはMPUを非常に高速に動作させる必要がある。例えば、可動子の位置及び駆動方向を算出するために約3000クロック必要な場合は、300MHzのクロックがMPUに要求されることとなる。このように高速なクロックであるとMPUでの消費電力が上昇し、電源に余裕が無いモバイル用途には適していない。
そこで本発明は、高精度な駆動を行う場合であっても、MPUを高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減できる静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子を提供することを目的としている。
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明の静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子は次のように構成されている。
(1)電極基板を有する固定子と、この固定子に案内されて所定方向に往復動自在で、かつ、上記電極基板に対向配置された電極が設けられた可動子とを備えた静電アクチュエータにおいて、外部からの動作要求に基づいて少なくとも駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする。
(2)上記(1)に記載された静電アクチュエータであって、上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部からの波形データは最上段のサブバッファに入力し、上記出力領域に移動される波形データは最下段のサブバッファから出力し、上記複数のサブバッファ間で最上段から最下段に向けて順次移動させるものであることを特徴とする。
(3)上記(1)に記載された静電アクチュエータであって、上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部において生成された波形パターンが上記バッファ領域に移動する際に上記波形パターンを特定するフラグを付与し、当該波形パターンが上記バッファ領域から上記出力領域に移動する際に上記フラグを上記波形データ生成部に送ることを特徴とする。
(4)上記(1)に記載された静電アクチュエータであって、上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部からの波形データは書込みポインタの指示するサブバッファに入力し、上記出力領域に移動される波形データは読出しポインタの指示するサブバッファから出力し、上記書込みポインタ及び読出しポインタを所定の順序にしたがって移動させるものであることを特徴とする。
(5)上記(1)に記載された静電アクチュエータであって、上記波形データには、上記電極基板に印加する出力電圧のデータが含まれていることを特徴とする。
(6)電極基板を有する固定子と、この固定子に案内されて所定方向に往復動自在で、かつ、上記電極基板に対向配置された電極が設けられた可動子とを備えた静電アクチュエータ駆動方法において、外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成工程と、上記波形データを出力領域及びバッファ領域に順次保持させる波形データバッファ工程と、上記出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理工程と、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する波形生成工程と、入力された駆動パターンを変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加する電圧印加工程とを備えていることを特徴とする。
(7)上記(6)に記載された静電アクチュエータであって、上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを最上段のサブバッファに入力する波形データ入力工程と、上記出力領域に移動される波形データを最下段のサブバッファから出力する波形データ出力工程と、上記複数のサブバッファ間で最上段から最下段に向けて順次移動させる波形データ移動工程とを具備することを特徴とする。
(8)上記(6)に記載された静電アクチュエータであって、上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを上記バッファ領域に移動する際に上記波形パターンを特定するフラグを付与するフラグ付与工程と、上記波形データが上記バッファ領域から上記出力領域に移動する際に上記フラグを送出する送出工程とを具備し、上記波形データ生成工程は、上記送出工程で送出されたフラグに基づいて上記波形データを生成するものであることを特徴とする。
(9)上記(6)に記載された静電アクチュエータであって、上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを書込みポインタの指示するサブバッファに入力する入力工程と、上記出力領域に移動される波形データを読出しポインタの指示するサブバッファから出力する出力工程と、上記書込みポインタ及び読出しポインタを所定の順序にしたがって移動させる移動工程とを具備することを特徴とする。
(10)上記(6)に記載された静電アクチュエータであって、上記波形データには、上記電極基板に印加する出力電圧のデータが含まれていることを特徴とする。
(11)電圧が印加されることにより機械的な駆動力を発生する電気機械変換素子において、外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電気機械変換素子に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする。
(12)電圧が印加されることにより固定子と可動子との間に静電力が発生して、前記可動子に機械的な駆動力が発生する電気機械変換素子において、外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする。
(13)電圧が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子において、外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電気機械変換素子に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、高精度な駆動を行う場合であっても、MPUを高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能となる。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る静電アクチュエータ10の概略構成を示す図、図2はアクチュエータ制御部70における制御フローを示す図である。
静電アクチュエータ10は、第1の可動子20及び第2の可動子30と、固定子40と、後述するレンズL1,L2によって結像される撮像素子50と、上記第1の可動子20、第2の可動子30、固定子40に電圧を付与するスイッチング回路60と、このスイッチング回路60を制御するアクチュエータ制御部70とを備えている。
第1の可動子20及び第2の可動子30は中空部を有する略直方体に形成されている。静電アクチュエータ10により小型の電子機器等に内蔵されるカメラモジュールが構成されている。
第1の可動子20は、レンズL1を保持するとともに略直方体状に形成された可動子本体21を備えている。この可動子本体21には、固定子40の後述する電極基板42,43と対向するとともに凸状ストライプ電極(G)が形成された一対の電極面22,23が形成されている。
第2の可動子30は、レンズL2を保持するとともに略直方体状に形成された可動子本体31を備えている。この可動子本体31には、固定子40の後述する電極基板42,43と対向するとともに凸状ストライプ電極(H)が形成された一対の電極面32,33が形成されている。
固定子40は、固定子枠41と、電極面22,23,32,33と対向する面に装着された電極基板42,43とが形成されている。電極基板42,43の第1の可動子20及び第2の可動子30に対向する電極面には、ストライプ状の電極(A〜F)が形成されている。
スイッチング回路60は、入力された波形データに基づいて電極基板42,43に印加する電圧に変換する機能を有している。すなわち、波形データの各ビットの1/0が電極に付与する電圧のHigh/Lowに対応している。
アクチュエータ制御部70は、波形データ生成部71と、制御プログラムを収納するROM72と、波形出力レジスタ73と、波形データ管理部74と、出力波形生成部75とを備えている。波形出力レジスタ73には、キュー0(出力領域)と、キュー1〜キュー3(バッファ領域)とが設けられており、それぞれTIMEレジスタ73aと、DATAレジスタ73bとを備えている(図4参照)。波形データ生成部71と出力波形生成部75とは互いに独立のMPUにより駆動されている。
図2の(a),(b)は、アクチュエータ制御部70における制御フローを示す図であり、(a)は波形データ生成部71の制御フロー、(b)は波形データ管理部74の制御フローである。
波形データ生成部71では、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出する(ST10)。次に、波形出力レジスタ73のキュー0〜3がフルになったかが判断され(ST11)、フルの場合は(ST10)に戻り、空きがある場合には波形出力バッファ73のキュー3に波形データをセットし(ST12)、(ST10)に戻る。
一方、波形データ管理部74では、波形出力レジスタ73のキュー0に波形データがあるか否かが判断され(ST20)、無い場合には待ちとなる。また、波形データがある場合には、キュー0に入っている波形データを出力する(ST21)。続いて、キュー0の波形データにおいて指定された波形出力時間が経過したか否かが判断され(ST22)、経過していない場合には(ST21)に戻り、経過している場合には波形出力レジスタ73のキュー0に入っている波形データを消去する(ST23)。そして、(ST20)に戻る。
このように構成された静電アクチュエータ10においては、次のようにして駆動が行われる。なお、この静電アクチュエータ10における最小波形単位時間は1msに設定されており、1msより短い間隔で駆動パターンが変わることはない。また、図3は波形データの一例、図4はアクチュエータ制御部70における波形出力レジスタ内の波形データと波形生成データとの関係を示す説明図、図5は起動開始から8ms後までの波形出力レジスタ73へのデータイン、データアウトの様子を模式的に示す説明図である。
静電アクチュエータ10を起動すると、アクチュエータ制御部70より、起動時の動作が行われる。なお、起動開始時は波形出力レジスタ73のキュー0〜3には、波形データは入っていない。
起動開始直後においては可動子20,30の保持動作を行うように設定されており、図3に示すような波形データが波形出力レジスタ73のキュー3に入力される。キュー3に入った波形データは直ちにキュー2、キュー1、キュー0と送られ、波形出力レジスタ73のキュー0〜3がフルになるまでデータイン(α1〜α3)される。2msが経過すると、波形データキューの最初のデータは自動的にデータアウト(β1)、キュー1の波形データはキュー0に、キュー2の波形データはキュー1に、キュー3の波形データはキュー2に移動し、キュー3内は空きとなる。この直後、波形データ管理部74から波形データ生成部71に対しデータイン(α4)の指示が出され、1つの波形データが波形出力レジスタ73のキュー3に挿入される。その後はデータアウト(β2、β3、β4、β5、…)が行われキュー3に空きができる毎にデータイン(α5、α6、α7、α8、…)が行われることとなる。
上述した波形出力レジスタ73から出力される駆動パターンの各ビットの1/0は、固定子40あるいは可動子20,30の電極のHigh/Low電圧に対応しており、この1/0をスイッチング回路60によりHigh/Low電圧へ変換し、可動子20,30及び固定子40の電極(A〜H)に印加される。
このように、波形出力レジスタ73にバッファ領域として機能するキュー1〜3を設けるとともに、波形データ生成部71の動作とは並列に実行される波形データ管理部74で波形データの管理を行うことで、アクチュエータの現在位置及び駆動方向を算出する波形データ生成部71の動作に余裕ができることとなる。
例えば、1μsの精度で波形パターンを生成する場合に要求されるクロックは1MHzとなる。一方、上述したように波形出力レジスタ73にキューが2段以上ある場合には、最小波形単位時間以内にアクチュエータの現在位置及び駆動方向を算出が終了すればよいことになる。したがって、最小波形単位時間を0.1msとし、アクチュエータの現在位置及び駆動方向を算出するのに約3000クロック必要として理論値を求めると、クロックの最小要求スペックは0.3MHzとなる。したがって、波形パターンを生成するステップに要求されるスペック(1MHz)に対し、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップに要求されるスペック(0.3MHz)は低くてよいことになる。したがって、このため、波形出力レジスタ73にバッファが設けられていない場合に比べて低消費電力化が可能である。
なお、最小波形単位時間が大きくなればクロックの最小要求スペックがさらに低くなり、例えば最小波形単位時間を0.5msとすると、クロックの最小要求スペックはさらに低くなり60kHzとなる。
上述したように本実施の形態に係る静電アクチュエータ10によれば、波形出力レジスタ73にキューというバッファを設けるとともに、波形データ管理部74を設けているので、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部71を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。
なお、波形出力レジスタ73にはバッファ領域が多段で構成されている。このため、データインは必ずバッファ領域の最上段で行われ、バッファ領域から出力領域への移動は必ずバッファの最下段から行われることとなる。バッファ領域から出力領域への移動がおこなれた後、全ての波形データを一段下げる。すなわち、データインとデータアウトの位置が特定されているため、モジュール構成が簡単であるという効果がある。
上述した静電アクチュエータ10では、制御プログラムの格納部としてROMとしたが、RAMでもよい。
図6は本発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御部200を示すブロック図である。アクチュエータ制御部200は上述したアクチュエータ制御部70と同様に静電アクチュエータ10に組み込まれるものである。なお、アクチュエータ制御部200においては、リングバッファという手法が用いられている。
アクチュエータ制御部200は、波形データ生成部210と、制御プログラムを収納するROM220と、波形出力レジスタ230と、波形データ管理部240と、出力波形生成部250とを備えている。波形出力レジスタ230には、出力領域231と、バッファ領域232〜236とが設けられている。
波形データ管理部240は、ポインタ制御部241と、書込みポインタ242と、読出しポインタ243cとを備えている。このポインタ制御部241は、バッファ領域232〜237に波形データを書き込む機能及びバッファ領域232〜237に書き込まれた波形データを出力領域231に移動する機能を備えている。また、その際に書込みポインタ242及び読出しポインタ243を移動することで、書き込む位置及び読み出す位置を制御する機能を備えている。
書込みポインタ242はバッファ領域232〜237への書込み位置を制御する機能を備えており、書込みポインタ242が現在指示しているバッファ領域232〜237に波形データが書き込まれると1つ進められる。また、読出しポインタ243は、バッファ領域232〜237からの読出し位置を制御する機能を備えており、読出しポインタ243が現在指示しているバッファ領域232〜237から波形データが読み出されて出力領域231に移動されると1つ進められる。なお、書込みポインタ242及び読出しポインタ243は最終段のバッファ領域237の次は最上段のバッファ領域232に移動する。
このように構成されたアクチュエータ制御部200では、次のようにしてスイッチング回路60に波形信号を送る。すなわち、波形データ生成部210では、上述した波形データ生成部71と同様にして波形データを生成する。波形データ管理部241では、バッファ領域232〜237のうち、例えば書込みポインタ242が指示しているバッファ領域233に波形データを書き込み、書込みポインタ242をバッファ領域234に移動する。
一方、所定の駆動時間が経過した時点で出力領域231の波形データを消去し、バッファ領域232〜237のうち読出しポインタ243が指示しているバッファ領域236の波形データを出力領域231に移動させる。出力波形生成部250では出力領域231に格納された波形データに基づいて波形信号を生成し、スイッチング回路60に入力する。
なお、特定の波形データを繰り返して用いる場合には、読出しポインタ243を一定のバッファ領域を指示することで、その都度波形データを生成する必要がなく、波形データ生成部210の動作に余裕ができる。
本第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御部200によれば、上述したアクチュエータ制御部70と同様に、静電アクチュエータ10を制御する際に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、波形出力レジスタ230にバッファ領域232〜237を設けることにより、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部210を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。また、波形データ管理部240により、波形データを書き込むバッファ領域と波形データを読み出すバッファ領域をその都度指定するようにしているので、バッファ領域間で波形データの移動が必要無く、動作を単純化することが可能である。
図7は本発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御部300を示すブロック図である。アクチュエータ制御部300においては、ダブルバッファという手法を用いる。アクチュエータ制御部300は上述したアクチュエータ制御部70と同様に静電アクチュエータ10に組み込まれるものである。なお、アクチュエータ制御部300においては、ダブルバッファという手法が用いられている。
アクチュエータ制御部300は、波形データ生成部310と、制御プログラムを収納するROM320と、波形出力レジスタ330と、波形データ管理部340と、出力波形生成部350とを備えている。波形出力レジスタ330には、出力領域331と、バッファ領域332とが設けられている。
波形データ管理部340では、波形出力レジスタ330のバッファ領域332に波形データを入力する。また、出力領域331が空である場合には、バッファ領域332内の波形データを出力領域331に移動する。また、出力領域331の波形データにおいて指定された波形出力時間が経過すると、波形データを消去し、バッファ領域332に格納された波形データを出力領域331に移動する。
このように構成されたアクチュエータ制御部300では、次のようにしてスイッチング回路60に波形信号を送る。すなわち、波形データ生成部310では、上述した波形データ生成部71と同様にして波形データを生成する。
波形データ管理部340では、バッファ領域332に波形データ生成部310で生成された波形データを書き込む。このとき、出力領域331が空である場合には、バッファ領域332内の波形データが出力領域331に移動する。出力領域331に格納されている波形データに基づいて所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。
そして、出力領域331の波形データにおいて指定された波形出力時間が経過すると、波形データが消去され、バッファ領域332に格納された波形データが出力領域331に移動する。以下、同様にして所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。
本第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御部300によれば、上述したアクチュエータ制御部70と同様に、静電アクチュエータ10を制御する際に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、波形出力レジスタ330にバッファ領域332を設けることにより、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部310を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。また、バッファ領域が小さいため、チップサイズなどの制約から十分なスペースが取れない場合に有効であり、また、サブバッファ間のデータの移動が発生しないので、消費電力を低減することが可能である。
図8は本発明の第4の実施の形態に係るアクチュエータ制御部400を示すブロック図である。アクチュエータ制御部400は上述したアクチュエータ制御部70と同様に静電アクチュエータ10に組み込まれるものである。なお、アクチュエータ制御部400においては、フラグ付バッファという手法が用いられている。
アクチュエータ制御部400は、波形データ生成部410と、制御プログラムを収納するROM420と、波形出力レジスタ430と、波形データ管理部440と、出力波形生成部450とを備えている。波形出力レジスタ430には、出力領域431と、バッファ領域432〜437とが設けられている。
波形データ生成部410では、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出し、波形データを生成する。この際、後述するフラグに基づく情報が加味される。次に、波形出力レジスタ430のバッファ領域432〜437に順次入力する。なお、波形データには、フラグ、駆動パターン、駆動時間についてのデータが含まれている。
波形データ管理部440では、出力領域431に波形データがある場合には、この波形データに基づいて所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。波形データ管理部440では、出力領域431が空である場合には、最下段のバッファ領域437内の波形データを出力領域431に移動する。このとき、フラグが波形データ生成部410に送られる。
このように構成されたアクチュエータ制御部400では、次のようにしてスイッチング回路60に波形信号を送る。すなわち、波形データ生成部410では、上述した波形データ生成部71と同様にして波形データを生成する。
波形データ管理部440では、バッファ領域432に波形データ生成部410で生成された波形データを書き込む。そして、バッファ領域432内の波形データは順次最下段のバッファ領域437に送られていく。出力領域431が空である場合には、バッファ領域437内の波形データが出力領域431に移動する。このとき、フラグが波形データ生成部410に送られる。出力領域431に格納されている波形データに基づいて所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。
そして、出力領域431の波形データにおいて指定された波形出力時間が経過すると、波形データが消去され、バッファ領域437に格納された波形データが出力領域431に移動する。以下、同様にして所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。
上述したように、波形データ生成部410においては、フラグからの情報に基づいて、各波形データが出力領域431にデータインしたタイミングを正確に把握することができる。このタイミングを正確に知ることによって波形データ生成部410は現時点での出力波形を正確に把握することができ、最適な波形データ生成を行うことができる。すなわち、波形データのシーケンスによって駆動する静電アクチュエータ10の場合、波形データ生成部410が要求した駆動量を実現するためには、バッファ領域432〜437中をデータが移動する時間のタイムラグが発生する。したがって、波形データ生成部410が内部で管理する仮想的な駆動量とメカニカルな駆動量が異なってくる。波形データ生成部410が静電アクチュエータ10の駆動位置により変化するセンサ情報を用いて駆動シーケンスを切り替えるようなシステムの場合は、この仮想的な駆動量とメカニカルな駆動量を補正するパラメータを用意することが可能となる。
例えば一方向にアクチュエータ等速で駆動する場合は、仮想的な駆動量とメカニカルな駆動量の差は一定であるため、この差を加味してセンサ情報を照合すればよい。この差をレジスタ情報として入力しても良いし、計算式を用いて駆動量の差を求めても良い。
なお、フラグからの情報が無い場合には、最上段のバッファ領域432にデータインした時点から、最下段のバッファ領域437から出力領域431に波形データが移動するまでの時間は、各バッファ領域432〜437に格納された波形データに含まれる駆動時間に依存するため、目的の波形データが出力領域431に移動する時間を正確に把握するのは困難である。
本第4の実施の形態に係るアクチュエータ制御部400によれば、上述したアクチュエータ制御部70と同様に、静電アクチュエータ10を制御する際に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、波形出力レジスタ430にバッファ領域432〜437を設けることにより、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部410を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。また、各波形データが出力領域431にデータインしたタイミングを正確に把握することができる。このタイミングを正確に知ることによって波形データ生成部410は現時点での出力波形を正確に把握することができ、最適な波形データ生成を行うことができる。
図9は本発明の第5の実施の形態に係るアクチュエータ制御部500を示すブロック図、図10は同アクチュエータ制御部500の動作原理を示す説明図である。アクチュエータ制御部500は上述したアクチュエータ制御部70と同様に静電アクチュエータ10に組み込まれるものである。
アクチュエータ制御部500は、波形データ生成部510と、制御プログラムを収納するROM520と、波形出力レジスタ530と、波形データ管理部540と、出力波形生成部550とを備えている。波形出力レジスタ530には、出力領域531と、バッファ領域532〜537とが設けられている。
また、出力波形生成部550の後段にはスイッチング回路60の他に入力された電圧値を抵抗値に変換する機能を持つデジタルポテンショメータ62が接続されており、さらにその後段には入力された抵抗値に基づいて出力電圧を調整する昇圧素子61が接続されている。なお、昇圧素子61の出力にはスイッチング回路60が接続されている。デジタルポテンショメータ62としては、例えばMaxim Integrated Products社のDS1805がある。また、昇圧素子61としては、例えばTDK CR−0970がある。
波形データ生成部510では、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出し、波形データを生成する。この際、後述するフラグに基づく情報が加味される。次に、波形出力レジスタ530のバッファ領域532〜537に順次入力する。なお、波形データには、駆動パターン、駆動時間、出力電圧データが含まれている。
波形データ管理部540では、出力領域531に波形データがある場合には、この波形データに基づいて所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけ出力される。波形データ管理部540では、出力領域531が空である場合には、最下段のバッファ領域537内の波形データを出力領域531に移動する。
さらに、波形信号のうち、駆動電圧に対応するものは、デジタルポテンショメータ62に入力され、抵抗値として出力される。さらに、その出力は昇圧素子61に入り、電圧としてスイッチング回路60に入力される。すなわち、スイッチング回路60では、静電アクチュエータ10に対し、電圧のON/OFFだけではなく、出力電圧を制御することとなる。
このように構成されたアクチュエータ制御部500では、次のようにしてスイッチング回路60に波形信号を送る。すなわち、波形データ生成部510では、上述した波形データ生成部71と同様にして波形データを生成する。
波形データ管理部540では、バッファ領域532に波形データ生成部510で生成された波形データを書き込む。そして、バッファ領域532内の波形データは順次最下段のバッファ領域537に送られていく。出力領域531が空である場合には、バッファ領域537内の波形データが出力領域531に移動する。出力領域531に格納されている波形データに基づいて所定の駆動パターンで波形信号が予め定められた駆動時間だけスイッチング回路60へ出力される。
一方、出力電圧データは図10に示すように出力波形生成部550で波形信号に変換された後、デジタルポテンショメータ62に入力され、抵抗値として出力される。さらに、その出力は昇圧素子61に入り、電圧としてスイッチング回路60に入力される。したがって、スイッチング回路60では、上述した所定の波形パターンで、かつ、所定の出力電圧のパターンで静電アクチュエータ10を駆動する。
そして、出力領域531の波形データにおいて指定された波形出力時間が経過すると、波形データが消去され、バッファ領域537に格納された波形データが出力領域531に移動する。以下、同様にして静電アクチュエータ10を駆動する。
したがって、駆動時間毎に任意の出力電圧で所定の駆動パターンを出力することができ、保持動作時等の駆動動作時に比較して出力電圧を必要としない動作モードの場合に、電圧を下げることで、保持動作時の消費電力を低下することができる。
本第5の実施の形態に係るアクチュエータ制御部500によれば、上述したアクチュエータ制御部70と同様に、静電アクチュエータ10を制御する際に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、波形出力レジスタ530にバッファ領域532〜537を設けることにより、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部510を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。また、静電アクチュエータ10を駆動する電圧を変化させることができ、保持動作時の消費電力を低下することができる。
図11は本発明の第6の実施の形態に係るLED制御装置600の要部を示すブロック図である。LED制御装置600はLEDの輝度制御を行うものである。
LED制御装置600は、波形信号を発生するLED制御部601と、波形信号をD/A変換するD/A変換コンバータ602と、入力電圧によりLEDに印加する定電流を発生するLEDドライバ603とを備えている。
LED制御部601は、上述した各アクチュエータ制御部70,100,200,300,400,500と同様に波形出力レジスタの出力領域の前段にバッファ領域を備え、波形データ生成部の負担を軽くしたものである。LEDドライバ603は、出力電流値を制御することによりLEDの輝度をコントロールすることができる。このようなデバイスとしてはNational Semiconductor社のLM2792等がある。
LED制御部601において用いられる波形データは、LEDのドライブ電圧データ及び駆動時間とから構成されている。
このように構成されたLED制御装置600では、波形データが波形信号に変換された後、この波形信号がD/A変換コンバータ602によってD/A変換によって電圧に変換される。そして、この電圧がLEDドライバ603により電流に変換され、LEDに印加される。LEDは印加された電流値に応じた輝度で発光する。
本LED制御装置600においても、上述したアクチュエータ制御部70等と同様に、LEDの輝度を制御する際に、波形データの分解能を高めて高精度な制御を行う場合であっても、波形出力レジスタにバッファ領域を設けることにより、波形データを生成するために波形データ生成部410を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。
図12は本発明の第7の実施の形態に係る静電平面アクチュエータ(電気変換素子)700の概略構成を示す図、図13は静電平面アクチュエータ700の動作原理を示す説明図、図14は静電平面アクチュエータ700の電圧印加タイミングを示す説明図である。
静電平面アクチュエータ700は、ステータ710と、移動体となる平面移動板750と、電極基板715a,715b,725a,725b,735a,735bに電圧を印加するスイッチング回路760と、このスイッチング回路760を制御するアクチュエータ制御部770とを備えている。
ステータ710は、金属製の上面板711と、セラミックス等で成形された底面板712から成る。上面板711と底面板712は、ともに薄厚な平板で、互いに所定間隔をおいて平行関係にある。また、上面板711と底面板712との間には、上面板711と底面板712を固定するための支柱714が複数設けられている。上面板711には、複数の揺動要素713,723,733が形成されており、揺動要素713,723,733は二つの電極がヒンジで支持されており、紙面に垂直方向を揺動軸として揺動する。
揺動要素713,723,733は、固定電極に特定の電圧パターンを印加すると、固定電極と揺動要素713,723,733に電位差が発生する。このとき揺動要素713,723,733の一方の電極が固定電極に吸引され、他方の電極は平行移動板750に接触する。このとき発生した摩擦力により平行移動板750は移動するように構成されている。図13中715a,715b,725a,725b,735a,735bは電極基板を示している。
スイッチング回路760は上述したスイッチング回路60と同様に構成され、またアクチュエータ制御部770は上述したアクチュエータ制御部70と同様に構成されているので詳細な説明は省略する。
このように構成された静電平面アクチュエータ700においては、次のようにして駆動が行われる。アクチュエータ制御部770から、電圧VhがTTLレベルである波形パターンが出力されると、スイッチング回路60によって電圧がVhに変換され電極基板715a,715b,725a,725b,735a,735bに入力される。
図14に示すように特定の電圧パターンを順次印加することで、揺動要素713,723,733が平行移動板750に接触し、このとき発生した摩擦力により平行移動板60は移動してゆくことになる。
アクチュエータ制御部770においては、波形出力レジスタ73にバッファ領域として機能するキュー1〜3を設けるとともに、波形データ生成部71の動作とは並列に実行される波形データ管理部74で波形データの管理を行うことで、アクチュエータの現在位置及び駆動方向を算出する波形データ生成部71の動作に余裕ができることとなる。
上述したように本実施の形態に係る静電平面アクチュエータ700によれば、静電アクチュエータ10と同様に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部71を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。
図15は、本発明の第8の実施の形態に係るインパクト型の圧電アクチュエータ800の基本構成を概略的に示すブロック図である。この図において、圧電アクチュエータ800は、駆動部812と、駆動部812を駆動する駆動回路814と、駆動部812に取り付けられている係合部材830の位置を検出する部材センサ816と、駆動部812の基端に配設された基端センサ818と、駆動部812の先端に配設された先端センサ820と、全体の動作を制御する制御部822とを備えている。
駆動部812は、素子固定式構造のものであり、支持部材824、電気機械変換素子826、駆動部材828及び係合部材830から構成されている。支持部材824は、電気機械変換素子826及び駆動部材828を保持するものである。電気機械変換素子826は、例えば、所定の厚みを有する複数枚の圧電基板を各圧電基板間に図略の電極を介して積層することにより構成したものである。係合部材830には駆動対象物であるレンズLが取り付けられるようになっている。
制御回路814は上述したスイッチング回路60と同様に構成され、また制御部822は上述したアクチュエータ制御部70と同様に構成されているので詳細な説明は省略する。
このように構成された圧電アクチュエータ800においては、制御部822から駆動回路814に図16に示すような波形データが入力されると、駆動回路814では電気機械変換素子826に必要な電圧パターンが生成される。駆動回路814では図17の(a)又は(b)のようなのこぎり状の駆動波形が生成され、電気機械変換素子826に入力される。電気機械変換素子826に図17の(a)に示すような駆動電圧が印加されると、係合部材803は図15中矢印a1方向に間欠的に移動する。また、図17の(b)に示すような駆動電圧が印加されると、係合部材803は図15中矢印a2方向に間欠的に移動する。
制御部822においては、波形出力レジスタ73にバッファ領域として機能するキュー1〜3を設けるとともに、波形データ生成部71の動作とは並列に実行される波形データ管理部74で波形データの管理を行うことで、アクチュエータの現在位置及び駆動方向を算出する波形データ生成部71の動作に余裕ができることとなる。
上述したように本実施の形態に係る圧電アクチュエータ800によれば、静電アクチュエータ10と同様に、波形データの分解能を高めて高精度な駆動を行う場合であっても、アクチュエータの現在位置と駆動方向を算出するステップのために波形データ生成部を高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することが可能である。
上述した電気機械変換素子は、静電アクチュエータ、静電平面アクチュエータ及び圧電アクチュエータとしたが、電圧を印加することにより機械的な駆動力を発生する素子を用いたものであれば、これらに限られない。また、機械的な駆動力を発生する素子の他、LEDの制御や多種多様なシステムの制御に適用することが可能である。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明によれば、高精度な駆動を行う場合であっても、MPUを高速で動作させる必要がなく、消費電力を低減することができる静電アクチュエータ、静電アクチュエータ駆動方法及び電気機械変換素子可能が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係る静電アクチュエータの概略構成を示す図。 同静電アクチュエータに組み込まれたアクチュエータ制御部における制御フローを示す図。 同アクチュエータ制御部における可動子の保持状態を指令する波形データの一例を示す図。 同アクチュエータ制御部における波形出力レジスタ内の波形データと波形生成データとの関係を示す説明図。 同アクチュエータ制御部における波形出力レジスタへのデータイン、データアウトの様子を模式的に示す説明図。 本発明の第2の実施の形態に係るアクチュエータ制御部を示すブロック図。 本発明の第3の実施の形態に係るアクチュエータ制御部を示すブロック図。 本発明の第4の実施の形態に係るアクチュエータ制御部を示すブロック図。 本発明の第5の実施の形態に係るアクチュエータ制御部を示すブロック図。 同アクチュエータ制御部の動作原理を示す説明図。 本発明の第7の実施の形態に係るLED制御装置の要部を示すブロック図。 本発明の第8の実施の形態に係る静電平面アクチュエータの概略構成を示す図。 同静電平面アクチュエータの動作原理を示す説明図。 同静電平面アクチュエータの電圧印加タイミングを示す説明図。 本発明の第9の実施の形態に係る圧電アクチュエータの概略構成を示す図。 同圧電アクチュエータに組み込まれた駆動回路を制御する制御回路から出力されて各スイッチ素子に印加される制御信号を示す説明図。 同圧電アクチュエータに組み込まれた電気機械変換素子に印加される駆動電圧の波形を示す説明図。 従来の静電アクチュエータの構成を示す図。 従来の静電アクチュエータの制御方法を示す説明図。 同静電アクチュエータの波形出力手順を示すフローを示す図。
符号の説明
10…静電アクチュエータ、20…第1の可動子、30…第2の可動子、40…固定子、42,43…電極基板、60…スイッチング回路、70…アクチュエータ制御部、71…波形データ生成部、73…波形出力レジスタ、74…波形データ管理部、75…出力波形生成部、100,200,300,400,500…アクチュエータ制御部、600…LED制御装置、700…静電平面アクチュエータ(電気変換素子)、800…圧電アクチュエータ(電気変換素子)。

Claims (13)

  1. 電極基板を有する固定子と、この固定子に案内されて所定方向に往復動自在で、かつ、上記電極基板に対向配置された電極が設けられた可動子とを備えた静電アクチュエータにおいて、
    外部からの動作要求に基づいて少なくとも駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、
    上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、
    上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、
    上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、
    上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部からの波形データは最上段のサブバッファに入力し、上記出力領域に移動される波形データは最下段のサブバッファから出力し、上記複数のサブバッファ間で最上段から最下段に向けて順次移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  3. 上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部において生成された波形パターンが上記バッファ領域に移動する際に上記波形パターンを特定するフラグを付与し、当該波形パターンが上記バッファ領域から上記出力領域に移動する際に上記フラグを上記波形データ生成部に送ることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  4. 上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、上記波形データ管理部は、上記波形データ生成部からの波形データは書込みポインタの指示するサブバッファに入力し、上記出力領域に移動される波形データは読出しポインタの指示するサブバッファから出力し、上記書込みポインタ及び読出しポインタを所定の順序にしたがって移動させるものであることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  5. 上記波形データには、上記電極基板に印加する出力電圧のデータが含まれていることを特徴とする請求項1に記載の静電アクチュエータ。
  6. 電極基板を有する固定子と、この固定子に案内されて所定方向に往復動自在で、かつ、上記電極基板に対向配置された電極が設けられた可動子とを備えた静電アクチュエータ駆動方法において、
    外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成工程と、
    上記波形データを出力領域及びバッファ領域に順次保持させる波形データバッファ工程と、
    上記出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理工程と、
    上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する波形生成工程と、
    入力された駆動パターンを変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加する電圧印加工程とを備えていることを特徴とする静電アクチュエータ駆動方法。
  7. 上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、
    上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを最上段のサブバッファに入力する波形データ入力工程と、
    上記出力領域に移動される波形データを最下段のサブバッファから出力する波形データ出力工程と、
    上記複数のサブバッファ間で最上段から最下段に向けて順次移動させる波形データ移動工程とを具備することを特徴とする請求項6に記載の静電アクチュエータ駆動方法。
  8. 上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを上記バッファ領域に移動する際に上記波形パターンを特定するフラグを付与するフラグ付与工程と、
    上記波形データが上記バッファ領域から上記出力領域に移動する際に上記フラグを送出する送出工程とを具備し、
    上記波形データ生成工程は、上記送出工程で送出されたフラグに基づいて上記波形データを生成するものであることを特徴とする請求項6に記載の静電アクチュエータ駆動方法。
  9. 上記バッファ領域は、複数のサブバッファを具備し、
    上記波形データ管理工程は、上記波形データ生成工程で生成された波形データを書込みポインタの指示するサブバッファに入力する入力工程と、
    上記出力領域に移動される波形データを読出しポインタの指示するサブバッファから出力する出力工程と、
    上記書込みポインタ及び読出しポインタを所定の順序にしたがって移動させる移動工程とを具備することを特徴とする請求項6に記載の静電アクチュエータ駆動方法。
  10. 上記波形データには、上記電極基板に印加する出力電圧のデータが含まれていることを特徴とする請求項6に記載の静電アクチュエータ駆動方法。
  11. 電圧が印加されることにより機械的な駆動力を発生する電気機械変換素子において、
    外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、
    上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、
    上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、
    上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、
    上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電気機械変換素子に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする電気機械変換素子。
  12. 電圧が印加されることにより固定子と可動子との間に静電力が発生して、前記可動子に機械的な駆動力が発生する電気機械変換素子において、
    外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、
    上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、
    上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、
    上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、
    上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電極基板に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする電気機械変換素子。
  13. 電圧が印加されることにより伸縮する電気機械変換素子において、
    外部からの動作要求に基づいて駆動時間及び駆動パターンを有する波形データを生成する波形データ生成部と、
    上記波形データを保持する出力領域及びバッファ領域を有する波形出力レジスタと、
    上記波形データ生成部において生成された上記波形データを上記バッファ領域に書き込み、かつ、上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記波形データを上記駆動時間経過後に消去するとともに、上記バッファ領域に保持された上記波形データを上記出力領域に移動させる波形データ管理部と、
    上記波形出力レジスタの出力領域に保持された上記駆動パターンに基づいて対応する波形信号を発生する出力波形生成部と、
    上記波形信号を変換して電圧として出力し、上記電気機械変換素子に印加するスイッチング回路とを備えていることを特徴とする電気機械変換素子。
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