JP2005107100A - 横一軸延伸位相差フィルムの製造方法及びそれに用いるキャストフィルム - Google Patents

横一軸延伸位相差フィルムの製造方法及びそれに用いるキャストフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、ポリカーボネートから形成されてなる位相差フィルムの面内において位相差及び光軸のバラツキが少なく、正面及び斜視方向の広い視野範囲でコントラスト等の表示品位に優れており、且つ、黒表示画面において光り抜けの斑を生じない面内均一な表示を得る液晶表示装置を形成しうる偏光板とダイレクトに貼合可能である位相差フィルムの製造方法を提供することにある。
【解決手段】ポリカーボネートを溶液キャスト製膜法により実質的に未延伸のキャストフィルムとする工程と、該キャストフィルムをキャスト方向(以下縦方向)に対して直交する方向(以下横方向)に延伸する横延伸工程とを有する位相差フィルムの製造方法であって、面内の膜厚のバラツキが5μm以下であり、かつ溶媒量(以下残留溶媒量)を0.1〜1.5重量%含む当該キャストフィルムを、該キャスト方向に対して略直交方向に延伸する。
【選択図】なし

Description

本発明は、一軸延伸位相差フィルムの製造方法に関する。詳しくは位相差の制御性に優れて液晶表示装置の視野角やコントラストの改善に好適であり、且つ偏光板とダイレクトに貼合可能な横一軸延伸フィルムの製造方法、及びその製造に用いる未延伸のキャストフィルムに関する。
液晶表示装置の視野角拡大やコントラストの向上が求められる中、それを実現しうる液晶パネルの複屈折による位相差を補償できる位相差フィルムの提供が求められている。従来の位相差フィルムの位相差を制御する方法として、特許文献1には、一軸や二軸等による延伸方法、熱収縮フィルムを接着しその熱収縮力の作用下に延伸処理して厚さ方向の位相差を制御した位相差フィルムを得る方法が知られていた。
しかしながら、固有複屈折の大きいポリカーボネートにおいては、僅かな制御の違いにより大きく光学特性がことなる位相差フィルムが得られてしまい、また、フィルム面内の特性においても、位相差、光軸のバラツキが大きくて、コントラスト等の補償効果に乏しい問題点があった。
さらに、従来横延伸法で製造された位相差フィルムはフィルム幅方向と遅相軸のなす角度が0度から2〜3度ずれており、ロール状のまま連続的に貼合することはまずできない。このような場合は、位相差フィルムと偏光板を所定の角度にて打ち抜き、バッチ方式で貼合する必要がある。しかしながら、バッチ方式では、打ち抜きロスが必ず発生し、フィルムの利用効率が非常に乏しいという問題点がある。また、遅相軸のずれの度合いに応じて打ち抜き角度を変更する必要があるなど工程が煩雑であり、さらには打ち抜き時に発生するゴミにより欠点が発生しやすいなど問題が多い。
特開平5−157911号公報
本発明の主な目的は、ポリカーボネートから形成されてなる位相差フィルムの面内において位相差及び光軸のバラツキが少なく、正面及び斜視方向の広い視野範囲でコントラスト等の表示品位に優れており、且つ偏光板とダイレクトに貼合可能な位相差フィルム、およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するためにポリカーボネートからなる横一軸延伸フィルムの製造方法を鋭意検討した。そして、ポリカーボネートを溶液キャスト製膜法により実質的に未延伸のキャストフィルムとし、この未延伸フィルムの溶媒量(残留溶媒量)と、フィルムの膜厚のバラツキをおさえることが極めて重要であり、該延伸フィルムを該延伸方向に対して直交方向に延伸することにより面内において均一な横一軸延伸フィルムを得る製造方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、下記の[1]〜[4]のより達成することが出来た。
[1] ポリカーボネートを溶液キャスト製膜法により実質的に未延伸のキャストフィルムとする工程と、該キャストフィルムをキャスト方向(以下縦方向)に対して直交する方向(以下横方向)に延伸する横延伸工程とを有する位相差フィルムの製造方法であって、面内の膜厚のバラツキが5μm以下であり、かつ溶媒量(以下残留溶媒量)を0.1〜1.5重量%含む当該キャストフィルムを、該キャスト方向に対して略直交方向に延伸することを特徴とする横一軸延伸位相差フィルムの製造方法。
[2] ポリカーボネートが下記式(I)
Figure 2005107100
(上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Xは下記式
Figure 2005107100
であり、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である)
で示される繰り返し単位aを30〜70mol%と、下記式(II)
Figure 2005107100
(上記式(II)において、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Yは下記式群である。)
Figure 2005107100
(ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、また、Ar1〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
で示される繰り返し単位bが全体の70〜30mol%を占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド体である上記[1]の位相差フィルム。
[3] 上記[1]の横一軸延伸位相差フィルムの製造方法に用いられるための実質的に未延伸のキャストフィルムであって、該キャストフィルム面内の膜厚のバラツキが5μm以下であり、面内の位相差のばらつきが3nm以下であり、かつ残留溶媒量を0.1〜1.5重量%含むことを特徴とするキャストフィルム。
[4] ロール形状の偏光板に、ロール形状の横一軸延伸位相差フィルムを、当該ロール形状の状態からロール同士で貼合するための横一軸延伸位相差フィルムであって、かかる横一軸延伸位相差フィルムは、面内レターデーション(R値)R=0〜600nmであり、かつ遅相軸がフィルムの流れ方向に対して略直交方向にあることを特徴とする横一軸延伸位相差フィルム。
(ここで、R=Δn×d=(n−n)×dで与えられる。ただし、n、n、n、dは、n:フィルム面内における主延伸方向の屈折率、n:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率、n:フィルム表面の法線方向の屈折率、d:フィルムの膜厚)
すなわち、本発明によれば、未延伸フィルムの残留溶媒量を特定の範囲とし、かつフィルム面内の膜厚のバラツキを特定値以下とすることで、横一軸延伸フィルム面内において位相差、光軸のバラツキが少なく、それにより正面及び斜視方向の広い視野範囲でコントラスト等の表示品位に優れる液晶表示装置を形成し、且つ偏光板とダイレクトに貼合可能な位相差フィルムの開発に成功したものである。また本発明の一軸延伸位相差フィルムは、上記特性を有するので、ロール形状であっても、ロール形状の偏光板とダイレクトに、つまりロール形状の状態同士で貼合することができる。したがって、生産性が飛躍的に向上する。
本発明により、ポリカーボネートからなる位相差フィルムの面内において位相差、膜厚及び光軸のバラツキが少ない横一軸延伸フィルムからなる位相差フィルムを得ることができる。この位相差フィルムにより、正面及び斜視方向の広い視野範囲でコントラスト等の表示品位に優れる液晶表示装置を提供することが可能となり、液晶表示装置等と組み合わせて画質の向上に寄与することが出来るという効果を有する。また、偏光板とダイレクトに貼合可能な位相差フィルムであるので、加工工程における工程数を削減することが可能となる。
〔ポリカーボネート〕
本発明に用いられるポリカーボネートとは、炭酸とグリコール又は2価フェノールとのポリエステルであり、通常炭酸と2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(通称ビスフェノール−A)とを構造単位とする芳香族ポリカーボネートが多様されているが、本発明ではこれに限定されるわけではなく、例えば1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類からなる群から選択される少なくとも1種の2価フェノールをモノマー成分とするポリカーボネートの共重合体、ホモポリマー、これらとビスフェノール−Aをモノマー成分とするポリカーボネートとの混合物、上記2価フェノールとビスフェノール−Aとをモノマー成分とするポリカーボネート共重合体が挙げられる。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンの具体例としては、1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1,1−ビス(3−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5,5−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
1、1−ビス(3,5−置換−4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカンとしては、炭素数1〜12のアルキル基、ハロゲン基で置換された1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−アルキルシクロアルカン、例えば、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−エチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチル−5−メチルシクロペンタン等が挙げられる。
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類としては、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン等が挙げられる。
さらに、他のビスフェノール成分として、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、3,3’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘブタン、4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)2,5−ジメチルヘブタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メチルフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)4−フルオロフェニルメタン、2,2’−ビス(3−フルオロー4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4ヒドロキシフェニル)メタン、2,2’−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)フェニルエタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン等があげられ、これらは単独で又は2種類以上混合して用いることができる。
上記ポリカーボネートは、上記ビスフェノール成分の他に、酸成分のコモノマーとして少量の脂肪族、芳香族ジカルボン酸を用いたポリエステルカーボネートを含む。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、p−キシレングリコール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、1、1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、2、2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−ブタン、等を挙げることができる。この中で、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
用いられるポリカーボネートの分子量は、2000〜100000の粘度平均分子量を有するものであることが好ましく、濃度0.7g/dlの塩化メチレン溶液にして20℃で測定した比粘度で表して0.19以上、好ましくは、0.26〜0.45のものである。0.19未満のものでは得られるフィルムが脆くなるので適当でない。
本発明に用いるポリカーボネートとしては、特に、下記式(I)
Figure 2005107100
で表される繰り返し単位及び
及び下記式(II)
Figure 2005107100
で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートが好ましい。このポリカーボネートは共重合体であっても混合物であってもよい。
上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。Xは下記式
Figure 2005107100
であり、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
上記式(II)において、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。かかる炭化水素基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。Yは下記式群
Figure 2005107100
から選ばれる少なくとも1種の基である。ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である。炭素数1〜22の炭化水素基及び炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
また、Ar〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。かかるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等があげられる。
上記式(I)及び(II)で表される繰り返し単位からなるポリカーボネートにおいては、(I)の含有量が繰り返し単位全体の30〜70モル%であることが好ましい。このポリカーボネートにおいて、(I)の含有量が全体の30モル%未満である場合は、ポリマーフィルムの複屈折が大きいために、面内均一な位相差フィルムを得ることが困難となる。一方、(I)の含有量が70モル%を超えると、フィルムが割れ易く、脆い性質となり、位相差フィルムとして適さない。より効果的には(I)の含有量が40〜70モル%、さらに好ましくは50〜70モル%であることが好ましい。とりわけ、位相差値が短波長ほど小さい特性が要求される用途では、(I)の含有量が55〜70モル%であることが適している。
この中でも、上記式(II)においてビスフェノール−Aが好適に用いられ、さらに、ビスフェノール−Aと9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからなるポリカーボネート共重合体が耐熱性、寸法安定性、透明性において優れている。
〔ポリマーフィルムの製造法〕
本発明の位相差フィルムの製造方法について説明する。位相差フィルムの製造は、ポリカーボネートを溶液キャスト製膜法によりキャストフィルムを作成する工程と、キャスト方向対して直交する方向(以下横方向)に延伸する工程を含む。溶液キャスト製膜法は、位相差フィルムに要求される光学特性や膜厚精度に優れている。
溶液キャスト製膜法に用いる溶剤としては、ポリカーボネートを十分溶解させ、キャストフィルム化できるものであれば制限なく用いることができるが、例えばメチレンクロライド、ジオキソラン等が好適に用いられる。
ポリカーボネートを溶解した溶液は、支持体上に流延され、フィルム状の流延膜が形成される。このキャスト成膜後の流延膜は加熱等により乾燥され溶媒を含む(未延伸)フィルムが得られる。このフィルムの厚みに制限は無いが、フィルムのハンドリング面、コスト面から20〜300μmが好ましく、さらに好ましくは30〜200μmである。
溶液キャストの流延速度としては、1〜30m/minであることが好ましい。
本発明は、上記の如くしてキャストフィルムが作成される。このキャストフィルムは、フィルム面内のリターデーションが0nmまたは0nmに近く、実質的に縦横のいずれの方向にも配向しておらず、実質的に未延伸のキャストフィルムである。ついでこの未延伸フィルムをキャスト方向に対して直交方向に延伸して横一軸延伸フィルムを作成する製造方法である。このとき、横一軸延伸するために用いられる未延伸フィルムの面内膜厚のバラツキが5μm以下であり、かつ残留溶媒量が0.1〜1.5重量%含むものに制御されていることが重要である。この残留溶媒量の制御は、フィルム製膜の際の雰囲気の温度、風量等の乾燥条件を適宜調整することにより行う。
面内の膜厚のバラツキ(最大膜厚と最小膜厚の差)は小さい方が良く、膜厚のバラツキは5μm以下、好ましくは4μm以下、さらに好ましくは3μm以下が良い。縦一軸延伸後のフィルムの膜厚のバラツキが、5μmを超えると、位相差は複屈折と膜厚の積により算出される値であるので、面内の位相差分布が生じる原因となり、面内均一の位相差フィルムを得ることが困難となる。
フィルム中の残留溶媒量は0.1〜1.5重量%、好ましくは0.3〜1.3重量%、より好ましくは0.5〜1.1重量%である。残留溶媒量が1.5重量%を超えると、発泡や延伸においてポリカーボネートの高分子鎖の配向が十分に引き起こされないために、所望の位相差値を得ることが困難となる。一方、フィルム中の残留溶媒量0.1重量%より少ない場合は、延伸工程において、フィルム面内の熱分布の影響を強く受けるために、ポリマーの配向が強い部分と弱い部分が生じ、面内の複屈折分布が生じるために、面内均一な位相差フィルムを得ることが難しい。
延伸方法は、公知のいずれの方法を用いてもよい。例えば、テンター延伸法、ロール間圧縮延伸法などの方法が例示される。厚み方向の屈折率の制御性及びフィルム面内レターデーションの均一性等の点で、ロール間延伸法または、テンター延伸法により一軸延伸する方法がのぞましい。
ポリカーボネートフィルムの延伸温度は、用いる共重合体の種類によってもことなるが、通常は140〜280℃、好ましくは160〜270℃、特に好ましくは、180〜260℃である。
延伸倍率は、横方向共に、1.1〜5.0倍、好ましくは、1.5〜4.0倍、特に好ましくは、2.0〜3.0倍である。
かかるフィルムの中には、延伸性を向上させる目的で、公知の可塑剤であるジメチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸エステル、トリブチルフォスフェート等のリン酸エステル、脂肪族2塩基エステル、グリセリン誘導体、グリコール誘導体等を含有しても良く、またこれらに限定するものではない。先述のフィルム製膜時に用いた有機溶剤をフィルム中に残留させ、延伸しても良い。この有機溶剤としては、ポリマー固形分対比1〜25重量%であることが好ましい。
〔位相差フィルム〕
位相差フィルムの位相差補償性能は、いわゆるレターデーション値で表され、面内レターデーション(R値)が光学補償効果を得るのに重要な光学特性となる。これらR値は、それぞれ下記式(a)で定義される。
(a) R=Δn×d=(n−n)×d
ただし、n、n、dは、以下の通りである。
:フィルム面内における主延伸方向の屈折率
:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率
d :フィルムの膜厚
(主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向を意味しており、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。)
本発明により得られた位相差フィルムは、その波長550nmで測定した面内リターデーションのフィルム面に沿った任意の方向における変動が、いずれの方向についても、各方向におけるR値の平均値に対して±5nm以内の範囲内にあることが好ましく、R値の変動が平均値に対して±4nm以内であることがより好ましく、さらには、R値の変動が平均値に対して±3nm以内が好ましい。液晶表示装置等の表示画面内を均一に光学補償するためには、位相差フィルムの光学特性の変動が、フィルム面に沿った任意の方向で小さいことが必要である。このため、フィルム面内におけるこのR値の変動が、R値の平均値に対して±5nm以上となる場合、液晶表示装置等の表示の均一性を達成することができない。
また、位相差フィルムの面内の遅相軸の面内におけるバラツキは、遅相軸方向の最大値と最小値の差を表し、本発明では、遅相軸のバラツキが1.0度以内であることが好ましく、0.8度以内であることがより好ましく、0.6度以内であることがさらに好ましい。この遅相軸の変動は、フィルム幅方向の全幅において上記の範囲にあることが好ましい。この遅相軸の変動も、本発明の位相差フィルムを用いた液晶表示装置等の表示の均一性に大きく影響を与える。このため、遅相軸の面内におけるバラツキが、1.0度以上となる場合、液晶表示装置等の表示の均一性を達成することができない。
本発明により得られた位相差フィルムは、光学的一軸性フィルムであり、R値は0〜600nmが好ましく、0〜400nmがより好ましく、0〜200nmがさらに好ましい。R値がこの範囲以外である場合、液晶表示装置等の表示の位相差フィルムによる光学補償効果が得られず、高いコントラストや斜視方向における表示品位を保つことができない。
尚、本発明で用いられる位相差フィルムでは、一つの液晶表示装置等の表示媒体に対して、反射型では少なくとも1枚、半透過反射型では少なくとも2枚以上、モニタなどの大型液晶表示装置では、Cプレートと呼ばれるR値5nm以下K値200nm程度を有する位相差フィルムと組み合わされて用いられるが、使用枚数および構成をこれらの組み合わせに限定するものではなく、フィルムを2枚以上を同時に使用しても良い。
また、本発明における位相差フィルムにおいては、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、透明核剤、永久帯電防止剤、蛍光増白剤等のポリマー改質剤が同時にフィルム中に存在しても良い。
本発明により得られた位相差フィルムは透明性が良好であり、へーズ値は5%以下、全光線透過率は85%以上であることが好ましい。また、ガラス転移温度は90℃以上であることが好ましい。
本発明における位相差フィルムの厚さとしては、30〜120μmである。
〔位相差フィルムの使用〕
本発明により得られた位相差フィルムは、正面及び斜視の広い視角範囲で液晶セルによる位相差を補償してコントラスト等の表示品位に優れており、且つ、黒表示画面において光り抜けの斑を生じない面内均一な表示を得る液晶表示装置を形成しうるものであり、ツイストネマチックモード、ヴァーティカルアライメントモード、オプティカルコンペンセートベンドモード、インプレインスイッチングモード等のTFT液晶表示装置などの特に正面方位における位相差を高度に補償して高いコントラストや表示の均一性を達成でき、且つ斜視方向における位相差を高度に補償して表示品位を向上させることができ、特に、本発明におけるフィルムは、垂直配向モードの光学補償に適している。その実用に際しては、例えば位相差フィルムの片面又は両面に粘着材を設けたものや、その粘着材を介して偏光板、又は等方性の透明な樹脂層やガラス層等からなる保護層を接着積層したものなどの適宜な形態の光学部材として適用することができ、液晶表示装置であれば、照明システムにバックライトあるいは反射板や半透過型反射板を用いてなる透過型や反射型、あるいは半透過反射型などが形成することができる。その他の位相差フィルムを用いる表示装置等としては、液晶プロジェクター、強誘電性液晶、反強誘電性液晶を用いたもの、光記録装置の光ヘッドが挙げられるが、本発明で製造された位相差フィルムをそれらに使用しても良い。
また、タッチパネルとして用いても良く、CRT、PDPに用いても良い。
さらに、位相差フィルム上に何らかの材料をコーティングして、湿熱耐久性を向上させたり、耐溶剤性を改良した保護層や保護板として用いても良く、あるいは、表面加工して、拡散板やアンチグレア層、反射防止膜として用いても良い。
本発明で得られた位相差フィルムを他の位相差フィルムや視野角拡大フィルム(例えば、ディスコティック液晶や高分子液晶層をフィルムの膜厚方向に配向させた視野角拡大フィルムなど、)のような光学補償フィルムと同時に使用しても良く、また、本発明の位相差フィルム面上に直接、液晶性分子等からなる光学異方性層を設けて、光学補償フィルムとして用いても良い。
尚、上記位相差フィルムは、一つの液晶表示装置等の表示媒体に対して、2枚以上の複数枚を同時に使用しても良い。
本明細書中に記載の材料特性値等は以下の評価法によって得られたものである。
(1)遅相軸、R値、K値の測定
遅相軸、複屈折Δnと膜厚dの積である位相差R値、面内に対して垂直方向な位相差K値は、王子計測機器社製の商品名『KOBRA21−ADH』により測定されたものである。R値は入射光線とフィルムの表面が垂直する状態で測定しており、R=Δn・d=(n−n)・dである。R値、K値の単位は、nmである。n、nは、ここでは以下のように定義される。
:フィルム面内における主延伸方向の屈折率
:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率
(主延伸方向とは一軸延伸の場合には延伸方向、化学構造的には高分子主鎖の配向方向を指す。)
R値は、位相差フィルムを、幅方向に5cmピッチに10点以上サンプリングを行い、平均値を算出した。この平均値からの値のずれをR値の変動とした。
(2)高分子共重合比の測定
日本電子社製の商品名『JNM-alpha600』のプロトンNMRにより測定した。特にビスフェノールAとビスクレゾールフルオレンの共重合体の場合には、溶媒として重ベンゼンを用い、それぞれのメチル基のプロトン強度比から算出した。
(3)フィルム膜厚のバラツキ測定
延伸によって得られた位相差フィルムの任意の部分をA4カットサイズにて切り出し、その面内における膜厚を5mmピッチにて、アンリツ社製の電子マイクロ膜厚計『Film Thickness Tester KG601A』で測定した。その際における膜厚の最大値と最小値の差をフィルム膜厚のバラツキとした。
(4)残留溶媒量の測定
位相差フィルムを4cm角の大きさに3点サンプリングを行い、ガラス転移温度より10度低い温度にて、5時間乾燥を行った。乾燥前後の重量を測定して、重量変化分がすべて、位相差フィルムに含有する残留溶媒とした。
(5)ポリマー、及び共重合体ポリマーの重合方法
以下に実施例、比較例で用いたポリカーボネートのモノマー構造を示す。
Figure 2005107100
Figure 2005107100
攪拌機、温度計及び還流冷却機を備えた反応装置に水酸化ナトリウム水溶液及びイオン交換水を仕込み、これに上記構造を有するモノマー[A]と[B]をX:Y(mol%、X+Y=100)の比率で溶解させ、少量のハイドロサルファイドを加えた。次に、これに塩化メチレンを加え、20℃でホスゲンを約60分かけて吹き込んだ。さらに、p-tert-ブチルフェノールを加えて乳化させ、トリエチルアミンを加えて30℃で約3時間攪拌して反応を終了させた。反応終了後有機相分取して、塩化メチレンを蒸発させポリカーボネート共重合体を得る。得られた共重合体の組成比はモノマー仕込み量とほぼ同等であった。
(6)評価基準
横一軸延伸により得られる位相差フィルムの評価基準としては、以下の通りとする。ここで、○による表記は位相差フィルムの面内の均一性として良いことを示し、×は特性が悪いことを示す。
面内位相差Rの変動 : ○ R≦5nm
× R>5nm
軸のバラツキ : ○ 遅相軸の最大値と最小値の差≦1.0度
× 遅相軸の最大値と最小値の差>1.0度
表示の均一性 : 液晶モニタに位相差フィルムを実装した時の表示の均一性
◎ 極めて表示品質が高い
○ 表示が均一であり、特性が良い
× 表示が不均一であり、特性が悪い
黒表示の均一性 : 暗室環境下にてモニタを黒表示にて点灯し、モニタ面内の輝度
斑を目視にて観測
◎ 黒表示にで輝度斑が観察されず、極めて表示品質が高い
○ 黒表示にて輝度斑が無く、モニタ面内均一表示である
× 黒表示にて輝度斑があり、モニタ面内で黒表示均一でない
[実施例1]
モノマー[A]と[B]を35:65(モル%)の比率で共重合させたポリカーボネート共重合体を用いた。このポリカーボネート共重合体を塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作成した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの膜厚の最大値211μm、最小値206μmであり、膜厚のバラツキ(膜厚の最大値−最小値)は5μmであった。また、残留溶媒量は、0.8重量%であった。この位相差フィルムをテンターにて、240℃で横方向に2.2倍の横延伸工程を行った。この横一軸延伸により得られた位相差フィルムは、位相差の変動が、R=120±2nm遅相軸のバラツキが0.5度であった。この位相差フィルムを、ロール状の偏光板とロール同士にて、ダイレクトに貼合を行い、偏光板貼合体の位相差フィルムを得た。この偏光板貼合体の位相差フィルムを、液晶モニタに実装して、表示画面の均一性を確認したところ、面内において良好なコントラストと広い視野角を有しており、また、極めて良好な面内の均一性を示した。さらに、このモニタを暗室環境下で、黒表示画面の均一性を確認したところ、輝度斑は見られず、極めて面内の均一表示が得られた。
[実施例2]
モノマー[A]と[B]を35:65(モル%)の比率で共重合させたポリカーボネート共重合体を用いた。このポリカーボネート共重合体を塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作成した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの膜厚の最大値216μm、最小値213μmであり、膜厚のバラツキ(膜厚の最大値−最小値)は3μmであった。また、残留溶媒量は、1.5重量%であった。この位相差フィルムをテンターにて、235℃で横方向に2.5倍の横延伸工程を行った。この横一軸延伸により得られた位相差フィルムは、位相差の変動が、R=124±3nm、遅相軸のバラツキが0.6度であった。この位相差フィルムを、ロール状の偏光板とロール同士にて、ダイレクトに貼合を行い、偏光板貼合体の位相差フィルムを得た。この偏光板貼合体の位相差フィルムを、液晶モニタに実装して、表示画面の均一性を確認したところ、面内において良好なコントラストと広い視野角を有しており、また、良好な面内の均一性を示した。さらに、このモニタを暗室環境下で、黒表示画面の均一性を確認したところ、輝度斑は見られず、面内均一表示であった。
[比較例1]
モノマー[A]と[B]を35:65(モル%)の比率で共重合させたポリカーボネート共重合体を用いた。このポリカーボネート共重合体を塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作成した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの膜厚の最大値211μm、最小値215μmであり、膜厚のバラツキ(膜厚の最大値−最小値)は6μmであった。また、残留溶媒量は、1.2重量%であった。この位相差フィルムをテンターにて、235℃で横方向に2.2倍の横延伸工程を行った。この横一軸延伸により得られた位相差フィルムは、位相差の変動が、R=119±7nm、遅相軸のバラツキが1.1度であった。この位相差フィルムを、ロール状の偏光板とロール同士にて、ダイレクトに貼合を行い、偏光板貼合体の位相差フィルムを得た。この偏光板貼合体の位相差フィルムを、液晶モニタに実装して、表示画面を確認したところ、面内において、表示特性の異なる部分が生じており、均一性が確保できないことが分かった。さらに、このモニタを暗室環境下で、黒表示画面の均一性を確認したところ、輝度斑が確認され、黒表示が均一でないことが分かった。
[比較例2]
モノマー[A]と[B]を35:65(モル%)の比率で共重合させたポリカーボネート共重合体を用いた。このポリカーボネート共重合体を塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作成した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの膜厚の最大値123μm、最小値119μmであり、膜厚のバラツキ(膜厚の最大値−最小値)は4μmであった。また、残留溶媒量は、1.8重量%であった。この位相差フィルムをテンターにて、230℃で横方向に2.2倍の横延伸工程を行った。この横一軸延伸により得られた位相差フィルムは、位相差の変動が、R=116±4nm、遅相軸のバラツキが1.3度であった。この位相差フィルムを、ロール状の偏光板とロール同士にて、ダイレクトに貼合を行い、偏光板貼合体の位相差フィルムを得た。この偏光板貼合体の位相差フィルムを、液晶モニタに実装して、表示画面を確認したところ、面内において、表示特性の異なる部分が生じており、均一性が確保できないことが分かった。さらに、このモニタを暗室環境下で、黒表示画面の均一性を確認したところ、輝度斑が確認され、黒表示が均一でないことが分かった。
[比較例3]
モノマー[A]と[B]を35:65(モル%)の比率で共重合させたポリカーボネート共重合体を用いた。このポリカーボネート共重合体を塩化メチレンに溶解させて18wt%のドープ溶液を作成した。このドープ溶液をスチールドラム上に流延し、それを連続的に剥ぎ取って乾燥させ、未延伸フィルムを得た。得られた未延伸フィルムの膜厚の最大値124μm、最小値117μmであり、膜厚のバラツキ(膜厚の最大値−最小値)は7μmであった。また、残留溶媒量は、1.8重量%であった。この位相差フィルムをテンターにて、230℃で横方向に2.2倍の横延伸工程を行った。この横一軸延伸により得られた位相差フィルムは、位相差の変動が、R=119±8nm、遅相軸のバラツキが1.3度であった。この位相差フィルムを、ロール状の偏光板とロール同士にて、ダイレクトに貼合を行い、偏光板貼合体の位相差フィルムを得た。この偏光板貼合体の位相差フィルムを、液晶モニタに実装して、表示画面を確認したところ、面内において、表示特性の異なる部分が生じており、均一性が確保できないことが分かった。さらに、このモニタを暗室環境下で、黒表示画面の均一性を確認したところ、輝度斑が確認され、黒表示が均一でないことが分かった。
下記に、実施例1、2、及び比較例1〜3の結果を表にまとめた。
Figure 2005107100

Claims (4)

  1. ポリカーボネートを溶液キャスト製膜法により実質的に未延伸のキャストフィルムとする工程と、該キャストフィルムをキャスト方向(以下縦方向)に対して直交する方向(以下横方向)に延伸する横延伸工程とを有する位相差フィルムの製造方法であって、面内の膜厚のバラツキが5μm以下であり、かつ溶媒量(以下残留溶媒量)を0.1〜1.5重量%含む当該キャストフィルムを、該キャスト方向に対して略直交方向に延伸することを特徴とする横一軸延伸位相差フィルムの製造方法。
  2. ポリカーボネートが下記式(I)
    Figure 2005107100
    (上記式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜6の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Xは下記式
    Figure 2005107100
    であり、RおよびR10はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜3の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基である)
    で示される繰り返し単位aを30〜70mol%と、下記式(II)
    Figure 2005107100
    (上記式(II)において、R11〜R18はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、Yは下記式群である。)
    Figure 2005107100
    (ここでR19〜R21、R23及びR24はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子及び炭素数1〜22の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、R22及びR25は炭素数1〜20の炭化水素基から選ばれる少なくとも1種の基であり、また、Ar1〜Arはそれぞれ独立に炭素数6〜10のアリール基から選ばれる少なくとも1種の基である。)
    で示される繰り返し単位bが全体の70〜30mol%を占めるポリカーボネート共重合体及び/またはブレンド体である請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 請求項1記載の横一軸延伸位相差フィルムの製造方法に用いられるための実質的に未延伸のキャストフィルムであって、該キャストフィルム面内の膜厚のバラツキが5μm以下であり、面内の位相差のばらつきが3nm以下であり、かつ残留溶媒量を0.1〜1.5重量%含むことを特徴とするキャストフィルム。
  4. ロール形状の偏光板に、ロール形状の横一軸延伸位相差フィルムを、当該ロール形状の状態からロール同士で貼合するための横一軸延伸位相差フィルムであって、かかる横一軸延伸位相差フィルムは、面内レターデーション(R値)R=0〜600nmであり、かつ遅相軸がフィルムの流れ方向に対して略直交方向にあることを特徴とする横一軸延伸位相差フィルム。
    (ここで、R=Δn×d=(n−n)×dで与えられる。ただし、n、n、n、dは、n:フィルム面内における主延伸方向の屈折率、n:フィルム面内における主延伸方向に直交する方位の屈折率、n:フィルム表面の法線方向の屈折率、d:フィルムの膜厚)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008287218A (ja) * 2007-04-20 2008-11-27 Fujifilm Corp 熱可塑性フィルムおよびその製造方法

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