JP2004221915A - 画像処理方法および画像処理装置 - Google Patents

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Tadashi Amaya
征 天谷
Hajime Kishimoto
一 岸本
Katsuya Koyanagi
勝也 小柳
Noriko Arai
のり子 荒井
Kenji Furuyama
健司 古山
Tomio Yokomori
富夫 横森
Atsushi Sato
厚 佐藤
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Abstract

【課題】地色除去処理をする画像処理装置において、生産性を落とさず、かつ原稿色種の影響を受けることなく、高画質な画像を形成できるようにする。
【解決手段】地色除去部402は、カラー画像地色除去部402Cとモノクロ画像地色除去部402LLを有する。地色画像信号検知部102aは、画像データLabに基づいて地色画像信号DAEを検出する。カラー用に適した変換パラメータが割り当てられたLUT102Cは、地色画像信号DAEをカラー用地色画像信号DAECに変換する。モノクロ用に適した変換パラメータが割り当てられたLUT102LLは、地色画像信号DAEをモノクロ用地色画像信号DAELLに変換する。地色除去処理部402Cは、地色画像信号DAECに基づきカラー原稿の特性に合わせた地色除去処理をする。地色除去処理部402LLは地色画像信号DAELLに基づきモノクロ原稿の特性に合わせた地色除去処理をする。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばプリンタ装置、ファクシミリ装置、複写装置、あるいはそれらの機能を複数有する複合機などの、画像を所定の出力媒体に形成するために利用される画像処理方法および画像処理装置に関する。より詳細には、原稿画像が単一色か有彩色かを自動判定して、その判定結果に応じた画像処理モードで画像形成を行なう機能に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー複写機やカラーファクシミリなどのカラー出力可能な画像形成装置においては、画像形成の対象となる原稿がモノクロ原稿(単一色原稿;通常は白黒原稿)であるのかカラー原稿(有彩色原稿)であるのかに応じて、読み取った原稿画像に対する画像処理や処理済の画像データに基づく画像形成処理(印刷処理)の内容や手法を切り替えることがなされている。
【0003】
たとえば、ディジタルカラー複写装置では、黒色の画素を3色(あるいは4色)のトナーで再現すると、黒色のトナーを用いる場合に比べてトナーの消費量が増大したり、微妙な色ずれによって画像の輪郭がぼけたりするなどの問題が生じる。そこで、原稿の色種に応じて、たとえば作像に使用するトナー色を自動選択するなど、コピー動作(コピーモード)を自動的に決定できるようにしている。
【0004】
この原稿の色種に応じた各種処理の切替えはオペレータ指示により行なうこともあるが、操作の便宜のため、モノクロ原稿であるのかカラー原稿であるのか(原稿の色種)を画像データに基づいて自動的に判別する自動原稿色識別機能(ACS:Auto Color Selection)を備え、その判定結果に応じてその後の処理モードを自動切替えするものも提案されている。
【0005】
ACS機能を実現する手法は、通常の画像形成動作(本読み;本スキャン)に先立って原稿の画像(被形成画像)を読み取る(プリスキャンする)ことにより原稿画像がカラー画像かモノクロ画像かを判定し、この判定結果に基づいて処理モードの切替えを行なうプリスキャン方式と、プリスキャンなしに処理モードの切替えを行なうプリスキャンレス方式とに大別される。
【0006】
プリスキャン方式(たとえば特許文献1を参照)は、通常の画像形成動作に入る前に、カラー/モノクロ自動判定のためのスキャン動作を行なうことから、出力指令を発してから(たとえばスタートボタンを押してから)1枚目の出力物(たとえばコピー)が排出されるまでの処理時間FCOT(First Copy Out Time )が増加し、生産性が低下するという問題がある。
【0007】
この対策として提案されたのがプリスキャンレス方式であり、種々の方式が提案されている(たとえば特許文献2〜4を参照)。
【0008】
【特許文献1】
特許第3134292号公報
【特許文献2】
特開平7−13399号公報
【特許文献3】
特開平8−65530号公報
【特許文献4】
特開2000−261676号公報
【0009】
たとえば、特許文献2に記載の手法は、画像形成プロセスを複数回繰り返すことによってカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、第1色目を黒とし、第1色目(黒)の画像形成プロセスを行なう間に被形成画像がカラー画像か白黒画像かを判定し、その判定結果を基に、第2色以降の画像形成プロセスを行なうかどうかを決定することにより、プリスキャンなしに処理モードの切替えを行なう。
【0010】
ところが、特許文献2の手法では、K(ブラック),Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン)の各色ごとに同様の画像形成プロセスを繰り返してカラー画像を形成するもの、たとえば単一の感光体ユニット(印刷エンジン)で各色の画像を順に形成しつつ、これを1色ずつ転写体に重ね転写してカラー画像を形成するマルチパス型のカラー画像形成装置には適用できるものの、各色に対応する4つの感光体ユニットを備えたタンデム型のカラー画像形成装置には適用できないという難点がある。その理由は、タンデム型の場合、カラー画像を形成する際の処理速度を上げるために、K,Y,M,Cの画像を4つの感光体ユニットで並列的(同時進行的)に処理することから、第1色目(黒)の画像形成プロセス時間を利用してカラー/白黒自動判定を行なえなくなるためである。そのため、タンデム型では、生産性に劣るプリスキャン方式を採用せざるを得ない状況にある。
【0011】
また、一般に、カラー画像形成に適した黒と白黒画像形成に適した黒とでは、白黒用の黒の方が濃度的に高いものとなっている。しかし、特許文献2の手法の場合は、第1色目の画像形成プロセスを開始する時点(感光体上に第1色目の画像を形成する時点)で被形成画像がカラー画像か白黒画像かを判定できていないため、第1色目の黒の画像をカラー用で処理するのか白黒用で処理するのかを予め決めておく必要がある。そのため、第1色目の黒をカラー用で処理するとした場合は、被形成画像が白黒画像であったときに濃度不足が生じ、逆に第1色目の黒を白黒用で処理するとした場合は、被形成画像がカラー画像であったときに黒部分の濃度が高すぎて画質の低下を招く。
【0012】
たとえば、カラー出力対応の画像形成装置の場合、原稿を読み取ることで得たRGB(もしくはLab(正しくはL))画像データを、出力側に応じた減法混色用に適した色信号に変換する。たとえば、Lab信号で表されるLab表色系から、最低3つ(好ましくは4つ)、たとえばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色信号で表されるYMC表色系あるいはこれにブラック(K)を加えたCMYK表色系へのマッピング処理をし、プリント出力用に色分解されたラスタデータを生成する。
【0013】
また、このようなラスタデータ化の処理に際して、カラー画像のCMY成分を減色するアンダーカラー除去処理(UCR;Under Color Removal /下色除去処理)をする。さらに減色されたCMY成分を部分的にK成分と交換するグレー成分交換処理(GCR;Gray Component Replacement/墨生成処理)をする。なお、このグレー成分交換処理を含めてアンダーカラー除去処理ということもある。また、入力画像の下地濃度(カラーの場合は地色成分)に応じて、YMCKの各色の画像データのうちの所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する地色除去処理(地肌除去処理や下地除去処理ともいわれる)を施す。
【0014】
ここで、一般的にフルカラー絵柄の深みの再現性を良くするために下色除去(UCR)量を制限しているため、白黒判定時、黒の濃度が下がってしまったり、作像されない部分が出てきてしまったりするという不具合がある。特に有彩絵柄原稿の時に、近年しばしば用いられている下色除去(UCR)量を100%未満とする方法では、先端が低コントラストの場合において、有彩色との判定が遅れた場合(判定が速やかに出ない場合)、出るまでの領域において、K信号は無彩色用、すなわち十分な濃度をとれているにもかかわらず、その後のCMY信号が重なることによって濃度が高すぎてしまう。つまり、有彩色か無彩色かを判定しつつ行なう黒画像形成において、これをフルカラー記録を想定して下色除去(UCR)量を制限して行なうと、無彩色であった場合には他色の重ね記録が行なわれないので、濃度が低い白黒記録となり、逆に、黒白記録を想定して下色除去(UCR)量を大きくして行なうと、有彩色であった場合に、得られるフルカラー画像の記録濃度が高過ぎることになる。
【0015】
こうした不具合に対して、特許文献3では、第1色目の黒の処理を白黒用で開始し、その処理中に被形成画像がカラー画像であると判定されたら、その時点でカラー用に切り替えて処理する技術が開示されている。しかし、この技術にあっては、白黒画像を形成する場合の濃度不足は解消できるものの、実際に第1色目の黒の処理を白黒用→カラー用と切り替えたとき、その切替えの境界部分で不自然さが生じ、画質の劣化を招いてしまう。
【0016】
この境界部分の画質劣化を解消する対策として、特許文献4では、カラー処理と白黒処理とを同時並行的に処理(並行処理)するように構成し、入力された画像データに基づきカラー画像形成用のYMCK画像データと白黒画像形成用のK画像データとを生成してそれぞれ別個のページメモリに保持しておき、原稿色種の判定結果が得られた段階で、その判定結果に応じたページメモリの方から画像データを読み出して画像を形成する手法が提案されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献4では、入力された画像データに基づきカラー画像形成用のYMCK画像データと白黒画像形成用のK画像データとを生成してそれぞれ別個のページメモリに保持しておくと記載されているが、カラー画像形成用のYMCK画像データと白黒画像形成用のK画像データとをどのようにして生成するのかについては、何ら開示がない。このため、生成されたカラー画像形成用のYMCK画像データや白黒画像形成用のK画像データは、それぞれカラー画像や白黒画像に適したものであるとは限らないという問題がある。
【0018】
たとえば、複写機やFAXなどでは、通常の白地の用紙を用いた原稿だけでなくたとえば新聞や藁半紙、再生紙、色紙など、様々な用紙を用いた原稿を読み取っている。このように通常の用紙を用いていない原稿は、地肌の濃度が高いため、CCDセンサなどの受光部で読み取って、その画像データをそのまま出力すると、再現された原稿は地肌が出て汚いものとなってしまう。そこで、自動露光(AE;Auto Exposure )機能の一例として、このような地肌が一定の濃度を持った原稿に対して、たとえば原稿の下地濃度(カラーの場合は地色成分)を特定(地色検知)して、地肌の濃度が薄くなるように地色除去処理をしている。たとえば、入力画像の地色成分に応じて、YMCKの各色の画像データのうちの所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する。
【0019】
カラー処理と白黒処理とを並行処理する特許文献4に記載の手法でも、基本的には、この地色除去処理を行なうことが考えられる。しかしながら、原稿の地肌成分を表す検知データ(地色画像データ)がカラー処理画像と白黒処理画像とで共通に使用されたのでは、地色除去処理が各画像に対して必ずしも好適でないということが分かった。すなわち、プリスキャンを行なわない特許文献4に記載の手法において地色除去処理を行なうと、カラー画像や白黒画像に特化した地色画像信号を出力することができず、カラー画像/白黒画像とも同じ地色画像データにて地色除去され、カラー写真画像の地色が除去され過ぎる、あるいは白黒画像の地色が残ってしまうという問題(画質の問題)が生じる。
【0020】
カラー処理画像と白黒処理画像とを並列で処理する特許文献4に記載の装置における画質問題は、地色除去処理に限らず、濃度調整やその他の画像補正処理などにおいても生じ得る。
【0021】
この画質問題を解消するには、白黒画像かカラー画像の判定結果(ACS)が出てから、それぞれの画像の特徴に応じた地色除去を行なうことが考えられる。しかしながら、画像の特徴に応じた地色除去を行なうといっても、どのような処理手法とするのが好ましいかは、これまで明確でなかった。加えて、前述のように、プリスキャンACSは、本スキャン前にプリスキャンして画像全てを読み取らなければカラー原稿か白黒原稿であるかを判断することができず、スキャン生産性(FCOTと等価)が落ちる。
【0022】
このように、従来の技術では、地色除去処理などによる画質改善を優先すれば生産性が落ち、生産性を上げれば画質が落ちるトレードオフの関係があり、カラー画像および白黒画像の何れについても、生産性を落とすことなく、かつ画質の良好な画像を形成することは困難であった。
【0023】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カラー画像および白黒画像の何れについても、画質の良好な画像を形成することのできる画像処理方法および画像処理装置を提供することを第1の目的とする。そして、好ましくは、生産性を落とすことなく、かつカラー画像および白黒画像の何れについても、画質の良好な画像を形成することのできる画像処理方法および画像処理装置を提供することを第2の目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本願発明者は、従来の画像処理手法において、カラー画像に適した画像処理とモノクロ画像に適した画像処理とを行なっているにも拘わらず、原稿種別によって画質劣化を引き起こすことがあることの原因を探求した。その結果、カラー原稿であるのかモノクロ原稿であるにかに拘わらず、同様のパラメータが設定されて処理されている機能部分が存在することが分かった。そして、特に画質劣化に強度の関わりのある機能部分は、原稿の地色成分を検知しこの検知結果に基づいてパラメータが設定されて処理されている機能部分であることを突き止めた。本願発明はこの点に着目して画質劣化を改善する工夫をなしたことに第1の特徴を有する。また、この画質劣化を改善する工夫とともに生産性改善の工夫を付加的になし得るようにしたことに第2の特徴を有する。
【0025】
すなわち、本発明に係る画像処理方法においては、読取対象原稿を表す画像データに基づいて原稿の地色を表す地色情報を取得し、この取得した地色情報に基づいて原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像用パラメータを求めるとともに原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像用パラメータを求めることとした。すなわち、先ず原稿の地色情報を取得して、この地色情報に基づいてカラー画像用とモノクロ画像用の各パラメータを生成することとした。
【0026】
ここで、好ましくは、生産性を低下させないように、上記特許文献4と同様に、カラー画像処理とモノクロ画像処理とを並行処理する構成を採用する。また、カラー画像処理については読み取った原稿がカラー原稿であるものとして設定されたパラメータを用いた処理、モノクロ画像処理については読み取った原稿がモノクロ原稿であるものとして設定されたパラメータを用いた処理をすることが好ましい。そして、それぞれに設定されるパラメータ値を読み取った原稿に応じて制御するとともに、その制御パラメータをカラー画像とモノクロ画像とで異なるものとする。
【0027】
つまり、カラー用のパラメータ値が設定されたカラー画像処理とモノクロ用のパラメータ値が設定されたモノクロ画像処理とを同時並行的に処理する点では特許文献4に記載の手法と似通っているが、それぞれに設定されるパラメータ値の取得や制御を、カラー用に特化したものとモノクロ用に特化したものとに分ける構成とした点で異なる。
【0028】
本発明に係る画像処理装置は、上記本発明に係る画像処理方法を実施する装置であって、所定の原稿読取部により読み取られた原稿を表す画像データを取得する処理対象画像入力部と、処理対象画像入力部が取得した画像データに基づいて原稿の地色を表す地色情報を取得する地色情報取得部とを備えるものとした。また、本発明に係る画像処理装置は、地色情報取得部が取得した地色情報に基づいて、原稿に対応する画像を所定の出力媒体に形成するためのパラメータとして、原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像用パラメータを求めるとともに原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像用パラメータを求める原稿色種パラメータ取得部とを備えるものとした。
【0029】
このようにして得られたカラー画像用パラメータおよびモノクロ画像用パラメータは、画像形成動作における地色除去処理などの自動露光制御に利用される。あるいは、取得した各パラメータをオペレータに提示し、オペレータが所定のダイヤルを回したりキー入力したりすることで、地色除去処理条件などの自動露光処理の条件をマニュアルで設定するようにしてもよい。
【0030】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る画像処理方法や画像処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。なお、本発明に係る画像処理方法や画像処理装置は、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現することもでき、このためのプログラムやこのプログラムを格納した記録媒体を発明として抽出することも可能である。なお、プログラムは、コンピュータ読取可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0032】
図1は、本発明に係る画像処理装置の一実施形態である画像処理部を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。このカラー複写装置1は、画像取得部10、画像処理部20、画像記録部30、およびプラテンカバー60を備える。画像処理部20は、画像取得部10と画像出力部30との境界部分に設けられている。
【0033】
画像取得部10は、筐体上に設けられた透明ガラスからなるプラテンガラス(原稿載置台)11を備える。また画像取得部10は、プラテンガラス11の下方に、プラテンガラス11の原稿載置面と反対側の面(裏面)に向かって光を照射する光源12と、光源12から発せられた光をプラテンガラス11側に反射させる略凹状の反射笠17とを備える。光源12としては、主走査FS(Fast Scan )の方向(図の紙面奥行き方向)を長手方向とするハロゲンランプが使用されている。
【0034】
また、画像取得部10は、プラテンガラス11側からの反射光を受光して副走査SS(Slow Scan )の方向(図中矢印X1の読取方向)と略直交する主走査FSの方向に画像を読み取り、濃度に応じた画像信号(アナログの電気信号)を順次出力する受光部13と、受光部13からの画像信号を所定のレベルまで増幅し出力する信号処理部14とを備える密着光学系のものである。受光部13は、たとえば、CCD(Charge Coupled Device )などの光電変換素子からなる図示しないラインセンサからなる。この受光部13は、信号処理部14などとともに基板15上に配設され、光学走査系(センサユニット)16を構成するようになっている。
【0035】
また図示していないが、画像取得部10は、光源12、受光部13、および信号処理部14などをプラテンガラス11下で移動させるためのワイヤや駆動プーリ、あるいはステッピングモータなどの駆動モータも筐体内に具備する。駆動プーリは、駆動モータの駆動力によって往復回転させられ、該回転駆動によってワイヤを当該駆動プーリに巻き取る。これにより、受光部13などが一体的に、プラテンガラス11の下方において、副走査SSの方向(図中矢印X1)およびこれと反対方向(図中矢印X2)に往復移動可能に構成されている。
【0036】
上記構成において、原稿をプラテンガラス11上に載置した状態で読み取る固定読取方式時には、人手により(ドキュメントフィーダを利用してもよい)原稿載置台としてのプラテンガラス11上に原稿を載置し、当該プラテンガラス11上の任意の位置に原稿を固定(停止ロック)させた状態で、所定の読取開始位置から、受光部13を矢印X1の方向(副走査方向)へ等速移動走査して原稿を露光し画像を読み取る。
【0037】
画像取得部10は、プラテンガラス11上に載置された原稿を読み取って得た入力画像を赤,緑,青の各色成分のデジタル画像データR,G,Bに変換する。たとえば光源12からの光がプラテンガラス11上に載置された原稿を照射し、反対光が図示しない光学系を介して赤,緑,青の各色に分光される。そして各色光が、各色光用に分けられたCCDラインセンサなどからなる受光部13に入射し、入力画像がたとえば400dpi(400ドット/1インチ)の解像度で読み取られることによって、赤(R),緑(G),青(B)の各色成分のアナログの画像信号が得られる。
【0038】
信号処理部14は、受光部13からの赤,緑,青の各画像信号を図示しない増幅部により所定のレベルまで増幅し、さらに図示しないA/Dコンバータによりデジタルデータに変換することで、赤,緑,青のデジタル画像データR,G,BをA/Dコンバータから出力する。この赤,緑,青の画像データR,G,Bは、ケーブル19を通じて画像処理部20に送られる。
【0039】
画像出力部30は、一方向に順次一定間隔をおいて並置されたK,Y,M,Cの各色の画像形成部(転写部/印刷エンジン)31を有するタンデム構成のものである。以下、各色の画像形成部31のそれぞれに符号K,Y,M,Cを付して示し、纏めていうときには色の符号を省略して示す。その他の部材についても同様である。なお、図示した例では、出力色K,Y,M,Cに対応する各画像形成部31K,31Y,31M,31Cの配列順をK→Y→M→Cとしてあるが、これに限らず、Y→M→C→Kなど、他の配列順であっても構わない。
【0040】
画像形成部31の中央部には、感光体ドラム32が配され、この感光体ドラム32の周囲には、一次帯電器33、現像器34、および転写帯電器35などが配設され、さらに画像形成データに基づいて潜像を感光体ドラム32に記録するためのポリゴンミラー39などの書込走査光学系を有する。
【0041】
また画像出力部30は、画像形成部31に印刷用紙を搬送するための用紙カセット41と搬送路42とを備えている。また先端検出器44が、用紙カセット41から各画像形成部31に搬送される印刷用紙の搬送路42上に近接して設けられている。先端検出器44は、レジストローラ42aを通じて転写ベルト43上に送り出された印刷用紙の先端をたとえば光学的に検出して先端検出信号を得、この先端検出信号を画像処理部20に送る。
【0042】
画像処理部20は、画像出力部30から入力された先端検出信号に同期して、画像取得部10の信号処理部14からの赤,緑,青の画像データR,G,Bに所定の画像処理を施した後、K,Y,M,Cの画像形成データ(オンオフ2値化トナー信号)を得、画像処理済みのK,Y,M,Cの各色の画像形成データを順次一定間隔(いわゆるタンデムギャップ分)をおいて画像出力部30に入力する。
【0043】
画像出力部30においては先ず、潜像形成用の光源としての半導体レーザ38Kは、画像処理部20からのブラック(K)のオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、ブラックのオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47K,48K,49Kを介して一次帯電器33Kによって帯電された感光体ドラム32K上を走査することで、感光体ドラム32K上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、ブラックのトナーが供給される現像器34Kによってトナー像とされ、このトナー像は、転写ベルト43上の用紙が感光体ドラム32Kを通過する間に転写帯電器35Kによって用紙上に転写される。そして転写後は、クリーナ36Kによって感光体ドラム32K上から余分なトナーが除去される。
【0044】
同様に、半導体レーザ38Y,38M,38Cは、画像処理部20からブラックのオンオフ2値化トナー信号に対して順次一定間隔をおいて得られる対応するY,M,Cの各色のオンオフ2値化トナー信号によって駆動されることで、各色のオンオフ2値化トナー信号を光信号に変換し、この変換されたレーザ光をポリゴンミラー39に向けて照射する。このレーザ光は、さらに反射ミラー47Y〜49Y,47M〜49M,47C〜49Cを介して一次帯電器33Y,33M,33Cによって帯電された感光体ドラム32Y,32M,32C上を走査することで、感光体ドラム32Y,32M,32C上に静電潜像を順次形成する。
【0045】
各静電潜像は、各色のトナーが供給される現像器34Y,34M,34Cによって順次トナー像とされ、各トナー像は、転写ベルト43上の用紙が対応する感光体ドラム32Y,32M,32Cを通過する間に対応する転写帯電器35Y,35M,35Cによって用紙上に順次転写される。
【0046】
このようにK,Y,M,Cの各色のトナー像が順次多重転写された用紙は、転写ベルト43上から剥離され、定着ローラ45によってトナーが定着されて、複写機の外部に排出される。
【0047】
なお、画像出力部30の構成は上述したものに限らず、たとえば、中間転写ベルトを1つあるいは2つ備えた中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものとしてもよい。
【0048】
図2は、上記構成のカラー複写装置1に設けられた画像処理部20の一実施形態のブロック図である。この画像処理部20においては、画像取得部10(信号処理部14)からの赤,緑,青の画像データR,G,Bが入力される。あるいは、図示しない前段色変換部によりデバイス非依存の色空間であるLab色空間(正しくはLである)の画像データL,a,bに変換された後に、この画像データL,a,bが入力される。以下の説明では、画像処理部20に画像データL,a,bが入力されるものとして説明する。
【0049】
図示するように、画像処理部20は、前段画像処理部20aと、後段画像処理部20bと、周辺部20cとに大別される。本実施形態の周辺部20cとしては、パス切替部(PEXG1;Pass EXchanGe 1)801を有するデータIF(Interface )部800が設けられている。パス切替部801は、図中左側に設けられた処理対象画像入力部の一例である前段切替部801a、図中中央部に設けられた中間切替部801b、図中右側に設けられた処理済画像出力部の一例である後段切替部801c、およびこれらを結ぶ接続部801dからなる。前段画像処理部20aと後段画像処理部20bとは、パス切替部801の図中中央部にて上から延在する中間切替部801bにより分けられている。
【0050】
パス切替部801の各機能部はデータの双方向性を有し、かつ画像処理パスの入出力データを切り替えるパイプライン処理機能を備えており、画像処理ブロックの何れかからの画像データの複数入力を、対応する後段ブロックヘの出力データとする切替処理を行なう。たとえば、前段切替部801aに取り込んだデータを接続部801dを介してそのまま後段切替部801cに送り画像出力部30側へ渡すことも可能である。また、後段切替部801cに取り込んだデータを接続部801dを介して中間切替部801bや前段切替部801aに渡すことも可能である。さらに、中間切替部801bの図中下部にてデータを入出力することも可能である。
【0051】
前段画像処理部20aは、地色検知部(AES;Auto Exposure Sense)102および入力DF(Digital Filter)部106を有する入力データ処理部(IN)100と、副走査変倍処理部(SSRE;Slow Scan Reduction Enlargement )202および主走査変倍処理部(FSRE;Fast Scan Reduction Enlargement )204を有する変倍処理部(SRE;Scan Reduction Enlargement)200と、適応型デジタルフィルタ部(ADF:Adaptive Digital Filter )302および色ゴースト補正部(CGC;Color Ghost Correction)304を有するフィルタ処理部(DF:Digital Filter)300とをこの順に備えている。
【0052】
後段画像処理部20bは、前段色調整部(MWAE→MWA+AER;Multiplier With Adder+Auto Exposure Reduction)400と、入力色信号を他の色信号系に変換する色変換部(DLUT;Direct look Up Table)500と、階調補正部(TRC;Tone Reproduction Correction)608を有する後段色調整部(POCC;POst Color Correction )600と、画像出力部30用の画像データ(たとえば2値化データ)を生成する出力データ処理部(ED;Error Diffusion )700とをこの順に備える。
【0053】
前段色調整部400は、AE機能の一例である地色除去機能を実行する地色除去部(AER;Auto Exposure Reduction )402、色調整マスキング機能を実行するMWA(Multiplier With Adder )演算部406、および図示しないコントラスト調整(濃度調整)機能を実行するMUL(MULtiplier)演算部を有する。
【0054】
ここで、本実施形態の構成においては、フィルタ処理部300以降、すなわち前段色調整部400から出力データ処理部700までの間が、カラー画像用の処理ブロックおよびモノクロ画像用の処理ブロックを備える構成となっており、画像取得部10にて読み取られる原稿がカラー原稿であるのかモノクロ(典型的には白黒原稿)であるのかに拘わらず、各処理ブロックが同時並行的に処理するようになっている。これは、カラー画像処理とモノクロ画像処理とを並行処理する構成を採用することで、タンデム構成の画像出力部かつプリスキャンレスACSであっても生産性を低下させないようにするためである。なお、プリスキャンレスACSとするための画像処理手法は、特許文献3,3(好ましくは特許文献4)と同様の手法を利用すればよい。なお、本実施形態の構成では、モノクロ用を2系統(LL0,LL1)設けている。各系統LL0,LL1では、異なるレベルで地色除去処理が施される。
【0055】
以下、画像処理部20を構成する各機能部分の概要について説明し、本実施形態の特徴部分である地色検知部102および地色除去部402の機能については、その後で詳しく説明する。なお、以下の説明において、各機能部分から出力される画像データには、画像データであることを示す“D”と、その機能部分の参照符号と、個々の色情報の参照符号とを順に付して示すこととする。また、それら複数の色信号を纏めていう場合には、画像データであることを示す“D”と、機能部分の参照符号と、全ての色情報の参照符号とを順に付して示すこととする。たとえば、画像取得部10から出力される明度データLはD10L,色度データa,bはD10a,D10b、これらを纏めてD10Labなどである。
【0056】
前段画像処理部20aにおいて、入力データ処理部100の地色検知部102は、画像取得部10から入力された明度データD10Lおよび色データD10a,D10bに基づいて読取対象原稿の地色成分(下地レベル)を検知し、カラー原稿およびモノクロ原稿のそれぞれに応じて、その地色成分を示す地色画像信号(カラー;DAEC/,モノクロ;DAELL)を別個に出力するようになっている。また、地色検知部102は、地色成分の検知方法として、種々の方式を切替使用可能に構成されている。たとえば、リアルタイムAE下地検知(RAE;Real time Auto Exposure )、ヒストグラムAE下地検知(HAE;Histogram Auto Exposure )、MMINMAM明度AE下地検知(MAE;Minimum Auto Exposure )などである。
【0057】
なお、リアルタイムAEに関しては、たとえば特開平6−46255号、特開平7−322069号、特開平7−264408号、特開平6−311359号、特開平6−311364号などを参照するとよい。また、ヒストグラムAE下地検知に関しては、特開平4−0372号、特許第3134292号などを参照するとよい。
【0058】
入力データ処理部100の入力DF部106は、画像取得部10から入力された明度データD10Lおよび色データD10a,D10bのそれぞれに対して、3×9マトリクスサイズによる空間フィルタを掛ける。フィルタ係数は、L用に1面と、a用およびb用を兼ねる1面とが用意されている。なお、外部から入力される文字/イメージ分離信号(Text/Image分離データ;以下TAGデータという)に対しては、図中“Dly”で示すように、Labパスとのディレイ合わせをしてスルー出力するようになっている。
【0059】
変倍処理部(SRE)200は、投影法、3次たたみ込み内挿法(キュービックコンボリューション補間)、最近隣内挿法(ニアリストネイバ補間)や0次ホールドなどの線形変換、あるいは単純間引き、などの各方式を用いた画素密度変換手法により、副走査方向および主走査方向のそれぞれについて独立に変倍処理を行なうものである。明度データD10Lと色データD10a,D10bとで、異なる方式を用いても構わない(たとえば特開平9−298660号、特開2000−151989号参照)。
【0060】
たとえば、副走査変倍処理部202は、副走査方向についての変倍処理を行なうもので、本実施形態の構成においては、縮小機能のみを備えている。補間処理などを行なうことで拡大処理する機能も備えたものとしてもよい。この副走査変倍処理部202は、投影法(画素間引き)による副走査方向の縮小機能を有している。入力DF部106から入力される明度データD106Lおよび色データD106a,D106bに対応する3つの個別回路が用意されていて、入力画像データD106Labを6.25%〜100%の範囲で縮小処理する。明度データD106Lに対する縮小倍率、色データD106a,D106bに対する縮小倍率、TAGデータD106tagに対する縮小倍率は、それぞれ独立した設定が可能である。
【0061】
主走査変倍処理部204は、投影法や線形変換などにより主走査方向についての変倍処理を行なうもので、本実施形態の構成においては、縮小および拡大の両機能を備えている。この主走査変倍処理部204は、副走査変倍処理部202から入力された明度データD202Lおよび色データD202a,D202bを6.25%〜400%の範囲で、鏡像処理、イメージシフト処理、あるいはリピート処理を主走査方向に施すことで、縮小処理や拡大処理をする。明度データD202Lに対する縮小倍率、色データD202a,D202bに対する縮小倍率、TAGデータD202tagに対する縮小倍率は、それぞれ独立した設定が可能である。
【0062】
フィルタ処理部300の適応型デジタルフィルタ部302は、7×7ウィンドウ構成および1×11構成の各フィルタを内蔵しており、それぞれ8面切替え可能となっている。フィルタ構成信号に基づく入力系統の切替えにより、YMCK4系統フィルタに対応可能となっている。
【0063】
色ゴースト補正部304は、変倍処理部200から入力された色データD200a,D200bに対して色ゴースト補正処理を行なうもので、3×3ウィンドウ構成による選択的平滑化による彩度検出機能を備える。たとえば、エッジ検出と彩度検出の結果より彩度補正を行なう。また、7×7ウィンドウ構成および1×11構成の各フィルタを内蔵しており、それぞれ8面切替え可能となっている。フィルタ構成信号に基づく入力系統の切替えにより、YMCK4系統フィルタに対応可能となっている。
【0064】
フィルタ処理部300から出力された画像データLabは、パス切替部801の図中中央部にて上から延在する中間切替部801bを介して前段色調整部400に入力される。
【0065】
本実施形態の前段色調整部400は、地色除去部402が最終段に設けられた構成となっている。図示しないMUL演算部は、コントラスト調整機能として、8ビット絶対値表示の色信号を入力し、内部レジスタの10ビットで2の補数表示の係数(−4.0〜+4.0範囲)と乗演算したり、内部レジスタの9ビットで2の補数表示の係数(−256〜+256範囲)を加算演算したりする。このMUL演算部以降が、カラー画像処理用とモノクロ画像処理用とにそれぞれ独立した機能部分が設けられる構成となっている。
【0066】
MUL演算部の後段に設けられるMWA演算部406は、色調整マスキング機能(色合いを変える機能)として、8ビット絶対値表示の色信号を入力し内部レジスタの9ビットで2の補数表示の係数と積和演算したり、8×9乗算器と13ビット4入力の加算機を持ち入力色信号を他の色信号系に座標変換したりする。ただし、本実施形態のMWA演算部406は、入力された色信号を1次式(y=ax+b)にて変換することで色合いを調整する機能を果たし、色空間変換処理機能は果たさない。なお、MWA演算部406は、係数レジスタ9ビットとシフタ値レジスタ3ビット、定数項レジスタ13ビットをそれぞれ4面ずつ持ち、リアルタイムで切り替えられる機能を持っている。
【0067】
地色除去部402は、AE機能として、地色検知部102で検知した地色成分(地色画像データ)を元にして、デバイス非依存の色空間の画像データLabについて、演算により原稿の地色成分を除去する。たとえば、カラー画像用データY,M,C,Kおよびモノクロ出力用の単一色データ(以下モノクロ画像用データ)LLの各々に対応してフィルタ処理部300から入力される画像データD300Labのうちの所定の下地濃度以下の画像データをカット(無効化)する下地除去処理を施し、カラー画像用データY,M,C,Kおよびモノクロ画像用データLLの各々に対応する処理済データLabを後段の処理回路に渡す。
【0068】
この地色除去部402は、先頭ラインで取り込んだ下地レベルで下地除去を行なう下地レベル固定モード、ラインごとに下地レベルを取り込み下地除去を行なう下地レベル可変(ライン単位リアルタイム除去)モード、および固有のレジスタに設定した値を取り込み下地除去を行なうレジスタ固定設定モード、の何れかを設定可能に構成されている。
【0069】
前段色調整部400の後段に設けられる色変換部500は、4個のDLUT(3次元ダイレクトルックアップテーブル)を持ち、各々3入力1出力の色変換が可能となっている。色変換の方式には種々な方式があり何れの方式を用いてもよいが、ここでは、テトラ・ハイドラ(Tetra−Hydra ;三角錘)補間を用いて、前段色調整部400から入力されるカラー画像処理用のY,M,C,Kそれぞれについての明度データD400L、色データD400a,D400bを、出力画像データY,M,C,K(D500YMCK)に色変換する。
【0070】
なお、画像取得部10にて読み取った原稿画像がモノクロ画像の場合、カラー出力が不要であり、モノクロ画像用データLLに対しては色変換が不要で前段色調整部400からの明度データD400LLをそのままスルー出力すればよい。よって、色変換部500は、モノクロ出力データD400Lについては、図中“Dly”で示すように、カラー画像処理用のYMCKパスとのディレイ合わせをするだけである。
【0071】
後段色調整部600の階調補正部608は、画像出力部30側に応じた階調補正処理をするもので、色変換部500からの8ビットの入力画像データをRAMアドレスに突き当ててRAMからデータを出力するLUT動作を行なう。本実施形態においては、TRC_A,TRC_Bの2段からなり、カラー画像用データY,M,C,Kとモノクロ画像用データLLの系統を有する。
【0072】
TRC_Aはカラー画像用データY,M,C,KそれぞれにLUT8面を有し、各面はデコードされたTAG信号にて切替可能に構成されている。モノクロ画像用データLLについてはLUT4面を有し、各面はデコードされたTAG信号にて切替可能に構成されている。一方、TRC_Bは、カラー画像用データY,M,C,KそれぞれにLUT1面を有し、切り替えはできない。
【0073】
出力データ処理部700は、カラー画像用データY,M,C,Kおよびモノクロ画像用データLLを入力データとして、それぞれにスクリーン処理かけた2値化データを画像出力部30側へ出力する。この際、画像処理部20にて画像処理済みのY,M,C,Kの各色の画像形成データを(必要に応じて図示しないページメモリを介して)いわゆるタンデムギャップ分に対応するように順次一定間隔をおいて画像出力部30に入力する。各色間は独立したタイミングで動作可能であるとともに、誤差拡散機能およびパッキング(Packing )機能が排他的に選択/機能する構成となっている。
【0074】
誤差拡散機能としては、8ビットの画像データを入力し誤差拡散処理をかけたデータを出力するようになっている。たとえば、カラー画像用データY,M,C,Kについては、2ビット適応型誤差拡散処理機能と4ビット誤差拡散処理機能とを備え、選択された処理を使用して出力する。一方、モノクロ画像用データLLについては、2ビット適応型誤差拡散処理機能のみを備える。ここで、2ビット適応型誤差拡散処理機能は、3レベルの量子化閾値を全て同じ値にすることで1ビット適応誤差拡散として動作するものである。4ビット誤差拡散処理機能は、エラーフィルタの値を全て“0”にすることで、ディザとして動作するものである。
【0075】
パッキング機能は、300dpi×8ビットの1ラインデータを、4ビット・2クロックサイクル、副走査2ラインに変換して出力するものである。
【0076】
出力データ処理部700から出力されたカラー用画像データYMCKやモノクロ用画像データLLは、パス切替部801の後段切替部801cを介して、タンデムギャップを補正する図示しないページメモリを介して画像出力部30に入力される。あるいは、電子ソート装置を利用することで、ソーティングとともにタンデムギャップを補正する機能を持たせてもよい。
【0077】
図3は、画像処理部20における地色検知部102および前段色調整部400の機能を説明する図である。ここで、図3(A)は、本実施形態の構成例を示すブロック図、図3(B)は、従来の構成例を示すブロック図である。
【0078】
図3(A)に示すように、本実施形態の地色検知部102は、リアルタイムAE下地検知、ヒストグラムAE下地検知、MMINMAM明度AE下地検知など何れの検知方法を用いる場合でも、第2パス切替部802を介して入力される検知用明度信号D802L1(PEXG1ALT)と画像パス明度信号D802L2(PEXG1ALE)を選択して検知入力データとする。PEXG1ALTは入力画像とは異なる別系統(外部から入力される)の検知用明度信号Lで、PEXG1AL は第1パス切替部801の前段切替部801aを介して入力される入力画像の明度信号Lである。地色検知部102は、通常は画像処理部20の前段(信号処理部14など)で画像処理された入力画像の明度を示すPEXG1AL を使用し、画像処理されてないまたは違う処理がされた明度信号を使いたい場合にはPEXG1ALTを使用する。
【0079】
また、地色検知部102は、画像取得部10からパス切替部801の前段切替部801aを介して入力される色信号D801a,D801b(PEXG1Aa とPEXG1Ab )を使用して下地の色を検出する。PEXG1Aa とPEXG1Ab とは、それぞれ第1パス切替部801の前段切替部801aを介して入力される入力画像の色度信号a,bで、たとえば、古い黄ばんだ新聞紙の背景を除去する際、その黄ばみ度合いを検知するために使用される。
【0080】
また、地色検知部102は、主走査サンプリング領域の指定や、副走査のサンプリング開始位置とサンプリング間隔の指定が可能になっている。たとえば、指定する副走査方向の先端部(原稿の読取開始側先端部)のみの検知が可能である。また地色検知部102は、ヒストグラムAE下地検知を採用する場合、その検知データDHAEが得られた時点で、他の検知方式へリアルタイムで切替えが可能に構成されている。
【0081】
ここで、本実施形態の地色検知部102は、読取対象原稿の地色成分(下地レベル)をライン単位で検知すると、カラー原稿用のカラー画像データYMCKパスに対してはカラー画像に適した検知処理を施した地色画像信号DAECを、モノクロ原稿用のモノクロ画像データLLパスに対しては白黒画像に適した処理を施した地色画像信号DAELLを、それぞれ別個に出力するようになっている。
【0082】
具体的には、図3(A)に示すように、地色検知部102は、先ず従来と同様にして画像データLabに基づいて地色画像信号DAEを検出する地色情報取得部の一例である地色画像信号検知部102aと、地色画像信号検知部102aが検知した地色画像信号DAEをカラー用に適した地色画像信号DAECに変換するための記憶手段としてのLUT102Cと、地色画像信号DAEをモノクロ用に適した地色画像信号DAELLに変換するための記憶手段としてのLUT102LLとを有する。LUT102CとLUT102LLとで、原稿色種パラメータ取得部102bが構成される。
【0083】
LUT102CおよびLUT102LLは、それぞれ対応するカラー原稿用あるいはモノクロ原稿用に適した変換パラメータが割り当てられた格子点データ(RAMデータ)がRAM(Random Access Memory)に格納されて構成されており、地色成分検知部102aが検知した地色画像信号DAEをRAMアドレスに突き当ててRAMからデータを出力するLUT動作を行なう。LUTを用いて、地色画像信号検知部102aにより検知された地色情報(地色画像信号DAE)を、カラー用地色画像信号DAECおよびモノクロ用地色画像信号DAELLにそれぞれ変換するようにしており、原稿色種に応じた地色画像信号を求めるのが簡単である。
【0084】
LUT102Cに設定される変換特性(変換情報)としては、たとえば、カラー写真画像の地色が除去され過ぎるということを防止するような特性とする。また、LUT102LLの変換特性としては、たとえば、白黒画像の地色が残らないようにするような特性とする。LUT102Cによりカラー用に変換された地色画像信号DAECやLUT102LLによりモノクロ用に変換された地色画像信号DAELLは画像処理パラメータの一例であり、画像処理部の一例であるカラー画像地色除去部402Cやモノクロ画像地色除去部402LLにおける画像の特徴に応じた地色除去制御に利用される。
【0085】
地色除去部402では、カラー画像用データY,M,C,Kパスおよびモノクロ画像用データLLパスのそれぞれに適した地色画像信号DAEC,DAELLに基づいて地色除去処理をする。すなわち、地色除去部402のカラー画像地色除去部402Cにはカラー画像用の地色画像信号DAECが入力され、モノクロ画像地色除去部402LLにはモノクロ画像用の地色画像信号DAELLが入力され、それぞれは、ライン単位で地色除去量を決定する。
【0086】
たとえば、地色画像信号DAEC,DAELLに基づいて決定される地色濃度を地色除去の閾値とし、この閾値に基づいて下地除去の入出力特性を設定し、画像データの下地除去処理をする。より具体的には、入力画像データが閾値以下のときには出力画像データをゼロレベルとする、すなわち地色濃度以下の画像データをカットする。また、入力画像データが閾値を超えかつ閾値の1.5倍以下のときには、入力画像データのレベルと閾値との差の3倍を出力画像データのレベルとし、さらに入力画像データが閾値の1.5倍を超えるときには、入力画像データをそのまま出力画像データとする。
【0087】
ここで、本実施形態の地色検知部102はLUT102CおよびLUT102LLを備えており、地色画像信号検知部102aにて検知される地色画像信号DAEが共通であっても、カラー画像用やモノクロ画像用にそれぞれ異なるレベルで地色除去処理可能な変換処理を施して別個の地色画像信号DAEC,DAELLとして対応する地色除去処理部402C,402LLに入力する。つまり、読み取られた画像信号に基づく共通の地色画像信号DAEを変換して生成されるカラー画像用およびモノクロ画像用の独立のパラメータ(地色画像信号)を、対応するカラー画像用の地色除去処理部402Cやモノクロ画像用の地色除去処理部402LLに設定する。
【0088】
これにより、地色除去処理部402Cはカラー画像用の地色画像信号DAECに基づきカラー原稿の特性に合わせた地色除去処理をすることができ、かつ地色除去処理部402LLはモノクロ画像用の地色画像信号DAELLに基づき白黒原稿の特性に合わせた地色除去処理をすることができる。よって、プリスキャンレスACS時にも、生産性を落とすことなく、カラー原稿や白黒原稿など原稿色種の特性に応じた適切な地色除去処理をすることができる。
【0089】
また、カラー用の地色画像信号とモノクロ用の地色画像信号とを、それぞれ別個の地色除去処理部に設定するという単純な構成ではなく、カラー用とモノクロ用とにそれぞれ独立の変換特性を予めLUT102CやLUT102LLに記憶させておき、画像取得部10にて読み取られた画像信号とLUT102CやLUT102LLに記憶させておいた変換特性とに基づいてカラー用やモノクロ用に適した地色画像信号を個々に生成するようにしているので、実際に読み取った原稿に即した地色画像信号を対応するカラー画像あるいはモノクロ用の地色除去処理部に設定することができる。すなわち、原稿色種に応じて地色除去レベルを切り替えることができる。
【0090】
従来の構成では、図3(B)に示すように、地色画像信号検知部102aにて検知される地色画像信号DAEが地色除去部402の地色除去処理部402C,402LLに共通に入力されるので、各地色除去処理部402C,402LLではカラー画像/白黒画像とも同じ地色画像信号にて地色除去処理がされる。このため、必ずしも、原稿色種の特性に応じた地色除去処理をすることができず、カラー写真画像の地色が除去され過ぎる、あるいは白黒画像の地色が残ってしまう、などの問題があった。
【0091】
これに対して、本実施形態の構成によれば、図3(A)に示すように、カラー画像地色除去部402Cにはカラー画像に適した検知処理が施された地色画像信号DAECが入力されているので、カラー写真画像の地色が除去され過ぎるということを防止することができる。また、モノクロ画像地色除去部402LLにはモノクロ画像に適した検知処理が施された地色画像信号DAELLが入力されているので、白黒画像の地色が残ってしまうようなことを防止することができる。
【0092】
なお、従来技術として、カラー画像用の画像処理部とモノクロ画像用の画像処理部とを同時並行的に作動させる仕組みが存在する(たとえば特許文献4参照)。この場合、たとえば、カラー用の画像データYMCKに対してはカラー画像形成に適した画像処理(たとえば階調性を重視した処理など)を施し、白黒用の画像データLLには白黒画像形成に適した画像処理(たとえば文字再現性を重視した処理など)を施す、換言すれば、原稿色種に応じたパラメータが原稿色種に応じた個々の画像処理部に設定され、原稿色種に応じた画像処理がなされている。上記実施形態も、地色除去処理部分について、原稿色種に応じた地色画像信号(パラメータの一例と解される)が原稿色種に応じた個々の地色除去処理部に設定されており、特許文献4に記載の構成と似通った構成となっている。
【0093】
しかしながら、従来、地色除去処理部分については、原稿色種に応じて個別の地色画像信号を設定するという考え方は取られていなかった。また、地色除去処理部分についてだけでなく、原稿の地色成分を検知しこの検知結果を参照してパラメータが設定されて処理されている機能部分についても同様である。加えて、原稿色種に応じて個別のパラメータ(本実施形態では地色画像信号)を設定することが原稿色種と画質との間に関わりをもたらすということも知られていなかった。
【0094】
本願発明は、カラー画像に適した画像処理とモノクロ画像に適した画像処理とを行なっているにも拘わらず、原稿の地色成分を検知しこの検知結果を参照してパラメータが設定されて処理されている機能部分に、問題の所在があることを突き止めることでなされたものであり、単に、原稿色種に応じたパラメータの一例として原稿色種に応じた地色画像信号を対応する地色除去部に設定するようにしたものでないことを付言しておく。
【0095】
上記実施形態では、画像取得部10にて読み取られた画像データに基づいて検知される地色画像信号を原稿色種に応じた地色画像信号に変換し、原稿色種に応じた別個の地色除去処理部に設定してそれぞれ独立に地色除去処理をすることで、原稿色種が異なるケースであっても地色除去処理後の画像に画質劣化が生じないようにする対応手法を説明した。これと同様の手法は、地色除去処理以外の画像処理についても適用可能である。すなわち、カラー原稿およびモノクロ原稿の何れにおいても同様の画像処理を行なうもので、かつカラー原稿およびモノクロ原稿の何れについても読取対象原稿の地色情報に関わる共通のパラメータを設定していた機能部分について、上記実施形態の手法が有効である。
【0096】
図4は、図3に示した実施形態の手法を、一般的な画像処理に対して適用した構成例を示すものである。ここで、図4(A)は、上記実施形態と同様に、画像取得部10にて読み取られる原稿がカラー原稿であるのかモノクロ(典型的には白黒原稿)であるのかに拘わらず、各処理ブロックが同時並行的に処理する構成への適用事例を示し、図4(B)はその従来例を示す。
【0097】
図4(A)において画像信号検知部1002は、画像取得部10にて取得される画像データに基づいてパラメータ画像信号DCNを検出するパラメータ用画像信号検知部1002aと、パラメータ用画像信号検知部1002aが検知したパラメータ画像信号DCNをカラー用に適したパラメータ画像信号DCNCに変換するためのLUT1002Cと、パラメータ画像信号DCNをモノクロ用に適したパラメータ画像信号DCNLLに変換するLUT1002LLとを有する。
【0098】
LUT1002CおよびLUT1002LLは、カラー用あるいはモノクロ用に適した変換パラメータが割り当てられた格子点データ(RAMデータ)がRAMに格納されて構成されており、パラメータ用画像信号検知部1002aが検知したパラメータ画像信号DCNをRAMアドレスに突き当ててRAMからデータを出力するLUT動作を行なう。LUT102Cの変換特性としては、従来であればモノクロ用と同じに設定していたのでは不都合が生じる問題を解消する方向の特性とする。また、LUT102LLの変換特性としては、従来であればカラー用と同じに設定していたのでは不都合が生じる問題を解消する方向の特性とする。
【0099】
画像処理部1004では、カラー画像用データY,M,C,Kパスおよびモノクロ画像用データLLパスのそれぞれに適したパラメータ画像信号DCNC,DCNLLに基づいて所定の画像処理をする。すなわち、画像処理部1004のカラー画像用処理部1004Cにはカラー用パラメータ画像信号DCNCが入力され、モノクロ画像用処理部1004LLにはモノクロ用パラメータ画像信号DCNLLが入力され、それぞれ、所定の画像処理をするに適したパラメータを決定して所望の画像処理をする。
【0100】
ここで、画像処理部1004における画像処理としては、画像取得部10にて読み取られた画像データに基づいて取得される地色情報と関わりのある画像処理である限り、何れのものであってもよい。たとえば、前述の地色除去処理の他に、濃度調整処理やシャープネス調整処理などの画質調整が考えられる。
【0101】
このように、図4(A)に示した構成においても、画像取得部10にて読み取られた画像信号に基づく共通のパラメータ画像信号DCNを変換して生成される独立のパラメータを、対応するカラー画像あるいはモノクロ用の画像処理部に設定する。これにより、各画像処理部1004C,1004LLでは、カラー原稿/白黒原稿のそれぞれの特性に合わせた所望の画像処理をすることができ、プリスキャンレスACS時にも、生産性を落すことなく、原稿色種の特性に応じた適切な画像処理をすることができる。濃度調整やシャープネス調整などの画質調整に際してのパラメータを原稿色種かつ読み取った画像データレベルに応じて自動的に切り替えることで原稿色種に応じた適切な露光調整や画質調整を行なうことができる。
【0102】
なお、図3(A)に示した地色除去処理と図4(A)に示したその他の画像処理とを組み合わせた構成とすることも可能である。たとえば、地色除去処理をした後に濃度調整処理をする構成の場合、従来は、原稿の地色レベルが同じである限り、原稿色種に関わらず濃度調整レベルを同じにしておけばよかった。しかし、前述のように、原稿色種に応じて地色除去レベルを切り替えるようにすると、新たに、その影響が濃度調整レベルに表れるようになる。よって、原稿色種に応じて濃度調整レベルを切り替えるようにするパラメータを設定する仕組みとして、図4(A)の構成を採用するとよい。
【0103】
また、カラー用のパラメータ画像信号とモノクロ用のパラメータ画像信号とを、それぞれ別個の画像処理部に設定するという単純な構成ではなく、カラー用とモノクロ用とにそれぞれ独立の変換特性を予めLUT102CやLUT102LLに記憶させておき、画像取得部10にて読み取られた画像信号とLUT102CやLUT102LLに記憶させておいた変換特性とに基づいてカラー用やモノクロ用に適したパラメータ画像信号を個々に生成するようにしているので、実際に読み取った原稿に即したパラメータ画像信号を対応するカラー画像あるいはモノクロ用の画像処理部に設定することができる。
【0104】
従来の構成では、図4(B)に示すように、パラメータ用画像信号検知部1002aにて検知されるパラメータ用画像信号DCNがカラー用およびモノクロ用の各画像処理部1004C,1004LLに共通に入力されるので、各画像処理部1004C,1004LLではカラー画像/白黒画像とも同じパラメータにて画像処理がなされる。このため、必ずしも、原稿色種の特性に応じた画像処理をすることができない。
【0105】
図5は、図3に示した実施形態の手法を、一般的な画像処理に対して適用した構成例の他の事例を示すものである。ここで、図5(A)は、画像処理の信号パスが1系統(同時並行処理がないだけで、別個の回路があってもよい)の構成への適用事例を示し、図5(B)はその従来例を示す。たとえば、特許文献2に記載の構成への適用に適した事例である。
【0106】
図5(A)において、画像処理部1004は、処理対象データがカラー画像用のものであるのかモノクロ画像用のものであるのかを問題としない。一方、画像信号検知部1002は、図4(A)に示した構成に加えて、LUT1002C,LUT1002LLの後段に、外部から入力されるカラー/モノクロ判別信号に基づいて、カラー用パラメータ画像信号DCNCおよびモノクロ用パラメータ画像信号DCNLLの何れか一方を選択して出力する選択部1002dを有している。LUT102C、LUT102LL、および選択部1002dで、原稿色種パラメータ取得部102bが構成される。
【0107】
この構成においても、カラー用のパラメータ画像信号とモノクロ用のパラメータ画像信号とを、それぞれ別個の画像処理部に設定するという単純な構成ではなく、カラー用とモノクロ用とにそれぞれ独立の変換特性を予めLUT102CやLUT102LLに記憶させておき、画像取得部10にて読み取られた画像信号とLUT102CやLUT102LLに記憶させておいた変換特性とに基づいてカラー用やモノクロ用に適したパラメータ画像信号を個々に生成するようにしているので、実際に読み取った原稿に即したパラメータ画像信号を画像処理部1004に設定することができる。
【0108】
すなわち、画像処理部1004には、画像信号検知部1002から、図示しない原稿色種判定部からのカラー/モノクロ判別信号に基づいて選択された原稿色別に対応する適切なパラメータ画像信号(DCNCおよびDCNLLの何れか一方)が入力される。これにより、画像処理部1004では、図示しない原稿色種判定部にて原稿色種の判定が完了した後には、カラー原稿や白黒原稿のそれぞれの特性に合わせた所望の画像処理をすることができる。たとえば、濃度調整やシャープネス調整などの画質調整に際してのパラメータを原稿色種かつ読み取った画像データレベルに応じて自動的に切り替えることで原稿色種に応じた適切な露光調整や画質調整を行なうことができる。
【0109】
なお、上述のように、読み取った画像信号に基づいてカラー画像用およびモノクロ画像用に独立の画像処理パラメータを生成して、対応するカラー画像用あるいはモノクロ画像用の画像処理部に設定する一連の処理は、半導体集積回路(たとえばIC;Integrated Circuit)などに実装したハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込みマイコンなど)、あるいは、CPU、論理回路、記憶装置などの機能を1つのチップ上に搭載して所望のシステムを実現するSOC(System On a Chip:システムオンチップ)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能なたとえば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0110】
この記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。あるいは、ソフトウェアを構成するプログラムが、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
【0111】
たとえば、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、上記実施形態で述べた効果は達成される。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。
【0112】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム;基本ソフト)などが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0113】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0114】
なお、上記実施形態で述べた処理を実現するプログラムコードを記述したファイルとしプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、システムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0115】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0116】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0117】
たとえば、上記実施形態では、地色検知処理により得た原稿の濃度情報(地色情報)に基づいてカラー画像用とモノクロ画像用の各パラメータ(地色画像信号)を生成し対応する地色除去処理部に設定することで原稿色種に応じた地色除去処理を行なうことについて詳しく述べたが、原稿色種に応じた地色画像信号の使い道は地色除去に限定されるものではなく、所望の画像処理のパラメータ調整に利用してもよい。
【0118】
また、画像処理に限らず、光学走査系の光量や受光感度のパラメータ調整などの、その他の自動露光制御を、原稿色種との関わりにおける画質改善の手法として利用しても構わない。また、画像形成部31(図1参照)のプロセス設定に利用することも可能である。たとえば、潜像を現像する際の感光ドラムの一次帯電や現像バイアスのパラメータの自動設定に利用することで原稿色種との関わりにおける画質改善を図るようにしてもよい。さらに、自動的にこれらのパラメータ値を設定(自動制御)することに限らず、原稿色種に応じた地色情報をオペレータに提示して、オペレータによるマニュアル設定を受け付ける構成のものであってもよい。
【0119】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、原稿を表す画像データに基づいて原稿の地色情報を取得し、この取得した地色情報に基づいて、原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像用パラメータと原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像用パラメータとを求めるようにしたので、地色情報と関わりのあるパラメータを原稿色種に応じて設定することができるようになった。
【0120】
そして、このことにより、カラー原稿と白黒原稿などの原稿色種に応じた適正な特性のパラメータの元で、地色情報と関わりのある処理(地色除去処理などの画像処理やその他の露光制御処理など)をすることができ、原稿色種によって不適正な画質になるといった不具合を解消することができるようになった。カラー画像および白黒画像の何れについても、画質の良好な画像を形成することができるようになった。
【0121】
また、カラー画像処理については読み取った原稿がカラー原稿であるものとして設定されたパラメータを用いたカラー用画像処理と、モノクロ画像処理については読み取った原稿がモノクロ原稿であるものとして設定されたパラメータを用いたモノクロ用画像処理とを同時並行的に処理する構成と組み合わせるようにすれば、生産性を低下させないようにしつつ、カラー画像および白黒画像の何れについても、画質の良好な画像を形成することも可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置の一実施形態を搭載したカラー複写装置の一例の機構図である。
【図2】上記構成のカラー複写装置に設けられた画像処理部の一実施形態のブロック図である。
【図3】画像処理部における地色検知部および前段色調整部の機能を説明する図である。
【図4】図3に示した実施形態の手法を、一般的な画像処理に対して適用した構成例を示すものである。
【図5】図3に示した実施形態の手法を、一般的な画像処理に対して適用した構成例の他の事例を示すものである。
【符号の説明】
1…カラー複写装置、10…画像取得部、11…プラテンガラス、12…光源、13…受光部、14…信号処理部、20…画像処理部、20a…前段画像処理部、20b…後段画像処理部、20c…周辺部、30…画像出力部、31…画像形成部、32…感光体ドラム、100…入力データ処理部、102…地色検知部、102a…地色画像信号検知部(地色情報取得部)、102b…原稿色種パラメータ取得部、102C,102LL…LUT(記憶手段)、106…入力DF部、200…変倍処理部、202…副走査変倍処理部、204…主走査変倍処理部、300…フィルタ処理部、302…適応型デジタルフィルタ部、304…色ゴースト補正部、400…前段色調整部、402…地色除去部、406…MWA演算部、500…色変換部、600…後段色調整部、608…階調補正部、700…出力データ処理部、800…データIF部、801…パス切替部

Claims (8)

  1. 原稿読取部により読み取られた原稿を表す画像データに基づいて前記原稿の地色を表す地色情報を取得し、
    前記取得した地色情報に基づいて、前記原稿に対応する画像を所定の出力媒体に形成するためのパラメータとして、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像用パラメータを求めるとともに前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像用パラメータを求める
    ことを特徴とする画像処理方法。
  2. 前記パラメータとして、前記原稿を表す画像データに対して所定の画像処理を施すための画像処理パラメータであって、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像処理パラメータを求めるとともに前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像処理パラメータを求め、
    この求めたカラー画像処理パラメータおよびモノクロ画像処理パラメータを対応する画像処理部に設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記所定の画像処理は、前記所定の出力媒体に形成された出力画像における前記原稿の地色成分を低減する処理であり、
    前記パラメータとして、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー用地色画像信号と前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ用地色画像信号とを求める
    ことを特徴とする請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 所定の原稿読取部により読み取られた原稿を表す画像データを取得する処理対象画像入力部と、
    前記処理対象画像入力部が取得した画像データに基づいて前記原稿の地色を表す地色情報を取得する地色情報取得部と、
    前記地色情報取得部が取得した地色情報に基づいて、前記原稿に対応する画像を所定の出力媒体に形成するためのパラメータとして、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像用パラメータを求めるとともに前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像用パラメータを求める原稿色種パラメータ取得部と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記原稿を表す画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部を備え、
    原稿色種パラメータ取得部は、前記パラメータとして、前記画像処理部が前記画像処理を施すための画像処理パラメータであって、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像処理パラメータを求めるとともに前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像処理パラメータを求め、この求めたカラー画像処理パラメータおよびモノクロ画像処理パラメータを前記画像処理部に設定する
    ことを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記画像処理部は、それぞれ前記原稿がカラー原稿であるのかモノクロ原稿であるのかに関わらず同時並行的に画像処理を施すものであって、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー画像処理を施すカラー画像処理部と前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ画像処理を施すモノクロ画像処理部とを含むものであり、
    前記原稿色種パラメータ取得部は、前記カラー画像処理パラメータを前記カラー画像処理部に設定するとともに、前記モノクロ画像処理パラメータを前記モノクロ画像処理部に設定する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記画像処理部は、前記所定の画像処理として、前記所定の出力媒体に形成された出力画像における前記原稿の地色成分を低減する地色除去処理を行なうものであり、
    前記原稿色種パラメータ取得部は、前記パラメータとして、前記地色除去処理を行なうために前記画像処理部にて参照される地色画像信号であって、前記原稿がカラー原稿である場合に応じたカラー用地色画像信号と前記原稿がモノクロ原稿である場合に応じたモノクロ用地色画像信号とを求めるものである
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の画像処理装置。
  8. 前記原稿色種パラメータ取得部は、前記地色情報取得部が取得した地色情報を前記カラー用地色画像信号および前記モノクロ用地色画像信号にそれぞれ変換するための変換情報を記憶したルックアップテーブルを記憶した記憶部を有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
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