以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<複写装置の構成>
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像処理部を搭載した複写装置(画像形成装置の一例)の機構図である。この複写装置1は、大まかに、原稿を読み取って画像データを取得する画像取得部10と、画像取得部10にて読み取られた画像データに対して所望の画像処理を施す画像処理部20と、画像処理部20により処理された処理済画像に基づいて原稿に対応する画像を所定の出力媒体上に形成する画像出力部30と、プラテンカバー60とを備える。画像処理部20は、画像取得部10と画像出力部30との境界部分に設けられている。
たとえば、複写装置1は、図示しない接続ケーブルを介してネットワークに接続可能になっている。たとえば、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)型LAN(Local Area Network;たとえばIEEE802.3)やギガビット(Giga Bit)ベースのLAN(以下纏めて有線LANという)により、画像入力端末に接続される。画像入力端末としては、たとえば、ドキュメント作成や編集などの処理する、パソコン、カラースキャナ、デジタルカメラ、またはハードディスク装置や光磁気ディスク装置あるいは光ディスク装置などのデータ格納装置など、任意数の画像入力ソースを含み得る。これらの各端末装置には、ドキュメント作成用のアプリケーションプログラムなどが組み込まれる。画像入力端末は、ドキュメントを、複写装置1に入力する。
また、複写装置1は、これらの画像入力端末から画像を電子データとして取得するものに限らず、たとえば、図示しない通信網を介して画像を電子データとして取得する通信機能を備えた装置であってもよい。たとえば、一般加入電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network )を介してFAX装置などの画像入力端末に接続される。なお、一般加入電話網PSTNに代えて、ISDN(Integrated Switched Digital Network )またはインターネットを含む他の通信媒体を利用してファクシミリデータをやり取りするようにしてもよい。
また、複写装置1は、たとえばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc. ;米国電気電子学会)1394規格のデバイス3fやUSB(Universal Serial Bus;1.1や2.0)規格のデバイスなどとも接続可能となっており、これらのデバイスからデジタル画像データを受け付けることもできる。あるいは、これらデバイスを介してリモートで複写装置1を制御することもできるようになっている。
このように、複写装置1は、画像取得部10にて読み取った原稿の複写物を形成する複写機能だけでなく、様々な画像入力端末からの画像データに基づいて画像を形成する(印刷出力する)、たとえばページプリンタ機能およびファクシミリ送受信機能を備えたいわゆる複合機(マルチファンクション機)で、デジタルプリント装置として構成されている。このとき、たとえば、画像処理部20の一部の機能を使用してシステムを構築してもよい。また、同様の機能を備えた複数の画像処理部20を使用しつつ、システム構成の機能目的に応じてそれぞれの内部の機能モジュールを使い分けたり、同一機能部が異なる作用をするように使用したりしてもよい。これらの点については、後述する装置構成展開の説明を参照するとよい。
画像取得部10は、筐体上に設けられた透明ガラスからなるプラテンガラス(原稿載置台)11の下方に、プラテンガラス11の原稿載置面と反対側の面(裏面)に向かって光を照射する光源12と、光源12から発せられた光をプラテンガラス11側に反射させる略凹状の反射笠17とを備える。また、画像取得部10は、プラテンガラス11側からの反射光を受光して副走査SS(Slow Scan )の方向(図中矢印X1の読取方向)と略直交する主走査FS(Fast Scan )の方向(図の紙面奥行き方向)に画像を読み取り、濃度に応じた画像信号(アナログの電気信号)を順次出力する受光部13と、受光部13からの画像信号を所定のレベルまで増幅し出力する信号処理部14とを備える密着光学系のものである。受光部13は、信号処理部14などとともに基板15上に配設され、光学走査系(センサユニット)16を構成する。
また図示していないが、画像取得部10は、光源12、受光部13、および信号処理部14などをプラテンガラス11下で移動させるためのワイヤや駆動プーリ、あるいはステッピングモータなどの駆動モータも筐体内に具備する。駆動プーリは、駆動モータの駆動力によって往復回転させられ、該回転駆動によってワイヤを当該駆動プーリに巻き取る。これにより、受光部13などが一体的に、プラテンガラス11の下方において、副走査SSの方向(図中矢印X1)およびこれと反対方向(図中矢印X2)に往復移動可能に構成されている。また、光学走査系(センサユニット)16と原稿との相対移動速度を通常の読取時(100%出力時)と変えて読み取ることで、副走査方向に読取画像を拡大もしくは縮小(変倍)することも可能となっている。
画像取得部10は、プラテンガラス11上に載置された原稿を読み取って得た入力画像を赤,緑,青の各色成分のデジタル画像データR,G,Bに変換し信号処理部14に入力する。信号処理部14は、受光部13からの赤,緑,青の各画像信号を図示しない増幅部により所定のレベルまで増幅し、さらに図示しないA/Dコンバータによりデジタルデータに変換することで、赤,緑,青のデジタル画像データR,G,BをA/Dコンバータから出力する。この赤,緑,青の画像データR,G,Bは、ケーブル19を通じて画像処理部20に送られる。
画像出力部30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置された出力色Y,M,C,Kの各色の画像形成部(転写部/印刷エンジン)31が縦続配置されてなるタンデム構成のものである。以下、各色の画像形成部31のそれぞれに符号Y,M,C,Kを付して示し、纏めていうときには色の符号を省略して示す。その他の部材についても同様である。
なお、図示した例では、出力色としてY,M,C,Kの4色を使用する例を示したが、これに限らず、たとえば第5色としてのグレイ(灰色)Gyなどより多くの出力色を含むものであってもよいし、ブラック(K)を除くY,M,Cの3色であってもよい。また、図示した例では、出力色Y,M,C,Kに対応する各画像形成部31Y,31M,31C,31Kの配列順をY→M→C→Kとしてあるが、これに限らず、K→Y→M→Cなど、他の配列順であっても構わない。
画像形成部31の中央部には、感光体ドラム32が配され、この感光体ドラム32の周囲には、一次帯電器33、現像器34、および転写帯電器35などが配設され、さらに画像形成データに基づいて潜像を感光体ドラム32に記録するためのポリゴンミラー39などの書込走査光学系を有する。
また画像出力部30は、画像形成部31に印刷用紙を搬送するための用紙カセット41と搬送路42とを備えている。また先端検出器44が、用紙カセット41から各画像形成部31に搬送される印刷用紙の搬送路42上に近接して設けられている。先端検出器44は、レジストローラ42aを通じて転写ベルト(搬送ベルト)43上に送り出された印刷用紙の先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号を画像処理部20に送る。
ポスト(Post)画像処理部として機能する画像処理部20は、画像出力部30から入力された先端検出信号に同期して、画像取得部10の信号処理部14からの赤,緑,青の画像データR,G,Bに所定の画像処理を施した後、Y,M,C,Kの画像形成データ(たとえばオンオフ2値化トナー信号)を得、画像処理済みのY,M,C,Kの各色の画像形成データを順次一定間隔(いわゆるタンデムギャップ分)をおいて画像出力部30に入力する。
画像出力部30においては先ず、潜像形成用の光源としての半導体レーザ38Yは、画像処理部20からのイエロー(Y)の画像形成データによって駆動されることで、イエローの画像形成データを光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y,48Y,49Yを介して一次帯電器33Yによって帯電された感光体ドラム32Y上を走査することで、感光体ドラム32Y上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、イエローのトナーが供給される現像器34Yによってトナー像とされ、このトナー像は、転写ベルト43上の用紙が感光体ドラム32Yを通過する間に転写帯電器35Yによって用紙上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Yによって感光体ドラム32Y上から余分なトナーが除去される。
M,C,Kの各色についてもY色と同様にして、感光体ドラム32M,32C,32K上に静電潜像が順次形成される。この各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34M,34C,34Kによって順次トナー像とされる。各トナー像は、転写ベルト43上の用紙が対応する感光体ドラム32M,32C,32Kを通過する間に対応する転写帯電器35M,35C,35Kによって用紙上に順次転写される。このように、Y,M,C,Kの各色のトナー像が順次多重転写された用紙は、転写ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、複写機の外部に排出される。
なお、画像出力部30の構成は上述したものに限らず、たとえば、中間転写ベルトを1つあるいは2つ備えた中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものとしてもよい。
<画像処理部の構成>
図2は、上記構成の複写装置1に設けられたメイン画像処理装置として機能する画像処理部20の一実施形態の回路ブロック図である。この画像処理部20においては、画像取得部10(信号処理部14)からの赤,緑,青の画像データR,G,Bが入力される。あるいは、図示しない前段色変換部によりデバイス非依存の色空間であるLab色空間(正しくはL*a*b*である)の画像データL,a,bに変換された後に、この画像データL,a,bが入力される。以下の説明では、画像処理部20に画像データL,a,bが入力されるものとして説明する。
以下、画像処理部20を構成する各機能部分の概要について説明し、本実施形態の特徴部分であるデータパスの切替機能については、その後で詳しく説明する。なお、以下の説明において、各機能部分から出力される画像データには、画像データであることを示す“D”と、その機能部分の参照符号と、個々の色情報の参照符号とを順に付して示すこととする。また、それら複数の色信号を纏めていう場合には、画像データであることを示す“D”と、機能部分の参照符号と、全ての色情報の参照符号とを順に付して示すこととする。たとえば、画像取得部10から出力される明度データLはD10L,色度データa,bはD10a,D10b、これらを纏めてD10Labなどである。
図示するように、画像処理部20は、前段画像処理部20aと、後段画像処理部20bと、周辺部とに大別される。本実施形態の周辺部としては、第1パス切替部801と、クロック生成部(CLK)806と、DMA転送などの手法を用いて外部機器とのデータインタフェースをとるホストIF(HOST I/F)部900とが設けられている。
第1パス切替部801は、図中左側に設けられた処理対象画像入力部の一例である前段切替部801a、図中中央部に設けられた中間切替部801b、図中右側に設けられた処理済画像出力部の一例である後段切替部801c、およびこれらを結ぶ接続部801dからなる。前段切替部801a、中間切替部801b、および後段切替部801cの各部は、外部との間でのデータインタフェースを採る接続インタフェース部を含んで成る。たとえば入力バッファや出力バッファを有する。前段画像処理部20aと後段画像処理部20bは、第1パス切替部801の図中中央部にて上から延在する中間切替部801bにより分けられている。
第1パス切替部801の各機能部はデータの双方向性を有し、かつ設定されたレジスタ値に従い画像処理パスの入出力データを切り替えるパイプライン処理機能を備えており、画像処理ブロックの何れかからのデータの複数入力を、対応する後段ブロックヘの出力データとする切替処理を行なう。特に本実施形態の画像処理部20の特徴部分として、中間切替部801bにて外部に接続される装置(たとえばタンデムギャップ補正機能や電子ソート機能などをなすデータ蓄積装置)との間で、出力デバイス依存データと画像形成部に依存の色空間とは異なる色空間上の画像データとを選択的に使用可能に構成されている。
これにより、共通のアーキテクチャを有する画像処理部で複数のシステムを構築することが可能であり、たとえば、様々な速度や構成のシステムに対応することが可能となる。第1パス切替部801による画像パス切替機能を実現するに際して、第1パス切替部801のレジスタ値を設定する処理は、ハードウェアスイッチにより実行させることもできるが、ソフトウェアによる設定でも可能である。なお、好ましくは、入力デバイスとしての画像取得部10に依存の入力デバイス依存データ(本例ではRGBデータ)および画像形成部31に依存の出力デバイス依存データ(本例ではYMCKデータ)の何れにも非依存のデバイス非依存データ(本例ではLabデータ)と、出力デバイス依存データ(本例ではYMCKデータ)とを選択的に使用可能に構成する。
たとえば、前段切替部801aに取り込んだ8ビットの画像データ(LabやRGBの3系統)をそのまま前段画像処理部20aに、また中間切替部801bに取り込んだ8ビットの画像データをそのまま後段画像処理部20bに、さらに後段切替部801cに取り込んだ処理済の画像データ(YMCKの4系統;8ビットや2値あるいは4値など)をそのまま画像出力部30側へ渡すことも可能である。また中間切替部801bに取り込んだ画像データを接続部801dを介してそのまま後段切替部801cに送り画像出力部30側へ渡すことも可能である。また、後段切替部801cに取り込んだ画像データを接続部801dを介して中間切替部801bや前段切替部801aに渡すことも可能である。また、前段切替部801aに取り込んだ10ビットの画像データを接続部801dを介してそのまま後段切替部801cに送り画像出力部30側へ渡すことも可能である。
さらに、中間切替部801bの図中下部にて画像データを入出力することで、画像パスを迂回させて、画像処理部20の外部にて所望の処理を施すことも可能である。この迂回による処理や、その際の画像データのパスルートの詳細については後述する。
前段画像処理部20aは、前段フィルタ処理部106と変倍処理部200とを備えている。
後段画像処理部20bは、入力色信号を他の色信号系に変換する色変換部500と、後段フィルタ処理部300と、後段色調整部600と、画像出力部30用の画像データ(たとえば2値化データ)を生成する出力データ処理部700とをこの順に備える。
後段画像処理部20b内の各機能部は、タグデータを参照して文字/写真/網点などの画像オブジェクトの特性に応じた適応処理を行なう適応処理実行部の機能を備える。ここで、本実施形態の構成においては、後段フィルタ処理部300以降、すなわち色変換部500から出力データ処理部700までの間が、カラー画像用の処理ブロック(Y,M,C;Kを含んでもよい)およびモノクロ画像用の処理ブロック(K)を備える構成となっており、画像取得部10にて読み取られる原稿がカラー原稿であるのかモノクロ(典型的には白黒原稿)であるのかに拘わらず、各処理ブロックが同時並行的に処理するようになっている。
出力データ処理部700は、カラー画像用データY,M,C,Kおよびモノクロ画像用データLLを入力データとして、それぞれにスクリーン処理かけた画像形成データ(たとえば2値化データ)を、タンデムギャップ分に対応するように順次一定間隔をおいて(タンデムギャップ分の時間的な違いを持って)画像出力部30側へ出力する。あるいは、カラー画像用データY,M,C,Kやモノクロ画像用データLLを同時に出力する。各色間は独立したタイミングで動作可能であるとともに、誤差拡散機能およびパッキング(Packing )機能が排他的に選択/機能する構成となっている。
誤差拡散機能としては、8ビットの画像データを入力し誤差拡散処理をかけた2値化データあるいは多値化データを出力するようになっている。たとえば、カラー画像用データY,M,C,Kについては、2ビット適応型誤差拡散処理機能と4ビット誤差拡散処理機能とを備え、選択された処理を使用して出力する。一方、モノクロ画像用データLLについては、2ビット適応型誤差拡散処理機能のみを備える。ここで、2ビット適応型誤差拡散処理機能は、3レベルの量子化閾値を全て同じ値にすることで1ビット適応誤差拡散として動作するものである。4ビット誤差拡散処理機能は、エラーフィルタの値を全て“0”にすることで、ディザとして動作するものである。
クロック生成部806は、入力された画素同期信号(画素同期クロック)VCLKに基づいて、入力クロック周波数およびその2倍の周波数を図示しない内部PLLで生成し、プリ画像処理部として機能する信号処理部14やポスト画像処理部として機能する画像処理部20自身に対して、どちらかの周波数を供給する。どちらの周波数かはレジスタにて設定可能である。なお、周波数切替え後にリセット処理を行なう必要がないように設計することが好ましい。
ホストIF部900は、複写装置1の外部から画像データをDMA転送にて取り込むとともに各種の制御信号を生成し画像処理部20内のローカルバスを介して所望の機能部分に渡して所望の処理をさせる機能を備えている。たとえば、8ビット入出力ポートを内蔵している。また、アドレスデータをデコードし、内部ブロックのチップセレクト信号を生成する。また、第1パス切替部801のレジスタ値を設定する。これにより、目的に応じて、内部の機能部を使い分けることで、様々な形態の複写装置1を構成することができる(後述する図5〜図12を参照)。
なお、上記構成の画像処理部20をPCI(Peripheral Component Interconnect )バスと接続する場合は、32ビット/33MHzでバースト機能付きPCIIF部を使うことで実現する。また、上記構成の画像処理部20をASIC(Application Specific IC :特定用途向け集積回路)などの半導体装置として構成することも可能である。この場合において、前述のようにPCIバスと接続する場合は、前述のバースト機能付きPCIIF機能を備えたFPGA(Filed Programmable Gate Alley:フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使うことで実現する。
<画像処理部と他の接続デバイスとの連携(基本)>
図3〜図5は、図2に示した画像処理部20と他の接続デバイスとの連携手法を説明する図である。ここで、図3および図4は、画像取得部(IIT;Image Input Terminal)のオプション(IITオプション)を接続デバイスとする場合の複写装置1の基本構成例を示し、図5は、ソート処理部を接続デバイスとする場合の複写装置1の基本構成例を示す。各図において使用される画像処理部20は、ASICにより構成されているものとする。
図3に示す第1の基本構成では、IITオプション基板24上に、画像取得部10側からの画像データLab(前段側の色変換済みとする)に基づき、画像を回転し、必要に応じてさらに拡大または縮小する画像処理部(C)26を有する。この画像処理部26の機能の詳細については、後述する。この画像処理部26は、第1パス切替部801による画像パスの切替制御により、必要に応じて選択使用可能な構成となっている。
画像処理部26を使用する場合の画像データのパスルートは、以下の通りである。すなわち、先ず画像取得部10にて読み取られた画像データLabが画像処理部26に入力される。画像処理部26にて処理された画像データLabは、画像処理部20の中間切替部801bに入力され、接続部801dを経由して前段切替部801aに送られ、その後、図2について説明したと同様にして、前段画像処理部20aなどにて所望の処理が施される。
図4に示す第2の基本構成では、光学走査系16とは別の読取センサモジュール18とIITオプション基板24とを備えている。IITオプション基板24上には、たとえば画像取得部10により取得した画像に対して信号処理部14と同様の画像処理をデジタル的に実行する画像処理部(B)25と、光学走査系16や読取センサモジュール18により読み取られた画像を回転し、必要に応じてさらに拡大または縮小する画像処理部(C)26と、光学走査系16や読取センサモジュール18により読み取られた画像(1ページ分)を一時的に保持するメモリ27(図中a,b,cの3つ)とを有する。
図中a,b,cで示すメモリ27は、読取センサモジュール18により読み取られた画像を保持しておくために設けられたものである。
画像についての画像処理部20や画像出力部30側での処理を開始するまでの間、読取センサモジュール18にて読み取った画像を保持する記憶部として、メモリ27a,27b,27cが使用される。
読取センサモジュール18にて読み取った画像について画像形成する場合の画像データのパスルートは、以下の通りである。すなわち、先ず読取センサモジュール18にて読み取られた画像データRGBが画像処理部25に入力される。画像処理部25では信号処理部14と同様の処理の他に前段色変換処理が施され、その後、画像処理部26にて必要に応じて回転や変倍処理が施される。画像処理部26にて処理された画像データLab(白黒機種の場合は明度データLのみ)は、一旦メモリ27に保持され、待機する。そして、画像に対する画像形成処理の開始タイミングになると、メモリ27から読み出された画像データLabが画像処理部20の中間切替部801bに入力され、接続部801dを経由して前段切替部801aに送られ、その後、図2について説明したと同様にして、前段画像処理部20aなどにて所望の処理が施される。
図5に示す第3の基本構成は、画像処理部20の中間切替部801bの図中下部にて画像データを入出力することで、画像パスを迂回させて、画像処理部20の外部にて所望の処理を施すものである。たとえば、ページ全体の画像データを用いて所望の画像処理を施すことで画質を改善する処理(たとえば濃度調整処理など)を行なう場合に利用することも可能である。また、タンデムギャップ分に対応するように順次一定間隔をおいて画像出力部30に画像データを渡すためのページメモリを利用したタンデムギャップ補正機能や、用紙1枚への原稿画像割付や処理ページ順を並び替える画像再配置機能(いわゆる電子ソート;EPC(Electric Pre Collation))を実行する場合、この中間切替部801bから画像データLabをページメモリを備えたデータ蓄積装置1100(図中点線で示す)に渡し、処理済の画像データLabをその中間切替部801bにて受け取る。また、データ蓄積装置1100にサブ画像処理装置の機能を持たせ、データ蓄積装置1100にてデバイス非依存のLab色空間の画像データに対して所望の画像処理を施す構成としてもよい。
また、ページ割付や並替えなどの画像再配置機能(さらにはタンデムギャップ補正機能)と連動して、像域分離処理により得た属性情報(タグデータtag)と画像データとを画像再配置機能に利用されるデータ蓄積装置1100に共通に格納した後に、画像と属性情報とを読み出して画素単位で対応付けて出力する同期出力処理を行なうことで、専用のTIメモリを削減するのがよい。また、画像再配置機能を行なう場合(像域分離処理機能と画像再配置機能とを組み合わせる場合も含む)には、デバイス非依存の色空間上の画像データ(本例ではLab)上にて画像再配置機能を実行したり、デバイス非依存の色空間上の画像データを像域分離処理に使用したりすることが好ましい。
また、データ蓄積装置側にてYMCK色空間のデータに変換し、YMCK色空間上にて所望の画像処理(後段画像処理部20bの画像処理と同様のものでよい)を施した後中間切替部801bに取り込み、中間切替部801bに取り込んだ8ビットの画像データを接続部801dを介してそのまま後段切替部801cに送り画像出力部30側へ渡すことも可能である。
なお、これらの場合、メモリ容量を低減するために、画像データを圧縮してページメモリに格納し、その後読み出した画像データを復号する画像圧縮メモリ機能を使用する。また、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って、画像記憶処理装置の一例であるデータ蓄積装置1100から中間切替部801bに出力色YMCKのそれぞれに対応する画像データLabを順次取り込むようにしてもよい。
以下、画像再配置機能を実行するためのデータ蓄積装置1100が中間切替部801bに接続されるケースで説明を続ける。データ蓄積装置1100は、図5に示すように、イメージ圧縮伸張処理部(イメージ圧縮伸長プロセッサ)やソーティング処理機能をなすソート処理部(EPC)1310と、画像データLabあるいはYMCKやタグデータtagを格納するページメモリとしてのページバッファ(PB;Page Buffer )1312およびハードディスク装置(HDD)からなるデータ格納部1314、並びにインタフェース部としてのPCIインタフェース部(PCI I/F)1322を備える。データ蓄積装置1100全体として、バッファメモリの機能を備える。
ただし、ソーティング処理時の対象データ(データ蓄積装置1100へのデータインタフェースが、デバイス非依存の色空間上の画像データ(本例ではLab)であるのか、画像出力部30側すなわちデバイス依存の色空間上の画像データ(本例では出力色YMCK)であるのかによって、その機能が大きく異なる。以下、この点について、図5を参照して説明する。なお、何れの色空間データを対象とするかの動作モードの設定は、たとえばデータ蓄積装置1100の外部から入力されるEPCモード設定に従う構成としてもよい。また、3系統のデータであればデバイス非依存の色空間上の画像データのモードで、4系統のデータが有効であれば出力デバイス依存の色空間上の画像データのモードであるとしてもよい。また、画像処理部20から入力される画像データにEPCモードを示す識別子を付加しておき、その識別子をデータ蓄積装置1100側で自動認識する構成としてもよい。その識別子は、少なくとも1色のデータに付与されていればよい。
たとえば、データ蓄積装置1100を使用して、デバイス非依存の色空間上の画像データ(本例ではLab)上にて画像再配置機能を実行する場合の画像データのパスルートは、以下の通りである。すなわち、先ず画像取得部10にて読み取られた画像データLabが前段切替部801aを介して前段画像処理部20aに入力され、処理済データが中間切替部801bを介してデータ蓄積装置1100に入力される。この場合のデータ蓄積装置1100の構成例については、後述する図6にて説明する。データ蓄積装置1100は、ソーティング処理を施すとともに、タンデム構成の画像出力部30に対応して、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイ(時間的な違い)を持ってページバッファ1312やデータ格納部1314から各出力色用の画像データLabY,LabM,LabC,LabKを時分割で読み出す。
この各出力色用の画像データLabY,LabM,LabC,LabKは、それぞれ独立にタンデムギャップ分の時間的な違いを持って、中間切替部801bを介して色変換部500に入力される。色変換部500は、各出力色のそれぞれに応じて設けられた色変換部(図2参照)にて、対応する画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作と同期して色変換処理を行なうことで、各出力色用の画像データY,M,C,Kを生成し、この画像データY,M,C,Kを画像処理部20cに渡す。画像処理部20cによる処理済の画像データY,M,C,Kは、後段切替部801cを介して画像出力部30に送られ、画像出力部30にて所定の出力用紙上に可視画像が形成される。
このような画像データパスの構成では、出力色YMCKに応じた画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作タイミングでそれぞれ入力バッファメモリとして機能するデータ蓄積装置1100内のページバッファ1312やデータ格納部1314から別々にタイムシェアリングして(時分割で)データLabを読み出す。つまり、各色のデータを読み出すタイミングがタンデムギャップ分だけずれているため、読み出したデータを各色で共用することはできないが、入力バッファメモリとして機能するページバッファ1312などからの読出処理を通常の4倍の速度で高速にかつ別々にタイムシェアリングして行なうことで(つまり細切れに読み出すことで)、タンデムギャップ補正の処理における、出力タイミングの吸収とデータ競合の解消の両機能をページバッファ1312などからの読出処理にて実現する。よって、この構成は、高速なシステムで実現可能なもので、4倍速読出に対応できない低速なシステムでは実現不可能である。タンデムギャップ補正の処理に関していえば、入力バッファからの読出処理では、出力タイミングを吸収する機能とデータ競合を解消する機能の両者を発揮するバッファメモリが存在するシステムで実現可能なものである。
ページバッファ1312などからの読出処理は、マクロ的には同時にページバッファ1312などの別のアドレスから行なわれるが、タイムシェアリングで行なっており、ミクロ的には同時には行なわれない。よって、色変換部500には、YMCK各色に応じた画像データLabY,LabM,LabC,LabKが時分割で入力され、対応する色変換部500はそれらを専用して使用することが可能である。したがって、色変換部500以降の処理は、タイムシェアリングで行なう必要はなく、出力色YMCKに応じた画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作タイミングに同期した処理を、個別に行なえばよい。
一方、データ蓄積装置1100を使用して、出力デバイス依存の色空間上の画像データ(本例ではYMCK)上にて画像再配置機能を実行する場合の画像データのパスルートは、以下の通りである。すなわち、先ず画像取得部10にて読み取られた画像データLabが前段切替部801aを介して前段画像処理部20aに入力され、処理済データが中間切替部801bを介して色変換部500に入力される。色変換部500は、各出力色のそれぞれに応じて設けられた色変換部(図2参照)にて、第1色であるY色と同じタイミングで(画像形成部31Yの動作と同期して)各出力色用の画像データY,M,C,Kを生成し、この画像データY,M,C,Kを画像処理部20cに渡す。画像処理部20cによる処理済の画像データY,M,C,Kは、後段切替部801cに入力される。この画像データY,M,C,Kは、後段切替部801cから接続部801dを経由し中間切替部801bに渡され、ここからデータ蓄積装置1100にそれぞれ独立に入力される。
この場合のデータ蓄積装置1100の構成例については、後述する図7にて説明する。データ蓄積装置1100は、ソーティング処理を施すとともに、タンデム構成の画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作と同期して、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って、ページバッファ1312やデータ格納部1314から各出力色用の画像データY,M,C,Kを読み出す。予め出力色YMCKに応じた画像データY,M,C,Kが入力バッファメモリとして機能するページバッファ1312などに独立に記憶されているので、従来通りの読出手法でよく、従来の4倍速かつタイムシェアリングして読み出す必要はない。つまり、タンデムギャップ補正の処理における、データ競合対策に関しては、出力色YMCKに応じた画像データY,M,C,Kを入力バッファメモリとして機能するページバッファ1312などに独立に記憶することで解決している。そして、タンデムギャップ補正の処理における出力タイミングの吸収対策は、ページバッファ1312などからの読出処理にて解消している。データ蓄積装置1100から読み出された画像データY,M,C,Kは、各々独立にタンデムギャップ分の時間的な違いを持って中間切替部801bに入力され、接続部801dを経由し後段切替部801cに渡され、ここから画像出力部30に入力される。そして、画像出力部30にて所定の出力用紙上に可視画像が形成される。
このような画像データパスの構成では、ページバッファ1312などに独立に記憶することでデータ競合を解決し、かつ、ページバッファ1312などから独立に読み出すことで出力タイミングの吸収を解決しているので、4倍速読出が不要であり、通常の低速なシステムでも実現可能なものである。タンデムギャップ補正の処理に関していえば、入力バッファからの読出処理では、出力タイミングを吸収する機能だけを発揮するバッファメモリが存在するシステムでも実現可能なものである。
図6は、デバイス非依存の色空間上の画像データ(本例ではLab)にて画像再配置機能を実行する場合のデータ蓄積装置1100の機能に着目した詳細例を示す図である。ここでは、画像データLabだけでなく、タグデータtagについても示している。
データ蓄積装置1100は、当該データ蓄積装置1100の全体を制御する制御部1122と、1ページ分(数ページ分でもよい)の画像データLabやタグデータtagを保持する半導体メモリの一例である小容量のページメモリ部(PM)としてのページバッファ1312および多数ページ分の画像データLabやタグデータtagを保持可能な不揮発性の大容量記憶媒体の一例であるハードディスク装置(HDD)からなるデータ格納部を具備した画像メモリ部1128とを有する。またデータ蓄積装置1100は、画像データを圧縮したり伸張したりするイメージ圧縮伸張処理機能を有する画像圧縮伸張部1130を有する。
このデータ蓄積装置1100は、ハードディスク装置を制御するHDDコントローラを含んでおり、また8ビット多値カラー画像を電子ソートすることが可能となっている。データ蓄積装置1100は、独自にデータ格納部1314(つまりハードディスク装置)を制御するため、印刷動作(プリンタ機能)のパフォーマンスを落すことなくコピー画像を制御することができる。ただし、ハードディスク装置を制御したり、8ビット多値カラー画像を電子ソートする機能を持たせたりするなど、システムとしては高価なものとなる。
制御部1122と画像圧縮伸張部1130とにより、ソート処理部(EPC)1310が構成され、ソート処理部(EPC)1310と画像メモリ部1128(つまりページバッファ1312やデータ格納部1314)とで、電子ソート処理機能部やタンデムギャップ補正処理機能部が構成される。本実施形態の制御部1122は、画像データLabとタグデータtagとを画素単位で対応付けて(マージして)出力するマージ処理部や、マージした各出力色用のデータを画像形成部31Y,31M,31C,31K側の動作に合わせて出力する同期出力処理部の機能を備える。
画像圧縮伸張部1130は、画像データを符号化圧縮処理する画像圧縮部1132と圧縮済の画像データを復号化伸張処理する画像伸張部1134を備える。なお図示しないが、画像圧縮伸張部1130は、圧縮/復号のパラメータを設定するパラメータ設定部や、ページバッファ1312などへのデータ書込みの制御をする書込制御部や逆にこれらからのデータ読出しの制御をする読出制御部なども備える。
このイメージ圧縮伸張処理機能を有する画像圧縮伸張部1130は、画像メモリ部1128(ページバッファ1312やデータ格納部1314)を利用して電子ソートを行なうために利用される。この際、画像圧縮伸張部1130は、ページ単位の画像データをたとえばJPEGやPNGなどの圧縮画像フォーマット(たとえば圧縮率優先の非可逆フォーマット)で圧縮し、画像メモリ部1128に一時的に格納(圧縮保存)したり、圧縮保存された印刷イメージ(ページ単位の画像データ)を伸長したりする。
たとえば、画像圧縮部1132は、入力された画像データLabのそれぞれの成分に対応する画像圧縮部1132L,1132a,1132bを有する。同様に、画像伸張部1134は、入力された画像データLabのそれぞれの成分に対応する画像伸張部1134L,1134a,1134bを有する。ページバッファ1312やデータ格納部1314には、画像データL,a,bをそれぞれ各別に格納する画像メモリ領域1124L,1124a,1124b,1126L,1126a,1126bとタグデータを格納するタグメモリ領域1124T,1126Tとがそれぞれ確保される。
画像圧縮部1132a,1132bは、色度データa,bについてはサブサンプリングすることで圧縮率を高めることとする。サブサンプリングすると解像度が低下するが、人間の視覚特性上、明度に関しては感度が高いが色に関しては感度が低く、このようにしても不都合がなく、画質劣化を生じることなくかつ高圧縮化を図ることができる。
また、画質優先とする場合、明度データLは低圧縮率ではあるものの元画像を復元可能な非可逆圧縮にする一方で、色度データa,bは元画像を復元できないものの高圧縮率にできる非可逆圧縮にすれば、前述の理由から、明度に関しては画質劣化を生じることなくかつ全体としては高圧縮化を図ることができる。
なお、図中点線で示すように、画像伸張部1134の後段に、伸張処理された画像データLabを、出力色であるYMCKのそれぞれに対応するように出力するべく、画像データYMCKのそれぞれの成分に対応する画像処理部1134Y,1134M,1134C,1134Kを有する。つまり、データ蓄積装置1100の各機能部は、入力成分や出力成分ごとに個々の処理機能部を有する。
画像処理部1138は、像域分離処理部1000側から入力されページバッファ1312やデータ格納部1314に保持しておいた処理対象画像と対応するタグデータを使用して、画像内の個々の画像要素に応じた適応処理を施す構成のものとしてもよい。
また、タンデム構成の画像出力部30に対応に対応して、データ蓄積装置1100は、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持ってページバッファ1312やデータ格納部1314から画像データLabやタグデータtagを読み出す。たとえば、第1色であるY色の画像データLabYの読出し開始後、このY色と第2色であるM色との間のタンデムギャップ分Tym後にM色の画像データLabMを読み出す。また、第2色であるM色の画像データLabMの読出し開始後、このM色と第3色であるC色との間のタンデムギャップ分Tmc後にC色の画像データLabCを読み出す。そして最後に、第3色であるC色の画像データLabCの読出し開始後、このC色と第4色であるK色との間のタンデムギャップ分Tck後にK色の画像データLabKを読み出す。
これにより、データ蓄積装置1100からタンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って出力色YMCKのそれぞれに対応する画像データLabY,LabM,LabC,LabKが出力されるようにする。タグデータtagについても同様であり、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って出力色YMCKのそれぞれに対応するタグデータTAGY,TAGM,TAGC,TAGKが出力されるようにする。この機能を、タンデムギャップ補正機能という。
このようなタンデムギャップ補正機能によれば、画像データLabおよびタグデータtagそれぞれについて1つのメモリから出力色(本例ではYMCKの4系統)用のデータを時分割で読み出すことで、メモリ数を低減することができる。すなわち、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持ってデータを出力する場合、単純に回路を構成すると、各出力色に応じたL,a,b保持用およびTAG保持用のメモリを用意しなければならないが、上記構成では、各々1つのL,a,b保持用およびTAG保持用のメモリで済ますことができる。勿論、L,a,b保持用およびTAG保持用の各メモリを共通のメモリとしてもよい。
たとえば、パラメータ設定部は、画像圧縮部1132における符号化圧縮の際の圧縮パラメータを決定する。次にパラメータ設定部は、決定した各画像成分用の符号化パラメータを、対応する画像成分用の画像圧縮部1132およびに画像伸張部1134に入力する。画像圧縮部1132は、設定された符号化パラメータを用い取り込んだ画像データLabに対して、たとえばDCT(Discrete Cosine Transform )などの直交変換符号化やベクトル量子化などの方法により符号化し圧縮処理(非可逆圧縮および可逆圧縮の何れもよい)して符号化画像データL,a,bを生成する。この後、書込制御部は、画像圧縮部1132により圧縮された入力画像の各成分L,a,bの符号化画像データを、画像格納部の一例であるページバッファ1312やデータ格納部1314内の対応する格納領域に略同時に書き込む。
次いで、画像出力部30の図示しない先端検出器からの先端検出信号(副走査方向の印字始点を示す信号)に同期して、読出制御部がページバッファ1312やデータ格納部1314から入力画像の各成分L,a,bの符号化画像データをタンデムギャップを吸収するように順次一定間隔(YMCKディレイ)をおいて読み出して画像伸張部1134に入力する。図6(B)に示すように、複数の出力色が並行して処理されるタイミングが存在するが、この場合、画像データやタグデータを画像メモリ部1128から時分割で読み出して、画像データLabは画像圧縮伸張部1130へ、タグデータtagはタグ圧縮伸張部1142へ、それぞれ転送する。
画像伸張部1134は、ページバッファ1312やデータ格納部1314から順次一定間隔をおいて読み出された出力色Y,M,C,K用の入力成分L,a,bの符号化画像データを、パラメータ設定部により設定された符号化パラメータを用い、画像圧縮部1132における符号化に対応する復号化(伸張処理)をして、元の画像データ(復号化データ)に戻し、各出力色Y,M,C,K用の復号化データL,a,bをセット(組)にして、画像処理部1138の対応するものに入力する。タグデータtagに関しても、タグ圧縮伸張部1142にて、同様の伸張処理がなされる。
画像処理部1138では、たとえば、所望の画像処理を各出力色Y,M,C,K用の復号化データLabに対して施す。処理済の画像データLabY,LabM,LabC,LabKはタグデータtagとマージ処理され画像処理部20へ渡される。
制御部1122は、画像データLabとタグデータtagとをマージして出力する際に、用紙1枚への原稿画像割付や処理ページ順の並替え機能(電子ソート機能)とタンデムギャップ補正機能とを実行する。すなわち、画像データLabおよびタグデータtagの画像メモリ部1128への格納順に関わらず、これら機能を実現するために必要なページの画像データLabおよびタグデータtagを対応付けてかつタンデムギャップ補正機能を果たすように読み出すことで同期出力処理を実行する。
電子ソート機能やタンデムギャップ補正機能のためには、たとえば、図6(A)中の右下に示すように、必要なページの画像データLabおよびタグデータtagを対応付けてデータ格納部1314から読み出して一旦ページバッファ1312に保存する。そして、タンデムギャップ分の出力タイミングの吸収およびデータ競合の解消のため、出力色YMCKに応じた画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作タイミングでタイムシェアリングして(時分割で)、ページバッファ1312からデータLabを読み出す。このような動作の構成では、電子ソート機能のための主要な記憶部としてデータ格納部1314が機能し、タンデムギャップ補正機能の主要な記憶部としてページバッファ1312が機能する。
このような構成では、出力デバイス依存のYMCK色空間上ではなく、デバイス非依存のLab色空間の画像データにて電子ソートやタンデムギャップ補正機能などを実行しており、処理対象の色数が画像出力部30(エンジン/出力デバイス)側の出力色よりも少なくて済むので、一般的なYMCK色空間上にて電子ソートやタンデムギャップ補正を行なう構成よりも制御が簡易で装置構成(特にメモリやその書込みおよび読出しの制御機能部)をコンパクトにすることができる。
また、デバイス非依存の色空間上でソーティング処理されたデータをネットワークを介して外部の機器に伝送することもできるので、都合がよい。このとき、明度データLは非可逆圧縮(あるいは可逆圧縮)、色度データa,bについてはサブサンプリングした上で非可逆圧縮(あるいは可逆圧縮)することで転送データ容量をYMCK色空間上のデータとして転送するよりも低減することができるので都合がよい。さらに、タグデータ(非可逆圧縮あるいは可逆圧縮された)もデバイス非依存の色空間上の画像データと対にして伝送することができ、一層都合がよい。
なお、電子ソート処理の対象ページ数が少なければ、ページバッファ1312のみで両機能用の記憶部の機能をなし得る。また、タンデムギャップ補正機能をなす読出処理に追従可能なだけの高速のデータ格納部1314であれば、データ格納部1314内にタンデムギャップ補正用の記憶領域を用意し、ソート処理後の画像をそこに保持し、そこからタンデムギャップ補正機能をなすように読出処理を実行することも可能である。この場合、データ格納部1314のみで両機能用の記憶部の機能をなし得る。つまり、何れの場合も、電子ソート処理機能部の記憶部が、タンデムギャップ補正処理機能部の記憶部と兼用される構成となる。
図7は、出力デバイス依存の色空間上の画像データ(本例ではYMCK)にて画像再配置機能を実行する場合のデータ蓄積装置1100の機能に着目した詳細例を示す図である。ここでは、画像データYMCKだけでなく、タグデータtagについても示している。なお、ここでは、図6に示したデバイス非依存の色空間上の画像データLabについての構成との相違点のみ説明する。
画像圧縮部1132は、入力された画像データYMCKのそれぞれの成分に対応する画像圧縮部1132Y,1132M,1132C,1132Kを有する。同様に、画像伸張部1134は、入力された画像データYMCKのそれぞれの成分に対応する画像伸張部1134Y,1134M,1134C,1134Kを有する。ページバッファ1312やデータ格納部1314には、画像データY,M,C,Kをそれぞれ各別に格納する画像メモリ領域1124Y,1124M,1124C,1124K,1126Y,1126M,1126C,1126Kが各々確保される。なお、図中点線で示すように、画像伸張部1134の後段に、伸張処理された画像データY,M,C,Kのそれぞれの成分に対応する画像処理部1134Y,1134M,1134C,1134Kを有する。つまり、データ蓄積装置1100の各機能部は、出力色成分ごとに個々の処理機能部を有する。
タグデータtagに関しても同様であり、図示を省略しているが、出力色成分ごとに、タグ圧縮伸張部1142およびタグデータ用の画像メモリ領域1128Tが設けられる。たとえば、画像メモリ1128T(ページバッファ1312やデータ格納部1314)には、出力色ごとのタグデータTAGY,TAGM,TAGC,TAGKをそれぞれ各別に格納するメモリ領域1128TAGY,1128TAGM,1128TAGC,1128TAGKが確保される。
制御部1122は、画像データYMCKと対応するタグデータtagとをマージして出力する際に、用紙1枚への原稿画像割付や処理ページ順の並替え機能(電子ソート機能)とタンデムギャップ補正機能とを実行する。すなわち、画像データYMCKおよび対応するタグデータtagの画像メモリ部1128への格納順に関わらず、これら機能を実現するために必要なページの画像データYMCKおよびタグデータtagを対応付けてかつタンデムギャップ補正機能を果たすように読み出すことで同期出力処理を実行する。
電子ソート機能のための処理は図6の場合と同様であり、図7(A)中の右下に示すように、必要なページの画像データYMCKおよび対応するタグデータtag(たとえばYに対してのTAGY)を対応付けてデータ格納部1314から読み出して一旦ページバッファ1312に設けられている個別の画像メモリ領域1124Y,1124M,1124C,1124Kに保存する。これにより、タンデムギャップ補正機能におけるデータ競合の解消対策が実現される。
一方、タンデムギャップ補正機能におけるタンデムギャップ分の出力タイミングの吸収を実現する際には、出力色YMCKに応じた画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作タイミングで、ページバッファ1312の対応する画像メモリ領域1124Y,1124M,1124C,1124KからデータY,M,C,Kを独立に読み出す。
なお、図7に示すように、出力デバイス依存の色空間上の画像データ(本例ではYMCK)用の画像圧縮部1132、画像伸張部1134、およびタグ圧縮伸張部1142をデータ蓄積装置1100として設けておくことで、出力デバイス依存の色空間上の画像データを処理対象とすることに限らず、デバイス非依存の色空間上の画像データを処理対象として、ソーティング処理およびタンデムギャップ補正処理が実現可能である。処理対象データが、デバイス非依存の色空間上の画像データ(本例ではLab)であるのか、出力デバイス依存の色空間上の画像データ(本例では出力色YMCK)であるのかに応じたデータ蓄積装置1100の動作モードの設定は、前述のように、外部から入力されるEPCモード設定や自動認識による切替えに従うこととすればよい。
<複写装置のシステム構成の展開例>
図8〜図12は、図2に示した画像処理部20を、種々の接続デバイスと組み合わせて、複合機の機能を備えた複写装置1を構成する場合におけるシステム構成の展開例を説明する図である。各図において使用される画像処理部20は、PCIバスと接続可能なASICにより構成されているものとする。
図8〜図12の何れも、プリ画像処理部(A)21としての信号処理部14を画像取得部10の外部に示している。複写装置1は、画像取得部10にて読み取られた画像データに基づいて画像出力部30側にて使用される出力画像データを生成するポスト画像処理部(B)22が画像取得部10を主要部とするIIT(Image Input Terminal)モジュールに組み込まれた構成となっている。画像処理部22としては、図2に示した画像処理部20を使用する。
図8に示す第1例は、典型的な構成例であって、2値化データに基づいてYMCKの4色を用いたフルカラー(FC;Full Colour )印刷とK色のみを用いたモノクロ(B/W;Black and White )印刷をする構成のものである。なお、YMCのうちの何れか1色による単色カラー印刷をすることも可能である。また、YMCのうちの何れか2色(さらにKを含んでもよい)による2色カラー印刷をすることも可能である。
画像出力部30は、外部から取り込んだ画像データに基づいて印刷出力するプリンタ系統を備えた構成となっている。また画像出力部30は、複写系統とプリンタ系統とを切り替えるブリッジ1220と、ブリッジ1220にて選択されたカラー画像データYMCK(あるいはモノクロ用の画像データLL)をスクリーン処理するスクリーン処理部1222と、スクリーン処理部1222によりスクリーン処理された画像データに基づいて半導体レーザ38(図1参照)を駆動するレーザドライバ1224を備える。
画像出力部30のプリンタ系統としては、外部の画像入力端末から取得した画像データを印刷処理用の画像データに基づいて描画展開(ラスタライズ)する描画展開処理部(BB)1230、この描画展開処理部1230やその他の機能部を制御するMPU1232、ROM1234、およびRAM1236、並びに有線/無線のLANを介してパソコンなどから画像データ(たとえばPDL形式の)を受け取るためのインタフェース部1240と、受け取ったデータを格納(スプール)するハードディスク装置などからなるデータ格納部1242を有する。インタフェース部1240はデータ格納部1242と協働することで電子ソート機能やタンデムギャップ補正機能を果たすことが可能となっている。
また、インタフェース部1240は、USBやIEEE1394などの汎用I/Fを介して画像データを受け取ることもできる。たとえば、画像出力部30は、通信系からFAXデータを送受信するFAXデータ処理部1244を備える。FAXデータ処理部1244は、受信したFAXデータをインタフェース部1240に送る。
画像出力部30内の各機能部間のデータ(画像データや制御データ)のインタフェースは、パソコンなどで一般的に使用されているPCIバスを使用する。たとえば、描画展開処理部1230とブリッジ1220およびインタフェース部1240との間は第1のPCIバスインタフェース(PCI 1st)にて、また描画展開処理部1230とMPU1232,1234,RAM1236の間は第2のPCIバスインタフェース(PCI 2nd)によりそれぞれ接続されている。
描画展開処理部1230は、描画展開した後、画像処理部20の前段画像処理部20aと同様の処理をした後ブリッジ1220を介して画像出力部30側に印刷用の出力データを渡す。また、描画展開処理部1230にて描画展開された画像データYMCKを、たとえば画像処理部20の中間切替部801bを介して後段画像処理部20bに供給することで、画像処理部20の前段画像処理部20aを利用して処理させる構成とすることもできる。
また、図6に示す第1例の画像出力部30の構成は、電子ソート機能およびタンデムギャップ補正機能を備えた電子ソート部()1210を備える。この電子ソート部1210には、カラー画像出力時に画像処理部22からほぼ同時に取り込んだ画像データYMCKを格納するページメモリとしてのページバッファ(PB;Page Buffer)1212が接続されている。電子ソート部1210は、2値あるいは4値の画像形成データのようにデータ量が少ないものについての電子ソート機能のためと、画像処理部22から同時に出力されたカラー用画像データYMCKを受け取りタンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って出力色YMCKのそれぞれに対応する時間差を持って出力するタンデムギャップ補正機能を実現するために設けられている。
YMCKカラーで50枚程度ならば電子ソート部1210に接続されているページバッファ1212を利用することで電子ソート機能を実現することができる。蓄積枚数がページバッファ1212(すなわち電子ソート部1210)の蓄積容量を越えるときは、電子ソート部1210の図中右側に設けられているブリッジ1220を介してインタフェース部1240に接続され、データ格納部1242を利用することで電子ソート機能を果たすように動作することも可能である。つまり、画像処理部20側から見れば、電子ソート部1210だけでも電子ソート機能を果たし得るし、電子ソート部1210とインタフェース部1240およびデータ格納部1242を含めて電子ソート機能を果たし得る。何れにしても、電子ソート部1210が入るこの第1例の構成では、出力デバイス依存の色空間データYMCKを対象とした電子ソート機能しか実現できない。
この電子ソート部1210に代えて、前述のデータ蓄積装置1100を使用することも可能である。ただし、データ蓄積装置1100には、ハードディスク装置を制御するHDDコントローラを含んでおり、また8ビット多値カラー画像を電子ソートすることが可能で、印刷動作のパフォーマンスを落すことなくコピー画像を制御することができるものであるが、2値フルカラー(FC)を対象としたシステムとしては8ビット多値カラー画像機能は過剰である。よって、2値フルカラー(FC)を対象とした安価なシステムでは電子ソート部1210、パフォーマンスや多値カラー画像を優先するシステムではデータ蓄積装置1100を使用するようにすることが好ましい。
この第1例の構成における複写動作時の画像データパスルートは、以下の通りである。すなわち、画像取得部10により読み取られた画像データRGBが画像処理部21(すなわち信号処理部14)にて所定の処理を施された後に前段色変換されて画像データLabが画像処理部22(すなわち画像処理部20)の前段切替部801aに入力される。画像処理部20では、前段画像処理部20a→中間切替部801b→後段画像処理部20bを経ることで所定の処理が施され、後段切替部801cから画像形成データY,M,C,Kが独立に電子ソート部1210に入力される。
電子ソート部1210では、画像割付や処理ページ順の並替えなどのソーティング処理が施され、タンデム構成された画像形成部31に応じてタンデムギャップ分に対応するように順次一定間隔をおいて画像データY,M,C,Kがブリッジ1220に出力される。そして、スクリーン処理部1222にて出力色ごとにスクリーン処理が施され、各出力色の画像形成データY,M,C,Kに基づくレーザドライバ1224の駆動により、各出力色の画像が順次形成される。
図9に示す第2例は、多値化データに基づいてYMCKの4色を用いたフルカラー(FC;Full Colour )印刷をするとともに2値化データに基づいてK色のみを用いたモノクロ(B/W;Black and White )印刷をする構成のものである。また、ポスト画像処理において画像パスを電子ソート機能部分に迂回させ、この電子ソート機能部分おいて、ソーティング処理とタンデムギャップ補正機能を実行する構成としている。
図8に示した第1例の構成との違いは、先ず、IITモジュール内に画像取得部10により読み取った画像を90度(270度)回転させるローテーション機能をなす画像処理部(C)26を含むIITオプション基板24を設けている点、また、画像処理部22と画像出力部30との間にアクセサレータ1300を設けている点である。
アクセサレータ1300内には、画像処理部(D)28と、電子ソート機能をなすソート処理部(EPC)1310、ページバッファ1312、データ格納部1314、およびPCIインタフェース部(PCI I/F)1322を具備したデータ蓄積装置1100と、PCIインタフェース部(PCI I/F)1320とを設けている。また、ソート処理部1310にてタンデムギャップを補正することにしたので、画像出力部30内の電子ソート部1210およびページバッファ1212を取り外している。アクセサレータ1300内の画像処理部28としては、図2に示した画像処理部20を使用する。
つまり、図2に示した画像処理部20を、IITモジュール内の画像処理部22とアクセサレータ1300内の画像処理部28として2段構成で使用(2個使い)することで、ポスト画像処理部を構成するようにしている。多値化データに基づいて4色フルカラー印刷をする場合、処理が煩雑となるため、ポスト画像処理部を2段構成とすることで、処理を分担し対応を採ることとしたものである。
たとえば、図2に示した画像処理部20における主に前段画像処理部20aの機能を画像処理部22にて担当し、主に後段画像処理部20bの機能を画像処理部26にて担当する構成とする。画像処理部22,28は、それぞれ前段画像処理部20a,20bのうちの使用しない方を、第1パス切替部801を利用してパスさせる。
この第2例の構成における複写動作時の画像データパスルートにおいて、画像処理部22およびIITオプション基板24内の画像処理部26のパスルートは、図3に示した通りである。ただし、前段画像処理部20aで処理された処理済の画像データLabは中間切替部801bに入力された後、後段画像処理部20bをスルーさせて(必要に応じてフィルタ処理などを施して)、あるいは接続部801dを介して後段切替部801cにその画像データLabを渡す。
後段側に配される画像処理部28とデータ蓄積装置1100におけるパスルートは、図5に示した通りである。たとえば、画像処理部28は、前段側の画像処理部22から画像データLabやタグデータtagを第1パス切替部801の前段切替部801aにて受け取ると、前段画像処理部20a内をスルーさせて(必要に応じてフィルタ処理などを施して)、あるいは接続部801dを介して中間切替部801bにその画像データLabを渡す。
この後、デバイス非依存の色空間上の画像データLabにて画像再配置機能を実行する場合には、画像データLabが中間切替部801bからデータ蓄積装置1100に渡され、画像割付や処理ページ順の並替えなどのソーティング処理が施された後、タンデムギャップ分に対応するように一定間隔のディレイを持って各出力色用の画像データLabY,LabM,LabC,LabKが中間切替部801bに入力される。そして、後段画像処理部20bの各出力色に応じて設けられた各処理機能部(図2参照)にて、対応する画像形成部31Y,31M,31C,31Kの動作と同期して色変換処理や所望の画像処理が施され、処理済の画像データY,M,C,Kが、後段切替部801cを介してブリッジ1220に出力される。そして、スクリーン処理部1222にて出力色ごとにスクリーン処理が施され、各出力色の画像形成データY,M,C,Kに基づくレーザドライバ1224の駆動により、各出力色の画像が順次形成される。
一方、出力デバイス依存の色空間上の画像データYMCKにて画像再配置機能を実行する場合には、前段画像処理部20aでの処理済データLabが中間切替部801bを介して後段画像処理部20bに入力され、後段画像処理部20bの各出力色に応じて設けられた各処理機能部(図2参照)にて、第1色(本例ではY色)用の画像形成部31Yの動作と同期して色変換処理や所望の画像処理が施され、処理済の画像データY,M,C,Kが、後段切替部801cに入力される。この画像データY,M,C,Kは、接続部801dおよび中間切替部801bを経由してデータ蓄積装置1100に渡される。データ蓄積装置1100は、ソーティング処理を施すとともに、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って各出力色用の画像データY,M,C,Kを中間切替部801bに渡すことでタンデムギャップ補正機能を実行する。この中間切替部801bに入力された画像データY,M,C,Kは、接続部801dおよび後段切替部801cを経由して、ブリッジ1220に出力される。そして、スクリーン処理部1222にて出力色ごとにスクリーン処理が施され、各出力色の画像形成データY,M,C,Kに基づくレーザドライバ1224の駆動により、各出力色の画像が順次形成される。
図10に示す第3例は、多値化データに基づいてK色のみを用いたモノクロ印刷をする構成のものである。IITモジュールは、図9に示した第2例の構成と同様であるが、IITモジュールと画像出力部30との間に、第1例における電子ソート部1210に代えて、データ蓄積装置1100を有するアクセサレータ1300を設けている。電子ソート部1210は、2値あるいは4値の画像形成データのようにデータ量が少ないものについての電子ソート機能しか備えておらず、多値化データに対する電子ソート機能をパフォーマンス低下を生じることなく実現するためである。画像処理部22からは出力デバイス依存の画像データYMCKがデータ蓄積装置1100に入力される構成であり、データ蓄積装置1100は、出力デバイス依存の色空間上の画像データYMCKにて画像再配置機能を実行する。
この第3例の構成における複写動作時の画像データパスルートにおいて、画像処理部22およびIITオプション基板24内の画像処理部26のパスルートは、図3に示した通りである。なお、画像処理部22の出力データ処理部700は、ディザとして動作する4ビット誤差拡散処理機能を実行する。画像処理部22から出力された画像データYMCKは、データ蓄積装置1100に入力され、ソーティング処理が施される。このとき、データ蓄積装置1100は、可逆圧縮により画像データをデータ格納部1314などに保存する。データ蓄積装置1100は、タンデムギャップ分に対応する一定間隔のディレイを持って各出力色用の画像データY,M,C,Kをブリッジ1220に出力することで、タンデムギャップ補正機能を実行する。この後、スクリーン処理部1222にて出力色ごとにスクリーン処理が施され、各出力色の画像形成データY,M,C,Kに基づくレーザドライバ1224の駆動により、各出力色の画像が順次形成される。
図11に示す第4例は、図8に示した第1例の構成をベースに、IITモジュール内に図4に示したIITオプション基板24を設けた構成である。この第4例の構成における複写動作時の画像データパスルートにおいて、画像処理部22およびIITオプション基板24内の各機能部のパスルートは、図4に示した通りである。画像処理部22から出力デバイス依存の画像データYMCKが電子ソート部1210に入力される構成であり、電子ソート部1210は、出力デバイス依存の色空間上の画像データYMCKにて画像再配置機能やタンデムギャップ補正機能を実行する。
図12に示す第5例は、図9に示した第2例の構成をベースに、IITモジュール内に図4に示したIITオプション基板24を設けた構成であり、本実施形態で示す5つの構成例の中で、最も高機能でかつ印刷動作のパフォーマンスが最もよい。この第5例の構成における複写動作時の画像データパスルートにおいて、2段構成となっているポスト画像処理部の前段側(画像処理部22)およびIITオプション基板24内の各機能部のパスルートは、図4に示した通りである。また、2段構成となっているポスト画像処理部の後段側(画像処理部28)およびデータ蓄積装置1100のパスルートは、図9に示した通りである。なお、後段側の画像処理部28からは、第2例の構成で示したように、中間切替部801bにてデバイス非依存の画像データLabもしくは出力デバイス依存の画像データYMCKの何れかを選択的にデータ蓄積装置1100に入力可能となっている。このため、この第5例では、データ蓄積装置1100は、デバイス非依存の色空間上の画像データLabおよび出力デバイス依存の色空間上の画像データYMCKの何れでも、画像再配置機能やタンデムギャップ補正機能を実行することが可能である。
以上説明したように、上記実施形態の画像処理部20の構成によれば、画像処理パスの入出力切替えが可能な第1パス切替部801を設け、さらに、その入出力部(上記例では前段切替部801a、中間切替部801b、後段切替部801c)でのデータインタフェースとして、デバイス非依存の色空間上の画像データ(上記例ではLabデータ)と出力デバイス依存の色空間上の画像データ(上記例ではYMCKデータ)の何れかを選択的に入出力対応可能とした。これにより、たとえば電子ソートおよびタンデムギャップ補正機能をなす機能部(上記例ではデータ蓄積装置1100)との入出力インタフェースを中間切替部801bで採ることにより、データ蓄積装置1100では2種類の色空間データを取扱い可能となり、同一形態の画像処理部(たとえばASICにて構成された画像処理部)にて様々な速度や構成のシステムを構築することができるようになった。
たとえば、バッファメモリの読出制御を出力色数倍の速度で読出制御を行なう必要のある高速なシステムを構築する場合にはLab色空間のようにデバイス非依存データを入出力対象としたパスルートとし、出力色数倍の速度での読出制御を行なわずに通常速度で読出制御を行なう低速のシステムを構築する場合には、YMCK色空間のように出力デバイス依存データを入出力対象としたパスルートとするなど、高速および低速の何れのシステムにも、第1パス切替部801による画像パス切替機能により、同一の画像処理部を利用することが可能となる。つまり、様々な速度や性能のシステムに対応する場合であっても冗長度を抑えることが可能となる。また、電子ソートおよびタンデムギャップ補正機能についての様々な対応だけに限らず、画像取得部10側の構成についても、様々な機能や性能の画像形成装置を構築することができるようになった。
また、このような画像処理部をASICなどの半導体集積回路で構成することで、このASICにて構成された画像処理部が搭載された同一基板を様々なシステムに使い回すことができ便利である。また同一基板を種々の機種に使用可能となるので製造も容易となる。加えて、ASICの量産効果と相俟って、装置コストを低減することも可能となる。
また、画像処理部20の入出力インタフェースを前段切替部801aおよび後段切替部801cで採ることにより、複数個の画像処理部20を従属接続もしくは並列接続させたシステムを構築することも可能となる。これにより、処理負担を分担するなど、さらに様々な機能や構成のシステムを構築することができるようになった。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
たとえば、上記実施形態では、出力デバイス依存の色空間の一例としてYMCK色空間上で、かつデバイス非依存の色空間の一例としてLab色空間上での取扱いについて説明したが、必ずしもこのような組合せに限定されない。たとえば、他の座標系であるLuvなどのデバイス非依存の色空間についても同様に適用可能である。また、入力デバイスにも非依存のデバイス非依存データに限らず、たとえばRGB色空間などの入力デバイスに依存の画像データと出力デバイス依存の画像データ(たとえばYMCKデータ)との間での取扱いであってもよい。
また、上記実施形態では複写装置を例に説明したが、印刷装置(プリンタや)やファクシミリ装置など、カラー画像を所定の出力媒体に出力可能なあらゆる画像形成装置において、画像形成部(エンジン)がタンデム構成されているもの全てに適用可能である。
1…複写装置、10…画像取得部、11…プラテンガラス、12…光源、13…受光部、14…信号処理部、20…画像処理部、20a…前段画像処理部、20b…後段画像処理部、20c…周辺部、30…画像出力部、31…画像形成部、32…感光体ドラム、106…前段フィルタ処理部、110…下地検知処理装置、200…変倍処理部、300…後段フィルタ処理部、500…色変換部、600…後段色調整部、700…出力データ処理部、801…第1パス切替部、1100…データ蓄積装置、1122…制御部、1128…画像メモリ部、1132…画像圧縮部、1134…画像伸張部、1138…画像処理部、1142…タグ圧縮伸張部