JP2522885B2 - 吸音板 - Google Patents

吸音板

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JP2522885B2
JP2522885B2 JP4201648A JP20164892A JP2522885B2 JP 2522885 B2 JP2522885 B2 JP 2522885B2 JP 4201648 A JP4201648 A JP 4201648A JP 20164892 A JP20164892 A JP 20164892A JP 2522885 B2 JP2522885 B2 JP 2522885B2
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則彦 坂田
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KEIKON KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高速道路の防音壁、建物
の内壁、空調用ダクトなどに使用される吸音板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に知られているコンクリー
ト板は質量効果に起因する遮音効果を期待するもので、
吸音効果はほぼ零であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、上記のような
従来のコンクリート板により例えば高速道路の防音壁を
構成した場合、高速道路外への音の漏れは遮断できる
が、道路上で発生する音は互いに重なり合って大きなエ
ネルギーを持つ騒音となり、道路上で耳ざわりになると
いう問題があった。
【0004】本発明はこのような課題を解決するもの
で、優れた吸音性能を有する吸音板を提供することを目
的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、無数の粒状体を集合させて隣り合う粒状体
と粒状体との接触部を互いに固着させて内部に連続細孔
を有する単一層からなる吸音板を形成し、この吸音板の
騒音発生源に面する表面部側に、吸音率の周波数応答特
性に応じた大きさと深さからなる凹部を設けると共に、
吸音板の裏面部側に凹部を設け、吸音板の裏面に、音を
表面側に反射して表面側から入射した音と干渉させるベ
ースコンクリート層を設けたものである。
【0006】
【作用】この構成により、広い周波数帯域での吸音が可
能となるものであるが、これは基本的には吸音板の内部
に連続細孔が存在して入射した音のエネルギーが減衰さ
れるからであり、吸音率の周波数応答特性は吸音板の厚
み、凹部の大きさ、深さ、形状、配置などにより任意に
調整可能である。また、吸音板を例えばコンクリート層
に貼り付けて使用すると、吸音板表面から反射された音
と吸音板の中に入射してコンクリート板から反射された
音が互いに干渉し合って消音効果も得られ、遮音効果が
向上する。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面に基
づいて説明する。図1〜図6において、本実施例による
吸音板1は無数の粒状体2…同志をその接触部において
接着剤3としてのバインダー樹脂などにより接着固定し
てパネル状に形成されている。各粒状体2は形状並びに
大きさが不均一であり、図2、図3に示す破断状態から
もわかるように、互いに隣り合う粒状体2と粒状体2と
の間はX−X断面(図2参照)の位置では接触あるいは
離れていても、Y−Y断面(図3参照)の位置では離れ
あるいは接触している。なお、図2および図3で付した
A、B、C…は粒状体2の位置を示している。
【0008】従って、本実施例のパネル状の吸音板1は
内部に無数の連続した細孔4が形成されており、この吸
音板1を防音壁などの壁体に用いたとき、吸音板1に入
射した音は連続細孔4内での摩擦によりエネルギー減衰
されて吸音されることになる。
【0009】また、前記吸音板1には図4および図5に
示すように表面に円形、4角形、8角形の凹部5、6、
7が多数形成されている。これら凹部5、6、7の深さ
は全て同じであるが、円形の凹部5のみ、深さ方向の中
間に段部5aが形成されている。この円形の凹部5につ
いて、段部5aよりも表面側は奥側よりも大径となって
いる。
【0010】このような構成の吸音板1は高速道路上の
防音壁や建物の内壁などに、吸音したい音が発生してい
る空間側に表面を向けて配設され、使用する場所によっ
て例えば強度を求める場合は裏面にベースコンクリート
層8を重ねて接着させておくことも可能となっている。
【0011】ところで、上記粒状体2として例えば鹿児
島産の軽石を用いて製造した吸音板供試体の吸音性能を
図6に示しており、同図より垂直入射する音に対する吸
音性能のピークは乾燥状態時に厚さ5cmの吸音板で約1
KHz 、厚さ7.5cm の吸音板で約650Hz 、厚さ10cmの吸音
板で約500Hz であり、厚さと吸音のピーク周波数は比較
的良い相関関係を示している。従って1枚の吸音板で50
0Hz と1KHz の音に対する吸音率のピークを同時に満足
させるために図4、図5に示すような凹部5〜7を吸音
板1の表面に形成することにより、所期の目的を達成す
ることができる。
【0012】具体的には図5における吸音板1の厚さを
10cmとし、各凹部5、6、7の深さを5cmとすると、こ
の凹部5、6、7の底部から裏面迄の厚さは5cmであ
り、凹部5〜7の存在しない部分での厚さは10cmであ
り、且つ前記円形の凹部5の段部5aから裏面迄の厚さ
は7.5cm であり、これにより前記した各周波数特性(1
KHz 、650Hz 、500Hz)の垂直入射する音を効果的に吸収
できることは勿論のこと、吸音板1に多数の凹部5〜7
が形成されていることにより吸音板1の吸音面の表面積
が大きくなり且つ各凹部5、6、7の内側面からの音の
入射が可能となって、吸音板1全面からの音の乱入射に
より幅広い周波数帯域の音を効果的に吸収することがで
きる(図6点線で示す)。図6は吸音板1が乾燥状態で
の吸音特性を示しているが、湿った状態でも略同じ特性
を得ることができる。
【0013】なお、図4および図5二点鎖線で示すよう
に、吸音板1の裏面に前記凹部5、6、7の存在しない
位置で円形の凹部9を多数形成し、ヘルムホルツ型吸音
効果を得るようにすることも可能である。
【0014】以上説明したように上記実施例によれば広
い周波数帯域での吸音が可能となるものであるが、これ
は基本的には吸音板1の内部に連続細孔4が存在して入
射した音のエネルギーが減衰されるからであり、吸音率
の周波数応答特性は吸音板1の厚み、凹部5〜7の大き
さ、深さ、形状、配置などにより任意に調整可能であ
る。また、図5に示すように吸音板1裏面にベースコン
クリート層8を重合させることにより、吸音板1表面か
ら反射された音と吸音板1の中に入射してベースコンク
リート層8から反射された音が互いに干渉し合って消音
効果も得られ、遮音効果が向上する。
【0015】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内部に連
続細孔を有する吸音板の表面部側に多数の凹部を形成し
てあり、この凹部の大きさや深さ、形状などを選んで、
吸音対象周波数帯の幅を任意に調整することができ、優
れた吸音効果が得られる。また、吸音板の裏面部側に凹
部を設けることによってヘルムホルツ型吸音効果を得る
ことができる。さらに、吸音板を例えばコンクリート層
に貼り付けて使用すると、吸音板表面から反射された音
と吸音板の中に入射してコンクリート板から反射された
音が互いに干渉し合って消音効果も得られ、遮音効果が
向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における吸音板の拡大縦断側
面図である。
【図2】図1のX−X矢視図である。
【図3】図1のY−Y矢視図である。
【図4】吸音板の凹部の配設状態を示す正面図である。
【図5】吸音板にベースコンクリート層を重合させた状
態を示す縦断側面図である。
【図6】吸音板供試体の厚さと吸音率との関係を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
1 吸音板 2 粒状体 3 接着剤 4 連続細孔 5 凹部 6 凹部 7 凹部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無数の粒状体を集合させて隣り合う粒状体
    と粒状体との接触部を互いに固着させて内部に連続細孔
    を有する単一層からなる吸音板を形成し、この吸音板の
    騒音発生源に面する表面部側に、吸音率の周波数応答特
    性に応じた大きさと深さからなる凹部を設けると共に、
    吸音板の裏面部側に凹部を設け、吸音板の裏面に、音を
    表面側に反射して表面側から入射した音と干渉させるベ
    ースコンクリート層を設けた吸音板。
JP4201648A 1992-07-29 1992-07-29 吸音板 Expired - Fee Related JP2522885B2 (ja)

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