JP2005109226A - トレンチ横型伝導度変調半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

トレンチ横型伝導度変調半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】横型IGBTにおいて、従来と同等以上の耐圧と駆動電流を有し、かつラッチアップ耐量を高くし、さらに単位面積あたりのオン抵抗を低くすること。
【解決手段】半導体装置の表面側にエミッタ領域となる第3の半導体領域6と制御電極8を設ける。コレクタ領域となる第6の半導体領域12をトレンチ20,21の底に設けることによって、耐圧を保持する部分を半導体装置の深さ方向に設ける。第6の半導体領域12からトレンチ20,21を通って半導体装置の表面にコレクタ電極となる金属プラグ10,23を引き出す。エミッタ電極となる第1の電極7と金属プラグ10,23よりなるコレクタ電極を制御電極8に対して同じ側で、かつコレクタ電極の方が制御電極8から遠くなるように設けることによって、第6の半導体領域12から注入された伝導度変調に必要なキャリアの大部分を第3の半導体領域6の直下を通らずにエミッタ電極に到達させる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関し、特に単位面積あたりのオン抵抗が低く、かつ短絡耐量が高いトレンチ構造を有する横型の伝導度変調半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
一般に、SOI(シリコンオンインシュレーター)基板上に作製された高耐圧スイッチング素子は、プラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイのドライバICや車載ICなどの出力段に使われている。そのような素子のうち、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(以下、IGBTとする)は、MOS素子のように駆動回路の構成が簡素であることと、バイポーラトランジスタのように耐圧部分の伝導度変調によりオン抵抗が低いという利点を有するため、重要視されている(たとえば、非特許文献1参照。)。
図39は、従来の厚膜SOI基板を用いて作製されたIGBTの断面構成を示す図である。図39に示すように、SOI基板は、支持基板101上に絶縁層102を介して活性層となる抵抗率の高いn-半導体層103を積層した構成となっている。n-半導体層103の表面層の一部に、p半導体領域104が設けられている。このp半導体領域104の表面層の一部には、n+半導体領域106と、これに接する第1のp+半導体領域105が設けられている。第1のp+半導体領域105の一部は、n+半導体領域106の下の部分を占めている。
また、n-半導体層103の表面層の一部に、n半導体領域111がp半導体領域104から離れて設けられている。n半導体領域111の抵抗率は、n-半導体層103よりも低い。このn半導体領域111の表面層の一部には、第2のp+半導体領域112が設けられている。エミッタ電極107は、第1のp+半導体領域105とn+半導体領域106の両方に接触する。また、n-半導体層103とn+半導体領域106で挟まれるp半導体領域104の表面上には、絶縁膜109を介してゲート電極108が設けられている。また、第2のp+半導体領域112には、コレクタ電極110が接触している。
図39に示す構成のIGBTでは、第2のp+半導体領域112と、n半導体領域111およびn-半導体層103よりなるn領域と、p半導体領域104とで構成されるPNPバイポーラトランジスタと、n+半導体領域106とp半導体領域104とn-半導体層103とで構成されるNPNバイポーラトランジスタにより、寄生サイリスタが構成される。この寄生サイリスタによるラッチアップを避けるため、オン電流に上限が設定される。このオン電流の上限値を高くするには、前記NPNバイポーラトランジスタが作動しないようにすればよい。そのためには、チャネル端側からn+半導体領域106の下を通って第1のp+半導体領域105に至る電流経路の抵抗を低く抑える必要がある。
これに関して、イオン注入により前記電流経路の抵抗を下げる方法が報告されている(たとえば、非特許文献2参照。)。また、第1のp+半導体領域105を形成する際にマスク整合により不確定さを除去し、前記電流経路の長さを最小限にし、ゲート電極と自己整合をとることができるトレンチエミッタ電極を形成する方法が報告されている(たとえば、非特許文献3参照。)。また、素子がオン状態のときに、第2のp+半導体領域112からn-半導体層103に流れ込むキャリアの一部を、前記電流経路を通さずに第1のp+半導体領域105に到達させる構造が報告されている(たとえば、非特許文献4参照。)。
ところで、HV(ハイボルテージ)ICにおいて、高電圧の金属配線がPN接合を横切る場合にブレークダウンが起こりやすいことの対策として、HV(ハイボルテージ)ICの配線に、フィールドプレートとして働く電気的にフローティングな導電領域を用いることが報告されている(たとえば、非特許文献5参照。)。また、SOI基板の絶縁層と活性層となるn-半導体層との間にn+半導体層を設けることによって、金属汚染に対するゲッタリング効果が得られるとの報告がある(たとえば、非特許文献6参照。)。
エッチ・スミダ(H. Sumida)、外2名、「ア ハイ−ボルテージ ラテラル IGBT ウィズ シグニフィカントリィ インプルーブド オン−ステート キャラクタリスティクス オン SOI フォア アン アドバンスト PDP スキャン ドライバ IC(A High-Voltage Lateral IGBT with Significantly Improved On-State Characteristics on SOI for an Advanced PDP Scan Driver IC」、2002 アイ・トリプル・イー インターナショナル SOI カンファレンス,10/02(2002 IEEE International SOI Conference,10/02)、(米国)、2002年、p.64−65 ディ・アール・ディズニー(D. R. Disney)、外1名、「SOI LIGBT デバイシズ ウィズ ア デュアル P−ウェル インプラント フォア インプルーブド ラッチング キャラクタリスティクス(SOI LIGBT Devices with a Dual P-Well Implant for Improved Latching Characteristics)」、5th インターナショナル シンポジウム オン パワー セミコンダクタ デバイシズ アンド ICs(5th International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs)、(米国)、1993年、p.254−258 フィリップ・ケイ・ティー・モク(Philip K. T. Mok)、外2名、「ア セルフ−アラインド トレンチド カソード ラテラル インシュレイテッド ゲート バイポーラ トランジスタ ウィズ ハイ ラッチ−アップ レジスタンス(A Self-Aligned Trenched Cathode Lateral Insulated Gate Bipolar Transistor with High Latch-Up Resistance)」、アイ・トリプル・イー トランザクション オン エレクトロン デバイシズ(IEEE TRANSACTION ON ELECTRON DEVICES)、(米国)、1995年12月、第42巻、第12号、p.2236−2239 ジュン・カイ(Jun Cai)、外4名、「ア ニュー ラテラル トレンチ−ゲート コンダクティビティ モジュレイテッド パワー トランジスタ(A New Lateral Trench-Gate Conductivity Modulated Power Transistor)」、アイ・トリプル・イー トランザクション オン エレクトロン デバイシズ(IEEE TRANSACTION ON ELECTRON DEVICES)、(米国)、1999年8月、第46巻、第8号、p.1788−1793 フィリップ・ケイ・ティー・モク(Philip K. T. Mok)、外1名、「インターコネクト インデュースト ブレークダウン イン HVIC’s(Interconnect Induced Breakdown in HVIC's)」、プロシーディングス オブ ザ シンポジウム オン ハイ ボルテージ アンド スマートパワー Ics(Proceedings of the Symposium on High Voltage and Smart Power Ics)、(米国)、1989年、p.206−217 ピー・パパコンスタンチノウ(P. Papakonstaninou)、外6名著、シー・イー・フント(C. E. Hunt)、外3名編、「ジ エレクトロケミカル ソサイエティ プロシーディングス シリーズ(The Electrochemical Society Proceedings Series)(PV99−35)イン セミコンダクタ ウエハ ボンディング: サイエンス、テクノロジ アンド アプリケーションズ V/1999(in Semiconductor Wafer Bonding: Science, Technology and Applications V/1999)」、(米国)、ニュージャージ州ペニントン(Pennington,Nj)、2000年
しかしながら、図39に示す構成のIGBTでは、ドリフト領域がデバイスの表面方向に沿って形成されているので、耐圧を上げようとするとドリフト領域をデバイスの表面方向に延ばさなければならない。そのため、高集積化の妨げとなるという問題点がある。また、ドリフト領域をデバイスの表面方向に延ばすとデバイスピッチが増大し、オン抵抗が増大するという問題点がある。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、従来の横型IGBTと同等以上の耐圧と駆動電流を有し、かつラッチアップ耐量が高く、さらに単位面積あたりのオン抵抗が低い横型IGBTを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、絶縁層により支持基板から絶縁された第1導電型の半導体層と、前記半導体層の表面層の一部に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第1の半導体領域と、前記半導体層の表面層の一部に前記第1の半導体領域と接して設けられた第2導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域の表面上に第1の絶縁膜を介して設けられた制御電極と、前記第2の半導体領域の表面層の一部に設けられた第1導電型の第3の半導体領域と、前記第3の半導体領域の下に前記制御電極の第3の半導体領域側の終端に整合するように形成された第2導電型で前記第2の半導体領域よりも抵抗率の低い第4の半導体領域と、前記第3の半導体領域および前記第4の半導体領域の両方に電気的に接続する第1の電極と、前記制御電極に対して前記第1の電極と同じ側で、かつ前記第1の電極よりも前記制御電極から離れた位置で前記第2の半導体領域を貫通して前記半導体層に達する第1のトレンチと、前記第1のトレンチの側面に設けられた第2の絶縁膜と、前記第1のトレンチの底面からさらに前記半導体層の深い位置に達する第2のトレンチと、前記第2のトレンチの下に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第5の半導体領域と、前記第5の半導体領域内に設けられた第2導電型の第6の半導体領域と、前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの内側に設けられた第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜により囲まれる領域を通って前記第2のトレンチの底面で前記第6の半導体領域に電気的に接続する第2の電極と、を備えることを特徴とする。
この請求項1の発明によれば、耐圧を保持する部分が半導体装置の深さ方向に設けられており、また第2の電極が半導体層中の第6の半導体領域から第1および第2のトレンチを通って半導体装置の表面に引き出されていることにより、単位セルが占める面積を従来の横型IGBTよりも小さくすることができる。また、第1の電極と第2の電極が制御電極に対して同じ側に設けられていることにより、第6の半導体領域側から注入された伝導度変調に必要なキャリアの大部分は第3の半導体領域の直下を通らずに第1の電極に到達することができる。さらに、第3の半導体領域の直下に第4の半導体領域が設けられていることにより、チャネル側から流入した伝導度変調に必要なキャリアが第4の半導体領域を流れる際の電圧降下をPN接合のターンオン電圧よりも低くすることができる。また、第2の電極が、半導体層と第2の半導体領域との界面で形成されるPN接合の近傍を通っているため、PN接合のトレンチ側壁側で基板表面に平行な高電界が生じ、デバイスが逆バイアスされるときにPN接合が破壊する原因となるが、第1のトレンチの側面に第2の絶縁膜が設けられていることにより、この電界を緩和することができる。
また、請求項2の発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、請求項1に記載の発明において、前記絶縁層と前記半導体層との間に第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第7の半導体領域をさらに備えることを特徴とする。
この請求項2の発明によれば、第7の半導体領域が設けられていることにより、ドリフト領域中の電界分布が緩和されるので、耐圧が向上する。また、第7の半導体領域が金属汚染に対するゲッタ層となるので、ゲッタリング効果が得られる。また、第7の半導体領域は高濃度に不純物をドープされるため、少数キャリア寿命が短い。よって、コレクタから注入される少数キャリアの一部を再結合させることができ、デバイスのターンオフ速度を向上することができる。
また、請求項3の発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、支持基板上にエピタキシャル成長された第1導電型の半導体層と、前記半導体層の表面層の一部に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第1の半導体領域と、前記半導体層の表面層の一部に前記第1の半導体領域と接して設けられた第2導電型の第2の半導体領域と、前記第2の半導体領域の表面上に第1の絶縁膜を介して設けられた制御電極と、前記第2の半導体領域の表面層の一部に設けられた第1導電型の第3の半導体領域と、前記第3の半導体領域の下に前記制御電極の第3の半導体領域側の終端に整合するように形成された第2導電型で前記第2の半導体領域よりも抵抗率の低い第4の半導体領域と、前記第3の半導体領域および前記第4の半導体領域の両方に電気的に接続する第1の電極と、前記制御電極に対して前記第1の電極と同じ側で、かつ前記第1の電極よりも前記制御電極から離れた位置で前記第2の半導体領域を貫通して前記半導体層に達する第1のトレンチと、前記第1のトレンチの側面に設けられた第2の絶縁膜と、前記第1のトレンチの底面からさらに前記半導体層の深い位置に達する第2のトレンチと、前記第2のトレンチの下に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第5の半導体領域と、前記第5の半導体領域内に設けられた第2導電型の第6の半導体領域と、前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの内側に設けられた第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜により囲まれる領域を通って前記第2のトレンチの底面で前記第6の半導体領域に電気的に接続する第2の電極と、を備えることを特徴とする。
この請求項3の発明によれば、SOI基板に代えて支持基板上に半導体層をエピタキシャル成長させた基板(エピタキシャルウエハ)を用いた場合でも、請求項1と同様の効果が得られる。
また、請求項4の発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、前記第1の電極は、前記第3の半導体領域を貫通して前記第4の半導体領域に達する第3のトレンチ内に埋め込まれていることを特徴とする。
この請求項4の発明によれば、第1の電極がトレンチ構造になっていることにより、第1の電極を装置表面に設けるプレーナ構造の場合よりもセルピッチを小さくすることができる。したがって、単位面積あたりのオン抵抗が低くなる。また、ラッチアップ耐量および短絡耐量をより高くすることができる。
また、請求項5の発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜との間に、前記半導体層と前記第2の半導体領域とのPN接合面よりも深い位置まで伸びる導電体をさらに備えることを特徴とする。
この請求項5の発明によれば、導電体を電気的にフローティングにしてフィールドプレートとすることにより、半導体層と第2の半導体領域とのPN接合のトレンチ側壁側で生じる基板表面に平行な電界を遮蔽することができるので、半導体層と第2の半導体領域とのPN接合を保護することができる。また、半導体層、第3の絶縁膜および第2の電極はキャパシタを構成しており、第2の電極の印加電圧の増加に伴って半導体層と第3の絶縁膜との界面に蓄積層が形成されるため、ドリフト領域の電界集中を招き、耐圧が低下する。これに対して、電気的にフローティングな導電体が設けられていることにより、蓄積層の形成されやすい箇所における蓄積層の形成を抑制することができるので、耐圧が向上する。
また、請求項6の発明にかかる半導体装置の製造方法は、半導体基板に深さの異なる2つのトレンチを形成し、これらトレンチ内に金属層を充填する半導体装置の製造方法において、前記2つのトレンチのうち一方のトレンチを形成する工程と、該一方のトレンチ内に犠牲層を形成する工程と、前記2つのトレンチのうち他方のトレンチを形成する工程と、該他方のトレンチ内に金属層を充填する工程と、前記一方のトレンチ内の前記犠牲層を除去する工程と、前記一方のトレンチ内に金属層を充填する工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項7の発明にかかる半導体装置の製造方法は、請求項6に記載の発明において、前記犠牲層を形成する工程の前に、トレンチ内のダメージを除去する工程を含んだことを特徴とする。
本発明によれば、単位セルが占める面積を従来の横型IGBTよりも小さくすることができるので、単位面積あたりのオン抵抗を低減することができる。また、伝導度変調に必要なキャリアの一部は第3の半導体領域の直下を通らずに第1の電極に到達し、一方、チャネル側から流入した伝導度変調に必要なキャリアが第4の半導体領域を流れる際の電圧降下をPN接合のターンオン電圧よりも低くすることができるので、ラッチアップ耐量を向上させることができ、また短絡耐量を向上させることができる。さらに、第2の絶縁膜が設けられていることにより、半導体層と第2の半導体領域とからなるPN接合のトレンチ側壁側における電界を緩和することができるので、耐圧が向上する。したがって、従来の横型IGBTと同等以上の耐圧と駆動電流を有し、かつラッチアップ耐量が高く、さらに単位面積あたりのオン抵抗が低い横型IGBTが得られるという効果を奏する。また、SOI基板を用いることにより、容易にCMOSデバイスと集積することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図1に示すように、実施の形態1では、SOI基板が用いられている。p-半導体等よりなる支持基板1の上に酸化膜等の絶縁層2が設けられており、さらにその上に活性層となるn-半導体層3が設けられている。そして、絶縁層2と半導体層3との間には、半導体層3に比べて抵抗率が非常に低いn+半導体よりなる第7の半導体領域18が設けられている。この第7の半導体領域18は金属汚染に対するゲッタリング効果を有する。つまり、第7の半導体領域18はゲッター層を兼ねている。
半導体層3の表面層の一部には、半導体層3よりも抵抗率の低いn半導体よりなる第1の半導体領域17が設けられている。この第1の半導体領域17と半導体層3は、デバイスの耐圧を保持するドリフト領域となる。また、半導体層3の表面層の一部に、p半導体よりなる第2の半導体領域4が第1の半導体領域17に接して設けられている。第2の半導体領域4はpボディ領域となる。ここで、第1の半導体領域17のドーピング濃度は半導体層3よりも高いため、JFET(接合形FET)効果が生じにくく、オン抵抗の低減とセルピッチの縮小を実現することができる。
第2の半導体領域4の表面層の一部に、第1の半導体領域17から離れてn+半導体よりなる第3の半導体領域6が設けられている。この第3の半導体領域6はエミッタ領域となる。第2の半導体領域4および第1の半導体領域17の上には、酸化膜等からなる第1の絶縁膜9が設けられている。この第1の絶縁膜9は、第1の半導体領域17と第3の半導体領域6との間における第2の半導体領域4の表面上で薄いゲート絶縁膜となる。第1の絶縁膜9の上には、ゲート電極となる制御電極8が設けられている。
また、第2の半導体領域4において第3の半導体領域6の下に、第2の半導体領域4よりも抵抗率の低いp+半導体よりなる第4の半導体領域5が設けられている。この第4の半導体領域5は、制御電極8の第3の半導体領域6側の終端に整合するように形成されている。エミッタ電極となる第1の電極7は、第3の半導体領域6を貫通して第4の半導体領域5に達する第3のトレンチ19内にバリアメタル層16aを介して埋め込まれている。第1の電極7は、第3のトレンチ19の側面において第3の半導体領域6と第4の半導体領域5の両方に電気的に接続している。
制御電極8に対して第1の電極7と同じ側で、かつ第1の電極7よりも制御電極8から離れた位置に、第2の半導体領域4を貫通して半導体層3に達する第1のトレンチ20が形成されている。つまり、第1のトレンチ20は、第2の半導体領域4と半導体層3とから形成されるPN接合面よりも深い位置まで形成されている。この第1のトレンチ20の側面には、酸化膜等からなる第2の絶縁膜13が設けられている。第2の絶縁膜13の内側には、ポリシリコンまたはその他の導電材よりなる導電体14が、第2の半導体領域4と半導体層3とから形成されるPN接合面よりも深い位置まで設けられている。この導電体14は、第2の絶縁膜13および後述する第3の絶縁膜22により他の半導体部分や電極等から絶縁されていて、電気的にフローティング状態となっており、フィールドプレートとして働く。
第1のトレンチ20の底面からは、さらに半導体層3の深い位置に達する第2のトレンチ21が形成されている。半導体層3内において第2のトレンチ21の下には、半導体層3よりも抵抗率の低いn半導体よりなる第5の半導体領域11が設けられている。この第5の半導体領域11はnバッファ領域となる。第5の半導体領域11内には、第2の半導体領域4よりも抵抗率の低いp+半導体よりなる第6の半導体領域12が設けられている。この第6の半導体領域12は伝導度変調のためのキャリア注入層となる。
第1のトレンチ20および第2のトレンチ21の内側には、酸化膜等からなる第3の絶縁膜22が設けられている。第1のトレンチ20において第3の絶縁膜22の内側領域は、バリアメタル層16bを介して金属プラグ10で埋め込まれている。また、第2のトレンチ21において第3の絶縁膜22の内側領域は、バリアメタル層15を介して金属プラグ23で埋め込まれている。金属プラグ23と金属プラグ10とはバリアメタル層16bを介して電気的に接続されている。また、金属プラグ23はバリアメタル層15を介して第6の半導体領域12に電気的に接続する。これら金属プラグ10および金属プラグ23はコレクタ電極となる第2の電極を構成する。
上述した構成において、制御電極8に印加されるゲート電圧が閾値電圧を超えると、第3の半導体領域6と第1の半導体領域17との間で、第2の半導体領域4と第1の絶縁膜9との界面にチャネルが形成される。図2は、デバイスの平面レイアウトの一例を模式的に示す図である。図2に示すように、第2のトレンチ21内の金属プラグ23は活性領域30の内外にわたって設けられる。第1のトレンチ20内の金属プラグ10は活性領域30の外側において金属プラグ23の一部の上に設けられる。つまり、金属プラグ10および金属プラグ23よりなるコレクタ電極は、活性領域30の外側において基板表面に引き出される。そして、基板表面に引き出されたコレクタ電極(金属プラグ23)は、ビア31を介して活性領域30の外側に配置された金属配線32に電気的に接続する。
つぎに、上述した構成の半導体装置の作用について説明する。図3は、図1のA−A’におけるデバイス中の電界分布を示す図である。第2の半導体領域4と半導体層3との界面での電界が臨界電界ECになると、図3においてabcdで囲まれる面積がデバイスの耐圧となる。ただし、絶縁層2が十分に厚く、絶縁層2とその上の半導体層との界面でブレークダウンが起こらないことと、耐圧値で半導体層3が完全に空乏化することと、第5の半導体領域11がパンチスルーしないこととする。なお、図3において、「コレクタ」として示した二点鎖線はコレクタの底、すなわち図1において第2のトレンチ21の底の位置を表す(図4においても同じ)。
図4は、図1に示す構成のデバイスにおいて第7の半導体領域18がなく、絶縁層2とその上の半導体層3との界面に空乏層が形成される場合の図1A−A’に相当するデバイス中の電界分布を示す図である。絶縁層2と半導体層3との界面に反転層が形成される場合、ホールが第6の半導体領域12からその反転層を経由して第2の半導体領域4まで到達するので、デバイスはパンチスルーした状態となる。図4に示す電界分布では、デバイスの耐圧は、abcで囲まれる半導体層3の面積とほぼ等しくなる。第7の半導体領域18を有するデバイスの耐圧は、絶縁層2とその上の半導体層との界面の状況、および支持基板1に印加されるグランド電位に依存しないので、デバイスの信頼性が向上する。
また、第5の半導体領域11は、第6の半導体領域12からの伝導度変調キャリアの注入量を制御し、素子オン抵抗とターンオフロスのトレードオフ関係を生んでいる。デバイスがオン状態のとき、第6の半導体領域12からドリフト領域(半導体層3および第1の半導体領域17)にホールが注入され、それによってドリフト領域に伝導度変調が起こり、ドリフト領域の抵抗が下がる。ドリフト領域に注入されたホールは、第2の半導体領域4を通って第1の電極7に到達するが、その際、ホールの一部は第3の半導体領域6の真下を通らずに第1の電極7に到達する。
ところで、図1に示す構成のデバイスでは、第6の半導体領域12のp領域と、第5の半導体領域11および半導体層3よりなるn領域と、第2の半導体領域4のp領域とで構成されるPNPバイポーラトランジスタと、第3の半導体領域6のn領域と、第4の半導体領域5および第2の半導体領域4よりなるp領域と、半導体層3よりなるn領域とで構成されるNPNバイポーラトランジスタにより、寄生サイリスタが構成される。しかし、第1の電極7がトレンチ構造であることと、チャネル側から流入したホールが抵抗率の低い第4の半導体領域5を通ることにより、ここでの電圧降下がPN接合のターンオン電圧よりも低くなり、寄生サイリスタのトリガーとなる上記NPNバイポーラトランジスタが作動しにくくなる。したがって、デバイスのラッチアップ耐量が高くなり、短絡大量も高くなる。
また、第1の電極7の面積は従来の表面型電極よりも小さいので、セルピッチがより小さくなる。したがって、単位面積あたりのオン抵抗が低くなる。また、ラッチアップ耐量および短絡耐量が高くなる。また、第1の絶縁膜9は、チャネル上で薄くなっており、第1の半導体領域17上で厚くなっているので、ゲートとドレイン間の帰還容量が小さくなる。また、導電体14のフィールドプレート電位がフローティングであるので、フィールドプレート電位をエミッタ電位に固定する場合に比べて、エミッタ−コレクタ間容量(CCE)が小さくなり、スイッチング速度が向上する。
つぎに、本発明者らが上述した構成のデバイス(図1参照)のオフ耐圧(ブレークダウン電圧)とドリフト領域の長さLDとの関係を調べた結果を図5に示す。ここで、ドリフト領域の長さLDは、図1において半導体層3と第2の半導体領域4とのPN接合のうち、第1のトレンチ20の側面に直交する部分から第2のトレンチ21の底までの長さである。図5より明らかなように、ドリフト領域のドーピング濃度が1×1014cm-3であるときと5×1014cm-3であるとき、ドリフト領域の長さLDが大きくなるほど耐圧が大きくなることがわかる。
具体的には、ドリフト領域のドーピング濃度が1×1014cm-3であるときには、ドリフト領域の長さLDが8μm、12μmおよび17μmであるときにそれぞれブレークダウン電圧は172V、184Vおよび205Vであり、ドリフト領域のドーピング濃度が5×1014cm-3であるときには、ブレークダウン電圧はそれぞれ168V、177Vおよび197Vである。一般にスキャンドライバICに要求されるオフ状態の耐圧は165Vであるので、図5にプロットした6つのデバイスはすべて実用上、問題がない。
図6は、図1に示す構成のデバイスのオフ耐圧(ブレークダウン電圧)とフィールドプレートの長さLFPとの関係を示すシミュレーション結果である。ここで、フィールドプレートの長さLFPは、図1において半導体層3と第2の半導体領域4とのPN接合のうち、第1のトレンチ20の側面に直交する部分からフィールドプレートとなる導電体14の下端までの長さである。このシミュレーションでは、ドリフト領域の長さLDは12μmである。図6より明らかなように、フィールドプレートの長さLFPがおおよそドリフト領域の長さLDの半分程度であるときにブレークダウン電圧が最大となることがわかる。
具体的には、導電体14と第2の半導体領域4との間の第2の絶縁膜13の厚さをD1(図1参照)とすると、D1が1μmであり、ドリフト領域のドーピング濃度が1×1014cm-3であるときには、フィールドプレートの長さLFPが2μm、5μm、6μm、7μm、8μmおよび10μmであるときにそれぞれブレークダウン電圧は160V、172V、180V、190V、163Vおよび148Vである。また、第2の絶縁膜13の厚さD1が0.3μmであり、ドリフト領域のドーピング濃度が3×1014cm-3であるときには、フィールドプレートの長さLFPが2μm、4μm、6μm、8μmおよび10μmであるときにそれぞれブレークダウン電圧は93V、97V、108V、95Vおよび90Vである。
図7は、図1に示す構成のデバイスのオフ耐圧(ブレークダウン電圧)とドリフト領域のドーピング濃度との関係を、フィールドプレートがある場合とない場合について調べた結果である。ここで、ドリフト領域の長さLDは12μmであり、フィールドプレートの長さLFPは6μmである。また、フィールドプレートとなる導電体14はN型のポリシリコンでできており、その厚さT(図1参照)は0.4μmである。図7より明らかなように、フィールドプレートがあると、フィールドプレートがない場合よりもブレークダウン電圧が高くなることがわかる。また、図7に関して例示した条件では、ドリフト領域のドーピング濃度が1×1014cm-3程度であれば、165V以上の耐圧を確保することができることがわかる。
また、図1に示す構成のデバイスについて、セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。図8は、図1に示す構成のデバイスを0.6μmテクノロジで作製したときの各部の寸法の一例を示す図である。図8に示すように、セルピッチはたとえば6.1μmであり、従来型デバイスのセルピッチ(25μm)の半分よりも小さい。したがって、図1に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分位の250mΩ・mm2程度になる。
つぎに、図1に示す構成のデバイスの製造プロセスについて図9〜図17を参照しながら説明する。まず、図9に示すように、半導体層3となるデバイスウエハの表面に第7の半導体領域18となるn+半導体層を形成する。そして、第7の半導体領域18の表面を、支持基板1の表面に酸化膜等の絶縁層2を備えたハンドルウエハの絶縁層2の表面に貼り合わせて、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3を有するSOI基板を作製する。このSOI基板の半導体層3を所定の厚さまで研磨する。
ついで、半導体層3の表面側からドリフト領域の一部となる第1の半導体領域17を形成する。その後、LOCOS(選択酸化)層および酸化膜等のゲート絶縁膜を順次形成し、第1の絶縁膜9とする。この第1の絶縁膜9の上にたとえば制御電極8となるポリシリコン膜とシリコン酸化膜40をCVD(化学気相成長)法により堆積した後、ドライエッチングによりゲートスタック構造を形成する。つづいて、シャドウ酸化をおこなってから、ゲートスタック構造に対して斜めのイオン注入をおこない、熱拡散によりpボディとなる第2の半導体領域4を形成する。
ついで、セルフアライン(自己整合技術)によりイオン注入をおこない、エミッタ領域となる第3の半導体領域6を形成する。その後、ゲートスタック構造の側面にサイドウォールスペーサとなるスペーサ絶縁膜24を形成し、イオン注入によりp+埋め込み層となる第4の半導体領域5を形成する。なお、第1の半導体領域17を形成した後、半導体層3の表面に酸化膜を堆積し、フォトリソグラフィでパータンを作成し、イオン注入および熱拡散をおこなって第2の半導体領域4を形成してから、第1の絶縁膜9、制御電極8およびシリコン酸化膜40を積層し、ゲートスタック構造を形成するようにしてもよい。
ついで、図10に示すように、デバイス表面全体にシリコン酸化膜を堆積し、フォトマスクを用いて異方性ドライエッチングによりシリコン酸化膜マスク41を作製する。このシリコン酸化膜マスク41を用いて異方性エッチングにより第3のトレンチ19を形成する。犠牲酸化によりトレンチエッチングのダメージを除去した後、デバイス表面に薄い酸化膜42を形成する。そして、トレンチ底にボロンをイオン注入し、トレンチ底にp+半導体層を形成する。
ついで、図11に示すように、エミッタ電極となる第1の電極7を設けるための空間を確保するために、ポリシリコン膜(窒化膜でもよい)を堆積し、セルフアラインエッチングにより第3のトレンチ19の側面に犠牲領域43を形成する。そして、犠牲領域43の表面に薄い酸化膜44を形成する。ついで、図12に示すように、シリコン酸化膜45を堆積してから、フォトリソグラフィと異方性エッチングによりエッチングマスクを作成し、異方性エッチングにより第1のトレンチ20を形成する。
ついで、図13に示すように、熱酸化によりトレンチエッチングのダメージを除去してから、第2の絶縁膜13とポリシリコンまたは他の導電材よりなる導電体14を順次堆積する。そして、導電体14と第2の絶縁膜13を順次セルフアラインエッチングした後、シリコン酸化膜25を堆積する。そのシリコン酸化膜25をセルフアラインエッチングして、エッチングマスクを形成する。このとき、導電体14が、半導体層3と第2の半導体領域4とのPN接合面よりも下まで伸び、かつシリコン酸化膜25により囲まれる状態とする。
ついで、シリコン酸化膜25よりなるエッチングマスクを用いて異方性エッチングをおこない、第1のトレンチ20の底から第2のトレンチ21を形成する。トレンチエッチングのダメージを犠牲酸化により除去した後、第2のトレンチ21の側面および底面に薄い熱酸化膜46を形成する。この熱酸化膜46をスクリーンマスクとして第2のトレンチ21の底にリンを注入し、第5の半導体領域11を形成する。
ついで、図14に示すように、第3の絶縁膜22を堆積し、セルフアラインエッチングをおこなう。そして、第2のトレンチ21の底を薄く熱酸化した後、この薄い熱酸化膜をスクリーンマスクとしてボロンを注入し、第6の半導体領域12を形成する。ついで、図15に示すように、第2のトレンチ21の底の熱酸化膜を除去し、第2のトレンチ21の露出した底面、第3の絶縁膜22の側面およびデバイス表面にスパッタによりバリアメタル層15となる金属バリア層を積層する。そして、その金属バリア層の上にさらに金属プラグ23となる金属プラグ層を堆積し、エッチバックしてデバイス表面の金属プラグ層と金属バリア層を除去する。これにより、第1のトレンチ20および第2のトレンチ21の中にだけバリアメタル層15と金属プラグ23が残る。
ついで、図16に示すように、デバイス表面に誘電体層47を積層し、CMP(化学機械研磨)法によりデバイス表面を平坦化する。その後、フォトマスクを用いて異方性エッチングにより誘電体層47の一部を開口し、第3のトレンチ19を埋めている犠牲領域43を露出させる。ついで、図17に示すように、犠牲領域43をエッチングして除去する。その後、フォトマスクを用いて異方性エッチングによりコレクタコンタクトのための金属プラグ10を埋める領域を開口する。
ついで、第3のトレンチ19の側面および底面に残る酸化膜42をエッチングして除去する。その際、第3のトレンチ19の底面に酸化膜が残らないようにする必要がある。また、第3のトレンチ19の側面については、第4の半導体領域5と第3の半導体領域6に接する部分に酸化膜が残らないようにする必要がある。第3のトレンチ19のその他の側面については酸化膜を残す。
ついで、第3のトレンチ19の露出面、コレクタコンタクトのために開口した領域の露出面およびデバイス表面にスパッタによりバリアメタル層16a,16bとなる金属バリア層を積層する。そして、その金属バリア層の上にさらに第1の電極7および金属プラグ10となる金属プラグ層を堆積し、エッチバックしてデバイス表面の金属プラグ層と金属バリア層を除去する。これにより、図1に示すように、第3のトレンチ19がバリアメタル層16aを介して第1の電極7で埋められ、また第1のトレンチ20がバリアメタル層16bを介して金属プラグ10で埋められた構成となる。
実施の形態2.
図18は、実施の形態2のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図18に示すように、実施の形態2は、図1に示す実施の形態1と相補的なpチャネルIGBTであり、絶縁層2よりも上の部分において実施の形態1と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態1と同じである。したがって、実施の形態1の説明においてつぎのような読み替えをおこなうものとし、実施の形態2の詳細な説明を省略する。なお、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付す。
+半導体よりなる第7の半導体領域18を、p+半導体よりなる第7の半導体領域68と読み替える。n-半導体層3を、p-半導体層53と読み替える。n半導体よりなる第1の半導体領域17を、p半導体よりなる第1の半導体領域67と読み替える。p半導体よりなる第2の半導体領域4を、n半導体よりなる第2の半導体領域54と読み替える。p+半導体よりなる第4の半導体領域5を、n+半導体よりなる第4の半導体領域55と読み替える。n+半導体よりなる第3の半導体領域6を、p+半導体よりなる第3の半導体領域56と読み替える。n半導体よりなる第5の半導体領域11を、p半導体よりなる第5の半導体領域61と読み替える。p+半導体よりなる第6の半導体領域12を、n+半導体よりなる第6の半導体領域62と読み替える。
実施の形態3.
図19は、実施の形態3のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図19に示すように、実施の形態3は、図1に示す実施の形態1において、エミッタ電極となる第1の電極7が従来の表面型の電極となっているものである。したがって、実施の形態3では第3のトレンチ19は存在しない。また、第4の半導体領域5は、エミッタ領域となる第3の半導体領域6の下とコレクタ側の横に設けられる。エミッタ電極となる第1の電極7は、第3の半導体領域6と第4の半導体領域5の両方に電気的に接続する。
その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態3の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。以下、異なる点についてのみ説明する。図19に示す構成のデバイスについて、セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分程度になる。したがって、図19に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗の半分以下になる。
つぎに、図19に示す構成のデバイスの製造プロセスについて図20〜図23を参照しながら説明する。まず、実施の形態1の図9と同様にして、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3を有するSOI基板の半導体層3の表面層に第1の半導体領域17、第1の絶縁膜9、制御電極8、シリコン酸化膜40、第2の半導体領域4、第3の半導体領域6、スペーサ絶縁膜24および第4の半導体領域5を形成する。
ついで、図20に示すように、第3の半導体領域6の制御電極8よりの部分をフォトレジスト48で覆い、ボロンをイオン注入して第3の半導体領域6のフォトレジスト48で覆われていない領域を第4の半導体領域5とする。その後、フォトレジスト48を除去する。ついで、図21に示すように、デバイス表面全体にシリコン酸化膜45を堆積し、フォトマスクを用いて異方性ドライエッチングによりマスクを作製する。このマスクは、制御電極8および第3の半導体領域6と、第3の半導体領域6の横の第4の半導体領域5の一部を覆っている。このマスクを用いて異方性エッチングにより第1のトレンチ20を形成する。
ついで、実施の形態1の図13〜図15と同様にして、第2の絶縁膜13、導電体14、シリコン酸化膜25、第2のトレンチ21、熱酸化膜46、第5の半導体領域11、第3の絶縁膜22、第6の半導体領域12、バリアメタル層15および金属プラグ23を形成する。ついで、図22に示すように、デバイス表面に誘電体層47を積層し、CMP法によりデバイス表面を平坦化する。その後、フォトマスクを用いて異方性エッチングにより誘電体層47の一部を除去し、第3の半導体領域6と第4の半導体領域5との境界を挟んでその一部ずつが露出するように第1の電極7の形成領域を開口するとともに、コレクタコンタクトのための金属プラグ10を埋める領域を開口する。
ついで、図23に示すように、第1の電極7の形成領域の露出面、コレクタコンタクトのために開口した領域の露出面およびデバイス表面にスパッタによりバリアメタル層16a,16bとなる金属バリア層を積層する。そして、その金属バリア層の上にさらに第1の電極7および金属プラグ10となる金属プラグ層を堆積し、エッチバックしてデバイス表面の金属プラグ層と金属バリア層を除去する。これにより、図19に示すように、バリアメタル層16aを介して第1の電極7が形成され、また第1のトレンチ20がバリアメタル層16bを介して金属プラグ10で埋められた構成となる。
実施の形態4.
図24は、実施の形態4のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図24に示すように、実施の形態4は、図19に示す実施の形態3と相補的なpチャネルIGBTであり、絶縁層2よりも上の部分において実施の形態3と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態3と同じである。したがって、実施の形態3および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態4の詳細な説明を省略する。
実施の形態5.
図25は、実施の形態5のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図25に示すように、実施の形態5は、図1に示す実施の形態1において、フィールドプレートとなる導電体14がなく、その分、第2の絶縁膜13が厚く形成されているものである。したがって、半導体層3と第2の半導体領域4とのPN接合の近傍に厚い絶縁膜が形成されていることになる。このようにすることによって、金属プラグ10,23よりなるコレクタ電極(第2の電極)から来る電界を低くすることができる。
その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態5の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。以下、異なる点についてのみ説明する。図25に示す構成のデバイスについて、セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図25に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分の250mΩ・mm2程度になる。
つぎに、図25に示す構成のデバイスの製造プロセスについて図26を参照しながら説明する。まず、実施の形態1の図9〜図12と同様にして、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3を有するSOI基板を用い、第1の半導体領域17、第1の絶縁膜9、制御電極8、シリコン酸化膜40、第2の半導体領域4、第3の半導体領域6、スペーサ絶縁膜24、第4の半導体領域5、シリコン酸化膜マスク41、第3のトレンチ19、酸化膜42、トレンチ底のp+半導体層、犠牲領域43、酸化膜44,45および第1のトレンチ20を形成する。
ついで、図26に示すように、熱酸化によりトレンチエッチングのダメージを除去してから、第2の絶縁膜13を堆積する。そして、第2の絶縁膜13をセルフアラインエッチングし、残った第2の絶縁膜13をマスクとして異方性エッチングをおこない、第1のトレンチ20の底から第2のトレンチ21を形成する。トレンチエッチングのダメージを犠牲酸化により除去した後、第2のトレンチ21の側面および底面に薄い熱酸化膜46を形成する。この熱酸化膜46をスクリーンマスクとして第2のトレンチ21の底にリンを注入し、第5の半導体領域11を形成する。
ついで、実施の形態1の図14〜図17と同様にして、第3の絶縁膜22、第6の半導体領域12、バリアメタル層15、金属プラグ23、誘電体層47、バリアメタル層16a,16b、第1の電極7および金属プラグ10を形成する。これにより、図25に示す構成となる。
実施の形態6.
図27は、実施の形態6のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図27に示すように、実施の形態6は、図25に示す実施の形態5と相補的なpチャネルIGBTであり、絶縁層2よりも上の部分において実施の形態5と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態5と同じである。したがって、実施の形態5および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態6の詳細な説明を省略する。
実施の形態7.
図28は、実施の形態7のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図28に示すように、実施の形態7は、図1に示す実施の形態1において、エミッタ電極となる第1の電極7が従来の表面型の電極となっているものである。したがって、実施の形態7では第3のトレンチ19は存在しない。また、第4の半導体領域5は、エミッタ領域となる第3の半導体領域6の下とコレクタ側の横に設けられており、エミッタ電極となる第1の電極7は、第3の半導体領域6と第4の半導体領域5の両方に電気的に接続する。
また、実施の形態7では、図1に示す実施の形態1において、フィールドプレートとなる導電体14がなく、その分、第2の絶縁膜13が厚く形成されている。つまり、半導体層3と第2の半導体領域4とのPN接合の近傍に厚い絶縁膜が形成されていることになり、それによって、金属プラグ10,23よりなるコレクタ電極(第2の電極)から来る電界を低くしている。
その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態7の作用はおおよそ実施の形態1と同じである。セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図28に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分の250mΩ・mm2程度になる。また、製造プロセスについては、図9、図20、図21、図26、図13、図14、図22および図23の順に処理をおこなえばよい。
実施の形態8.
図29は、実施の形態8のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図29に示すように、実施の形態8は、図28に示す実施の形態7と相補的なpチャネルIGBTであり、絶縁層2よりも上の部分において実施の形態7と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態7と同じである。したがって、実施の形態7および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態8の詳細な説明を省略する。
実施の形態9.
図30は、実施の形態9のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図30に示すように、実施の形態9は、図1に示す実施の形態1において、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3よりなるSOI基板の代わりに、p-半導体等よりなる支持基板71上に活性層となるn-半導体層73をエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板を用いたものである。その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態9の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。
以下、異なる点についてのみ説明する。セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図30に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分の250mΩ・mm2程度になる。また、実施の形態9では、実施の形態1の第7の半導体領域18のような領域がないため、図3に示すような電界分布や金属汚染に対するゲッタリング効果はない。
つぎに、図30に示す構成のデバイスの製造プロセスについて図31を参照しながら説明する。まず、図31に示すように、支持基板71上に半導体層73をエピタキシャル成長させる。ついで、半導体層73の表面側からドリフト領域の一部となる第1の半導体領域17を形成する。その後、LOCOS層および酸化膜等のゲート絶縁膜を順次形成し、第1の絶縁膜9とする。この第1の絶縁膜9の上にたとえば制御電極8となるポリシリコン膜とシリコン酸化膜40をCVD法により堆積した後、ドライエッチングによりゲートスタック構造を形成する。つづいて、シャドウ酸化をおこなってから、ゲートスタック構造に対して斜めのイオン注入をおこない、熱拡散によりpボディとなる第2の半導体領域4を形成する。
ついで、セルフアラインによりイオン注入をおこない、エミッタ領域となる第3の半導体領域6を形成する。その後、ゲートスタック構造の側面にスペーサ絶縁膜24を形成し、イオン注入によりp+埋め込み層となる第4の半導体領域5を形成する。なお、第1の半導体領域17を形成した後、半導体層73の表面に酸化膜を堆積し、フォトリソグラフィでパータンを作成し、イオン注入および熱拡散をおこなって第2の半導体領域4を形成してから、第1の絶縁膜9、制御電極8およびシリコン酸化膜40を積層し、ゲートスタック構造を形成するようにしてもよい。以後、図10、図11、図12、図13、図14、図15、図16および図17の順に処理をおこなえばよい。
実施の形態10.
図32は、実施の形態10のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図32に示すように、実施の形態10は、図30に示す実施の形態9と相補的なpチャネルIGBTであり、実施の形態9と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態9と同じである。したがって、実施の形態9および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態10の詳細な説明を省略する。ただし、p-半導体等よりなる支持基板71を、n-半導体等よりなる支持基板81と読み替え、n-半導体層73を、p-半導体層83と読み替える。
実施の形態11.
図33は、実施の形態11のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図33に示すように、実施の形態11は、図1に示す実施の形態1において、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3よりなるSOI基板の代わりに、p-半導体等よりなる支持基板71上に活性層となるn-半導体層73をエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板を用いたものである。
また、実施の形態11では、エミッタ電極となる第1の電極7が従来の表面型の電極となっている。したがって、実施の形態11では第3のトレンチ19は存在しない。また、第4の半導体領域5は、エミッタ領域となる第3の半導体領域6の下とコレクタ側の横に設けられる。エミッタ電極となる第1の電極7は、第3の半導体領域6と第4の半導体領域5の両方に電気的に接続する。その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態11の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。
以下、異なる点についてのみ説明する。セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図33に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスの半分以下になる。また、実施の形態11では、実施の形態1の第7の半導体領域18のような領域がないため、図3に示すような電界分布や金属汚染に対するゲッタリング効果はない。また、製造プロセスについては、図31、図20、図21、図12、図13、図14、図22および図23の順に処理をおこなえばよい。
実施の形態12.
図34は、実施の形態12のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図34に示すように、実施の形態12は、図33に示す実施の形態11と相補的なpチャネルIGBTであり、実施の形態11と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態11と同じである。したがって、実施の形態11および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態12の詳細な説明を省略する。ただし、p-半導体等よりなる支持基板71を、n-半導体等よりなる支持基板81と読み替え、n-半導体層73を、p-半導体層83と読み替える。
実施の形態13.
図35は、実施の形態13のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図35に示すように、実施の形態13は、図1に示す実施の形態1において、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3よりなるSOI基板の代わりに、p-半導体等よりなる支持基板71上に活性層となるn-半導体層73をエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板を用いたものである。
また、実施の形態13では、フィールドプレートとなる導電体14がなく、その分、第2の絶縁膜13が厚く形成されている。つまり、半導体層73と第2の半導体領域4とのPN接合の近傍に厚い絶縁膜が形成されていることになり、それによって、金属プラグ10,23よりなるコレクタ電極(第2の電極)から来る電界を低くしている。その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態13の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。
以下、異なる点についてのみ説明する。セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図35に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分の250mΩ・mm2程度になる。また、実施の形態13では、実施の形態1の第7の半導体領域18のような領域がないため、図3に示すような電界分布や金属汚染に対するゲッタリング効果はない。また、製造プロセスについては、図31、図10、図11、図12、図26、図14、図15、図16および図17の順に処理をおこなえばよい。
実施の形態14.
図36は、実施の形態14のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図36に示すように、実施の形態14は、図35に示す実施の形態13と相補的なpチャネルIGBTであり、実施の形態13と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態13と同じである。したがって、実施の形態13および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態14の詳細な説明を省略する。ただし、p-半導体等よりなる支持基板71を、n-半導体等よりなる支持基板81と読み替え、n-半導体層73を、p-半導体層83と読み替える。
実施の形態15.
図37は、実施の形態15のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図37に示すように、実施の形態15は、図1に示す実施の形態1において、支持基板1、絶縁層2、第7の半導体領域18および半導体層3よりなるSOI基板の代わりに、p-半導体等よりなる支持基板71上に活性層となるn-半導体層73をエピタキシャル成長させたエピタキシャル基板を用いたものである。
また、実施の形態15では、エミッタ電極となる第1の電極7が従来の表面型の電極となっている。したがって、実施の形態15では第3のトレンチ19は存在しない。また、第4の半導体領域5は、エミッタ領域となる第3の半導体領域6の下とコレクタ側の横に設けられており、エミッタ電極となる第1の電極7は、第3の半導体領域6と第4の半導体領域5の両方に電気的に接続する。
また、実施の形態15では、フィールドプレートとなる導電体14がなく、その分、第2の絶縁膜13が厚く形成されている。つまり、半導体層73と第2の半導体領域4とのPN接合の近傍に厚い絶縁膜が形成されていることになり、それによって、金属プラグ10,23よりなるコレクタ電極(第2の電極)から来る電界を低くしている。その他の構成は実施の形態1と同じである。実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。また、実施の形態15の作用および製造方法はおおよそ実施の形態1と同じである。
以下、異なる点についてのみ説明する。セルデバイスの電流駆動能力は、デバイス構造と製造プロセスの最適化により従来の横型デバイスと同程度になる。また、セルピッチは、従来型デバイスの半分以下になる。したがって、図37に示す構成のデバイスの単位面積あたりのオン抵抗は、従来型デバイスのオン抵抗(500mΩ・mm2)の半分の250mΩ・mm2程度になる。また、実施の形態15では、実施の形態1の第7の半導体領域18のような領域がないため、図3に示すような電界分布や金属汚染に対するゲッタリング効果はない。また、製造プロセスについては、図31、図20、図21、図26、図14、図15、図22および図23の順に処理をおこなえばよい。
実施の形態16.
図38は、実施の形態16のIGBTの構成(単位セル分)を示す断面図である。図38に示すように、実施の形態16は、図37に示す実施の形態15と相補的なpチャネルIGBTであり、実施の形態15と導電型が異なることを除いて、構成、作用および製造方法とも実施の形態15と同じである。したがって、実施の形態15および実施の形態1の説明において実施の形態2と同様な読み替えをおこなうものとし、実施の形態16の詳細な説明を省略する。ただし、p-半導体等よりなる支持基板71を、n-半導体等よりなる支持基板81と読み替え、n-半導体層73を、p-半導体層83と読み替える。
以上のように、本発明にかかるトレンチ横型伝導度変調半導体装置は、高いラッチアップ耐量が要求される高耐圧スイッチング素子に有用であり、特に、フラットパネルディスプレイのドライバICや車載ICなどの出力段に用いる高耐圧スイッチング素子に適している。
実施の形態1の構成を示す断面図である。 実施の形態にかかるデバイスの平面レイアウトの一例を模式的に示す平面図である。 図1のA−A’におけるデバイス中の電界分布を示す特性図である。 図1のA−A’における第7の半導体領域のないデバイス中の電界分布を示す特性図である。 図1に示す構成のデバイスのオフ耐圧とドリフト領域の長さとの関係を示す特性図である。 図1に示す構成のデバイスのフィールドプレートの長さに対するオフ耐圧のシミュレーション結果を示す特性図である。 図1に示す構成のデバイスのオフ耐圧とドリフト領域のドーピング濃度との関係を示す特性図である。 図1に示す構成のデバイスを0.6μmテクノロジで作製したときの各部の寸法の一例を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図1に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態2の構成を示す断面図である。 実施の形態3の構成を示す断面図である。 図19に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図19に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図19に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 図19に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態4の構成を示す断面図である。 実施の形態5の構成を示す断面図である。 図25に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態6の構成を示す断面図である。 実施の形態7の構成を示す断面図である。 実施の形態8の構成を示す断面図である。 実施の形態9の構成を示す断面図である。 図30に示す構成のデバイスの製造途中の状態を示す断面図である。 実施の形態10の構成を示す断面図である。 実施の形態11の構成を示す断面図である。 実施の形態12の構成を示す断面図である。 実施の形態13の構成を示す断面図である。 実施の形態14の構成を示す断面図である。 実施の形態15の構成を示す断面図である。 実施の形態16の構成を示す断面図である。 従来の構成を示す断面図である。
符号の説明
1,71,81 支持基板
2 絶縁層
3,53,73,83 半導体層
4,54 第2の半導体領域
5,55 第4の半導体領域
6,56 第3の半導体領域
7 第1の電極
8 制御電極
9 第1の絶縁膜
10,23 第2の電極
11,61 第5の半導体領域
12,62 第6の半導体領域
13 第2の絶縁膜
14 導電体
17,67 第1の半導体領域
18,68 第7の半導体領域
19 第3のトレンチ
20 第1のトレンチ
21 第2のトレンチ
22 第3の絶縁膜

Claims (7)

  1. 絶縁層により支持基板から絶縁された第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の表面層の一部に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第1の半導体領域と、
    前記半導体層の表面層の一部に前記第1の半導体領域と接して設けられた第2導電型の第2の半導体領域と、
    前記第2の半導体領域の表面上に第1の絶縁膜を介して設けられた制御電極と、
    前記第2の半導体領域の表面層の一部に設けられた第1導電型の第3の半導体領域と、
    前記第3の半導体領域の下に前記制御電極の第3の半導体領域側の終端に整合するように形成された第2導電型で前記第2の半導体領域よりも抵抗率の低い第4の半導体領域と、
    前記第3の半導体領域および前記第4の半導体領域の両方に電気的に接続する第1の電極と、
    前記制御電極に対して前記第1の電極と同じ側で、かつ前記第1の電極よりも前記制御電極から離れた位置で前記第2の半導体領域を貫通して前記半導体層に達する第1のトレンチと、
    前記第1のトレンチの側面に設けられた第2の絶縁膜と、
    前記第1のトレンチの底面からさらに前記半導体層の深い位置に達する第2のトレンチと、
    前記第2のトレンチの下に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第5の半導体領域と、
    前記第5の半導体領域内に設けられた第2導電型の第6の半導体領域と、
    前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの内側に設けられた第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜により囲まれる領域を通って前記第2のトレンチの底面で前記第6の半導体領域に電気的に接続する第2の電極と、
    を備えることを特徴とするトレンチ横型伝導度変調半導体装置。
  2. 前記絶縁層と前記半導体層との間に第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第7の半導体領域をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のトレンチ横型伝導度変調半導体装置。
  3. 支持基板上にエピタキシャル成長された第1導電型の半導体層と、
    前記半導体層の表面層の一部に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第1の半導体領域と、
    前記半導体層の表面層の一部に前記第1の半導体領域と接して設けられた第2導電型の第2の半導体領域と、
    前記第2の半導体領域の表面上に第1の絶縁膜を介して設けられた制御電極と、
    前記第2の半導体領域の表面層の一部に設けられた第1導電型の第3の半導体領域と、
    前記第3の半導体領域の下に前記制御電極の第3の半導体領域側の終端に整合するように形成された第2導電型で前記第2の半導体領域よりも抵抗率の低い第4の半導体領域と、
    前記第3の半導体領域および前記第4の半導体領域の両方に電気的に接続する第1の電極と、
    前記制御電極に対して前記第1の電極と同じ側で、かつ前記第1の電極よりも前記制御電極から離れた位置で前記第2の半導体領域を貫通して前記半導体層に達する第1のトレンチと、
    前記第1のトレンチの側面に設けられた第2の絶縁膜と、
    前記第1のトレンチの底面からさらに前記半導体層の深い位置に達する第2のトレンチと、
    前記第2のトレンチの下に設けられた第1導電型で前記半導体層よりも抵抗率の低い第5の半導体領域と、
    前記第5の半導体領域内に設けられた第2導電型の第6の半導体領域と、
    前記第1のトレンチおよび前記第2のトレンチの内側に設けられた第3の絶縁膜と、
    前記第3の絶縁膜により囲まれる領域を通って前記第2のトレンチの底面で前記第6の半導体領域に電気的に接続する第2の電極と、
    を備えることを特徴とするトレンチ横型伝導度変調半導体装置。
  4. 前記第1の電極は、前記第3の半導体領域を貫通して前記第4の半導体領域に達する第3のトレンチ内に埋め込まれていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のトレンチ横型伝導度変調半導体装置。
  5. 前記第2の絶縁膜と前記第3の絶縁膜との間に、前記半導体層と前記第2の半導体領域とのPN接合面よりも深い位置まで伸びる導電体をさらに備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のトレンチ横型伝導度変調半導体装置。
  6. 半導体基板に深さの異なる2つのトレンチを形成し、これらトレンチ内に金属層を充填する半導体装置の製造方法において、
    前記2つのトレンチのうち一方のトレンチを形成する工程と、
    該一方のトレンチ内に犠牲層を形成する工程と、
    前記2つのトレンチのうち他方のトレンチを形成する工程と、
    該他方のトレンチ内に金属層を充填する工程と、
    前記一方のトレンチ内の前記犠牲層を除去する工程と、
    前記一方のトレンチ内に金属層を充填する工程と、
    を含んだことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記犠牲層を形成する工程の前に、トレンチ内のダメージを除去する工程を含んだことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
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