JP2005100974A - 照明器具用表面処理塗装材及び照明器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照明器具の器具効率を低下させることなく、グレアを少なくすることができる照明器具用表面処理塗装材を提供する。
【解決手段】 基材6の表面に最外層として塗膜7を設けて形成される照明器具用表面処理塗装材に関する。基材6は表面反射率が全反射率87%以上であり、上記塗膜7は表面反射率が全反射率75%以上であると共に全反射率と拡散反射率の差(全反射率−拡散反射率)が5〜15%の範囲であり、かつ塗膜7の膜厚が50μm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材に機能性塗装を施した照明器具用表面処理塗装材、及びこの照明器具用表面処理塗装材でルーバーを形成した照明器具に関するものである。
図2(a)(b)は照明器具の代表的な一例を示すものであり、この照明器具は、器具本体1と、反射板2、光源(ランプ)3、安定器4及びルーバー5等から構成されている。器具本体1は下面に開口部を有する略箱状に形成されるものであり、その上部内には略樋状に形成された反射板2を収容し、両端部内にランプ3を取り付けるためのソケット(図示省略)が設けてある。また器具本体1内のランプ3の下側にルーバー5が配設してある。このルーバー5は、ランプ3の軸方向と平行な縦ルーバー片5aと、それに直交する横ルーバー片5bから格子状に形成してある。
ここで、一般に、照明器具のルーバーは、居住者が光源であるランプを直視してまぶしさやグレアを感じることがないよう、所定の角度でランプの光を遮光するために設けられるものであるが、このようなルーバーを装着した照明器具においては、器具効率の低下を防いで照度を確保するために、ルーバーの表面に反射特性が高くなるように表面処理を施して用いることが多い。尚、器具効率は次のように定義される。
器具効率(%)=(照明器具から出る光束/ランプより出る光束)×100 (式1)
このような表面処理としては、鉄、ステンレス、アルミニウム、プラスチックなどの素材で形成される基材の表面に、アルミニウムなどを蒸着処理する方法(例えば特許文献1参照)や、高反射性の塗料を塗装する方法(例えば特許文献2参照)が挙げられる。
しかし、器具効率を向上させるために表面反射率を高くすると、オフィスなどでVDT作業をする居住者にとって、ランプの像がVDT画面に映り込んで画面の情報が見にくくなったりするおそれがあり、作業性の低下や不快感による疲労が増加するなどの問題を有するものであった。
そこで、ルーバーを着脱式にして、ルーバーを取り替えることによってこのような問題に対処する方法(例えば特許文献3参照)などが考えられるが、この方法では、器具のデザインを損なうなどの問題があり、実用的ではない。
特開平5−74212号公報 特開2003−73624号公報 特開平9−213118号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、照明器具の器具効率を低下させることなく、グレアを少なくすることができる照明器具用表面処理塗装材、及び照明器具を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る照明器具用表面処理塗装材は、基材の表面に最外層として塗膜を設けて形成される照明器具用表面処理塗装材において、基材は表面反射率が全反射率87%以上であり、上記塗膜は表面反射率が全反射率75%以上であると共に全反射率と拡散反射率の差(全反射率−拡散反射率)が5〜15%の範囲であり、かつ塗膜の膜厚が50μm以下であることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材の全反射率を87%以上に形成すると共に最外層の塗膜の全反射率75%以上に形成しているため、器具効率を確保することができるものであり、また塗膜の全反射率と拡散反射率の差を5〜15%の範囲にしているため、グレアの発生を防止することができるものである。さらに、塗膜の膜厚を50μm以下にしているため、塗装後の加工性が低下することを防ぐことができると共に塗料組成物の使用量を低減することができるものである。
また請求項2の発明は、請求項1において、上記基材は材質がプラスチックであり、かつその表面に真空蒸着処理又は光輝フィルム貼着することによって、基材の表面反射率が全反射率87%以上に形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、真空蒸着層や光輝フィルムによって基材の表面の全反射率を87%以上に形成することができ、基材を形成するプラスチックの種類に制限を受けることがなくなるものである。
また請求項3の発明は、請求項1において、上記基材は材質が金属であり、かつその表面に真空蒸着処理、光輝フィルム貼着、アルマイト処理のいずれかをすることによって、基材の表面反射率が全反射率87%以上に形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、真空蒸着層、光輝フィルム、アルマイト層によって基材の表面の全反射率を87%以上に形成することができ、基材を形成する金属の種類に制限を受けることがなくなるものである。
また請求項4の発明は、請求項3において、上記基材の材質は99.28質量%以上のアルミニウム成分で構成された金属であることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材の表面に処理を施す必要なく、基材の表面の全反射率を87%以上に形成することができるものである。
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記最外層の塗膜は、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、オルガノシリカゾル、アクリルシリコン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂と、組成物の固形分に対して外掛けで5〜50質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、無機系の塗料で、全反射率75%以上、全反射率と拡散反射率の差が5〜15%の塗膜を形成することができるものである。
また請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、上記最外層の塗膜は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂と、組成物の固形分に対して外掛けで5〜50質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、有機系の塗料で、全反射率75%以上、全反射率と拡散反射率の差が5〜15%の塗膜を形成することができるものである。
また請求項7の発明は、請求項5又は6において、上記拡散剤は、無機系骨材及び有機系骨材から選択された少なくとも1種以上のものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、塗料組成物の種類や組成等に応じて、各種の拡散剤から最適なものを選択して使用することができるものである。
また請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、上記拡散剤は、平均粒子径が0.5〜30μmであることを特徴とするものである。
この発明によれば、塗膜の全反射率を低下させることなく、拡散反射率を高くすることが可能になるものである。
また請求項9の発明は、請求項1乃至8のいずれかにおいて、上記基材と上記最外層の塗膜との間には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を主体とする下塗り塗膜が設けられており、この下塗り塗膜は表面反射率が全反射率87%以上であることを特徴とするものである。
この発明によれば、下塗り塗膜によって基材の表面の全反射率を87%以上に形成することができ、基材を形成するプラスチックや金属の種類に制限を受けることがなくなるものである。
また請求項10の発明は、請求項3乃至9のいずれかにおいて、上記基材の表面は、塗装前に、陽極酸化処理あるいは化成処理を施して、陽極酸化処理膜あるいは化成処理膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材に対する最外層の塗膜の密着性を高めることができるものである。
また請求項11の発明は、請求項1乃至9のいずれかにおいて、上記基材の表面は、塗装前に、有機質材料と化学結合する官能基と、無機質材料と化学結合する官能基とを有し、かつ有機物と珪素とから構成される化合物を塗布する表面処理を施して、表面処理膜が形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材に対する最外層の塗膜の密着性を高めることができるものである。
また請求項12の発明は、請求項11において、上記の有機質材料と化学結合する官能基は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基のうち少なくとも一つであり、無機質材料と化学結合する官能基は、メトキシ基、エトキシ基のうち少なくとも一つであることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材に対する塗膜の密着性を高めることができるものである。
また請求項13の発明は、請求項9乃至12のいずれかにおいて、上記基材と上記最外層の塗膜の間に形成される上記膜は、最外層の塗膜より小さい屈折率に形成されていることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材と最外層の塗膜の間に形成される膜と、最外層の塗膜との界面で光が全反射し易くなって、基材の全反射率を高くすることができ、器具効率を向上させることができるものである。
また請求項14の発明は、請求項13において、基材と最外層の塗膜の間に形成される上記膜は、膜厚が90〜100nmであることを特徴とするものである。
この発明によれば、基材の全反射率をより高くすることができ、器具効率をさらに向上させることができるものである。
また請求項15の発明は、請求項1乃至14のいずれかにおいて、上記最外層の塗膜は、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系の表面調整剤から少なくとも1種以上選ばれる表面調整剤が、組成物の固形分に対して外掛けで0.001〜5質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とするものである。
この発明によれば、表面調整剤の作用で、密着性を確保しつつ均一な表面状態の塗膜を形成することができるものであり、塗膜の全反射率を高めて器具効率を向上させることができるものである。
本発明の請求項16に係る照明器具は、上記の請求項1乃至15のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材をルーバーとして用いたことを特徴とするものである。
本発明によれば、室内の居住者にグレアを感じさせずに適度な輝度を確保することができ、照明器具の器具効率を低下させることなく、グレアを少なくすることができるものであり、国際照明基準(CIE/ISO)の屋内照明基準(UGR19)を満足し、かつ快適性を確保した照明器具を得ることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明に係る照明器具用表面処理塗装材は、基材の表面の最外層に塗膜を設けることによって形成されるものである。そしてこの最外層の塗膜は機能性塗料組成物を塗装することによって形成されるものであり、この塗料組成物は、骨格樹脂と、架橋剤と、拡散剤を主成分とするものである。
機能性塗料組成物の骨格樹脂の樹脂種は特に限定されるものではないが、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、オルガノシリカゾル、アクリルシリコン樹脂のような無機系樹脂のうち、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることによって、無機系の塗料組成物を調製することができる。具体例としては、例えば、常磐電気社製の商品名「FJ801」等を挙げることができる。
また骨格樹脂として、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂のような有機系樹脂のうち、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることによって、有機樹脂系の塗料組成物を調製することができる。市販品としては、例えば、ポリエステル樹脂では三井化学社製の商品名「アルマテックスHMP25」や「アルマテックスP646」等を、アクリル樹脂では三菱レイヨン社製の商品名「ダイヤナールHR656」等を、フッ素樹脂では旭硝子社製の商品名「ルミフロン554」等を、アルキド樹脂では日本ユピカ社製の商品名「ユピカコートES6551」等を、エポキシ樹脂ではジャパンエポキシレジン社製の商品名「エピコート1001X70」等を挙げることができる。
また架橋剤は、上記の骨格樹脂中の官能基と反応して立体的な架橋構造をなすことにより塗膜を形成し、基材の表面、あるいは基材に塗装された下塗り塗膜との密着性を高め、かつ塗膜の加工性、耐傷付き性、耐候性を高めるものである。これらの効果を高く得るために、架橋剤としては、骨格樹脂中に含まれる官能基の種類に応じて適宜選択して使用されるべきであるが、メラミン樹脂、イソシアネート樹脂等を使用することが好ましい。イソシアネート樹脂はブロック化されたものであってもよい。骨格樹脂と架橋剤の好ましい配合比率は、それぞれの樹脂系において適宜設定されるが、例えば、アクリル樹脂固形分100質量部に対してメラミン樹脂10〜50質量部の範囲に設定することができる。メラミン樹脂が10質量部未満の場合は架橋度が不足し、50質量部を超える場合は未反応メラミンが残って塗膜性能が得られないおそれがある。
この架橋剤の具体例としては、例えば、メラミン樹脂では三井サイテック社製の商品名「サイメル301」、「サイメル235」、三井化学社製の商品名「ユーバン20SE60」、「ユーバン128」等を、イソシアネート樹脂では日本ポリウレタン工業社製の商品名「コロネートHX」等を好ましいものとして挙げることができる。
また拡散剤は、光の拡散効果を有するフィラーであり、塗膜の表面反射率を調整するためのものである。拡散剤の種類は特に限定されるものではなく、シリコーンパウダー、溶融アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン、ポリアクリロニトリル、ポリアミドなど無機系骨材及び有機系骨材からなる群から選ばれる1種を単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができるものである。拡散剤の具体例としては、例えば、無機系骨材では東レ・ダウコーニング・シリコーン社製の商品名「トレフィルE−601」(シリコーンパウダー;平均粒径2μm)や、大塚化学社製の商品名「テラセスPS」(チタン酸マグネシウムカリウム;平均粒径4μm)や、日本アエロジル社製の「アエロジルAR200」(シリカ;平均粒径12μm)等を、有機系骨材では東洋紡績社製の商品名「タフチックAM」(ポリアクリロニトリル;平均粒径10μm)等を挙げることができる。
拡散剤の平均粒子径は、0.5〜30μmの範囲が好ましい。拡散剤の平均粒子径が0.5μm未満であると、塗膜の拡散反射性を高めることが困難になり、逆に拡散剤の平均粒子径が30μmを超えると、塗膜の全反射率が極端に低下するおそれがある。このため、拡散剤の平均粒子径を0.5〜30μmの範囲に設定することによって、塗膜の全反射率を低下させることなく、拡散反射率を高くすることが可能になるのである。また、拡散剤の配合量は、塗料組成物の固形分(塗膜を形成する樹脂分を含む)に対して外掛けで5〜50質量%の範囲、すなわち塗料組成物中の拡散剤を除く固形分100質量部に対して5〜50質量部の範囲に設定するのが好ましい。拡散剤の配合量が5質量部未満であると、塗膜の拡散反射性を高めることが困難になり、逆に拡散剤の配合量が50質量部を超えると、塗膜の全反射性が低下すると共に、塗料組成物の密着性が低下するおそれがある。
機能性塗料組成物にはさらに表面調整剤を含有させることができる。表面調整剤としては、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系の表面調整剤から選ばれるものを用いることができるものであり、これらの中から1種を使用する他、複数種を併用することもできる。表面調整剤の具体例としては、例えば、アクリル系では、共栄社化学社製の商品名「ポリフローNO.54」、「ポリフローNO.80」、「ポリフローNO.90」や、楠本化成社製の商品名「ディスパロンLF−1980」、ディスパロンLF−1982」、「ディスパロンLF−1983」等を、ビニル系では、共栄社化学社製の商品名「フローレンAC300」、「フローレンAC303」や、楠本化成社製の商品名「ディスパロンLHP−90」、「ディスパロンLHP−91」等を、シリコーン系では、BYK社製の商品名「BYK310」、「BYK320」、「BYK325」、「BYK355」、「BYK370」等を、フッ素系では、大日本インキ化学工業社製の商品名「メガファックF−470」、「メガファックF−171」、「メガファックF−173」等を挙げることができる。表面調整剤の配合量は、塗料組成物の固形分(塗膜を形成する樹脂分を含む)に対して外掛けで0.001〜5質量%の範囲、すなわち塗料組成物中の表面調整剤を除く固形分100質量部に対して0.001〜5質量部の範囲に設定するのが好ましい。塗料組成物に表面調整剤を含有させることによって、塗料組成物の表面張力を低下させて膜が均一に広がるように塗装することができ、表面状態が均一な塗膜を均一な膜厚で塗膜を形成することができるものであり、表面調整剤の配合量が0.001質量部未満であると、表面状態や膜厚を均一に形成することが困難になる。逆に表面調整剤の配合量が5質量部を超えると、塗膜の密着性が低下するために好ましくない。
本発明で使用する機能性塗料組成物には、上記の主成分の他に、必要に応じて、消泡剤、レベリング剤、ワックス、紫外線吸収剤、カップリング剤、硬化触媒等の添加剤をキシレンやシクロヘキサン等の有機溶剤と共に含有させることができる。これらの各添加剤としては、塗料に通常用いられるものを使用することができる。
上記の組成で調製される機能性塗料組成物を基材の表面に塗装して、最外層の塗膜を形成することによって、本発明に係る照明器具用表面処理塗装材を作製することができるものである。機能性塗料組成物の塗装方法は、塗装に慣用されている各種の方法、例えばロール塗装、カーテンフロー塗装、スプレー塗装、浸漬塗装、バーコート塗装、及び刷毛塗り塗装等の公知の方法によって行なうことができるものである。塗料組成物の硬化は、塗料が硬化する温度−乾燥時間の条件に適宜設定して行なうことができるものであり、乾燥は焼付、強制乾燥および常温乾燥等で行なうことができる。
この最外層の塗膜の膜厚は50μm以下であることが好ましく、より好ましくは35μm以下である。塗膜の膜厚が50μmを超える場合は、塗装後の曲げ等の加工性が悪くなって製品歩留まりが低下し、また、塗料組成物の使用量が増えて製品コストが高くなるため、好ましくない。塗膜の膜厚の下限は特に制限されるものではないが、実用上、塗膜の膜厚は3μm程度が下限である。尚、この最外層の塗膜は、単一層構造であってもよいが、二層以上の多層構造であってもよい。
そして、機能性塗料組成物に配合する拡散剤の種類、粒径、配合量を調整することによって、最外層の塗膜の表面反射率を調整することができるものであり、本発明では、表面反射率が、全反射率(可視光線の全光線反射率)75%以上、より好ましくは80%以上であり、全反射率と拡散反射率の差が全反射率−拡散反射率=5〜15%の範囲になるように、最外層の塗膜を形成することが必要である。最外層の塗膜の全反射率が75%以下になると、照明器具の器具効率が60%以下になり、省エネルギーの観点から、また居住者が作業をする空間の照度が低下することになるため、好ましくない。また、最外層の塗膜の全反射率と拡散反射率の差が15%以上、つまり拡散反射率が60%以下の場合には、ランプ像がVDT画面に映り込み易くなり、不快感を感じて作業効率が低下するなどの問題が発生するおそれがある。一方、全反射率と拡散反射率の差が5%以下、つまり拡散反射率が70%以上の場合には、照明器具の輝度が高くなって、グレアが増加するために好ましくない。尚、最外層の塗膜の全反射率の上限は特に制限されるものではない。
本発明において基材としては、プラスチック製のものを用いることができる。プラスチックの種類は、一般的な熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂であれば特に限定されるものではなく、代表的にはポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、エポキシ樹脂などが挙げられる。成形方法は、反射板やルーバーなどの照明器具用部材の所定の形状に形成できるものであれば特に限定されるものではないが、代表的には射出成形、圧縮成形、押出成形などを挙げることができる。
また基材としては、金属製のものを用いることもできる。金属の種類は特に限定されるものではないが、ステンレス鋼、鉄、アルミニウム、マグネシウム、チタン、及びこれらの材料を含む合金やメッキ鋼板、亜鉛鋼板などを挙げることができる。これらのなかでも、99.28質量%以上の純度のアルミニウム合金を基材として用いるのが好ましい。99.28質量%以上の純度のアルミニウム合金で基材を形成することによって、後述のように基材6の表面反射率を全反射率87%以上に形成することができるものである。アルミニウムの純度の上限は特に制限されるものではない。
そしてこの基材6の表面に直接、上記の機能性塗料組成物を塗装して塗膜7を形成することによって、図1(a)のような照明器具用表面処理塗装材を得ることができるものである。基材6は表面反射率が全反射率87%以上であることが必要である。基材6の表面の全反射率が87%以下であると、基材6の表面に直接形成される塗膜7の全反射率を上記のように75%以上にすることが困難になるものである。基材6の表面の全反射率の上限は特に制限されるものではないが、実用上、基材6の表面の全反射率は93%程度が上限である。
ここで、基材6の材質がプラスチックの場合、基材6の表面にアルミニウムや銀等の真空蒸着処理をし、あるいはアルミニウムや銀等を蒸着して形成した光輝フィルムを貼着し、図1(b)のように基材6の表面に光輝層8を設けることによって、基材6の表面反射率が全反射率87%以上になるようにすることができるものである。このように光輝層8を設けることによって、使用するプラスチックの種類を制限されることなく、基材6の表面反射率を全反射率87%以上に形成することができるものであり、塗膜7は光輝層8の上に塗装して形成されるものである。
また、基材6の材質が金属の場合、基材6の表面に真空蒸着処理をし、あるいは光輝フィルムを貼着し、あるいはアルマイト処理をして、同様に図1(b)のように基材6の表面に光輝層8を設けることによって、基材6の表面反射率が全反射率87%以上になるようにすることができるものである。このように光輝層8を設けることによって、使用する金属の種類を制限されることなく、基材6の表面反射率を全反射率87%以上に形成することができるものであり、塗膜7は光輝層8の上に塗装して形成されるものである。
さらに、基材6の表面に下塗り塗膜9を設け、この下塗り塗膜9の上に最外層の塗膜7を形成するようにしてもよい。下塗り塗膜9を形成する下塗り塗料組成物としては、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる樹脂を主体とする、溶剤系、水系、活性エネルギー硬化型などの一般に公知のものを用いることができる。下塗り塗膜9の膜厚は特に制限されるものではないが、下塗り塗膜9の表面反射率は全反射率87%以上であることが必要である。このように基材6の表面に全反射率87%以上の下塗り塗膜9を設けることによって、使用するプラスチックや金属の種類を制限されることなく、基材6の表面反射率を全反射率87%以上に形成することができるものである。
下塗り塗料の塗装方法については、スプレー塗装、刷毛塗り塗装、電着塗装、プレコート塗装等の公知の方法によって行うことができるものである。また、最外層を構成する塗膜7をこの下塗り塗膜9の上に設ける場合には、基材6の表面に下塗り塗料を塗布した後、ウェット状態のまま、または常温乾燥の後、若しくは焼き付け乾燥の後、最外層の塗膜7を形成する上記の機能性塗料組成物を塗布し、焼き付け乾燥するようにするのが好ましい。
また、基材6として金属材質のものを用いる場合、上記の塗膜7あるいは下塗り塗膜9の塗装を行なう前に、陽極酸化処理あるいは化成処理をして、基材6の表面に陽極酸化処理膜もしくは化成処理膜を設けるようにしてもよい。
化成処理の方法としては、特に限定されるものではないが、アルカリ−クロム酸塩法、ベーマイト法、クロム酸塩法、りん酸−クロム酸塩法、りん酸塩法、ノンクロメート化成処理方法などを採用することができる。化成処理は一般的に、脱脂、表面調整、皮膜化成、洗浄、乾燥など複数の工程を行なうことにより、より高度な基材の耐食性、および密着性を確保することが可能となる。
また陽極酸化処理の方法としては、特に限定されるものではないが、直流法、交流法、交直重畳法、定電流法、定電圧法などを採用することができる。陽極酸化処理は、脱脂、エッチング、デスマット、陽極酸化、封孔、乾燥など複数の工程を行なうことにより、耐食性や装飾性、密着性を向上させることが可能となるものであり、基材6がアルミニウムであるときのアルマイトが代表例である。
上記の脱脂、表面調整、皮膜化成に使用する処理剤は、基材6の種類や処理方法によって任意に使い分けるものである。また濃度、温度、時間などの処理条件も同様に、基材の種類によって異なるものである。陽極酸化処理膜、および化成処理膜の膜厚は特に限定されるものではないが、表面反射率が全反射率87%以上になることが必要である。
また、基材6に上記の塗膜7あるいは下塗り塗膜9の塗装を行なう前に、基材6の表面に、有機質材料と化学結合する官能基と、無機質材料と化学結合する官能基とを有し、かつ有機物と珪素とから構成される化合物を塗布し、常温乾燥若しくは焼き付け乾燥させる処理をして、表面処理膜を形成することができる。この化合物としては、シランカップリング剤などを用いることができるものであり、有機質材料と化学結合する官能基としてビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基のうち少なくとも一つを有し、且つ無機質材料と化学結合する官能基としてメトキシ基、エトキシ基のうち少なくとも一つを有するものが好ましい。この化合物を塗布した表面処理膜の上に、上記の最外層の塗膜7を形成する機能性塗料組成物若しくは下塗り塗膜9を形成する下塗り塗料組成物を塗装して、最外層の塗膜7若しくは下塗り塗膜9およびさらにその上に塗膜7を形成することによって、基材6と塗膜7若しくは下塗り塗膜9との密着性を高めることができるものである。この化合物を塗布処理した後の基材6の表面反射率は全反射率87%以上であることが必要である。
ここで基材6の上には、上記のような下塗り塗膜9、陽極化成処理膜、化成処理膜、表面処理膜を設ける他に、二酸化ケイ素(SiO)膜などの無機材料からなる膜を設けることができる。そしてこのように基材6と最外層の塗膜7との間にこれらの各種の膜(中間膜という)を設ける場合、これらの中間膜は最外層の塗膜7より小さい屈折率に形成するのが好ましい。このように基材6と最外層の塗膜7の間に形成される中間膜の屈折率を最外層の塗膜7より小さい屈折率に形成することによって、中間膜と最外層の塗膜7との界面で光が全反射し易くなり、基材6の全反射率を高くすることができるものである。
また、基材6と最外層の塗膜7の間に形成されるこの中間膜は、膜厚を90〜100nmの範囲に設定するのが好ましい。膜厚をこの範囲に設定することによって、基材6の全反射率を高くすることができるものである。入射光が中間膜と基材6との界面で反射する際に、この基材6との界面で1回反射した反射光や、中間膜と最外層の塗膜7と中間膜との界面と、中間膜と基材6との界面の間で複数回反射した反射光が、干渉し合うことによって、これらの光の波の位相差と振幅に基づいて強め合ったり打ち消しあったりし、入射光の反射率を増加させたり、減少させたりするが、中間膜の膜厚を90〜100nmの範囲に設定することによって、入射光の反射率を増加させる増反射効果を得ることができ、基材6の全反射率を高くすることができるものである。膜厚がこの範囲から外れると、増反射効果を得ることができず、中間膜に入射光の一部が吸収され、全反射率が低下することになる。
そして、上記のようにして得られる照明器具用表面処理塗装材に、任意に切断、プレス、折り曲げ等などの加工を施すことによって、反射板やルーバーなどの照明器具用部材に仕上げることができるものである。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、全て質量基準によるものとする。尚、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(機能性塗料組成物1の調製)
ポリエステル樹脂(三井東圧(株)製、商品名「アルマテックスP646」、固形分60%)100部及びn−ブチル化メラミン樹脂(三井化学(株)製、商品名「ユーバン20SE60」、固形分60%)25部からなる樹脂混合物に、ソルベッソ#150/シクロヘキサノン/イソブタノール=10/10/5部を混合した有機溶媒中に拡散剤としてエポキシ基含有シリコーンゴムパウダー(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「トレフィルE−601」、平均粒径2μm)23部を分散させたものを配合し、機能性塗料組成物1を得た。
(機能性塗料組成物2の調製)
無機バインダー((株)常盤電機製、ポリイソシアネートとコロイダルシリカの反応物、商品名「FJ801」、固形分35%)100部に対し、拡散剤としてシリコーンパウダー(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「トレフィルE−601」、平均粒径2μm)14部を分散させ、機能性塗料組成物2を得た。
(機能性塗料組成物3の調製)
上記の「機能性塗料組成物1の調製」において、シリコーンパウダーの代りに、拡散剤としてナイロンビーズ(東レ(株)製、商品名「SP−500」、平均粒径5μm)15部を用いるようにした他は、同様に行ない、機能性塗料組成物3を得た。
(機能性塗料組成物4の調製)
熱硬化性アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、商品名「ダイヤナールHR656」、固形分50%)100部、アルキル化型アミノ樹脂(三井サイテック(株)製、商品名「サイメル303」)10部、エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名「エピコート1001X70」、固形分70%)10部からなる樹脂混合物に、ソルベッソ#150/シクロヘキサノン/イソブタノール=10/10/5部を混合した有機溶媒中に拡散剤として酸化チタン(堺化学工業(株)製、商品名「ルチル型酸化チタンR−62N」、一次粒子径0.26μm、実際には二次粒子10μm以下へ分散)60部を分散させたものを配合し、機能性塗料組成物4を得た。
(機能性塗料組成物5の調製)
上記の「機能性塗料組成物4の調製」において、酸化チタンの代りに、拡散剤としてシリコーンパウダー(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名「トレフィルE−601」、平均粒径2μm)4部を用いるようにした他は、同様に行ない、機能性塗料組成物5を得た。
(機能性塗料組成物6の調製)
上記の「機能性塗料組成物4の調製」において、酸化チタンの代りに、拡散剤としてシリカ(日本アエロジル(株)製、「アエロジルAR200」、平均粒子径12μm)20部を用いるようにした他は、同様に行ない、機能性塗料組成物6を得た。
(機能性塗料組成物7の調製)
上記の「機能性塗料組成物4の調製」において、酸化チタンの代りに、拡散剤として溶融アルミナ(昭和電工(株)製、「WA#400」、平均粒径33μm)35部を用いるようにした他は、同様に行ない、機能性塗料組成物7を得た。
(機能性塗料組成物8の調製)
上記の機能性塗料組成物1を100部に対して、アクリル系表面調整剤(ソルーシア社製「MODAFLOW」)を0.1部添加して混合することによって、機能性塗料組成物8を得た。
(機能性塗料組成物9の調製)
上記の機能性塗料組成物1を100部に対して、アクリル系表面調整剤(ソルーシア社製「MODAFLOW」)を7.0部添加して混合することによって、機能性塗料組成物8を得た。
(実施例1)
基材として鏡面仕上げアルミニウム材(住友軽金属(株)製、XL材、FS003、アルミニウム純度99.28%、表面の全反射率92%)を用い、この基材の表面上に、乾燥膜厚が30μmとなるように機能性塗料組成物1を塗布し、焼き付け乾燥して、上塗り塗膜(屈折率1.5)を形成することによって、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(実施例2)
基材として、PBT樹脂(東レ(株)製、商品名「トレコン1401X38SW226」)にアルミニウムを真空蒸着して、表面の全反射率88%に形成したものを用い、後は実施例1と同様にして表面処理塗装材を得た(図1(b)参照)。
(実施例3)
基材として、表面にアルミニウム蒸着処理を施した高光沢アルミニウム材(住友軽金属工業(株)製、SL材、表面の全反射率88%)に変更する以外は実施例4と同様に行い、表面処理塗装材を得た(図1(b)参照)。
(実施例4)
機能性塗料組成物1の代りに、機能性塗料組成物2を用いて上塗り塗膜を形成するようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(実施例5)
機能性塗料組成物1の代りに、機能性塗料組成物3を用いて上塗り塗膜を形成するようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(実施例6)
実施例1と同じアルミニウム材(XL材)を基材として用い、基材と上塗り塗膜の間に、ポリエステル樹脂系下塗り塗料(大日本塗料(株)製、「Vニット#150プライマー クリヤー」)を乾燥塗膜厚で5μmとなるように塗布すると共に焼き付け乾燥して下塗り塗膜(屈折率1.53)を形成するようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(c)参照)。尚、このものにあって、下塗り塗膜の表面反射率は全反射率89%であった。
(実施例7)
実施例1と同じアルミニウム材(XL材)の表面にノンクロム系化成処理(日本パーカライジング(株)製「パルボンド3308」に、濃度15質量%、浸漬時間2分、45℃の条件でディッピング)を施すことによって、化成処理膜(平均膜厚2μm)を形成し、これを基材として用いるようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(実施例8)
実施例1と同じアルミニウム材(XL材)の表面に、キシレン100部に対してγ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン0.05部を混合溶解した溶液を塗布して表面処理を施すことによって、表面処理膜(平均膜厚2μm)を形成し、これを基材として用いるようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(実施例9)
実施例6において、ポリエステル樹脂系下塗り塗料の代りに、フッ素樹脂系下塗り塗料(住友スリーエム(株)製「ダイニオンTHV」)を用いて、基材の表面に下塗り塗膜(屈折率1.36)を形成し、基材と上塗り塗膜の間に中間膜を設けるようにした。その他は実施例6と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(c)参照)。
(実施例10)
実施例6において、下塗り塗膜を形成する代りに、基材の表面に真空蒸着法により二酸化ケイ素膜(屈折率1.47、膜厚90nm)を形成し、基材と上塗り塗膜の間に中間膜を設けるようにした。その他は実施例6と同様に行ない、表面処理塗装材を得た。
(実施例11)
実施例7において、機能性塗料組成物1の代りに機能性塗料組成物8を用いて上塗り塗膜を形成するようにした。その他は実施例7と同様に行ない、表面処理塗装材を得た。
(実施例12)
実施例10において、二酸化ケイ素膜の代りに、酸化チタン(TiO)膜(屈折率2.44、膜厚90nm)を形成し、基材と上塗り塗膜の間に中間膜を設けるようにした。その他は実施例6と同様に行ない、表面処理塗装材を得た。
(実施例13)
実施例11において、機能性塗料組成物8の代りに機能性塗料組成物9を用いて上塗り塗膜を形成するようにした。その他は実施例11と同様に行ない、表面処理塗装材を得た。
(比較例1)
実施例1と同じアルミニウム材(XL材)を基材として用い、この基材の表面上に、乾燥膜厚が30μmとなるように機能性塗料組成物4を塗布し、焼き付け乾燥して、上塗り塗膜を形成することによって、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(比較例2)
機能性塗料組成物4の代りに、機能性塗料組成物5を用いて上塗り塗膜を形成するようにした他は、比較例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(比較例3)
機能性塗料組成物4の代りに、機能性塗料組成物6を用いて上塗り塗膜を形成するようにした他は、比較例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(比較例4)
実施例1において、上塗り塗膜の膜厚を30μmから60μmに変更するようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(比較例5)
基材として、実施例3と同じ高光沢アルミニウム材(SL材、アルミニウム蒸着なし、表面の全反射率85%)を用い、その他は実施例1と同様に行い、表面処理塗装材を得た。
(比較例6)
基材として、実施例2と同じPBT樹脂(アルミニウム蒸着なし、表面の全反射率83%)を用い、その他は実施例1と同様に行い、表面処理塗装材を得た。
(比較例7)
機能性塗料組成物4の代りに、機能性塗料組成物7を用いて上塗り塗膜を形成するようにした他は、比較例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(a)参照)。
(比較例8)
実施例1と同じアルミニウム材を基材として用い、基材と上塗り塗膜の間に、ポリエステル樹脂系下塗り塗料(大日本塗料(株)製、「Vニット#160プライマー」)を乾燥塗膜厚で5μmとなるように塗布すると共に焼き付け乾燥して下塗り塗膜を形成するようにした他は、実施例1と同様に行ない、表面処理塗装材を得た(図1(c)参照)。尚、このものにあって、下塗り塗膜の表面反射率は全反射率72%であった。
上記実施例1〜13及び比較例1〜8で得た表面処理塗装材について、その表面の光学特性を測定した。ここで、光学特性の測定は、可視光域の波長555nmにおける測定値をデータとして、自記分光光度計(日立製作所製「U−4000」)で全光線反射率及び拡散反射率を測定することによって行ない、また全反射率と拡散反射率の差を求めた。結果を表1に示す。また、上記実施例1〜13及び比較例1〜8で得た表面処理塗装材を加工して、照明器具用のルーバーを作製した。そしてこのルーバーを図2に示すように組み込んだ照明器具について、器具効率、輝度、塗膜の密着性を測定した。ここで、器具効率は、JIS C40 8105に準拠した方法で、光源であるランプから出る光束と照明器具から出る光束とを測定し、前記(式1)にて算出した。そして器具効率55%以上であれば「○」、55%未満であれば「×」と判定した。輝度は、鉛直角65〜85度にて観察したときのルーバー表面輝度を測定した。そして1200〜2000cd/mであれば「○」、それ以外を「×」と判定した。塗膜の密着性は、JIS K 5400の碁盤目試験法に準拠して測定し、100/100であれば「○」、それ以外を「×」と判定した。結果を表1に示す。
Figure 2005100974
表1にみられるように、各実施例のものは、器具効率とグレアのいずれにおいても優れるものであった。
本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a),(b),(c)はそれぞれ概略断面図である。 照明器具の一例を示すものであり、(a)は断面図、(b)は分解斜視図である。
符号の説明
5 ルーバー
6 基材
7 塗膜
8 光輝層
9 下塗り塗膜

Claims (16)

  1. 基材の表面に最外層として塗膜を設けて形成される照明器具用表面処理塗装材において、基材は表面反射率が全反射率87%以上であり、塗膜は表面反射率が全反射率75%以上であると共に全反射率と拡散反射率の差(全反射率−拡散反射率)が5〜15%の範囲であり、かつ塗膜の膜厚が50μm以下であることを特徴とする照明器具用表面処理塗装材。
  2. 上記基材は材質がプラスチックであり、かつその表面に真空蒸着処理又は光輝フィルム貼着することによって、基材の表面反射率が全反射率87%以上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  3. 上記基材は材質が金属であり、かつその表面に真空蒸着処理、光輝フィルム貼着、アルマイト処理のいずれかをすることによって、基材の表面反射率が全反射率87%以上に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  4. 上記基材の材質は99.28質量%以上のアルミニウム成分で構成された金属であることを特徴とする請求項3に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  5. 上記最外層の塗膜は、アルコキシシラン、コロイダルシリカ、オルガノシリカゾル、アクリルシリコン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂と、組成物の固形分に対して外掛けで5〜50質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  6. 上記最外層の塗膜は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂と、組成物の固形分に対して外掛けで5〜50質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  7. 上記拡散剤は、無機系骨材及び有機系骨材から選択された少なくとも1種以上のものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  8. 上記拡散剤は、平均粒子径が0.5〜30μmであることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  9. 上記基材と上記最外層の塗膜との間には、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂を主体とする下塗り塗膜が設けられており、この下塗り塗膜は表面反射率が全反射率87%以上であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  10. 上記基材の表面は、塗装前に、陽極酸化処理あるいは化成処理を施して、陽極酸化処理膜あるいは化成処理膜が形成されていることを特徴とする請求項3乃至9のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  11. 上記基材の表面は、塗装前に、有機質材料と化学結合する官能基と、無機質材料と化学結合する官能基とを有し、かつ有機物と珪素とから構成される化合物を塗布する表面処理を施して、表面処理膜が形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  12. 上記の有機質材料と化学結合する官能基は、ビニル基、エポキシ基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基のうち少なくとも一つであり、無機質材料と化学結合する官能基は、メトキシ基、エトキシ基のうち少なくとも一つであることを特徴とする請求項11に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  13. 上記基材と上記最外層の塗膜の間に形成される上記膜は、最外層の塗膜より小さい屈折率に形成されていることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  14. 基材と最外層の塗膜の間に形成される上記膜は、膜厚が90〜100nmであることを特徴とする請求項13に記載の照明器具用表面処理塗装材。
  15. 上記最外層の塗膜は、アクリル系、ビニル系、シリコーン系、フッ素系の表面調整剤から少なくとも1種以上選ばれる表面調整剤が、組成物の固形分に対して外掛けで0.001〜5質量%の拡散剤を含有して調製される塗料組成物を塗装して形成されたものであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の照明器具用表面処理塗装材をルーバーとして用いたことを特徴とする照明器具。
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