JP2005097454A - 切削液及び切削液供給装置 - Google Patents

切削液及び切削液供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 人体や環境に有害な界面活性剤や乳化剤などを用いることなく、水に油を分散、乳化させた切削液と、その切削液を生成すると共に、殺菌剤を用いることなく腐敗を抑制することができ、長期に亘って切削液を循環再利用することのできる切削液供給装置を提供する。
【解決手段】 界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、超音波の発振子15を用いて、水に油を分散、乳化した切削液2を生成する切削液生成手段3と、切削液生成手段3で生成された切削液2を貯蔵する貯蔵手段4と、貯蔵手段4に貯蔵された切削液2を工作機械5の切削加工部位に供給する供給手段と、供給手段により工作機械5の切削加工部位に供給した切削液2を貯蔵手段4に戻す切削液戻り手段7とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、工作機械の切削加工に用いられる切削液、及び切削液生成して切削液をタンクや工作機械の切削加工部に供給する切削液供給装置に関するものである。
近年、工作機械の切削加工に用いられる切削液として、水の中に、界面活性剤や乳化剤などを用いて油を分散させて乳化したエマルションタイプの切削液が多く用いられている。このタイプの切削液は、多くの水を含んでいることから、切削加工時における切削熱に対して切削工具などを充分に冷却することができる他、油を主体とした切削液に比べて切削熱による油の発火を抑え、火災の発生を防止することができるものである。
また、使用済みの切削液の廃棄処理などの問題から、切削液の使用量を少なくすることで問題解決を図ったものとして、切削液を霧状の油脂ミストとして切削加工部に吹き付けるMQLなども知られている。
本願出願人は、上記の従来技術が記載されている文献を特に知見していない。
しかしながら、従来のエマルションタイプの切削液では、水に油を分散させるために、界面活性剤や乳化剤などを用いており、作業者などに、これら添加剤やそれらを含んだ切削液などが付着すると、肌荒れなどを起こし、作業者すなわち人体に悪影響を及ぼしており、人体にとって有害な物質が含まれていた。
また、使用済みの切削液は、界面活性剤や乳化剤などを含んでいることから、容易に水と油とに分離することができず、酸などを添加する化学的な方法や、電極を用いて電気的に分離させる方法などにより、環境に負荷がかからない程度にまで処理したのちに廃棄処分されており、切削液の廃棄処理に手間がかかる上にコストもかかり、環境に配慮したものとは言えなかった。
そこで、使用した切削液から切粉などをろ過してタンクなどに蓄えて再び切削液として再利用する循環型の切削液供給装置が提案されているが、油に切削性の高い植物性油脂を用いている場合、細菌などの微生物により切削液が腐敗してしまうため、切削液に殺菌剤などを更に添加する必要があり、切削液が更に人体にとって有害なものとなっていた。また、この切削液を最終的に処分する場合、その廃棄処理に更に手間やコストがかかっていた。
一方、油脂ミストを用いた場合、使用する切削液の量を劇的に少なくすることができるので、使用済みの切削液が少なくなり、廃棄処理の手間やコストを抑えることができる。しかしながら、切削液の量が減少することにより、切削工具などに接触する切削液の量も減少してしまい、切削熱を充分に冷却することができなかったり、切削した切粉が加工面などに残ることで、切削面の面粗度が悪くなるなど、充分な切削性能が得られていないのが実状であった。
そこで、本発明は上記の実状に鑑み、人体や環境に有害な界面活性剤や乳化剤などを用いることなく、水に油を分散、乳化させた切削液と、その切削液を生成すると共に、殺菌剤を用いることなく腐敗を抑制することができ、長期に亘って切削液を循環再利用することのできる切削液供給装置を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明に係る切削液は、「界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化させてなる」構成とするものである。ここで、「物理的手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「液体中で回転子を回転駆動させることで液体を混合撹拌するもの」、「スタティックミキサなどの管路撹拌装置を用いるもの」、「超音波による振動を液体に作用させるもの」、などを例示することができる。
また、「水」としては、通常の水道水や井戸水の他、それらの水に弱アルカリ性を示し人体や環境に無害な薬剤を添加したものや、アルカリイオン水などとすることもできる。さらに、「油」としては、植物性油脂や鉱物油の他に、合成油脂などを用いてもよい。
本発明によると、物理的手段を用いて、界面活性剤や乳化剤を用いずに水に油を分散、乳化させたもので、これにより、従来のエマルションタイプの切削液と同等の切削性能を維持しつつ、切削液に界面活性剤や乳化剤などの人体に有害な物質が含まれていないので、切削液などが人体に付着しても、肌荒れなど悪影響を及ぼすことが無く、人体に無害であり、安心して切削液を取り扱うことができる。
また、物理的手段により水に油が分散しているだけなので、例えば、所定時間以上静置したり、切削液内に空気などを送って曝気(バブリング)したりすることで、水と油とを容易に分離することができ、水は下水道で処理し、残った油のみを廃棄処理すれば良いので、処理に係る手間やコストを可及的に少なくすることができる。また、界面活性剤や乳化剤などの有害な物質が含まれていないので、廃棄処理が容易になると共に環境に与える負荷も少ないものとすることができる。
更に、油脂ミストを用いた場合に比べ、切削加工時に充分な水の量を得ることができるので、切削熱を充分に冷却することができると共に、切粉を加工面から洗い流すことができ、充分な切削性能を得ることができる。なお、弱アルカリ性の水を用いた場合、切削液に機械や部品などの防錆作用を持たせることができる。
本発明に係る切削液は、上記の構成に加えて、「前記物理的手段は、超音波である」構成とすることもできる。ここで、超音波を用いることで、水中における油の平均粒径が、1〜9μmとなり、粒径が非常に小さい粒子となることで水のブラウン運動により長期間分散が維持される。また、水と油との比は、油の割合が、1〜25質量%であり、望ましくは5〜10質量%である。下限値については、これよりも油の割合が少ないと切削液としての潤滑性を維持することができなくなる。また、上限値については、これよりも油の割合を多くすると、水に分散されずに水と分離してしまう油が発生するからである。
本発明によると、超音波による微細振動を用いて水に油を分散させることで、分散している油の粒子をスタティックミキサなどを用いた場合よりもさらに細かい粒子とすることができ、水と油とが分離し難くなる。そのため、超音波の照射を常時行う必要が無く、間歇的に必要な時間だけ行えばよく、油の分散、乳化に係るコストを抑えることができる。
また、油の粒子を非常に小さくすることができるので、より多くの油を水に分散させることができるようになり、従来の界面活性剤などを用いた場合、油の割合は4〜6質量%であり、10質量%以上油を分散させることはできなかったのに対し、本発明では、油の割合を25質量%ぐらいまで増やすことができる。これにより、切削条件に応じて切削液の特性を変化させることができる。例えば、重切削の場合は、油の割合を10〜20質量%と増やして潤滑性を高めた切削液とすることもでき、切削条件に合わせた水と油との比率が最適な切削液とすることができる。なお、重切削の場合、極圧添加剤を添加しても良く、極圧添加剤として塩素系のものは切削液を廃棄処分する際に有害物質が発生するので、二硫化モリブデンなどの硫黄系極圧添加剤を用いるのが望ましい。
さらに、超音波を用いることで、効果の及ぶ範囲は限定的ながら切削液中の微生物が超音波の微細振動による衝撃で破壊され死滅するので、切削液中で微生物などが繁殖して切削液が腐敗することが抑制される。また、殺菌剤を用いる必要が無いので、切削液は無害であり、人体或いは環境に対して安心して使用することができる。
本発明に係る切削液は、上記の構成に加えて、「前記油は、植物性油脂である」構成とすることもできる。ここで、「植物性油脂」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「菜種油」、「ごま油」、「紅花油」、「ひまし油」、「大豆油」、等を例示することができ、植物由来の油であれば特に限定するものではない。また、生分解性油でもよい。
本発明によると、切削液に植物性油脂を用いたもので、これにより、切削液の性能を鉱物油を用いたものよりも、より高いものとすることができる。また、切削液を廃棄処分する際に、水と分離した後に、油はてんぷら油と同様の成分であるので、一般家庭などで用いられているてんぷら油用の油脂凝固剤で固めた上で焼却ゴミとすることができる他、分離した油をメチルエステル化してバイオディーゼル油としてリサイクルすることもでき、環境に与える影響を可及的に少なくすることができる。なお、植物性油脂として菜種油を用いた場合、他の油脂に比べ安価に入手できると共に、切削性を向上させることができる。また、切削液を人体や環境に無害なものとすることができる。
本発明に係る切削液供給装置は、「界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化した切削液を生成する切削液生成手段を備える」構成とするものである。
本発明によると、切削液供給装置に、物理的手段によって界面活性剤や乳化剤を用いずに水に油を分散、乳化させた切削液を生成する切削液生成手段を備えたもので、これにより、切削液を蓄えるタンクなどの貯蔵手段や、工作機械の切削加工部に、本発明の切削液を供給することができる。なお、本発明の切削液供給装置を、従来のエマルションタイプの切削液を用いた切削液供給装置に追加してもよく、この場合、装置構成を安価に構築することができる。
本発明に係る切削液供給装置は、上記の構成に加えて、「前記切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段から貯蔵された液体を再乳化させるために前記切削液生成手段に送給する送給手段と、前記切削液生成手段で生成された前記切削液を前記貯蔵手段に導く導入路とをさらに備える」構成とすることもできる。
ここで、「送給手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、「貯蔵手段に貯蔵された液体を工作機械の切削加工部位に供給する供給路を分岐させて送給するもの」、「貯蔵手段から別途ポンプなどにより液体を送給するもの」、などを例示することができる。
ところで、界面活性剤や乳化剤を用いずに水に油を分散、乳化させた切削液の場合、従来のエマルションタイプの切削液と同様に、切削液生成手段を切削液供給装置とは別途に備えて、切削液を例えばタンクなどに蓄えて使用することが考えられるが、この場合、長期間切削液を蓄えておくことで水と油とが分離してしまう恐れがあった。
本発明によると、送給手段を備えたことにより、貯蔵手段に貯蔵された液体を切削液生成手段に送って再乳化させることができるので、貯蔵手段に貯蔵された切削液を常に最適な状態に維持することができる。また、貯蔵手段内で微生物などが発生しても再乳化により破壊することができるので、微生物の繁殖を防止することができる。なお、再乳化は、常時行うようにしてもよいし、間歇的に行うようにしてもよい。
また、切削液生成手段で生成、或いは、再乳化した切削液を導入路を介して貯蔵手段に導くようにしており、これにより、切削液生成手段において切削液の濃度にばらつきがあっても、貯蔵手段において濃度が均一化されるので、安定した濃度の切削液とすることができる。
本発明に係る切削液供給装置は、上記の構成に加えて、「前記送給手段は、前記切削液を工作機械の切削加工部に供給する供給路上から分岐し前記切削液生成手段に接続される供給分岐路、及び、前記貯蔵手段において乳化が解消された液体を回収し前記切削液生成手段に送給する回収送給手段、の少なくとも一方を備える」構成とすることもできる。
本発明によると、供給分岐路とした場合、工作機械への切削液の供給に係る設備を用いることができるので、新たに送給するためのポンプなどを備える必要がなく装置に係るコストを低く抑えることができる。なお、供給分岐路に開閉弁や切替弁を備えても良い。
また、回収送給手段とした場合、経時変化などにより分離してしまった、水と油とを回収して、再乳化することができるので、切削液を更に最適な状態に維持することができる。なお、一般に油は水に浮くので、水面近くの液体も回収するようにすることが望ましい。また、供給分岐路及び回収送給手段を併用することが望ましく、これにより、切削液の生成及び再乳化を良好に行うことができる。
本発明に係る切削液供給装置は、上記の構成に加えて、「前記切削液生成手段は、該切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段に備えられる」構成とすることもできる。
本発明によると、切削液生成手段を貯蔵手段に備えることで、切削液の原料となる水や油などを貯蔵手段に供給するだけで切削液を生成することができる。また、切削液生成手段と貯蔵手段とを連結する配管などを設ける必要が無いので、装置のコストを低く抑えることができる。なお、切削液生成手段としては、貯蔵手段に貯蔵された液体に直接物理的手段が作用するようにすることが望ましい。
本発明に係る切削液供給装置は、「界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化した切削液を生成する切削液生成手段と、該切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段と、該貯蔵手段に貯蔵された前記切削液を工作機械の切削加工部に供給する供給手段と、該供給手段により工作機械の切削加工部に供給した前記切削液を前記貯蔵手段に戻す切削液戻り手段とを備える」構成とするものである。
本発明によると、上記と同様の作用効果を奏することができ、人体や環境に配慮した切削液を用いて工作機械において切削加工をすることができる。
上記のように、本発明によると、人体や環境に有害な界面活性剤や乳化剤などを用いることなく、水に油を分散、乳化させた切削液と、その切削液を生成すると共に、殺菌剤を用いることなく腐敗を抑制することができ、長期に亘って切削液を循環再利用することのできる切削液供給装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図1を基に詳細に説明する。図1(A)は本発明における切削液供給装置を概略構成で示す回路図であり、(B)は切削液生成手段の概略構成を示す図である。図1(A)に示すように、切削液供給装置1は、切削液2を生成する切削液生成手段3と、切削液2を貯蔵する貯蔵手段4と、貯蔵手段4に貯蔵された切削液2を工作機械5に供給するポンプ6と、工作機械5に供給された切削液2を貯蔵手段4に戻す切削液戻り手段7とを備えている。
本例の切削液2は、水に油を5〜10質量%分散、乳化させたもので、後述の切削液生成手段3の超音波発振子からの作用により、水に油が分散させられ、乳化した切削液2が生成される。この切削液2の水は通常の水道水であり、また油は菜種油を用いている。
切削液生成手段3には、工作機械5へと切削液2を供給する供給路8の途中から分岐した供給分岐路9が接続されており、ポンプ6からの切削液2の一部が切削液生成手段3に送られるようになっている。また、切削液生成手段3は、貯蔵手段4内の切削液2の液面近傍に設けられた浮上油回収口10と回収路11を介して接続されると共に、回収路11上に設けられたポンプ12により浮上油が切削液生成手段3に送られるようになっている。本例では、浮上油回収口10、回収路11及びポンプ12が回収送給手段に相当すると共に、回収送給手段及び供給分岐路9が送給手段に相当している。さらに、切削液生成手段3には、貯蔵手段4の底部近傍で開口する導入路13が接続されており、切削液生成手段3で生成された切削液2が導入路13を介して貯蔵手段4に導かれるようになっている。
本例では、供給路8と供給分岐路9との分岐点に、切替弁21が備えられており、この切替弁21によりポンプ6からの供給を、工作機械5側、切削液生成手段3側、或いは両方へ切替えることができるようになっている。なお、本例のポンプ6及び供給路8は、本発明の供給手段に相当している。
本例の切削液生成手段3は、図1(B)に詳しく示すように、筒状の本体部14を有し、本体部14の中央付近には、本体部14の内部へと突出する発振子15が設けられており、この発振子15は超音波により微細振動するものである。本体部14の一次側(図面上上側)には、供給分岐路9と接続する接続部16が備えられていると共に、本体部14の二次側(図面上下側)には、導入路13と接続する接続部17が備えられている。また、本体部14には、発振子15の近傍に回収路11と接続する接続部18がさらに備えられている。なお、これら接続部16,17,18は、公知の配管接続が用いられている。
この切削液生成手段3は、接続部16,18から、すなわち供給分岐路9及び回収路11から送られた液体が本体部14の内部において発振子15の微細振動により撹拌されることで、水に油が分散されて乳化し、切削液2が生成される。なお、分離した浮上油を発振子15の近傍に供給することで、油が水に分散し易いようにしている。
本例の切削液供給装置1は、図1(A)に示すように、ブロア19と、ブロア19と接続され貯蔵手段4の底部近傍に配置された曝気口20とさらに備えている。このブロア19及び曝気口20は、劣化などにより切削液2を交換する際に、切削液2に微細な気泡を送り込むことで水と油との分離を促進させるものである。また、切削液2の液面に浮上した浮上油を回収する際に、曝気することで、曝気口20とは反対側の位置に備えられた浮上油回収口10の方向に浮上油を寄せて、浮上油の回収効率を高めることもできる。
つぎに、本例の切削液供給装置の作用について説明する。まず、所定量の水と油とを貯蔵手段4に投入し、供給路8上の切替弁21を供給分岐路9側すなわち切削液生成手段3側に切替える。そして、ポンプ6,12及び発振子15を作動させる。水と油とを投入された貯蔵手段4では、すぐに水と油とが分離するので、ポンプ6からは主に水が、また、ポンプ12からは液面近傍に設けられた浮上油回収口10により油が、夫々切削液生成手段3に送られる。
そして、切削液生成手段3では、発振子15の微細振動により、油の粒子が細かくなり、水に油が分散され、乳化し、導入路13を介して再び貯蔵手段4へと導かれる。これを所定時間繰り返すことで、次第に貯蔵手段4内の水に油が均一に分散され、所定の濃度の切削液2が生成される。
その後、ポンプ12及び切削液生成手段3の発振子15を停止させると共に、切替弁21を工作機械5側に切替えて、切削液2を工作機械5の切削加工部に供給する。切削加工に供給された切削液2は、切削液戻り手段7を介して貯蔵手段4に戻される。そして、ポンプ6により再び工作機械5へと供給され、切削液2は循環利用される。
ところで、本例の切削液2には、界面活性剤や乳化剤などが含まれていないため、一定時間が経過すると水と油との分離がはじまり、貯蔵手段4の液面に分離した油が浮上するようになる。そこで、所定時間ごとに切替弁21を供給分岐路9側へも供給するように切替えると共に、ポンプ12を作動させて浮上油を回収して切削液生成手段3へと送給し、発振子15の作動によって再乳化させることで、切削液2を所望の状態に維持することができる。なお、切削液2の量が減少してきたら、適宜水や油を追加して切削液2を所定量に維持するようにしてもよい。
ところで、切削液2は、切削液生成手段3で、生成、或いは、再乳化される際に、それに含まれている微生物に超音波による微細振動が作用して、乳化作用が及ぶ範囲内において微生物が破壊され死滅する。
このように、本実施の形態によると、切削液2を、切削液生成手段3の発振子15による超音波振動を用いて乳化させたことで、従来のエマルションタイプの切削液と同等の切削性能を維持しつつ、切削液2に界面活性剤や乳化剤などの人体に有害な物質が含まれていないので、切削液2などが人体に付着しても、肌荒れなど悪影響を及ぼすことが無く、人体に無害であり、安心して切削液2を取り扱うことができる。
また、切削液2に菜種油を用いており、他の油脂に比べ安価に入手できると共に、切削性を向上させることができる。また、切削液2を廃棄処分する際に、水と分離した後に、油はてんぷら油と同様の成分であるので、一般家庭などで用いられているてんぷら油用の油脂凝固剤で固めた上で焼却ゴミとすることができる他、分離した油をメチルエステル化してバイオディーゼル油としてリサイクルすることもでき、環境に与える影響を可及的に少なくすることができる。
さらに、貯蔵手段4に貯蔵された液体を切削液生成手段3に送って超音波により再乳化させることができるので、貯蔵手段4に貯蔵された切削液2を常に最適な状態に維持することができる。また、貯蔵手段4内で微生物などが発生しても超音波による再乳化により、微生物を破壊し死滅することができるので、微生物の繁殖を防止することができる。
また、油脂ミスト(MQL)を用いた場合に比べ、切削加工時に充分な水の量を得ることができるので、切削熱を充分に冷却することができると共に、切粉を加工面から洗い流すことができ、充分な切削性能を得ることができる。
以上、本発明を実施するための最良の実施の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施の形態では、切削液2として、水に分散された油の割合が5〜10質量%のものを示したが、これに限定するものではなく、切削条件に応じて適宜油の割合を変更することができる。例えば、重切削の場合、切削液にはより高い潤滑性が要求されるので油の割合を10〜20質量%とすることが望ましい。この場合、極圧添加剤として二硫化モリブデンなどの硫黄系のものを添加しても良い。なお、塩素系の極圧添加剤は廃棄処分する際にダイオキシンなどの有害物質が生成する恐れがあるので好ましくない。
また、本実施の形態では、切削液生成手段3として、本体部14の内部に流通する液体に対して発振子15からの微細振動を作用させて水に油を分散、乳化させて切削液2を生成するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図2(A)に示すように、発振子15からの微細振動を貯蔵手段4内の液体(切削液2)に直接作用させるような切削液生成手段22としてもよい。この切削液生成手段22は、貯蔵手段4の上部に設けられた例えば蓋などの上部部材24の下面から垂下する第1支持部材25に、基端側が軸支されるレバー26の先端側にフロート23が取り付けられると共に、摺動軸27が備えられている。この摺動軸27は、上部部材24の下面から垂下する第2支持部材28に形成された円弧状のスリット29に挿入されており、切削液2に浮かべられたフロート23の上下動に伴って、スリット29内を摺動するようになっている。
この切削液生成手段22は、レバー26の途中に発振子15が取り付けられており、発振子15の作用部30が切削液2中に所定量(5〜10mm)挿入されている。発振子15の上側は、上部部材24を貫通して、その上面に突出させられており、上部部材24の上面には、突出した発振子15の近傍に液面インジケータ31が取り付けられている。この液面インジケータ31には目盛が表示されており、その目盛によって切削液2の液面の上下動によって上下する発振子15の上端部の位置を知ることで、切削液2の量の減少を把握し、所定量以下となった場合、切削液2を補充する。なお、発振子15の上下動を自動的に検知する位置センサを設けて、発振子15が所定位置より低くなった場合、すなわち、切削液2が所定量以下となった場合に、自動的に切削液2の補充を知らせたり、或いは、自動的に切削液2を補充するようにすることもできる。
この切削液生成手段22は、図2(B)に示すように、曝気口20の備えられている位置とは対角の位置に備えることが望ましい。これは、曝気により切削液2の液面に浮上した油が曝気口20とは対角の側に寄せられるので、その寄せられた位置に切削液生成手段22を備えることで、浮上した油を効率よく乳化させることができるためである。このように、切削液生成手段22によると、図1の例のように、切削液生成手段3へ切削液などを送給する送給手段が必要なく、装置構成を簡略化することができる。なお、切削液生成手段における超音波の発振子は、1つ或いは複数備えてもよく、使用する切削液の量に応じてその数を適宜設定することができる。
さらに、本実施の形態では、供給路8と供給分岐路9との分岐点に切替弁21を備えたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、切替弁21に換えて開閉弁としてもよいし、或いは、弁などを備えずに単なる分岐部としてもよい。単なる分岐部とした場合、構成を簡便なものとすることができるので、切削液供給装置のコストを低下させることができる。
また、本実施の形態では、水と油とを貯蔵手段4に投入してから切削液生成手段3により切削液2を生成するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、供給分岐路9及び回収路11に夫々直接水及び油を投入するようにしても良く、これにより、水及び油を投入するとすぐに切削液の生成が開始されるので、切削液の生成時間を短くすることができる。
また、本実施の形態では、切削液生成手段3で生成した切削液2を導入路13を介して貯蔵手段4に導いてからポンプ6により工作機械5に切削液2を供給するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、切削液生成手段において生成した切削液を工作機械に直接供給しても良く、これにより装置構成を簡便なものすることができる。
さらに、本実施の形態では、切削液供給装置1として、工作機械5に新規に備える装置として示したが、これに限定するものではなく、例えば、従来のエマルションタイプの切削液を用いる切削液供給装置を既に備えた工作機械に適用することもできる。詳述すると、従来のエマルションタイプの切削液を用いる切削液供給装置には、切削液を貯蔵する貯蔵手段と、切貯蔵手段から切削液を工作機械に供給する供給手段と、工作機械から切削液を戻す切削液戻り手段とを既に備えている場合が多いので、これに、切削液生成手段、送給手段、及び、導入路を追加することで本実施の形態の切削液供給装置1と同等のものとすることができる。すなわち、本発明では、新規なものばかりではなく、既存のものにも必要な各手段を付加することで本発明の切削液供給装置とすることができるので、従来の装置においても、簡単な工事で人体や環境に無害な切削液を使用することができる。
(A)は本発明における切削液供給装置を概略構成で示す回路図であり、(B)は切削液生成手段の概略構成を示す図である。 (A)は切削液生成手段の他の実施の形態を示す図であり、(B)は(A)の切削液生成手段の貯蔵手段における配置を示す平面図である。
符号の説明
1 切削液供給装置
2 切削液
3 切削液生成手段
4 貯蔵手段
6 ポンプ
7 切削液戻り手段
8 供給路
9 供給分岐路
10 浮上油回収口
11 回収路
12 ポンプ
13 導入路
15 発振子
22 切削液生成手段

Claims (8)

  1. 界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化させてなることを特徴とする切削液。
  2. 前記物理的手段は、超音波であることを特徴とする請求項1に記載の切削液。
  3. 前記油は、植物性油脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の切削液。
  4. 界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化した切削液を生成する切削液生成手段を備えることを特徴とする切削液供給装置。
  5. 前記切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段から貯蔵された液体を再乳化させるために前記切削液生成手段に送給する送給手段と、
    前記切削液生成手段で生成された前記切削液を前記貯蔵手段に導く導入路と
    をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の切削液供給装置。
  6. 前記送給手段は、前記切削液を工作機械の切削加工部に供給する供給路上から分岐し前記切削液生成手段に接続される供給分岐路、及び、前記貯蔵手段において乳化が解消された液体を回収し前記切削液生成手段に送給する回収送給手段、の少なくとも一方を備えることを特徴とする請求項5に記載の切削液供給装置。
  7. 前記切削液生成手段は、該切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段に備えられていることを特徴とする請求項4に記載の切削液供給装置。
  8. 界面活性剤或いは乳化剤を用いることなく、物理的手段を用いて、水に油を分散、乳化した切削液を生成する切削液生成手段と、
    該切削液生成手段で生成された前記切削液を貯蔵する貯蔵手段と、
    該貯蔵手段に貯蔵された前記切削液を工作機械の切削加工部に供給する供給手段と、
    該供給手段により工作機械の切削加工部に供給した前記切削液を前記貯蔵手段に戻す切削液戻り手段と
    を備えることを特徴とする切削液供給装置。
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