JP2005098994A - 国土情報提供システム、国土情報提供方法、国土情報提供プログラム - Google Patents

国土情報提供システム、国土情報提供方法、国土情報提供プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 地表面や建造物などに設定した観測点の位置情報を地心座標系(三次元座標系)を用いて正確に示すことができる国土情報提供システムを提供する。
【解決手段】 地表面や海上や建造物などに複数の観測基準点2a、2b、2cを設定し、各観測基準点の位置情報を地心座標系で取得して、国土情報提供システム100のサーバ101のデータベース110に保持する。国土情報提供システムのサーバ101は、ユーザ端末5a、5b、5cの要求に応じて、データベース110に保持された観測基準点2a、2b、2cの位置情報及びそれに関連する情報を提供する。なお、各観測基準点2a、2b、2cの位置情報は、GPS衛星1a、1b、1cを用いて、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標について求める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、地表面や海上や建造物などに設置した観測基準点の位置情報及びそれに関連する情報を収集して、ユーザ端末に提供する、国土情報提供システム、国土情報提供方法、及び国土情報提供プログラムに関する。
現在、国土交通省では、「サイバー国土」用実証パイロットシステムを開発し、外部機関への公開運用を開始し、また、「電子国土Webシステムの利用・普及に関する研究」に関し共同研究も開始している。一方、日本GPSソリューションズ(登録商標)や(社)日本測量協会等は、GPS(Global Positioning System、全世界測位システム)アンテナの設置場所の正確な位置情報を有償で配信するサービスを開始し(国土地理院の電子基準点を利用)、共同事業者の公募も進めている。
しかしながら、これらシステムの基本構成・コンセプトには以下のような精度の限界が存在する。現在の平面地図、GIS(Geographic Information System)、地殻変動追跡等は全て、現実の三次元位置情報を、二次元に投影することで、正確な三次元位置情報に誤差を与えることとなる。地球中心の座標系及び近似地球楕円体モデルにはITRF,WGS−84が既に存在するが、ユーザは測量法に基づき三次元直交座標(X,Y,Z)そのものを利用することはなく地理座標(緯度,経度,楕円体高)に変換(二次元への投影)してしまっている。
例えば、図10に示すように、最初の位置A1点と、B1点は、準拠楕円体1に投影され、それぞれA点、B点の位置として表される。その後、地殻変動により、A1点がA2点に移動し、B1点がB2点に移動した場合には、準拠楕円体200上では、変動後のA2点と、B2点は、それぞれ変動前と同じA点、B点の位置として表される。従って、A1〜B1間の距離と、A2〜B2間の距離が異なるにもかかわらず、地図(準拠楕円体)上では距離A〜Bとして変化がないことになる。
またさらに、GISでは、二次元地図上にさらに道路、建造物等の三次元空間を被せる手法を用いており、正確な三次元情報としての値にさらに大きな誤差を与えてしまっている。
以上説明したように、従来の国土情報を提供するシステムでは、地球中心の座標系及び近似地球楕円体モデルにはITRF,WGS−84が既に存在するが、ユーザは三次元直交座標(X,Y,Z)そのものを利用することはなく地理座標(緯度,経度,楕円体高)に変換(二次元への投影)してしまっていた。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的は、地表面や建造物などに設定した観測点の位置情報及びそれに関連する情報を地心座標系(三次元座標系)そのものを用いて正確に示すことができる、国土情報提供システム、国土情報提供方法、及び国土情報提供プログラムを提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システムであって、地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手段と、前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手段と、前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、地表面や海上や建造物などに複数の観測基準点を設定し、各観測基準点の位置情報を地心座標系で取得してデータベースに保持し、ユーザ端末からの要求に応じて、データベースに保持された観測基準点の位置情報及びそれに関連する情報を提供するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。ここで、本明細書において「四次元」とは、地心座標系に時間軸を加えたものをいい、「四次元情報」とは、地心座標系による三次元情報に時間情報を含めた位置情報をいうものとする。
また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。また、現状の準拠楕円体を用いたシステムと、用途に応じた使い分けを行うことができ、それぞれのシステムの利点を生かして活用することができる。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各観測基準点の位置情報を、GPSを使用して、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標について求めることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、地表面や建造物などに設定した各観測基準点の位置情報を、GPSを用いて、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標について求めるようにしたので、これにより、地心座標系による位置情報を求める観測基準点を容易に設定することができると共に、地心座標系による測定を容易に行うことができる。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記観測基準点の位置情報を基に、観測基準点間の距離を地心座標系X,Y,Z座標毎に算出する手段を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、観測基準点間の距離を地心座標系により算出するようにしたので、従来の準拠楕円体に投影して算出する場合と比較して、精度を高めることができる。
また、請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、前記観測基準点の位置情報を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎の各観測基準点の座標の変動量および観測基準点間の距離の変動量を算出する手段を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、観測基準点の位置情報を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎の各観測基準点の座標の変動量や、観測基準点間の距離の変動量を算出するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報や、観測点が外部のどの方向からの力を受けているか等の情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。
また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の発明において、前記観測基準点の一点を不動点とし、他の一点との2点間の座標距離の相対位置変動を指定された期間にわたり時系列に解析し、該解析結果をグラフ化して表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、観測基準点の一点を基点とし、他の一点の相対位置変動を指定された期間にわたり解析し、相対位置変動の時間的な経過をグラフ表示するようにしたので、これにより、2つの観測基準点の相対位置変動を、グラフにより可視化表示できる。このため、観測対象となる観測基準点の監視が容易に行えるようになる。また、例えば、地震が発生するまでの2つの観測基準点の相対位置変動の様子(時間的な変化)を分かりやすい形で把握でき、地震現象の解明のための有力な資料としても利用できる。
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数により平均化して表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数(例えば、1日、3日、15日、30日など)により平均化して表示するようにしたので、これにより、2点間の相対位置変動の方向、量的増大傾向をつかむことができる。
また、請求項7の発明は、請求項5または請求項6に記載の発明において、前記観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記グラフに日付を添えて表示することを選択する手段を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、表示されたデータ曲線中にデータを取得した日付けを入れて表示するか、日付けを入れないで表示するかを選択できるようにするようにしたので、これにより、細かな日付を入れずに、データ曲線を見易く表示でき、また、日付けの確認が必要な場合には、日付けの表示を選択することができる。
また、請求項8の発明は、請求項4に記載の発明において、前記観測基準点の一点を不動点とし、他の一点との2点間の座標距離の相対位置変動を年周期で解析し、該年周期の解析結果を各年ごとにグラフ化して、月日を基準に並べて表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、観測基準点の一点を基点とし、他の一点の相対位置変動を年周期で解析し、該年周期の相対位置変動を各年ごとにグラフ化して、月日を基準に並べて表示するようにしたので、これにより、2つの観測基準点の年周期の相対位置変動を、グラフにより可視化表示できる。また、月日を基準にして各年ごとのデータを容易に対比することで、季節毎の定常的な地盤変動か、異常な地盤変動かを識別することが可能となる。
また、請求項9の発明は、請求項8に記載の発明において、前記観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数により平均化して表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数(例えば、1日、15日、30日など)により平均化して表示するようにしたので、これにより、年周期の相対位置変動の方向、量的増大傾向をつかむことができる。
また、請求項10の発明は、請求項8または請求項9に記載の発明において、前記観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記グラフに日付を添えて表示することを選択する手段を備えることを特徴とする。
請求項10に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、表示されたデータ曲線中にデータを取得した日付けを入れて表示するか、日付けを入れないで表示するかを選択できるようにするようにしたので、これにより、細かな日付を入れずに、データ曲線を見易く表示でき、また、日付けの確認が必要な場合には、日付けの表示を選択することができる。
また、請求項11の発明は、請求項2に記載の発明において、所望の地域内の各観測基準点の地心座標の変動量についての、日変化、週間変化、月間変化、または年変化の量を、前記所望の地域の全域にわたり各観測基準点ごとに解析し、該解析結果をグラフ化して表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項11に記載の発明によれば、所望の地域内(例えば、北海道など)の各観測基準点の地心座標の変動量についての、日変化、週間変化、月間変化、または年変化の量を各観測基準点ごとに解析し、解析結果を地心座標系X,Y,Z座標毎にグラフ化して表示するようにしたので、これにより、所望の地域内の観測基準点の位置変動の大きさを、グラフ(例えば、円の大きさなど)により可視化表示できる。このため、例えば、地震が発生する前後における広域の同時刻の観測基準点の位置変動の様子を分かりやすい形で把握できる。このため、地震現象の解明のための有力な資料として利用できる。
また、請求項12の発明は、前記所望の地域内の各観測基準点の地心座標の変動量をグラフ化して表示する際には、変動量の大きさの情報を指標するように表示すると共に、プラスの変動量とマイナスの変動量とを区別して表示する手段を備えることを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、各観測基準点の地心座標の変動量について、変動量の大きさの情報を、例えば、円の大きさなどで表し、また、変動量のプラスとマイナスを、例えば、色分けするなどして表示するようにしたので、これにより、地心座標のプラスの変動地域とマイナスの地域とを広域にわたって(同時刻の変動を)容易に識別することができる。
また、請求項13の発明は、請求項1から12のいずれかに記載の発明において、前記ユーザ端末からの情報提供要求をWebページにより受け付けると共に、ユーザ端末への情報提供を前記Webページを介して行うことを特徴とする。
請求項13に記載の発明によれば、ユーザ端末からの情報提供要求をWebページにより受け付けると共に、ユーザ端末への情報提供をWebページを介して行うようにしたので、これにより、国土情報提供システムの利用が容易となり、国土情報提供システムの利用の活性化が図れる。
また、請求項14の発明は、ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システムにおける国土情報提供方法であって、地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手順と、前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手順と、前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手順とを含むことを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、地表面や海上や建造物などに複数の観測基準点を設定し、各観測基準点の位置情報を地心座標系で取得してデータベースに保持し、ユーザ端末からの要求に応じて、データベースに保持された観測基準点の位置情報及びそれに関連する情報を提供するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。また、現状の準拠楕円体を用いたシステムと、用途に応じた使い分けを行うことができ、それぞれのシステムの利点を生かして活用することができる。
また、請求項15の発明は、請求項14に記載の発明において、前記各観測基準点の位置情報を、GPSを使用して、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標を網平均計算で処理することなく取得することを特徴とする。
請求項15に記載の発明によれば、地表面や建造物などに設定した各観測基準点の位置情報を、GPSを用いて、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標を網平均計算で処理することなく取得するようにしたので、これにより、地心座標系による位置情報を求める観測基準点を容易に設定することができると共に、誤差の分散処理をすることなく地心座標系による測定を容易に行うことができる。
また、請求項16の発明は、ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システム内のコンピュータに、地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手順と、前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手順と、前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手順とを実行させるための国土情報提供プログラムである。
請求項1に記載の発明によれば、地表面や海上や建造物などに複数の観測基準点を設定し、各観測基準点の位置情報を地心座標系で取得してデータベースに保持し、ユーザ端末からの要求に応じて、データベースに保持された観測基準点の位置情報及びそれに関連する情報を提供するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。また、現状の準拠楕円体を用いたシステムと、用途に応じた使い分けを行うことができ、それぞれのシステムの利点を生かして活用することができる。
請求項2に記載の発明によれば、地表面や建造物などに設定した各観測基準点の位置情報を、GPSを用いて、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標について求めるようにしたので、これにより、地心座標系による位置情報を求める観測基準点を容易に設定することができると共に、地心座標系による測定を容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、観測基準点間の距離を地心座標系により算出するようにしたので、従来の準拠楕円体に投影して算出する場合と比較して、観測精度を高めることができる。
請求項4に記載の発明によれば、観測基準点の位置情報を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎の各観測基準点の座標の変動量や、観測基準点間の距離の変動量を算出するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。
また、このシステムの導入で、現実の世界を、広域にわたって同時刻の位置情報や距離変動を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。
請求項5に記載の発明によれば、観測基準点の一点を基点とし、他の一点の相対位置変動を指定された期間にわたり解析し、相対位置変動の時間的な経過をグラフ表示するようにしたので、これにより、2つの観測基準点の相対位置変動を、グラフにより可視化表示できる。このため、観測対象となる観測基準点の監視が容易に行えるようになる。また、例えば、地震が発生するまでの2つの観測基準点の相対位置変動の様子(時間的な変化)を分かりやすい形で把握でき、地震現象の解明のための有力な資料としても利用できる。
請求項6に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数(例えば、1日、3日、15日、30日など)により平均化して表示するようにしたので、これにより、2点間の相対位置変動の方向、量的増大傾向をつかむことができる。
請求項7に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、表示されたデータ曲線中にデータを取得した日付けを入れて表示するか、日付けを入れないで表示するかを選択できるようにするようにしたので、これにより、細かな日付を入れずに、データ曲線を見易く表示でき、また、日付けの確認が必要な場合には、日付けの表示を選択することができる。
請求項8に記載の発明によれば、観測基準点の一点を基点とし、他の一点の相対位置変動を年周期で解析し、該年周期の相対位置変動を各年ごとにグラフ化して、月日を基準に並べて表示するようにしたので、これにより、2つの観測基準点の年周期の相対位置変動を、グラフにより可視化表示できる。また、月日を基準にして各年ごとのデータを容易に対比できるようになる。
請求項9に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数(例えば、1日、15日、30日など)により平均化して表示するようにしたので、これにより、年周期の相対位置変動の方向、量的増大傾向をつかむことができる。
請求項10に記載の発明によれば、観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、表示されたデータ曲線中にデータを取得した日付けを入れて表示するか、日付けを入れないで表示するかを選択できるようにするようにしたので、これにより、細かな日付を入れずに、データ曲線を見易く表示でき、また、日付けの確認が必要な場合には、日付けの表示を選択することができる。
請求項11に記載の発明によれば、所望の地域内(例えば、北海道など)の各観測基準点の地心座標の変動量についての、日変化、週間変化、月間変化、または年変化の量を各観測基準点ごとに解析し、解析結果を地心座標系X,Y,Z座標毎にグラフ化して表示するようにしたので、これにより、所望の地域内の観測基準点の位置変動の大きさを、グラフ(例えば、円の大きさなど)により可視化表示できる。このため、例えば、地震が発生する前後における広域の同時刻の観測基準点の位置変動の様子を分かりやすい形で把握できる。このため、地震現象の解明のための有力な資料として利用できる。
請求項12に記載の発明によれば、各観測基準点の地心座標の変動量について、変動量の大きさの情報を、例えば、円の大きさなどで表し、また、変動量のプラスとマイナスを、例えば、色分けするなどして表示するようにしたので、これにより、地心座標のプラスの変動地域とマイナスの地域とを容易に識別することができる。
請求項13に記載の発明によれば、ユーザ端末からの情報提供要求をWebページにより受け付けると共に、ユーザ端末への情報提供をWebページを介して行うようにしたので、これにより、国土情報提供システムの利用が容易となり、国土情報提供システムの利用の活性化が図れる。
請求項14に記載の発明によれば、地表面や海上や建造物などに複数の観測基準点を設定し、各観測基準点の位置情報を地心座標系で取得してデータベースに保持し、ユーザ端末からの要求に応じて、データベースに保持された観測基準点の位置情報及びそれに関連する情報を提供するようにしたので、これにより、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。また、現状の準拠楕円体を用いたシステムと、用途に応じた使い分けを行うことができ、それぞれのシステムの利点を生かして活用することができる。
請求項15に記載の発明によれば、地表面や建造物などに設定した各観測基準点の位置情報を、GPSを用いて、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標を網平均計算で処理することなく取得するようにしたので、これにより、地心座標系による位置情報を求める観測基準点を容易に設定することができると共に、地心座標系による測定を容易に行うことができる。
図1は、本発明による国土情報提供システムの構成例を示す図である。
図1において、GPS衛星1a、1b、1cはそれぞれ異なるGPS衛星であり、地上約2万キロメートルの円軌道を周回しながら2周波の測距用電波を連続的に地表に向けて送信している。
観測基準点2a、2b、2cは、地盤または建築物等の位置及び変位を測定するための基準点となる測定点であり、観測基準点2a、2b、2cには、GPS衛星1a、1b、1cから送信される電波を受信するGPS受信機3a、3b、3cと、GPS受信機3a、3b、3cに接続された位置測定装置4a、4b、4cが備えられている。
位置測定装置4a、4b、4cはGPS受信機3a、3b、3cで受信した位置データに基づいて、観測基準点2a、2b、2cの位置情報を地心座標系(地心X,Y,Z座標系)の位置情報として確定し記録するための測定装置である。なお、図5は地心座標系について説明するための図であり、例えば、日本列等を表示する場合に、従来は準拠楕円体への投影図(平面地図)で示していたが、地心座標系では、地球の重心を中心とする宇宙空間座標(地心X,Y,Z座標系)で表す。
また、国土情報提供システム100内のサーバ101は、観測基準点2a、2b、2cの位置測定装置4a、4b、4cと通信回線(有線回線または無線回線)により接続され、位置測定装置4a、4b、4cから定期的に観測基準点2a、2b、2cの位置情報を受信して、データベース110に保存する。また、国土情報提供システムのサーバ101は、通信ネットワーク10を介して、Webページを公開しており、データベース110に保存されたデータを一般に公開している。
ユーザ端末5a、5b、5cは、パーソナルコンピュータ、サーバ、携帯通信端末などであり、通信ネットワーク10を介して国土情報提供システムのサーバ101にアクセスし、サーバ101が提供するWebページにより、国土情報提供システム100に保存された「国土情報(観測基準点の情報及びそれに関連する情報)」を閲覧またはダウンロードする。
また、図2は、本発明による国土情報提供システムのサーバの構成例を示すブロック図であり、本発明に直接関係する部分についてのみ示したものである。
サーバ101において、102は、観測基準点2a、2b、2cの位置測定装置4a、4b、4cとサーバ101との通信接続を行い、また、通信ネットワーク10とサーバ101との通信接続を行うための通信接続部である。103はサーバ全体を制御する制御部、110はデータベース、120は処理プログラム部を示している。
また、処理プログラム部120には、以下の処理部が含まれている。
観測情報受信処理部121は、観測基準点2a、2b、2cの位置測定装置4a、4b、4cに地心座標系による位置情報(三次元位置情報)の送信を指示し、観測基準点2a、2b、2cの位置情報を定期的に収集するための処理部である。
データ格納処理部122は、観測情報受信処理部121により収集された観測基準点2a、2b、2cの位置情報(地心座標系の三次元位置情報)をデータベース110に保存するための処理部である。
座標変動演算処理部123は、観測基準点2a、2b、2cの位置情報の変動(座標変動)を地心座標系で算出するとともに、算出した座標変動情報をデータベース110に記録する。
データ加工処理部124は、観測基準点2a、2b、2cの位置情報及び座標変動演算処理部123で算出した座標変動情報を基にして、観測基準点2a、2b、2cの位置情報を目的に応じた情報形式に加工する処理を行う。例えば、ある地域における観測基準点の変動履歴情報をグラフにして作成するとか、または、観測基準点間2a、2b、2cの区間距離の情報を算出するとか、ある建造物に設置した観測基準点の変動の履歴情報を作成するなど、目的に応じて、観測基準点の位置情報を加工する。なお、加工された情報はデータベース110に保存される。
Web公開処理部125は、通信ネットワーク10上にWebページを公開すると共に、Webページを介してユーザ端末5a、5b、5cからのアクセスを受け付け、データベース110に保存された情報をユーザ端末5a、5b、5cに、Webページを介して提供するための処理部である。
ユーザ要求処理部126は、Webページを介して、ユーザ端末5a、5b、5cから受け付けた要求内容を基に、ユーザ端末5a、5b、5cに情報提供を行うための処理を行うための処理部である。
データ検索処理部127は、ユーザ端末5a、5b、5cからの要求内容を基に、データベース110を検索して、必要な情報を抽出するための処理部である。
なお、この処理プログラム部120は専用のハードウエアにより実現されるものであってもよく、またこの処理プログラム部120はメモリおよびCPU(中央処理装置)により構成され、この処理部の機能を実現するためのプログラム(図示せず)をメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。また、このサーバには、周辺機器として入力装置、表示装置等(いずれも表示せず)が接続されているものとする。ここで、入力装置としては、キーボード、マウス等の入力デバイスのことをいう。表示装置とは、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等のことをいう。
また、データベース110には、例えば、以下に示す情報が格納される。会員情報111は、この国土情報提供システム100に会員登録したユーザの情報を記録した情報であり、国土情報提供システムのサーバ101は、会員登録したユーザの端末に、電子メールなどで、国土情報提供システムについてサービス情報(更新情報)などを提供する。
また、位置観測情報112は、観測基準点2a、2b、2cの位置情報を記録した情報であり、座標変動情報113は、座標変動演算処理部123で算出された観測基準点2a、2b、2cの座標変動情報を記録したものである。
データ加工情報114は、データ加工処理部124で加工された情報を記録したものであり、例えば、観測基準点2a、2b、2cの座標変動の経年変化をグラフで表した座標変動履歴グラフ情報115や、観測基準点2a、2b、2c間の区間距離やその変動履歴情報116などが記録される。
また、図3は、本発明による国土情報提供システムの処理シーケンスの例を示す図であり、国土情報提供システムのサーバ101と、観測基準点の位置測定装置4と、ユーザ端末5との処理の流れを示す図である。以下、図3を参照して、その処理の流れについて説明する。
まず、観測基準点の位置測定装置4では、GPS衛星からの電波を受信し(ステップS10)、自身の地心座標系による位置情報(三次元位置情報)を取得する(ステップS11)。また、取得した地心座標系による位置情報を内部に記憶する(ステップS12)。
この位置測定装置4における位置情報の取得は、常時行ってもよいし、定期的に行うようにしてもよい。また、国土情報提供システムのサーバ101からの指示により行うようにしてもよい。
次に、国土情報提供システムのサーバ101は、観測情報受信処理部121の機能により、位置測定装置4に対して、位置測定装置4に記憶された位置情報を送信するように要求する(ステップ13)。位置測定装置4は、サーバ101からの位置情報の送信要求を受信すると(ステップ14)、サーバ101に自身の現在の位置情報を送信する(ステップS15)。
国土情報提供システムのサーバ101は、位置測定装置4から位置観測情報を受信すると(ステップS16)、データ格納処理部122の機能により、受信した位置情報をデータベース110に保存する(ステップS17)。また、サーバ101では、座標変動演算処理部123の機能により、位置測定装置4から受信した位置情報を基に、観測基準点の地心座標系による座標変動を算出し、その算出結果をデータベース110に保存する(ステップ18)。
また、サーバ101では、データ加工処理部124の機能により、位置測定装置4から受信した位置情報に加工処理を施し、その結果をデータベース110に保存する(ステップS19)。この、データ加工処理は、例えば、観測基準点の変動履歴グラフの作成や、観測基準点間の区間距離の算出とその変動履歴データの作成などを行う。
次に、国土情報の提供を求めるユーザ端末5では、国土情報提供システムのサーバ101が公開するWebページのアクセスする(ステップS20)。サーバ101では、ユーザ端末5からのアクセスを受け付けると(ステップ21)、ユーザ端末5にメニュー画面を提示し(ステップ22)、ユーザ端末5ではメニュー画面を表示して、メニュー選択を行う(ステップ23)。
例えば、図4に例示するメニュー画面により、ユーザが必要とするデータを選択する。
図4に示す例では、最初に、図4(a)に示すエリア(地域)選択画面が表示され、データを必要とするエリア(地域)をプルダウンメニューにより選択する。例えば、東京都を選択すると、東京都の地図が表示されるので(図示せず)、その地図上でさらに詳細な区分を指定する。例えば、港区を指定すると、港区のより詳細な地図と観測基準点の位置情報が表示されるので、その地図上で1または複数の観測基準点を指定する。なお、必要な場合は、赤坂地区、六本木地区などさらに詳細な地図と観測基準点の位置を表示するようにもできる。
観測基準点の指定が完了すると、次に、図4(b)に示す画面が表示され、必要なデータの種類を選択する。例えば、観測基準点の位置データや、観測基準点間の区間距離データなどを要求する。
ユーザ端末5でメニューが選択されると、メニューの選択情報がサーバ101に受け付けられる(ステップS25)。サーバ101では、ユーザ端末5で指定されたメニュー情報を基に、ユーザ要求処理部126およびデータ検索処理部127の機能により、データベース110を検索し、ユーザ端末5から要求されたデータを抽出し(ステップS26)、データベース110から抽出した情報をユーザ端末5に送信する(ステップ27)。ユーザ端末5では、サーバ101から送信された情報を画面上に表示する(ステップS28)。
以上、本発明の国土情報提供システムの実施の形態について説明したが、次に、より具体的な応用例について説明する。例えば、本発明による国土情報提供システムでは、以下のような三次元の位置情報を地心座標系を元に測定してユーザに提供することができる。
本発明による国土情報提供システムにより、地殻の伸縮率を地心座標で捉えた場合の例を示す。図6は、平成15(2003年)年5月26日の宮城県沖地震(マグニチュード7)の、震源地近傍の地殻変化を、地心X,Y,Z座標系のX軸座標のみについて観測した例を示している(2003年5月〜2004年7月)。また、図7は、図6の一部分を拡大して示した図である。図8は、地心X,Y,Z座標系のY軸座標のみについて観測した例を示し、図9は、地心X,Y,Z座標系のZ軸座標のみについて観測した例を示している。
図6において、平成14年(2002年)の11月までは大きな地殻の動きは観測されていないが、12月からは少し大きな変位が観測されるとともに、群発地震が発生し始めている。平成15年(2003年)に入ると異常と思われる大規模な伸縮が観測されている。このように、本発明の国土情報提供システムを用いると、崖の複数点の地盤移動や、各軸のどの方向に大きな異常が現れるか等も正確に把握することが可能となり、崖周辺の住民避難対策としても、充分機能を発揮する。
本発明の国土情報提供システムは、建造物がその周辺環境から受ける悪影響、建造物そのものの変位量の連続測定システムとして使用することもできる。現在、GPS携帯が普及の途にある。実際に利用してみると位置情報も緯度、経度表示程度に留まっており、国土地理院の全国電子基準点の位置精度には到底及ばない。しかし、国土地理院クラスの位置精度を入手しうるGPSアンテナも小型化、軽量化されつつある。GPSが小型、軽量化が進展すると、本発明の国土情報提供システムにより以下のような汎用的な監視、サイバー化が可能となる。
建造物を施工する際、建造物が地盤と接触する部分やベンチマークの位置情報を仮想基準点として設定する。竣工後に建造物屋上等の数ヶ所にGPSアンテナを設置し位置情報変化を連続観測する。これらの観測を継続することで、刻々と変化するベンチマーク(固定資産管理)の変化を追跡可能となる。また、屋上等に設置したアンテナから得られる位置の変位量から、建造物の圧縮応力・引張応力/せん断力を計算することが可能となり、建造物の挫屈・破損、転倒危機等も追跡可能となる。
また、建物の屋上に最低1つのGPSアンテナを設置することで、上記のせん断力等の解析以外に建物の沈降・周辺地域の地盤沈下の解析も可能となる。例えば、東京都庁と周辺の建物にGPSアンテナを敷設し、三角網平均解析等を用いることで、東京都内に存在する建物の地震時の揺れ状況の把握、時系列的な地盤沈下が観測可能となる。
例えば、図11は、地域モニタリングの例を示すイメージ図であり、図11中の斜線で示す監視対象地域7に建てられた建造物等の屋上に電子基準点クラスのGPSアンテナ8aを設けると共に、ベンチマーク8bを設ける。そして、この監視対象地域7と、この地域以外の電子基準点6a、6b、6cとの相対距離の変化を監視することにより、監視対象地域7の異常を追跡することができる。
なお、図11に示す例では、監視対象地域7のデータを収集するネットワーク管理部9と、建造物の屋上に設けられたGPSアンテナ8aおよびベンチマーク8b等とをケーブルを用いた通信ネットワークでインフラを構成することもできるし、災害時には、このインフラも使用できなくなるので、GPSアンテナ8aおよびベンチマーク8b等をバッテリ(太陽光発電/燃料電池)を使用し、また通信は通信衛星とリンクするようにしてもよい。
本発明の国土情報提供システムにおける観測基準点としてマンホールを利用することができる。マンホールがあるということはその道路の下に下水道管渠が埋設されていることになる。マンホールは下水道管渠の向きや勾配、管径が変わるところ、起点、終点、接続点に設けられる。原則として、道路の下に設置され、交差点の他、一定間隔毎に設置されている。
そこで、マンホールの蓋にGPSの電波が透過できる材料で被覆した内部にGPSアンテナ及び受信機を設置し、観測基準点とし、例えば、自治体区内の観測ネットワークを構築すると、上記の「実施例1」で説明した方法で、異常の検知が可能となる。また、各マンホールの位置情報の提供は、「実施例2」で説明した周辺建造物の固定資産管理やGIS構築にも有効となる。
このように、本発明の国土情報提供システムを用いることにより、単なる地盤の監視だけではなく、建造物の監視、大深度トンネル(例;東京湾横断道路)の精密測量等、正確な三次元表示と時系列要素を加えたサイバー国土の構築が様々な分野で可能となるものである。
前述したように、本発明による国土情報提供システムにおいては、観測基準点の位置情報を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎の各観測基準点の座標の変動量および観測基準点間の距離の変動量を算出するシステムであるが、2つの観測基準点の相対位置変動を解析するシステム、すなわち、相対位置変動解析システムとしても特に有用である。
相対位置変動解析システムの具体的な処理の例としては、例えば、観測基準点の1点を不動点とし、他の1点との2点間の座標距離の変動を時系列に解析・表示することができる。なお、この相対位置変動解析処理は、図2に示す国土情報提供システムのサーバ100の処理プログラム部120中の座標変動演算処理部123およびデータ加工処理部124で行うようにすることができる。
図12は、観測基準点「えりも1(北海道)」における距離変化率(地心座標系のX軸)を時系列に解析してグラフ表示した画面例であり、十勝沖地震(2003年9月)時における距離変化率を含めて表示した画面例である(但し、2点間変位の場合、X軸の解析結果は正負が逆になる)。
図12に示す画面例では、最初に基点となる観測基準点と、距離変化率の表示対象となる「えりも1」の観測基準点を設定する。この観測基準点の設定は、ID(識別番号)の指定で行われ、図12に示す例では、基点となる観測基準点が「愛知県一宮2(ID=970822)」であり、「えりも1」の観測基準点がID=940019の例である。
この2つの観測基準点を設定すると、「えりも1」における距離変化率が指定した期間(この例では、1998年3月〜2004年5月まで)にわたり時系列で表示される。また、観測基準点名なども合わせて表示される。そして、図12に示されるように、2003年9月の地震発生時には、距離変化率が著しく増大していることが分かる。
なお、図12に示す距離変化率のデータには、データ曲線に日付が併記されているが(実際の画面ではデータ曲線とは異なる色で表示)、この日付の表示/非表示はオプションで選択することができ、日付を非表示とすることで、距離変化率のデータをより見易く表示することができる。また、観測基準点名の表示/非表示も選択でき、また、縦軸の距離変化率の尺度やライン(図中の±149.99ppmの指標ライン)なども変更することができる。
また、図12に示す距離変化率のデータは3日間で平均された値で表示されており、この平均化は、3日平均、15日平均、30日平均など、所望の日数を設定することができる。この平均化を行うことにより、2点間の相対位置変動の方向、量的増大傾向をつかむことができる。
また、図13は、白馬(長野県)と「えりも1(北海道)」の距離変化率(地心座標系のX軸)を拡大して示したものである。このように、基点となる観測基準点は任意に設定でき、縦軸の尺度や指標ラインは任意に設定可能である。
図13において、24日の距離変化率が6ppmであったのに、25日には34ppmとなり、さらに26日(地震発生日)には250ppm拡大した様子が示されている。
また、図14は、「えりも1」の地心座標系のZ軸の距離変化率(3日平均)を1998年3月から2004年5月にわたり表示したものであり、基点となる観測基準点が「山の内(ID=950265)」である。この例においても、2003年9月に距離変化率が著しく増大したことが示されている。
また、図15は、「えりも1」のY軸の距離変化率(3日平均)を1998年3月から2004年5月にわたり表示したものであり、基点となる観測基準点が「石川県舳倉島(ID=950252)」である。この例においても、2003年9月に距離変化率が著しく増大したことが示されている。
また、本発明の国土情報提供システム(相対位置変動解析システム)では、距離変化率のデータを年周期で解析し表示することができる。なお、この解析処理は、図2に示す国土情報提供システムのサーバ100の処理プログラム部120中の座標変動演算処理部123およびデータ加工処理部124で行うようにすることができる。
図16は、観測基準点「気仙沼(宮城県)」における距離変化率(地心座標系のX軸)を年周期で解析して表示した画面例を示す図であり(但し、2点間変位の場合、X軸の解析結果は正負が逆になる)、宮城県沖地震(2003年5月)における距離変化率を含めて表示した画面例である。
図16に示す画面例は、最初に基点となる観測基準点「静岡1(静岡県)」と、距離変化率の表示対象となる「気仙沼」の観測基準点を設定する。この2つの観測基準点を設定すると、基点となる観測基準点「静岡1(静岡県)」に対する「気仙沼」における距離変化率が指定した期間(この例では、1999年1月〜2004年5月まで)にわたり表示される。図16に示すように、各年ごとの距離変化率データが、月日を基準にして並べて表示される。また、各年ごとの距離変化率データは(実際には)色分けして表示されている。
そして、図16に示すように、2003年5月の宮城県沖地震時に、X軸の距離変化率が大きく変動しているのが観測される(図中の楕円で囲んだ部分)。
なお、図16に示す例では、距離変化率のデータに日付(データ取得日)が併記されていないが、日付の表示/非表示はオプションで選択することができる。また、観測基準点名の表示/非表示も選択でき、また、縦軸の距離変化率の尺度やライン(図中の±200.01ppmの指標ライン)なども変更することができる。
また、図16に示す距離変化率のデータは15日平均された値で表示されており、この画面例では平均化する日数として、1日平均、15日平均、30日平均などを選択できる。
また、図17は、山の内(長野県)と「気仙沼(宮城県)」の距離変化率(地心座標系のY軸:15日平均)を示したものである。図17に示すように、基点となる観測基準点は任意に設定可能である。
図17に示す距離変化率データ中、2003年5月の宮城県沖地震時に、Y軸の距離変化率が大きく変動しているのが観測される(図中の楕円で囲んだ部分)。
また、図18は、「気仙沼」のZ軸の距離変化率(15日平均)を1999年1月から2004年5月にわたり表示したものであり、基点となる観測基準点が「石川県舳倉島(ID=950252)」である。この例においても、2003年5月の宮城県沖地震時に、Z軸の距離変化率が大きく変動しているのが観測される(図中の楕円で囲んだ部分)。
また、本発明の国土情報提供システム(相対位置変動解析システム)では、地心座標系の原点から見た、観測基準点(国内電子基準点)の変動量を、例えば、変動量の大きさを円の大きさで示すようなグラフ表示を行うことができる。また、この表示は、日変化、週間、月間、年間の変化として表示することもできる。なお、この解析処理は、図2に示す国土情報提供システムのサーバ100の処理プログラム部120中の座標変動演算処理部123およびデータ加工処理部124で行うようにすることができる。
図19および図20は、十勝沖地震の前後の北海道内の各観測基準点の変動量(地心座標系のX軸の日変動)のデータを解析して、北海道の全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(及び数値)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図19は、2003年9月24日と2003年9月25日の変動量(地心座標系のX軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものであり、図20は、2003年9月26日と2003年9月27日の変動量(X軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものである。図19および図20において、地震前日(9月25日)に変動量(X軸の日変動)の増大が始まり、地震当日(9月26日)に変動量(X軸の日変動)が大きく変動し、翌日(9月27日)には変動量(X軸の日変動)が少なく安定していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。
また、図21および図22は、十勝沖地震の前後の北海道内の観測基準点の変動量(地心座標系のY軸の日変動)のデータを解析して、北海道の全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(数値も付記して)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図21は、2003年9月24日と2003年9月25日の変動量(地心座標系のY軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものであり、図22は、2003年9月26日と2003年9月27日の変動量(Y軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものである。図21および図22において、地震前日(9月25日)に変動量(Y軸の日変動)の増大が始まり、地震当日(9月26日)に変動量(Y軸の日変動)が大きく変動し、翌日(9月27日)には変動量(X軸の日変動)が少なく安定していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。
また、図23および図24は、十勝沖地震の前後の北海道内の観測基準点の変動量(地心座標系のZ軸の日変動)のデータを解析して、北海道の全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(及び数値)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図23は、2003年9月24日と2003年9月25日の変動量(Z軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものであり、図24は、2003年9月26日と2003年9月27日の変動量(Z軸の日変動)を、北海道全域にわたりグラフ表示したものである。図23および図24において、地震前日(9月25日)に変動量(Z軸の日変動)の増大が始まり、地震当日(9月26日)に変動量(Z軸の日変動)が大きく変動し、翌日(9月27日)には変動量(Z軸の日変動)が少なく安定していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。
また、図25および図26は、鳥取県西部地震(2000年10月)の前後の中国地方全域の各観測基準点の変動量(地心座標系のX軸の日変動)のデータを解析して、中国地方の全域の全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(及び数値)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図25は、2000年10月4日と2000年10月5日の変動量(X軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものであり、図26は、2000年10月6日と2000年10月7日の変動量(X軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものである。図26において、地震当日(10月6日)に変動量(X軸の日変動)が大きく変動し、翌日(10月7日)には変動量(X軸の日変動)が少なく安定していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。
また、図27および図28は、鳥取県西部地震(2000年10月)の前後の中国地方の観測基準点の変動量(地心座標系のY軸の日変動)のデータを解析して、中国地方全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(及び数値)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図27は、2000年10月4日と2000年10月5日の変動量(地心座標系のY軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものであり、図28は、2000年10月6日と2000年10月7日の変動量(Y軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものである。図28において、地震当日(10月6日)に変動量(Y軸の日変動)が増大していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。また、地震後(10月7日)にも一部地域で大きな変動が生じていることが容易に確認できる。
また、図29および図30は、鳥取県西部地震(2000年10月)の前後の中国地方全域の観測基準点の変動量(地心座標系のZ軸の日変動)のデータを解析して、中国地方全域にわたり、変動量の大きさを円の大きさ(及び数値)で示し、また、プラスの変動量とマイナスの変動量を区別して示したものである。
図29は、2000年10月4日と2000年10月5日の変動量(Z軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものであり、図30は、2000年10月6日と2000年10月7日の変動量(Z軸の日変動)を、中国地方全域にわたりグラフ表示したものである。図29および図30において、地震当日(10月6日)に変動量(Z軸の日変動)が大きく増大していることを、視覚的に容易に読み取ることができる。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明の国土情報提供システムの実施の形態では、観測基準点で測定した位置情報を全て地心座標系(三次元の位置情報)として扱っているが、従来の二次元のシステムと併用し、用途に応じて使い分けることもできる。
また、図2に示す国土情報提供システムのサーバ101内の処理プログラム部120の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、図2に示すサーバ101内の処理プログラム部120に必要な処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの(伝送媒体ないしは伝送波)、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の国土情報提供システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明では、国土や建造物等の位置情報として、地心座標系による三次元・四次元位置情報を用いることができ、従来の準拠楕円体を用いる方法に比べて観測精度の向上が図れ、経時変化を追跡すべき対象物などの管理が容易となる。また、このシステムの導入で、現実の世界を、時間軸を含めよりリアルに再現するのみならず、精密な動きを期待する監視システム等への応用幅が拡大する。また、現状の準拠楕円体を用いたシステムと、用途に応じた使い分けを行うことができ、それぞれのシステムの利点を生かして活用することができる。
従って、本発明は、国土情報提供システム、国土情報提供方法、及び国土情報提供プログラムなどに適用できる。
本発明による国土情報提供システムの構成例を示す図。 本発明による国土情報提供システムのサーバの構成例を示すブロック図。 本発明による国土情報提供システムの処理シーケンスの例を示す図。 メニュー画面の例を示す図。 地心座標系について説明するための図。 震源地近傍の地殻変化の測定例(X軸座標)を示す図。 図6の地殻変化の拡大図。 震源地近傍の地殻変化の測定例(Y軸座標)を示す図。 震源地近傍の地殻変化の測定例(Z軸座標)を示す図。 準拠楕円体を用いた場合の精度の限界について説明するための図。 地域モニタリングの例を示すイメージ図。 「えりも1」の距離変化率(X軸)を表示した画面例を示す図。 「えりも1」の距離変化率(X軸)の拡大図。 「えりも1」の距離変化率(Y軸)を表示した画面例を示す図。 「えりも1」の距離変化率(Z軸)を表示した画面例を示す図。 「気仙沼」の距離変化率(X軸)を表示した画面例を示す図。 「気仙沼」の距離変化率(Y軸)を表示した画面例を示す図。 「気仙沼」の距離変化率(Z軸)を表示した画面例を示す図。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(X軸)を示す図その1。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(X軸)を示す図その2。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(Y軸)を示す図その1。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(Y軸)を示す図その2。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(Z軸)を示す図その1。 十勝沖地震の前後の北海道内全域の変動量(Z軸)を示す図その2。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(X軸)を示す図その1。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(X軸)を示す図その2。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(Y軸)を示す図その1。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(Y軸)を示す図その2。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(Z軸)を示す図その1。 鳥取県西部地震の前後の中国地方全域の変動量(Z軸)を示す図その2。
符号の説明
1a、1b、1c…GPS衛星、2a、2b、2c…観測基準点、3a、3b、3c…GPS受信機、4、4a、4b、4c…位置測定装置、5、5a、5b、5c…ユーザ端末、6a、6b、6c…国土地理院電子基準点、7…監視対象地域、8a…GPSアンテナ、9…ネットワーク管理部、10…通信ネットワーク、100…国土情報提供システム、101…国土情報提供システムのサーバ、102…通信接続部、103…制御部、110…データベース、111…会員情報、112…位置観測情報、113…座標変動情報、114…データ加工情報、115…座標変動履歴グラフ情報、116…区間距離及び変動履歴情報、120…処理プログラム部、121…観測情報受信処理部、122…データ格納処理部、123…座標変動演算処理部、124…データ加工処理部、125…Web公開処理部、126…ユーザ要求処理部、127…データ検索処理部、

Claims (16)

  1. ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システムであって、
    地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手段と、
    前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手段と、
    前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手段と
    を備えることを特徴とする国土情報提供システム。
  2. 前記各観測基準点の位置情報を、GPSを使用して、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標について求めること
    を特徴とする請求項1に記載の国土情報提供システム。
  3. 前記観測基準点の位置情報を基に、観測基準点間の距離を地心座標系X,Y,Z座標毎に算出する手段を
    備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の国土情報提供システム。
  4. 前記観測基準点の位置情報を定期的に観測し、該観測結果に基づいてX,Y,Z座標毎の各観測基準点の座標の変動量および観測基準点間の距離の変動量を算出する手段を
    備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の国土情報提供システム。
  5. 前記観測基準点の一点を不動点とし、他の一点との2点間の座標距離の相対位置変動を指定された期間にわたり時系列に解析し、該解析結果をグラフ化して表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項4に記載の国土情報提供システム。
  6. 前記観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数により平均化して表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項5に記載の国土情報提供システム。
  7. 前記観測基準点の2点間の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記グラフに日付を添えて表示することを選択する手段を
    備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の国土情報提供システム。
  8. 前記観測基準点の一点を不動点とし、他の一点との2点間の座標距離の相対位置変動を年周期で解析し、該年周期の解析結果を各年ごとにグラフ化して、月日を基準に並べて表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項4に記載の国土情報提供システム。
  9. 前記観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記変動量を指定した日数により平均化して表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項8に記載の国土情報提供システム。
  10. 前記観測基準点の2点間の年周期の相対位置変動をグラフ化して表示する際に、前記グラフに日付を添えて表示することを選択する手段を
    備えることを特徴とする請求項8または請求項9に記載の国土情報提供システム。
  11. 所望の地域内の各観測基準点の地心座標の変動量及び相対変動量についての、所望の期間の変化量(日変化、週間変化、月間変化、または年変化の量)を、前記所望の地域の全域にわたり各観測基準点ごとに解析し、該解析結果をグラフ化して表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項2に記載の国土情報提供システム。
  12. 前記所望の地域内の各観測基準点の地心座標の変動量及び相対変動量をグラフ化して表示する際には、変動量の大きさの情報を指標するように表示すると共に、プラスの変動量とマイナスの変動量とを区別して表示する手段を
    備えることを特徴とする請求項11に記載の国土情報提供システム。
  13. 前記ユーザ端末からの情報提供要求をWebページにより受け付けると共に、ユーザ端末への情報提供を前記Webページを介して行うこと
    を特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の国土情報提供システム。
  14. ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システムにおける国土情報提供方法であって、
    地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手順と、
    前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手順と、
    前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手順と
    を含むことを特徴とする国土情報提供方法。
  15. 前記各観測基準点の位置情報を、GPSを使用して、地球の重心を原点とする地心座標系のX,Y,Z座標を網平均計算で処理することなく取得すること
    を特徴とする請求項14に記載の国土情報提供方法。
  16. ユーザ端末と通信ネットワークを介して接続される国土情報提供システム内のコンピュータに、
    地表面や海上や建造物などに設定された複数の観測基準点から、各観測基準点の位置情報を地球の重心を原点とする地心座標系により取得する手順と、
    前記地心座標系により取得した観測基準点の位置情報をデータベースに保存する手順と、
    前記ユーザ端末からの要求に応じて、前記データベースに格納された前記観測基準点の地心座標系による位置情報及びそれに関連する情報をユーザ端末に提供する手順と
    を実行させるための国土情報提供プログラム。

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