JP2005098393A - 流体動圧軸受へのオイル充填方法 - Google Patents

流体動圧軸受へのオイル充填方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 流体動圧軸受を量産するに際して、製造される個々の軸受の最適オイル注入量が、加工のばらつきによって軸受ごとに異なっていても、そのバラツキに影響されずに適正量のオイルを注入するオイル充填方法、及び充填装置を提供する。
【解決手段】一つのオイル充填方法では、オイルを二回に分けて注入する。一回目の注入後雰囲気を加圧してオイルを確実に軸受間に押し込み、続いてオイルの充填状況を確認して不足分を割り出し、二回目で不足分を注入する。他の方法では、一回目に過剰量を注入し、二回目で適正量を超えた分を除去する。これらの方法によって、軸受ごとに適正注入量が変動しても、常に軸受に適正量を充填することが出来る。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハードディスク駆動装置等の信号記録再生装置に使用される流体動圧軸受と、その製造方法並びに製造装置に関する。
ハードディスク駆動装置等の信号記録再生装置において使用されるスピンドルモータには、従来から種々の流体動圧軸受が利用されている。流体動圧軸受とは、シャフトとスリーブの間にオイル等の潤滑流体を介在させ、その潤滑流体に生ずる流体圧力を支持力とする軸受である。
このような、従来の動圧軸受を使用するスピンドルモータの一例を図1に示す。このスピンドルモータは、ロータ1と一体をなすシャフト2の外周面と、このシャフト2が回転自在に挿通されるスリーブ3の内周面との間に、一対のラジアル軸受部4,4が軸線方向に離間して構成されている。そしてシャフト1の一方の端部外周面から半径方向外方に突出するディスク状スラストプレート5の上面とスリーブ2に形成された段部の平坦面との間、並びに、スラストプレート5の下面とスリーブ2の一方の開口を閉塞するスラストブッシュ6との間に、それぞれ一対のスラスト軸受部7,7が構成されている。
シャフト2並びにスラストプレート5と、スリーブ3並びにスラストブッシュ6との間には、連続した一つの微小間隙が形成されている。この微小間隙には、潤滑流体であるオイル9が、微小間隙の途中で途切れることなく連続した状態で、保持されている。(このようなオイル保持構造を、以下「フルフィルド構造」と記す)。
ラジアル軸受部4,4及びスラスト軸受部7,7には、ヘリングボーングルーブ41,41及び71,71が形成されている。ヘリングボーングルーブは、互いに逆方向に作用する一対のスパイラルグルーブが連結された形態を有する。ヘリングボーングルーブは、ロータ1の回転に応じて、スパイラルグルーブの連結部において最大動圧を発生し、その動圧によってロータ1は支持されている。
このようなスピンドルモータでは、スラスト軸受部7,7とは軸線方向で反対側に位置するスリーブ3の上端部付近に、テーパシール部8が形成されている。このテーパシール部8には、オイルと空気の界面が位置している。オイルはテーパシール部壁面に対して親和力を有する為、界面の断面は弧状になる。
上記のように構成された軸受部のスラストプレート5及びシャフト2と、スリーブ3及びスラストブッシュ6との間に保持されたオイル9を充填する装置又は方法として、大きく以下の2つの方法及び装置が提案されている。
第一の方法は、大気圧環境下で適量のオイルを軸受部のテーパシール部8等の軸受開口部に置き、その後減圧することにより、軸受間隙に存在した空気をオイルによって置き換え、所定期間減圧環境下に継続的に置くことにより、オイル内の気泡を十分に排出した後に、軸受の周囲環境を大気圧に戻すとするものである。この方法に基づく先行技術として、特許文献1、特許文献2等がある。
第二の方法としては、当初よりオイル溜まりおよび軸受を減圧環境下に置き、この減圧環境下で適量のオイルを軸受部のテーパシール部8等の軸受開口部に置き、毛管現象を利用してこのオイルを軸受内部に導き、その後軸受の周囲環境を大気圧に戻すとするものがある。この方法に関する先行文献としては、特許文献3、特許文献4等がある。
しかしながら、上記のようなオイルの充填方法では、以下のような問題がある。
前記第一のオイル充填方法では、テーパシール部8に置いたオイルが軸受開口部を塞いでいる為、その後の減圧時には、軸受間隙を満たしていた空気は気泡となってオイル中を通過する。この際、オイルの一部が飛沫となって軸受開口部の周辺に飛散するため、飛沫を拭き取る工程が不可欠となる。拭き取り工程は製造コストの上昇に直結する為、この方法は好ましくない。また、軸受開口部近傍にネジ穴部等がある場合には、飛び散ったオイルがその中に侵入し、拭き取り不可能になる場合もある。流体動圧軸受が、かかる構造を有する場合は、この第一のオイル充填方法は使えなくなる。
加えてこの第一の方法にかかる先行文献には、前記軸受開口部に置くオイルの量を適量となるように調節する方法について、何も記載されていない。従って、軸受開口部に置くオイル量を適量とする方法は、この技術を実行しようとする者が、自力で発明しなくてはならない。
他方前記第二のオイル充填方法では、真空環境下でオイルを軸受に注入しなければならない為、大気環境下でオイルを注入する場合に比して遥かに作業は複雑になり、注入量を緻密に制御することが難しい。このため、オイル量の過不足に起因する、オイル漏れや軸受の短寿命化の発生を、十分に抑制することは難しい。
更に3.5インチあるいはサーバクラスのハードディスク用モータに用いられるフルフィルド型流体動圧軸受では、軸長が長くなることからその流体動圧軸受に保持されるオイル量が増加する。この場合充填すべきオイル量は、軸受端部に設けられたテーパシール部の容積より大きくなることがある。また近年焼結含油金属を用いた流体動圧軸受もハードディスク用モータの市場に出現しているが、この場合はモータスリーブの一部分が多孔質の金属焼結体で構成されているため、注入すべきオイルの量は非常に多くなり、テーパシール部の容積を越える。従ってこれらの場合は、上記第一の方法、及び第二の方法の、何れの方法によっても、必要な量のオイルを充填することができない。
加えて量産時には、組み立てられる個々の流体動圧軸受は完全に同一ではなく、細部において寸法バラツキなどが存在するため、充填すべき最適オイル量が微妙に変化する。設計仕様に一致したオイル充填量(以下「設計オイル量」という)に固定して、一回の充填で設計オイル量を全ての製品に充填した場合、オイル量の過不足を来たす製品が生ずる。すなわち、ある製品では、注入したオイルの量が、その軸受が本来保持すべき最適オイル量より少ないため、モータとして組み立てた後には、そのモータ寿命が設計値より少なくなる場合がある。他の製品では、最適オイル量よりも多いため、モータに組み込んで回転させた時にオイル漏れを生じる恐れがある。
特開2002−005170号 特開2002−174242号 米国特許5524729 特開2002−174243号
本発明の目的は、設計量のオイルを正確に充填することが可能な、フルフィルド型流体動圧軸受の製造方法を提供することである。更に本発明の他の目的は、人手のかかる工程を省き、より経済的かつ容易に、設計量のオイルを充填することが可能な、フルフィルド型流体動圧軸受の製造方法を提供することである。加えて、そのような製造方法を実行するに適した、製造装置を提供することである。
上記の課題を解決する為の、請求項1に記載の流体動圧軸受の製造方法において、製造対象である動圧軸受ユニットは、少なくともシャフトを含むシャフト部と、少なくともスリーブおよびスラストブッシュを含むスリーブ部とを有している。シャフト部とスリーブ部との間には、ラジアル軸受およびスラスト軸受、又は、ラジアル軸受若しくはスラスト軸受、を含む連続したオイル保持間隙が形成され、シャフト部とスリーブ部とはオイル保持間隙を介して相対的に回転自在に配置されている。更にオイル保持間隙と大気に連通する空気との接触部分にはテーパシール部が形成されている、この流体動圧軸受、を製造する方法である。製造においては、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下の圧力に減圧し、流体動圧軸受のテーパシール部に第一量のオイルを注入する、第一の工程と、流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、テーパシール部に第二量のオイルを注入する、第二の工程と、流体動圧軸受の周囲環境を大気圧に復圧する、復圧工程が実行されるものである。かつ、第二の工程は第一の工程の終了後に実行されるものであり、復圧工程は第二の工程の終了後に実行されるものであり、なおかつ、第二の工程は1回或いはそれ以上の回数実行されるものである。
上記の課題を解決する為の、請求項2に記載の流体動圧軸受の製造方法において、製造対象である動圧軸受ユニットは、少なくともシャフトを含むシャフト部と、少なくともスリーブおよびスラストブッシュを含むスリーブ部とを有している。シャフト部とスリーブ部との間には、ラジアル軸受およびスラスト軸受、又は、ラジアル軸受若しくはスラスト軸受、を含む連続したオイル保持間隙が形成され、シャフト部とスリーブ部とはオイル保持間隙を介して相対的に回転自在に配置されている。更に、オイル保持間隙と大気に連通する空気との接触部分にはテーパシール部が形成されている流体動圧軸受、を製造する方法である。製造においては、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下の圧力に減圧し、流体動圧軸受のテーパシール部に、第三量のオイルを注入する、第三の工程と、流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、テーパシール部から第四量のオイルを除去する、第四の工程と、流体動圧軸受の周囲環境を大気圧に復圧する、復圧工程が実行される。。かつ、第四の工程は第三の工程の終了後に実行されるものであり、復圧工程は第四の工程の終了後に実行されるものである。
上記の課題を解決する為の、請求項3に記載の流体動圧軸受の製造方法では、請求項1に記載の流体動圧軸受の製造方法において、第二の工程の終了後に、流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、テーパシール部から第四量のオイルを除去する、第四の工程が実行される。かつ、第四の工程は第二の工程の終了後に実行されるものであり、なおかつ、復圧工程は、第四の工程の終了後に実行される。
上記の課題を解決する為の、請求項4に記載の流体動圧軸受の製造方法は、請求項1又は3に記載の流体動圧軸受の製造方法において、何れかの第二の工程に引き続いて、周囲環境の減圧が行われる。
上記の課題を解決する為の、請求項5に記載の流体動圧軸受の製造方法は、請求項1又は3又は4に記載の流体動圧軸受の製造方法において、第一の工程に先立って、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下に減圧し、所定時間以上その状態を維持し、引き続いて第一の工程を実行する。
上記の課題を解決する為の、請求項6に記載の流体動圧軸受の製造方法は、請求項2に記載の流体動圧軸受の製造方法において、第三の工程に先立って、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下に減圧し、所定時間以上その状態を維持し、引き続いて第三の工程を実行する。
上記の課題を解決する為の、請求項7に記載の流体動圧軸受の製造方法は、請求項5又は6に記載の流体動圧軸受の製造方法において、第一の気圧は100Pa以下であり、所定時間は10秒以上である。
上記の課題を解決する為の、請求項8に記載の流体動圧軸受の製造方法は、請求項1乃至7に記載の流体動圧軸受の製造方法において、スリーブの少なくとも一部は、含油可能な多孔質体から構成されている事を特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項9に記載のスピンドルモータは、回転部分を支持する軸受機構として、請求項1乃至8に記載の方法にて製造された流体動圧軸受機構を用いていることを特徴とする。
上記の課題を解決する為の、請求項10に記載の信号記録再生装置は、記録媒体と、記録媒体を回転駆動する請求項9に記載のスピンドルモータと、記録媒体に対して信号の記録及び読み出しを行う信号アクセス手段と、信号アクセス手段を記録媒体の回転中心に対して半径方向に移動する位置決め手段と、を備えている。
上記の課題を解決する為の、請求項11に記載の流体動圧軸受の製造装置は、真空容器と真空容器内部を100Pa未満の気圧まで排気する排気力を備えた排気手段と、真空容器内の圧力を提示する圧力計と、真空容器内部に気体を導入して少なくとも大気圧まで復圧させることの出来る気体導入機構を備え、更に、オイル注入ノズルと、オイル注入ノズルに所定量のオイルを供給するオイル供給機構と、オイル注入ノズル位置決め機構と、オイル除去ノズルと、オイル除去ノズルからオイルを吸引するオイル吸引機構と、オイル除去ノズル位置決め機構と、制御機構と、を備えている。そして、少なくともオイル注入ノズル先端及びオイル除去ノズル先端は真空容器内部に設置されている。更に、排気手段は排気力を調節可能であり、気体導入機構は気体の導入量を調節可能であり、オイル送出機構はオイルの送出量を調節可能であり、オイル吸引機構はオイルの吸引量を調節可能である。加えて、制御機構は、排気手段の排気動作、及び、気体導入機構の気体導入動作、及び、オイル送出機構のオイル送出動作、及び、オイル吸引機構のオイル吸引動作、について、少なくともその動作順序を制御するものであり、なおかつ、真空計が提示する圧力の値に応じての制御を実行するものである。
請求項1の製造方法によれば、オイル充填を2回以上に分けることで、1回に注入するオイル量を減らすことができるので、軸受内部に残留する空気とオイルが円滑に入れ替わり、気泡の破裂等に伴なうオイル飛沫の発生が抑制される。この結果、人手をかけてオイル飛沫を拭き取る工程を、省略或いは簡略化することが出来る。また、注入操作に引き続いて、真空容器内に一部空気を導入する(復圧操作)ことで、注入されたオイルは軸受隙間の内部へと確実に押し込まれ、オイルの充填不足の発生が抑制される。
請求項2の製造方法によれば、オイルの充填量の制御がより容易になる。特に、流体動圧軸受を量産する際に、不良の発生を抑制することが出来る。これは次の理由による。
一般に、大量生産される流体動圧軸受の個々の製品は完全には同一ではありえず、加工誤差等に起因するばらつきを持つ。この為、各製品について充填すべき最適オイル量も微妙に変化する。この製造方法では、一旦最適量よりもやや過剰となる第三量を注入するため、オイル充填量の過少は発生しなくなる。その上で、最適量よりも過剰になった部分である第四量を除去する為、オイル充填の過剰も発生しない。第三量は必ずしも製品ごとに変える必要はないが、第四量は各製品ごとに異なっている。この第四量の決定は、充填状況の観察装置を用いる等の方法で決定することが出来る。
請求項3の製造方法によれば、オイルを複数回に分けて注入した上で、過剰となった部分を除去することができる為、オイル注入量の制御がより容易かつ確実になり、オイル過剰に伴なうトラブルをより確実に排除することが出来る。
請求項4の製造方法によれば、復圧操作に続いて減圧操作を行う為、復圧操作時に軸受間隙に僅かの気泡が混入していたとしても、排出させることができる。これにより、オイルの充填不足や、気泡の膨張に伴なうオイル漏れなど、気泡残留に起因するトラブルを排除することが出来る。
請求項5及び6の製造方法によれば、幅が狭く奥行きが深い軸受間隙に残留する空気を、より確実に排出できる様になる為、オイル充填作業後にオイル中に残る気泡を、更に減らすことが出来る。
請求項7の製造方法によれば、軸受ユニット周囲の圧力を100Pa以下にまで減圧し、その状態を10秒以上保った後で注入操作に入る為、軸受間隙に残留する空気をより確実に排出することが可能で、オイル充填作業後にオイル中に残る気泡を、更に減らすことが出来る。
請求項8の製造方法によれば、オイル含有量が多くオイルの枯渇が起きにくい動圧軸受に対して、確実にオイルを充填することが出来る。
請求項9の発明によれば、信頼性の高いスピンドルモータを得ることが出来る。
請求項10の発明によれば、信頼性が高い、ハードディスクドライブなどの、信号記録再生装置を得ることが出来る。
請求項11の装置を利用すれば、多数の動圧軸受ユニットに対して、オイル充填を過不足なく実行することができる。
図2及び図3に本発明の実施形態であるオイル充填装置の構成図を示す。これらの構成図を用いて、本発明のオイル充填による軸受製造方法及び製造装置について、以下に説明する。
実施例1では、オイル注入及び加圧工程をそれぞれ2回又はそれ以上行うことにより、正確かつ安定に、軸受に対して最適量のオイルを充填する。
まず真空容器110の壁面にある図示しない開口部からオイル未充填の軸受ユニット10を挿入し、真空容器110内の所定位置に設置し、開口部を閉じて排気する。排気に際しては、まず、気体導入機構125を構成するリークバルブ123を閉じ、排気手段120によって排気する。排気手段120は、ロータリーポンプ121とバルブ122から構成されており、バルブ122の開閉によって排気のオン/オフを制御する。
排気中は真空計126にて圧力を監視し、予め設定しておいた第一の気圧P1に到達した後、排気を続けたまま、オイル注入作業を開始する。オイル注入ノズル115の先端部は、軸受ユニット10を所定位置に配置する際に、軸受ユニット10のテーパシール部8の真上に位置するように、予め位置決め機構111を用いて、位置決めされている。
オイル注入ノズル115には、オイル槽113、オイル吸入管116、ニードルバルブ112(例えばエース技研株式会社製のBP-107D等を使用)からなるオイル供給機構117が接続されている。オイル槽113に貯留されたオイル114は、ニードルバルブ112によって、予め設定された量V1が、正確にオイル注入ノズル115に供給され、テーパシール部8に注入される様に構成されている。
オイル槽113は、真空容器110の中の余圧室105内に配置されている。余圧室は、図示していない別の配管によって減圧されており、オイル注入時には、余圧室外部の圧力よりも1000Pa程度或いはそれ以上高い圧力がかかるように制御されている。こうすることで、オイル114の液面に圧力がかかり、ニードルバルブ112へのオイル流入を確実にできる。
上記の様に構成された装置において、本発明の第一の工程においては、真空容器110内を排気して、軸受ユニット10の周囲環境を第一の気圧P1以下にまで減圧した後、排気を続けつつ所定時間T1の間放置する。第一の気圧P1は100Pa程度でも良いが、より排気を確実にする為には、10Paとすると良い。所定時間T1は、10秒が一つの目安であるが、軸受の構造が複雑である場合には、15秒以上としてもよい。なおオイル未充填の軸受ユニットを第一の気圧P1以下の環境で所定時間T1の間放置する手順を省略することも可能である。
引き続いて、第一量V1のオイルをオイル注入ノズル115先端からテーパシール8に注入し、第一の工程を終える。
第二の工程に先立って、まず、排気手段120を構成するバルブ122を閉じて排気を止める。次いで気体導入機構125を作動させ、真空容器内の気圧を直前よりも高い第二の気圧P2とする。気体導入機構125は、リークバルブ123とフィルタ124とからなっており、導入される空気が含むダストは、このフィルタ124によって除去される。この昇圧により、注入されたV1量のオイルは、軸受間隙内部に押し込まれる。
次に、注入オイルの充填状況を、カメラ130によって観察する。カメラ130は、可動部131を平行移動及び回転させることにより、予めテーパシール部8の内部が観察できる位置に固定されている。この固定場所は、軸受ユニット10のサイズや構造が変わる場合は、それに応じて変更しなければならない。
この観察結果に基づいて、この軸受部に最適量のオイルを充填するのに必要な追加量である第二量V2を決定する。そしてニードルバルブ112にて、第二量V2のオイルを正確にオイル槽114から吸込み、オイル注入口115に供給し、テーパシール部8に注入して、第二の工程を終了する。
この第二の工程が終わった後、復圧工程を実施する。気体導入機構125を再度作動させ、真空容器110内部の圧力を大気圧にまで復圧する。この操作により、テーパシール部8にあった第二量V2のオイルは、軸受間隙の中に押し込まれ、この軸受ユニット10へのオイル充填作業が完了する。
この様にしてオイル充填を完了した軸受ユニット10は、図示しない開口部から真空容器110外に搬出される。
なおこれら一連の処理は、制御部100が制御する。バルブ122及びリークバルブ123の開閉制御も、図示しないバルブ駆動機構を制御部100が制御している。また、制御部100は、真空計126の指示値を監視して、その値に基づいて制御を行う。例えば、第一量のオイル注入においては、第一の気圧P1を下回った時点、或いは、下回った後、更に10秒間真空排気を続けた後、制御部100はニードルバルブ112に動作指示を出す。
軸受ユニットへの追加注入量V2は、カメラ130により観察された画像に基づいて手動で設定しても良いし、その画像に対して所定の画像処理を施し、その結果に基づいて自動で設定しても良い。或いはカメラに換えて、非接触の液面計などを用いてオイルの充填度合いを確認しても良い。
また、真空計126としては、一般的なピラニ真空計(Pirani gauge)を利用することができるが、1000Pa以上の圧力を測るために、隔膜真空計(Diaphragm gauge)などのより高い圧力を図ることの出来る真空計を併用しても良い。例えば、第一量V1のオイルを注入した後、真空容器内の圧力を2000Paにまで高めた上で、第二量のオイルを注入したい場合、などである。ピラニ真空計ではこの領域の圧力を測ることは難しく、リークバルブ123の開放時間から推定するしかない。ここで、隔膜真空計を用いれば、2000Paを直接図ることができるので、制御部100はその出力を参照しながら、リークバルブ123の開閉動作、或いは、第二量V2のオイルの注入制御できる。
テーパシール部8の容積が、軸受間隙部の容積に比較して十分大きい(例えば100%以上)流体動圧軸受では、第二量V2は、設計オイル量から第一量V1を引くことにより一律に求めても良い。この様な軸受では、加工公差による最適オイル量の変動は、軸受性能に小さな影響しか及ぼさないと考えられるためである。
以上の説明では、オイルの注入は、第一の工程と第二の工程の2回に分けて行ったが、第二の工程を複数回繰り返して、充填作業全体で注入操作を3回以上行っても良い。3回以上行うことにより、充填オイル量の微調整を容易にすることができる。またその際は、2回目以降のオイル注入では注入後の加圧工程を省略することもできる。通常最初のオイル注入及びその後の加圧により、軸受間隙の殆どの部分へのオイル注入は完了しており、それ以降は加圧による強制注入の必要性が小さくなるからである。
逆に、加圧工程の後、気体導入手段122と排気手段120を操作して、一旦軸受周囲環境を減圧してもよい。この上で、引き続いてオイル注入と加圧からなる第二の工程、若しくは復圧工程を実施する。こうすることで、加圧の為に真空容器110内に導入された空気が、オイルとともに軸受内に侵入することを抑制できる。
焼結金属などの含油可能な多孔質体を素材として利用している軸受では、充填しなければならないオイルの量がテーパシール部の容積を越えている事が多く、2回以上のオイル注入が必要となる場合がある。本発明によれば、かかる場合にも効率よくかつ確実にオイルを充填することができる。
実施例2では、軸受へのオイルの充填を、軸受設計値に基づく設計オイル量より多い第三量のオイルの注入と加圧、及び、設計量を超えて注入された第四量のオイルを除去する手順により行う。これにより、正確かつ安定なオイル充填が実現される。
本実施形態では、図2に示したオイル充填装置に、更に、オイル除去ノズル140及びその位置調整機構141を設けた装置(図3)を設置する。オイル除去ノズルとしては、注射針などの細径の金属管、或いは、オイルを吸着して除去する刷毛などを用いることが出来る。吸着ではなく吸引によってオイルを除去する場合は、除去ノズルに吸引力を付与する吸引装置を設置する必要がある(図示せず)。また、オイルを刷毛で吸着して除去する場合は、除去作業を行う際に刷毛の先端をテーパシール部に挿入できるように、真空容器を減圧した状態で外部から刷毛の位置を上下させられるように、位置調整機構141が構成されている必要がある。
充填作業に際しては、まず真空容器110の壁面にある開口部(図示していない)からオイル未充填の軸受ユニット10を挿入し、真空容器110内の所定位置に設置する。この際、実施例1と同じく、オイル注入ノズル115の先端部は、位置決め機構111を調節して、軸受ユニット10のテーパシール部8の真上に位置させる。
オイル除去ノズル140の先端は、位置決め機構141を用いて、最適のオイル液面位置に合わせる。除去ノズルそのものを曲げることで、調節しても良い。吸引装置を作動させた際には、オイルの液面はこのオイル除去ノズル140の先端位置にまで下がるからである。
これら、オイル注入ノズル115及びオイル除去ノズル140の位置決めは、真空排気前の大気圧下で実施しても良いし、真空排気後に実施しても良い。その場合には、位置決め機構111及び141を、真空容器外部から操作できる機構としておく。そのような機構は高価格であるが、減圧環境下で、オイル充填に先立って別の工程を実施する必要があるときは、有用である。また、オイル槽113は、実施例1と同じく、真空容器110の中の余圧室105内に設置されている。
このように配置した上で、本発明の前記第三の工程では、まず、開口部及びリークバルブ123を閉じ、排気手段120によって排気する。軸受ユニット10の周囲環境を第一の気圧P1以下にまで排気した後、所定時間T1の間排気を続ける。引き続いて、第三量V3のオイルをオイル注入ノズル115先端からテーパシール8に注入し、第三の工程を終える。
引き続いて実施される本発明の前記第四の工程においては、排気手段120を構成するバルブ122を閉じて排気を止め、次いで気体導入機構125を作動させ、真空容器内の気圧を直前よりも高い第二の気圧P2とする。気体導入機構125は、リークバルブ123とフィルタ124とからなっており、導入される空気が含むダストは、このフィルタによって除去される。この昇圧により、注入されたV3量のオイルは、軸受間隙内部に押し込まれる。続いて、図示していない吸引装置を作動させてテーパシール部から第四量のオイルを除去する。なお、ここで、第一の気圧P1と所定時間T1は、第一の実施の形態におけるP1及びT1と同様である。
この第四量のオイルの除去に当たっては、吸引装置が、第四量のみオイルを吸引したのち吸引を停止する機能を備えている必要がある。或いは、吸引装置には吸引量を検知する機構はなく、連続吸引するものであっても良い。後者の場合は、オイルの液面は、吸引ノズルの先端位置まで下がる。十分に精度良くノズル先端を位置決めできるならば、除去すべきオイル量を別途計測することなく、この後者の方法で、最適量を超えて注入された第四量のオイルを除去することが出来る。
吸引装置に吸引すべき量を予め設定しておくことで、第四量のオイルを除去する方法を採用する場合は、その軸受における第四量を、吸引に先立って決定しておく必要がある。この吸引量の決定は、カメラ130により観察された画像に基づいて手動で行っても良いし、その画像に対して所定の画像処理を施して自動で行っても良い。或いはカメラに換えて、非接触の液面計などを用いてオイルの過剰量を計測しても良い。
なお、吸引によってオイルを除去する場合、真空容器内部の圧力は、余り低すぎては、吸引が上手く行かない。ノズル先端よりも吸引機構が高い位置にある場合は、その高さを押し上げる事ができるだけの圧力が、最低限無くてはならない。オイルを実用的な時間以内に必要量を押し出すためには、粘性抵抗にも打ち勝たなければならない。
必要な圧力は、高さの差や粘性抵抗の大きさは、装置の構成によって大きく異なるが、それでも、真空容器内部の圧力が1000Pa未満では、殆どの場合吸引による除去は上手く行かない。よって、吸引によってオイルを除去する場合は、吸引に先立って、真空容器110内部の圧力を1000Pa或いはそれ以上にまで高めて置く必要がある。
前記のオイル注入量V3は、軸受の設計値に基づく設計オイル量を2%以上、上回る量であることが望ましい。通常は、加工誤差に伴なう最適オイル量の変動は、2%程度に留まるからである。オイル不足をより確実に回避する為には、V3は設計オイル量を5%以上上回ることが、より望ましい。そして、過剰となった量のオイルは、上記の第四の工程において、確実に除去されて悪影響を残さない。
第四の工程が終了した後、最後に復圧工程を実施して一連のオイル充填作業を終える。復圧工程は、第一の実施の形態に記載した工程と同様であり、気体導入機構125を再度作動させ、真空容器110内部の圧力を大気圧にまで復圧する。この様にしてオイル充填を完了した軸受ユニット10は、図示しない開口部から真空容器110外に搬出される。
上記した一連の処理は、実施例1と同様に、制御部100が制御する。第二の実施の形態においては、一連のバルブ類やオイル供給機構の制御に加えて、オイルの除去も制御部100によって制御される。吸引によって除去する場合は、吸引機構の作動タイミングを制御部が指示する。また、刷毛などで吸着して除去する場合は、制御部100が、刷毛の先端をテーパシール部に降ろすタイミングを指示する。
<その他>
以上では、図2及び図3において一つの軸受部へのオイル充填工程のみについて説明したが、図2若しくは図3に示した製造装置を複数個並べて、同時に複数個の軸受ユニットに対して、オイル充填する事も可能である。これにより、より生産性が高く高品質の流体動圧軸受を製造する製造方法及び製造装置を提供することが可能である。
また本発明は、種々の流体動圧軸受へのオイル充填に際して実施可能である。例えば本実施形態では、軸受部10のテーパシール部8は、シャフト2が内径側に細る構造により形成されているが、シャフトの太さは均一でスリーブ3の内径が外径側に広がることによりテーパ形状が形成された流体動圧軸受にも適用できることは明らかである。この場合は、カメラ130によるオイル注入状況の確認が容易となり、一層正確なオイル充填が可能となる。
更に最初のオイル注入に際して、テーパシール部8の容積を越える量のオイルを注入する必要がある場合には、図4に示すリング状部材11をスリーブ3の上部に置き、更に注入の際にオイルが触れる部分に撥油膜12及び13を形成しておく。これによりオイル注入作業後に、シール部周囲に付着して残留するオイルを無くすことが可能になり、拭き取り工程等を省くことが出来る。またこの撥油膜を軸受部10のテーパシール部8の上辺部14にも設けておくと、オイル注入を確実に行うことができる。
即ち実施例1においては、第一のオイル量V1の注入後に真空容器110内の気圧をP2に加圧することにより、注入オイルを軸受空隙内部に押し込む際、テーパシール部8の上辺部14へのオイルの残留をなくすことができる。これにより第一量V1のオイルを正確に軸受空隙内に送り込むことができ、正確なオイル注入が可能になる。
また実施例2では、撥油膜14の作用により、テーパシール部壁面にオイルが残留することがなく、オイル除去を円滑に行うことができる。また、量的に正確なオイル充填が可能になる。
<ハードディスク装置>
図5に、一般的なディスク装置70の内部構成を模式図として示す。ハウジング71の内部は塵や埃が極度に少ない清浄な空間を形成しており、その内部に情報を記録する円板状の磁気ディスク73が装着されたスピンドルモータ72が設置されている。加えてハウジング内部には、磁気ディスク73に対して信号を読み書きするヘッド移動機構77が配置され、このヘッド移動機構77は、ディスク板上の情報を読み書きするヘッド76、このヘッドを支えるアーム75、及びヘッド及びアームをディスク板上の所要の位置に移動させるアクチュエータ部74により構成される。
この様なハードディスク装置に、上記で記載された製造方法により製造された流体動圧軸受を用いて構成されたスピンドルモータ72用いることで、安価で最適寿命と安定性能を有するハードディスク装置を提供することができる。
流体動圧軸受を有するモータの構成図 実施例1に対応するオイル充填装置の構成図 実施例2に対応するオイル充填装置の構成図 オイル充填における軸受部周辺構造図 ハードディスク装置の模式図
符号の説明
1 ハブ
2 シャフト
3 スリーブ
8 テーパシール部
10 軸受ユニット
11 リング状部材
12、13、14 撥油膜
100 制御部
105 余圧室
110 真空容器
112 ニードルバルブ
113 オイル槽
115 オイル注入ノズル
120 排気手段
121 ロータリーポンプ
122 バルブ
123 リークバルブ
124 防塵フィルタ
125 気体導入機構
126 真空計
130 カメラ
140 オイル除去ノズル

Claims (11)

  1. 少なくともシャフトを含むシャフト部と、
    少なくともスリーブおよびスラストブッシュを含むスリーブ部とを有し、
    シャフト部とスリーブ部との間には、ラジアル軸受およびスラスト軸受、又は、ラジアル軸受若しくはスラスト軸受、を含む連続したオイル保持間隙が形成され、
    シャフト部とスリーブ部とは該オイル保持間隙を介して相対的に回転自在に配置され、
    該オイル保持間隙と大気に連通する空気との接触部分にはテーパシール部が形成されている流体動圧軸受、
    を製造するに際して、
    オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下の圧力に減圧し、前記流体動圧軸受のテーパシール部に第一量のオイルを注入する、第一の工程と、
    前記流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、前記テーパシール部に第二量のオイルを注入する、第二の工程と、
    前記流体動圧軸受の周囲環境を大気圧に復圧する、復圧工程が実行されるものであり、
    なおかつ、第二の工程は第一の工程の終了後に実行されるものであり、復圧工程は第二の工程の終了後に実行されるものであり、なおかつ、
    第二の工程は1回或いはそれ以上の回数実行されるものである、
    流体動圧軸受の製造方法。
  2. 少なくともシャフトを含むシャフト部と、
    少なくともスリーブおよびスラストブッシュを含むスリーブ部とを有し、
    シャフト部とスリーブ部との間には、ラジアル軸受およびスラスト軸受、又は、ラジアル軸受若しくはスラスト軸受、を含む連続したオイル保持間隙が形成され、
    シャフト部とスリーブ部とは該オイル保持間隙を介して相対的に回転自在に配置され、
    該オイル保持間隙と大気に連通する空気との接触部分にはテーパシール部が形成されている流体動圧軸受、
    を製造するに際して、
    オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を第一の気圧以下の圧力に減圧し、前記流体動圧軸受のテーパシール部に、第三量のオイルを注入する、第三の工程と、
    前記流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、前記テーパシール部から第四量のオイルを除去する、第四の工程と、
    前記流体動圧軸受の周囲環境を大気圧に復圧する、復圧工程が実行されるものであり、
    なおかつ、第四の工程は第三の工程の終了後に実行されるものであり、復圧工程は第四の工程の終了後に実行されるものである、
    流体動圧軸受の製造方法。
  3. 請求項1に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    前記第二の工程の終了後に、
    前記流体動圧軸受の周囲環境を直前の工程と同等の圧力に保つか、或いはより高い気圧に加圧し、前記テーパシール部から第四量のオイルを除去する、第四の工程が実行されるものであり、
    第四の工程は第二の工程の終了後に実行されるものであり、なおかつ、前記復圧工程は、該第四の工程の終了後に実行されるものである、
    流体動圧軸受の製造方法。
  4. 請求項1又は3に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    何れかの第二の工程に引き続いて、周囲環境の減圧が行われる、
    流体動圧軸受の製造方法。
  5. 請求項1又は3又は4に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    前記第一の工程に先立って、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を前記第一の気圧以下に減圧し、
    所定時間以上その状態を維持し、
    引き続いて前記第一の工程を実行する、
    流体動圧軸受の製造方法。
  6. 請求項2に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    前記第三の工程に先立って、オイル未充填の流体動圧軸受の周囲環境を前記第一の気圧以下に減圧し、
    所定時間以上その状態を維持し、
    引き続いて前記第三の工程を実行する、
    流体動圧軸受の製造方法。
  7. 請求項5又は6に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    前記第一の気圧は100Pa以下であり、前記所定時間は10秒以上である、
    流体動圧軸受の製造方法。
  8. 請求項1乃至7に記載の流体動圧軸受の製造方法において、
    前記スリーブの少なくとも一部は、含油可能な多孔質体から構成されている事を特徴とする、
    流体動圧軸受の製造方法。
  9. 回転部分を支持する軸受機構として、請求項1乃至8に記載の方法にて製造された流体動圧軸受機構を用いていることを特徴とする、スピンドルモータ。
  10. 記録媒体と、
    該記録媒体を回転駆動する請求項9に記載のスピンドルモータと、
    前記記録媒体に対して信号の記録及び読み出しを行う信号アクセス手段と、
    該信号アクセス手段を前記記録媒体の回転中心に対して半径方向に移動する位置決め手段と、
    を備えた信号記録再生装置。
  11. オイルと周囲空間との界面が微小間隙に位置するように構成された流体動圧軸受機構の製造装置であって、
    真空容器と
    真空容器内部を100Pa未満の気圧まで排気する能力を備えた排気手段と、
    真空容器内の圧力を提示する圧力計と、
    真空容器内部に気体を導入して少なくとも大気圧まで復圧させることの出来る気体導入機構と、
    オイル注入ノズルと、
    オイル注入ノズルに所定量のオイルを供給するオイル供給機構と、
    オイル注入ノズル位置決め機構と、
    オイル除去ノズルと、
    オイル除去ノズルからオイルを吸引するオイル吸引機構と、
    オイル除去ノズル位置決め機構と、
    制御機構と、
    を備え、
    少なくともオイル注入ノズル先端及びオイル除去ノズル先端は真空容器内部に設置されており、
    排気手段は排気力を調節可能であり、
    気体導入機構は気体の導入量を調節可能であり、
    オイル送出機構はオイルの送出量を調節可能であり、
    オイル吸引機構はオイルの吸引量を調節可能であり、
    更に、
    制御機構は、排気手段の排気動作、及び、気体導入機構の気体導入動作、及び、オイル送出機構のオイル送出動作、及び、オイル吸引機構のオイル吸引動作、について、少なくともその動作順序を制御するものであり、
    なおかつ、前記真空計が提示する圧力の値に応じて前記の制御を実行するものである、
    流体動圧軸受の製造装置。
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