JP2005109678A - 共振器の製造方法及び共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 圧電層の下地となる層の平坦性を向上させることにより、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器の製造方法を提供する。
【解決手段】 シリコン基板10上に犠牲層16を形成する工程と、シリコン基板10上に、犠牲層16の周囲を覆うように、絶縁保護層17を自己整合的に形成する工程と、犠牲層16及び絶縁保護層17の上に下部電極19を形成する工程と、下部電極19の上に圧電層20を形成する工程と、圧電層20の上に上部電極21を形成する工程と、犠牲層16を除去して、シリコン基板10と下部電極19との間に、シリコン基板10、絶縁保護層17及び下部電極19によって囲まれた空間部23を形成する。
とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、共振器及びその製造方法に関するものであり、特に高周波で動作する薄膜バルク音波共振器(FBAR)に関するものである。
薄膜バルク音波共振器(以下、「FBAR」という)の製造方法では、音波を共振させるために、基板底面から下部電極に到達するまでトレンチエッチングを行なう方法、エアギャップ(エアブリッジ)を形成する方法、又は音響多層膜を使う方法が知られている。
以下に、エアギャップの形成を行なう従来の第1及び第2の共振器の製造方法について説明する。
従来に係る第1の共振器の製造方法では、まず、基板に窪みを形成し、窪みに犠牲層を埋め込んだ後、CMP(ケミカルメカニカルポリッシング)を行なって犠牲層を平坦化する。次に、平坦化された犠牲層の上に、下部電極、圧電(PZ)層及び上部電極を下から順に形成した後、犠牲層を除去してエアギャップを形成する方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。また、従来に係る第2の共振器の製造方法では、まず、ポリマーよりなる犠牲層を形成する。次に、犠牲層の上に、下部電極、圧電(PZ)層及び上部電極を下から順に形成した後、犠牲層を除去してエアギャップを形成する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。
まず、従来に係る第1の共振器の製造方法について、図4(a)〜(e)を参照しながら具体的に説明する。
図4(a)に示すように、シリコン基板100上にレジスト膜を塗布した後、該レジスト膜をパターニングしてレジストパターン101を形成する。次に、シリコン基板100に対して、該レジストパターン101をマスクにエッチングを行なって窪み102を形成する。
次に、図4(b)に示すように、レジストパターン101を除去した後、シリコン基板100の上に、窪み102を埋め込むように、シリコン元素及び酸素元素よりなる犠牲層103を堆積する。
次に、図4(c)に示すように、CMPにより犠牲層103を平坦化することにより、後に除去される犠牲層103よりなる犠牲層領域104を形成する。
次に、図4(d)に示すように、シリコン基板100及び犠牲層領域104の上に下部電極105を形成した後、該下部電極105の上に、圧電(PZ)層106及び上部電極107を下から順に形成する。その後、下部電極105及び圧電層106に対してエッチングを行なって、エアギャップの形成に用いるビアホール108を形成する。
次に、図4(e)に示すように、HFを用いて、ビアホール108を通して犠牲層領域104に形成されている犠牲層103を高速除去することにより、エアギャップ109を形成する。
また、従来に係る第2の共振器の製造方法について、図5(a)〜(c)及び図6(a)〜(c)を参照しながら具体的に説明する。
まず、図5(a)に示すように、シリコン基板200上にポリマーよりなる犠牲層201を堆積する。
次に、図5(b)に示すように、犠牲層201に対して、レジストパターンをマスクにエッチングを行なうことにより、後に除去される犠牲層201よりなる犠牲層領域202が形成される。
次に、図5(c)に示すように、シリコン基板200及び犠牲層領域202の上に、犠牲層領域202を覆うように、絶縁保護層203を堆積する。
次に、図6(a)に示すように、絶縁保護層203上の所定領域に下部電極204を形成する。その後、絶縁保護層203及び下部電極204上に、圧電(PZ)層205及び上部電極206を下から順に形成する。
次に、図6(b)に示すように、上部電極206、圧電層205、下部電極204及び絶縁保護層203に対してエッチングを行なって、エアギャップの形成に用いるビアホール207を形成する。
次に、図6(c)に示すように、犠牲層領域202に対して、ビアホール207を通してエッチングを行なって、犠牲層領域202に形成されている犠牲層201を除去することにより、エアギャップ208を形成する。
以上のようにして、従来に係る第1及び第2の共振器の製造方法では、音波を共振させるためのエアギャップの形成を行なっている。
米国特許公報第6384697号
特開2002−509644号公報
しかしながら、従来に係る第1の共振器の製造方法によると、CMPによって犠牲層103の平坦化を行なうので、製造プロセスにおける工程数が増加してプロセスが複雑になると共に製造バラツキが増加して共振器の高周波数特性が悪化する。
一方、従来に係る第2の共振器の製造方法によると、犠牲層201を平坦化する工程を含まないため、犠牲層201はシリコン基板200上に大きな段差を形成することになるので、犠牲層201の上に形成する層のカバレージが悪化して共振器の高周波数特性が悪化する。
また、従来に係る第1及び第2の共振器の製造方法のいずれの場合においても、高温プロセスには適用できないため、犠牲層の上に優れた膜質を有する圧電層を形成することができないので、良好な高周波数特性を有する共振器を実現できない。
前記に鑑み、本発明の目的は、自己整合作用を利用して、電極及び圧電層の下地となる層の平坦化を簡易なプロセスで実現することにより、信頼性が高く高周波数特性に優れた共振器の製造方法及び共振器を提供することである。また、本発明の目的は、優れた膜質を有する圧電層の形成することにより、信頼性が高く高周波数特性に優れた共振器の製造方法及び共振器を提供することである。
前記の課題を達成するために、本発明に係る共振器の製造方法は、基板上に犠牲層を形成する工程と、基板上に、犠牲層の周囲を覆うように、絶縁性材料よりなる絶縁保護層を自己整合的に形成する工程と、犠牲層及び絶縁保護層の上に下部電極を形成する工程と、下部電極の上に圧電層を形成する工程と、圧電層の上に上部電極を形成する工程と、犠牲層を除去して、基板と下部電極との間に、基板、絶縁保護層及び下部電極によって囲まれた空間部を形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る共振器の製造方法によると、犠牲層の周縁部に絶縁保護層を自己整合的に形成するので、犠牲層と絶縁保護層とが自己整合して犠牲層の上面と絶縁保護層の上面との平坦性が向上する。このため、犠牲層及び絶縁保護層の上に形成される下部電極及び圧電層の平坦性が向上することにより下部電極及び圧電層の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を製造することができる。
本発明に係る共振器の製造方法において、犠牲層は、下部の周縁に窪み部を有するマスクパターンを用いたエッチングを行なうことにより形成され、絶縁保護層は、基板上にマスクパターンを介して電子ビーム蒸着を行なった後、マスクパターンをリフトオフすることにより形成されることが好ましい。
このように、犠牲層の形成に用いたマスクパターンを利用して、基板上に電子ビーム蒸着を行なうので、自己整合的に絶縁保護層を形成できる。このため、犠牲層と絶縁保護層とが自己整合するので、簡易なプロセスで犠牲層の上面と絶縁保護層の上面の平坦性が向上する。また、窪み部を有するマスクパターンを用いて基板上に電子ビーム蒸着を行なった後に、マスクパターンをリフトオフするので、犠牲層と絶縁保護層との界面における表面付近にバリが発生することを防止することができる。
本発明に係る共振器の製造方法において、マスクパターンは、積層された複数のレジスト膜よりなるレジストパターンであることが好ましい。
本発明に係る共振器の製造方法において、犠牲層は、複数の膜が積層されてなる積層膜であり、空間部を形成する工程は、ウェットエッチングにより、複数の膜の各々に対するエッチングレートの差を利用して、犠牲層を除去する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、ウェットエッチングに用いるエッチャントによるエッチングレートが高い膜のエッチングが早く進行することにより、エッチングレートが高い膜に接する膜に対してエッチャントが進入する割合が増加するため、犠牲層に対するエッチング速度が向上するので、犠牲層の除去に要する処理時間を短縮することができる。
本発明に係る共振器の製造方法において、犠牲層は、モリブデン系化合物層とタングステン系化合物層との積層膜であることが好ましい。
このようにすると、ウェットエッチャントに対するモリブデン系化合物層のエッチングレートがタングステン系化合物層のエッチングレートよりも早いので、モリブデン系化合物層が除去されたところへウェットエッチャントが進入するため、タングステン系化合物層のエッチングを早く進行させることができる。
本発明に係る共振器の製造方法において、絶縁保護層は、耐高温特性を有する絶縁性材料よりなることが好ましい。
このようにすると、絶縁保護層が耐高温特性を有するため、膜質に優れた圧電層を高温熱処理により形成することが可能になる。従って、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。
本発明に係る共振器は、基板の主面上において所定領域を囲むように形成された耐高温特性を有する絶縁性材料よりなる絶縁保護層と、絶縁保護層の上に形成された下部電極と、下部電極の上に形成された圧電層と、圧電層の上に形成された上部電極と、基板と下部電極との間に、基板、絶縁保護層及び下部電極によって囲まれた空間部とを備えていることを特徴とする。
本発明に係る共振器によると、絶縁保護層が耐高温特性を有するため、膜質に優れた圧電層を高温熱処理により形成することが可能になる。従って、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。
本発明に係る共振器において、絶縁保護層が、ハフニウム系元素と酸素元素若しくは窒素元素とを含有する層、又はジルコニウム系元素と酸素元素若しくは窒素元素とを含有する層よりなる場合には、耐高温特性に優れるため、膜質に優れた圧電層を高温熱処理により確実に形成することができる。従って、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。また、絶縁保護層がこれらの層よりなる場合には、電子ビーム蒸着法を用いた簡易なプロセスで絶縁保護層を自己整合的に形成できるので、下部電極及び圧電層の平坦性が向上する。従って、下部電極及び圧電層の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。
本発明に係る共振器において、圧電層が、有機金属気相エピタキシャル成長法によって形成された窒化アルミニウム層、高温スパッタ法によって形成された酸化亜鉛層、又は高温熱処理が施されたPZT層よりなる場合には、圧電層の膜質が優れるので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。
本発明に係る共振器において、下部電極は、ハフニウム単体よりなる層、ジルコニウム単体よりなる層、ランタン単体よりなる層、又はホウ素とハフニウム、ジルコニウム若しくは亜鉛とを含有する層よりなる場合には、下部電極は耐高温特性に優れるので、膜質に優れた圧電層を高温熱処理を用いて形成することができる。
本発明に係る共振器の製造方法によると、犠牲層の周縁部に絶縁保護層を自己整合的に形成するので、犠牲層と絶縁保護層とが自己整合して犠牲層の上面と絶縁保護層の上面との平坦性が向上する。このため、犠牲層及び絶縁保護層の上に形成される下部電極及び圧電層の平坦性が向上することにより下部電極及び圧電層の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。従って、再現性が高く安定した共振器を製造することができる。
本発明の共振器によると、絶縁保護層が耐高温特性を有するため、膜質に優れた圧電層を高温熱処理により形成することが可能になる。従って、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る共振器の製造方法について、図1〜図3を参照しながら説明する。
まず、図1(a)に示すように、シリコン基板(半導体基板)10の上に、スパッタリングにより、モリブデン(Mo)層11及びタングステンシリサイド(WSi)層12を下から順に形成する。
次に、図1(b)に示すように、タングステンシリサイド層12の上に、下層レジスト膜13及び上層レジスト膜14が積層されたマスクパターン15を形成する。
ここで、マスクパターン15は、図1(b)に示すように、マスクパターン15の下部を構成する下層レジスト膜13の周縁に窪み部13aを有している。また、下層レジスト膜13及び上層レジスト膜14よりなるマスクパターン15は、例えば、上層レジスト膜14に感光性レジスト膜を用いると共に、下層レジスト膜13に非感光性レジスト膜を用いて、現像液を流し込むことにより、下層レジスト膜13の周縁の一部がエッチングされて、図1(b)に示すようなマスクパターン15を形成することができる。
次に、図1(c)に示すように、モリブデン層11及びタングステンシリサイド層12に対して、マスクパターン15を用いて、フッ素系のガスを用いたドライエッチングを行なうことにより、シリコン基板10上の所定領域にパターニングされたモリブデン層11a及びタングステンシリサイド層12aよりなる犠牲層16を形成する。尚、犠牲層16として、ここでは、モリブデン層11a及びタングステンシリサイド層12aよりなる場合について説明したが、犠牲層16は、金属、誘電体又は絶縁体のいずれかを含んでなる層よりなればよい。
次に、図2(a)に示すように、マスクパターン15が存在している状態で、電子ビーム蒸着法により、シリコン基板10及びマスクパターン15の上に、例えば酸化ハフニウム(HfO2 )層よりなる耐高温特性を有する絶縁保護層17を蒸着する。このように、絶縁保護層17に用いる酸化ハフニウム層は、耐高温特性に優れているので、後述するように、優れた膜質を有する圧電層を高温熱処理により形成することができる。また、ここで、絶縁保護層17の耐高温特性とは、後述する圧電層20の形成時の温度を考慮すると、好ましくは、800℃以上の温度に耐えられる特性のこといい、より好ましくは、1200℃以上の温度に耐えられる特性のことである。
次に、図2(b)に示すように、リフトオフにより、マスクパターン15及び該マスクパターン15の上に形成されている絶縁保護層17を除去する。
このように、犠牲層16の形成に用いたマスクパターン15を利用して、シリコン基板10上に電子ビーム蒸着を行なうので、自己整合的に絶縁保護層17を形成できる。このため、犠牲層16と絶縁保護層17とが自己整合するので、簡易なプロセスで犠牲層16の上面と絶縁保護層17の上面との平坦性が向上する。従って、下部電極19及び圧電層20の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。また、窪み部13aを有するマスクパターン15を用いてシリコン基板10上に電子ビーム蒸着を行なった後に、マスクパターン15をリフトオフするので、犠牲層16と絶縁保護層17との界面における表面付近において、リフトオフの際に起こり得るバリの発生を防止することができる。
次に、図2(c)及び(d)に示すように、絶縁保護層17上の所定領域にレジストパターン18を形成した後、該レジストパターン18をマスクとして、電子ビーム蒸着法により、犠牲層16、絶縁保護層17及びレジストパターン18の上に、六朋化ランタン(LaB6 )層を形成した後、レジストパターン18及び該レジストパターン18の上に形成されている六朋化ランタン層をリフトオフすることにより下部電極19を形成する。
このように、六朋化ランタン層よりなる下部電極19は、耐高温特性に優れるので、後述するように、膜質に優れた圧電層20を高温熱処理を用いて形成することができる。
次に、図3(a)に示すように、1200℃であって且つ酸素雰囲気下で、MOCVD法(有機金属気相エピタキシャル成長法)を用いて、絶縁保護層17及び下部電極19の上に、下部電極19を覆うように、窒化アルミニウム(AlN)層よりなる圧電層20を成膜する。このように、MOCVD法を用いることにより、膜質に優れた圧電層20を形成することができる。このため、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を製造することができる。また、MOCVD法は、1200℃という高温下で行なわれるが、前述の通り、絶縁保護層17を構成する酸化ハフニウム層及び下部電極19を構成する六明化ランタン層は高融点材料よりなるので、1200℃という高温に十分に耐えられる。従って、圧電層20の成膜にMOCVD法を用いることは、製造プロセス上何ら問題は発生しない。
次に、圧電層20の上に、例えば金属膜等の導電膜よりなる上部電極21を形成する。尚、適当な場合には、後述するビアホール22の形成の際又は犠牲層16のエッチングの際に、圧電層20を保護するための保護層を圧電層20の上に形成することもできる。
次に、図3(b)に示すように、圧電層20、下部電極19及び犠牲層16に対してエッチングを行なって、エアギャップを形成するためのビアホール22を形成する。
次に、図3(c)に示すように、犠牲層16に対して、ビアホール22を介してウェットエッチングを行なうことにより、犠牲層16を除去して空間部(エアギャップ)23を形成する。尚、空間部23を形成する際、犠牲層16がモリブデン層11a及びタングステンシリサイド層12aの積層膜よりなっており、ウェットエッチャントとして例えば過酸化水素(H22)水を用いてウェットエッチングを行なうと、モリブデン層11aのエッチングレートの方がタングステンシリサイド層12aのエッチングレートよりも早いため、モリブデン層11aの方がタングステンシリサイド層12aよりも早くエッチングが進行する。このため、犠牲層16の下層を構成するモリブデン層11aが先に除去されると、犠牲層16の上層を構成するタングステンシリサイド層12aの下側にも過酸化水素水が進入する。従って、タングステンシリサイド層12aは、横方向及び縦方向からエッチングが進行するので、犠牲層16のエッチングに要する時間を短縮することができる。
尚、本実施形態において、マスクパターン15は、下層レジスト膜13及び上層レジスト膜14から構成される二層レジスト膜である場合について説明したが、例えば、下層レジスト膜13の代わりに絶縁膜を用いることにより、窪み部13aを有するマスクパターン15を用いても構わない。また、マスクパターン15は、二層から構成される場合について説明したが、二層に限定されるものではなく、マスクパターン15の下部の周縁に窪み部13aを有し、積層された複数の層からなる場合であっても構わない。
また、本実施形態において、犠牲層16は、上層にモリブデン層11a、下層にタングステンシリサイド層12aが形成された積層膜である場合について説明したが、上層と下層とが逆に積層されている場合であっても構わない。また、犠牲層16に用いる積層膜として、モリブデン層11aのようなモリブデン単体よりなる層、モリブデン化合物よりなる層、タングステン単体よりなる層、タングステンシリサイド層12a等のタングステン化合物よりなる層、チタン単体よりなる層、又はタングステンチタン層等のチタン化合物よりなる層を用いることができる。また、犠牲層16は、二層からなる場合に限定されるものではなく、二層以上の積層膜であってエッチングレートの差を利用できる膜を用いていれば、犠牲層16の除去に要する時間を短縮することができる。
また、本実施形態においては、絶縁保護層17として酸化ハフニウム層を用いた場合について説明したが、ハフニウム系元素と酸素元素とを含有する例えばHfO2 層又はHfO層、ハフニウム系元素と窒素とを含有する例えばHfN2 層又はHfN層、ジルコニウム系元素と酸素元素とを含有する例えばZrO2 層又はZrO層、又はジルコニウム系元素と窒素元素とを含有する例えばZrN2 層又はZrN層を用いることができる。これらの層は、耐高温特性に優れているので、優れた膜質を有する圧電層を高温熱処理により形成することができる。
また、本実施形態において、下部電極19が六朋化ランタン層よりなる場合について説明したが、下部電極19としては、ハフニウム単体よりなる層、ジルコニウム単体よりなる層、ランタン単体よりなる層、ホウ素とハフニウムとを含有する層(例えば、HfB2 層)、ホウ素とジルコニウムとを含有する層(例えば、ZrB2 層)、又はホウ素とランタンとを含有する層(例えば、LaB6 層)を用いればよい。
また、本実施形態において、圧電層20は、MOCVD法によって形成された窒化アルミニウム層よりなる場合について説明したが、圧電層20として、高温スパッタ法(800℃、酸素雰囲気下)によって形成された酸化亜鉛層、又は高温熱処理(800℃、酸素雰囲気下)が施されたPZT層(例えば、チタン酸鉛(PbTiO3 )層、チタン酸ジルコン酸鉛(PbTiZrO)層等)を用いた場合にも、膜質に優れた圧電層20を形成することができるので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を製造することができる。また、高温スパッタ法及びMOCVD法は、800℃という高温下で行なわれるが、前述の通り、絶縁保護層17を構成する酸化ハフニウム層等及び下部電極19を構成する六明化ランタン層等は高融点材料よりなるので、800℃という高温に十分に耐えられるので、製造プロセス上何ら問題は発生しない。
以上のように、本発明の一実施形態に係る共振器の製造方法によると、犠牲層16の形成に用いたマスクパターンを利用して犠牲層16の周縁部に絶縁保護層17を自己整合的に形成するので、犠牲層16と絶縁保護層17とが自己整合して犠牲層16の上面と絶縁保護層17の上面との平坦性が向上する。このため、犠牲層16及び絶縁保護層17の上に形成される下部電極19及び圧電層20の平坦性が向上する。従って、下部電極19及び圧電層20の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を製造することができる。また、絶縁保護層17及び下部電極19が耐高温特性に優れているため、例えばMOCVD法等の高温熱処理を用いて膜質に優れた圧電層20を形成できるので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を製造することができる。また、再現性が高く安定した共振器を製造することができる。
以上のように、本発明に係る共振器の製造方法によると、犠牲層の周縁部に絶縁保護層を自己整合的に形成するので、犠牲層と絶縁保護層とが自己整合して犠牲層の上面と絶縁保護層の上面との平坦性が向上する。このため、犠牲層及び絶縁保護層の上に形成される下部電極及び圧電層の平坦性が向上することにより下部電極及び圧電層の被覆性が向上するので、高周波数特性に優れた信頼性の高い共振器を実現することができる。従って、例えば、高周波半導体装置に関するフィルタとして利用可能である。
(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る共振器の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る共振器の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る共振器の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(e)は、従来に係る第1の共振器の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(c)は、従来に係る第2の共振器の製造方法を示す工程断面図である。 (a)〜(c)は、従来に係る第2の共振器の製造方法を示す工程断面図である。
符号の説明
10 シリコン基板(半導体基板)
11 モリブデン層
11a パターン化されたモリブデン層
12 タングステンシリサイド層
12a パターン化されたタングステンシリサイド層
13 下層レジスト膜
13a 窪み部
14 上層レジスト膜
15 マスクパターン
16 犠牲層
17 絶縁保護層
18 レジストパターン
19 上部電極
20 圧電層
21 上部電極
22 ビアホール
23 空間部

Claims (10)

  1. 基板上に、金属、誘電体又は絶縁体のいずれかを含んでなる犠牲層を形成する工程と、
    前記基板上に、前記犠牲層の周囲を覆うように、絶縁性材料よりなる絶縁保護層を自己整合的に形成する工程と、
    前記犠牲層及び前記絶縁保護層の上に下部電極を形成する工程と、
    前記下部電極の上に圧電層を形成する工程と、
    前記圧電層の上に上部電極を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去して、前記基板と前記下部電極との間に、前記基板、前記絶縁保護層及び前記下部電極によって囲まれた空間部を形成する工程とを備えることを特徴とする共振器の製造方法。
  2. 前記犠牲層は、下部の周縁に窪み部を有するマスクパターンを用いたエッチングを行なうことにより形成され、
    前記絶縁保護層は、前記マスクパターンを介して、前記基板上に電子ビーム蒸着を行なった後、前記マスクパターンをリフトオフすることにより形成されることを特徴とする請求項1に記載の共振器の製造方法。
  3. 前記マスクパターンは、積層された複数のレジスト膜よりなるレジストパターンであることを特徴とする請求項2に記載の共振器の製造方法。
  4. 前記犠牲層は、複数の膜が積層されてなる積層膜であり、
    前記空間部を形成する工程は、ウェットエッチングにより、前記複数の膜の各々に対するエッチングレートの差を利用して、前記犠牲層を除去する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の共振器の製造方法。
  5. 前記犠牲層は、モリブデン系化合物層とタングステン系化合物層との積層膜であることを特徴とする請求項4に記載の共振器の製造方法。
  6. 前記絶縁保護層は、耐高温特性を有する絶縁性材料よりなることを特徴とする請求項1に記載の共振器の製造方法。
  7. 基板の主面上において所定領域を囲むように形成された耐高温特性を有する絶縁性材料よりなる絶縁保護層と、
    前記絶縁保護層の上に形成された下部電極と、
    前記下部電極の上に形成された圧電層と、
    前記圧電層の上に形成された上部電極と、
    前記基板と前記下部電極との間に、前記基板、前記絶縁保護層及び前記下部電極によって囲まれた空間部とを備えていることを特徴とする共振器。
  8. 前記絶縁保護層は、ハフニウム系元素と酸素元素若しくは窒素元素とを含有する層、又はジルコニウム系元素と酸素元素若しくは窒素元素とを含有する層よりなることを特徴とする請求項7に記載の共振器。
  9. 前記圧電層は、有機金属気相エピタキシャル成長法によって形成された窒化アルミニウム層、高温スパッタ法によって形成された酸化亜鉛層、又は高温熱処理が施されたPZT層よりなることを特徴とする請求項7に記載の共振器。
  10. 前記下部電極は、ハフニウム単体よりなる層、ジルコニウム単体よりなる層、ランタン単体よりなる層、又はホウ素とハフニウム、ジルコニウム若しくは亜鉛とを含有する層よりなることを特徴とする請求項7又は9に記載の共振器。
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