JP2005101493A - 有機薄膜トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

有機薄膜トランジスタおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャリア移動度が高く、オンオフ比も大きく、トランジスタ特性に優れ、かつ経持変化しにくく安定で、しかもプロセッシビリティーが高く、簡便な方法で作製できる電界効果型有機薄膜トランジスタ、及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、有機半導体材料は、一般式(I)
【化1】
Figure 2005101493

で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族炭化水素の2価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機半導体層を有する有機薄膜トランジスタ(TFT)、及びその製造方法に関する。
有機活性層を備えた薄膜トランジスタ(TFT)は、シリコンベースTFTの安価な代替品として近年大きな注目を集めてきている。有機材料を用いてデバイスを構成することにより、印刷法、スピンコート法、浸漬法などの湿式法によって簡便に薄膜や回路を形成することが可能となる。すなわちシリコンベースTFTの製造プロセスで必要とされるコストのかかる工程を経ることなくデバイスを製造することが可能であり、製造コストの大幅なコストダウンや大面積化等が期待される。加えて有機材料ベースのデバイスの利点には機械的フレキシビリティー、軽量化という点も挙げられる。現状、有機材料はキャリアの移動度の観点からは無機半導体材料の性能には及ばないものの、幾つかの前述の利点により、有機半導体デバイスは大きな注目を集めている。
有機TFTの構成とその動作について説明する。図1A(図1Aは本発明の有機薄膜トランジスタの構成例であるが、材料以外の構造に関する説明を、該図1Aを借りて説明する)は代表的な有機TFTの断面図である。図1A中の一対の電極(ソース電極およびドレイン電極)の間に電圧をかけると、有機半導体層を通じてソース電極とドレイン電極の間に電流が流れる。この際、絶縁層により有機半導体層と隔てられたゲート電極に電圧を印加すると、電界効果によって有機半導体層の電導度が変化し、したがってソース・ドレイン電極間に流れる電流を変調することができる。これは絶縁層に近接する有機半導体層内の蓄積層の幅がゲート電圧によって変化し、チャネル断面積が変化するためであると考えられている。
このような有機TFTの半導体材料としては、例えば低分子材料ではペンタセン(Synth.Met.,51,419,1992)、フタロシアニン(Appl.Phys.Lett.,69,3066,1996.)、フラーレン(特開平8−228034号公報…特許文献1、Appl.Phys.Lett.,67,121,1995.)、アントラジチオフェン(特開平11−195790号公報…特許文献2)、チオフェンオリゴマー(特許第3145294号公報…特許文献3、Chem.Mater.,4,457,1998.)、ビスジチエノチオフェン(Appl.Phys.Lett.,71,3871,1997.)などが、また高分子材料ではポリチオフェン(Appl.Phys.Lett.,69,4108,1996.)、ポリチエニレンビニレン(Appl.Phys.Lett.,63,1372,1993.)などの幾つかの材料が提案されている。
上記の材料は、TFTデバイス用の有機半導体として魅力的なキャリア移動度を有している。しかし、商用としての有機半導体を用いたTFTデバイスに適用するには、これらの材料を幾つかの点で改良することが求められている。
例えば、ペンタセンは約1cm/Vsの移動度を有すると報告されている。しかし、ペンタセンは溶媒に難溶性であり、ペンタセンのフィルムを溶液から形成することは困難である。また、ペンタセンは、酸素を含有する雰囲気下では経時酸化する傾向が有り、酸化に対して不安定である。同様にフタロシアニン、フラーレンなども溶媒への溶解性が低く、一般に真空蒸着法を用いて半導体層を作製せねばならず、製造工程の低コスト化、大面積化等の有機ベースのデバイスに特徴的な恩恵を享受することができない。加えて、これら材料には基板の変形によって膜の剥がれ、割れ等が生じる場合があるという問題もある。
また、湿式塗工が可能であり、比較的高移動度を有する材料としてポリアルキルチオフェン系材料が注目されているが(Appl.Phys.Lett.,69,4108,1996.)、デバイスのオンオフ比が低いことや、酸化されやすく特性が経時変化してしまうという欠点を有する。
以上のように、幾つかの材料がTFT用の有機半導体材料として提案されているものの、必要とされる全ての特性を満たした有機半導体材料は未だに得られていないのが現状である。好ましい有機半導体材料においては、良好なトランジスタ特性を示すことに加えて、良好なフィルムがウェットプロセスにより作製され得るような溶媒への溶解性を示し、加えて耐酸化性をはじめとする保存安定性が求められる。
特開平8−228034号公報 特開平11−195790号公報 特許第3145294号公報
本発明はこれら問題を解決するためになされたもので、プロセッシビリティーが高く簡便な方法で素子を作製でき、キャリア移動度が高くオンオフ比の大きい良好なトランジスタ特性を示し、かつ経時変化しにくい安定な有機TFT、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の構造を有する重合体を有機TFTの半導体層として用いることが上記目的に対して有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(I)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族炭化水素の2価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(II)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(III)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、zは、1以上5以下の整数であり、x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、z個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアリール基からなる群より選択される基であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(IV)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、x、y、及びwは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、vは、1以上3以下の整数であり、x個のR、y個のR、v個のR、w個のR、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(V)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、r個のR、s個のR、t個のR10、及びu個のR11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料は、一般式(VI)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、qは、1以上5以下の整数であり、r個のR、s個のR、t個のR10、u個のR11、及びq個のR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至6いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタにおいて、前記繰り返し単位は、置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、及び/又は置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキルチオ基を含むことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至7いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体材料に流れる電流を制御する電極を有し、前記有機半導体材料及び前記電極の間に絶縁体が設けられることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、前記有機半導体材料を含む溶液を塗布して、塗膜を形成するステップ、及び前記塗膜を乾燥させて、前記有機半導体材料を含む有機半導体層を形成するステップを含むことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項9記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記有機半導体層は、25mN/m以上40mN/m以下の表面エネルギー密度を有する絶縁層に形成されることを特徴とする。
請求項11記載の発明は、請求項10記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、 前記絶縁層の表面は、シランカップリング剤によって処理されていることを特徴とする。
請求項12記載の発明は、請求項9乃至11いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記有機半導体材料を含む溶液を塗布するステップは、カップスピン法によって前記塗膜を形成することを含むことを特徴とする。
請求項13記載の発明は、請求項9乃至12いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記溶液は、テトラヒドロフランを含み、トルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、及びジクロロメタンからなる群より選択される少なくとも一種の溶媒をさらに含むことを特徴とする。
請求項14記載の発明は、請求項9乃至13いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法において、前記塗膜を乾燥させるステップは、前記塗膜を150℃以下の温度で加熱することを含むことを特徴とする。
請求項15記載の発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、請求項9乃至14いずれか1項記載の製造方法によって製造されることを特徴とする。
請求項16記載の発明は、請求項15記載の有機薄膜トランジスタにおいて、前記有機半導体層の表面における最大高さ及び最小高さの差は、1nm以下であることを特徴とする。
請求項17記載の発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、下記一般式(VII)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする。
Figure 2005101493
(式中、R、R、R13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、p、x、yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
請求項18記載の発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、下記一般式(VIII)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする。
Figure 2005101493
(式中、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
請求項19記載の発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、下記一般式(IX)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする。
Figure 2005101493
(式中、R、R、R、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0〜3の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
請求項20記載の発明は、有機薄膜トランジスタにおいて、下記一般式(X)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする。
Figure 2005101493
(式中、R、R、R13、R14、R15はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R13、R14、R15が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
請求項21記載の発明は、請求項17乃至20いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタにおいて、前記一般式(VII)〜(X)において、R〜R及びR13〜R15の少なくとも一つが炭素数2〜18の置換または無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であることを特徴とする。
請求項22記載の発明は、前記第三の電極は、前記構造体に絶縁体を介して設けたことを特徴とする請求項17乃至21いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
請求項23記載の発明は、請求項17乃至22いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、前記一般式(VII)〜(X)のいずれかで示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料の溶液を塗布した後、溶媒を乾燥させて有機半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
本発明によれば、プロセッシビリティーが高く簡便な方法で素子を作製でき、キャリア移動度が高くオンオフ比の大きい良好なトランジスタ特性を示し、かつ経時変化しにくい安定な有機TFT、及びその製造方法を提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に説明する。
図1A、B、C、Dは本発明に係る有機TFTの概略構造の一例である。本発明に係る有機TFTの有機半導体層1は、前記一般式で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする。デバイスには基板2より上に空間的に分離されたゲート電極3、ソース電極4、ドレイン電極5が設けられており、ゲート電極3と有機半導体層1の間には絶縁層(ゲート絶縁膜6)が設けられている。TFTデバイスはゲート電極3への電圧の印加により、ソース電極4とドレイン電極5の間の有機半導体層1内を流れる電流がコントロールされる。
即ち、本発明のデバイスにおいては、有機半導体層(以下、活性層とも記載する)は下記一般式(I)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする。
一般式(I)において、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族炭化水素の2価基である。また、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。ここで、上記の「芳香族炭化水素」は、単環式の芳香族炭化水素、非縮合多環式(環集合)炭化水素、及び縮合多環式炭化水素を含むものとする。
本発明の有機半導体材料は、芳香環上に置換基を有していてもよい。溶解性の向上の観点からはアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基などが挙げられる。これら置換基の炭素数が増加すれば溶解性はより向上するが、その反面キャリア移動度は低下してしまうため、溶解性が損なわれない範囲で所望の特性が得られるような置換基を選択することが好ましい。その場合の好適な置換基の例としては炭素数が1〜25の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。更に好適には、炭素数が2〜18の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基が挙げられる。これら置換基は同一のものを複数導入してもよいし、異なるものを複数導入してもよい。また、これらのアルキル基、アルコキシ基及びアルキルチオ基はさらにハロゲン原子、シアノ基、アリール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基または炭素数1〜12の直鎖、分岐鎖もしくは環状のアルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基で置換されたアリール基などのさらなる置換基を含有していてもよい。
アルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−ブチル基、i−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−シアノエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を一例として挙げることができ、アルコキシ基、アルキルチオ基としては上記アルキル基の結合位に酸素原子または硫黄原子を挿入してアルコキシ基、アルキルチオ基としたものが一例として挙げられる。
アリール基としては、具体的には、フェニル基、ナフタレニル基、及びアントラセニル基などが挙げられる。
上記重合体は、アルキル基やアルコキシ基、アルキルチオ基の存在により、溶媒への溶解性がさらに向上する。これらの材質において溶解性を向上させることは、フィルムの湿式成膜過程の製造許容範囲が大きくなることから重要である。例えば塗工溶媒の選択肢の拡大、溶液調製時の温度範囲の拡大、溶媒の乾燥時の温度及び圧力範囲の拡大となり、これらプロセッシビリティーの高さにより、結果的に高純度で均一性の高い高品質な薄膜が得られる可能性が高くなる。
前記一般式(I)における置換もしくは無置換の芳香族炭化水素(の1価)基Arとしては単環基、多環基(縮合多環基、非縮合多環基)の何れでもよく、一例として以下のものを挙げることができる。例えばフェニル基、ナフチル基、ピレニル基、フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などが挙げられる。
また、置換又は無置換の芳香族炭化水素の2価基Ar及びArとしては、一例としてベンゼン、ナフタレン、ピレン、フルオレン、アズレン、アントラセン、トリフェニレン、クリセン、ビフェニル、及びターフェニルの2価基が挙げられる。
さらに、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基Arとしては、一例としてベンゼン、アントラセン、ビフェニル、及びチオフェンの2価基が挙げられる。
また、これら芳香族炭化水素(の1価)基及び2価基、並びに複素環式化合物の2価基は以下に示す置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基。
(2)炭素数1〜25の直鎖または分岐鎖の、アルキル基、アルコキシ基。これらのアルキル基及びアルコキシ基は、さらにハロゲン原子、シアノ基、フェニル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルキルチオ基で置換されていてもよい。
(3)アリールオキシ基。(アリール基としてフェニル基、ナフチル基を有するアリールオキシ基が挙げられる。これらのアリールオキシ基は、ハロゲン原子を置換基として含有しても良く、炭素数1〜25の直鎖又は分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基あるいはアルキルチオ基を置換基として含有していても良い。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メチルフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、6−メチル−2−ナフチルオキシ基等が挙げられる。)
(4)アルキルチオ基又はアリールチオ基。(アルキルチオ基又はアリールチオ基としては、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。)
(5)アルキル置換アミノ基。(具体的には、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(p−トリル)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ユロリジル基等が挙げられる。)
(6)アシル基。(アシル基としては、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、マロニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。)
上記一般式(I)に示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、より好ましい第一の態様は下記一般式(II)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。
一般式(II)において、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。また、x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数である。さらに、x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である。
上記一般式(II)に示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、さらに好ましい第一の態様は下記一般式(III)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。
一般式(III)において、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。また、x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、zは、1以上5以下の整数である。さらに、x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、z個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアリール基からなる群より選択される基である。
上記一般式(II)に示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、さらに好ましい第二の態様は下記一般式(IV)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。
一般式(IV)において、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。また、x、y、及びwは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、vは、1以上3以下の整数である。さらに、x個のR、y個のR、v個のR、w個のR、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である。
上記一般式(I)に示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、より好ましい第二の態様は下記一般式(V)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。
一般式(V)において、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。また、r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数である。さらに、r個のR、s個のR、t個のR10、及びu個のR11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である。
上記一般式(V)に示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、さらに好ましい第一の態様は下記一般式(VI)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。
一般式(VI)において、Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である。また、r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、qは、1以上5以下の整数である。さらに、r個のR、s個のR、t個のR10、u個のR11、及びq個のR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である。
上記一般式(I)で示される繰り返し単位を主として含む重合体のうち、好ましい具体的態様は下記一般式(VII)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を主として含む重合体である。(一般式(VII)中、R、R、R13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、p、x、yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
上記一般式(VII)に示される繰り返し単位を有する重合体のうち、より好ましい第一の態様は下記一般式(VIII)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を有する重合体である。(一般式(VIII)中、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
また、上記一般式(VII)に示される繰り返し単位を有する重合体のうち、より好ましい第三の態様は下記一般式(IX)
Figure 2005101493
で表される繰り返し単位を有する重合体である。(一般式(IX)中、R、R、R、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0〜3の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
さらに、上記一般式(VII) に示される繰り返し単位を有する重合体のうち、より好ましい第二の態様は下記一般式(X)
Figure 2005101493
で示される繰り返し単位を有する重合体である。(一般式(X)中、R、R、R13、R14、R15はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R13、R14、R15が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
以下に、本発明における一般式(I)で示される、重合体の繰り返し単位の具体例を列挙する。なお、これら具体例は、本発明を限定するものでもない。
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
Figure 2005101493
上記一般式に示される繰り返し単位を含む重合体の製造方法は、例えばアルデヒドとホスホネートを用いたWittig−Horner反応、アルデヒドとホスホニウム塩を用いたWittig反応、ビニル置換体とハロゲン化物を用いたHeck反応、アミンとハロゲン化物を用いたUllmann反応などを用いることができ、公知の方法により製造可能である。
特に、Wittig−Horner反応及びWittig反応は、反応操作の簡便さのために有効である。
一例として、Wittig−Horner反応を用いた本発明の有機薄膜トランジスタに使用される重合体の製造方法について説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタに使用される重合体は、下記の反応式
Figure 2005101493
に示すように、化学量論的に等しいホスホン酸ジエステル化合物及びジアルデヒド化合物が存在する溶液を、その2倍モル量以上の塩基と混合させることによって、ホスホン酸ジエステル化合物及びジアルデヒド化合物の重合反応を進行させて得られる。
本発明に用いるアリールアミン重合体を製造する場合には、例えば、モノマーに関して、Aとしてのアリールアミン部位及びBとしてのArの組み合わせを用いるか、又はAとしてのAr及びBとしてのアリールアミン部位の組み合わせを用いればよい。
上記ジアルデヒド化合物は、公知の種々の反応により合成することが可能である。例として下記Vilsmeier反応、
Figure 2005101493
アリールリチウム化合物と、DMF、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン等をはじめとするホルミル化剤との下記反応、
Figure 2005101493
下記Gatterman反応、
Figure 2005101493
及び、下記ヒドロキシメチル化合物の各種酸化反応、
Figure 2005101493
等を一例として挙げることができ、これら反の応を用いて所望のジアルデヒド化合物を合成することができる。
また、上記ホスホン酸ジエステル化合物についても、公知の種々の反応により合成することが可能であるが、下記Michaelis−Arbuzov反応
Figure 2005101493
を用いて合成することが特に容易である(式中、Xはハロゲンを表す。)。
なお、さらに詳細な重合体の製造方法は、特願2003−185402号に記載されている。
上記一般式に示される重合体の好ましい分子量はGPCによるポリスチレン換算数平均分子量で1000〜1000000であり、より好ましくは2000〜500000である。分子量が小さすぎる場合にはクラックの発生等成膜性が悪化し実用性に乏しくなる。また分子量が大きすぎる場合には、一般の有機溶媒への溶解性が悪くなり、溶液の粘度が高くなって塗工が困難になり、やはり実用性上問題になる。
本発明の半導体材料は種々の一般的有機溶媒、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、トルエン、ジクロロベンゼン及びキシレン等に対し、良好な溶解性を示す。従って本発明の高分子材料を溶解できる適当な溶媒により適当な濃度の溶液を作製し、これを用いて湿式成膜法により半導体薄膜を作製することができる。特にテトラヒドラフランを主成分とし、トルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、ジクロロメタンのうち少なくとも一種を混合した溶媒が好ましい。
有機半導体層を形成するための湿式成膜法としては、スピンコート法、ディッピング法、ブレード塗工法、スプレー塗工法、キャスト法、インクジェット法、印刷法等の公知の湿式成膜技術によって薄膜化することができる。これら各種成膜法に対し、上記記載の溶媒種から適切な溶媒が選択される。
本発明に係る有機半導体材料は、固体もしくは溶液の状態では、空気中でも実質的に酸化されることはない。
本発明の有機TFTにおいて、上記重合体にて形成される有機半導体材層は、図1A〜Dに示す様にいずれの構造においても有機半導体層はソース電極およびドレイン電極に挟まれるようになっている。有機半導体層の厚みは、均一なフィルム(即ち、材質のキャリア輸送特性に悪影響を及ぼすギャップやホールがない薄膜)が形成されるような厚みに選択される。有機半導体層の厚みは、約200nm〜約5nmが好ましく、特に約100nm〜約5nmが好適である。
本発明の有機TFTは、通常、ガラス、シリコン、プラスチックよりなる基板に形成される。デバイスにフレキシビリティー、軽量、安価等の特性が所望される場合、通常はプラスチック基板が用いられる。また、図1A、Bに示すトランジスタ構造の場合には、導電性の基板を用いることにより、ゲート電極を兼ねる事が可能である。
また絶縁層はゲート電極及び半導体層の間に配置される。好適な絶縁材は当業者には周知である。例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタン等の無機系材料や、またはフレキシビリティー、軽量、安価なデバイスが所望される場合にはポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリエステル、ポリエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリパラキシリレン、ポリアクリロニトリル、シアノエチルプルラン等はじめとする高分子化合物や、各種絶縁性LB膜等の種々の有機系材料が挙げられ、これらの材料を2つ以上合わせて用いてもよい。特に材料は限定しないが、中でも誘電率が高く、導電率が低いものが好ましい。
これら絶縁層の作製法としては特に制限はなく、たとえばCVD法、プラズマCVD法、プラズマ重合法、蒸着法、スピンコーティング法、ディッピング法、印刷法、インクジェット法、およびLB法などが挙げられ、いずれも使用可能である。また、シリコンをゲート電極と基板を兼ねて用いる場合にはシリコンの熱酸化により得られる酸化シリコンが好適である。
本発明のデバイスは、3つの空間的に分離された電極(ソース、ドレイン、ゲート電極)を有する。ゲート電極は、絶縁層と接触している。各電極は周知の従来技術を用いて基板上に形成される。
ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極の材質としては、導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン、鉛、タンタル、インジウム、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、およびこれらの合金や、インジウム・錫酸化物等の導電性金属酸化物、あるいはドーピング等で導電率を向上させた無機および有機半導体、たとえばシリコン単結晶、ポリシリコン、アモルファスシリコン、ゲルマニウム、グラファイト、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチエニレンビニレン、ポリパラフェニレンビニレン等が挙げられる。ソース電極およびドレイン電極は、上記導電性物質の中でも半導体層との接触面においてオーミックに接続されるものが好ましい。
次に、前記一般式(I)〜(X)のいずれかで示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料を用いた有機薄膜トランジスタの製造方法、及びそれにより得られる有機薄膜トランジスタに関して、詳細に説明する。
本発明の有機薄膜トランジスタの有機半導体膜は湿式法にて成膜される。
具体的には、前記一般式(I)〜(X)のいずれかで示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料の溶液を塗布した後、その溶液に含まれる溶媒を乾燥させることによって、有機半導体層を形成することができる。
上記有機半導体層は、表面エネルギー密度(単位面積当たりの表面エネルギー)が25mN/m(ミリニュートン毎メートル)以上40mN/m以下の値を持つゲート絶縁膜(層)上に積層することが好ましく、ゲート絶縁膜の表面エネルギー密度が上記範囲の場合には、有機半導体層のスピンコーティングによる製膜性及び閾値電圧特性等の点で好ましい。
ここで、上記表面エネルギー密度は、ジスマンプロット法により求められるものである。該ジスマンプロット法とは、ジスマン氏が行なった溶液の液滴と固体表面との接触角から表面エネルギー密度を求める方法である。
即ち、表面張力の異なる各種溶液を用い、それぞれ固体表面での液滴の接触角を測定する。表面張力を横軸に、液滴の接触角の余弦(cos)を縦軸にプロットすると、直線関係が得られる。得られた直線を外挿し、cosθ=1(交点)を与える横軸(表面張力値)をその固体の臨界表面張力(又は限界表面張力)と呼び、固体表面が液体に対して濡れやすいか否か(濡れ性)を定量化するときに使われる。
本発明では、この臨界表面張力を単に固体表面の表面エネルギー密度と呼ぶ。
上記ゲート絶縁膜の表面エネルギー密度は、シランカップリング剤を用いてゲート絶縁膜の表面を改質することによって、調整することができる。
具体的には、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)等の蒸気で満たされた密閉容器に被処理物を挿入し、室温で所望の時間の間放置し、その後ポストベークすることによって、被処理物の表面改質を行なうことができる。
湿式法に関しては、スピンコーティング、孔版印刷、オフセット印刷、インクジェット印刷法などの周知の印刷法によって成膜することができる。
スピンコーティングは、回転による遠心力を用い、基板に塗膜を得る方法である。しかしながら、スピンコーティングには、回転により、回転体(基板)と空気界面での相対的な位置変化にともなう、いわゆる風の影響により、溶媒の急激な乾燥が生じ、均一な塗布成膜ができないという問題がある。
従って、カップスピン法にて成膜することが好ましい。カップスピン法は、次の工程(1)及び(2)によって行なわれる方法である。
(1)カップ(容器)の底面に、基板を固定し、コーティング溶液を配置させる。
(2)その後、容器を密閉し(蓋をする)、容器ごと回転し、成膜する。
このカップスピンの利点は、密閉空間内では、回転体と空気の相対的な位置変化が生じず、風の影響を受けない。また、溶媒の蒸気で密閉空間が飽和され、急激な乾燥を防止することができる。
本発明の有機半導体材料のスピンコート法による成膜には、特にこのカップスピン法が好ましい。
また、有機半導体膜の表面粗さとトランジスタ性能との間には相関関係があり、平坦で均一な膜ほどキャリア(ホール又は電子)の移動度(トランジスタ材料の物性)が向上する。
各種、成膜条件により、有機半導体膜の表面粗さとキャリアの移動度を調べたところ、有機半導体層の表面粗さが、PV値で1nm以下の平坦な膜が好適であった。
表面粗さの測定法(定義)は、次の工程(1)及び(2)によって行なわれる方法である。(1)操作型プローブ顕微鏡(AFM)を用い、走査領域0.5μm×0.5μmの範囲で、膜の表面形状を測定する。(2)ベースライン補正後、走査領域における最大高さ及び最小低さの差(表面における最大の凹凸差)をPV値(peak to valley:山谷差)とし、このPV値で膜の平坦さを定量化する。
また、塗膜の乾燥による成膜では、膜の平坦さが、用いる有機溶媒に影響されることを見出した。
有機溶媒として重要な性質としては、溶質との溶解性、表面張力、粘度、蒸気圧(沸点)などが挙げられる。
各種の有機溶媒を用い、成膜後の平坦性を測定したところ、テトラヒドロフラン(THF)がもっとも平坦な膜を与えることを見出した。
さらに、溶媒の乾燥過程を考慮すると、一成分の溶媒より、多成分の溶媒を用いることで、溶媒の蒸発状態を制御することができる。本発明においては、THFを主成分とし、他の溶媒を第二の成分としてTHFに添加することによって、良好な結果を得ることができる。
さらに、塗膜をポストベーク処理することで、膜内に残存する溶媒を除去することができる。残存する溶媒は、有機半導体の性能に影響を及ぼす。そして、残存する溶媒の積極的な除去としては、加熱乾燥法が挙げられる。
本発明の有機半導体材料に関しては、加熱温度と移動度との関係から、溶媒乾燥の処理温度を余り高くすることは好ましくない。これらの有機半導体材料については、150℃以下の処理温度で乾燥させることが望ましい。
次に、トランジスタの性能評価について図2及び3を用いて説明する。有機半導体の電界効果によるキャリアの移動度は、以下の式
ds=μCinW(V−Vth/2L
を用いて算出される。ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積当たりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vはゲート電圧、Idsはソース・ドレイン電流、μはキャリアの移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。
図2は、ソース・ドレイン間の電圧VDS=−20Vにおける有機TFTの特性を示すグラフである。図2に示すように、ソース・ドレイン間に−20Vを印加して、ゲート電圧を10から−20V挿引した際のソース・ドレイン電流を測定する。なお、図2に示すグラフ中、V=−20VにおけるIDS値が、有機TFTのオン電流となる。
また、図3に示すように、上記条件で測定されたソース・ドレイン電流の平方根をゲート電圧に対しプロットして直線近似を行なう。近似曲線においてソース・ドレイン電流の平方根が0Aになるゲート電圧値を閾値電圧Vthと定義する。
本発明の一つの態様によれば、コストパフォーマンスに優れ、高い移動度を有し、閾値電圧が制御され、かつ従来公知のポリチオフェン系材料を用いた場合と比較して、オンオフ比に優れた良好な特性を示す優れた有機薄膜トランジスタが提供される。
本発明の別の態様によれば、従来公知のペンタセン、フタロシアニン材料では不可能であった溶媒への良好な溶解性が得られ、湿式成膜技術にて簡便に製造できるコストパフォーマンスに優れた有機薄膜トランジスタが提供される。
本発明のまた別の態様によれば、湿式成膜技術にて簡便に製造できる為にコストパフォーマンスに優れ、かつ良好な特性を示す、優れた絶縁ゲート型の有機薄膜トランジスタの提供が可能となる。
本発明のさらに別の態様によれば、良好な特性を示す優れた有機薄膜トランジスタのコストパフォーマンスに優れた湿式製造方法が提供される。
[実施例]
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
先ず本発明における有機半導体材料の製造例を示す。
合成例1(重合体1の合成)
Figure 2005101493
100ml四つ口フラスコに、上記のジアルデヒド0.852g(2.70mmol)及びジホスホネート1.525g(2.70mmol)を入れ、窒素置換してテトラヒドロフラン75mlを加えた。この溶液にカリウムt−ブトキシドの1.0moldm−3テトラヒドロフラン溶液6.75ml(6.75mmol)を滴下し室温で2時間撹拌した後、ベンジルホスホン酸ジエチル及びベンズアルデヒドを順次加え、さらに2時間撹拌した。酢酸およそ1mlを加えて反応を終了し、溶液を水洗した。溶媒を減圧留去した後テトラヒドロフラン及びメタノールを用いて再沈澱による精製を行ない、重合体1を1.07g得た。収率73%。
元素分析値(計算値);C:84.25%(84.02%),H:8.20%(7.93%),N:2.33%(2.45%)。
示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は117℃であった。GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は8500、重量平均分子量は20000であった。
合成例2(重合体2の合成)
Figure 2005101493
合成例1と同様の操作を行ない、上記ジアルデヒド419.5mg(1.00mmol)及びジホスホネート564.5mg(1.00mmol)から重合体2を518.3mg得た。収率62%。
元素分析値(計算値);C:85.18%(85.55%),H:8.03%(7.63%),N:2.10%(2.08%)。
示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は133℃であった。GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は39200、重量平均分子量は116000であった。
合成例3(重合体3の合成)
Figure 2005101493
合成例1と同様の操作を行ない、上記ジアルデヒド1.00g(2.40mmol)及びジホスホネート1.35g(2.40mmol)から重合体3を1.32g得た。収率82%。
元素分析値(計算値);C:85.33%(85.55%),H:7.86%(7.63%),N:2.30%(2.08%)。
示差走査熱量測定から求めたガラス転移温度は152℃であった。GPCにより測定したポリスチレン換算の数平均分子量は44400、重量平均分子量は118000であった。
実施例1
Al電極が蒸着されたPET基板上に、合成例1に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料の10wt%のテトラヒドロフラン溶液をブレード塗工し、膜厚およそ10μmの薄膜を形成した。この半導体フィルム上にさらに金電極を蒸着し、サンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を測定したところ、4.1×10V/cmの電界強度において6.1×10−3(cm/Vsec)の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
実施例2
合成例2に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は実施例1と同様の方法によりサンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を評価したところ、2.9×10V/cmの電界強度において1.7×10−3(cm/Vsec)の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
実施例3
合成例3に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は実施例1と同様の方法によりサンドイッチセルを作製した。このセルを用いて、タイムオブフライト法により有機半導体材料のキャリア移動度を評価したところ、2.4×10V/cmの電界強度において1.6×10−3(cm/Vsec)の高いキャリア移動度が観測され、優れた性能を有することが示された。
実施例4
合成例1に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いて図1Aに示される構造の薄膜デバイスを作製した。p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiOの絶縁層を50nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiOの絶縁層上にチャネル長40μm、チャネル幅10mmとなるようにソース・ドレイン電極のAu/Cr膜を蒸着した。引き続き合成例1にて製造した重合体1の約1.0wt%のトルエン溶液をスピンコートして乾燥することにより有機半導体層を作製した。
このようにして作製した有機TFTのトランジスタ特性を図4に示す。図から明らかなように、作製したデバイスは良好なトランジスタ特性を示した。
また、以下の式を用いて有機半導体の電界効果移動度を算出した。
ds=μCinW(V−Vth/2L
(ただし、Cinはゲート絶縁膜の単位面積あたりのキャパシタンス、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Vはゲート電圧、Idsはソースドレイン電流、μは移動度、Vthはチャネルが形成し始めるゲートの閾値電圧である。)
作製したTFTの移動度は3.5×10−5(cm/Vsec)であった。
またオンオフ比(Vds=−20V、V=−20VにおけるIdsと、Vds=−20V、V=+10〜−20Vの範囲内で観測された最小のIdsの比)は5×10で、閾値電圧は2.5Vであった。以上のように、作製した有機TFTは優れた特性を示した。
実施例5
合成例1に記載したプロセスによって調製された有機半導体材料を用いて図1Bに示される構造の薄膜デバイスを作製した。p−ドープされてゲートとして作用するシリコン基板表面を熱酸化してSiOの絶縁層を50nm形成した後、酸化膜を片面だけ除去し、除去した面にAlを蒸着してゲート電極とした。次に該SiOの絶縁層上に合成例1にて製造した重合体1の約1.0wt%のトルエン溶液をスピンコートして乾燥することにより、膜厚20nmの有機半導体層を作製した。乾燥した後、有機半導体層上にチャネル長40μm、チャネル幅10mmのソース・ドレイン電極のAuを蒸着した。
このようにして作製した有機TFTのトランジスタ特性を図5に示す。図から明らかなように、作製したデバイスは良好なトランジスタ特性を示した。
また、作製したTFTの移動度は3.2×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は5×10で、閾値電圧は2.7V以上であった。以上のように、作製した有機TFTは優れた特性を示した。
実施例6
合成例2に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は、実施例4記載の方法に従って図1Aに示される構造の薄膜デバイスを作製した。作製した有機TFTは、実施例4同様の優れたトランジスタ特性を示した。
実施例8
合成例3に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は、実施例4記載の方法に従って図1Aに示される構造の薄膜デバイスを作製した。作製した有機TFTは、実施例4同様の優れたトランジスタ特性を示した。
実施例10
合成例2に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は、実施例5記載の方法に従って図1Bに示される構造の薄膜デバイスを作製した。作製した有機TFTは、実施例5同様の優れたトランジスタ特性を示した。
作製したTFTのオン電流は−0.493μA、閾値電圧は1.95V、移動度は1.01×10−4(cm/Vsec)であり、オンオフ比は1200であった。
実施例11
合成例3に記載したプロセスによって製造された有機半導体材料を用いた以外は、実施例5記載の方法に従って図1Bに示される構造の薄膜デバイスを作製した。作製した有機TFTは、実施例5同様の優れたトランジスタ特性を示した。
作製したTFTのオン電流は−0.483μA、閾値電圧は3.35V、移動度は8.76×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は1000であった。
実施例12
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量47900、重量平均分子量152700、ガラス転移温度132℃)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.229μA、閾値電圧は2.54V、移動度は4.46×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は1900であった。優れた特性を示した。
実施例13
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量13200、重量平均分子量32500、ガラス転移温度122℃)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.335μA、閾値電圧は2.65V、移動度は6.45×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は3500であった。優れた特性を示した。
実施例14
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量22700、重量平均分子量51900)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.574μA、閾値電圧は1.01V、移動度は1.28×10−4(cm/Vsec)であり、オンオフ比は1500であった。優れた特性を示した。
実施例15
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量7900、重量平均分子量17200、ガラス転移温度163℃)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.361μA、閾値電圧は3.84V、移動度は6.27×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は420であった。優れた特性を示した。
実施例16
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量35000、重量平均分子量102800、ガラス転移温度164℃)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.137μA、閾値電圧は0.37V、移動度は3.26×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は11200であった。優れた特性を示した。
実施例17
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量29800、重量平均分子量83000)を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。
作製したTFTのオン電流は−0.111μA、閾値電圧は−1.07V、移動度は3.07×10−5(cm/Vsec)であり、オンオフ比は1700であった。優れた特性を示した。
実施例18
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される重合体(数平均分子量36700、重量平均分子量150000、ガラス転移温度96℃)からなる有機半導体材料を用いて、実施例5に記載のプロセスに従って図1B に示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、移動度5×10−4(cm/Vsec )、オンオフ比1×10以上の優れた特性を示した。
比較例1
有機半導体層としてポリ−3−ヘキシルチオフェンを用いた以外は実施例5と同様の方法により、図1Bに示される構造の薄膜デバイスを作製した。このようにして作製した有機TFTのトランジスタ特性を図6に示す。作製した有機TFTにおける移動度は7.76×10−5(cm/Vsec)と比較的高かったが、オフ電流(Vg=0Vの場合のIds)が大きい為に、オンオフ比は10程度であった。
図4及び図5と、図6を対比すると、何れもトランジスタ動作をしているものの、図6ではVg=0VにおけるIdsが大きいためにオンオフ比が非常に悪いのに対して、図4及び図5ではVg=0VにおけるIdsはほぼ0であり、オンオフ比が非常に優れているのが明瞭である。
比較例2
SCIENCE Vol.290,15 DECEMBER 2000,p.2123にて示されている典型的な有機半導体材料として、下記構造式
Figure 2005101493
で示されるジオクチルフルオレンジチオフェン共重合体(数平均分子量19500、重量平均分子量51500)を用いて、実施例5と同じ方法でTFTを作製した。
Figure 2005101493
このTFTのオンオフ比は比較的良好なものの、移動度は1桁以上低く、本発明の材料の有効性が示される。
実施例19
トルエン、THF、クロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサンの各種有機溶媒を用いて重合体Aの1重量%溶液を作製し、カップスピン法にて有機半導体層を成膜した。
膜の凹凸はAFM(走査範囲0.5μm×0.5μm)観察により山谷差を求めた。
結果を表2に示す。
Figure 2005101493
さらにトルエン80%、パラキシレン20%の混合溶液を溶媒に用いて同様の評価を行ったところ、山谷差は0.56nmであった。
重合体1を用いてトルエン80%、パラキシレン20%からなる溶媒にてスピンコート塗布液を調整し、実施例1に示すTFTを作製した。結果を表3に示す。
Figure 2005101493
実施例5で示す移動度に対して約13倍の移動度の改善があった。また比較例2で示す従来材料と比較すると、76倍の移動度の改善があった。
半導体膜の表面粗さとTFT特性の詳細な検討を行ったところ、表面粗さ(山谷差)で10nm以下、好ましくは1nm以下で、TFT特性は向上した。
実施例20
実施例5で示すTFT構造(但し、有機半導体溶液はトルエン80%、パラキシレン20%使用)の作製時における、乾燥温度とTFT性能の関係を図7に示す。
図7より明らかなように移動度は乾燥温度160℃にて急激に減少し、その後ほぼ一定となる。従って、150℃以下の処理温度で乾燥することが好ましいことが理解される。
実施例21
ゲート絶縁膜をHMDS処理し、重合体1を用いた以外は実施例5と同様の方法でTFTを作製した。ただし、有機半導体溶液はトルエン80%、パラキシレン20%使用。
結果を表4に示す。
Figure 2005101493
比較例2で示す移動度に対して146倍の移動度の向上があった。
さらに、トランジスタは、エンハンスメントモードを示し、閾値電圧は、−1.12Vとなり、これは、トランジスタ駆動上、大変好適である。
HMDS処理時間、その後の熱処理温度を変化させ、さらにオクタデシルトリクロロシランなどの表面改質剤を用いて、表面エネルキーの適正範囲を検討した。
表面エネルギー密度はジスマンプロットから求め、標準試験溶液として、水、グリセリン、ホルムアミド、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールを用いて評価した。表面エネルギー密度が25mN/mより低い場合、スピンコーティングによる成膜ができず(塗布液がはじかれる)、40mN/mを超えた場合では、閾値電圧は正(デプレッションモード)で好ましくなく、良好な結果を与える表面エネルギー密度は25mN/m以上40mN/m以下の範囲であった。
実施例22
ゲート絶縁膜をHMDS処理し、表面エネルギー密度を28mN/mにし、下記構造式
Figure 2005101493
で示される重合体を用いて実施例21と同様の方法(乾燥温度75℃)でTFTを作製した。ただし、有機半導体溶液にはトルエン80%、パラキシレン20%を使用した(数平均分子量36700、重量平均分子量150000、ガラス転移温度96℃)。
結果を表5に示す。
Figure 2005101493
比較例2で示す移動度の308倍の移動度向上があった。
この試料についても閾値電圧が−1.76Vのエンハンスメントモードを示した。
実施例23
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量15500、重量平均分子量48700、ガラス転移温度126℃)を用いて、実施例21に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、エンハンスメント動作を示し、移動度3.6×10−4(cm/Vsec)、オンオフ比1×10以上の優れた特性を示した。
実施例24
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量29800、重量平均分子量83000)を用いて、実施例21に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、エンハンスメント動作を示し、移動度3.1×10−5(cm/Vsec)、オンオフ比2×10以上の優れた特性を示した。
実施例25
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量19700、重量平均分子量46700、ガラス転移温度136℃)を用いて、実施例16に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、エンハンスメント動作を示し、移動度1.1×10−3(cm/Vsec)、オンオフ比1×10以上の優れた特性を示した。
実施例26
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量11800、重量平均分子量28400、ガラス転移温度187℃)を用いて、実施例21に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、エンハンスメント動作を示し、移動度2.62×10−4(cm/Vsec)、オンオフ比1×10以上の優れた特性を示した。
実施例27
合成例1と同様の操作により製造した、下記構造式
Figure 2005101493
で示される有機半導体材料(数平均分子量8300、重量平均分子量19900、ガラス転移温度166℃)を用いて、実施例21に記載のプロセスに従って図1Bに示される構造のデバイスを作製した。作製したデバイスは、エンハンスメント動作を示し、移動度1.0×10−4(cm/Vsec)、オンオフ比6.2×10以上の優れた特性を示した。
以上、本発明の実施例を具体的に説明してきたが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではなく、これら本発明の実施例を、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、変更又は変形することができる。
本発明の有機薄膜トランジスタの4種類の構成例の模式図である。 トランジスタの性能評価を説明するためのグラフである。 図2に示すトランジスタの特性を別の表示方法で示したグラフである。 実施例4で作製された有機薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。 実施例5で作製された有機薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。 比較例1で作製された有機薄膜トランジスタのトランジスタ特性を示すグラフである。 実施例20において有機半導体溶液の乾燥温度とTFT性能との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 有機半導体層
2 基板
3 ゲート電極
4 ソース電極
5 ドレイン電極
6 ゲート絶縁膜

Claims (23)

  1. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(I)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、
    Ar及びArは、それぞれ独立に、置換又は無置換の芳香族炭化水素の2価基であり、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  2. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(II)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、
    x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、
    x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  3. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(III)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、
    x及びyは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、
    zは、1以上5以下の整数であり、
    x個のR及びy個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基であり、
    z個のRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、置換又は無置換のアルキルチオ基、置換又は無置換のアリール基からなる群より選択される基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  4. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(IV)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、
    x、y、及びwは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、
    vは、1以上3以下の整数であり、
    x個のR、y個のR、v個のR、w個のR、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  5. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(V)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素の1価基であり、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、
    r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、
    r個のR、s個のR、t個のR10、及びu個のR11は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  6. 有機半導体材料を含む有機薄膜トランジスタにおいて、
    前記有機半導体材料は、一般式(VI)
    Figure 2005101493
    で表される繰り返し単位を有する重合体を含み、
    Arは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素又は置換若しくは無置換の複素環式化合物の2価基であり、
    r、s、t、及びuは、それぞれ独立に、1以上4以下の整数であり、
    qは、1以上5以下の整数であり、
    r個のR、s個のR、t個のR10、u個のR11、及びq個のR12は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルコキシ基、及び置換又は無置換のアルキルチオ基からなる群より選択される基である
    ことを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  7. 前記繰り返し単位は、置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基、置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルコキシ基、及び/又は置換又は無置換で2個以上18個以下の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキルチオ基を含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  8. 前記有機半導体材料に流れる電流を制御する電極を有し、
    前記有機半導体材料及び前記電極の間に絶縁体が設けられることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  9. 請求項1乃至8いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、
    前記有機半導体材料を含む溶液を塗布して、塗膜を形成するステップ、及び
    前記塗膜を乾燥させて、前記有機半導体材料を含む有機半導体層を形成するステップを含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
  10. 前記有機半導体層は、25mN/m以上40mN/m以下の表面エネルギー密度を有する絶縁層に形成されることを特徴とする請求項9記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  11. 前記絶縁層の表面は、シランカップリング剤によって処理されていることを特徴とする請求項10記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  12. 前記有機半導体材料を含む溶液を塗布するステップは、カップスピン法によって前記塗膜を形成することを含むことを特徴とする請求項9乃至11いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  13. 前記溶液は、テトラヒドロフランを含み、トルエン、キシレン、ジオキサン、クロロホルム、及びジクロロメタンからなる群より選択される少なくとも一種の溶媒をさらに含むことを特徴とする請求項9乃至12いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  14. 前記塗膜を乾燥させるステップは、前記塗膜を150℃以下の温度で加熱することを含むことを特徴とする請求項9乃至13いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法。
  15. 請求項9乃至14いずれか1項記載の製造方法によって製造されることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
  16. 前記有機半導体層の表面における最大高さ及び最小高さの差は、1nm以下であることを特徴とする請求項15記載の有機薄膜トランジスタ。
  17. 下記一般式(VII)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2005101493
    (式中、R、R、R13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、p、x、yはそれぞれ独立に0から4の整数を表し、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよく、Arは置換または無置換の芳香族炭化水素基を表す。)
  18. 下記一般式(VIII)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2005101493
    (式中、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
  19. 下記一般式(IX)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2005101493
    (式中、R、R、R、R、R、R、R13はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、vは0〜3の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R、R、R13が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
  20. 下記一般式(X)で示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料とこの有機半導体材料を通じて電流を流すための対をなす電極を設けてなる構造体と、第三の電極とからなることを特徴とする有機薄膜トランジスタ。
    Figure 2005101493
    (式中、R、R、R13、R14、R15はそれぞれ独立にハロゲン原子、置換もしくは無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基から選択される基を表し、zは0〜5の整数を表し、x、y、w、pはそれぞれ独立に0〜4の整数を表し、R、R、R13、R14、R15が各々複数存在する場合には、同一でも別異でもよい。)
  21. 前記一般式(VII)〜(X)において、R〜R及びR13〜R15の少なくとも一つが炭素数2〜18の置換または無置換で直鎖または分岐鎖の、アルキル基またはアルコキシ基もしくはアルキルチオ基であることを特徴とする請求項17乃至20いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  22. 前記第三の電極は、前記構造体に絶縁体を介して設けたことを特徴とする請求項17乃至21いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタ。
  23. 請求項17乃至22いずれか1項記載の有機薄膜トランジスタの製造方法であって、前記一般式(VII)〜(X)のいずれかで示される繰り返し単位を有する重合体を主成分とする有機半導体材料の溶液を塗布した後、溶媒を乾燥させて有機半導体層を形成する工程を含むことを特徴とする有機薄膜トランジスタの製造方法。
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