JP2004278760A - オイル注入装置 - Google Patents

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Atsushi Ota
敦司 太田
Shinji Kinoshita
伸治 木下
Hiromitsu Goto
廣光 後藤
Ryoji Yoneyama
良治 米山
Toru Kumagai
徹 熊谷
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Seiko Instruments Inc
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Abstract

【課題】作業性が良好で、且つメンテナンスコストが低い片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を提供すること。
【解決手段】片袋型流体動圧軸受10が蓋部材13に気密に取付けられたオイル容器11は、水平に保持されている。L字型注入管14は、一端を蓋部材13のオイル注入用貫通路15に接続されてオイル容器11の内部に突出している。L字型注入管14の先端がオイルレベルから離れた排気位置において、オイル容器11の内部は真空ポンプ22によって排気され、これにより片袋型流体動圧軸受10の内部は真空状態となる。次に、制御装置はモータ27を駆動してオイル容器11を水平に保持しながら180度回転移動させ、L字型注入管14の先端部をオイル12内に没入させる。この注入位置において、前記制御装置はオイル容器11の内部を大気に解放させ、片袋型流体動圧軸受11の内部にL字型注入管14とオイル注入用貫通路15を介してオイルを注入させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空注入法によって片袋型流体動圧軸受にオイルを注入する装置に関する。ここに片袋型流体動圧軸受とは、シャフトとスリーブの2つの軸受構成部材とこれら軸受構成部材間に形成された微小隙間に注入されたオイルとで構成された流体動圧軸受であって、前記微小隙間へのオイル注入口が1つだけ備えられている流体動圧軸受のことである。
【0002】
【従来技術】
周知の如く、3.5インチ径ディスクを駆動するモータには転がり軸受が広く採用されてきた。ところが、2.5インチ径や1.0インチ径の如き小型ディスクを駆動する小型モータには、転がり軸受に代わって流体動圧軸受が採用されるようになってきた。
【0003】
前記流体動圧軸受は、例えば図5に示す如く、回転軸受部材であるフランジ付シャフト1と、固定軸受部材である段付有底スリーブ4と、環状蓋部材であるスラスト押え板5と、これら部材によって形成された微小隙間に注入された潤滑油とから構成されている。
【0004】
フランジ付シャフト1は、円柱部12と環状フランジ部3が一体に形成された部材である。フランジ付シャフト1の円柱部2の下部はラジアル動圧軸受用円柱部であり、その外周面にはラジアル動圧発生溝G1が形成されている。また、フランジ付シャフト1の円柱部2の上部はロータ取付用円柱部であり、その先端には小径のロータハブ取付け用円柱部が形成されている。
【0005】
フランジ付シャフト1の環状フランジ部3は円盤状スラスト板として機能するもので、その上面と下面にはスラスト動圧発生溝がそれぞれ形成されている。
【0006】
段付有底スリーブ4は、小径の下部円筒部と大径の上部円筒部とを有する。上部円筒部の上端部には更に大きな内径の開口部が形成されている。この開口部はスラスト押え板5が気密に嵌め込まれ、これによって段付有底スリーブ4の開口部はスラスト押え板5によって気密に封止される。小径の下部円筒部と大径の上部円筒部との境界には、上部円筒部の底部となる環状段部が形成されている。
【0007】
フランジ付シャフト1と段付有底スリーブ4とスラスト押え板5との間には、円筒状微小隙間R1、円環状微小隙間R2、微小隙間R3、円環状微小隙間R4、円筒状微小隙間R5、及び円盤状微小隙間R6が形成されている。微小隙間R1〜R6は、図5において誇張して示されているが、小型薄型のモータに用いられている小型薄型の流体動圧軸受においては10〜数10μである。なお、オイル溜として機能する微小隙間R3とR6は、他の微小隙間よりは広くされている。これらの微小隙間には、円筒状微小隙間R1の円環状開口から、真空注入法で潤滑オイルが注入されている。
【0008】
スラスト押え板5の内周面は、外側に広がったテーパー面とされている。従って、スラスト押え板5の内周面と円柱部2の上部外周面との間に形成されている微小隙間R1は、断面が軸受内部から軸受外部に向かって広がったテーパー隙間となっている。これによって、毛細管現象と表面張力によって潤滑油が軸受の外に漏出しないように機能するキャピラリーシール部Sを形成している。また、円筒状微小隙間R3はスラスト動圧軸受用のオイル溜であり、円盤状微小隙間R6はラジアル動圧軸受用のオイル溜である。
【0009】
上述の如く、図5に示す片袋型流体動圧軸受は、フランジ付シャフト1と段付有底スリーブ4と環状蓋部材であるスラスト押え板5から構成され、これら構成部材間に形成された複数の微小隙間R1〜R6が連通された微小隙間に注入された潤滑用のオイルとから構成されたものである。そして、前記微小隙間は微小隙間R1の大気への開口を唯一の開口とする片袋型微小隙間である。従って、片袋型流体動圧軸受のオイル注入口は、微小隙間R1の大気への開口だけである。このような片袋型微小隙間を有する片袋型流体動圧軸受にオイルを注入することは容易ではないが、米国特許第5601125号公報(特許文献1)、 米国特許第5862841号公報(特許文献2)、米国特許第5894868号公報(特許文献3)等に開示されている真空注入法の如き、いくつかの注入方法が既に開発されている。
【0010】
このような片袋型流体動圧軸受にオイルを注入する真空注入法による従来のオイル注入装置は、図4に示す如く、オイル12が所定レベルまで貯えられたオイル容器11と、オイル注入用貫通路15と吸排気用貫通路17が形成された蓋部材13と、一端が蓋部材13の裏面に且つ他端がオイル容器11の開口にそれぞれ気密にして固着されたベローズ11aと、一端がオイル注入用貫通路15に固着され且つ他端がオイル容器11内に真直ぐ突出したL字型注入管14と、一端が蓋部材13の吸排気用貫通路17の一端に固着され且つ他端がオイル容器11内に真直ぐ突出した吸排気管16と、蓋部材13の吸排気用貫通路17の他端に接続された吸排気装置と、L字型注入管14の他端がオイルレベルから離れた排気位置(図4(A))からオイル内に没入した注入位置(図4(B))になるようにオイル容器11を垂直に移動させる移動装置と、オイル12を注入すべき片袋型流体動圧軸受10をオイル注入口側の面をOリング25に着座させて蓋部材13に固定する軸受固定手段とから構成されている。
【0011】
前記吸排気装置は、真空ポンプ22と、吸排気管18、20、21と、バルブ23、24とで構成されている。前記移動装置は、ステッピングモータ27とオイル容器保持具28とから構成されている。更に、前記軸受固定手段は、蓋部材25を保持している図示しない保持装置の一部として構成されている。
【0012】
真空注入法による従来のオイル注入装置によるオイル注入作業は次ぎの通りである。先ず、L字型注入管14の先端がオイル容器11内のオイルレベルから離れた排気位置(図4(A))において、図示しない制御装置がバルブ23を開き且つバルブ24を閉じ、真空ポンプ22を起動させる。すると、オイル容器11の内部は吸排気用貫通路17、吸排気管16と21を含む吸排気通路を介して排気され、同時に片袋型流体動圧10の内部も排気されて真空状態となる。次ぎに、この状態で、上記制御装置は、上記移動装置を駆動してオイル容器11を注入位置(図4(B))に移動させ、L字型注入管14の先端がオイル容器11内のオイル12内に没入させる。次に、上記制御装置は、バルブ23を閉じ且つバルブ24を開く。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、吸排気用貫通路17、吸排気管16と21を含む吸排気通路を介して大気圧になる。すると、このオイル容器内の大気圧によって、片袋型流体動圧軸受10内にはL字型注入管14とオイル注入用貫通路15を含むオイル注入通路を介してオイル12が注入される。
【0013】
ところで、上述の従来オイル注入装置は、オイル容器を上下移動させるためにベローズの如き伸縮可動部を備えるものである。このベローズはゴム材で形成されているので、高真空になると変形し易い。このベローズが変形すれば、高い真空度を精度よく維持することが困難で、耐久性が低い。このため、精度を維持するために、ベローズを頻繁に交換しなければならないという問題があった。要するに、上述の従来オイル注入装置は、作業性が悪く、メンテナンスコストを高めるという問題があった。
【0014】
【特許文献1】米国特許第5601125号公報
【特許文献2】米国特許第5862841号公報
【特許文献3】米国特許第5894868号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、作業性が良好で、且つメンテナンスコストが低い真空注入法による片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、真空注入法によって片袋型流体動圧軸受にオイルを注入するオイル注入装置において、前記片袋型流体動圧軸受が気密に当接し固定されたオイル容器を水平の排気位置から水平の注入位置に回転移動させるようにした。
【0017】
即ち、上記課題を解決する第1の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置を、
オイル注入用貫通路と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、オイルが所定レベルまで貯えられて前記蓋部材で封止され且つ水平に保持されたオイル容器と、前記オイル注入用貫通路に一端が接続され前記オイル容器内に突出したL字型注入管と、前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、前記オイル容器を水平の排気位置から水平の注入位置に移動させる回転移動装置と、オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段で構成した。
【0018】
また、上記課題を解決するために、真空注入法によって片袋型流体動圧軸受にオイルを注入するオイル注入装置において、オイル容器内に蓋部材から突出して配置されている注入管をL字型注入管とし、前記片袋型流体動圧軸受が気密に当接し固定されたオイル容器を水平に保持したまま、前記L字型注入管を排気位置から注入位置に回転移動させるようにした。
【0019】
即ち、上記課題を解決する第2の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置を、注入管貫通孔と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、オイルが所定レベルまで貯えられ、前記蓋部材で封止され、更に水平に保持されたオイル容器と、気密性を保持しながら前記注入管貫通孔に回転可能に貫通し、前記オイル容器内に突出したL字型注入管と、前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、前記L字型注入管を排気位置から注入位置に移動させる回転移動装置と、オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段とで構成した。
【0020】
更にまた、上記課題を解決するために、真空注入法によって片袋型流体動圧軸受にオイルを注入するオイル注入装置において、前記片袋型流体動圧軸受が気密に当接し固定されたオイル容器を水平に保持しながら静止状態で排気した後に、所定速度で回転させ、内部に貯えられているオイルを遠心力で蓋側に保持して前記オイル容器の蓋部材に形成されているオイル注入用貫通路の開口をオイル内に没入させ、オイル容器を回転させながらオイルを注入させるようにした。
【0021】
即ち、上記課題を解決する第3の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置を、オイル注入用貫通路と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、オイルが所定レベルまで貯えられ、前記蓋部材で封止され、更に水平に保持されたオイル容器と、
前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、排気時には前記オイル容器を水平の静止位置に保持し、且つ注入時には前記オイル容器を水平に保持しながら所定速度で回転させ内部に貯えられているオイルを遠心力で蓋側に保持して前記オイル注入用管通路の開口をオイル内に没入させる回転装置と、オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段とで構成した。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、水平に保持されて排気位置から注入位置に回転移動させられるオイル容器11と、蓋部材13からオイル容器11内に突出して配置されているL字型注入管14を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
即ち、第1実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、図1に示す如く、オイル12が所定レベルまで貯えられたオイル容器11と、表面から裏面に貫通するオイル注入用貫通路15及び側面から裏面に貫通する吸排気用貫通路17とを有する蓋部材13と、一端がオイル注入用貫通路15の一端に接続されてオイル容器11内に突出して配置されたL字型注入管14と、一端が蓋部材13の吸排気用貫通路17の一端に接続されてオイル容器11内に真直ぐ突出して配置された吸排気管16とを有する。
【0024】
更に、第1実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、蓋部材13の吸排気用貫通路17の他端に接続された吸排気装置と、オイル容器11の回転移動装置と、オイル12を注入すべき片袋型流体動圧軸受10をオイル注入口側の面をOリング25に着座させて蓋部材13に固定する軸受固定具26とから構成されている。
【0025】
前記吸排気装置は、真空ポンプ22と、吸排気管18、20、21と、バルブ23、24とで構成されている。前記回転移動装置は、L字型注入管14の先端がオイルレベルから離れた排気位置(図1(A))からオイル内に没入した注入位置(図1(B))になるようにオイル容器11を水平に保持しながら回転させるもので、モータ27とオイル容器保持具28とから構成されている。
【0026】
本発明の第1実施形態のオイル注入装置によるオイル注入作業は、次の通りである。先ず、L字型注入管14の先端がオイル容器11内のオイルレベルから離れた排気位置(図1(A))において、図示しない制御装置がバルブ23を開き且つバルブ24を閉じ、真空ポンプ22を起動させる。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、18、20を含む吸排気通路を介して排気され、同時に、片袋型流体動圧軸受10の内部も排気されて真空状態となる。
【0027】
次に、制御装置は、モータ27を駆動してオイル容器11を注入位置(図1(B))に回転移動させ、L字型注入管14の先端をオイル容器11内のオイル12内に没入させ、モータ27を停止させる。
【0028】
続いて、上記制御装置は、バルブ23を閉じ且つバルブ24を開く。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、18、21を含む吸排気通路を介して大気と連通し、大気圧になる。すると、オイル容器11の内部は大気に解放され、片袋型流体動圧軸受10の内部にはL字型注入管14とオイル注入用貫通路15を介してオイル容器11のオイル12が注入される。
【0029】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、水平に保持されたオイル容器11と、蓋部材13に形成されている注入管貫通孔31を気密性を保持しながら回転可能に貫通してオイル容器11内に突出したL字型注入管14であって排気位置から注入位置に回転移動させられるL字型注入管14とを備えたことを特徴とするものである。
【0030】
即ち、第2実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、図2に示す 如く、オイル12が所定レベルまで貯えられたオイル容器11と、表面から裏面に貫通する注入管貫通孔31及び側面から裏面に貫通する吸排気用貫通路17とを有する蓋部材30と、気密性を保持しながら注入管貫通孔31を回転可能に貫通しオイル容器11内に突出したL字型注入管14と、一端が蓋部材13の吸排気用貫通路17の一端に接続されてオイル容器11内に真直ぐ突出して配置された吸排気管16とを有する。
【0031】
更に、第2実施形態の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置は、蓋部材30の吸排気用貫通路17の他端に接続された吸排気装置と、L字型注入管14の回転移動装置と、オイル12を注入すべき片袋型流体動圧軸受10をオイル注入口側の面をOリング25に着座させて蓋部材13に固定する軸受固定具26とから構成されている。
【0032】
前記吸排気装置は、真空ポンプ22と、吸排気管18、20、21と、バルブ23、24とで構成されている。前記回転移動装置は、L字型注入管14の先端がオイルレベルから離れた排気位置(図1(A))からオイル内に没入した注入位置(図1(B))になるようにL字型注入管14を回転させるものである。図2では、前記回転移動装置として手動で操作される手動回転用円板35が採用されている。手動回転用円板35は、蓋部材30に形成された隙間34に配置され、L字型注入管14に同軸にして固着されている。なお、前記回転移動装置としては、モータを用いた回転移動装置も可能である。また、注入管貫通孔31に配置されているOリング32と33は、気密性を保持しながらL字型注入管14を回転可能にするための部材である。
【0033】
本発明の第2実施形態のオイル注入装置によるオイル注入作業は、次の通りである。先ず、L字型注入管14の先端がオイル容器11内のオイルレベルから離れた排気位置(図2(A))において、図示しない制御装置がバルブ23を開き且つバルブ24を閉じ、真空ポンプ22を起動させる。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、18、20を含む吸排気通路を介して排気され、同時に、片袋型流体動圧軸受10の内部も排気されて真空状態となる。
【0034】
次に、作業員は手動回転用円板35を操作してL字型注入管14を注入位置(図2(B))まで回転移動させ、その先端をオイル容器11のオイル12内に没入させ、モータ27を停止させる。
【0035】
続いて、上記制御装置は、バルブ23を閉じ且つバルブ24を開く。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、吸排気用貫通路17、吸排気管18と21を含む吸排気通路を介して大気と連通し、大気圧になる。すると、片袋型流体動圧軸受10の内部にはL字型注入管14とオイル注入用貫通路15を含むオイル注入通路を介してオイル容器11内のオイルが注入される。
【0036】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、片袋型流体動圧軸受10が気密に当接し固定されたオイル容器11を水平に保持しながら静止状態で排気した後に、所定速度で回転させ、貯えられているオイルを遠心力で蓋側に保持してオイル容器11の蓋部材13に形成されているオイル注入用貫通路15の開口をオイル12内に没入させ、オイル容器11を回転させながらオイルを注入させるようにしたことを特徴とするものである。
【0037】
即ち、第3実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置は、図3に示す如く、オイル12が所定レベルまで貯えられたオイル容器11と、表面から裏面に貫通するオイル注入用貫通路15及び側面から裏面に貫通する吸排気用貫通路17とを有する蓋部材13と、一端が蓋部材13の吸排気用貫通路17の一端に接続されてオイル容器11内に真直ぐ突出して配置された吸排気管16とを有する。
【0038】
更に、第3実施形態の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置は、蓋部材13の吸排気用貫通路17の他端に接続された吸排気装置と、オイル容器11の回転装置と、オイル12を注入すべき片袋型流体動圧軸受10をオイル注入口側の面をOリング25に着座させて蓋部材13に固定する軸受固定具26とを有する。
【0039】
前記吸排気装置は、真空ポンプ22と、吸排気管18、20、21と、管継ぎ手19と、バルブ23、24とで構成されている。
【0040】
オイル容器11を所定速度で回転させながらオイルを注入することを特徴とする第3実施形態の片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置において、管継ぎ手19は、オイル容器11を所定速度で回転可能にして固定の吸排気装置に接続するものである。
【0041】
前記回転装置は、モータ27とオイル容器保持具28とから構成されている。また、前記軸受固定具26は、図示しない保持装置の一部として構成されている。
【0042】
本発明の第3実施形態のオイル注入装置によるオイル注入作業は、次の通りである。先ず、オイル注入用貫通路15の先端と吸排気管16の先端がオイルレベルから離れた排気位置(図3(A))において、オイル容器11は水平の静止状態に保持されている。この状態で、図示しない制御装置がバルブ23を開き且つバルブ24を閉じ、真空ポンプ22を起動させる。すると、オイル容器11の内部は吸排気管16、吸排気用貫通路17、吸排気管18と20を含む吸排気通路を介して排気され、同時に、片袋型流体動圧軸受10の内部も排気されて真空状態となる。
【0043】
次に、上記制御装置は、モータ27を駆動してオイル容器11を所定速度で回転させる。この回転は片袋型流体動圧軸受10が外側で且つオイル容器11が内側となる回転であって、その回転軸はオイル容器11の底部付近になるように設定されている。この所定速度の回転によってオイル容器11の内部に貯えられているオイル12は遠心力でオイル容器11の蓋側に移動させられて、図3(B)に示す如くとなり、オイル注入用貫通路15の開口はオイル12内に没入させられる。
【0044】
続いて、上記制御装置はオイル容器11を所定速度で回転させながら、バルブ23を閉じ且つバルブ24を開き、吸排気管16、吸排気用貫通路17、吸排気管18と21を含む吸排気通路を介してオイル容器11の内部を大気と連通させる。すると、オイル容器11の内部は大気に解放され、片袋型流体動圧軸受10の内部にはオイル注入用貫通路15を介してオイル容器11内のオイルが注入される。オイルの注入が終わると、上記制御装置はモータ27の回転を停止させる。このようにして、真空圧による注入に遠心力による注入が加わり、片袋型流体動圧軸受10の内部へのオイル注入は迅速に行われる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、オイルが貯えられたオイル容器を上下に移動させるのではなく、回転させて排気位置からオイル注入位置に移動させるという独創的な発想に基づいた片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置である。従来のオイル注入装置に用いられているベローズの如き可動部品を必要としないので、作業性が良好で、且つメンテナンスコストが低い片袋型流体動圧軸受用のオイル注入装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を模式的に示した断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を模式的に示した断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を模式的に示した断面図である。
【図4】従来の片袋型流体動圧軸受用オイル注入装置を模式的に示した断面図である。
【図5】微小隙間を誇張して示した片袋型流体動圧軸受の断面図である。
【符号の説明】
1 フランジ付シャフト
2 円柱部
3 環状フランジ部
4 段付有底スリーブ
5 スラスト押え板
10 片袋型流体動圧軸受
11 オイル容器
11a ベローズ部
12 オイル
13 蓋部材
14 注入管
15 オイル注入用貫通路
16、18、20、21 吸排気管
17 吸排気用貫通路
19 管継ぎ手
22 真空ポンプ
23、24 バルブ
25 Oリング
26 流体動圧固定装置
27 駆動装置
28 オイル容器保持具
29 位置センサ
30 蓋部材
31 注入管管通孔
32、33 Oリング
34 隙間
35 手動回転用円板

Claims (6)

  1. オイル注入用貫通路と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、
    オイルが所定レベルまで貯えられ、前記蓋部材で封止され、更に水平に保持されたオイル容器と、
    前記オイル注入用貫通路に一端が接続され前記オイル容器内に突出したL字型注入管と、
    前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、
    前記オイル容器を水平の排気位置から水平の注入位置に移動させる回転移動装置と、
    オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段とから構成されたオイル注入装置であって、
    片袋型流体動圧軸受を前記軸受固定手段によって前記蓋部材に固定し、前記排気位置において前記吸排気装置によって前記片袋型流体動圧軸受の内部を排気して真空状態にし、続いて前記注入位置において前記吸排気管を大気に解放して前記片袋型流体動圧軸受の内部にオイルを注入するようにしたオイル注入装置。
  2. 注入管貫通孔と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、
    オイルが所定レベルまで貯えられ、前記蓋部材で封止され、更に水平に保持されたオイル容器と、
    気密性を保持しながら前記注入管貫通孔を回転可能に貫通し、前記オイル容器内に突出したL字型注入管と、
    前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、
    前記L字型注入管を排気位置から注入位置に移動させる回転移動装置と、
    オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段とから構成されたオイル注入装置であって、
    片袋型流体動圧軸受を前記軸受固定手段によって前記蓋部材に固定し、前記排気位置において前記吸排気装置によって前記片袋型流体動圧軸受の内部を排気して真空状態にし、続いて前記注入位置において前記吸排気管を大気に解放して前記片袋型流体動圧軸受の内部にオイルを注入するようにしたオイル注入装置。
  3. オイル注入用貫通路と吸排気用貫通路が形成された蓋部材と、
    オイルが所定レベルまで貯えられ、前記蓋部材で封止され、更に水平に保持されたオイル容器と、
    前記吸排気用貫通路に接続された吸排気装置と、
    排気時には前記オイル容器を水平の静止位置に保持し、且つ注入時には前記オイル容器を水平に保持しながら所定速度で回転させ内部に貯えられているオイルを遠心力で蓋側に保持して前記オイル注入用管通路の開口をオイル内に没入させる回転装置と、
    オイルを注入すべき片袋型流体動圧軸受を気密に当接して前記蓋部材に固定する軸受固定手段とから構成されたオイル注入装置であって、
    片袋型流体動圧軸受を前記軸受固定手段によって前記蓋部材に固定し、排気位置において前記吸排気装置によって前記オイル容器の内部を排気して前記片袋型流体動圧軸受の内部を真空状態にし、続いて注入位置において前記オイル容器の内部を大気に解放し前記片袋型流体動圧軸受の内部にオイルを注入するようにしたオイル注入装置。
  4. 前記回転移動装置はモータであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオイル注入装置。
  5. 前記回転移動装置は手動装置であることを特徴とする請求項2に記載のオイル注入装置。
  6. 前記回転装置はモータであることを特徴とする請求項3に記載のオイル注入装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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CN106523886A (zh) * 2016-11-04 2017-03-22 王君 一种定时出油的机油回收装置
CN106523885A (zh) * 2016-11-04 2017-03-22 王君 一种减少挥发的机油回收装置
CN106567989A (zh) * 2016-11-04 2017-04-19 王君 一种过滤机油的机油回收装置

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