JP2005101938A - 複合型分波回路、チップ部品およびrfモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】切替スイッチやダイオードを使用することなく構成でき、伝送損失を悪化させることなく、且つ後段に接続されるSAWフィルタにかかる静電気の抑制ができ、且つ高調波歪の発生も抑制した複合型分波回路を提供する。
【解決手段】少なくとも低域通過フィルタ16と高域通過フィルタ17を具備し、少なくとも三つの異なる周波数帯での信号を分波し、且つ少なくとも一つの周波数帯の回路の後段にSAWフィルタ20を配置してなる複合型分波回路において、SAWフィルタ20が配置される周波数帯の回路におけるSAWフィルタ20の前段に、少なくとも高域通過フィルタ18と、帯域阻止フィルタ19とを配置することによって、複合型分波回路を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、三つ以上の異なる周波数の信号を分波する複合型分波回路、特に複数の周波数帯域で動作が可能であり、且つ複数の周波数帯を同時に使用することが可能である移動体通信端末および移動体通信機器に使用される複合型分波回路に関するものである。
従来、複数の周波数帯域で動作が可能な移動体通信端末および移動体通信機器に、例えばGPS(Grobal Positiong system)などの新たな周波数帯での送受信を付加する場合において、複数の異なる周波数の信号を分波する回路にSAW(弾性表面波)フィルタを使用して異なる周波数の信号を分波する分波回路を形成しようとする場合、SAWフィルタの耐電力特性が低い、且つ静電気に弱いという性質から、図7に示すように、切替SWやダイオードを組み合わせて構成し、その後段のSAWフィルタへは直接に電力や静電気が加わらない構成での接続という回路で構成されていた(例えば、引用文献1参照)。
図7の回路によれば、アンテナ端子61、第1の端子62、第2の端子63、第3の端子64を有し、SW65は、受信した信号がAMPS、PCSシステムの信号であれば、LPF66、HPF67への回路に接続され、受信した信号がAMPS、PCSシステムの信号であれば、GPS信号であれば、第3の端子64に接続するように構成されている。
特開2001−153944号
ところが、図7に示したような、従来の異なる周波数の信号を分波する分波回路と切替SWやダイオードの組み合わせでは、移動体通信端末および移動体通信機器を設計する際の伝送損失の悪化、後段に接続されるSAWフィルタの静電気による破壊、切替SWやダイオードによる高調波歪の発生、構成素子数の増加等の不具合が生じる問題があった。
また、切替SWやダイオードでは、例えばGPSなどの新たな周波数帯での送受信が常時接続できない為、併用して常時使用することができないという問題があった。
従って、本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、GPSなどの新た周波数帯を付加する場合においても、切替SWやダイオードを使用することなく、伝送損失を悪化させることなく、且つ後段に接続されるSAWフィルタにかかる静電気の抑制ができ、且つ高調波歪の発生の抑制ができ、且つ構成素子数の増加もなく、且つ送受信が常時接続可能な移動体通信端末および移動体通信機器に対応した複合型分波回路を提供することにある。
本発明は、少なくとも低域通過フィルタと高域通過フィルタにより構成され、少なくとも三つの異なる周波数帯での信号を分波し、且つ少なくとも一つの周波数帯の回路の後段にSAWフィルタを配置してなる複合型分波回路において、前記SAWフィルタが配置される周波数帯の回路におけるSAWフィルタの前段に、少なくとも高域通過フィルタと、帯域阻止フィルタとを配置したことを特徴とするものである。
また、他の本発明は、少なくとも低域通過フィルタと高域通過フィルタにより構成され、少なくとも三つの異なる周波数帯での信号を分波し、且つ少なくとも一つの周波数帯の回路の後段にSAWフィルタを配置してなる複合型分波回路において、前記SAWフィルタが配置される周波数帯の回路におけるSAWフィルタの前段に、少なくとも低域通過フィルタと、高域通過フィルタと、を配置したことを特徴とするものである。
また、本発明のチップ部品は、多層基板の表面および/または内部に上記の複合型分波回路を形成してなることを特徴とするものである。
さらに、本発明のRFモジュールは、多層基板の表面および/または内部に、上記の複合型分波回路と、デュプレクサ、パワーアンプ、弾性表面波フィルタの少なくとも1つとを搭載してなることを特徴とするものである。
上記本発明によれば、切替SWやダイオードを使用することなく分波回路を構成でき、且つ伝送損失を悪化させることなく、且つ後段に接続されるSAWフィルタにかかる静電気の抑制ができ、且つ高調波歪の発生も抑制でき、且つ構成素子数の増加もなく、且つ送受信が常時接続可能な移動体通信端末および移動体通信機器に対応した複合型分波回路を提供することが可能となる。
また、本発明に係る複合型分波回路は、多層基板内に形成することが可能であり、RFモジュールの多層基板内に一体化形成することが可能であることをから、小型で且つ低背のチップ部品やRFモジュールを得ることが可能となる。
本発明の複合型分波回路を図面に基づいて説明する。図3は本発明の複合型分波回路の第1形態のブロック図とその後段に接続されるSAWフィルタを示し、図4は、本発明の複合型分波回路の第2形態のブロック図とその後段に接続されるSAWフィルタを示す。この形態では、トリプルバンド対応の場合を示し、その3つの通信システムとは、AMPS通信システム(800MHz帯)、PCS通信システム(1900MHz帯)、GPS通信システム(1500MHz帯)を例にして説明する。
図3に示す第1形態における複合型分波回路10は、アンテナに接続されるANT端子11と、第1の周波数帯(AMPS通信システム)の送受信信号を入出力する第1の端子12、第2の周波数帯(PCS通信システム)の送受信信号を入出力する第2の端子13、第3の周波数帯(GPS通信システム)の送受信信号を入出力する第3の端子14を有している。
このANT端子11と第1の端子12間はストリップラインとキャパシタから構成される低域通過フィルタ(以下、LPFという。)16が形成されており、GPS通信システムおよびPCS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。また、PCS通信システムの周波数帯においては2倍波、3倍波の高調波を減衰させることも可能である。
また、ANT端子11と第2の端子13間はストリップラインとキャパシタから構成される高域通過フィルタ(以下、HPFという。)17が形成されており、AMPS通信システムおよびGPS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。
また、ANT端子11と第3の端子14間はストリップラインとキャパシタから構成されるHPF18および帯域通過フィルタ(BEF)19が形成されており、これらのHPF18においてAMPS通信システムの、BEF19においてPCS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。
さらに、このHPF18においては低域側を減衰させることが出来ることから、第3の端子14の後段に接続されるSAWフィルタ20にかかる静電気(〜300MHz)を減衰させることができ、SAWフィルタ20の保護の役割も担うことが可能である。
このHPF18の後段に挿入されているBEF19においても、第3の端子14に接続されるSAWフィルタ20への入力端子15からANT端子11までを第2のPCS通信システム周波数帯でのλ/4*(2n−1) (nは自然数)の長さになるように設計することにより、第2のPCS通信システムにおける高調波抑制の役割を担うことも可能となりうる。
一方、図4の第2形態における複合型分波回路21では、アンテナに接続されるANT端子22と、第1の周波数帯(AMPS通信システム)の送受信信号を入出力する第1の端子23、第2の周波数帯(PCS通信システム)の送受信信号を入出力する第2の端子24、第3の周波数帯(GPS通信システム)の送受信信号を入出力する第3の端子25を有している。
このANT端子22と第1の端子23間はストリップラインとキャパシタから構成されるLPF27が形成されており、GPS通信システムおよびPCS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。また、PCS通信システムの周波数帯においては2倍波、3倍波の高調波を減衰させることも可能である。
また、ANT端子22と第2の端子24間はストリップラインとキャパシタから構成されるHPF28が形成されており、AMPS通信システムおよびGPS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。
また、ANT端子22と第3の端子25間はストリップラインとキャパシタから構成されるLPF29およびHPF30が形成されており、これらのLPF29においてPCS通信システムの、HPF30においてAMPS通信システム周波数帯の減衰が取れる設計となっている。さらに、このHPF30においては低域側を減衰させることが出来ることから、第3の端子25の後段に接続されるSAWフィルタ31にかかる静電気(〜300MHz)を減衰させることができ、SAWフィルタの保護の役割も担うことが可能である。
このHPF30の前段に挿入されているLPF29においても、第3の端子25に接続されるSAWフィルタ31への入力端子26からANT端子22までを第2のPCS通信システム周波数帯でのλ/4*(2n−1) (nは自然数)の長さになるように設計することにより、第2のPCS通信システムにおける高調波抑制の役割を担う事も可能となりうる。
さらに、別の通信システムが追加され、分波する通信周波数帯が4つになる場合の分波回路32は、例えば図5に示すように、第1形態の複合型分波回路にBPF33を追加し、第4の送受信信号を入出力する第4の端子34を付加することで対応が可能であり、この場合においても上述した、本発明の複合型分波回路における特徴は変わらず、当初の目的を果たすことが可能である。
本発明の上記の分波回路において、LPF、HPF、BEFは、図4(a)(b)(c)の回路図に示すように、いずれもストリップラインLとキャパシタCによって形成されるものであり、このストリップラインは、絶縁層表面や内部に導体線路を形成することで形成され、キャパシタCが絶縁層を一対の電極によって挟持することによって形成することができる。
従って、本発明における分波回路は、図4に示すように、誘電体層を積層してなる多層基板41の内部や表面にストリップラインを形成する導体線路42やキャパシタを形成する一対の電極33を形成し、前記図1、図2、図3の回路となるように回路を引き回すことにとって、多層基板1内に分波回路を形成することができる。その結果、その多層基板1の外表面に、分波回路の各入出端子となる端面電極44を設けることによって分波回路を具備するチップ部品を形成することができる。
また、図5は、本発明の複合型分波回路を内蔵しているモジュールの外観斜視図である。これは、例えば複数の誘電体層が積層して成る多層基板51には、図4と同様にしてストリップラインやキャパシタを形成するための電極が形成されている。また、この多層基板51上には、SAWデュプレクサ52、パワーアンプ53、SAWバンドパスフィルタ54などの受動および能動素子を実装する事ができ、且つそれぞれの部品間の整合回路等を多層基板51内に形成、集積化する。また、多層基板51の裏面には端子電極55が被着形成され、この端子電極55は複合型分波回路等、モジュール回路の入出力端子の機能を有する。
かかる構成によって、複合方分波回路を具備した小型でRFモジュールを形成することができる。
本発明による複合型分波回路の第1の形態のブロック図を示す。 本発明による複合型分波回路の第2の形態のブロック図を示す。 本発明による複合型分波回路を用いて4分波する場合のブロック図を示す。 LPF,HPF,BEFの各フィルタの回路図を示す。 本発明による複合型分波回路チップ部品の(a)外観斜視図と(b)概略断面図を示す。 本発明による複合型分波回路を内蔵するRFモジュールの外観斜視図を示す。 従来の分波回路のブロック図を示す。
符号の説明
10 分波回路
11、 ANT端子
12、 第1の周波数帯における送受信端子
13、 第2の周波数帯における送受信端子
14、 第3の周波数帯における送受信端子
16、ローパスフィルタ(LPF)
17、18 ハイパスフィルタ(HPF)
19 バンドエリミネーションフィルタ(BEF)

Claims (4)

  1. 少なくとも低域通過フィルタと高域通過フィルタを具備し、少なくとも三つの異なる周波数帯での信号を分波し、且つ少なくとも一つの周波数帯の回路の後段にSAWフィルタを配置してなる複合型分波回路において、前記SAWフィルタが配置される周波数帯の回路におけるSAWフィルタの前段に、少なくとも高域通過フィルタと、帯域阻止フィルタとを配置したことを特徴とする複合型分波回路。
  2. 少なくとも低域通過フィルタと高域通過フィルタを具備し、少なくとも三つの異なる周波数帯での信号を分波し、且つ少なくとも一つの周波数帯の回路の後段にSAWフィルタを配置してなる複合型分波回路において、前記SAWフィルタが配置される周波数帯の回路におけるSAWフィルタの前段に、少なくとも低域通過フィルタと、高域通過フィルタと、を配置したことを特徴とする複合型分波回路。
  3. 多層基板の表面および/または内部に、請求項1または請求項2記載の複合型分波回路を形成してなることを特徴とするチップ部品。
  4. 多層基板の表面および/または内部に、請求項1または請求項2記載の複合型分波回路と、デュプレクサ、パワーアンプ、弾性表面波フィルタの少なくとも1つとを搭載してなることを特徴とするRFモジュール。
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