JP2005099518A - 液晶パネル固定用シート - Google Patents

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誠吾 日紫喜
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Abstract

【課題】各種コータの使用によりエラストマ原料を基材フィルム上に付与したので、液晶パネル固定用シートに必要とされるフィルム基板の一時固定性および剥離性の双方を併有する固定用シートを製造し得る方法を提供する。
【解決手段】液晶パネルのフィルム基板を加工時に一時固定する液晶パネル固定用シートにおいて、所要厚さの基材フィルム12と、基材フィルム12上にエラストマ原料から形成される所要高さの突起部15とからなり、この突起部15のアスカーA硬度を10〜60の範囲に設定し、該突起部15が発現する静止摩擦係数を1.0以上とし、フィルム基板が一時固定される該突起部15の表面当接部11から該フィルム基板を剥離するのに必要な力がJIS Z 0237に準拠する90度引きはがし粘着力で0.2N/mm以下になるよう構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は液晶パネル固定用シートに関し、更に詳細には、プラスチックフィルムを基板として用いた液晶パネルの位置合わせを伴う加工、切断、組立、搬送等の作業工程で、該基盤を一時固定するために用いる液晶パネル固定用のシートに関するものである。
近年、コンピュータ用のディスプレイだけでなく、例えば携帯電話等の小型電子機器用のディスプレイとしても、液晶パネルが採用されるようになっている。この液晶パネルは、一般に、各種材質からなる一対の透明な基板の間に形成される空間、所謂セルギャップ内に液晶を封入することによって形成されている。そして透明基板の材質としては、加工後の作業が容易なように、劈開性を備えるガラスが好適に採用されていた。
しかしガラスは、重量が嵩み取り扱い時に容易に破損する等の欠点を有しており、殊に昨今の携帯電話等の小型電子機器に求められる携帯性、すなわち軽量性および省スペース性を達成するためには、必ずしも最適な材料とはいえなかった。そこで前述の携帯性を達成する材質として、プラスチックフィルムが使用され始めている。プラスチックフィルムを使用して得られる基板は、その可塑性故にこれまでのガラス板からなる基材のような高い平面性の確保が困難であり、かつ液晶パネルの製造に際して要求される高い寸法精度故に、平面性を担保するようにガラス板等の支持体上に一時固定する必要がある。プラスチックフィルムを使用して得られる基板(以下、フィルム基板と云う)32は、図9に示す如く、固定用シート等の一時固定手段40を介して液晶パネル製造装置70のガラス板からなる支持体34に着脱自在に粘着的に一時固定され、この一時固定状態において各種加工が施される。この際、一時固定手段40としては、ここで述べた粘着成分による方法の他、吸引による方法も採用されている。
しかし吸引により一時固定をなす場合には、作業中に発生する不用意なずれを回避できず、製造される液晶パネルの寸法精度を達成し得なかったり、フィルム基板32の一部が吸引により変形して寸法精度が低下する虞がある。一方、粘着テープ等の粘着成分を利用して、フィルム基板32を支持体34に一時固定する方法には、前述のずれは生じ難くなるが、作業終了後にフィルム基板32の粘着成分からの剥離が困難であり、また力を加えて剥離を実施する場合には、剥離に際してフィルム基板32が変形したりまたは損傷する問題が指摘される。
前述の問題を解決するため、以下の[特許文献1]または[特許文献2]に示すような液晶パネル固定用シートが案出されている。[特許文献1]に係る発明「液晶表示パネル用接着シート」では、弾性重合体100重量部に対して、5〜100重量部の紫外線架橋性樹脂と、2〜5重量部の粘着付与剤と、0.1〜10重量部の重合開始剤と、1〜20重量部のシリコーンレジンとからなる粘着剤層を有し、UV(紫外線)の照射により容剥離性を発現する接着性シートが開示されている。そして[特許文献2]に係る発明「液晶表示装置用のフィルム基板アッセンプリ」では、粘着剤組成物が直鎖状アルキル基を側鎖とするアクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを構成成分とする側鎖結晶性のポリマーを含有することで、融解温度以上の温度で粘着性を有し、冷却することで剥離強度を低下させる粘着剤層が開示されている。
特開2000−221463号公報 特開2001−290138号公報
しかしながら、前述の[特許文献1]または[特許文献2]に記載の発明の場合、液晶パネルの加工時に必要とされる一時固定力と、容易な剥離性との両立を、UVまたは冷却といった特別な要素を制御することで達成している。このため、これらの制御を実施する工程が必要不可欠であり、工程の実施により専用設備が必要になり、また生産サイクルの長時間化等による製造コストの上昇等が問題とされていた。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明は、液晶パネルのフィルム基板を加工するに際して、該フィルム基板を支持体に着脱自在に一時固定する液晶パネル固定用シートにおいて、
所要厚さの基材フィルムと、
前記基材フィルム上にエラストマ原料(M)から形成される所要高さの突起部とからなり、
前記突起部のアスカーA硬度を10〜60の範囲に設定し、該突起部が発現する静止摩擦係数を1.0以上とし、前記フィルム基板が一時固定される該突起部の表面当接部から該フィルム基板を剥離するのに必要な力がJIS Z 0237に準拠する90度引きはがし粘着力で0.2N/mm以下になっていることを特徴とする。
以上説明した如く、本発明に係る液晶パネル固定用シートによれば、スクリーンコータ等の各種コータを使用してエラストマ原料を基材フィルム上に付与することで、液晶パネル固定用シートに必要とされるフィルム基板の充分な一時固定をなし得る固定性および剥離性の双方を併有する固定用シートを製造し得る。また突起部を介して全体が密着しないようにフィルム基板を固定することで、フィルム基板と液晶パネル固定用シートとの間にエアが溜まったり、フィルム基板と液晶パネル固定用シートとが負圧によって密着する、所謂吸盤の如き作用が生じないようにして、前述のフィルム基板の充分な一時固定と剥離性とを確実に達成し得る。
次に本発明に係る液晶パネル固定用シートおよびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお図9に関して既出の部材等については、同じ符号を付すると共に、その詳細な説明は省略する。
本願発明者は、液晶パネルを構成するフィルム基板を一時固定する固定用シートに突起部を設け、(1)そのアスカーA硬度を10〜60の範囲に設定し、(2)その静止摩擦係数を1.0以上とし、(3)一時固定すべきフィルム基板に当接する表面当接部の剥離性を示す指標としてJIS Z 0237に準拠する90度引きはがし粘着力を用い、この粘着力を0.2N/mm以下とすることで、フィルム基板のシートに対する製造時における好適な一時固定の達成と、シートからの容易な剥離性とが達成されることを知見した。また(4)各種コータを使用することで、表面当接部の平滑性を表す基材フィルム12における裏面からの高さの変動幅、すなわち表面の平滑性の幅が±10μm以内、好ましくは±5μm以内の数値を達成した高い寸法精度を備えることで、液晶パネルを構成するフィルム基板を加工するにあたり、その加工精度を充分なものとし得ることも併せて知見した。
本発明の好適な実施例に係る固定用シート10は、図1に示す如く、基本的には基材フィルム12と、この基材フィルム12上にその厚さが30〜500μmに設定されると共に、所要高さの突起部15が所要のパターンとなるように形成されたエラストマ層14とからなる。そして所要のパターンに配置された突起部15において直接的にフィルム基板32に当接する部位が、固定用シート10の表面当接部11を形成している。また実際の製造に際しては、固定用シート10を支持体34の所要位置に容易に取付できるように、基材フィルム12のエラストマ層14が形成されない側には、剥離材16aにより被覆された接着固定層16が形成されている。そして、図2に示す如く、液晶パネル製造装置70において、液晶パネルを構成するフィルム基板32と、フィルム基板32を支持するガラス板からなる支持体34とを着脱自在に粘着的に一時固定するために使用されるものである。
基材フィルム12は、製造工程(後述[0021])において効率的に突起部15およびエラストマ層14を形成するための、所謂基材としての機能を果たすものである。また固定用シート10のハンドリング性向上の役割も果たすと共に、前述の厚さ等の要件を満足し得るエラストマ層14だけでは強度が不充分であり、大きな変形により発生する切れ、裂け等の物理的な損傷による製品欠陥を回避して形状保持性を高める役割も担っている。そしてその材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)の如き一般的な熱可塑性樹脂であって、後述([0013])する引張弾性率を有すると共に、殊に液晶パネル製造時に必要とされる100〜150℃程度の高温環境に耐え得る物質が好適な素材として採用される。
また基材フィルム12においては、固定用シート10の製造時に大きな変形をしないように、その引張弾性率が1000MPa以上であることが望まれる。この値が1000MPa未満の場合、固定用シート10の全体としての構造的強度が低いために、製造・使用時に大きな変形により発生する切れ、裂け等の物理的な損傷による製品欠陥が発生する。更に基材フィルム12の厚さは、4〜250μmの範囲に設定される。この値が4μm未満の場合、一般の方法では製造が困難であり、製造コストが増大してしまう問題がある。一方250μmを越える場合、後述される製造装置([0024])の利用に際して基材フィルム12の巻き取り数が低下して生産性が下がるためである。
エラストマ層14は、フィルム基板32を支持体34上に固定する際に、突起部15だけでは安定的に好適な高さとし得ない場合に、所謂嵩上げ部材としての役割を担う部材である。そしてフィルム基板32を加工して液晶パネルとする際には、100〜150℃程度の加熱も実施されるため、この熱に対する耐性を備えることも必要とされる。エラストマ層14および突起部15には、これらの機能を充分に発揮するために、高い静止摩擦係数を有し、その形状を容易に設定し得る各種エラストマが原料として好適に採用されている。
突起部15は、エラストマ層14の表面に所定のパターンで形成され、表面当接部11が平坦とされた円柱状物であり、その高さがフィルム基板32との接触に際して、突起部15が確実に接触すると共に、それ以外の部分は確実に非接触となる程度に設定される。突起部15の高さはフィルム基板32の材質、すなわち可撓性の度合いと、突起部15の配置間隔とによって変動するが、基本的には30μm以上の設定とされる。また静止摩擦係数については、表面当接部11をなす突起部15の形状および硬さ、すなわちアスカーA硬度を10〜60の範囲に設定することで、また剥離力については表面当接部11をなす突起部15の数により接触面積を増減させることで制御している。そして、前述したフィルム基板32の好適な作業をなし得る静止摩擦係数は1.0以上であれば充分であり、この数値は突起部15の硬度がアスカーA硬度で10〜60の範囲内であれば充分に達成される。そして剥離力は、突起部15の硬度が前述の値であれば、突起部15が、所謂吸盤の如き作用を呈しないため、前述の如く、JIS Z 0237に係る90度引きはがし粘着力が0.2N/mm以下となることが確認された。
また硬度についてはその値が10未満であると、突起部15が高い形状追従性を発現し、その結果、フィルム基板32に対して全面的に密着してしまい、粘着力の発現が高過ぎて表面当接部11からの剥離力の制御が困難となるためである。一方硬度が60を越えると、表面当接部11が発現する静止摩擦係数が1.0未満となり、フィルム基板32の一時固定が充分になされなくなってしまう。
そしてエラストマ層14の厚さは、500μm以下、好ましくは30〜500μmの範囲に設定される。この値が500μmを越える場合、後述([0019])する厚さ方向の寸法精度の悪化が懸念され、所要の精度が達成できなくなってしまう。また一般の方法では、30μm未満のエラストマ層14の製造は困難であるため採用されない。
このような硬度および厚さとし得るエラストマ層14および突起部15の材質としては、ウレタン系、シリコーン系またはアクリル酸エステル等の熱硬化・熱可塑のポリマーが好適であり、殊に液晶パネル製造時に加えられる熱を考慮し、耐熱性を有する熱硬化型ポリマーが好適である。また固定用シート10が使用される周囲環境等を鑑み、幅広い温度域で前述の物性を維持し得るシリコーン系物質が好適である。またエラストマ層14の性状については、前述の各物性値を達成するもので有れば殊に限定されず、ソリッドであっても発泡体であってもよい。
表面当接部11の基材フィルム12における裏面からの高さの変動幅(以下、単に変動幅と云う)は、図3に示す如く、突起部15の高さの変動幅(寸法精度)およびエラストマ層14の厚さ方向の変動幅(寸法精度)の和に相当する。そしてこの変動幅は、±10μm以内、好適には±5μm以内とされ、後述([0029])するスクリーンコータ等の使用により達成される。このためエラストマ原料Mとしては、その粘度が明らかでかつ経時の変動が少なく、基材フイルム12に負荷を与えない温度にて短時間で乾燥および硬化し得る液状物が好適である。また好適なコータの種類は、突起部15およびエラストマ層14を形成するエラストマ原料Mの状態(粘度、流動曲線、降伏値、表面張力、固形分濃度またはポットライフ等)や、塗工条件(塗工量、塗工幅、速度、乾燥または硬化温度等)により決定される。なお本実施例の如く、突起部15およびエラストマ層14の双方を備える固定用シート10の表面当接部11の変動幅は、前述の如く、突起部15の高さの変動幅およびエラストマ層14の厚さ方向の変動幅の和となるため、個々の変動幅は夫々±5μm以内、好適には±2.5μm以内とすることが望まれる。また後述([0021])する固定用シート20の場合、表面当接部11の変動幅は、突起部15の高さの変動幅だけで決定されるため、図1に示した固定用シート10よりも高い寸法精度を容易に達成し得る。
接着固定層16は、固定用シート10を支持体34に取り付ける際に、その都度、エラストマ層14および突起部15が形成されている反対面に接着剤を塗布する等の作業を解消する、所謂ハンドリング性の向上のために形成されるものである。従って、基材フィルム12のエラストマ層14および突起部15が形成されない側に、所謂接着シートを積層したり、接着剤を均一に付与することで形成されている。なおこの場合、支持体34に取り付けるまでのハンドリング性を考慮して、接着固定層16の外側面には剥離材16aを付与等することで接着固定層16を保護するようにしている。
なお図1に示す突起部15は、エラストマ層14上に形成されているが、図4に示す如く、直接的に基材フィルム12上を部分的に突起部15で覆うようにしてもよい。図4に示すような固定用シート20は、例えば液晶パネル加工装置において、フィルム基板32と、支持体34との間に微小な隙間しか画成できない場合や、前述の変動幅の小さなものとして、寸法精度を更に高い水準としたい場合に極めて有効な構造でといえる。エラストマ層14や突起部15は、夫々別々にエラストマ原料Mを付与することで形成されるため、エラストマ層14ついては厚さ方向の変動が、突起部15については高さ方向の変動が夫々別々に存在する。このため表面当接部11の変動幅の観点から、エラストマ層14および突起部15の双方を形成する場合より、突起部15だけ形成する方が変動幅を抑制し得ることは明らかである。
(製造装置および製造方法)
次に、本実施例に係る固定用シート10の好適な製造装置の一例と、この製造装置を用いた製造方法を以下説明する。なお基材フィルム12、エラストマ層14および突起部15の原料であるエラストマ原料Mおよび接着固定層16となる接着剤が付与された剥離材16aが夫々準備されており、ここではナイフコータを使用して平滑な状態のエラストマ層14が形成され、その後、ロータリースクリーン印刷機(以下、スクリーンコータと云う)等でエラストマ層14上に所要のパターンで突起部15が形成された固定用シート10の基となる長尺シート18が製造され、打ち抜き等の後加工により最終製品たる固定用シート10が得られるものとする。なおエラストマ層14へのエンボスロールによる型押しや深彫りしたグラビア印刷を使用する方法も可能だが、版の作製コストが懸かること、本使用における固定機能を左右するべき各種凹凸形状や深さを実現するには適応範囲が狭い問題があり、好適にはスクリーンコータが採用されている。
固定用シート10の製造は、従来公知の製造方法によりなされ、図5に示すように原料準備工程S1、エラストマ層形成工程S2、突起部形成工程S3、粘着層積層工程S4および最終工程S5から基本的に構成され、図6に示す製造装置50により好適に製造される。製造装置50は、基本的に前述のエラストマ層形成工程S2、突起部形成工程S3、粘着層積層工程S4および最終工程S5を実施するものであり、原料準備工程S1は別の混合・攪拌装置等で、例えば後述([0031])の如く実施されている。
(製造装置概略)
製造装置50は、ナイフコータおよびコータとしてのロータリースクリーンによりエラストマ原料Mを所定厚さを有すると共に、所要のパターンで設けられる突起部15により形成される表面当接部11の変動幅を±10μm以内、好ましくは±5μm以内とした固定用シート10を製造する装置であり、基材フィルム12等を移送するロール機構52と、この基材フィルム12上にエラストマ原料Mを付与するナイフコータ部54と、このコータ部54の下流側に設置される所定長さの第1トンネル式加熱炉56と、基材フィルム12に所要のパターンで設けられる突起部15を備えるエラストマ層14を形成するように、更にエラストマ原料Mを付与するスクリーンコータ部58と、このコータ部58の下流側に設置される所定長さの第2トンネル式加熱炉59とから基本的に構成される。
ロール機構52は、基本的に基材フィルム12および剥離材16aを伴う接着固定層16に対して所定のテンションをかけつつ製造ラインに供給・回収する機構である。そして基材フィルム12を供給・移送するための一端である第1供給ロール52aと、剥離材16aを伴った接着固定層16を基材フィルム12に対して積層的に供給・移送するための一端である第2供給ロール52bと、第1供給ロール52aおよび第2供給ロール52bから夫々供給される基材フィルム12および剥離材16aを伴った接着固定層16に所要のテンションをかけつつ回収する回収ロール52cとからなる。これら各ロール52a、52bおよび52cは、夫々図示しない駆動源により駆動されている。
すなわち第1供給ロール52aには基材フィルム12が、第2供給ロール52bには剥離材16aを伴う接着固定層16が夫々巻き付けられており、基材フィルム12は第1供給ロール52aおよび回収ロール52cによりテンションをかけられつつ連続的に供給され、剥離材16aを伴う接着固定層16は第2供給ロール52bおよび回収ロール52cによりテンションをかけられつつ連続的に供給されるものである。本製造装置50の場合、基材フィルム12および剥離材16aを伴う接着固定層16の積層は、加熱による接着固定層16の劣化を回避するために、加熱を施す両トンネル炉56および59の通過後、すなわちエラストマ層形成工程S2を経た後に実施されている。
ナイフコータ部54は、所定のテンションをかけた状態で移送される基材フィルム12上にエラストマ層14を形成するエラストマ原料Mを制御下に付与する付与部54aと、この付与部54aの直ぐ下流側に設置されて付与されたエラストマ原料Mを所要厚さとするナイフエッジ54bと、供給される基材フィルム12のねじれや撓みを防止して好適な付与を実施するためのバックアップロール54cおよびガイドロール54dとから構成されている。また付与部54aは、その一端が図示しないエラストマ原料Mの混合・貯留装置に接続されている。そしてこのナイフコータ部54を経ることで、基材フィルム12上に、エラストマ原料Mがその厚さ方向の変動幅を前述の数値以内として所要厚さに付与される。
第1トンネル式加熱炉56は、所定厚さで付与されたエラストマ原料Mに制御下に加熱を施すことで硬化を進行させてエラストマ層14を得る部分であり、この他、エラストマ原料Mを充分に硬化させ得るものであれば、如何なるものでも採用可能である。またこの際、エラストマ原料Mは基材フィルム12上にあって硬化されるため、エラストマ原料Mおよび基材フィルム12の強固な積層・一体化が可能である。
スクリーンコータ部58は、従来公知のロータリースクリーンコータと同様に、その内部に付与すべきエラストマ原料Mの供給・貯留が可能な内部空間58aを備えた円柱形状物である。そして所定のテンションをかけた状態で移送され、基材フィルム12に形成された、所要厚さのエラストマ層14上に突起部15を所要のパターンで設けるべくエラストマ原料Mを制御下に部分付与するべきパターンを備える円筒周面58bと、内部空間58aに供給・貯留されているエラストマ原料Mを円筒周面58bを介して、所定の付与圧力でエラストマ層14上に付与するスキージ58cとから構成されている。また内部空間58aは、その一端が図示しないエラストマ原料Mの混合・貯留装置に接続されている。そしてこのスクリーンコータ部58を経ることで、その表面が平滑な状態にあるエラストマ層14上に突起部15を形成するためのエラストマ原料Mが所要高さで付与される。
第2トンネル式加熱炉59は、所要高さとなるよう付与された突起部15を形成するエラストマ原料Mを制御下に加熱を施すことで硬化を進行させて、突起部15が設けられたエラストマ層14を得る部分である。第1トンネル式加熱炉56と同じく、エラストマ原料Mを充分に硬化させ得るものであれば、如何なるものでも採用可能である。またこの際、突起部15の原料であるエラストマ原料Mと、エラストマ層14の原料であるエラストマ原料Mとは同一であるため、突起部15およびエラストマ層14は強固に接合される。なお、ここでは突起部15の原料であるエラストマ原料Mと、エラストマ層14の原料であるエラストマ原料Mとは同一とされているが、組成的に馴染みがあり、加熱・硬化時に、例えばJIS K 5400に準拠の「塗料一般試験方法」付着性試験において碁盤目法評価が6点以上となるが如き充分な接合強度を発現するものであれば、別々のエラストマ原料Mであっても採用し得る。
エラストマ層14および突起部15を発泡体構造とする場合、エラストマ原料Mは以下の何れかの方法によって製造される。
(1)エラストマ原料Mをなす各成分を混合後、ここに不活性ガスを混合し、機械的剪断によりガスを剪断・巻き込むまたは溶解させるようにして均質に分散させる。このときの密度としては、0.05g/ml以上に設定される。この密度が0.05g/ml未満となると、機械的発泡においてはセルの安定化が困難で表面の荒れ等の問題が生じ易い。
(2)エラストマ原料Mをなす各成分と、従来公知のマイクロカプセルとを混合し、攪拌することでマイクロカプセルを均質に分散させる。このときの密度としては、0.05〜0.90g/mlの範囲に設定される。この密度が0.05g/ml未満の場合、密度を低下させるマイクロカプセルの混合量が過剰である状態となっているため、得られるエラストマ原料Mの粘度が高くなり、本発明で使用される各種コータが利用できなくなる。一方0.90g/mlを越える場合は、密度を低下させるマイクロカプセルの混合量が少な過ぎる状態となっているため、エラストマ原料M内でマイクロカプセルが不均質に分散して、得られるエラストマ層14の硬度および厚さが不均一となってしまう。
(3)エラストマ原料Mをなす各成分と、従来公知の水溶性物質とを混合し、攪拌することでマイクロカプセルを均質に分散させ、エラストマ層14を形成した後に水等の溶媒に浸漬等して水溶性物質を抽出除去する。このときの密度としては、0.05〜0.50g/mlの範囲に設定される。この密度が0.05g/ml未満の場合、密度を低下させる水溶性物質の混合量が過剰である状態となっているため、得られるエラストマ原料Mの粘度が高くなり、本発明で使用される各種コータが利用できなくなる。一方0.50g/mlを越える場合は、密度を低下させるマイクロカプセルの混合量が少な過ぎる状態となっているため、水溶性物質の得られるエラストマ層14からの充分な抽出除去が困難となる。
(エラストマ層形成工程S2、粘着層積層工程S4および最終工程S5について)
エラストマ層形成工程S2、粘着層積層工程S4および最終工程S5については、従来公知の方法によって実施がなされる。すなわちナイフコータ部54によって調整等されたエラストマ原料Mが基材フィルム12上に付与され、第1トンネル式加熱炉56によりエラストマ層14とされる。そして後述([0033])の突起部形成工程S3を実施した後、第2供給ロール52bにより剥離材16aを伴った粘着層16を供給し、基材フィルム12のエラストマ層14が形成されていない側に積層することで、固定用シート10の基となる長尺シート18を得る。そして長尺シート18は、例えば打ち抜きにより固定用シート10の形状に加工されて完成品となる。なお固定用シート10を打ち抜かれた長尺シート18は、回収ロール52cに順次巻き取られる。
(突起部形成工程S3について)
突起部形成工程S3は、原料準備工程S1により調整等されたエラストマ原料Mをエラストマ層形成工程S2を経ることで形成されたエラストマ層14上に、スクリーンコータ部58により、所要のパターンでその高さが前述の変動幅([0019])内に収まるように付与し、加熱を施すことにより所要高さの突起部15を形成する工程である。具体的には、所要パターンの突起部15を形成するエラストマ原料Mを付与する第2付与段階S31と、付与された原料Mを加熱・硬化させる第2加熱硬化段階S32とからなり、第2付与段階S31においてエラストマ層14が形成された基材フィルム12が、スクリーンコータ部58に連続的に供給され、そしてスキージ58cにより円筒周面58bを介してエラストマ層14上に所定圧力で、円筒周面58bに形成されたパターンに従って部分的に付与される。そして第2加熱硬化段階S32において、第2トンネル式加熱炉59を通過する際にエラストマ原料Mを硬化するに足る温度に昇温、一定時間保持され、所要のパターンの突起部15がエラストマ層14上に形成される。
(変更例)
前述の実施例では、その表面に突起部15がエラストマ層14上に形成された場合(図1参照)を述べたが、この他、基材フィルム12と基材フィルム12上を部分的に覆う突起部15だけからなる、すなわちエラストマ層14が存在しない固定用シート20(図4参照)でも、本発明の固定用シートとして充分な各種物性等を備えることが可能である。固定用シート20を製造する製造方法は、前述の実施例に係る製造方法からエラストマ層形成工程S2を省いたものとなっており、製造装置60は、図7に示す如く、基本的に製造装置50からエラストマ層形成工程S2を実施するナイフコータ部54および第1トンネル式加熱炉56を除去した構成となっている。すなわち基材フィルム12上に直接、突起部15が所要のパターンで形成されるものである。
(別の実施例)
前述の実施例および変更例では、表面当接部11が平坦となっている突起部15の例を挙げたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば図8に示す如く、表面当接部11の中央部が凹んだ形状(図8(a)参照)または突起部15を円筒形状(図8(b)参照)として、フィルム基板32および固定用シート10が当接した際に、フィルム基板32と突起部15との間に制御のなされた、所謂吸盤作用を発現させるようにしてもよい。この場合、突起部15の硬度によらず、フィルム基板32の一時固定力を強化し得る。
この発明は、従来技術に内在している課題に鑑み、これを好適に解決するべく提案されたものであって、各種コータの使用によりエラストマ原料を基材フィルム上に付与したので、液晶パネル固定用シートに必要とされるフィルム基板の一時固定性および剥離性の双方を併有する固定用シートを製造し得る方法を提供することができる。
本発明の好適な実施例に係る固定用シートを一部切り欠いて示す概略斜視図である。 図1に係る固定用シートを用いて、液晶パネルのフィルム基板を支持板に一時固定した様子を示す状態図である。 固定用シートにおける表面当接部の変動幅について、図1に係る固定用シートを用いて示す縦断断面図である。 エラストマ層を有せず、突起部が基材フィルム上に直接的に形成された、変更例に係る固定用シートを示す概略斜視図である。 好適な実施例に係る固定用シートを製造する工程を示すフローチャート図である。 図1に示す固定用シートを好適に製造する製造装置の一例を示す概略図である。 図4に示す固定用シートを好適に製造する製造装置の一例を示す概略図である。 別の実施例に係る固定用シートにおける突起部の構造を示す縦断断面図である。 従来技術に係る固定用シートを用いて、液晶パネルのフィルム基板を支持板に一時固定した様子を示す状態図である。
符号の説明
11 表面当接部
12 基材フィルム
14 エラストマ層
15 突起部
32 フィルム基板
34 支持体
M エラストマ原料

Claims (7)

  1. 液晶パネルのフィルム基板(32)を加工するに際して、該フィルム基板(32)を支持体(34)に着脱自在に一時固定する液晶パネル固定用シートにおいて、
    所要厚さの基材フィルム(12)と、
    前記基材フィルム(12)上にエラストマ原料(M)から形成される所要高さの突起部(15)とからなり、
    前記突起部(15)のアスカーA硬度を10〜60の範囲に設定し、該突起部(15)が発現する静止摩擦係数を1.0以上とし、前記フィルム基板(32)が一時固定される該突起部(15)の表面当接部(11)から該フィルム基板(32)を剥離するのに必要な力がJIS Z 0237に準拠する90度引きはがし粘着力で0.2N/mm以下になっている
    ことを特徴とする液晶パネル固定用シート。
  2. 前記突起部(15)は、該突起部(15)をなす同一のエラストマ原料(M)から形成される所要厚さのエラストマ層(14)を介して、前記基材フィルム(12)上に形成される請求項1記載の液晶パネル固定用シート。
  3. 前記表面当接部(11)の基材フィルム(12)における裏面からの高さの変動幅は、±10μm以内に設定される請求項1または2記載の液晶パネル固定用シート。
  4. 前記エラストマ層(14)の厚さは、500μm以下に設定される請求項1〜3の何れかに記載の液晶パネル固定用シート。
  5. 前記突起部(15)または該突起部(15)およびエラストマ層(14)を形成するエラストマ原料(M)として、ウレタン、アルキルシリコンまたはアクリル酸エステルのポリマーの如き熱硬化型ポリマーが使用される請求項1〜4の何れかに記載の液晶パネル固定用シート。
  6. 前記基材フィルム(12)の厚さは、4〜250μmの範囲に設定される請求項1〜5の何れかに記載の液晶パネル固定用シート。
  7. 前記基材フィルム(12)において前記突起部(15)または該突起部(15)およびエラストマ層(14)の形成がなされない側には、粘着層(16)が形成される請求項1〜6の何れかに記載の液晶パネル固定用シート。
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