JP2005109298A - 多層配線板およびその製造方法 - Google Patents

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亮一 岸原
Shoji Ito
彰二 伊藤
Hiroki Hashiba
浩樹 橋場
Satoru Nakao
知 中尾
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Abstract

【課題】両面実装による高い配線自由度および基板容積の縮小と、材料コストの削減とを両立させることが可能で、しかも、マザーボードプリント配線板として両面配線板を用いる場合に比べて、材料コストのさらなる低減を図る。
【解決手段】多層配線板は、導電層(12)を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板(10)に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材(30)を導電層(12)と層間導通させて貼り合わせたものである。可撓性を有する任意の配線回路付き基材(30x)が貼り合わせ部から延長した延長部(37)を有し、この延長部(37)が、配線回路付き基材(30x)の導電層(32x)を外側にしてマザーボードプリント配線板(10)の裏側へ折り返されて裏面(14)に貼り合わされた。
【選択図】図1

Description

この発明は、多層配線板およびその製造方法に関し、特に、両面実装可能な多層配線板およびその製造方法に関するものである。
近年の電子機器は、高周波信号、デジタル化等に加え、小型、軽量化が進み、それに伴い、電子機器に搭載されるプリント配線板においても、小型、高密度実装化等が要求されている。これらの要求に応えるプリント配線板として、リジッド部とフレックス部とを備え、表裏両面に電子部品を実装することのできる両面実装タイプのリジッドフレックスプリント配線板がある(たとえば、特許文献1参照)。
このような両面実装タイプのプリント配線板は、例えば、フレックス基板の全面積の一部を残して他の部分に、内層リジッド基板および外層リジッド基板をサンドイッチ状に順次積層することで、リジッド部には表裏両面に電子部品の高密度実装を可能にするとともに、フレックス部が露出している部分は自由に湾曲できるようになっている。
特開2002−158445号公報
しかしながら、このような従来の両面実装タイプのプリント配線板は、フレックス基板にリジッド基板を積層して一体構造にしたのち、リジッド基板およびフレックス基板の外形を同時に抜くことで全体の形状を決定している。そのため、リジッド部の形状は、フレックス基板とその表裏に積層される内層リジッド基板および外層リジッド基板を含む多層部と同じになる。
このため、リジッド部に余分な多層化領域が存在することになって、材料コストに無駄が生じるばかりか、多層領域を配置できる位置には制約が加えられ、配線の自由度を損なってしまうという問題があった。
この発明の課題は、上記従来のもののもつ問題点を排除して、両面実装による高い配線自由度および基板容積の縮小と、材料コストの削減とを両立させることが可能で、しかも、マザーボードプリント配線板として両面配線板を用いる場合に比べて、材料コストのさらなる低減を図ることのできる多層配線板およびその製造方法を提供することにある。
この発明は上記課題を解決するものであって、請求項1に係る発明は、導電層を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせた多層配線板であって、可撓性を有する任意の前記配線回路付き基材が前記貼り合わせ部から延長した延長部を有し、この延長部が、当該配線回路付き基材の導電層を外側にして前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて裏面に貼り合わされた多層配線板である。
請求項2に係る発明は、絶縁性基材の片面にのみ導電層を備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせた多層配線板であって、可撓性を有する任意の前記配線回路付き基材が前記貼り合わせ部から延長した延長部を有し、この延長部が前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて前記絶縁性基材が除去され導電層の裏面が露出した部分に、マザーボードプリント配線板の当該導電層の裏面と当該配線回路付き基材の導電層とを層間導通させて貼り合わされた多層配線板である。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記配線回路付き基材は、前記マザーボードプリント配線板の縁辺の外側を通って折り返されて裏面に貼り合わされた多層配線板である。
請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記配線回路付き基材は、前記マザーボードプリント配線板に形成した開口部を通って折り返されて裏面に貼り合わされた多層配線板である。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記マザーボードプリント配線板の表面における前記配線回路付き基材の貼り合わせ部の外形は、前記マザーボードプリント配線板の外形に比べて小さく形成されている多層配線板である。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記マザーボードプリント配線板の裏面における前記配線回路付き基材の貼り合わせ部には、当該配線回路付き基材の導電層と層間導通させて別の配線回路付き基材が貼り合わされた多層配線板である。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記配線回路付き基材の絶縁層は、ポリイミド等の可撓性樹脂により構成されている多層配線板である。
請求項8に係る発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記配線回路付き基材の絶縁層には貫通孔が形成され、この貫通孔に充填された導電性物質により前記層間導通を得る多層配線板である。
請求項9に係る発明は、請求項1または請求項2記載の発明において、前記マザーボードプリント配線板の絶縁層または前記絶縁性基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂により構成されている多層配線板である。
請求項10に係る発明は、導電層を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせるとともに、可撓性を有する任意の配線回路付き基材の延長部が、マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて裏面に貼り合わされた多層配線板の製造方法であって、導電層に配線パターンを形成し、可撓性を有する絶縁層に貫通孔を形成してこの貫通孔に層間導通を得るための導電性物質を充填し、さらに所定の外形加工を施すことで前記配線回路付き基材を作製する工程と、導電層に配線パターンを形成し、所定位置に貼り合わせ用開口を有するカバーレイヤを導電層に被覆して前記マザーボードプリント配線板を作製する工程と、前記マザーボードプリント配線板の前記貼り合わせ用開口に、少なくとも1枚の前記配線回路付き基材を層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、前記仮貼りした可撓性を有する前記配線回路付き基材の延長部を、前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返して裏面に仮貼りする工程と、前記配線回路付き基材を仮貼りした前記マザーボードプリント配線板を加熱・加圧することで当該配線回路付き基材と当該マザーボードプリント配線板とを貼り合わせる工程と、を含む多層配線板の製造方法である。
請求項11に係る発明は、絶縁性基材の片面にのみ導電層を備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせるとともに、可撓性を有する任意の配線回路付き基材の延長部が、マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて前記絶縁性基材が除去され導電層の裏面が露出した部分に当該導電層と層間導通させて貼り合わされた多層配線板の製造方法であって、導電層に配線パターンを形成し、可撓性を有する絶縁層に貫通孔を形成してこの貫通孔に層間導通を得るための導電性物質を充填し、さらに所定の外形加工を施すことで前記配線回路付き基材を作製する工程と、導電層に配線パターンを形成し、所定位置に貼り合わせ用開口を有するカバーレイヤを導電層に被覆し、さらに絶縁性基材の一部を除去し導電層の裏面を露出させて前記マザーボードプリント配線板を作製する工程と、前記マザーボードプリント配線板の前記貼り合わせ用開口に、少なくとも1枚の前記配線回路付き基材を層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、前記仮貼りした可撓性を有する前記配線回路付き基材の延長部を前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返して、前記露出させた導電層の裏面に層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、前記配線回路付き基材を仮貼りした前記マザーボードプリント配線板を加熱・加圧することで当該配線回路付き基材と当該マザーボードプリント配線板とを貼り合わせる工程と、を含む多層配線板の製造方法である。
この発明は以上のように、導電層を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせた多層配線板であって、可撓性を有する任意の前記配線回路付き基材が前記貼り合わせ部から延長した延長部を有し、この延長部が、当該配線回路付き基材の導電層を外側にして前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて裏面に貼り合わされた構成としたので、マザーボードプリント配線板に貼り合わされる配線回路付き基材が予め外形加工がなされているため、自由な外形の配線回路付き基材をマザーボードプリント配線板の自由な位置に積層することができ、これにより、高い配線自由度および基板容積の縮小と、材料コストの削減とを両立させることができる効果がある。
また、マザーボードプリント配線板として、両面配線板に比べて材料コストが割安な片面配線板を用いているにもかかわらず、可撓性を有する配線回路付き基材の貼り合わせ部から延長した延長部をマザーボードプリント配線板の裏側へ折り返して裏面に貼り合わることで、マザーボードプリント配線板の裏面側にも配線回路付き基材の導電層を配置することができ、これにより、両面実装による高い配線自由度および基板容積の縮小を実現することができるうえ、マザーボードプリント配線板として両面配線板を用いる場合に比べて、材料コストのさらなる低減を図ることができる効果がある。
この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1、図2はこの発明による多層配線板の一実施形態を示す説明図であり、この多層配線板1は、導電層12を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板10に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材30からなる部分的配線板20A、20Bを、導電層12と層間導通させて貼り合わせて構成されたものである。
すなわち、この多層配線板1は、マザーボードプリント配線板10の導電層12側の表面13の複数箇所(図では2箇所)に、予め外形加工がなされて積層された島状の部分的配線板20A、20Bが設けられている。
マザーボードプリント配線板10は、片面銅張積層板(CCL)の銅箔に配線パターンを形成して導電層12としたものであり、絶縁性基材11はポリイミド樹脂系やポリエステル樹脂系等の可撓性樹脂により構成されている。マザーボードプリント配線板10の表面13のうち、部分的配線板20A、20Bが設けられていない部分は、カバーレイヤ15によって被覆されている。
部分的配線板20A、20Bは、この実施形態ではそれぞれ3層構造の積層体であり、マザーボードプリント配線板10の外形よりも小さい所定形状に予め外形加工された複数枚(3枚)の配線回路付き基材30を、マザーボードプリント配線板10の表面13に一括積層したものである。
配線回路付き基材30は、ポリイミド樹脂系やポリエステル樹脂系等の可撓性樹脂フィルムからなる絶縁性基材31の一側面(表面)に、配線パターンをなす導電層32が形成され、他側面(裏面)に層間接着層33が形成され、絶縁性基材31および層間接着層33に形成した貫通孔35(図3参照)に充填された導電性物質36によって層間導通部34が構成されている。
配線回路付き基材30の絶縁性基材31と、マザーボードプリント配線板10の絶縁性基材11とは、熱的特性、機械的特性が同一の絶縁材料により構成されていることが好ましく、そのようにすれば、熱膨張差や機械的強度差による反り、ひずみを生じることが未然に防止される。
層間導通部34は、図3に拡大して示すように、絶縁性基材31と層間接着層33とを貫通した貫通孔(バイアホール)35に導電性物質(導電性ペースト)36を穴埋め充填することで構成されたものであり、バイアホール35の導電性ペースト36によって層間導通を得る。導電性ペーストとして、銀ペースト、銅ペースト、カーボンペースト、ニッケルペースト等、種々の金属ペーストを用いることができる。
部分的配線板20Aの3層の配線回路付き基材30のうち、中間層をなす一枚の配線回路付き基材30xは、他のものより長尺(2倍以上)で、積層部(島部)より側方(図1、図2にて右方)にはみ出した延長部37を有している。延長部37は、マザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返され、層間接着層33xによってマザーボードプリント配線板10の裏面14に貼り合わされている。
これにより、マザーボードプリント配線板10が片面銅張積層板(CCL)を出発材料とする片面配線板であっても、マザーボードプリント配線板10の表面13側に加え、裏面14側に折り返して貼り付けられた配線回路付き基材30xの導電層32xによって、マザーボードプリント配線板10の裏面14側にも電子部品を実装できる。
つぎに、上記のような多層配線板1の製造方法の一実施形態を図4〜図6を参照して説明する。
図4は、マザーボードプリント配線板10の製造工程を示す。図4(a)に示すように、出発材料として、汎用の片面銅張ポリイミド基材50を用意する。片面銅張ポリイミド基材50は、ポリイミドフィルムによる絶縁性基材11の片面にのみ銅箔19を有する片面銅張積層板(CCL)である。
このような片面銅張ポリイミド基材50に、サブトラクティブ法によって導電層12を形成する。すなわち、まず銅箔19にエッチングレジストをラミネートし、配線パターンを露光、現像する。その後、塩化第2銅浴によって露出している銅をエッチングし、導電層12を形成する。次いで、エッチングレジストを除去し、図4(b)に示すような配線回路付きプリント板51とする。
なお、銅箔19のないポリイミド基材を出発材料としてアディティブ法、セミアディティブ法によって、導電層12が形成された配線回路付きプリント板51を得ることもできる。
図4(c)に示すように、配線パターンをなす導電層12を保護するため、配線回路付きプリント板51の表面に、配線回路付き基材30を積層する部分(貼り合わせ部)16を予め開口させたカバーレイヤ15を被覆する。カバー層としては、ソルダーレジスト等を使用することができる。これにより、マザーボードプリント配線板10が完成する。
図5は、配線回路付き基材30の製造工程を示す。図5(a)に示すように、出発材料として、汎用の片面銅張ポリイミド基材60を用意する。片面銅張ポリイミド基材60は、マザーボードプリント配線板10用の片面銅張ポリイミド基材50と同様のものであり、ポリイミドフィルムによる絶縁性基材31の片面にのみ銅箔39を有する片面銅張積層板(CCL)である。
なお、マザーボードプリント配線板10の絶縁性基材11と配線回路付き基材30の縁性基材31は、熱的、機械的観点から、同じ材料によって構成されていることが望ましい。
まず、図5(b)に示すように、片面銅張ポリイミド基材60の銅箔39を、マザーボードプリント配線板10作成と同様にエッチングし、配線パターンをなす導電層32を形成する。
ついで、図5(c)に示すように、絶縁性基材31の導電層32とは反対側の面に、熱可塑性ポリイミドに熱硬化性機能を付与したフィルムを熱プレス機によって貼り合わせることで、層間接着層33を形成する。
層間接着層33としては、この他に、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂もしくはこれらの2種類以上の混合樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリアミド樹脂なども使用することができる。
絶縁性基材31の片面に層間接着層33を有する構成は、表裏非対称なものであるから、層間接着層33を形成した後の工程で不具合になるような反りが発生しないことが好ましく、層間接着層33は、ガラス転移温度が110℃以下、常温弾性率が1300MPa以下であることが好ましい。
つぎに、図5(d)に示すように、層間接続したい任意の位置に、層間接着層33側からUV−YAGレーザを照射し、層間接着層33および絶縁性基材31を貫通して導電層32に接する貫通孔(バイアホール)35を形成する。この孔あけは、UV−YAGレーザ以外に、炭酸ガスレーザやエキシマレーザ等によって高速加工することができる。
孔あけ加工後、プラズマ照射によるソフトエッチングを施すことより、デスミアを行う。デスミアは過マンガン酸塩を使用した湿式デスミアでもよい。
つぎに、図5(e)に示すように、貫通孔(バイアホール)35に熱硬化性の導電性ペースト(銀ペースト)36を印刷法等によって穴埋め充填し、層間導通部34を完成させる。導電性ペースト36は、金、銅、ニッケル、炭素粉末、もしくはこれらの合金粉末、混合粉末とフェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などのバインダ成分とを混合して調整された導電性組成物でもよい。
なお、導電性ペースト36の印刷・充填には、メタルマスクを用いた印刷法や、マスキングフィルムを用いた印刷法やディスペンサによる充填法が適用できる。
つぎに、導電性ペースト36を充填した配線回路付きプリント板61をオーブンにて加熱し、導電層ペースト36を乾燥(仮硬化)させる。
次に、配線回路付きプリント板61を、図5(f)に点線Cで示すように、所定形状に外形加工することを目的として金型でプレスすることで、図5(g)、(h)に示すように、所望の大きさの複数個の配線回路付き基材30を得る。配線回路付き基材30のうち、部分的配線板20Aの中間層のための配線回路付き基材30xは、他のものより2倍以上の長さを有する長尺に外形加工されている。
図6は、配線回路付き基材30の積層工程を示す。図6(a)に示すように、マザーボードプリント配線板10の表面13に、各々所定枚数の配線回路付き基材30を位置合わせした後に重ね合わせ、図6(b)に示すように、下層のものから順次仮貼りする。
そして、長尺の配線回路付き基材30xが積層部より右方にはみ出している延長部37を、マザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返し、マザーボードプリント配線板10の裏面14に仮貼りする。
つぎに、真空プレス機により真空度1kPa以下の真空雰囲気で加熱・加圧し、図6(c)に示すような多層配線板1を完成させる。
位置合わせには、ピンアライメント方式をとっても構わないが、ガイド穴のスペースが必要となるため、好ましくない。したがって、画像認識による位置合わせを実施した。
なお、図には示していないが、マザーボードプリント配線板10のカバーレイヤ15と部分的配線板20A、20Bの隙間や、部分的配線板20A、20Bの側面等は、ソルダーレジストの塗布によって被覆する。
このような多層配線板1の製造方法は、要約すると、層間導通部34を有する配線回路付き基材30を作製する工程(図5(a)〜(e))、配線回路付き基材30、30xの外形加工を行う工程(図5(f)〜(h))、絶縁性基材11の片面に導電層12を有するマザーボードプリント配線板10を作製する工程(図4(a)〜(c))、マザーボードプリント配線板10の表面13に、外形加工された複数枚の配線回路付き基材30、30xを積層状態で貼り合わせる工程(図6(a)、(b))、配線回路付き基材30xの延長部37をマザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返し、マザーボードプリント配線板10の裏面14に貼り合わせる工程(図6(c))、および、真空プレス機により加熱・加圧する工程を有する。
以上説明したように、この多層配線板1によれば、片面銅張ポリイミド基材等の片面基材を出発材とした多層配線板において、設計の自由度を損なうことなく、任意位置の裏面に実装領域を設けることができる。
裏面実装領域は、たとえば、図7に示すように、クロス形状に形成さたマザーボードプリント配線板10の各部に設けられたすべての部分的配線板20について延長部37を設け、各延長部37をマザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返すことにより、各部分的配線板20について裏面実装領域を設けることもできる。
図8、図9は、この発明による多層配線板の他の実施形態を示す。この多層配線板2を示す図8、図9において、図1〜図6に対応する部分は、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。なお、図8(a)〜(c)は、図6の(a)〜(c)に示す配線回路付き基材30の積層工程と同等の積層工程を示している。
この実施形態では、マザーボードプリント配線板10の所定位置に、配線回路付き基材30xの延長部37を挿通することができる大きさの開口部17が貫通形成されている。
配線回路付き基材30xの延長部37は開口部17を通過してマザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返され、層間接着層33xによってマザーボードプリント配線板10の裏面14に貼り合わされている。
これにより、片面銅張ポリイミド基材等の片面基材を出発材とした多層配線板2において、マザーボードプリント配線板10の任意の位置に開口部17を設けることにより、設計の自由度を損なうことなく、より自由度が高い任意位置の裏面に実装領域を設けることができる。
図10は、この発明による多層配線板の他の実施形態を示す。この多層配線板3を示す図10において、(a)は多層化工程前を、(b)は多層化工程後を示している。
この実施形態では、配線回路付き基材30xの延長部37の先端側にも複数枚の配線回路付き基材30が積層され、マザーボードプリント配線板10の裏面実装領域も配線回路付き基材30によって多層化されている。
これにより、片面銅張ポリイミド基材等の片面基材を出発材とした多層配線板3において、両面多層化・両面実装が可能になる。
図11、図12は、この発明による多層配線板の他の実施形態を示す。この多層配線板4を示す図11、図12において、(a)は多層化工程前を、(b)は表面多層化工程後を、(c)はマザーボードプリント配線板の裏面の一部開口工程前を、(d)は裏面多層化工程後を示している。
この実施形態では、マザーボードプリント配線板10の絶縁性基材11のうち、マザーボードプリント配線板10の裏面に配線回路付き基材30を貼り合わされる部分がエッチング等によって除去され、除去部18においてマザーボードプリント配線板10の裏面14側に導電層12の裏面12Aが露出している。
配線回路付き基材30xの延長部37の先端側の表裏両面には配線回路付き基材30が積層されている。配線回路付き基材30xの延長部37は、マザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返され、裏面側の配線回路付き基材30の層間接着層33によってマザーボードプリント配線板10の除去部18に貼り合わされ、配線回路付き基材30の裏面貼り合わせ部分がマザーボードプリント配線板10の裏面14側で導電層12と導通接続されている。
これにより、片面銅張ポリイミド基材等の片面基材を出発材とした多層配線板4において、両面導通の両面多層化・両面実装が可能になる。
図13は、この発明による多層配線板の他の実施形態を示す。この多層配線板5を示す図13においても、図1〜図6に対応する部分は、図1〜図6に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
マザーボードプリント配線板10の表面13に、予め外形加工をなされた1枚の長尺の配線回路付き基材30xの一部分30Aが、配線回路付き基材30xの層間導通部34によってマザーボードプリント配線板10の導電層12と導通する関係で、貼り合わされて部分的に多層化されている。
配線回路付き基材30xのうちマザーボードプリント配線板10の表面13に貼り合わされていない他の部分30Bは、マザーボードプリント配線板10の表面13とは反対の裏面14側に折り返され、マザーボードプリント配線板10の裏面14に貼り合わされている。
これにより、片面銅張ポリイミド基材等の片面基材を出発材とした多層配線板5において、配線回路付き基材30xのマザーボードプリント配線板10裏面14側への折り返し、貼り合わせにより、マザーボードプリント配線板10の表面13側に加えて裏面14側にも電子部品を実装できる。
この発明による多層配線板の一実施形態を示す断面図である。 この発明による多層配線板の一実施形態の模式的な平面図である。 配線回路付き基材の層間導通部の拡大断面図である。 マザーボードプリント配線板の製造工程の一実施形態を示す工程図である。 配線回路付き基材の製造工程の一実施形態を示す工程図である。 配線回路付き基材の積層工程の一実施形態を示す工程図である。 部分的配線板の配置を示す模式的な平面図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態を示す工程図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態の模式的な平面図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態を示す工程図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態を示す工程図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態を示す工程図である。 この発明による多層配線板の他の実施形態を示す断面図である。
符号の説明
1、2、3、4、5 多層配線板
10 マザーボードプリント配線板
11 絶縁性基材
12 導電層
13 表面
14 裏面
15 カバーレイヤ
16 貼り合わせ部
17 開口部
18 除去部
19 銅箔
20A、20B 部分的配線板
30、30x 配線回路付き基材
30A 一部分
30B 他の部分
31 絶縁性基材
32 導電層
33 層間接着層
34 層間導通部
35 貫通孔(バイアホール)
36 導電性物質(導電性ペースト)
37 延長部
39 銅箔
50、60 片面銅張ポリイミド基材

Claims (11)

  1. 導電層を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせた多層配線板であって、
    可撓性を有する任意の前記配線回路付き基材が前記貼り合わせ部から延長した延長部を有し、この延長部が、当該配線回路付き基材の導電層を外側にして前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて裏面に貼り合わされたことを特徴とする多層配線板。
  2. 絶縁性基材の片面にのみ導電層を備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせた多層配線板であって、
    可撓性を有する任意の前記配線回路付き基材が前記貼り合わせ部から延長した延長部を有し、この延長部が前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて前記絶縁性基材が除去され導電層の裏面が露出した部分に、マザーボードプリント配線板の当該導電層の裏面と当該配線回路付き基材の導電層とを層間導通させて貼り合わされたことを特徴とする多層配線板。
  3. 前記配線回路付き基材は、前記マザーボードプリント配線板の縁辺の外側を通って折り返されて裏面に貼り合わされたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の多層配線板。
  4. 前記配線回路付き基材は、前記マザーボードプリント配線板に形成した開口部を通って折り返されて裏面に貼り合わされたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の多層配線板。
  5. 前記マザーボードプリント配線板の表面における前記配線回路付き基材の貼り合わせ部の外形は、前記マザーボードプリント配線板の外形に比べて小さく形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の多層配線板。
  6. 前記マザーボードプリント配線板の裏面における前記配線回路付き基材の貼り合わせ部には、当該配線回路付き基材の導電層と層間導通させて別の配線回路付き基材が貼り合わされたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の多層配線板。
  7. 前記配線回路付き基材の絶縁層は、ポリイミド等の可撓性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の多層配線板。
  8. 前記配線回路付き基材の絶縁層には貫通孔が形成され、この貫通孔に充填された導電性物質により前記層間導通を得ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の多層配線板。
  9. 前記マザーボードプリント配線板の絶縁層または前記絶縁性基材は、ポリイミド等の可撓性樹脂により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多層配線板。
  10. 導電層を片面にのみ備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせるとともに、可撓性を有する任意の配線回路付き基材の延長部が、マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて裏面に貼り合わされた多層配線板の製造方法であって、
    導電層に配線パターンを形成し、可撓性を有する絶縁層に貫通孔を形成してこの貫通孔に層間導通を得るための導電性物質を充填し、さらに所定の外形加工を施すことで前記配線回路付き基材を作製する工程と、
    導電層に配線パターンを形成し、所定位置に貼り合わせ用開口を有するカバーレイヤを導電層に被覆して前記マザーボードプリント配線板を作製する工程と、
    前記マザーボードプリント配線板の前記貼り合わせ用開口に、少なくとも1枚の前記配線回路付き基材を層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、
    前記仮貼りした可撓性を有する前記配線回路付き基材の延長部を、前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返して裏面に仮貼りする工程と、
    前記配線回路付き基材を仮貼りした前記マザーボードプリント配線板を加熱・加圧することで当該配線回路付き基材と当該マザーボードプリント配線板とを貼り合わせる工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
  11. 絶縁性基材の片面にのみ導電層を備えたマザーボードプリント配線板に、予め外形加工がなされた少なくとも1枚の配線回路付き基材を前記導電層と層間導通させて貼り合わせるとともに、可撓性を有する任意の配線回路付き基材の延長部が、マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返されて前記絶縁性基材が除去され導電層の裏面が露出した部分に当該導電層と層間導通させて貼り合わされた多層配線板の製造方法であって、
    導電層に配線パターンを形成し、可撓性を有する絶縁層に貫通孔を形成してこの貫通孔に層間導通を得るための導電性物質を充填し、さらに所定の外形加工を施すことで前記配線回路付き基材を作製する工程と、
    導電層に配線パターンを形成し、所定位置に貼り合わせ用開口を有するカバーレイヤを導電層に被覆し、さらに絶縁性基材の一部を除去し導電層の裏面を露出させて前記マザーボードプリント配線板を作製する工程と、
    前記マザーボードプリント配線板の前記貼り合わせ用開口に、少なくとも1枚の前記配線回路付き基材を層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、
    前記仮貼りした可撓性を有する前記配線回路付き基材の延長部を前記マザーボードプリント配線板の裏側へ折り返して、前記露出させた導電層の裏面に層間導通させるべく位置合わせして仮貼りする工程と、
    前記配線回路付き基材を仮貼りした前記マザーボードプリント配線板を加熱・加圧することで当該配線回路付き基材と当該マザーボードプリント配線板とを貼り合わせる工程と、
    を含むことを特徴とする多層配線板の製造方法。
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JP2006310544A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Ngk Spark Plug Co Ltd 多層配線基板及びその製造方法、多層配線基板構造体

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