JP2005099402A - 吸音構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 音波が入りやすい一方で、音波が容易に出力され難い吸音構造体を提供すること。
【解決手段】 本発明の吸音構造体10は、空気層に接する第1の吸音部14aと、連通孔74を有する仕切り板72と、空気層から仕切り板72により隔成され、空気層に仕切り板72の連通孔74及び第1の吸音部14aを介して連通する第2の吸音部14bとを備え、第1の吸音部14aが、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスZを有する材料から形成され、第2の吸音部14bが、第1の吸音部14aにより大きい音響インピーダンスZを有する材料から形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、特に車両に設けられ、エンジン音等を吸収して騒音を低減する吸音構造体に関する。
従来から、樹脂材料又は繊維材料により形成された緻密層および緻密層に積層された表皮層からなる表皮材層と、吸音材料により形成されて表皮材層の緻密層に積層された基材層とからなる積層構造を有する自動車内装カーペットが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術は、基材層側をトランクルーム内のボデーパネル上に乗せ、トランクルームからの室内に侵入する音を遮断することによって、遮音性を高めている。
特開平11−99869号公報
しかしながら、上述のような複数層からなる積層構造では、表皮材層が緻密層により形成されているため、表皮材層側から入射する音波は、表皮層の表面及び各層の接合面で反射されやすく、表皮層の下層の基材層(吸音層)内部への音波の入力が促進され難いという問題点がある。この結果、室内に侵入する音に対する遮音性は確保できても、トランクルーム内の音に対して高い吸音率を実現し難い(トランクルーム内のこもり音を低減し難い)という問題点が生じる。
そこで、本発明は、吸音率が高い吸音構造体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、空気層に接する第1の吸音部と、
連通孔を有する仕切り板と、
空気層から前記仕切り板により隔成され、空気層に前記仕切り板の連通孔及び前記第1の吸音部を介して連通する第2の吸音部とを備え、
前記第1の吸音部が、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成され、前記第2の吸音部が、前記第1の吸音部より大きい音響インピーダンスを有する材料から形成されていることを特徴とする、吸音構造体が提供される。
本局面において、空気層中を伝搬する音波は、空気層に接する第1の吸音部から吸音構造体内に入力される。この際、第1の吸音部は、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成されているので、音波の大部分は、空気層と第1の吸音部との間の境界面で反射することなく、第1の吸音部内へと伝搬する。次いで、第1の吸音部内を伝搬する音波は、仕切り板の連通孔を介して第2の吸音部内に取り込まれる。第2の吸音部は、空気層に仕切り板の連通孔及び第1の吸音部のみを介して連通しているため、一旦第2の吸音部内に取り込まれた音波は、第2の吸音部外へと容易に伝搬することが困難となる。従って、本局面によれば、第2の吸音部内に取り込んだ音を、外部に放出させることなく、第1の吸音部より大きい音響インピーダンスを有する材料により効果的に減衰することができる。
また、本局面において、効果的には、前記第1の吸音部が、エクスポーネンシャル形、三角形又は半卵形の断面形状を有する。この場合、第1の吸音部内での音波の滑らかな伝搬が実現され、第2の吸音部内に音波を取り込み易くすることが可能となる。
また、本局面において、効果的には、前記仕切り板は、底部側で広がるへの字形断面の薄板から形成され、前記連通孔は、前記仕切り板の底縁付近に形成される切り欠きである。この場合、第2の吸音部の底部付近で第2の吸音部内に音波を取り込むことができる。
また、本局面において、効果的には、前記仕切り板は、底部側で広がるへの字形断面の薄板から形成され、前記連通孔は、前記仕切り板に複数個形成される。この場合、仕切り板で反射を繰り返しつつ第1の吸音部内で伝搬する音波を、効率的に第2の吸音部内に取り込むことができる。
また、本発明のその他の一局面によれば、多層の吸音層を有する吸音構造体であって、
空気層に接する最も上側の吸音層が、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成され、
吸音層の各層は、その上側の吸音層よりも大きく下側の吸音層よりも小さい音響インピーダンスを持つ材料から形成されていることを特徴とする、吸音構造体が提供される。
本局面において、空気層中を伝搬する音波は、空気層に接する第1の吸音部から吸音構造体内に入力される。この際、第1の吸音部は、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成されているので、音波の大部分は、空気層と第1の吸音部との間の境界面で反射することなく、第1の吸音部内へと伝搬する。第1の吸音部内を伝搬し、更に下層の吸音層へと進行する音波は、各吸音層の境界面にて反射されるか、若しくは、透過して更なる下層の吸音層へと進行する。本局面では、吸音層の各層は、その上側の吸音層よりも大きく下側の吸音層よりも小さい音響インピーダンスを持つ材料から形成されているので、音響インピーダンスの滑らかな変化が実現される。これにより、各吸音層の境界面にて反射される音波を低減することができ、音波をより効率的により下側の吸音層(深層)まで取り込むことができる。従って、本局面によれば、吸音構造体内に取り込んだ音をより効果的に減衰することができる。
本発明によれば、音波が入りやすい一方で、音波が容易に出力され難い構造を実現することで、吸音率の高い吸音構造体を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明による吸音構造体の一実施例を示す断面図である。本実施例の吸音構造体10は、シート状の形態を有し、複数層(本例では2層)の吸音層12a,12bから構成される。本実施例の吸音構造体10は、吸音層12a,12bの基本面が音源(例えば、エンジン)周辺の設置面(例えば、ボデーパネル)に沿うように装着される。吸音構造体10の設置面としては、フードパネルの内面、ダッシュパネルのエンジンルーム側の面、ルーフパネルの室内側の面、フロアパネルの室内側の面等であってよい。
本実施例の吸音構造体10の吸音層12aは、吸音構造体10と空気層との間で滑らかに変化する音響インピーダンスを実現し、空気層と吸音層12bの間での音響インピーダンスの急激な変化を緩和する役割を果たす。具体的には、空気層に接する吸音層12aは、空気の音響インピーダンスに略等しいか若しくは僅かに大きい第1の音響インピーダンスを有する材料から形成され、吸音層12aの下側(即ち、設置面に接する側)の吸音層12bは、第1の音響インピーダンスZより大きい第2の音響インピーダンスZを有する材料から形成される。例えば、吸音層12aの音響インピーダンスZは、約415[kg/m・s]であってよく、吸音層12bの音響インピーダンスZは、吸音層12aの約1.5倍程度(約600[kg/m・s])であってよい。
ここで、材料(媒質)の音響インピーダンスは、音圧に対する粒子速度の比で定義される。例えば、空気の音響インピーダンスZは、音速c=340×10[mm/s]とすると、Z=ρ・c=415[kg/m・s]である。また、材料(媒質)の音響インピーダンスは、垂直入射吸音率の測定装置を用いて測定可能である。本明細書において、音響インピーダンスの大小関係は、ISO 10534−1(音響インピーダンス管による吸音率と音響インピーダンスの算出:定在波比を用いた方法)又はISO 10534−2(音響インピーダンス管による吸音率と音響インピーダンスの算出:伝達関数法)に準拠した測定方法により得られた値に基づくものであってよい。
材料の音響インピーダンスは、当該材料の密度、線径、空隙率等に依存する。このため、各吸音層12a,12bの音響インピーダンスは、その密度、線径、空隙率等を調整することにより調整可能である。従って、例えば、吸音層12bは、吸音層12aよりも密度が高く、空隙率の小さい吸音層として具現化されてよい。この際、吸音層12bは、エンジン音の周波数帯域、即ち約800Hz〜3kHzで効果的な吸音作用を発揮できるように、その音響インピーダンスが調整されてもよい。
尚、各吸音層12a,12bの材料は、上述の如く音響インピーダンスの大小関係が実現されている限り、同質の材料であってもよい。各吸音層12a,12bの具体的な材料としては、グラスウールやロックウール等の無機質繊維、アルミニウム繊維等の金属繊維材料、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等のような合成樹脂発泡体、ウレタンやゴム系の軟質な材料、多孔質材料等であってよい。また、吸音構造体10は、上述の材料から形成された各吸音層12a,12bを接着剤等により貼り合わせることにより形成される。
ところで、吸音層12aの音響インピーダンスが、空気の音響インピーダンスと大きく異なる場合(例えば、吸音層12aの音響インピーダンスZが吸音層12bの音響インピーダンスZと同じである場合)、吸音構造体10に入射する音波の大部分が、吸音層12aと空気層の境界面、即ち吸音層12aの表面で、吸音層12aと空気層の間の音響インピーダンス差に起因して反射することになる。従って、かかる構成では、吸音構造体10に入射する音波を吸音層12a内に効率的に取り込むことができない故に、吸音構造体10による効果的な吸音を実現することができない。
これに対して、本実施例では、上述の如く、設置状態で空気層と境界面を構成する吸音層12aは、空気の音響インピーダンスに略等しいか若しくは僅かに大きい第1の音響インピーダンスZを有している(即ち、空気層と吸音層12aの音響インピーダンスの連続性が保たれる)。このため、吸音構造体10に入射する音波の大部分は、吸音層12aの表面で反射することなく、吸音層12bに達することになる。また、吸音層12bに達した音波の一部は、吸音層12aと吸音層12bの境界面、即ち吸音層12bの上面で、吸音層12aと吸音層12bの間の音響インピーダンス差に起因して反射しうる。しかし、本実施例では、吸音層12aと吸音層12bの間の音響インピーダンスの不連続性が比較的小さいため、かかる反射成分を最小限に抑えることができ、また、かかる反射成分に対しては、空気層へと至る過程で吸音層12aによる減衰作用が付与される。更に、空気層と吸音層12bの間に吸音層12aを介在させているので、介在させない場合に比して吸音層12b内に音波をより効率的に取り込むことができる。従って、本実施例によれば、吸音構造体10に入射する音波に対して、吸音層12bによる高い減衰作用を効果的に付与することができる。この結果、本実施例の吸音構造体10は、高い吸音率を有することになる。
尚、本実施例では、吸音構造体10が2層の吸音層12a、12bから構成されているが、空気層から吸音構造体10内部(最終的には、最下層)により効率的に音波を取り込むことができるように、吸音構造体10を3層以上の吸音層から構成し、且つ、当該3層以上の吸音層の音響インピーダンスを、空気層から最下層の吸音層に向かう方向で徐々に増加するように滑らかに変化させてもよい。
次に、図2及び図3を参照して、本発明による吸音構造体10の第2実施例について説明する。図2は、本実施例の吸音構造体10の断面図である。本実施例の吸音構造体10は、その吸音層内部に薄板の仕切り板72を備えている。本実施例の仕切り板72は、図2に示すように、エクスポーネンシャル型(指数曲線型)(又は半球型)の断面を有している。仕切り板72は、図3(A)に示すように、エクスポーネンシャル型の断面を中心軸Zまわりに回転した形状を有してよく、若しくは、図3(B)に示すように、図2の紙面鉛直方向に一定の等断面を有してもよい。但し、仕切り板72は、上側に頂点を有する三角形やディンプル型(半卵型)の断面形状を有してもよい。仕切り板72は、アルミニウム板や鋼板等の薄板により形成されてよく、或いは、ポリプロピレン系樹脂のような硬質樹脂により形成されてもよい。
本実施例の吸音構造体10の吸音層は、仕切り板72により第1の吸音部14aと第2の吸音部14bとに仕切られている。第1の吸音部14aは、エクスポーネンシャル型の仕切り板72の外側に画成され、上述の実施例と同様、空気の音響インピーダンスに略等しいか若しくは僅かに大きい第1の音響インピーダンスZを有する材料から形成される。第2の吸音部14bは、エクスポーネンシャル型の仕切り板72の内側に画成され、上述の実施例と同様、第1の音響インピーダンスZより大きい第2の音響インピーダンスZを有する材料から形成される。尚、本実施例の各吸音部14a、14bの材料や音響インピーダンスに関する説明は、上述の実施例の各吸音層12a,12bに関するそれぞれの説明と同様である。
仕切り板72には、第1の吸音部14aと第2の吸音部14bとを連通する連通孔74が形成される。この連通孔74は、図2及び図3に示すように、仕切り板72の底縁付近に形成される切り欠きであってよい。連通孔74は、図3(A)に示すように、仕切り板72の底縁の周方向に沿って所定の間隔で複数箇所形成されてよく、同様に、図3(B)に示すように、仕切り板72の底縁の長手方向に沿って所定の間隔で複数箇所形成されてよい。
本実施例の吸音構造体10は、図2に示すように、例えば音源に対してエクスポーネンシャル型の仕切り板72の外面が対向するような態様で、ボデーパネル等にクリップやスクリュウ等により固定される。尚、この場合、エクスポーネンシャル型の仕切り板72の内面が、ボデーパネル(設置面)に対向することになる。但し、本発明は、吸音構造体10の設置方法や設置場所や設置態様(例えば、設置面内での吸音構造体10の向き)を特定するものではない。例えば、吸音構造体10の設置場所としては、フードパネル、フェンダーカバー、ダッシュパネル、ルーフパネル、フロアパネル等であってよい。
本実施例では、第1の吸音部14aは、上述の如く、エクスポーネンシャル型の仕切り板72の隣接する各外面の間に画成される。このため、第1の吸音部14aは、同様に、エクスポーネンシャル型の断面を有し、音波の入射方向に見て、開口側から底部に向かって徐々に小さくなる断面積を有することになる。更に、本実施例では、上述の実施例と同様、空気層との間の境界面を構成する第1の吸音部14aは、空気の音響インピーダンスに略等しいか若しくは僅かに大きい第1の音響インピーダンスZを有している。このため、吸音構造体10に入射する音波の大部分は、吸音層12aの表面で反射することなく、仕切り板72の外面にて反射を繰り返しつつ第1の吸音部14aの底部へと達することになる。従って、本実施例によれば、吸音構造体10に入射する音波を第1の吸音部14aの底部へと導くことができ、その間、第1の吸音部14aによる減衰作用を付与することができる。
更に、本実施例では、第1の吸音部14aの底部付近には、仕切り板72の連通孔74が位置している。従って、第1の吸音部14aの底部へ達した音波の一部は、吸音構造体10の設置面であるボデーパネル面若しくは仕切り板72の外面にて反射した後、仕切り板72の連通孔74を介して第2の吸音部14b内に取り込まれる(図2の矢印参照)。第2の吸音部14b内に入力された音波は、第2の吸音部14bが仕切り板72の内面により実質的に閉塞されている故に、第2の吸音部14b内から第1の吸音部14a若しくは外部空間へと再び出力されることが実質的にほとんどない。このように、本実施例によれば、吸音構造体10に入射される音波を吸音作用の高い第2の吸音部14b内に効率的に取り込むことができる。また、第2の吸音部14b内に一旦取り込まれた音は外部に出力され難いため、吸音構造体10に入射される音波のエネルギを、吸音作用の高い第2の吸音部14b内で効果的に減衰することができる。この結果、本実施例の吸音構造体10は、高い吸音率を有することになる。
以上のような吸音作用を実現するための一例として、図2に示すように、吸音構造体10の全体の高さH1が30〜50mmで設計される場合、連通孔74の高さh1及び幅は、約5〜10mm程度に設定される。また、エクスポーネンシャル型の仕切り板72の隣接する各底縁の離間幅D2(即ち、第1の吸音部14aの底部の幅D2)は、20mm程度に設定され、第1の吸音部14aの開口幅D1は、50mm程度に設定される。
尚、本実施例では、空気層との吸音層14bとの間に一定の音響インピーダンスを有する吸音層14aを介在させているが、空気層から連通孔74内に更に効率的に音波を取り込むことができるように、吸音層14aの音響インピーダンスを下方に向かうにつれて徐々に増加させることとし(例えば、吸音層14aを複数層の吸音層から構成する)、空気層から吸音層14aを介した吸音層14bまでの音響インピーダンスの連続性を更に滑らかにさせてもよい。
次に、図4を参照して、本発明による吸音構造体10の第3実施例について説明する。図4は、本実施例の吸音構造体10の断面図である。本実施例の吸音構造体10は、上述の第2実施例に対して、仕切り板72及び仕切り板72に形成される連通孔74の構成のみが異なる。以下、上述の第2実施例に対して異なる構成についてのみ説明する。
本実施例では、仕切り板72は、略三角形の波形が連続する断面形状を有する。但し、仕切り板72は、エクスポーネンシャル型やディンプル型(半卵型)の波形が連続する断面形状を有してもよい。尚、本実施例においても、吸音構造体10の吸音層は、仕切り板72により第1の吸音部14aと第2の吸音部14bとに仕切られている。
連通孔74は、三角形断面の仕切り板72の側面に形成される。この際、連通孔74は、仕切り板72の側面に所定間隔をおいて深さ方向に複数箇所形成されてよく、また、仕切り板72の長手方向(即ち、図面の紙面垂直方向)に沿って所定間隔をおいて複数箇所形成されてよい。
本実施例において、吸音構造体10に入射する音波は、上述の第2実施例と同様、吸音層12aの表面で反射することなく、仕切り板72の外面にて反射を繰り返しつつ第1の吸音部14aの底部へと進行することになる。本実施例では、仕切り板72の側面には、上述の如く、複数個の連通孔74が形成されている。従って、音波は、仕切り板72の外面との繰り返しの反射の過程において、連通孔74を介して第2の吸音部14b内に取り込まれる。特に、本実施例では、仕切り板72の側面に複数個の連通孔74が形成されているため、音波が第1の吸音部14aの底部へ達するまで連通孔74に複数回入射する可能性が高くなる。従って、連通孔74への音波の入射頻度が増すことで、音響インピーダンス差に起因して第1の吸音部14aと第2の吸音部14bと境界面で音波が反射した場合であっても、次の連通孔74への入射時に音波が第2の吸音部14b内に取り込まれるといったように、第2の吸音部14b内への音波の入力が促進される。
このように、本実施例によれば、吸音構造体10に入射される音波を吸音作用の高い第2の吸音部14b内により効率的に取り込むことができ、吸音構造体10に入射される音波のエネルギを、吸音作用の高い第2の吸音部14b内で効果的に減衰することができる。この結果、本実施例の吸音構造体10は、高い吸音率を有することになる。
以上のような吸音作用を実現するための一例として、図4に示すように、吸音構造体10の全体の高さH2が20〜30mmで設計される場合、連通孔74の幅Wは、約5mm程度に設定される。また、第1の吸音部14aの底部の幅D3及び開口幅D4は、50mm程度に設定される。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の第2実施例において、連通孔74は、仕切り板72の底縁付近のみならず、第3実施例のように仕切り板72の側面にも形成されてよい。
また、上述の第2及び第3実施例において、仕切り板72は、吸音構造体10の吸音層内に完全に埋設されているが、図5に示すように、仕切り板72の一部が吸音層から露出した構成であってもよい。この場合であっても、上述の第2及び第3実施例と同様、音波が第2の吸音部14b内に取り込まれやすく、且つ、一旦取り込まれた音波が第2の吸音部14b内から出難い構造を実現することができる。
更に、上述の第2及び第3実施例において、第1の吸音部14a内に設けられる吸音材を省略すること、即ち第1の吸音部14aを空気層にすることも可能である。この場合であっても、上述の第2及び第3実施例と同様、音波が第2の吸音部14b内に取り込まれやすく、且つ、一旦取り込まれた音波が第2の吸音部14b内から出難い構造が実現され、高い減衰作用を有する第2の吸音部14bによって効果的な吸音を実現することができる。
本発明による吸音構造体の第1実施例を示す断面図である。 本発明による吸音構造体の第2実施例を示す断面図である。 第2実施例の吸音構造体の仕切り板72を示す斜視図である。 本発明による吸音構造体の第3実施例を示す断面図である。 本発明による吸音構造体の代替実施例を示す断面図である。
符号の説明
10 吸音構造体
12a 吸音層
12b 吸音層
14a 第1の吸音部
14b 第2の吸音部
72 仕切り板
74 連通孔

Claims (5)

  1. 空気層に接する第1の吸音部と、
    連通孔を有する仕切り板と、
    空気層から前記仕切り板により隔成され、空気層に前記仕切り板の連通孔及び前記第1の吸音部を介して連通する第2の吸音部とを備え、
    前記第1の吸音部が、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成され、前記第2の吸音部が、前記第1の吸音部より大きい音響インピーダンスを有する材料から形成されていることを特徴とする、吸音構造体。
  2. 前記第1の吸音部が、エクスポーネンシャル形、三角形又は半卵形の断面形状を有する、請求項1記載の吸音構造体。
  3. 前記仕切り板は、底部側で広がるへの字形断面の薄板から形成され、前記連通孔は、前記仕切り板の底縁付近に形成される切り欠きである、請求項1又は2記載の吸音構造体。
  4. 前記仕切り板は、底部側で広がるへの字形断面の薄板から形成され、前記連通孔は、前記仕切り板に複数個形成される、請求項1又は2記載の吸音構造体。
  5. 多層の吸音層を有する吸音構造体であって、
    空気層に接する最も上側の吸音層が、空気の音響インピーダンスと略同一若しくは僅かに大きい音響インピーダンスを有する材料から形成され、
    吸音層の各層は、その上側の吸音層よりも大きく下側の吸音層よりも小さい音響インピーダンスを持つ材料から形成されていることを特徴とする、吸音構造体。
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