JP2005109864A - バルントランス、及び、これを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】2以上の周波数帯域の信号に適応し得るバルントランスを提供する。
【解決手段】不平衡伝送線路10と、平衡伝送線路20と、不平衡側インピーダンス調整手段40と、平衡側インピーダンス調整手段50とを含み、2以上の周波数帯域の信号に適応し得る。不平衡伝送線路10は、平衡伝送線路20と結合する。不平衡側インピーダンス調整手段40は、不平衡側制御端子T41を有し、不平衡伝送線路10に接続され、不平衡側制御端子T41に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。平衡側インピーダンス調整手段50は、平衡側制御端子T51を有し、平衡伝送線路20に接続され、平衡側制御端子T51に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。
【選択図】 図1

Description

一般に、UHF帯以上の周波数制御信号の平衡不平衡変換部品としては、例えば、特許文献1に記載された共振器型バルントランス又はマーチャンドバルン、及び、特許文献2などに記載されたアクティブバルンが知られている。
ところで、近年のIT産業の発展に伴い、例えば、無線LAN等の電子機器においては、2以上の周波数帯域に対応した製品規格が普及しつつある。例えば、無線LANの規格の1つであるIEEE 802.11a-bは、2.4GHzと5GHzの周波数帯域に対応している。したがって、電子機器に用いられるバルン等の平衡不平衡変換部品も、小型化、低コスト化の観点から、2以上の周波数帯域に対応することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載された共振器型バルントランスの場合、その構造上、共振周波数の偶数倍の周波数が、反共振周波数に相当し、特性劣化が起きるから、例えば、3GHz以上の高周波領域で、良好な通過特性を得ることができない。したがって、特許文献1に記載された共振器型バルントランスは、実際に要求される2.4GHz及び5GHzの2以上の周波数帯域での平衡不平衡変換に対応することができない。
特許文献2に記載されたアクティブバルンは、カスケード接続された複数のFETを用いている。この構成によれば、広帯域において、良好な通過特性を得ることができるから、1つのアクティブバルンで、2以上の周波数帯域の平衡不平衡変換を実現できる。
しかしながら、アクティブバルンは、FETを用いるから、常にバイアス電流を印加する必要がある。このため、低消費電力化が図れないという難点がある。更に、アクティブバルンは、カスケード接続された複数のFETを用いているから、動作電圧を低く抑えることができないという問題がある。
特開2002−260930号公報 特開2000−165203号公報
本発明の課題は、2以上の周波数帯域の信号に適応し得るバルントランス、及び、これを用いた電子機器を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、電子機器の小型化及び低コスト化を実現し得るバルントランス、及び、これを用いた電子機器を提供することである。
本発明の更にもう1つの課題は、低電圧化、及び、低消費電力化を実現し得るバルントランス、及び、これを用いた電子機器を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係るバルントランスは、不平衡伝送線路と、平衡伝送線路と、不平衡側インピーダンス調整手段と、平衡側インピーダンス調整手段とを含み、2以上の周波数帯域の信号に適応し得る。
不平衡伝送線路は、平衡伝送線路と結合する。不平衡側インピーダンス調整手段は、不平衡側制御端子を有し、不平衡伝送線路に接続され、不平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。平衡側インピーダンス調整手段は、平衡側制御端子を有し、平衡伝送線路に接続され、平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。
上述したように、本発明に係るバルントランスは、不平衡伝送線路と、平衡伝送線路とを含み、不平衡伝送線路は、平衡伝送線路と結合する。このため、不平衡伝送線路に供給された信号を平衡伝送線路に伝送するとともに、平衡伝送線路に供給された信号を不平衡伝送線路に伝送することができる。
また、本発明に係るバルントランスは、不平衡側インピーダンス調整手段と、平衡側インピーダンス調整手段とを含む。不平衡側インピーダンス調整手段は、不平衡側制御端子を有し、不平衡伝送線路に接続されている。平衡側インピーダンス調整手段は、平衡側制御端子を有し、平衡伝送線路に接続されている。ここで、不平衡側制御端子及び平衡側制御端子は、別々に設けてもよいし、共通化してもよい。
上記構成によれば、不平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいて、不平衡側インピーダンス調整手段のインピーダンス特性を変化させ、平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいて、平衡側インピーダンス調整手段のインピーダンス特性を変化させることができる。
不平衡側インピーダンス調整手段のインピ−ダンス特性が変化すると、不平衡伝送線路の信号伝送特性が変化する。同様に、平衡側インピーダンス調整手段のインピーダンス特性が変化すると、平衡伝送線路の信号伝送特性が変化する。
従って、本発明に係るバルントランスによれば、不平衡側制御端子及び平衡側制御端子に与えられる制御信号によって、不平衡伝送線路及び平衡伝送線路の信号伝送特性を変化させ、1つのバルントランスで、2以上の周波数帯域の信号に適応し得る。
しかも、本発明に係るバルントランスは、1つのバルントランスで、2以上の周波数帯域の信号に適応し得るから、その分だけバルントランスの使用個数を低減できる。このため、本発明に係るバルントランスによれば、電子機器の小型化、及び、低コスト化を図ることができる
さらに、本発明に係るバルントランスは、アクティブバルンとは異なり、FET等の能動素子を用いることなく、受動素子で構成できる。従って、低電圧化、及び、低消費電力化を実現し得る。
不平衡側インピーダンス調整手段及び平衡側インピーダンス調整手段としては、例えば、スイッチ手段とコンデンサとの直列回路のように、キャパシタンス成分が段階的に切換わるものや、バリキャップダイオードのように、キャパシタンス成分が連続的に変化するもの等を挙げることができる。
信号伝送特性とは、平衡伝送線路−不平衡伝送線路間の通過特性もしくは反射特性、平衡伝送線路−不平衡伝送線路間の位相特性等をいう。
本発明に係るバルントランスは、例えば、アンテナ及び送受信回路に組み合わされて、無線LAN、携帯電話機などの電子機器を構成する。
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、実施例によって更に詳しく説明する。
図1は本発明に係るバルントランスを示すブロック図である。図示されたバルントランスは、不平衡伝送線路10と、平衡伝送線路20と、不平衡側インピーダンス調整手段40と、平衡側インピーダンス調整手段50とを含む。図示のバルントランスは、例えば、アンテナ及び送受信回路に組み合わされて、無線LAN、携帯電話機などの電子機器を構成する。
不平衡伝送線路10は、第1の線路導体11と、第2の線路導体12とを含み、平衡伝送線路20は、第3の線路導体21と、第4の線路導体22とを含む。第1乃至第4の線路導体11、12、21、22は、例えば、(λ/4)のストリップラインまたはマイクロストリップラインとして構成される。
第1の線路導体11は、一端が不平衡信号用端子T11を構成する。第2の線路導体12は、一端が第1の線路導体11の他端と接続される。第3の線路導体21は、第1の線路導体11と方向性をもって結合し、不平衡信号用端子T11と対応する一端が接地端子T61に接続され、他端が第1の平衡信号用端子T21を構成する。第4の線路導体22は、第2の線路導体12と方向性をもって結合し、第2の線路導体12の他端と対応する一端が接地端子T62に接続され、他端が第2の平衡信号用端子T31を構成する。
不平衡側インピーダンス調整手段40は、不平衡側制御端子T41を有し、不平衡伝送線路10に接続される。不平衡側インピーダンス調整手段40は、不平衡側制御端子T41に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。
平衡側インピーダンス調整手段50は、平衡側制御端子T51を有し、平衡伝送線路20に接続される。平衡側インピーダンス調整手段50は、平衡側制御端子T51に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する。図示実施例において、不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51は、別々に設けられているが、不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51は、共通化してもよい。
上述したように、本発明に係るバルントランスは、不平衡伝送線路10と、平衡伝送線路20とを含み、不平衡伝送線路10は、平衡伝送線路20と結合する。このため、不平衡伝送線路10に供給された信号を平衡伝送線路20に伝送するとともに、平衡伝送線路20に供給された信号を不平衡伝送線路10に伝送することができる。
図示のバルントランスは、不平衡側インピーダンス調整手段40と、平衡側インピーダンス調整手段50とを含む。不平衡側インピーダンス調整手段40は、不平衡側制御端子T41を有し、不平衡伝送線路10に接続されている。平衡側インピーダンス調整手段50は、平衡側制御端子T51を有し、平衡伝送線路20に接続されている。
上記構成によれば、不平衡側制御端子T41に供給される制御信号に基づいて、不平衡側インピーダンス調整手段40のインピーダンス特性を変化させ、平衡側制御端子T51に供給される制御信号に基づいて、平衡側インピーダンス調整手段50のインピーダンス特性を変化させることができる。
不平衡側インピーダンス調整手段40のインピ−ダンス特性が変化すると、不平衡伝送線路10の信号伝送特性が変化する。同様に、平衡側インピーダンス調整手段50のインピーダンス特性が変化すると、平衡伝送線路20の信号伝送特性が変化する。
従って、本発明に係るバルントランスによれば、不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51に与えられる制御信号によって、不平衡伝送線路10及び平衡伝送線路20の信号伝送特性を変化させ、1つのバルントランスで、2以上の周波数帯域の信号に適応し得る。
このように、本発明に係るバルントランスは、1つのバルントランスで、2以上の周波数帯域の信号に適応し得るから、その分だけバルントランスの使用個数を低減できる。このため、本発明によれば、バルントランスを用いた電子機器の小型化、及び、低コスト化を図ることができる
また、図示バルントランスは、アクティブバルンとは異なり、FETを用いる必要がないので、低電圧化、及び、低消費電力化を実現し得る。
図2は図1に示したバルントランスの具体例を示すブロック図である。図2において、図1に現れた構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符号を付してある。
図2において、不平衡側インピーダンス調整手段40は、第1のインピーダンス調整手段41と、第2のインピーダンス調整手段42とを含む。平衡側インピーダンス調整手段50は、第3のインピーダンス調整手段51と、第4のインピーダンス調整手段52とを含む。第1乃至第4のインピーダンス調整手段41、42、51、52のそれぞれは、ほぼ同一のインピーダンス−周波数特性を有するものとする。
第1のインピーダンス調整手段41は、一端が第1の線路導体11の一端に接続され、他端が接地端子T63に接続される。第2のインピーダンス調整手段42は、一端が第2の線路導体12の一端に接続され、他端が第2の線路導体12の他端に接続される。第3のインピーダンス調整手段51は、第3の線路導体21と並列に接続される。第4のインピーダンス調整手段52は、第4の線路導体22と並列に接続される。
不平衡伝送線路10に着目した場合、第1のインピーダンス調整手段41の不平衡側制御端子T41に供給される制御信号が変化すると、第1の線路導体11の一端が接続された不平衡信号用端子T11と、接地端子T63との間で見た第1のインピーダンス調整手段41のインピーダンス特性が変化する。また、第2のインピーダンス調整手段42の不平衡側制御端子T41に供給される制御信号が変化すると、第2の線路導体11の他端と、接地端子T63との間で見た第2のインピーダンス調整手段42のインピーダンス特性が変化する。これにより、不平衡伝送線路10の信号伝送特性が変化する。
平衡伝送線路20の側においても、第3のインピーダンス調整手段51の平衡側制御端子T51に供給される制御信号が変化すると、第3の線路導体21の一端が接続された接地端子T61と、第1の平衡信号用端子T21との間で見た第3のインピーダンス調整手段51のインピーダンス特性が変化する。また、第4のインピーダンス調整手段52の平衡側制御端子T51に供給される制御信号が変化すると、第4の線路導体22の一端に接続された第2の平衡信号用端子T31と、他端に接続された接地端子T62との間で見た第4のインピーダンス調整手段52のインピーダンス特性が変化する。これにより、平衡伝送線路20の信号伝送特性が変化する。
従って、不平衡側制御端子T41、平衡側制御端子T51に供給される制御信号の切り替えにより、不平衡伝送線路10及び平衡伝送線路20を、2以上の周波数帯域に対応するように、切り替えることができる。
図3は図2に示したバルントランスのさらに具体的な回路構成を示す図である。図3において、第1のインピーダンス調整手段41は、ダイオードD11とコンデンサC11とを直列に接続した構成となっている。ダイオードD11は、カソードが接地端子T63に接続され、コンデンサC11と接続されたアノードがチョークコイルL41を介して不平衡側制御端子T41に接続される。
第2のインピーダンス調整手段42は、ダイオードD12とコンデンサC12とを直列に接続した回路構成になっている。ダイオードD12は、カソードが接地端子T63に接続され、コンデンサC12と接続されたアノードがチョークコイルL42を介して不平衡側制御端子T41に接続される。
第3のインピーダンス調整手段51は、ダイオードD21とコンデンサC21とを直列に接続した回路構成になっている。ダイオードD21は、カソードが接地端子T61に接続され、コンデンサC21と接続されたアノードが、チョークコイルL51を介して平衡側制御端子T51に接続される。第4のインピーダンス調整手段51は、ダイオードD22とコンデンサC22とを直列に接続した回路構成になっている。ダイオードD22は、カソードが接地端子T62に接続され、コンデンサC22と接続されたアノードがチョークコイルL52を介して平衡側制御端子T51に接続される。
次に、図3に図示したバルントランスについて、その回路動作を説明する。不平衡伝送線路10の側の回路動作は、次のとおりである。
まず、第1の線路導体11において、不平衡側制御端子T41に、例えば、1.6V程度の電圧が印加されると、ダイオードD11が導通して、不平衡側インピーダンス調整手段41のコンデンサC11が、第1の導体線路11の一端と接地端子T63との間に入り、コンデンサC11のキャパシタンスによるインピーダンスが付加される。これにより、低域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
一方、不平衡側制御端子T41に印加される電圧が、例えば、ゼロVになると、ダイオードD11が非導通となり、コンデンサC11が第1の導体線路11から電気回路的に切り離された状態になる。これにより、高域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
第2の線路導体12では、不平衡側制御端子T41に、例えば、1.6V程度の電圧が印加されると、ダイオードD12が導通して、不平衡側インピーダンス調整手段42のコンデンサC12が、第2の導体線路11の一端と接地端子T63との間に入り、コンデンサC12のキャパシタによる応じたインピーダンスが付加される。これにより、低域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
一方、第2の線路導体12において、不平衡側制御端子T41に印加される電圧が、例えば、ゼロVになると、ダイオードD12が非導通となり、コンデンサC12が第2の導体線路12から電気回路的に切り離された状態になる。これにより、高域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
平衡側伝送線路20における動作は次のとおりである。
まず、第3の線路導体21において、平衡側制御端子T51に、例えば、1.6V程度の電圧が印加されると、ダイオードD21が導通して、平衡側インピーダンス調整手段51のコンデンサC21が、第3の導体線路21の一端と他端との間に入り、コンデンサC21のキャパシタによる応じたインピーダンスが付加される。これにより、低域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
一方、平衡側制御端子T51に印加される電圧が、例えば、ゼロVになると、ダイオードD21が非導通となり、コンデンサC21が第3の導体線路21から電気回路的に切り離された状態になる。これにより、高域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
次に、第4の線路導体22において、平衡側制御端子T51に、例えば、1.6V程度の電圧が印加されると、ダイオードD22が導通して、平衡側インピーダンス調整手段52のコンデンサC22が、第4の導体線路22の一端と他端との間に入り、コンデンサC22のキャパシタによる応じたインピーダンスが付加される。これにより、低域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
一方、平衡側制御端子T51に印加される電圧が、例えば、ゼロVになると、ダイオードD22が非導通となり、コンデンサC22が第4の導体線路22から電気回路的に切り離された状態になる。これにより、高域の周波数帯域において、高い信号伝送特性(通過特性)が得られる。
不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51は、共通に接続し、同一の制御信号を供給するようにすることが好ましい。
上述したように、不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51に対する制御信号の切り替えにより、不平衡側インピーダンス調整手段40及び平衡側インピーダンス調整手段50のインピーダンス特性が、2段階に切り替えられるので、2つの周波数帯域に対応したバルントランスが得られる。
本発明に係るバルントランスは、セラミックスシートや、樹脂シート等を積層して構成することもできる。積層して構成した場合、バルントランスとコンデンサ11、12、21、22等の部品とを一体化できるので、更なる小型化を図ることができる。
図4〜図7は、図3に示したバルントランスにおいて、不平衡側制御端子T41、平衡側制御端子T51に電圧を印加し、ダイオードD11、D12、D21、D22を導通にしたときの特性を示す図である。図4は減衰特性を示す図、図5は図4の拡大図、図6は位相特性を示す図、図7は図6の拡大図である。
図8、図9は、図3に示したバルントランスのダイオードD11、D12、D21、D22を非導通にしたときの特性を示す図である。図8は減衰特性を示す図、図9は位相特性を示す図である。図4〜図9において、反射特性S11は、不平衡信号用端子T11−接地GND間の特性、通過特性S21は、第1の平衡信号用端子T21−接地GND間の特性、通過特性S31は、第2の平衡信号用端子T31−接地GND間の特性を示している。
図4〜図9は、基板の比誘電率εrを4.4とし、その厚みを0.25mmとし、コンデンサC11、12、21、22のキャパシタンス値を1.6pFとし、チョークコイルL41、42、51、52のインダクタンス値を33nHとしたときの特性である。ダイオードの定数については、Cj=0.05pF、導通時のRj=0.3Ω、非導通時のRj=100kΩ、Ls=0.3nH、Cb=100pF、Cg=0.02pFとした。
図4、図5において、通過特性S21、S31は、2.3〜2.7GHzの範囲では、減衰量が十分に小さく、4.0〜5.5GHzの範囲では、減衰量が十分に大きい。また、図6、図7において、通過特性S21、S31は、2.3〜2.7GHzの範囲では、位相差がほぼ180Degである。
したがって、図3に示したバルントランスは、ダイオードD11、D12、D21、D22を導通状態にしたとき、信号伝送特性が、2.3〜2.7GHzの範囲で良好になり、4.0〜5.5GHzの範囲で劣化することがわかる。
次に、図8において、通過特性S21、S31は、2.3〜2.7GHzの範囲では、減衰量が十分に大きく、4.0〜5.5GHzの範囲では、減衰量が十分に小さい。また、図9において、通過特性S21、S31は、4.0〜5.5GHzの範囲では、位相差がほぼ180Degである。
図8、図9のデータから、図3に示したバルントランスは、ダイオードD11、D12、D21、D22を非導通状態にしたとき、信号伝送特性が、4.0〜5.5GHzの範囲で良好になり、2.3〜2.7GHzの範囲で劣化することがわかる。
このように、図3に示したバルントランスは、ダイオードD11、D12、D21、D22を導通、又は、非導通の間でコントロールすることにより、2.4GHzの周波数帯域、及び、5GHzの周波数帯域において、良好な信号伝送特性が得られる。
しかも、図3に示したバルントランスは、ダイオードD11、D12、D21、D22を非導通にする場合には、電圧を印加する必要がなく、ダイオードD11、D12、D21、D22を導通にする場合でも、印加する電圧は1.6V程度の低電圧で済む。このため、FETを用いたアクティブバルンに較べて、低電圧化と、低消費電力化を図ることがきる。
図示はされていないが、不平衡側制御端子T41と接地GNDとの間、及び、不平衡側制御端子T51と接地GNDとの間にコンデンサを設けることが好ましい。このような構成であれば、コンデンサによって、不平衡側制御端子T41及び不平衡側制御端子T51に供給される制御信号の高周波成分を除去し、高周波特性を向上させることができる。
更に、図示実施例においては、第1〜第4のインピーダンス調整手段41、42、51、52は、ダイオード、コンデンサ及びチョークコイルを用いて、キャパシタンス成分を所定値とゼロとの間で切換える構成であるが、ダイオードに代えて、トランジスタや、サイリスタ等を用いて、切換えを実現してもよい。また、図示ダイオードD11、D12、D21、D22に代えて、ダイオードD11、D12、D21、D22とは逆向きにバリキャップダイオードを接続し、接続されたバリキャップダイオードのキャパシタンス成分を連続的に変化させるものであってもよい。
また、不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51に別々の制御信号を印加してもよい。この場合、全てのダイオードを導通させる状態、ダイオードD11、D12のみを導通させる状態、ダイオードD21、D22のみを導通させる状態、及び、全てのダイオードを非導通にさせる状態という4つの状態に切換えることができるから、4つの周波数帯域に対応することができる。
図10は本発明に係るバルントランスを用いた電子機器の構成を示す図である。図示された電子機器は、図1〜図3に示したバルントランス1と、アンテナ91、92と、スイッチ81と、カプラ82と、パワーアンプ83と、バンドパスフィルタ84、85と、低ノイズアンプ86と、高周波IC93とを含む。図示された電子機器は、上述したIEEE 802.11a-b規格の無線LANである。
図10において、アンテナ91は、2.4GHzの信号を送受信し、アンテナ92は、5GHzの信号を送受信する。アンテナ91、92で受信された信号は、スイッチ81、バンドパスフィルタ85を介して、低ノイズアンプ86に供給される。低ノイズアンプ86は、信号を高周波IC93に供給する。
2.4GHzの信号を送信する場合、高周波IC93から不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51に、2.4GHzに対応する制御信号を供給して、バルントランス1の信号伝送特性を、2.4GHz帯域に合わせる。同様に、5GHzの信号を送信する場合、高周波IC93から不平衡側制御端子T41及び平衡側制御端子T51に、5GHzに対応する制御信号を供給して、バルントランス1の信号伝送特性を、5GHz帯域に合わせる。
バルントランス1から出力された信号は、バンドパスフィルタ84を介して、パワーアンプ83に供給される。パワーアンプ83から出力された信号は、カプラ82、スイッチ81を介して、アンテナ91、92に供給される。
以上、実施の形態を参照して説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々の変形、変更が可能であることは言うまでもない。
本発明に係るバルントランスを示すブロック図である。 図1に示したバルントランスを具体例を示すブロック図である。 図2に示したバルントランスの電気回路図である。 図3に示したバルントランスの減衰特性を示す図である。 図4の拡大図である。 図3に示したバルントランスの位相特性を示す図である。 図6の拡大図である。 図3に示したバルントランスの減衰特性を示す別の図である。 図3に示したバルントランスの位相特性を示す別の図である。 本発明に係るバルントランスを用いた電子機器の構成を示す図である。
符号の説明
10 不平衡伝送線路
20 平衡伝送線路
40 不平衡側インピーダンス調整手段
50 平衡側インピーダンス調整手段
T41 不平衡側制御端子
T51 平衡側制御端子

Claims (7)

  1. 不平衡伝送線路と、平衡伝送線路と、不平衡側インピーダンス調整手段と、平衡側インピーダンス調整手段とを含み、2以上の周波数帯域の信号に適応し得るバルントランスであって、
    前記不平衡伝送線路は、前記平衡伝送線路と結合し、
    前記不平衡側インピーダンス調整手段は、不平衡側制御端子を有し、前記不平衡伝送線路に接続され、前記不平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化し、
    前記平衡側インピーダンス調整手段は、平衡側制御端子を有し、前記平衡伝送線路に接続され、前記平衡側制御端子に供給される制御信号に基づいてインピーダンス特性が変化する
    バルントランス。
  2. 請求項1に記載されたバルントランスであって、
    前記不平衡側インピーダンス調整手段、及び、前記平衡側インピーダンス調整手段は、キャパシタンス成分が変化する
    バルントランス。
  3. 請求項1又は2に記載されたバルントランスであって、
    前記不平衡伝送線路は、第1の線路導体と、第2の線路導体とを含み、
    前記第1の線路導体は、一端が不平衡信号用端子を構成し、
    前記第2の線路導体は、一端が前記第1の線路導体の他端と接続されており、
    前記平衡伝送線路は、第3の線路導体と、第4の線路導体とを含み、
    前記第3の線路導体は、前記第1の線路導体と方向性をもって結合し、前記不平衡信号用端子と対応する一端が接地端子に接続され、他端が第1の平衡信号用端子を構成し、
    前記第4の線路導体は、前記第2の線路導体と方向性をもって結合し、前記第2の線路導体の他端と対応する一端が接地端子に接続され、他端が第2の平衡信号用端子を構成する
    バルントランス。
  4. 請求項3に記載されたバルントランスであって、
    前記不平衡側インピーダンス調整手段は、第1のインピーダンス調整手段と、第2のインピーダンス調整手段とを含み、
    前記第1のインピーダンス調整手段は、一端が前記第1の線路導体の前記一端に接続され、他端が接地端子に接続され、
    前記第2のインピーダンス調整手段は、一端が前記第2の線路導体の前記一端に接続され、他端が前記第2の線路導体の前記他端に接続され、
    前記平衡側インピーダンス調整手段は、第3のインピーダンス調整手段と、第4のインピーダンス調整手段とを含み、
    前記第3のインピーダンス調整手段は、前記第3の線路導体と並列に接続され、
    前記第4のインピーダンス調整手段は、前記第4の線路導体と並列に接続される
    バルントランス。
  5. 請求項4に記載されたバルントランスであって、
    前記第1乃至第4のインピーダンス調整手段のそれぞれは、ほぼ同一のインピーダンス−周波数特性を有する
    バルントランス。
  6. 請求項4又は5に記載されたバルントランスであって、
    前記第1乃至第4のインピーダンス調整手段のそれぞれは、ダイオードと、コンデンサとを含み、
    前記ダイオードは、前記コンデンサと直列に接続され、前記ダイオード及び前記コンデンサの接続点が前記制御端子に接続されている
    バルントランス。
  7. バルントランスを含む電子機器であって、
    前記バルントランスは、請求項1乃至6の何れかに記載されたものでなる
    電子機器。
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