JP2005106681A - 時計、時計の履歴データ管理システムおよび時計の情報表示方法 - Google Patents

時計、時計の履歴データ管理システムおよび時計の情報表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 より充実したサービスを提供できる時計、時計の履歴データ管理システム、および時計の情報表示方法を提供すること。
【解決手段】 時計1の履歴データを履歴データ記憶部14に記憶させておき、表示スケジュール記憶部13には所定の表示処理を行うまでの時間間隔情報が記憶されている。時間間隔算出部163において履歴データと現時刻データとの差異量である時間間隔データを算出し、比較部164において時間間隔情報と時間間隔データとを比較し、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば、電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123にそれぞれ電池交換時期およびメンテナンス時期を知らせる表示を行う。ユーザが時計1の履歴データを確認して電池が切れる前、あるいは故障する前に対処でき、サービスがより充実する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、時計、時計の履歴データ管理システムおよび時計の情報表示方法に関する。
従来、機器の使用時間を測定して記憶し、使用時間によって機器の保証期間を設定するものがある(例えば特許文献1)。このような機器によれば、使用時間によって合理的に保証期間を設定することができ、メーカ側としてはアフターサービス時の無償修理の期間が明確となるとともに、故障時の故障に至るまでの使用時間や製品寿命の統計管理を容易に行うことができる。また、ユーザ側としては保証書を保管する必要がないので便利である。
特開2000−182004号公報(第3−4頁)
しかしながら、このような機器では、ユーザ側が得られるサービスは保証期間の管理のみであり、多様化した今日のアフターサービスとしては不十分である。そもそもこの機器は、使用時間をメーカ側が確認して使用するものであり、ユーザ側に使用時間が表示されるものではなく、したがって、ユーザ側へ情報を提供するサービスとして行っているものではない。また、この機器では、生産地、生産工場等の履歴情報を記憶してはいるものの、その活用方などについては開示されておらず、したがってこれらの情報がユーザへのアフターサービスとして活用されるものとはいえない。
特に、時計のアフターサービスにおいては、電池で駆動される時計が多く存在するので定期的に電池を交換する必要があったり、機械式時計などでは定期的にメンテナンスを行う必要があったり等、様々なアフターケアの必要があるところ、時計が一旦販売されてユーザ側に渡ってしまうとその履歴を把握することが困難となり、多様化するサービスに適切に対応することが困難となる場合がある。
本発明の目的は、より充実したサービスを提供できる時計、時計の履歴データ管理システム、および時計の情報表示方法を提供することである。
本発明の時計は、内部時刻を計時する時刻計時部と、時刻情報を含む情報を表示する情報表示部と、履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、所定の表示処理を行う時間間隔情報を記憶する表示スケジュール記憶部と、履歴データ記憶部に記憶された履歴データと時刻計時部から出力される現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出部と、時間間隔データおよび時間間隔情報を比較し、時間間隔データが時間間隔情報以上でれば情報表示部に表示信号を出力する比較部とを備え、情報表示部は、比較部からの表示信号に基づいて時間間隔情報に対応する所定の表示を行うことを特徴とする。
この発明によれば、履歴データ記憶部に時計の履歴データを記憶させ、表示スケジュール記憶部には次回の所定の表示を行うまでの時間間隔情報を記憶させておく。時間間隔算出部において履歴データと現時刻データとの差である時間間隔データを算出し、この時間間隔データが表示スケジュール記憶部の時間間隔情報以上であれば比較部は次回の所定の表示時刻になったと判断して、表示信号を出力する。この表示信号により、情報表示部は、時間間隔情報に対応する所定の表示を行う。つまり、例えば時計に電池を入れた日時を履歴データ記憶部に記憶しておき、表示スケジュール記憶部に電池寿命を予め設定して記憶しておいた場合では、時間間隔算出部において履歴データと現時刻データとを比較し、これらの差が電池寿命に達していれば、情報表示部が電池交換時期を知らせる表示を行う。
ここで、時間間隔データが時間間隔情報以上であるとは、時間間隔データとしての時間間隔が時間間隔情報として時間間隔以上であることとをいう。例えば電池交換の時間間隔情報が3年に設定されていた場合では、履歴データ記憶部に記憶された前回の電池交換時期(時刻)と現時刻との差が3年以上であれば、次回の電池交換の表示時刻になったと判断する。
これにより、ユーザが所持する時計の情報表示部で適切な時期に適切な情報を得ることができるので、より充実したサービスがユーザに提供される。したがって、例えば電池交換時期を知らせる表示を行った場合では、ユーザは時計の駆動が止まる前に電池交換時期を知って電池交換を行うことが可能となる。よって、ユーザへのサービスが充実する。
またこの時、時間間隔算出部が履歴データと現時刻データとの差を算出するので、表示スケジュール記憶部には次回の表示時刻までの時間間隔情報を記憶させればよく、つまり例えば電池交換間隔など所定のサービス間隔をそのまま時間間隔情報として記憶させればよいから、時間間隔情報が管理しやすい。
本発明の時計は、内部時刻を計時する時刻計時部と、時刻情報を含む情報を表示する情報表示部と、履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、所定の表示処理を行う次回表示時刻データを履歴データに基づいて算出する表示スケジュール算出部と、時刻計時部からの現時刻データおよび次回表示時刻データを比較し、次回表示時刻データが現時刻データ以上であれば情報表示部に表示信号を出力する比較部とを備え、情報表示部は、比較部からの表示信号に基づいて次回表示時刻データに対応する所定の表示を行うことを特徴とする。
この発明によれば、履歴データ記憶部には時計の履歴データが記憶されており、表示スケジュール算出部は、この履歴データに基づいて次回の所定の表示を行う次回表示時刻データを算出する。次回表示時刻データが現時刻データ以上であれば次回の所定の表示時刻になったと判断されて、その次回表示時刻データに対応する所定の表示を行う。つまり、例えば時計に電池を入れた日時あるいは前回電池を交換した日時を履歴データ記憶部に記憶しておけば、表示スケジュール算出部は、次回表示時刻データとして前回の電池交換時期から電池寿命を勘案して算出される次回の電池交換時期を算出する。このような場合では、現時刻データと次回表示時刻データを比較し、現時刻データが次回表示時刻データに達していれば、情報表示部が電池交換時期を知らせる表示を行う。
ここで、次回表示時刻データが現時刻データ以上であるとは、次回表示時刻データである時刻が現時刻データである時刻と同じか、現時刻データより経過していることをいう。例えば、次回表示時刻データが2003年9月21日午後3時20分と算出されていたとすると、現時刻データがこの時刻と同時刻またはこの時刻より経過していれば、次回の所定の表示時刻になったと判断する。
これにより、ユーザが所持する時計の情報表示部で適切な時期に適切な情報を得ることができるので、より充実したサービスがユーザに提供される。したがって、電池交換時期を知らせる表示を行った場合では、ユーザは時計の駆動が止まる前に電池交換時期を知って電池交換を行うことが可能となる。よって、ユーザへのサービスが充実する。
また、表示スケジュール算出部は、履歴データに基づいて予め設定された表示時間間隔などを勘案して次回の表示時刻データを演算し、この次回表示時刻データを記憶する。したがって比較部は現時刻データが次回表示時刻データに達したか否かを判断すればよいので、比較部の構成が簡単になる。
本発明では、情報表示部は、電池交換時期の表示および/またはメンテナンス時期の表示を行うことが望ましい。
この発明によれば、情報表示部が電池交換時期および/またはメンテナンス時期の表示を行う。商用電源などを用いず電池のみを使用して駆動する時計では電池交換時期を適切に把握することは非常に重要であるし、また機械式時計などでは特に、ムーブメントのメンテナンスによって時計の寿命が大きく変わる。したがってこれらのような表示の少なくとも一つを時計の情報表示部で表示することにより、時計の適切なサービス案内が行われ、ユーザへのサービスがより一層充実する。
本発明では、情報表示部は、電池交換時期の表示を行い、履歴データ記憶部には、当該時計の駆動により消費される消費電流の消費電流情報が記憶され、表示スケジュール記憶部または表示スケジュール算出部は、消費電流情報に基づいて時間間隔情報または次回表示時刻データを算出することが望ましい。
この発明によれば、時計はムーブメントによって消費電流が異なるが、表示スケジュール記憶部は、例えば製造時に検査した消費電流の情報などによる消費電流情報を記憶し、この消費電流情報に基づいて時間間隔情報または次回表示時刻データを設定する。したがって、ムーブメントの種類差や、個体差などによる時間間隔情報または次回表示時刻データの誤差が最小限に抑制され、より的確な電池交換時期の表示が行われる。
本発明では、履歴データ記憶部は、当該時計の製造工程に関する製造情報を記憶する製造情報記憶部、当該時計の販売工程に関する販売情報を記憶する販売情報記憶部、および製造後の当該時計のメンテナンスに関するメンテナンス情報を記憶するメンテナンス情報記憶部のうち少なくともいずれか一つを備え、製造情報は、製造日時、製造地、使用部品名、および検査結果の情報の少なくとも一つを含み、販売情報は、販売日、および販売店の情報の少なくとも一つを含み、メンテナンス情報は、検査時期、検査内容、検査人、交換部品、修理時期、修理内容、および修理人の情報の少なくとも一つを含むことが望ましい。
この発明によれば、履歴データ記憶部が製造情報記憶部、販売情報記憶部、およびメンテナンス情報記憶部のうち少なくともいずれか一つを備えているので、時計の履歴データが時系列に分類整理されて記憶されるから、これらの履歴データの管理が簡単となる。
例えば時計が製造情報記憶部を備えている場合では、製造情報を情報表示部に表示させればユーザが時計の製造状態を知ることが可能となり、より安心して時計を購入できる。また、時計が製造情報記憶部を備えているので、時計が故障した場合でも、製造日時、製造地、使用部品名、および検査結果の情報などから故障原因や対策の究明が簡単となり、迅速な対応が可能となり、サービスが充実する。
また例えば時計が販売情報記憶部を備えている場合では、販売情報を情報表示部に表示させればユーザが販売店名や販売日などを簡単に把握でき、より的確なメンテナンスの判断ができる。また、時計が販売情報記憶部を備えているので、時計が故障した場合でも販売店、販売日などの情報を基に販売店に問い合わせなどをすることが可能となり、より細やかなサービスの提供が可能となる。
さらに、例えば時計がメンテナンス情報記憶部を備えている場合では、メンテナンス情報を情報表示部に表示させればユーザがメンテナンスの状況、結果について容易に知ることができ、より安心して時計を使用できる。また、時計がメンテナンス情報記憶部を備えているので、時計が故障した場合でも検査時期、検査内容、検査人、交換部品、修理時期、修理内容、および修理人の情報などから時計の故障原因、対策の究明が簡単となり、迅速な対応が可能となる。さらに、時計のメンテナンスを行った際にメンテナンス情報記憶部にメンテナンス情報を更新すれば、時計の販売後の状態をも把握することが可能となり、これらの情報に基づいて行えるサービスの幅が広がり、サービス内容が充実する。
本発明では、時刻情報を含んだ外部信号を受信する受信部と、当該時計に対するメンテナンス動作を検出してメンテナンス動作信号を出力するメンテナンス動作検出手段と、履歴データ記憶部に履歴データを記憶させる履歴データ更新部とを備え、履歴データ更新部は、メンテナンス動作信号に対応するメンテナンス情報および受信部で受信した外部信号に含まれる時刻情報を履歴データ記憶部に記憶させることが望ましい。
この発明によれば、受信部、メンテナンス動作検出手段、および履歴データ更新部が設けられているので、時計自身がメンテナンス動作を検出してこのメンテナンス動作に対応するメンテナンス情報を時刻情報とともに自動的に履歴データ記憶部に記憶させることが可能となる。したがって、メンテナンスを行うごとにメンテナンス情報をメーカや販売店側、またはユーザ側が更新する入力作業などが不要となり、時計の取扱性が良好となり、履歴データの管理も簡便となる。
また、通常メンテナンスを行うときは、時計の駆動を停止するので時刻情報がずれることがある。このような場合でも、メンテナンス更新部が受信部で受信した外部信号に含まれる時刻情報に基づいて履歴データを更新するので、正確な時刻情報に基づいて履歴データが更新される。
このように、履歴データ更新部により時計の購入後の履歴データを逐次更新するので、ユーザが時計を購入した後においても、より充実した情報の提供が可能となる。
ここで、メンテナンス動作検出手段としては、例えば時計の裏蓋を開けたことを検知するものや、交換部品が取り外されたことを検知するものなど、任意のものが採用できる。
本発明では、履歴データ記憶部に記憶された履歴データを送信可能および/または外部からの履歴データを受信可能な時計側送受信部を備えたことが望ましい。
この発明によれば、時計側送受信部が設けられているので、例えば時計送受信部が履歴データを送信可能に構成されている場合では、履歴データ記憶部に記憶された履歴データを販売店の端末などに送信して端末のディスプレイでその内容を確認することが可能となる。また時計側送受信部が履歴データを受信可能に構成されている場合では、販売店の端末などの外部から履歴データを変更、更新、追加可能となる。したがって、製造時に履歴データ記憶部に予め履歴データを入力するのみの場合に比べて、より多様な履歴データが記憶可能となり、またこれにより多様化するサービスにより柔軟に対応可能となる。
また、前述のメンテナンス動作検出手段が設けられている場合では、メンテナンス動作検出手段で検出することが困難なメンテナンス動作については時計側送受信部によって外部から履歴データを更新すれば、メンテナンス動作手段の後検出を排除して正確な履歴データを記憶させることができるとともに、メンテナンス動作検出手段が複雑になるのを防止でき、経済的である。
本発明では、時計は、ロータ、ステータ、およびコイルを有するステッピングモータを備え、時計側送受信部は、ステッピングモータのコイルを介して電磁通信にて履歴データを送信および/または受信することが望ましい。
この発明によれば、時計側送受信部が電磁通信にて履歴データを送信および/または受信するので、外部装置への接続用のコネクタなどが不要となり、時計のデザインが良好となる。また、ステッピングモータのコイルが時計側送受信部を兼用しているので、時計の部品点数が低減し、時計の小型化が促進される。
本発明の時計の履歴データ管理システムは、時計の履歴データを管理する履歴データ管理システムであって、前述の時計と、時計に接続される端末とを含んで構成され、端末は、時計の履歴データ記憶部に記憶された履歴データを受信可能および/または履歴データ記憶部に履歴データを送信可能な端末側送受信部と、履歴データを表示する端末表示部とを有することを特徴とする。
この発明によれば、端末の表示部が履歴データを表示するので、時計に記憶された履歴データをユーザや販売店等が確認可能となる。これにより、例えば販売店に端末を設ければ、端末側送受信部が履歴データを受信可能に構成されている場合では、販売店において端末側送受信部が時計の履歴データを受信し、例えば端末のディスプレイなどの端末表示部に表示して履歴データを確認することが可能となる。これにより、例えば必要な修理部品の部品名がわかり、該当部品の在庫を確認できるなどの速やかな対応が可能となる。また、例えばその他の消耗部品を特定して交換を勧めることで故障を未然に防止したり、次回の電池交換時期を知らせることで時計の運針停止を防止するなど、ユーザへの細やかなサービスが可能となる。また、例えば端末側送受信部が履歴データを送信可能に構成されている場合には、販売店などに設置された端末から時計側へ履歴データを送信することで時計の履歴データを更新することが可能となり、履歴データの更新作業が簡略化する。
さらに、端末表示部に履歴データを表示できるので、普段必要でない履歴データを時計側の情報表示部に表示させなくてもよいから時計の良好なデザインを維持しながら充実したサービスの提供が可能となる。
本発明の時計の履歴データ管理システムは、時計の履歴データを管理する履歴データ管理システムであって、履歴データが記憶された履歴データ記憶部を有する時計と、時計に接続される端末と、端末にネットワークを介して接続されるホストコンピュータとを含んで構成され、端末は、履歴データ記憶部に記憶された履歴データを受信可能および/または履歴データ記憶部に履歴データを送信可能な端末側送受信部と、履歴データを表示する端末表示部と、ホストコンピュータに接続する端末側ネットワーク接続部とを備え、ホストコンピュータは、端末に接続するホストコンピュータ側ネットワーク接続部と、時計に関するサービス情報を記憶するサービス情報記憶部と、サービス情報記憶部からのサービス情報を選択するサービス情報選択部とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、端末がネットワークを介してホストコンピュータと接続されているので、端末にサービス情報を提供することが可能となり、例えばメーカなどが一括したサービス情報を各販売店において各ユーザに提示することが可能となる。したがって、より幅広いサービス提供が可能となる。
また、サービス情報選択部が、サービス情報記憶部から適切なサービス情報を選択するので、ユーザのニーズに合わせたサービス情報を選択して提示することが可能となり、より的確なサービス提供が行われる。
また、端末側送受信部が時計から履歴データを受信可能に構成されている場合には、端末を介して時計の履歴データを入手可能なので、個々の時計の履歴データをホストコンピュータでまとめて把握することが可能となる。したがって、例えばこれらの履歴データをホストコンピュータで蓄積すれば、ユーザからのクレームやその対応などの統計データが簡単に構築される。
ここで、サービス情報とは、例えばメーカ側から提供される時計に関係するサービス情報をいい、例えば推奨電池交換時期や推奨オーバーホール時期などの推奨メンテナンス期間や保証期間の提示、ユーザ側における時計の推奨取扱方法などの提示、新製品の紹介広告やイベント広告などの提示などが挙げられる。
また、例えば特定部品の初期不良などが発生した場合にも、ホストコンピュータにて統計データを構築することによりその発見が早期に行われ、該当する時計のユーザに修理を勧めるなどの速やかな対応が可能となり、アフターサービスが充実する。
本発明では、サービス情報は、時計の電池交換時期情報およびメンテナンス時期情報の少なくとも一つであることが望ましい。
この発明によれば、ホストコンピュータにより電池交換時期および/またはメンテナンス時期のサービス情報を端末にネットワークを介して配信し、例えば端末表示部に表示する。または、端末を介して端末送受信部により時計に配信し、時計側の情報表示部で表示する。したがって、例えば時計の情報表示部に電池交換時期を知らせる表示が行われる前でも電池交換時期を簡単に知ることができるから、時計に関する適切なサービス案内が行われ、ユーザへのサービスが充実する。
本発明の時計の情報表示方法は、時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、読出工程での履歴データと現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出工程と、時間間隔算出工程で出力される時間間隔データと所定の表示処理を行う時間間隔情報が記憶される表示スケジュール記憶部から読み出される時間間隔情報とを比較し、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、比較工程で出力される表示信号に基づいて、情報表示部に時間間隔情報に対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、読出工程において履歴データ記憶部からの履歴データおよび時計計時部からの現時刻データを読み出す。時間間隔算出工程では、これらの履歴データと現時刻データとの時間間隔を時間間隔データとして算出する。比較工程では、次回の所定の表示を行うまでの時間間隔情報が記憶された表示スケジュール記憶部から時間間隔情報を読み出し、時間間隔データと時間間隔情報とを比較する。このとき、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば次回の所定の表示時刻になったと判断して、表示信号を出力する。情報表示工程では、この表示信号に基づいて情報表示部に時間間隔情報に対応する所定の表示を行う。つまり、例えば時計に電池を入れた日時を履歴データ記憶部に記憶しておき、表示スケジュール記憶部に電池寿命を予め設定して記憶しておいた場合では、時間間隔算出工程において履歴データと現時刻データとを比較し、これらの差が電池寿命に達していれば、情報表示部で電池交換時期を知らせる表示を行う。
ここで、時間間隔データが時間間隔情報以上であるとは、時間間隔データとしての時間間隔が時間間隔情報として時間間隔以上であることとをいう。例えば電池交換の時間間隔情報が3年に設定されていた場合では、履歴データ記憶部に記憶された前回の電池交換時期(時刻)と現時刻との差が3年以上であれば、次回の電池交換の表示時刻になったと判断する。
この方法により、ユーザが所持する時計の情報表示部で適切な時期に適切な情報を得ることができるので、より充実したサービスがユーザに提供される。したがって、例えば電池交換時期を知らせる表示を行った場合では、ユーザは時計の駆動が止まる前に電池交換時期を知って電池交換を行うことが可能となる。よって、ユーザへのサービスが充実する。
またこの時、時間間隔算出工程において履歴データと現時刻データとの差を算出するので、表示スケジュール記憶部には次回の表示時刻までの時間間隔情報を記憶させればよく、つまり例えば電池交換間隔など所定のサービス間隔をそのまま時間間隔情報として記憶させればよいから、時間間隔情報が管理しやすい。
本発明の時計の情報表示方法は、時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、読出工程での履歴データに基づいて、所定の表示処理を行う次回表示時刻データを算出する表示スケジュール算出工程と、現時刻データと次回表示時刻データとを比較し、次回表示時刻データが現時刻データ以上であれば情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、比較工程で出力される表示信号に基づいて、情報表示部に次回表示時刻データに対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、読出工程において、履歴データ記憶部からの履歴データと、時刻計時部からの現時刻データとを読み出す。表示スケジュール算出工程では、読出工程で読み出した履歴データに基づいて次回表示時刻データを算出する。比較工程では、次回表示時刻データが現時刻データ以上であれば次回の所定の表示時刻になったと判断して表示信号を出力する。情報表示工程では、表示信号に基づいて、時計の情報表示部にその次回表示時刻データに対応する所定の表示を行う。つまり、例えば時計に電池を入れた日時あるいは前回電池を交換した日時を履歴データ記憶部に記憶しておけば、表示スケジュール算出工程では、次回表示時刻データとして前回の電池交換時期から電池寿命を勘案して算出される次回の電池交換時期を算出する。比較工程において、現時刻データと次回表示時刻データを比較し、現時刻データが次回表示時刻データに達していれば、情報表示工程において情報表示部に電池交換時期を知らせる表示を行う。
ここで、次回表示時刻データが現時刻データ以上であるとは、次回表示時刻データである時刻が現時刻データである時刻と同じか、現時刻データより経過していることをいう。例えば、次回表示時刻データが2003年9月21日午後3時20分と算出されていたとすると、現時刻データがこの時刻と同時刻またはこの時刻より経過していれば、次回の所定の表示時刻になったと判断する。
これにより、ユーザが所持する時計の情報表示部で適切な時期に適切な情報を得ることができるので、より充実したサービスがユーザに提供される。したがって、電池交換時期を知らせる表示を行った場合では、ユーザは時計の駆動が止まる前に電池交換時期を知って電池交換を行うことが可能となる。よって、ユーザへのサービスが充実する。
また、表示スケジュール算出工程では、履歴データに基づいて予め設定された表示時間間隔などを勘案して次回の表示時刻データを演算する。したがって比較工程では現時刻データが次回表示時刻データに達したか否かを判断すればよいので、比較工程が簡単になる。
本発明の時計、時計の履歴データ管理システム、および時計の情報表示方法によれば、履歴データ記憶部に履歴データが記憶され、履歴データに基づいて、予め設定された時期に所定の表示が行われるので、時計のユーザは適切な時期に適切な情報を入手できるから、ユーザにより充実したサービスを提供できる。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態について説明する。
図1には、本実施形態の時計1の履歴データ管理システム100の概念図が示されている。この図1において、時計1の履歴データ管理システム100は、時計1と、この時計1に接続して時計1の履歴データを表示する端末2と、端末2とインターネット等のネットワークを介して接続するホストコンピュータ3とを備えている。端末2は例えば販売店や修理工場などに設置されるものであり、またホストコンピュータ3はメーカ等に設置されるものである。
〔時計の構造〕
図2には、時計1の機能ブロック図が示されている。この図2において、時計1は、腕時計型の電波修正時計であり、外部標準電波(外部信号)を受信するとともに端末2に履歴データを送信可能で、かつ端末2から履歴データを受信可能な時計側送受信部(受信部)11と、現在時刻およびその他の情報を表示する情報表示部12と、所定の表示処理を行う時間間隔情報を記憶する表示スケジュール記憶部13と、履歴データを記憶する履歴データ記憶部14と、時計1の電池交換の作業を検出する電池交換検出手段(メンテナンス動作検出手段)15と、時計側送受信部11および情報表示部12の動作を制御する時計制御部16とを備えている。
時計側送受信部11は、外部標準電波を受信するアンテナ111と、図示は省略するが受信した外部標準電波を増幅する増幅回路、所望の周波数成分を抽出するフィルタ、信号を復調する復調回路、信号をデコードするデコード回路等を備えて構成されている。アンテナ111は、棒状の高透磁率材にコイルが巻き付けられた構造の、いわゆるバーアンテナとなっている。
ここで、外部標準電波は長波標準電波の他、短波標準電波など、地域(国)や受信方式に合わせて適宜選択される。また、時計側送受信部11は、履歴データ記憶部14の履歴データを端末2に送信する送信信号を生成する図示しない送信回路を備えている。
情報表示部12は、時刻をアナログ式に表示する文字板を備えており、この文字板には指針により現在時刻を表示する時刻表示部121の他、電池交換時期を知らせる電池交換時期表示部122と、メンテナンス時期を知らせるメンテナンス時期表示部123とが形成されている。
表示スケジュール記憶部13には、情報表示部12に次回の電池交換表示およびメンテナンス表示を行う時間間隔情報を記憶する。具体的には、電池を入れた時期から電池交換が必要な時期までの時間間隔情報と、時計1を購入した時期または前回のメンテナンスを行った時期から次回のメンテナンスが必要な時期までの時間間隔情報とが記憶されている。これらの時間情報は時計1のムーブメントの消費電流や使用電池などによって適宜設定され、例えば電池交換時期の時間間隔情報は2〜3年、パワーセーブ機能付きの時計等では4〜10年に設定され、またメンテナンス時期の時間間隔情報は2〜3年に設定される。
履歴データ記憶部14は、時計1の製造工程に関する製造情報が記憶された製造情報記憶部141と、時計1の販売、流通に関する販売情報が記憶された販売情報記憶部142と、時計1が製造された後のメンテナンス情報が記憶されたメンテナンス情報記憶部143とを備えている。
図3には、製造情報記憶部141に記憶された製造情報の一例が示されている。この図3に示されるように、製造情報記憶部141には、日付を含む時刻情報とともに、製造作業工程や、作業工程の作業者、作業工程の詳細内容などの履歴データが記憶されている。ここで、例えば製造作業工程としてムーブメント組立工程が記憶されている場合に、詳細内容としてはムーブメント組立を行った組立工場(製造地)、使用部品名や部品数、部品ロット番号などが記憶されている。また、製造作業工程としてムーブメント動作検査工程が記憶されている場合では、詳細内容としては例えばムーブメントの消費電流や、歩度データ、回転検査結果などの検査結果が記憶されている。
図4には販売情報記憶部142に記憶された販売情報の一例が示されている。この図4に示されるように、販売情報記憶部142には、日付を含む時刻情報とともに、製造工場からユーザへ販売されるまでの流通先、各流通の担当者、販売店などの履歴データが記憶されている。
図5にはメンテナンス情報記憶部143に記憶されたメンテナンス情報の一例が示されている。この図5に示されるように、メンテナンス情報記憶部143には、日付を含む時刻情報とともに修理や部品交換などのメンテナンス内容、メンテナンスの作業場所、担当者、詳細内容などが記憶されている。ここで、例えばメンテナンス内容として電池交換が記憶されている場合には、詳細内容としては交換した電池の名称、品番などの情報が記憶されている。また、例えばメンテナンス内容としてムーブメントオーバーホールが記憶されている場合では、検査時期、検査場所などの他、詳細内容として検査内容、検査人などが記憶されている。そして例えばメンテナンス内容としてムーブメント修理が記憶されている場合では、修理時期、修理場所などの他、詳細内容として修理内容、修理人などが記憶されている。
図2に戻って、電池交換検出手段15は、電池交換したことを検出すると電池交換検出信号を時計制御部16に出力する。ここで、電池交換検出手段15としては、例えば時計1の裏蓋の開閉を検出する近接スイッチによって構成されるものや、電池ケースに設けられ電池の着脱を検出するセンサ、時計1の電流値や電圧値が一度0となってから再び所定の電流値、電圧値が入力されることを検出するものなど、任意の構造のものが採用できる。
時計制御部16は、時計1の内部時刻を計時する時刻計時部160と、時計側送受信部11で受信した外部標準電波に基づいて現在時刻を修正する時刻修正制御部161と、電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123を制御する表示情報制御部162とを備えている。
時刻計時部160は、基準信号生成部で生成される基準信号に基づいて現時刻をカウントする現時刻カウンタを備えている。基準信号生成部は、水晶振動子を有する発振回路と、発振回路からの発信パルスを分周して基準信号を生成する分周回路とを備えている。
時刻修正制御部161は、時計側送受信部11で受信した外部標準電波の時刻情報と時刻計時部160の時刻情報とを比較し、その差異量分だけ時刻計時部160の現時刻カウンタを変更して時刻表示部121の表示時刻を修正変更するように構成されている。
表示情報制御部162は、履歴データ記憶部14に記憶された履歴データと時刻計時部160から出力される現時刻データとの差を算出して、この差異量を時間間隔データとして出力する時間間隔算出部163と、時間間隔算出部163からの時間間隔データと表示スケジュール記憶部13からの時間間隔情報とを比較する比較部164とを備えている。
時間間隔算出部163は、履歴データ記憶部14の履歴データに含まれる時刻データと、時刻計時部160からの現時刻データとの差異量を算出し、比較部164に出力する。具体的には、電池交換時期については、時間間隔算出部163は、履歴データ記憶部14から最新の電池交換の履歴データを電池交換時期に関する基準の履歴データとして読み出し、この履歴データと現時刻データとの差異量を算出して時間間隔データとして比較部164に出力する。ここで、電池交換の履歴データは、初回の電池交換の場合には時計1の製造後初めて電池取付を行ったときの履歴データであり、過去に電池交換を行ったことがある場合には、直近の電池交換の履歴データである。
またメンテナンス時期については、時間間隔算出部163は、最新のメンテナンスの履歴データをメンテナンス時期に関する基準の履歴データとして読み出し、この履歴データと現時刻データとの差異量を時間間隔データとして算出して比較部164に出力する。ここで、メンテナンスの履歴データは、初回のメンテナンスの場合には、時計1の販売時、ムーブメント組立時など適宜設定された時期の履歴データであり、過去にメンテナンスを行ったことがある場合には、直近のメンテナンスの履歴データである。
なお、時間間隔算出部163は、所定時間毎、例えば1日1回所定時間に履歴データと現時刻データとを読み出して各時間間隔データの算出を行う。
比較部164は、時間間隔算出部163からの時間間隔データと、表示スケジュール記憶部13からの時間間隔情報とを比較し、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば情報表示部12にその時間間隔情報に対応する表示信号を出力する。具体的には、電池交換時期の表示の場合では、比較部164は、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば情報表示部12に電池交換時期表示を行うよう表示信号を出力することとなる。
また、表示情報制御部162は、履歴データ記憶部14に履歴データを更新する履歴データ更新部165を備えている。この履歴データ更新部165は、電池交換検出手段15から電池交換が行われたことを検知する電池交換検出信号を入力して、時計側送受信部11で外部標準電波の受信を行い、電池交換情報を外部標準電波に含まれる時刻情報とともに履歴データ記憶部14のメンテナンス情報記憶部143に記憶する。また、この履歴データ更新部165は、履歴データ記憶部14から必要な履歴データを読み出し、時計側送受信部11に送信する。
〔端末の構造〕
図6には、端末2の機能ブロック図が示されている。この図6において、端末2は、販売店や修理店等に設けられた汎用のコンピュータで構成されており、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置、および記憶装置を備え、CPUの動作制御を行うOS(Operating System)上に展開されるブラウザソフトが組み込まれている。
この端末2は、時計1から履歴データを受信可能で、かつ時計1に履歴データを送信可能な端末側送受信部21と、ホストコンピュータ3とネットワークを介して端末2を接続する端末側ネットワーク接続部22と、時計1やホストコンピュータ3からの履歴データを蓄積する履歴データ蓄積部23と、端末2が設けられた販売店や修理店等における時計部品等の在庫の状態が記憶された在庫情報蓄積部24と、時計1やホストコンピュータ3からの履歴データを表示する端末表示部25と、端末2に情報を入力する入力部26と、端末2の動作を制御する端末制御部27とを備えている。
端末側送受信部21は、端末2とは別体の装置として構成され、棒状の高透磁率材に巻き付けられたコイル211を備え、時計1の時計側送受信部11のアンテナ111と電磁通信により時計1の履歴データ記憶部14からの履歴データを読み込み可能で、かつ端末2から時計1に履歴データを送信可能となっている。
端末側ネットワーク接続部22は、モデム等により公衆回線を介してインターネット等のネットワークを介してホストコンピュータ3と接続可能に構成されている。
履歴データ蓄積部23には、端末2が設けられた販売店や修理店などで応対したことのあるユーザの時計1に関しての履歴データが蓄積されている。
在庫情報蓄積部24には、その販売店や修理店などが保有する交換部品や修理部品などの在庫の状況が蓄積されている。これらの在庫情報は、販売店や修理店において逐次アップデートされていることが望ましい。
端末表示部25は、汎用コンピュータのディスプレイなどで構成され、時計1の履歴データや、ホストコンピュータ3からの履歴データおよびサービス情報などが表示可能となっている。
入力部26は、汎用コンピュータのキーボードなどで構成され、販売店や修理店の店員、またはユーザが端末表示部25に表示される画面を確認しながら履歴データの入力や更新が可能となっている。
端末制御部27は、端末側送受信部21を介して時計1に対して履歴データのやりとりを行うとともに、端末表示部25に履歴データを表示し、入力部26で更新、変更した履歴データを端末側送受信部21を介して時計1に送信する。また、端末制御部27は、ホストコンピュータ3に対してサービス情報および履歴データのやりとりを行う。
〔ホストコンピュータの構造〕
図7には、ホストコンピュータ3の機能ブロック図が示されている。この図7においてホストコンピュータ3は、ネットワークを介して端末2と接続するホストコンピュータ側ネットワーク接続部31と、端末2から受信した時計1の履歴データを蓄積する履歴データ蓄積部32と、履歴データ蓄積部32に蓄積された履歴データを解析する履歴データ解析部33と、履歴データ解析部33の解析結果に基づいてサービス情報を生成するサービス情報生成部34と、サービス情報生成部34で生成されたサービス情報を記憶するサービス情報記憶部35と、サービス情報を選択して端末2に送信するサービス情報選択部36と、ホストコンピュータ3の動作を制御するホストコンピュータ制御部37とを備えている。
履歴データ蓄積部32は、端末2から送信される時計1の履歴データを蓄積可能となっている。また、履歴データ蓄積部32は、外部から直接履歴データを入力、更新可能となっており、メーカ側で把握できる履歴データ、例えば各時計1の製造情報や販売情報の一部などは予めホストコンピュータ3に入力しておいてもよい。
履歴データ解析部33は、履歴データ蓄積部32に蓄積された履歴データを解析してサービス情報を生成するための基礎データを生成する。例えば履歴データ解析部33は、時計1のモデル毎の電池寿命や、故障部品などの統計や、モデル毎あるいは期間毎の時計1の販売数、販売年齢層などの統計など、予め設定された項目に基づいて履歴データを整理して蓄積する。
サービス情報生成部34は、履歴データ解析部33の解析結果に基づいて、ユーザ側に提供すべきサービス情報を生成する。例えば特定のモデルの時計1において多くの故障が発生していればこのモデルの時計1に対して早めのオーバーホールを勧める旨のサービス情報を生成する。また、例えばこの時履歴データ解析部33からの履歴データの統計により故障原因が究明されれば、故障部品や対策などをも含めたサービス情報を生成する。
サービス情報記憶部35は、サービス情報生成部34で生成されたサービス情報を記憶するとともに、この他、外部から入力されたサービス情報、例えば特定モデルの時計1のユーザに対して新製品が発売される旨の広告情報や、特定モデルの時計1のユーザを対象にしたイベントの告知情報などが記憶されていてもよい。
サービス情報選択部36は、サービス情報記憶部35に記憶されたサービス情報のうち、ネットワークを介して端末2に接続されている時計1のユーザに対してのサービス情報として適切なものを選択してホストコンピュータ制御部37に出力する。
ホストコンピュータ制御部37は、端末2からの時計1の履歴データを受信して履歴データ蓄積部32に蓄積するとともに、端末2からのサービス情報要求信号に基づいてサービス情報選択部36から端末2に接続された時計1に適したサービス情報をホストコンピュータ側ネットワーク接続部31から端末2に送信する。
〔時計の動作〕
時計1は、時刻計時部160が内部時刻を計時し、時刻表示部121において現在時刻を表示する。時刻修正制御部161から時刻修正指令が出力されると、時計側送受信部11は外部標準電波を受信して時刻情報を取得する。時刻修正制御部161は、この時刻情報に基づいて時刻表示部121の表示を修正する。
図8には、第一実施形態にかかる時計1の電池交換時期表示およびメンテナンス時期表示の動作のフローチャートが示されている。この図8において、予め設定された所定時間に達すると、ステップS11において時間間隔算出部163は時刻計時部160から現時刻データを読み出す。また、時間間隔算出部163は、履歴データ記憶部14から電池交換時期に関する履歴データと、メンテナンス時期に関する履歴データとを読み出す(読出工程)。
ステップS12において、時間間隔算出部163は、電池交換時期およびメンテナンス時期に関してそれぞれ時間間隔を算出する。つまり、電池交換時期に関しては、現時刻データと電池交換時期に関する履歴データとの差異量である時間間隔データを算出し、比較部164に出力する(時間間隔算出工程)。また、メンテナンス時期に関しては、現時刻データとメンテナンス時期に関する履歴データとの差異量である時間間隔データを算出して比較部164に出力する(時間間隔算出工程)。
ステップS13においては、比較部164が表示スケジュール記憶部13から電池交換の時間間隔情報およびメンテナンスの時間間隔情報を読み出す(時間間隔情報読出工程)。そしてステップS14において比較部164は電池交換時期およびメンテナンス時期それぞれに関して、時間間隔データと時間間隔情報とを比較して、時間間隔データが時間間隔情報以上であるか否かを判断する(比較工程)。
時間間隔データが時間間隔情報以上である場合には、ステップS15に進み、比較部164は情報表示部12に表示信号を出力する。つまり、電池交換時期に関して時間間隔データが時間間隔情報以上である場合には、電池交換時期の表示信号を出力し、またメンテナンス時期に関して時間間隔データが時間間隔情報以上である場合には、メンテナンス時期の表示信号を出力する。
これらの表示信号を受けて、電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123はステップS16においてそれぞれ電池交換の時期に達したことをユーザに知らせる表示、および時計1のメンテナンス時期に達したことをユーザに知らせる表示を行う(情報表示工程)。この時、表示信号は電池交換時期、およびメンテナンス時期それぞれについて別々に判断、出力されるため、電池交換時期についてのみ表示信号が出力された場合には、電池交換時期表示部122のみが表示を行う。
ユーザはこれらの情報表示を確認して、電池交換またはメンテナンスを行えばよい。
一方、ステップS14において、時間間隔データが時間間隔情報より小さい場合には、比較部164は、時計1が電池交換またはメンテナンスの時期に達していないと判断し、電池交換時期表示またはメンテナンス時期表示の動作を終了する。
電池交換を行う際には、時計1の裏蓋の取外や、電池ケースからの電池の取出などの動作を電池交換検出手段15が検知し、履歴データ更新部165に電池交換検出信号を出力する。履歴データ更新部165はこの電池交換検出信号を受信して、時計側送受信部11で外部標準電波を受信し、時刻情報を得る。そして電池交換動作を時刻情報とともに履歴データ記憶部14のメンテナンス情報記憶部143に入力して記憶させる。
また、時計1のメンテナンスを行った場合には、メンテナンス後、端末2の入力部26から履歴データを入力し、端末側送受信部21から時計側送受信部11に履歴データを送信し、履歴データ記憶部14のメンテナンス情報記憶部143に記憶させる。
〔時計の履歴データ管理システム100の動作〕
次に、履歴データ管理システム100の動作について説明する。
ユーザが時計1の電池交換時期表示やメンテナンス時期表示を確認して販売店や修理店、その他の時計取扱店などに時計1を持ち込んだ場合には、時計1のアンテナ111から、販売店などに設置された端末2の端末側送受信部21のコイル211に時計1の履歴データを送信する。端末制御部27は、端末側送受信部21から履歴データを受信し、顧客情報として履歴データ蓄積部23に蓄積するとともに、端末表示部25に履歴データを表示する。
時計1の交換部品などが必要な場合には、ユーザや店員が入力部26を操作すると、端末制御部27が在庫情報蓄積部24から販売店などに保管されている交換部品の在庫リストを端末表示部25に表示させる。
また、端末2はネットワークを介してホストコンピュータに接続されているので、端末2の端末側ネットワーク接続部22からネットワークを介してホストコンピュータ3に接続すると、端末2から送信された時計1の履歴データはホストコンピュータ制御部37によって履歴データ蓄積部32に蓄積される。この履歴データ蓄積部32には、各地の販売店や修理店、サービスセンターなどに設置された端末2からそれぞれ時計1の履歴データが送信されて蓄積される。これらの履歴データは、他の販売店などに設置された端末2からの履歴データとともに、履歴データ解析部33で解析され、サービス情報生成部34で生成されるサービス情報の基礎データとなる。
入力部26の入力操作などにより、端末2からサービス情報要求信号が送信されると、ホストコンピュータ制御部37は、サービス情報選択部36にサービス情報選択信号を送信する。サービス情報選択部36は、このサービス情報選択信号を受けて、時計1の履歴データに応じて必要なサービス情報をサービス情報記憶部35から選択し、ホストコンピュータ制御部37を介して端末2に送信する。端末2では、これらのサービス情報を端末表示部25に表示させる。
端末2では、これらのサービス情報、その他入力部26から入力された更新情報等を時計1に送信する。時計1では時計側送受信部11がこれらの情報を受信すると、履歴データ更新部165がこれらの履歴データを履歴データ記憶部14に更新する。なお、これらのサービス情報を端末2の履歴データ蓄積部23に記憶させて他のユーザへのサービス情報として活用してもよい。
このような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 時計1が履歴データ記憶部14を備え、時刻表示部121の他に、電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123に履歴データに応じて電池交換時期およびメンテナンス時期の表示を行うので、ユーザはメーカや販売店などに問い合わせることなく電池交換もしくはメンテナンスが必要な時期を適切に把握できる。これにより、電池が切れる前の電池交換や、部品が消耗する前のメンテナンスができるので、時計1を常に良好なコンディションに保持することができ、ユーザへのサービスを充実させることができる。
(2) 時間間隔算出部163が履歴データ記憶部14からの履歴データと時刻計時部160からの現時刻データとの差異量である時間間隔データを算出するので、比較部164では時間間隔データと表示スケジュール記憶部13からの時間間隔情報とを比較するだけでよく、したがって比較部164の構成を簡略化できる。また、表示スケジュール記憶部13には電池寿命に対応する電池交換間隔や、消耗部品の寿命などに対応するメンテナンス間隔の情報をそのまま時間間隔情報として記憶させておけばよいので、表示スケジュール記憶部13に記憶されるデータを簡単に管理、変更できる。
(3) 情報表示部12に電池交換時期表示部122が設けられているので、腕時計型の時計1において駆動を確保する上で必要かつ重要な電池交換時期を表示することができる。また、情報表示部12にメンテナンス時期表示部123が設けられているので、時計1の寿命を大きく左右する重要なメンテナンス時期を表示することができる。これによりユーザが適切な時期に適切な表示を得ることができ、ユーザへのサービスを向上させることができる。
(4) 電池交換検出手段15によって電池交換動作を検出でき、またアンテナ111によって外部標準電波を受信できるので、履歴データ更新部165は電池交換動作を自動で検出して時刻情報とともに履歴データ記憶部14に履歴データを更新できる。したがって、ユーザや販売店などが履歴データを手動で更新する必要がないので、時計1の取扱性を向上させることができるとともに、履歴データの管理を簡便にできる。
(5) 履歴データ記憶部14が製造情報記憶部141と、販売情報記憶部142と、メンテナンス情報記憶部143とを備えているので、履歴データを時系列で整理して管理できる。したがって所望の履歴データを簡単に取り出すことができる。また、製造情報記憶部141の製造情報をユーザが確認できるので、時計1の購入時にも性能を十分に確認することができ、ユーザが安心して時計1を購入できる。さらに、販売情報記憶部142の販売情報をユーザが確認できることにより、例えば時計1が故障した場合でも販売店などを調べて簡単に問い合わせできる。そしてメンテナンス情報記憶部143によって、履歴データの更新がある場合には、メンテナンス情報記憶部143に更新できるので、更新手順を簡単にできるとともに、販売後の時計1の状態を簡単に把握でき、サービスの幅が広がり、サービス内容を充実させることができる。
(6) 端末2と時計1との間で、端末側送受信部21と時計側送受信部11との電磁通信により履歴データを送受信できる。したがって、時計1に接続プラグなどを接続する必要がなく、コネクタの形成が不要となるので、時計1の外観を向上させることができる。
(7) 端末表示部25が設けられているので、時計1から受信した履歴データを端末表示部25で表示することができる。これにより、ユーザが履歴データを確認することができ、より充実したサービスを行うことができる。また、端末表示部25に時計1の履歴データを表示することができるので、時計1には時計1の機能維持のために最も重要な電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123のみを設けて、普段利用しない履歴データについては端末表示部25のみで表示するように構成できる。したがって、普段不要な履歴データを表示しないことにより時計1のデザインが良好となる。
(8) 端末2が履歴データ蓄積部23を備えているので、販売店などごとに顧客の履歴データを蓄積できる。したがって時計1の履歴データによって時計1の使用状況や修理履歴などを把握できるので、この履歴データを基に、より細やかなサービスを行うことができる。
また、端末2が在庫情報蓄積部24を備えているので、時計1の部品を交換する必要が生じた場合には、端末表示部25において販売店などが保有する在庫リストをその場で確認することができる。したがって、部品交換がその場ですぐ行えるか回答するなどの対応を迅速に行うことができ、より的確なサービスを提供できる。
(9) ホストコンピュータ3が、複数の端末2からそれぞれ時計1の履歴データを収集して履歴データ蓄積部32に蓄積し、履歴データ解析部33で解析するので、各モデルの時計1毎の統計をとることができる。したがって、メーカ側は時計1の販売傾向などを知ることができるとともに、時計1の経時性能を把握することができる。また、特定モデルに複数同様の故障などが発生している場合には故障個所の究明や対応策の検討などをいち早く行うことができ、故障の可能性や対応策などをサービス情報としてユーザに提供することができ、より一層充実したサービスを行うことができる。
〔第二実施形態〕
次に本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態の時計1とは、電波修正機能を備えていない点および表示情報制御部の構造が異なる。
図9には、第二実施形態にかかる時計1の機能ブロック図が示されている。第二実施形態においては、時計1は電波修正機能を備えていないアナログ式の腕時計であり、時刻表示部121は指針121Aを有する。指針121Aは、輪列6を介してステッピングモータ5に接続されている。
ステッピングモータ5は、輪列6に接続されるロータ51と、ロータ51を回転可能に保持するステータ52と、ステータ52に接続されるコイル53とを備えている。時刻計時部160からの信号に基づいて印加された駆動パルスは、コイル53で電磁変換されて誘導磁界が生じ、この誘導磁界がステータ52を伝わってロータ51を回転させる。ロータ51の回転が輪列6を介して指針121Aに伝達されることにより、指針121Aは現時刻を表示する。
コイル53は、指針121Aの駆動の他、端末2の端末側送受信部21に対して電磁通信により履歴データの送受信を行う時計側送受信部としての機能を有する。
表示情報制御部162は、次回の電池交換時期表示およびメンテナンス表示を行う次回表示時刻データを算出する表示スケジュール算出部166と、この次回表示時刻データと時刻計時部160から出力される現時刻データとを比較する比較部164と、履歴データ更新部165とを備えている。
表示スケジュール算出部166は、履歴データ記憶部14から電池交換時期の最新の履歴データを読み出し、この履歴データに予め設定された電池交換時期間隔(電池寿命)を足し合わせて、次回電池交換時期表示部122に電池交換の表示を行う次回表示時刻データを算出する。また、メンテナンス時期については、履歴データ記憶部14からメンテナンス時期の最新の履歴データを読み出し、この履歴データに予め設定されたメンテナンス時期間隔を足し合わせて、次回メンテナンス時期表示部123にメンテナンスを勧める表示を行う次回表示時刻データを算出する。
ここで、電池交換時期間隔である次回の表示時刻間隔は、履歴データ記憶部14に記憶されたムーブメントの消費電流値から算出する。つまり、時計1の出荷前検査時にムーブメントの消費電流値を測定しておき、履歴データ記憶部14に記憶させておく。表示スケジュール算出部166は、この消費電流値および取り付けられた電池の種類から、電池の寿命を演算し、次回の電池交換時期までの表示時間間隔を算出する。
比較部164は、表示スケジュール算出部166からの電池交換時期およびメンテナンス時期の次回表示時刻データと、時刻計時部160からの現時刻データとを比較し、現時刻データが次回表示時刻データ以上であれば表示時刻に達したと判断して、情報表示部12に次回表示時刻データに対応する表示信号を出力する。比較部164は、第一実施形態と同様に、例えば一日に一回所定時間に時刻の比較を行う。
履歴データ更新部165は、コイル53が端末2から受信した履歴データを履歴データ記憶部14に更新、変更する。また、本実施形態では、電池交換検出手段15は設けられていない。
図10には、第二実施形態の時計1の動作のフローチャートが示されている。この図10において、時計1はまず予め設定された所定時間に達すると、ステップS21において、表示スケジュール算出部166が履歴データ記憶部14から電池交換時期に関する履歴データおよびメンテナンス時期に関する履歴データを読み出す(読出工程)。そしてステップS22で、表示スケジュール算出部166は電池交換時期およびメンテナンス時期の両方について次回表示時刻データを算出する(表示スケジュール算出工程)。
ステップS23では、比較部164が時刻計時部160から現時刻データを読み出す(読出工程)。そして、比較部164は、ステップS24において現時刻データが次回表示時刻データ以上であるか否かを判断する(比較工程)。現時刻データが次回表示時刻データ以上である場合にはステップS25に進み、比較部164は、情報表示部12に表示信号を出力する。つまり、電池交換時期に関して時間間隔データが時間間隔情報以上である場合には、電池交換時期の表示信号を出力し、またメンテナンス時期に関して時間間隔データが時間間隔情報以上である場合には、メンテナンス時期の表示信号を出力する。
これらの表示信号を受けて、電池交換時期表示部122およびメンテナンス時期表示部123はステップS26においてそれぞれ電池交換の時期に達したことをユーザに知らせる表示、および時計1のメンテナンス時期に達したことをユーザに知らせる表示を行う(情報表示工程)。この時、表示信号は電池交換時期、およびメンテナンス時期それぞれについて別々に判断、出力されるため、電池交換時期についてのみ表示信号が出力された場合には、電池交換時期表示部122のみが表示を行う。
ユーザはこれらの情報表示を確認して、電池交換またはメンテナンスを行えばよい。
一方、ステップS24において、現時刻データが次回表示時刻データより小さい場合には、比較部164は、時計1が電池交換またはメンテナンスの時期に達していないと判断し、電池交換時期表示またはメンテナンス時期表示の動作を終了する。
ユーザが電池交換またはメンテナンスを行った場合には、端末2の入力部26で履歴データを入力し、端末側送受信部21から時計1のコイル53に履歴データを送信する。履歴データ更新部165は、これらの履歴データを履歴データ記憶部14のメンテナンス情報記憶部143に記憶させる。
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(1)、(3)、(5)、(7)、(8)および(9)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(10) 表示スケジュール算出部166が履歴データに基づいて次回表示時刻データを算出するので、比較部164では、現時刻データが次回表示時刻データに達したか否かを判断すればよいので、比較部の構成を簡略化できる。
(11) 端末2が端末側送受信部21と時計1のコイル53との電磁通信により履歴データを送受信できる。したがって、第一実施形態の(6)の効果と同様に、時計1に接続プラグなどを接続する必要がなく、コネクタの形成が不要となるので、時計1の外観を向上させることができる。
また、指針121Aを駆動するステッピングモータ5のコイル53が時計側送受信部を兼ねているので、時計1の部品点数を低減でき、時計1の小型化を促進できる。
(12) 表示スケジュール算出部166が、予め測定されて記憶されたムーブメントの消費電流値より、次回の電池交換時期までの表示時間間隔を算出する。時計1のムーブメントの消費電流値はモデルが異なれば異なるし、また個体差もあるが、各時計1の消費電流値を予め測定してその消費電流値に応じて次回表示時刻データを算出するので、より正確に電池交換時期を予測でき、より的確な電池交換時期表示を行うことができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
時計側送受信部は、第一実施形態に示されたアンテナ111のように外部標準電波を受信する受信部としての機能を兼ねているものや、第二実施形態に示されたコイル53のように指針121Aの駆動手段としての機能を兼ねているものに限らない。時計側送受信部は、例えば第二実施形態において、コイル53とは別に棒状の高透磁性材にコイルを巻き付けたバーアンテナを設けて、コイル53は指針121Aの駆動のみに使用し、バーアンテナを端末2との履歴データの送受信のために使用してもよい。この場合には、コイル53およびバーアンテナはそれぞれ駆動性能および受信性能のみを考慮して性能向上を検討すればよいので、それぞれ最適な条件での設定ができる。
時刻表示部は、各実施形態の文字板と指針によるアナログ式の表示部に限らず、例えば液晶表示面を有するデジタル式の表示部であってもよい。
情報表示部は、時刻表示部の他、電池交換表示部およびメンテナンス表示部が設けられていたが、これに限らず、情報表示部の表示項目は適宜決定してよい。例えばデジタル表示式の時計では、メンテナンスの必要性は乏しいので、メンテナンス表示部を必ずしも設けなくてもよく、また、例えば防水性を重視した時計では、ムーブメントのメンテナンスとは別に外装ケースのシール部材を交換する時期を知らせる表示を行ってもよい。このように、情報表示部は、時計の想定使用状況に応じて適宜設定すればよい。
また、情報表示部の表示方法は、任意に設定してよく、例えば電池交換時期表示部では電池交換時期を知らせる場合に液晶表示部に電池交換マークが点灯あるいは点滅するものや、液晶表示部位外の時計の一部、例えば外装ケースや竜頭などが点灯または点滅するもの、音や音楽が鳴るもの、音声によるアナウンスがあるもの、振動するものなどが採用できる。
メンテナンス動作検出手段は、第一実施形態における電池交換検出手段に限らず、特定の部品を交換したことを検出するものや、時計を検査装置にかけたことを検出するものなど、任意のメンテナンス動作を任意の方式によって検出してよい。
履歴データは、各実施形態に記載されたものに限らず、その他時計に関する任意の履歴データであってよい。
履歴データは予め履歴データ記憶部に記憶されて出荷されるものに限らず、例えば販売店などで販売時にホストコンピュータから履歴データを読み込んで時計の履歴データ記憶部に記憶させてもよい。また、時計の情報表示部には、時刻のみを表示し、端末と接続したり、端末を介してホストコンピュータと接続した場合に、端末表示部にて電池交換時期、メンテナンス時期などのサービス情報を確認可能に構成してもよい。
時計側送受信部は、端末に履歴データを送信可能で、かつ端末から履歴データを受信可能なものに限らず、例えば履歴データを製造時に入力し、その後更新する必要がない場合などでは、時計側送受信部は端末に履歴データを送信のみできるように構成してもよい。あるいは、例えば時計の履歴データを端末表示部に表示することなく、時計の情報表示部のみに表示し、端末からは履歴データの更新のみを行う場合などでは、時計側送受信部は、履歴データを端末から受信のみできるように構成してもよい。ようするに、時計側送受信部は、履歴データ記憶部に記憶された履歴データを送信可能および/または外部からの履歴データを受信可能に構成されていればよい。
端末側送受信部は、時計側送受信部から履歴データを受信可能で、かつ時計側送受信部に履歴データを送信可能なものに限らず、履歴データ記憶部に記憶された履歴データを受信可能および/または履歴データ記憶部に履歴データを送信可能に構成されていればよい。
また、本発明の表示情報制御部は、ハードウェアで構成されて予め時計内に組み込まれたものでもよいが、時計がコンピュータ機能つまりCPU(中央処理装置)、メモリやハードディスク等を備えている場合には、CD−ROM等の記録媒体や、インターネット等の通信手段を介して制御プログラムをインストール(組み込む)することで、表示情報制御部をソフトウェアを用いて実現してもよい。
本発明のその他の態様を以下に示す。
第一の態様は、時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、読出工程での履歴データと現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出工程と、時間間隔算出工程で出力される時間間隔データと所定の表示処理を行う時間間隔情報が記憶される表示スケジュール記憶部から読み出される時間間隔情報とを比較し、時間間隔データが時間間隔情報以上であれば情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、比較工程で出力される表示信号に基づいて、情報表示部に時間間隔情報に対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えたことを特徴とする時計の情報表示方法である。
第二の態様は、時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、読出工程での履歴データに基づいて、所定の表示処理を行う次回表示時刻データを算出する表示スケジュール算出工程と、現時刻データと次回表示時刻データとを比較し、次回表示時刻データが現時刻データ以上であれば情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、比較工程で出力される表示信号に基づいて、情報表示部に次回表示時刻データに対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えたことを特徴とする時計の情報表示方法である。
第三の態様は、内部時刻を計時する時刻計時部と、時刻情報を含む情報を表示する情報表示部とを備えた時計にコンピュータが組み込まれ、このコンピュータを、履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、所定の表示処理を行う時間間隔情報を記憶する表示スケジュール記憶部と、前記履歴データ記憶部に記憶された履歴データと前記時刻計時部から出力される現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出部と、前記時間間隔データおよび前記時間間隔情報を比較し、前記時間間隔データが前記時間間隔情報以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較部として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
第四の態様は、内部時刻を計時する時刻計時部と、時刻情報を含む情報を表示する情報表示部とを備えた時計にコンピュータが組み込まれ、このコンピュータを、履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、所定の表示処理を行う次回表示時刻データを前記履歴データに基づいて算出する表示スケジュール算出部と、前記時刻計時部からの現時刻データおよび前記次回表示時刻データを比較し、前記次回表示時刻データが前記現時刻データ以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較部として機能させるためのプログラムを記録した記録媒体である。
本発明の第一実施形態にかかる時計の履歴データ管理システムを示す概念図。 第一実施形態にかかる時計の機能ブロック図。 第一実施形態にかかる履歴データ記憶部に記憶された履歴データの一例。 第一実施形態にかかる履歴データ記憶部に記憶された履歴データの一例。 第一実施形態にかかる履歴データ記憶部に記憶された履歴データの一例。 第一実施形態にかかる端末の機能ブロック図。 第一実施形態にかかるホストコンピュータの機能ブロック図。 第一実施形態にかかる時計の動作のフローチャート。 第二実施形態にかかる時計の機能ブロック図。 第二実施形態にかかる時計の動作のフローチャート。
符号の説明
1…時計、2…端末、3…ホストコンピュータ、11…時計側送受信部(受信部)、12…情報表示部、13…表示スケジュール記憶部、14…履歴データ記憶部、15…電池交換検出手段、16…電池交換検出手段(メンテナンス動作検出手段)、21…端末側送受信部、22…端末側ネットワーク接続部、25…端末表示部、31…ホストコンピュータ側ネットワーク接続部、32…履歴データ蓄積部、35…サービス情報記憶部、36…サービス情報選択部、53…コイル、100…履歴データ管理システム、141…製造情報記憶部、142…販売情報記憶部、143…メンテナンス情報記憶部、160…時刻計時部、163…時間間隔算出部、164…比較部、165…表示スケジュール算出部。

Claims (13)

  1. 内部時刻を計時する時刻計時部と、
    時刻情報を含む情報を表示する情報表示部と、
    履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
    所定の表示処理を行う時間間隔情報を記憶する表示スケジュール記憶部と、
    前記履歴データ記憶部に記憶された履歴データと前記時刻計時部から出力される現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出部と、
    前記時間間隔データおよび前記時間間隔情報を比較し、前記時間間隔データが前記時間間隔情報以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較部とを備え、
    前記情報表示部は、前記比較部からの前記表示信号に基づいて前記時間間隔情報に対応する所定の表示を行うことを特徴とする時計。
  2. 内部時刻を計時する時刻計時部と、
    時刻情報を含む情報を表示する情報表示部と、
    履歴データを記憶する履歴データ記憶部と、
    所定の表示処理を行う次回表示時刻データを前記履歴データに基づいて算出する表示スケジュール算出部と、
    前記時刻計時部からの現時刻データおよび前記次回表示時刻データを比較し、前記次回表示時刻データが前記現時刻データ以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較部とを備え、
    前記情報表示部は、前記比較部からの前記表示信号に基づいて前記次回表示時刻データに対応する所定の表示を行うことを特徴とする時計。
  3. 請求項1または請求項2に記載の時計において、
    前記情報表示部は、電池交換時期の表示および/またはメンテナンス時期の表示を行うことを特徴とする時計。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の時計において、
    前記情報表示部は、電池交換時期の表示を行い、
    前記履歴データ記憶部には、当該時計の駆動により消費される消費電流の消費電流情報が記憶され、
    前記表示スケジュール記憶部または前記表示スケジュール算出部は、前記消費電流情報に基づいて前記時間間隔情報または前記次回表示時刻データを算出することを特徴とする時計。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の時計において、
    前記履歴データ記憶部は、当該時計の製造工程に関する製造情報を記憶する製造情報記憶部、当該時計の販売工程に関する販売情報を記憶する販売情報記憶部、および製造後の当該時計のメンテナンスに関するメンテナンス情報を記憶するメンテナンス情報記憶部のうち少なくともいずれか一つを備え、
    前記製造情報は、製造日時、製造地、使用部品名、および検査結果の情報の少なくとも一つを含み、
    前記販売情報は、販売日、および販売店の情報の少なくとも一つを含み、
    前記メンテナンス情報は、検査時期、検査内容、検査人、交換部品、修理時期、修理内容、および修理人の情報の少なくとも一つを含むことを特徴とする時計。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の時計において、
    時刻情報を含んだ外部信号を受信する受信部と、
    当該時計に対するメンテナンス動作を検出してメンテナンス動作信号を出力するメンテナンス動作検出手段と、
    前記履歴データ記憶部に履歴データを記憶させる履歴データ更新部とを備え、
    前記履歴データ更新部は、前記メンテナンス動作信号に対応するメンテナンス情報および前記受信部で受信した前記外部信号に含まれる時刻情報を前記履歴データ記憶部に記憶させることを特徴とする時計。
  7. 請求項1から請求項6に記載の時計において、
    前記履歴データ記憶部に記憶された履歴データを送信可能および/または外部からの履歴データを受信可能な時計側送受信部を備えたことを特徴とする時計。
  8. 請求項7に記載の時計において、
    前記時計は、ロータ、ステータ、およびコイルを有するステッピングモータを備え、
    前記時計側送受信部は、前記ステッピングモータの前記コイルを介して電磁通信にて前記履歴データを送信および/または受信することを特徴とする時計。
  9. 時計の履歴データを管理する履歴データ管理システムであって、
    請求項1から請求項8のいずれかに記載の時計と、
    前記時計に接続される端末とを含んで構成され、
    前記端末は、前記時計の前記履歴データ記憶部に記憶された履歴データを受信可能および/または前記履歴データ記憶部に履歴データを送信可能な端末側送受信部と、前記履歴データを表示する端末表示部とを有することを特徴とする時計の履歴データ管理システム。
  10. 時計の履歴データを管理する履歴データ管理システムであって、
    履歴データが記憶された履歴データ記憶部を有する時計と、
    前記時計に接続される端末と、
    前記端末にネットワークを介して接続されるホストコンピュータとを含んで構成され、
    前記端末は、前記履歴データ記憶部に記憶された履歴データを受信可能および/または前記履歴データ記憶部に履歴データを送信可能な端末側送受信部と、前記履歴データを表示する端末表示部と、前記ホストコンピュータに接続する端末側ネットワーク接続部とを備え、
    前記ホストコンピュータは、前記端末に接続するホストコンピュータ側ネットワーク接続部と、前記時計に関するサービス情報を記憶するサービス情報記憶部と、前記サービス情報記憶部からの前記サービス情報を選択するサービス情報選択部とを備えたことを特徴とする時計の履歴データ管理システム。
  11. 請求項10に記載の時計の履歴データ管理システムにおいて、
    前記サービス情報は、前記時計の電池交換時期情報およびメンテナンス時期情報の少なくとも一つであることを特徴とする時計の履歴データ管理システム。
  12. 時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、
    内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、
    前記読出工程での前記履歴データと前記現時刻データとを比較して各データ間の時間間隔データを出力する時間間隔算出工程と、
    前記時間間隔算出工程で出力される前記時間間隔データと所定の表示処理を行う時間間隔情報が記憶される表示スケジュール記憶部から読み出される前記時間間隔情報とを比較し、前記時間間隔データが前記時間間隔情報以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、
    前記比較工程で出力される前記表示信号に基づいて、前記情報表示部に前記時間間隔情報に対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えた
    ことを特徴とする時計の情報表示方法。
  13. 時計の情報表示部に所定の表示を行う時計の情報表示方法であって、
    内部時刻を計時する時刻計時部から現時刻データを読み出し、かつ時計の履歴データが記憶される履歴データ記憶部から所定の履歴データを読み出す読出工程と、
    前記読出工程での前記履歴データに基づいて、所定の表示処理を行う次回表示時刻データを算出する表示スケジュール算出工程と、
    前記現時刻データと前記次回表示時刻データとを比較し、前記次回表示時刻データが前記現時刻データ以上であれば前記情報表示部に表示信号を出力する比較工程と、
    前記比較工程で出力される前記表示信号に基づいて、前記情報表示部に前記次回表示時刻データに対応する所定の表示を行う情報表示工程とを備えた
    ことを特徴とする時計の情報表示方法。
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