JP6218332B2 - 透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法 - Google Patents
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Description
また、タッチパネル用の透明電極の製造工程では、ITO、AZOやGZO等からなる透明導電膜が形成された透明導電性フィルムを、アニール処理する金属酸化膜の結晶化工程や、レジストの印刷工程、エッチング処理工程、銀ペーストによる配線回路の形成工程、絶縁層の印刷工程、打抜き工程など、多くの加熱工程や薬液処理の工程を経る。そのような透明電極の製造工程において、透明導電性フィルムの透明導電膜が形成された面の反対側面に汚損、損傷が生じるのを防止するために、透明導電性フィルム用表面保護フィルムが貼り合わせて使用される。
タッチパネル用などの、透明電極の製造工程に使用される透明導電性フィルム用保護フィルムについて、各種の提案がされている。例えば、特許文献1には、融点が200℃以上である熱可塑性樹脂フィルムからなる基材の片面に、粘着剤層を設けた、透明導電性フィルム用表面保護フィルムが提案されている。ポリエチレンやポリプロピレンなどの、ポリオレフィン樹脂を基材に用いた透明導電性フィルム用表面保護フィルムに比べて、耐熱性が良好であるとしている。
すなわち、本発明に係わる透明導電性フィルム用表面保護フィルムをロール状で養生する期間において、剥離フィルムが貼り合わされた粘着剤層が、剥離フィルムの変形に引きずられて変形する前に、粘着剤層の硬化を進め、被着体に貼り合わされる粘着剤層の表面に凹凸が生じるのを防ぎ、平滑性を維持するものである。
発明者らは、粘着剤層の乾燥開始15分後とエージング(養生)完了後との、粘着剤層の粘着力を比較することで、粘着剤層の硬化の進行状態を把握できることを見出した。より具体的には、粘着剤層の乾燥開始15分後とエージング(養生)完了後との、粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力の比率(エージング完了後の粘着力で乾燥開始15分後の粘着力を割った数値)が所定の範囲にあれば、たとえ基材の厚さの薄い剥離フィルムを、透明導電性フィルム用表面保護フィルムの粘着剤層の貼り合わせ用に使用した場合でも、前記粘着剤層の被着体に貼り合わされる表面に凹凸の変形が生じるのを抑制できる。
樹脂フィルムの一方の面に透明導電膜が形成された透明導電性フィルムの、他方の面に貼合して使用される透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法であって、基材フィルムのロール体から巻き戻して繰り出された長尺の基材フィルムの片面に、(メタ)アクリル系ポリマーと架橋剤および架橋触媒とを含むアクリル系粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を積層した後、前記粘着剤層を加熱乾燥して架橋させた粘着剤層を形成し、前記粘着剤層の表面に、剥離フィルムのロール体から巻き戻して繰り出された長尺の剥離フィルムを、前記剥離フィルムの剥離剤層を介して貼合し、透明導電性フィルム用表面保護フィルムの長尺の積層体を作成した後に、前記長尺の積層体を巻き取って透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体を作製してなり、
前記架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、前記(メタ)アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記架橋剤を0.5重量部〜20重量部と、前記架橋触媒を0.01〜0.5重量部との割合で含有してなり、前記粘着剤層を40℃×5日間エージング後の30℃での貯蔵弾性率が4.0×105Pa以上であり、かつ前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力と、40℃×5日間エージング後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力とが、下記式(1)の関係を満たすように、前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分間の架橋速度を促進させて調整することを特徴とする透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法。
0.9≦ a/b ≦2.0 式(1)
(ここで、aは前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力であり、bは40℃×5日間エージング後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力である。)
図1は、本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルムの、一例を示す断面図である。この透明導電性フィルム用表面保護フィルム5は、透明な可撓性を有する基材フィルム1の片面に、粘着剤層2が積層されている。粘着剤層2の被着体に貼り合わされる表面上には、粘着剤層の表面を保護するための剥離処理された剥離フィルム3が、剥離処理された面を介して積層されている。
ポリイソシアネート化合物には、脂肪族系イソシアネート、芳香族系イソシアネート、非環式系イソシアネート、脂環式系イソシアネートなどの分類があるが、いずれでもよい。2官能のイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)等の脂肪族系イソシアネート化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キシリレンジイソシアネート(H6XDI)、ジメチルジフェニレンジイソシアネート(TOID)、トリレンジイソシアネート(TDI)等の芳香族系イソシアネート化合物が挙げられる。
3官能以上のイソシアネート化合物としては、ジイソシアネート類(1分子中に2個のNCO基を有する化合物)のビュレット変性体やイソシアヌレート変性体、トリメチロールプロパン(TMP)やグリセリン等の3価以上のポリオール(1分子中に少なくとも3個以上のOH基を有する化合物)とのアダクト体(ポリオール変性体)などが挙げられる。
第三級アミンとしては、トリアルキルアミン、N,N,N’,N’−テトラアルキルジアミン、N,N−ジアルキルアミノアルコール、トリエチレンジアミン、モルホリン誘導体、ピペラジン誘導体等が挙げられる。
有機錫化合物としては、ジアルキル錫オキシドや、ジアルキル錫の脂肪酸塩、第1錫の脂肪酸塩等が挙げられる。
架橋触媒の添加量は、(メタ)アクリル系ポリマーの種類、重合度、官能基量や、架橋触媒の種類、添加量などを考慮して決めればよく、特に限定されないが、アクリル系ポリマー100重量部に対して、0.01〜0.5重量部程度とするのが一般的である。
架橋遅延剤としては、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸オレイル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル等のβ−ケトエステルや、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、ベンゾイルアセトン等のβ−ジケトンが挙げられる。特にアセチルアセトン、アセト酢酸エチルからなる化合物群の中から選択された、少なくとも一種以上であることが好ましい。これらはケトエノール互変異性化合物であり、ポリイソシアネート化合物を架橋剤とする粘着剤組成物において、架橋剤の有するイソシアネート基をブロックすることにより、架橋剤の配合後における粘着剤組成物の過剰な粘度上昇やゲル化を抑制し、粘着剤組成物のポットライフを延長することができる。
架橋遅延剤の添加量は特には限定されないが、(メタ)アクリル系ポリマー100重量部に対して、1.0〜5.0重量部程度添加するのが一般的である。
また、本発明に係わる透明導電性フィルム用表面保護フィルムの粘着剤層2は、被着体の表面に対する剥離強度が、0.05〜0.5N/25mm程度の、軽度な粘着性を有する微粘着剤層であることが好ましい。このような、微粘着剤層を有する透明導電性フィルム用表面保護フィルムとすることにより、被着体から容易に剥がし易い、優れた操作性が得られる。
剥離フィルム3を厚くすると、ロール状に巻いた同じ巻き径のロール体において、透明導電性フィルム用表面保護フィルムの全長が短くなることや、製造コストが増えることから、剥離フィルム3の適切な厚みが導かれる。また、剥離フィルム3は、単層のポリエステルフィルムに剥離処理した剥離フィルムや、ポリエステルフィルムを、接着剤を用いて多層に積層したフィルムに、剥離処理を施した剥離フィルムが好ましい。
また、基材フィルム1に、粘着剤層を形成するのは、公知の方法で行うことができる。具体的には、リバースコート法、コンマコート法、グラビアコート法、スロットダイコート法、メイヤーバーコート法、エアーナイフコート法などの、公知の塗工方法を採用することができる。
この積層フィルム11は、本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルム5から剥離フィルム3を剥がして得られる粘着フィルム4を、その粘着剤層2を利用して、透明導電性フィルム10の表面に貼り合わせたものである。透明導電性フィルム10は、樹脂フィルム6の一方の面6aに透明導電膜7が形成されたものである。粘着フィルム4は、樹脂フィルム6の他方の面6bに貼り合わされる。
透明導電性フィルム10としては、ITO、AZOやGZO等の透明導電膜が形成されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ITO、AZOやGZO等の透明導電膜が形成された環状ポリオレフィンフィルムなどが挙げられる。このような透明導電性フィルムは、タッチパネル、電子ペーパー、電磁波シールド材、各種センサ、液晶パネル、有機EL、太陽電池などの技術分野において、透明電極などの形成用として広く利用される。
本発明の透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、タッチパネルなどの透明電極の製造工程において、作業性、生産効率を大幅に改善でき、薄型化した透明導電性フィルムであっても、作業性、ハンドリング性を低下させることがないという優れた効果を奏する。
剥離処理された剥離フィルム3の巻かれたロール体21と、基材フィルム1の巻かれたロール体22から、それぞれ剥離フィルム3及び基材フィルム1が繰り出される。基材フィルム1の一方の面には、粘着剤塗布装置23により粘着剤が塗布される。粘着剤が塗布された基材フィルム1は、乾燥炉24にて乾燥し、粘着フィルム4となる。粘着フィルム4の粘着剤層が形成された面と、剥離フィルム3の剥離処理された面とを対向させ、圧着ロール25,26にて圧着され、透明導電性フィルム用表面保護フィルム5が得られる。透明導電性フィルム用表面保護フィルム5は、ロール体27に巻き取られる。一般に、透明導電性フィルム用表面保護フィルム5の保管や運搬はロール体27の状態で行われる。透明導電性フィルム10に貼り合わせるときには、透明導電性フィルム用表面保護フィルム5が、ロール体27から巻き戻される。
(実施例1の透明導電性フィルム用表面保護フィルムの作製)
厚みが25μmの二軸延伸したポリエステルフィルムの片面に、付加反応型シリコーン(東レダウコーニング製、品名:SRX−211の100重量部に対して、白金触媒SRX−212の1重量部を添加したもの)を、トルエン・酢酸エチル1:1混合溶媒にて希釈した塗料を、メイヤバー工法にて、乾燥後のシリコーン膜の厚みが0.1μmとなるように塗工した。さらに、温度120℃の熱風循環式のオーブンにて、1分間に渡り乾燥・硬化させて、実施例1の剥離フィルムを得た。
架橋剤の添加量を、固形分40%のアクリル系ポリマー100重量部に対して、6重量部にした以外は実施例1と同様にして、実施例2の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
架橋剤の添加量を、固形分40%のアクリル系ポリマー100重量部に対して、8重量部にした以外は実施例1と同様にして、実施例3の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
粘着剤層の乾燥温度を100℃にした以外は実施例1と同様にして、比較例1の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
粘着剤組成物として、ブチルアクリレートと、2−エチルヘキシルアクリレートと、アクリル酸とを共重合した、固形分40%のアクリル系ポリマー100重量部に対して、エポキシ系架橋剤(三菱ガス化学社製、品名:TETRAD−C)4重量部を添加、混合した粘着剤組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
粘着剤組成物として、2−エチルヘキシルアクリレートと、ブチルアクリレートと、2−ヒドロキシエチルアクリレートとを共重合した、固形分40%のアクリル系ポリマー100重量部に対して、HDI系架橋剤(日本ポリウレタン工業社製、品名:コロネートHX)1重量部を添加、架橋触媒としてジブチル錫ジラウレート0.03重量部を添加、混合した粘着剤組成物を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例3の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
架橋触媒であるジブチル錫ジラウレートを添加しない以外は実施例1と同様にして、比較例4の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを得た。
実施例、比較例で得られたサンプルについて、40℃環境下で5日間養生した後の粘着剤層の30℃での貯蔵弾性率を粘弾性測定装置(エービーエム社製 動的粘弾性測定装置Reogel−E4000)にて測定した。
実施例、比較例で得られたサンプルについて、粘着剤層の乾燥開始15分後と40℃環境下で5日間養生した後の粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力を測定した。
サンプルを38μmの厚さの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂株式会社製ダイヤホイルT100)に2kgゴムローラーを1往復して貼り合わせる。23℃、50%RHの環境下に1時間放置後、小型卓上試験装置(島津製作所社製EZ−L)を用いて、300mm/分の剥離速度で180°の方向にPETフィルムを剥離する際の粘着力を測定した。
厚みが50μmの二軸延伸したポリエステルフィルムの片面に、ハードコート処理が施された、ITOフィルムにも使用されるハードコート処理したPETフィルム(きもと社製、品名:KBフィルム#50G01)を用いた。25mm巾に裁断した透明導電性フィルム用表面保護フィルムを、PETフィルムのハードコート処理が施された面に、貼り合わせた後、23℃、50%RHの環境下に1時間保管し、初期粘着力の測定サンプルとした。その後、引張試験機を用いて、300mm/分の剥離速度で180°の方向に、透明導電性フィルム用表面保護フィルムを剥離したときの強度を測定し、これを初期粘着力(N/25mm)とした。
測定装置は、島津製作所社製の、型式:EZ−Lの、小型卓上試験装置を用いた。
25mm巾に裁断した透明導電性フィルム用表面保護フィルムを、PETフィルムのハードコート処理が施された面に、貼り合わせた後、150℃環境下に1時間保管し、加熱後粘着力の測定サンプルとした以外は、初期粘着力の測定と同様にして測定し、これを加熱後粘着力(N/25mm)とした。
測定装置は、島津製作所社製の、型式:EZ−Lの、小型卓上試験装置を用いた。
透明導電性フィルム用表面保護フィルムの外観検査を行ったサンプルを、下記の透明導電性フィルム用表面保護フィルムとして用いた。ハードコート処理したPETフィルム(きもと社製、品名:KBフィルム#50G01)のハードコート処理面に透明導電性フィルム用表面保護フィルムを貼合し、その後積層品をA4サイズにカットする。カットしたサンプルの4つの角の内1つの角を持ち、フィルム面で空中を扇ぐように前後に往復20回振る。その後ハードコート処理PETフィルムに折れや変形が無いかを目視にて確認する。ハードコート処理PETフィルムに折れや変形のないものを(○)、折れまたは変形があるものを(×)とした。
テストコーターにて、透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール品(400mm幅×100m巻)を作製し、40℃のオーブンにて5日間保温して、粘着剤の養生を行う。その後、ロール品から巻き戻した透明導電性フィルム用表面保護フィルムの、端部から50mの所(両端から略等距離の位置)のサンプルの外観を目視にて観察する。粘着剤層の表面が平滑なものを(○)、粘着剤層の表面に弱い凹凸が発生しているものを(△)、粘着剤層の表面に強い凹凸が発生しているものを(×)とした。
透明導電性フィルム用表面保護フィルムの外観検査を行ったサンプルを、下記の透明導電性フィルム用表面保護フィルムとして用いた。ハードコート処理PETフィルム(きもと社製、品名:KBフィルム#50G01)のハードコート処理面に透明導電性フィルム用表面保護フィルムを貼合し、その後150℃で1時間の加熱処理を行う。透明導電性フィルム用表面保護フィルムを剥離した後、ハードコート処理PETフィルムの表面状態を目視にて観察する。ハードコート処理PETフィルムの外観が平滑なものを(○)、凹凸状に弱い変形が発生しているものを(△)、凹凸状に強い変形が発生しているものを(×)とした。
実施例1〜2において、透明導電性フィルム用表面保護フィルムに用いた粘着剤層の、「粘着剤層の乾燥開始15分後と、40℃×5日間エージング後との、PETフィルムに対する粘着力の比率」(a/b)は、1.4〜1.6であり、乾燥開始15分後とエージング(養生)完了後との粘着力の変化が小さく、かつ、粘着剤層の表面の凹凸が非常に小さい。この表面保護フィルムを使用したハードコート処理PETフィルムの外観は、良好なものとなった。また、実施例1〜2の透明導電性フィルム用表面保護フィルムを、ハードコート処理PETフィルムに貼り合わせた時のハンドリング性も、非常に良好であった。
実施例3については、「粘着剤層の乾燥開始15分後と、40℃×5日間エージング完了後との、PETフィルムに対する粘着力の比率」(a/b)は、2.0であり、実施例1〜2に比べると、粘着剤層の表面の凹凸が若干大きくなったが、粘着剤層の表面の凹凸形状が、ハードコート処理PETフィルムに転写することなく、外観が良好なハードコート処理PETフィルムが得られた。
また、比較例3では、粘着剤層の貯蔵弾性率が4.0×105Pa未満と小さく、「粘着剤層の乾燥開始15分後と、40℃×5日間エージング完了後との、PETフィルムに対する粘着力の比率」(a/b)は、1.5であった。しかし、比較例3の透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、粘着剤層の表面に凹凸が生じている。そのため、ハードコート処理PETフィルムと貼合した積層品を加熱処理した際に、粘着剤層の表面の凹凸形状が、ハードコート処理PETフィルムに転写して、ハードコート処理PETフィルムの外観が低下した。
架橋触媒を添加しなかった比較例4については、粘着剤層の乾燥開始15分後のPETフィルムに対する粘着力評価にて、粘着剤層が凝集破壊し、透明導電性フィルム用表面保護フィルムは、粘着剤層の表面に凹凸が生じている。そのため、ハードコート処理PETフィルムと貼合した積層品を加熱処理した際に、粘着剤層の表面の凹凸形状が、ハードコート処理PETフィルムに転写して、ハードコート処理PETフィルムの外観が低下した。
Claims (2)
- 樹脂フィルムの一方の面に透明導電膜が形成された透明導電性フィルムの、他方の面に貼合して使用される透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法であって、基材フィルムのロール体から巻き戻して繰り出された長尺の基材フィルムの片面に、(メタ)アクリル系ポリマーと架橋剤および架橋触媒とを含むアクリル系粘着剤組成物を塗布して粘着剤層を積層した後、前記粘着剤層を加熱乾燥して架橋させた粘着剤層を形成し、前記粘着剤層の表面に、剥離フィルムのロール体から巻き戻して繰り出された長尺の剥離フィルムを、前記剥離フィルムの剥離剤層を介して貼合し、透明導電性フィルム用表面保護フィルムの長尺の積層体を作成した後に、前記長尺の積層体を巻き取って透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体を作製してなり、
前記架橋剤が、3官能以上のイソシアネート化合物であり、前記(メタ)アクリル系ポリマーの100重量部に対して、前記架橋剤を0.5重量部〜20重量部と、前記架橋触媒を0.01〜0.5重量部との割合で含有してなり、
前記粘着剤層を40℃×5日間エージング後の30℃での貯蔵弾性率が4.0×105Pa以上であり、かつ前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力と、40℃×5日間エージング後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力とが、下記式(1)の関係を満たすように、前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分間の架橋速度を促進させて調整することを特徴とする透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法。
0.9≦ a/b ≦2.0 式(1)
(ここで、aは前記粘着剤層の加熱乾燥及び架橋開始15分後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力であり、bは40℃×5日間エージング後の前記粘着剤層のPETフィルムに対する粘着力である。) - 前記剥離フィルムが、シリコーン系剥離剤を用いて形成された剥離剤層を有する剥離フィルムであることを特徴とする請求項1に記載の透明導電性フィルム用表面保護フィルムのロール体の製造方法。
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