JP2005103923A - 揺動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンクリート二次製品を製造する際に、コンクリートが注入された型枠を振動させるときの衝撃を緩和でき、簡易な構造で、騒音も少ない揺動装置を提供する。
【解決手段】 土間2に設置できる第2の基盤20と、この第2の基盤20の上で水平なY方向に往復動する第1の基盤10と、この第1の基盤10の上でY方向と垂直な水平方向のX方向に往復動する台盤30とを備えた揺動装置1を提供する。台盤30の下側には、台盤30をX方向に往復動するためのエアーシリンダとコイルバネが配置され、第1の基盤10の下側には、第1の基盤10をY方向に往復動するためのエアーシリンダとコイルバネが配置されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、型枠を用いてコンクリート二次製品を製造する際に、型枠を対象物として揺れ動かすのに適した装置に関するものである。
型枠を用いて様々な形状のコンクリート二次製品を製造する際、生コンクリートを投入あるいは注入する間および/または投入した直後に、型枠を短い周期で小刻みに振動させて、締め固める作業が行われる。この作業は、生コンクリートを型枠の隅々までいきわたらせたり、生コンクリート内に巻き込まれた空気を放出するなどの目的を有する。
特開平10−315210号公報
バイブレータと称される小刻みな振動を与えて型枠を振動させる装置に代わり、コンクリートが注入された型枠を適当な方向に駆動して、適当な振幅と周期で揺れ動かす振動装置が登場している。本明細書においては、いわゆるバイブレータと称される短い周期、すなわち高速で、小さな振幅、すなわち小刻みに型枠を振動させる震動あるいは振動装置に対して、目で見て振幅の大小が把握できる程度に揺れ動かす、あるいは振動させる装置を、バイブレータと区別するために揺動装置と称することにする。したがって、揺動装置は振動装置と称されることもある。
作業中に発生する騒音を低減することは、作業環境を改善し、作業員の労力の軽減のために重要なことである。近年、コンクリート分散力の優れた高性能減水剤が開発され、低水分で流動性の高いコンクリートを得ることができるようになり、従来のように、高周波の振動を与えなくても、型枠を低周波、たとえば、1〜数rpsの振動で揺れ動かすことで、型枠に充填させることが可能となっている。したがって、コンクリート二次製品を製造する際の高周波騒音を低減できるが、やはり、締め固める作業は必要であり、低周波であっても振動させる必要があり、逆に、低周波で所望の効果を得ようとすると振幅を確保する必要があるので、装置および基礎が大型化し、低周波騒音の問題に加え、経済的な問題も発生する。
さらに、近年、コンクリート内の水分が凍結して強度が劣化する凍結融解が問題になっている。凍結融解による害(凍害)を防止するためにはコンクリート中に十分な量の連行空気泡を導入し、自由水の凍結による大きな膨張圧を緩和することが望ましいと考えられている。コンクリートを注入する際に巻き込まれる空気(巻き込み空気、エントラップドエアー)は、粗大でいびつな形状のものが多く含まれるので、水密性や強度低下をもたらすことになる。しかしながら、適当な混和剤を用いることにより気泡の粒径が数10〜数100μm程度の微細な空気を連行する(連行空気、エントレインドエア)を導入することが可能となり、数パーセントの連行空気を導入することにより耐凍害防止性能を飛躍的に向上できるとされている。また、連行空気を導入する混和剤は減水剤と共に使用することも可能であり、凍害の要因となる自然水を減少させる方向にも作用する。
小刻みな震動は、巻き込み空気をコンクリート二次製品から放出すると共に連行空気も放出しやすいので、巻き込み空気を放出し、かつ、連行空気をコンクリート二次製品の中に均等に分散させるためには、コンクリートが注入された状態の型枠を比較的大きな振幅(ストローク)と適当な周期(速さ)で振動させる(揺れ動かす)ことが重要である。
型枠の低周波の振動を与える1つの方法は、モータでカムを回転し、アームなどを介して型枠を前後あるいは左右に往復動することである。しかしながら、この方法は、往復動の方向を変える折り返しの瞬間の衝撃が大きく、騒音が大きいと共に、その衝撃に耐えられるように揺動装置の構造や基礎を形成する必要があり、装置と基礎が大型になりコストが高い。さらに、大きな衝撃が繰り返し与えられるために耐久性に問題があり、メンテナンスコストも高い。また、折り返すとき衝撃により、型枠からコンクリートが漏出することも多く、さらに、衝撃によってコンクリート内部の気泡が上方に抜けずに型枠の側壁に付着してコンクリート二次製品の品質が劣化するという問題もある。
さらに、この速度が急激に変化する打撃的な効果により、コンクリート二次製品中に分散させておきたい連行空気が型枠との境界、すなわち、コンクリート二次製品の表面に出てくるという問題がある。これにより連行空気量が減少して耐凍害性能を劣化させることになると共に、コンクリート製品の表面が細かな気泡で荒れたあばた状(ジャンカ)になり、コンクリート製品の品質が劣化するという問題も引き起こす。
型枠が往復動する折り返しの位置にゴムなどの弾性体によりストッパーを設けておき、折り返しするときに型枠に与えられる衝撃を弱めることが可能である。しかしながら、装置としては、ストッパーが受ける衝撃を支持する必要があり、構造がさらに複雑で、衝撃に強い構造および部材が必要になり、衝撃を受ける装置を固定するための基礎も大きくなる。
特開平10−315210号公報には、型枠を所定の角度で支軸の周りに往復回動することにより、締め固めることが記載されている。回動することにより、型枠に加わる衝撃は緩和できるかもしれない。しかしながら、数トンあるいは数10トンに達する型枠を振り子あるいはブランコのように振動させることは容易ではなく、型枠を吊り下げて揺れ動かす装置は強度を高めるために大型になり、さらに、型枠を振り動かす際に装置側で発生する衝撃に対処するために基礎も大型になる。さらに、重量物が支軸の周りに往復回動している現場は危険区域であり、作業員の安全を確保するためには広いスペースが必要となる。したがって、この方法も経済的であるとは言えない。
また、型枠を用いたコンクリート二次製品を製造する際、製品の形状、すなわち、コンクリートを注入した型枠の形状により振動する方向に適した方向がある。たとえば、水平な断面がいずれかの方向に長い場合は、その長手方向に振動することが望ましい。四方に壁があるボックスのような形状であると、四方の壁に対して斜め方向、さらに望ましくは円または楕円を描くように振動することが望ましい。しかしながら、型枠を揺れ動かす方向を自由に変えることができるような揺動装置は開発されていない。したがって、揺動装置に型枠をセットする方向を、型枠の形状により変えるしかなく、ラインで型枠を流して製品を製造する場合は、型枠の形状毎にセットする向きを調整する必要が発生してしまう。
そこで、本発明においては、コンクリートが注入された型枠などの対象物を振動させるために往復動するときの衝撃を緩和でき、簡易な構造で、さらに基礎も基本的には不要な、揺動装置を提供することを目的としている。これにより、騒音や振動を削減し、作業環境をさらに改善でき、経済的な揺動装置を提供することを目的としている。さらに、振動の方向、周期(速さ)、振幅(ストローク)を自由に変えることができ、直線の他にも円または楕円の軌跡を描くように振動させることも可能な揺動装置を提供することを目的としている。
本発明においては、第1の基盤に対し第1の方向に往復動可能に取り付けられ、型枠などの対象物を搭載可能な台盤と、その台盤を第1の基盤に対し第1の方向に往復動する第1のアクチュエータと、台盤を第1の基盤に対し第1の方向に弾性的に支持する第1の支持手段とを有する揺動装置を提供する。第1のアクチュエータは、台盤に一端が取り付けられ、第1の基盤に他端が取り付けられていることが望ましい。また、第1の支持手段は、台盤に一端が取り付けられ、第1の基盤に他端が取り付けられ、さらに、第1の支持手段は、第1のアクチュエータが中立の位置でほぼ自然長(自由長、偏差がゼロ)になるように取り付けられていることが望ましい。第1のアクチュエータおよび第1の支持手段を間接的に台盤および第1の基盤に接続しようとすると、構造が複雑になり、経済的でもなければ、騒音、不必要な振動あるいはがたつきが発生する要因となる。
この揺動装置は、第1のアクチュエータがオフあるいは励起されておらず、伸び縮みのいずれも可能な中立な状態(通常状態あるいはノーマル状態)で第1の支持手段がほぼ自然長で第1の方向にいずれにも力が作用せず、中立な状態で安定している。たとえば、第1の支持手段がバネであると、そのバネが自然長の状態で安定する。そして、第1のアクチュエータが、中立な状態から往復動を開始すると、それに応じてバネが伸び縮みする。その結果、台盤は、中立な位置から折り返し位置に向かって減速し、折り返し位置から中立な位置に向かって加速するという振動を繰り返す。すなわち、揺動装置は、サインカーブに近い速度変化で、台盤に搭載された型枠を第1の方向に駆動し、往復動させる。すなわち、中立な位置で速く、偏差が大きくなるに連れて速度が徐々に低下するというように、台盤の速度が滑らかに変化し、急激な加速度は加わりにくい。このため、型枠を第1の方向に、たとえば水平に動かしながら、型枠を往復動するときの折り返し点における衝撃を緩和することができる。
また、バネなどの弾性手段により構成される第1の支持手段の自然長が台盤の振幅よりも小さいと、台盤は、第1の支持手段により支持されない状態で運動する範囲と、第1の支持手段により支持された状態で運動する範囲とに分かれ、その範囲の境界で衝撃が発生する。これに対し、自然長が台盤の振幅よりも長い第1の支持手段を採用することにより、常時、第1の支持手段で支持された状態で台盤を振動することができ、台盤の滑らかな速度変化で揺動することができる。
したがって、型枠を用いてコンクリート二次製品を製造する製造方法において、本発明の揺動装置の台盤の上に、コンクリートが注入された型枠を対象物として搭載し、型枠を揺れ動かす工程を設けることにより、型枠を揺れ動かすときの騒音を減らすことができ、折り返し点におけるコンクリートの漏れ出しも防止できる。さらに、衝撃による連行空気の漏れ出しも防止でき、耐凍害性能が高いコンクリート二次製品を提供できる。また、コンクリート二次製品の表面が内部の空気によりあばた状にジャンカになるのも防止できるので、品質の高いコンクリート二次製品を提供できる。
本発明の揺動装置は、型枠を水平な方向に動かしながら、型枠を第1の方向に、速度が擬似的なサインカーブを描くように、あるいは擬似的な振り子のように変化する速度で、折り返し点の衝撃がほとんど発生しないように振動させることができる。したがって、数トンあるいは数10トンもあるような重量物である型枠を吊り下げる必要がなく、水平方向に動く構造で、折り返し点における衝撃もほとんど発生しないようにできる。これは、揺動装置の構造が非常に簡易になることを意味し、さらに、揺動装置を支持する基礎構造も簡略化できることを意味する。したがって、高価な基礎工事は不要であり、装置が移動しない程度の簡易な基礎で対応できる。また、第1の基盤に対し台盤が第1の方向に往復動可能に取り付けられていれば良く、第1の基盤に対して、ころ、タイヤ、ベアリングなどの方法で台盤を支持すれば良い。安定した方向性と、スムーズな往復運動が得られる方法としては、車輪とガイドまたはレールとの組み合わせが、第1の基盤に対して台盤を支持する好ましい機構である。
本発明の揺動装置は、第1のアクチュエータの振幅、周期を変えることにより、台盤のストロークおよび速度を変え、台盤の動きを自由に制御できる。振幅および周期を制御しやすいアクチュエータの1つは、エアーシリンダまたはオイルシリンダーである。そして、電磁弁などによりシリンダのストロークおよび/または往復速度を変更する手段を設けておくことが望ましい。特に、エアーシリンダは低コストで入手でき、さらに油圧を制御する装置が不要で、圧縮空気源があれば利用できるので、コンクリート二次製品を製造する過程で使用する揺動装置に適している。また、この揺動装置においては、台盤が第1の支持手段により支持されるので、台盤の運動方向が逆転する前後では速度がほぼゼロになる。したがって、シリンダを使用しても、台盤の運動方向を逆転するときに台盤の慣性によりシリンダ内のピストンやアームを引き抜くような大きな力が発生することはない。このため、シリンダの破損は防がれており、耐久性が高く、メンテナンス費用の低い揺動装置を提供できる。
第1のアクチュエータと、第1の支持手段とは並列に配置することも可能であるが、第1のアクチュエータと第1の支持手段とは相反する力を発生することになるので、接続する梁などの部材に強度が要求される。これに対し、バネなどの第1の支持手段とエアーシリンダなどの第1のアクチュエータとを対面するように配置することにより直にあるいは適当な部材を挟んで、相反する力を及ぼすことができる。このため、揺動装置の構造が簡略化でき、部材も削減できる。
向かい合った第1のアクチュエータと第1の支持手段は、台盤の下に配置することが可能であり、揺動装置を台盤とほぼ同じサイズで纏めることができ、コンパクトで経済的な揺動装置を提供できる。たとえば、台盤のほぼ中央に接続された部材を挟むように第1のアクチュエータと第1の支持手段を向かい合わせて配置することができる。
型枠を搭載する台盤の上には、型枠を少なくとも第1の方向にはずれないように支持するストッパーを設けることが望ましい。型枠を台盤の上にフォークリフトなどで搬入して搭載する場合は、搬入方向に配置された低い部材と、反対側に配置された高い部材の組み合わせからなるストッパーが適している。また、型枠は台盤以外の場所にも安定して設置できるように構成されていることを考えると、ストッパーは台盤から上方に突き出ている形態にして、台盤上にも他の面と同様に型枠を設置できるようにしておくことが望ましい。
さらに、本発明の揺動装置を2層に組み合わせることにより、第1および第2の方向のいずれにも振動させることができる。すなわち、本発明においては、さらに、第1の基盤を第2の方向に往復動可能に支持する第2の基盤と、第1の基盤を第2の基盤に対し第2の方向に往復動する第2のアクチュエータと、第1の基盤を第2の基盤に対し第2の方向に弾性的に支持する第2の支持手段とを有する揺動装置を提供する。この場合も、この第2の支持手段は、第1の基盤に一端が取り付けられ、第2の基盤に他端が取り付けられていることが望ましい。また、第2の支持手段は、第1の基盤に一端が取り付けられ、第2の基盤に他端が取り付けられ、さらに、第2のアクチュエータが中立の位置でほぼ自然長になるように取り付けられていることが望ましい。さらに、第2の支持手段の自然長も、台盤の振幅より大きいことが望ましい。
第1の方向の振動と、第2の方向の振動とを組み合わせることにより種々のモードの振動を生成できる。すなわち、第1および第2の方向の振動の周期、振幅および位相(偏差)を制御することにより、台盤上の型枠を第1の方向に、第2の方向、および第1と第2の方向の中間の方向に振動させることができ、さらに、第1の方向と第2の方向に加え、第1の方向および第2の方向とは異なる中間の方向や平面内を楕円または円に軌跡を描くように振動あるいは揺動するように台盤上の型枠を動かすことができる。そして、第2の方向にも、第1の方向と同様に、滑らかに速度変化するように動かすことができるので、第1の方向について説明した効果を、第2の方向、および第1または第2の方向と異なるように軌跡を描いて揺動する場合においても得ることができる。
第1および第2の方向の振動の周期、振幅および位相(偏差)を制御するには、第1および第2のアクチュエータは、シリンダであることが望ましい。また、第1の方向のアクチュエータとなる第1のシリンダのストロークおよび/または往復速度と、第2の方向のアクチュエータとなる第2のシリンダのストロークおよび/または往復速度とを独立して変更する手段を設けておくことが望ましい。第1のシリンダと第2のシリンダを連動して制御しても良いが、独立して制御できるように電磁弁などを用意しておくことにより、さらにフレキシブルに振動方向および軌跡を制御できる。さらに、第1のアクチュエータと第1の支持手段とを対面するように台盤の下に配置し、第2のアクチュエータと第2の支持手段とが対面するように第1の基盤の下に配置することができ、2層の基盤を備えた簡易な構成で、たとえば、2次元の水平方向のXおよびY方向に自由に型枠を揺れ動かすことができる揺動装置を提供できる。
したがって、本発明においては、2層の基盤を備えた揺動装置の台盤の上に、コンクリートが注入された型枠を対象物として搭載し、型枠を、第1の方向、第2の方向、または、第1および第2の方向とは異なる軌跡を描くように揺れ動かす工程を有する製造方法を提供することができる。このため、型枠の形状により、揺動装置の振動方向や軌跡を変えることにより、種々の形状に適した方向に型枠を揺動することができ、種々の形状のコンクリート二次製品であって、耐凍害性能が高く、品質の良い製品を、歩留まり良く、安定して製造できる。特に、揺れ動かす方向を型枠の面の広がった方向に自由にセットできるので、型枠に沿った方向にコンクリートを流動させることができ、表面がより滑らかなコンクリート製品を提供できる。
さらに、水平方向と垂直方向の組み合わせも可能である。また、同様に第3の方向に動かすことも可能であり、X、YおよびZ方向の3次元方向に型枠を駆動するような揺動装置も本発明により提供できる。
このように、本発明においては、エアーシリンダなどのアクチュエータと、コイルバネなどの弾性的な支持手段とを組み合わせることにより、平面的な構成で、折り返し点における衝撃の少ない往復動を行う台盤を備えた揺動装置を提供している。したがって、型枠を往復動するときの衝撃を緩和でき、簡易な構造で、さらに基礎も基本的には不要な、揺動装置を提供することができる。さらに、振動の方向、周期、ストロークを自由に変えることができ、また、台盤を振動する構成を積層することが可能となるので、一方あるいは他方向だけではなく、台盤を円または楕円を描くように振動させることも可能な揺動装置を提供できる。
図1に、本発明の揺動装置の一例を示してある。この揺動装置1は、床あるいは土間2に設置できる第2の基盤(ベース)20と、この第2の基盤20の上で水平なY方向(第2の方向)に往復動する第1の基盤(ベース)10と、この第1の基盤10の上でY方向と垂直な水平方向のX方向(第1の方向)に往復動する台盤30とを備えている。台盤30はほぼ正方形のプレート材により構成されており、その表面31に型枠50の動きを止めるストッパー35が配置されている。台盤30は、第1の基盤10に配置された車輪の列に支持されており、X方向に駆動力が働くとガイド11に沿ってX方向に往復動する。台盤30の下側には、第1の基盤10に対して台盤30をX方向に往復動するためのエアーシリンダとコイルバネが配置されている。さらに、第1の基盤10は、第2の基盤20に配置された車輪の列に支持されており、Y方向に駆動力が働くとガイド21に沿ってY方向に往復動する。第1の基盤10の下側には、第2の基盤20に対して第1の基盤10をY方向に往復動するためのエアーシリンダとコイルバネが配置されている。第2の基盤20には、さらに、制御パネル60が取り付けられており、各々のエアーシリンダに対し、適当な圧力の圧縮空気を適当な時間だけ供給することにより台盤30の動きを制御する。
本図に示した型枠50は、側溝の蓋59を成型するものであり、本図のY方向に延びた型枠台51の上に、複数の蓋59を成型するための複数の小型枠52がY方向に積み重ねられた構成となっている。型枠50の長手方向Yの両側の型枠台51の下には、チャンネル材によりX方向に延びた脚部55が設けられており、脚部55から内側に向かってY方向に延びたロック用の部材56が取り付けられている。揺動装置1の台盤30のストッパー35は、図面の手前に配置された低い第1のストッパー35aと、図面の奥の側に配置された高い第2のストッパー35bから構成されている。
図2に、型枠50が揺動装置1にセットされた状態を示してある。フォークリフトなどで型枠50を持ち上げ、手前から型枠50を台盤30に搬入して設置するときに、後方の第2のストッパー35bに型枠底面のロック用の部材56が当たる位置まで型枠50を搬入し、その位置で下に下ろして脚部55により台盤30の上に型枠50が支持されると、ロック部材56は、第1のストッパー35aと第2のストッパー35bとの間に入り、型枠50がX方向にずれ動くのを防止する。さらに、ストッパー35aおよび35bは、脚部55に当たるので、型枠50がY方向にずれ動くのも防止される。
このように、台盤30から上方に突き出た形態のストッパー35aおよび35bであると、ストッパー35aおよび35bが型枠台51の内部あるいは外部に嵌り込む状態になるので、型枠台51で型枠50の荷重を支持し台盤30の上に型枠50を設置できる。逆に、型枠台51から下方に突き出た部材を台盤30にはめ込むような形式でも型枠を台盤に固定することはできるが、台盤30から型枠を外したときに土間などに型枠を置くことが難しくなる。さらに、本例のように、突き出たストッパー35aおよび35bの内、台盤30に対して型枠50を搬入する側を低くしておくことにより、型枠50の搬入に邪魔にならず、かつ、高い方のストッパー35bに、型枠50の設置場所をガイドする機能を持たせることができる。
図3に、揺動装置1をY方向から見た構成を、断面により模式的に示してある。また、図4に、揺動装置1をX方向から見た構成を、断面により模式的に示してある。まず、図4に示すように、第1の基盤10は、台盤30がX方向に移動できるように支持する車輪列12と、台盤30をX方向にガイドする第1のガイド11とを備えている。また、図3に示すように、第1の基盤10は、台盤30をX方向に動かすエアーシリンダ13と、エアーシリンダ13と直線的に対向するように配置されたコイルバネ14とを備えている。
エアーシリンダ13とコイルバネ14とは、台盤30の裏側に固定された駆動部材15を挟んで配置されており、エアーシリンダ13の一方の端13aは駆動部材15に取り付けられ、他方の端13bは第1の基盤10のフレーム16に取り付けられている。コイルバネ14の一方の端14aは駆動部材15に取り付けられ、他方の端14bは第1の基盤10のフレーム16に取り付けられている。コイルバネ14の取り付け位置は、エアーシリンダ13が中立のときに自然長になるように設定されている。したがって、エアーシリンダ13に圧縮空気が供給されて、シリンダ13から突き出たアーム13cが伸び縮みすると、台盤30はコイルバネ14を伸び縮みさせながら、第1の基盤10に対してX方向に往復動する。
図3に示すように、第2の基盤20は、第1の基盤10のフレーム16がY方向に移動できるように支持する車輪列22と、第1の基盤のフレーム16をY方向にガイドする第2のガイド21とを備えている。また、図4に示すように、第2の基盤20は、第1の基盤10のフレーム16をY方向に動かすエアーシリンダ23と、エアーシリンダ23と直線的に対向するように配置されたコイルバネ24とを備えている。エアーシリンダ23とコイルバネ24とは、第1の基盤のフレーム16に固定された駆動部材25を挟んで配置されており、エアーシリンダ23とコイルバネ24の一方の端は駆動部材25に取り付けられ、他方の端は第2の基盤20のフレーム26に取り付けられている。したがって、エアーシリンダ23に圧縮空気を供給して駆動すると、第1の基盤10はコイルバネ24を伸び縮みさせながら、第2の基盤20に対してY方向に往復動する。第2の基盤20のフレーム26の下側には装置1の全体を支持する脚部29が設けられている。
第1の基盤10のエアーシリンダ13とコイルバネ14とにより台盤10を往復動する動きと、第2の基盤20のエアーシリンダ23とコイルバネ25とにより第1の基盤20を往復動する動きは基本的に同じである。図5に、揺動装置1の台盤30をX方向に駆動する第1の駆動系18により、台盤10のX方向の動きの概要を示してあるが、台盤30をY方向に駆動する第2の駆動系28も同様に動き、同様の効果を得ることができる。
図5(a)はエアーシリンダ13が中立な状態を示してある。したがって、この状態(中立点N)からエアーシリンダ13はアーム13cを延ばして図面の左方向に台盤30を駆動することも可能であるし、アーム13cを縮めて台盤30を右方向に駆動することも可能である。エアーシリンダ13が中立な状態で、弾性的な第1の支持手段であるコイルバネ14は、自然長(自由長、すなわち、偏差Δxがゼロの状態)になるように取り付けられており、この状態では、台盤30にコイルバネ14は力を及ぼさない。
コイルバネ14には、自然長が、台盤30の最大振幅より長いものが使われており、台盤30が振動あるいは揺動する間、コイルバネ14の一方の端14aは、常に台盤30と共に移動する。したがって、本例の揺動装置1では、コイルバネ14の力は連続して台盤30に作用し、台盤30に対し急激に弾性力が作用して、台盤30は急激に減速あるいは加速されることがない構成となっている。
図5(b)に示すように、エアーシリンダ13に圧縮空気が供給されてアーム13cが伸びると、台盤30は力Fで左側に駆動される。一方、コイルバネ14は縮むので、その偏差Δxに比例し力Fと反対側に台盤30に対して力を及ぼす。台盤30は、エアーシリンダ13からの力Fと、コイルバネ14の力kΔx(kはバネ定数)との差、さらに揺動装置1の機械ロスLなどの差により加速され、速度vで左側に移動する(mは台盤の質量)。コイルバネ14の力kΔxは、偏差Δxに比例して大きくなるので、台盤30が左側に移動して、力Fから機械損失Lを引いた駆動力よりもコイルバネ14の力が大きくなると、台盤30には右方向の力が作用し減速することになる。
図5(c)に示すように、台盤30に振動の向きを切り換えるときは、エアーシリンダ13に対する圧縮空気の向きを切り替えてアーム13cを縮める。このとき、エアーシリンダ13の力がなくなれば、コイルバネ14の力が支配的になり、台盤30には右方向の力が働き、台盤30の速度は急激に低下する。そして、エアーシリンダ13からアーム13を縮めようとして力Fが右側に働くと、台盤30には、バネ14の力とエアーシリンダ13との合成力が作用し、右側に加速される。この結果、台盤30の振動方向は右側に切り換わり、図5(d)に示すように、右側に速度vで動き出す。
図5(e)に示す中立点Nを通過すると、バネ14は自然長を越えて伸びる。このため、図5(f)に示すように、再び、中立点Nからの偏差Δxに比例して、エアーシリンダ13の力Fに対向する力を台盤30に及ぼす。したがって、台盤30を右側に加速する力は徐々に減り、偏差Δxがある距離を越えるとバネ14の力がエアーシリンダ13の力Fを上回る(実際には機械ロスLを考慮する必要がある)。このため、台盤30にはブレーキが働き速度vが減速する。
図5(g)に示すように、台盤30の振動方向を右から左に切り換えようとエアーシリンダ13の駆動方向を切り換えるときにバネ14の力は最大となり、急激にブレーキがかかる。エアーシリンダ13からアーム13を伸ばそうとして力Fが左側に働くと、台盤30には、バネ14の力とエアーシリンダ13との合成力が作用し、左側に加速される。この結果、台盤30の振動方向は左側に切り換わり、図5(h)に示すように、左側に速度vで動き出す。そして、図5(i)に示すように中立点Nを通過すると図5(b)に示したような状態となり、左右に振動を繰り返す。
実際の台盤30の動きは、揺動装置1の機械的なロスL、バネ定数k、エアーシリンダ13に供給される空気の圧力と、方向を切り替えるタイミングなどがそれぞれ影響する。したがって、必ずしも上記のように力が作用するとは限らない。しかしながら、本例の揺動装置1においては、エアーシリンダ13の中立点Nで自然長になるように設置されたバネ14により、エアーシリンダ13が中立点Nを越えて伸び縮みする場合は、バネ14の弾性力が逆方向に作用し、中立点Nに向かって伸び縮みする場合は、バネ14の弾性力が順方向に作用する。このため、本発明の揺動装置1においては、台盤30の速度は、基本的に擬似サインカーブを描きながら徐々に変化し、擬似振り子のような滑らかな速度変化で振動する。
したがって、中立点Nを越えた位置で、エアーシリンダ13により振動方向を切り換えようとするときは、バネ14の弾性力が、まず、台盤30の速度を徐々に低下させ、台盤30の動きを止めるブレーキとして作用するので、振動方向を切り替えるときの衝撃を緩和することができる。このため、揺動装置1における騒音の発生を防止できる。それと共に、コンクリート二次製品内に連行空気を効率よく分散させることができ、二次製品の表面に、急激な加速度により連行空気が浮いてくるのを防止できる。
さらに、揺動装置1のがたつきや揺動装置自体の振動あるいは転倒モーメントの発生も防止でき、揺動装置1の台盤30に数トンあるは数10トンのコンクリート入りの型枠を搭載した状態でも安定する。したがって、揺動装置1のフレーム構造は簡易になり、経済的な揺動装置を提供できる。さらに、揺動装置1は、土間2に簡易な基礎により固定するだけで、安定して型枠を振動あるいは揺れ動かすことができ、この点でも経済的である。
さらに、振動の方向を切り替えるときの台盤30の慣性がバネ14により減少されるので、エアーシリンダ13にかかる負荷を大幅に軽減できるというメリットがある。台盤30の重量と、台盤30の重量を考えると、振動方向を切り替えるときの慣性力は膨大であり、それが引き抜き力としてエアーシリンダのピストンに作用する。数10トンの重量の慣性力に対向してピストンを動かし続けることができるエアーシリンダは製造が困難であり、市販品では見当たらない。これに対し、バネ14を配置することにより方向を切り変えるときの慣性力は大幅に低減され、条件が整えば、ほとんどゼロになる。したがって、本発明により、市販のエアーシリンダを用いて十分に耐久性の高い揺動装置を提供することが可能となる。
次に、台盤30の振動方向が切り換わった後は、バネ14の弾性力が台盤30を反対方向に加速(増速)する力として作用する。したがって、機械ロスやバネの弾性力に対向して振動を開始できる初期の駆動力さえ確保できれば、エアーシリンダの能力は小さくても良い。このため、小型のエアーシリンダ13で数10トンもあるような型枠を振動させることができ、経済的でコンパクトな揺動装置を提供できる。
エアーシリンダ13とコイルバネ14の配置は、本例の揺動装置1に採用されている配置に限定されるものではない。エアーシリンダ13とコイルバネ14を、台盤30を挟んでX方向に対向するように配置しても良いし、エアーシリンダ13とコイルバネ14を並列に配置しても良い。しかしながら、エアーシリンダ13とコイルバネ14を、台盤30を挟んでX方向に対向して配置すると、エアーシリンダ13とコイルバネ14を設置するスペースが必要になり大きくなる。X方向だけの揺動装置だとそれほど問題ならないかもしれないが、本例のようにX−Y方向に振動する揺動装置であると、第1の基盤10のサイズが大きくなることはディメリットが大きい。
エアーシリンダ13とコイルバネ14を並列に配置した場合は、エアーシリンダ13の力とコイルバネ14の力が等しくなく、さらに反対方向に働く場面も多いので、そのような少なくとも2つの力に対して台盤30がY方向に傾くことなく支持できるようなフレーム構造が必要になる。台盤がY方向に傾き、スキュー角が大きくなると、振動が安定しなくなるだけではなく、台盤30がガイド11などと干渉することになる。
本例の揺動装置1においては、エアーシリンダ13とコイルバネ14が台盤30の下方に駆動部材15を挟んで対向した状態で配置されている。このため、エアーシリンダ13とコイルバネ14という駆動機構を台盤30と積層した状態で配置できるので、第1の基盤10のサイズが小さくなり、台盤30とほとんど同じサイズまで縮めることができる。さらに、エアーシリンダ13とコイルバネ14が駆動部材15を挟んでX方向に一直線状にならんで向かい合っているので、向きや方向が異なる力が駆動部材15に対して台盤30の振動方向であるX方向に直線的に作用する。したがって、エアーシリンダ13とコイルバネ14の力の大きさおよび方向が異なっても、台盤30の振動方向は安定し、フレームの構造も極めて簡単になる。
図6に、揺動装置1の駆動系を抜き出して示してある。この揺動装置1においては、上述したエアーシリンダとコイルバネの組み合わせの駆動系が上下に90度の角度を成して積層された構成になっている。すなわち、台盤30を第1の基盤のフレーム16に対しX方向に往復動するアクチュエータ(エアーシリンダ)13およびコイルバネ14を備えた第1の駆動系18と、第1の基盤のフレーム16を第2の基盤のフレーム26に対しY方向に往復動するアクチュエータ(エアーシリンダ)23およびコイルバネ24とを備えた第2の駆動系28とを、本例の揺動装置1は備えている。さらに、制御装置60は、第1の駆動系18のエアーシリンダ13の振幅および周期をソレノイドバルブ(電磁弁)とタイマーにより切り替えられる第1の制御手段61と、第2の駆動系28のエアーシリンダ23の振幅と周期をソレノイドバルブおよびタイマーにより切り換えられる第2の制御手段62とを備えている。これらの制御手段61および62は、それぞれのエアーシリンダ13および23に供給するエアー圧と量、さらにタイミングを、シリンダ毎に独立に制御することが可能であり、X方向およびY方向の振幅(ストローク)と周期(速度)を制御できる。さらに、エアーシリンダ13および23の振動の位相差も自由にセットすることができる。
したがって、この揺動装置1は、第1の駆動系18を単独に稼動させて、台盤30をX方向に動かすことができ、また、第2の駆動系28を単独に稼動させて、台盤30をY方向に動かすことができる。さらに、第1の駆動系18と第2の駆動系28を同時に稼動させて、X方向およびY方向以外の、台盤30をX−Y平面のいずれの方向にも動かすことが可能であり、X−Y平面内で、台盤30を円形または楕円形の軌跡を描くように動かすことも可能である。さらに、台盤30を右旋回させることも左旋回させることも可能である。
図7に、揺動装置1を用いて、コンクリート二次製品を製造するいくつかの例を示してある。図7(a)は、台盤30に対象物としてコンクリートが注入された型枠50を乗せて、台盤30をX方向に動かす例である。型枠50で成型するコンクリート二次製品が、蓋のように、X方向に基本的に長い形状のコンクリート二次製品を製造するのに適している。図7(b)は、台盤30により型枠50aをY方向に動かす例であり、型枠50aで成型するコンクリート二次製品が側溝用ブロックのように、Y方向に基本的に長い形状のコンクリート二次製品を製造するのに適している。
図7(c)は、台盤30により型枠50bをX−Y平面内で、X方向あるいはY方向以外に、斜め、円形あるいは楕円形といった異なった軌跡に沿って動かす例である。型枠50bで成型するコンクリート二次製品が、ボックス用のブロックなどのように、四方に側壁があるような箱型のコンクリート二次製品を製造するのに適している。第1の駆動系18と第2の駆動系28との振動の位相差を0、90、180、270度にセットし、振幅を変えることによりX−Y座標を斜めに動くいずれの方向にも台盤30を動かすことができる。また、このように、第1の駆動系18と第2の駆動系28との振動の位相差を上記以外にセットし、振幅を変えることにより、円形、楕円形さらに回転方向を変えて、台盤30を動かすことができる。このように、本例の揺動装置1は、1つの装置により、X−Y面内のいずれの方向にも、また、楕円や円を描くようにも型枠を揺れ動かすことができ、様々な形状のコンクリート二次製品の製造に使用することができる。
型枠の振動方向は、型枠の面に沿った方向であることが望ましい。型枠内でコンクリートの移動距離が大きくなるので、気泡径の大きな巻き込み空気を除去し、気泡径の小さな連行空気をコンクリート内に分散させることにより、強度が高く、耐凍害性能の高いコンクリート二次製品を提供できる。また、滑らかな型枠の面に沿ってコンクリートが動くことになるので、型枠の面に沿った部分、すなわち、コンクリート二次製品の表面あるいは外面が、打ち込み面を除き、さらにスムーズに仕上がる。したがって、本発明の揺動装置1により、表面が気泡によりあばたにならないだけではなく、金こて仕上げをしたような滑らかな表面を備えたコンクリート二次製品を提供できる。
なお、上記では、XおよびY方向の2系統の駆動系を備えた2次元の揺動装置を例示しているが、XまたはY方向の1系統の駆動系を備えた揺動装置も本発明に含まれる。さらに、Z方向の系統の駆動系を加えて、X−Y−Zの3次元の揺動装置を本発明により提供することも可能である。鉛直方向にバネを配置する場合は、台盤に搭載される重量によりバネの自然長とシリンダの中立位置との関係を調整できる機構が設けられていることが望ましい。
さらに、上記の例では、アクチュエータとしてエアーシリンダを用いているが、これに限らない。アクチュエータはモータであっても良いが、振幅や周波数を変える機構が複雑になり、設置方法や重量の点からもシリンダ型のアクチュエータが適している。エアーの代わりにオイルの圧力で動作するオイルシリンダであっても良い。しかしながら、動作用のオイルを制御するオイルユニットが必要となる点、本発明の揺動装置では、それほど大きな駆動力が要求されない点を考えると、最も簡単に入手でき、使い勝手も良い圧縮空気を用いたエアーシリンダが本発明の揺動装置には最適である。また、弾性的な支持手段としてコイルバネを上記の例では使用しているが、板バネなどの他の弾性支持手段であっても良い。しかしながら、ある程度の移動量(偏差)あるいはストロークが確保でき、強度も十分に高い点では、コイルバネが最も本発明の揺動装置に適している。
また、上記では、単独に設置され、型枠がフォークリフトなどで搭載されるタイプのスタンドアロン型の揺動装置を示しているが、本発明の揺動装置はコンクリート二次製品の製造ラインに設置することも可能である。図8(a)に示すように、ローラコンベア71を用いて形成された製造ライン70の途中に揺動装置1を設置し、台盤30にもローラコンベア71を設けて型枠50を移動可能とすることにより、製造ライン70に揺動装置1を組み込むことができる。そして、図8(b)に示すように、型枠50を揺動する場合は、台盤30からストッパー35xが上方に突き出て型枠50の台51を掴んだり、台51と係合することにより台盤30に型枠50を固定し、台盤30を所望の方向あるいは軌跡を描くように振動させて、型枠50を揺れ動かすことができる。本発明の揺動装置は、揺動装置の向きを変えずに型枠の振動方向を自由に設定できるので、ラインで製造するコンクリート二次製品の形状に合わせて、揺動装置1の設置位置を変えたり、ラインを流れる型枠の向きを変えないで、型枠の形状に対して最適な方向で振動する環境を提供できる。さらに、台盤に搭載される対象物はコンクリートが注入された型枠に限定されない。本発明の揺動装置は、種々の対象物の実験あるいは製造のために、振幅、周波数および振動方向を自由に変えて対象物を振動させることができるものである。
本発明の揺動装置の概要を示す図である。 図1に示す揺動装置に型枠を搭載した状態を示す図である。 図1に揺動装置をY方向から見た概略構造を断面により示す図である。 図1に揺動装置をX方向から見た概略構造を断面により示す図である。 揺動装置の動作の概要を示す図である。 揺動装置の駆動系を抜き出して示す図である。 揺動装置の動作例を示す図である。 揺動装置がラインに組み込まれた例を示す図である。
符号の説明
1 揺動装置
10 第1の基盤
20 第2の基盤
30 台盤
50 型枠

Claims (18)

  1. 第1の基盤に対し第1の方向に往復動可能に取り付けられ、対象物を搭載可能な台盤と、
    その台盤を、前記第1の基盤に対し、前記第1の方向に往復動する第1のアクチュエータと、
    前記台盤を、前記第1の基盤に対し、前記第1の方向に弾性的に支持する第1の支持手段とを有する揺動装置。
  2. 請求項1において、前記第1のアクチュエータは、前記台盤に一端が取り付けられ、前記第1の基盤に他端が取り付けられ、
    前記第1の支持手段は、前記台盤に一端が取り付けられ、前記第1の基盤に他端が取り付けられ、さらに、前記第1のアクチュエータが中立の位置でほぼ自然長になるように取り付けられている揺動装置。
  3. 請求項1において、前記第1のアクチュエータは、シリンダである揺動装置。
  4. 請求項3において、前記シリンダのストロークおよび/または往復速度を変更する手段を有する揺動装置。
  5. 請求項1において、前記第1の支持手段の自然長が前記台盤の振幅より長い、揺動装置。
  6. 請求項1において、前記第1のアクチュエータと、前記第1の支持手段とが対面するように配置されている揺動装置。
  7. 請求項1において、前記第1のアクチュエータおよび第1の支持手段は、前記台盤の下に配置されている揺動装置。
  8. 請求項1において、前記台盤の上に搭載された前記対象物を少なくとも前記第1の方向にはずれないように支持するストッパーを有する揺動装置。
  9. 請求項8において、前記ストッパーは前記台盤から上方に突き出ている揺動装置。
  10. 請求項1において、前記第1の基盤を第2の方向に往復動可能に支持する第2の基盤と、
    前記第1の基盤を、前記第2の基盤に対し、前記第2の方向に往復動する第2のアクチュエータと、
    前記第1の基盤を、前記第2の基盤に対し、前記第2の方向に弾性的に支持する第2の支持手段とを有する揺動装置。
  11. 請求項10において、前記第2のアクチュエータは、前記第1の基盤に一端が取り付けられ、前記第2の基盤に他端が取り付けられ、
    前記第2の支持手段は、前記第1の基盤に一端が取り付けられ、前記第2の基盤に他端が取り付けられ、さらに、前記第2のアクチュエータが中立の位置でほぼ自然長になるように取り付けられている揺動装置。
  12. 請求項10において、前記第1のアクチュエータの機能を果たす第1のシリンダと、前記第2のアクチュエータの機能を果たす第2のシリンダとを有する揺動装置。
  13. 請求項12において、前記第1のシリンダのストロークおよび/または往復速度と、前記第2のシリンダのストロークおよび/または往復速度とを独立して変更する手段を有する揺動装置。
  14. 請求項10において、前記第1および第2の支持手段の自然長は、前記台盤の振幅より長い、揺動装置。
  15. 請求項10において、前記台盤は、前記第1の方向および第2の方向とは異なる軌跡を描くように揺動可能である揺動装置。
  16. 請求項10において、前記第1のアクチュエータと前記第1の支持手段とが対面するように前記台盤の下に配置され、
    前記第2のアクチュエータと前記第2の支持手段とが対面するように前記第1の基盤の下に配置されている揺動装置。
  17. 型枠を用いてコンクリート二次製品を製造する製造方法であって、
    請求項1ないし16のいずれかに記載の揺動装置の前記台盤の上に、コンクリートが注入された前記型枠を前記対象物として搭載し、前記型枠を揺れ動かす工程を有する製造方法。
  18. 型枠を用いてコンクリート二次製品を製造する製造方法であって、
    請求項10に記載の揺動装置の前記台盤の上に、コンクリートが注入された前記型枠を前記対象物として搭載し、前記型枠を、前記第1の方向、前記第2の方向、または、前記第1および第2の方向とは異なる軌跡を描くように揺れ動かす工程を有する製造方法。
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