JP2005097445A - 研磨剤用キャリア粒子、研磨剤および研磨方法 - Google Patents

研磨剤用キャリア粒子、研磨剤および研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 研磨効率に優れる研磨剤用キャリア粒子を提供する。
【解決手段】 キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に重合して得られた重合体である。水溶性高分子を使用して重合したキャリア粒子は、砥粒が保持されやすく研磨効率を向上させることができる。特にイオン変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール変性物を用いると、より砥粒を保持しやすくなる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子に関し、より詳細には、重合性単量体を特定の水溶性高分子を用いて重合して得られる研磨剤用キャリア粒子、および該研磨剤用キャリア粒子を使用した研磨剤、研磨方法に関する。
従来から、半導体基板や磁気ディスク基板のような先端電子機器部品やその基板の仕上げ工程では、種々の研磨布を使った遊離砥粒研磨が採用され、鏡面を実現するために織布、不織布、発泡体などの弾性のある研磨布が工具として使用されている。
このような遊離砥粒研磨は、研磨布を研磨パッドとして定盤の上に載置し、研磨パッドと被研磨対象物との間に砥粒を追加しながら研磨する方法であり、被研磨対象物を加圧下に回転させることで砥粒との間で表面研磨を達成するものである。前記研磨パッドは被研磨対象物と定盤とが直接接触してスクラッチを生ずることがないように載置されるものであるが、例えば織布は織り目が粗さやうねりに対して悪影響を与える場合があり、不織布でも密度にむらがあるなどの問題がある。加えて、研磨布に荷重がかかるため繰り返しの使用によって研磨布が次第に弾性を失って硬くなる。また、砥粒は研磨液に懸濁した状態で供給されるため、研磨布に切りくずや砥粒が堆積して研磨効率が低下したり、凝集粒子が発生してスクラッチの原因となる場合がある。このため、研磨布の表面を削り直す作業が必要となり、研磨工程の一時中止による生産効率の低下を招く。また、近年のシリコンウエハのように被研磨対象物のサイズの拡大に伴って研磨パッドのサイズの拡大も余儀なくされ、その定盤上への取り付け作業にも熟練が必要となっている。このため、最近の精密研磨における形状精度の高い加工要求性から、より硬質の研磨布が求められるようになり、硬質樹脂層と軟質樹脂層を重ね合わせた二層研磨布なども提案されている。
一方、研磨パッドを使用せずに鏡面加工を行なう方法として、ハイドロプレーン現象を利用して定盤から工作物を浮上させて流体支持した状態で研磨するフロートポリシングがある。しかしながら、この流体支持研磨では従来の研磨布を用いる場合よりも研磨効率が低い。
また、研磨パッドを使用しない研磨方法として、特許文献1には、被研磨対象物の表面を研磨するための研磨剤であって、母粒子とその表面に保持される超微細砥粒とからなる研磨剤が開示されている。従来の研磨法では、定盤の上に載置された研磨パッドと被研磨対象物との間に砥粒を存在させて研磨していたが、上記公報記載の方法は母粒子の表面に超微細砥粒を保持させ、研磨パッドなしに研磨を行なうものである。研磨中に研磨剤内の母粒子に超微細砥粒が保持され、研磨中に研磨剤内の超微細砥粒が母粒子の表面の一部から剥離しても再び母粒子の剥離した部分に当該超微細砥粒が付着し、該超微細砥粒によって研磨している。
特開2001−300843号公報
上記文献1に開示された母粒子を使用する方法は従来の研磨パッドを不要にするものであり、研磨パッドの張り替えや修正が必要ないためコスト的に有利である。このような、研磨パッドに代えて砥粒を保持または付着させたキャリア粒子を用いる方法において、キャリア粒子は、定盤と被研磨対象物とが直接接触して被研磨対象物を傷つけることが無いように定盤と被研磨対象物との間隔を保持するように働き、かつ研磨スラリー中の砥粒を被研磨対象物の表面に擦り合わせるように作用する必要がある。また、研磨の全工程において、母粒子の表面に超微細砥粒が保持されている必要がある。
しかしながら、砥粒が母粒子に保持されず、研磨効率が低下する場合がある。また、該キャリア粒子の化学的な性質等が砥粒の付着や保持性に関与し、加工特性に影響を及ぼす場合もある。より研磨効率を向上させるための加工特性に影響を及ぼす因子の解明が望まれる。
本発明者は、砥粒とキャリア粒子との2種の粒子を用いる研磨法を詳細に検討した結果、研磨剤に使用するキャリア粒子は重合性単量体の重合によって得られ、該重合時に水溶性高分子を存在させると最終的に得られる研磨剤用キャリア粒子の研磨効率が向上することを見出し本発明を完成させた。
すなわち本発明は、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に重合して得られた重合体である、研磨剤用キャリア粒子を提供するものである。
また、水溶性高分子がポリビニルアルコール変性物である、前記(1)記載の研磨剤用キャリア粒子を提供するものである。
さらに、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、該キャリア粒子として前記(1)または(2)記載のキャリア粒子を用いることを特徴とする研磨剤を提供するものである。
また、前記(3)記載の研磨剤を用いる、被研磨対象物の表面を研磨する方法を提供するものである。
本発明の研磨材用キャリア粒子は、特定の水溶性高分子を用いて重合性単量体を重合して得られ、研磨剤中での砥粒の保持力に優れるため、研磨効率に優れる。従って、該キャリア粒子を使用した研磨剤は、長期に亘って安定した研磨効率を維持することができる。また、該キャリア粒子によれば、スクラッチの発生が少なく、かつ研磨効率に優れる研磨剤を得ることができる。
本発明は、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に重合して得られた重合体である、研磨剤用キャリア粒子である。
キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤とは、キャリア粒子と砥粒とを溶媒中で混合および撹拌して調製された研磨剤であり、研磨剤中でキャリア粒子の表面に砥粒が保持され、定盤と被研磨対象物との間で該キャリア粒子が無数のミクロパッドとして作用する。このミクロパッドの好ましい特性としては、砥粒を被研磨対象物と効率的に接触させるため研磨剤液中での分散性に優れることが好ましい。また、研磨時に被研磨対象物との接触面積を増加させ得る点で柔軟性に優れることが好ましい。このような特性を有するキャリア粒子としては、重合性単量体を重合して得られる重合体がある。この際、重合時に使用する水溶性高分子の影響が研磨剤にもおよび、特に水溶性高分子を使用して調製したキャリア粒子は、研磨剤として使用すると研磨効率を向上させることが判明した。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の研磨剤用キャリア粒子は、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子である。該キャリア粒子は、定盤と被研磨対象物との間に供給され、その表面に砥粒を付着させて被研磨対象物を研磨するものであれば、その形状やサイズに制限はない。従って、原則として、該キャリア粒子は有機高分子化合物であっても無機化合物であってもよい。しかしながら、本発明では、研磨剤に含まれる溶媒との分散性に優れ、被研磨対象物との接触性に優れる点で重合性単量体を重合したものを使用する。その際、重合体は、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に重合して得られたものでなければならない。該水溶性高分子によれば優れた研磨効率が得られるキャリア粒子となるからである。その理由については明確でないが、水溶性高分子を用いて重合したキャリア粒子を用いると、重合体粒子の表面に水溶性高分子が付着し、さらに高分子鎖が絡まって物理的作用によって砥粒が固定され、キャリア粒子上の砥粒の保持能が向上するものと推定される。その一方、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に溶媒中で重合して得たものであれば、単量体の種類や使用する溶媒の種類、重合方法については問わない。従って、乳化重合、懸濁重合、分散重合などいずれでもよい。
該重合体からなるキャリア粒子としては、砥粒保持性や分散性などから、少なくとも一種類のウレタン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ABS樹脂、ポリスチレン・AS樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア・メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスフフィド、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンなどのいずれか1種またはこれらの2種以上の混合物や組成物から形成することができる。
更に、キャリア粒子は、該重合体を含めばこれと無機化合物との複合体であってもよい。例えば、上記重合体を核にしてその表面に上記無機化合物を化学的または物理的に担持、吸着、化学的結合等によって付着させたもの、上記重合体を無機化合物の存在下に合成し、該重合体中に無機化合物を包含させたもの、無機化合物を核として、その表面に該重合体の薄膜を被覆させたり、化学的な結合によってグラフト鎖等の形成によって表面を改質したものであってもよい。更に中空部を有する重合体自体、該中空部に空気以外のガスや液体が封入されたもの等であってもよい。このような複合体として使用される無機化合物としては、少なくとも一種類のカーボンマイクロビーズ、ガラスビーズ、メソカーボンビーズなどのマイクロビーズの1種または2種以上を併用することができる。なお、マイクロビーズの平均粒径は0.1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。また、マイクロビーズは200〜1,000Åの細孔を有していてもよい。
本発明で使用する水溶性高分子は、重合性単量体の重合時に存在すればよく、その後に得られた重合体を洗浄などしてもよい。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール変性物;(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ヒドロキシプロピル(メタ)アクリル酸系水溶性高分子;ポリビニルピロリドン等;メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース系水溶性高分子が使用できる。この中でも、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール変性物であることが好ましい。本発明では、上記水溶性高分子の1種を単独で使用するほか、2種以上を併用することもできる。なお、水溶性高分子の有効濃度は、重合性単量体質量の0.5〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%である。0.5質量%を下回ると重合安定性が悪くなり、10質量%を超えると洗浄で余分な水溶性高分子を除くことが困難となる場合がある。
さらに本発明で使用するキャリア粒子は、定盤と被研磨対象物との直接接触によるスクラッチを防止するためスペーサーとして機能し、かつ砥粒を保持し加工領域へ運搬するキャリアとして働き、かつ加工領域に均一に分散かつ研磨が持続するように一定時間滞留する必要がある。そのような各種特性を確保するには、キャリア粒子の平均粒径は、その形状が真球の場合には0.1〜30μm、より好ましくは0.5〜20μm、特に好ましくは1〜15μmである。このような範囲の重合体を得るには、重合開始剤の配合量や温度などを適宜選択することで調製可能である。該キャリア粒子は、その表面に有機高分子鎖などからなる微小突起部を有していてもよい。なお、本発明において、キャリア粒子のスペーサーとしての機能を確保するために、不定形状の場合のキャリア粒子の平均サイズは、その最短長さの平均を平均粒子径として算出するものとする。なお、重合体の分子量は、キャリア粒子が上記範囲にあれば特に制限されるものではない。
本発明で使用する研磨剤用キャリア粒子の製造方法について特に限定はなく、以下の方法で調製することができる。ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を含む純水、脱イオン水などの溶媒に、スチレン、ビニルスチレンなどの芳香族単量体およびメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル単量体をベンゾイルパーオキサイドを開始剤として4,000〜10,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、温度50〜95℃で3〜10時間反応させ、得られた固形物を濾別し十分に水洗して重合体を製造する。
また、ポリビニルピロリドン、変性ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子を含む純水、脱イオン水、メタノール、エタノール、メトキシエタノールの1種または2種以上を用いた溶媒に、スチレン、ビニルスチレン等の芳香族単量体、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を開始剤として、温度40〜90℃で4〜24時間重合反応させ、得られた固形物を濾別し十分に水洗した重合体を製造する方法がある。
本発明で使用する砥粒は、被研磨対象物の表面を研磨できればよく、例えば、少なくとも一種類のコロイダルシリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、窒化珪素、炭化珪素、酸化マンガン、ダイアモンドおよびこれらの混合物を使用することができる。
砥粒のサイズは、キャリア粒子の平均粒径にも依存するが、一般に0.001〜3μm、より好ましくは0.005〜2μm、特に好ましくは0.01〜1μmである。3μmを超えるとスクラッチ発生の原因となり、一方、0.001μmを下回ると研磨効率が悪くなる。なお、砥粒のサイズは、キャリア粒子の1/10,000〜1/5であり、好適には1/1000〜1/5、特に好ましくは1/1000〜1/10である。
なお、砥粒は、被研磨対象物の表面を研磨するものであり、研磨加工中でキャリア粒子の表面に保持される必要があるが、研磨中にキャリア粒子の表面の一部から砥粒が剥離したものが再びキャリア粒子に付着してもよい。また、キャリア粒子と砥粒との結合は、化学的結合であるか物理的結合であるかを問うものでなく、砥粒は用いるキャリア粒子との結合に適したものを適宜選択することができる。好ましくは、水溶性高分子存在下に重合して得たポリスチレン、架橋ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレートまたは、これらの共重合体をキャリア粒子とした場合に、コロイダルシリカ、セリア、アルミナを砥粒とする場合がある。
キャリア粒子と砥粒との配合割合は、キャリア粒子100質量部に対して、砥粒10〜2,000質量部、より好ましくは50〜1,000質量部、特に好ましくは50〜500質量部を配合する。2,000質量部を超えるとキャリア粒子に保持されない砥粒が増大し、研磨工程で過剰量の砥粒が無駄である。その一方、10質量部を下回ると研磨効率が低下する。なお、コロイダルシリカ等のように砥粒が既に溶媒を含んでいる場合には、砥粒の配合量はコロイダルシリカ中のシリカ量を砥粒の配合量として算出する。
本発明の対象となる研磨剤においては、砥粒とキャリア粒子との結合を容易にするため、または研磨効率の向上等のために溶媒を使用する。このような研磨剤用の溶媒としては、純水、イオン交換水、アルコール、エチレングリコール等の溶媒の1種または2種以上を併用してもよい。この溶媒は、キャリア粒子と砥粒との結合を容易にするため両者の特性によって至適な水素イオン濃度に調整してもよく、または両者の分散性を向上させるために至適な粘度に調整することもできる。
研磨剤用溶媒の使用量としては、キャリア粒子と砥粒との合計量の2〜200質量倍、より好ましくは5〜50質量倍である。2質量倍を下回ると、研磨液中のキャリア粒子濃度が高すぎて摩擦係数が高くなり好ましくない。一方、200質量倍を上回ると、キャリア粒子および砥粒の含有量が少ないため、研磨効率が低下する。
上記キャリア粒子は、キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤に使用されるが、該研磨剤は、重合性単量体を重合液中で重合して該キャリア粒子を得た後に、前記砥粒と混合させると製造することができる。
本発明の対象となる研磨剤は、キャリア粒子と砥粒とが含まれ、研磨工程でキャリア粒子の表面に砥粒が保持されればよくその保持の形態は問わない。一方、キャリア粒子表面に砥粒が保持されていない場合には、砥粒よりもキャリア粒子の平均粒径が大きいため被研磨対象物を研磨することはできない。このため研磨剤中のキャリア粒子と砥粒とは、キャリア粒子の少なくとも表面に砥粒が保持された複合粒子として存在し、この際の結合力も、静電気力、イオン結合、ファンデルワールス力または物理的、機械的な力等によるものと考えられる。しかしながら、本発明の対象となる研磨剤においては、キャリア粒子と砥粒とが常に複合粒子として存在している必要はなく、研磨工程において実質的にキャリア粒子がスペーサーとして機能し、かつ砥粒を運搬するための媒体として機能すればよい。従って、研磨剤の保存中にはキャリア粒子と砥粒とが分離しているが、研磨工程に供給する際には撹拌などによってキャリア粒子と砥粒とが互いに接触して、また研磨工程では研磨剤の供給力や被研磨対象物の回転力などによってキャリア粒子と砥粒とが互いに接触してキャリア粒子の表面に砥粒が保持され、実質的に被研磨対象物の表面を研磨することができる場合であってもよい。
このような状態の研磨剤を得るには、重合性単量体を上記水溶性高分子を使用して重合液中で重合して得たキャリア粒子を、該重合液から単離後に乾燥させることなく砥粒に保持させることが好ましい。一旦乾燥させると重合体の表面や内部に気体が含まれる結果、その後に溶媒中に混合しても溶媒との親和性、分散性が低下する場合がある。従って、上記キャリア粒子の湿潤度は、5質量%以上であることが好ましく、より好ましくは10〜1,000質量%、特に好ましくは20〜500質量%である。5質量%を下回ると、キャリア粒子の表面および内部に気体が多く存在するため分散性が低下するからである。このため、キャリア粒子の湿潤度が上記範囲にあれば、重合液から単離した後に他の溶媒でキャリア粒子を洗浄することは一向に構わない。
本発明の研磨剤の製造方法においては、従って、砥粒を上記キャリア粒子に保持するものであり、キャリア粒子と砥粒とを溶媒の存在下に混合し、必要に応じて撹拌等すれば製造することができる。この際、砥粒が分散する溶媒にキャリア粒子を添加し、撹拌することで製造してもよい。なお、該研磨剤には、本発明の効果を損なわない範囲で、pH調整剤、粘度調整剤、分散剤、凝集剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。
本発明のキャリア粒子を含む研磨剤による該研磨方法は、研磨機に設けられた定盤と被研磨対象物との間に該研磨剤を所定の量で供給し、研磨剤に含まれる砥粒を被研磨対象物と接触させるため被研磨対象物を回転させれば砥粒と被研磨対象物との相対運動によってその表面が研磨される。
研磨機としては、定盤を有し研磨剤の供給手段、被研磨対象物の回転手段が設けられていれば、定盤のサイズなどは被研磨対象物のサイズに応じて適宜選択することができる。
定盤は銅や錫などの金属、ガラス、セラミックまたはプラスチックから製造される平面性の良好なものが好適である。該定盤の形状は平面に限定されず、曲面、球面または凹凸面などでもよい。このような定盤を使用することによって、従来のウレタン系のポリッシングパッド若しくはテープが不要となり、平面度や微小なうねりなどが改善される。
被研磨対象物は、研磨剤上で回転しながら砥粒と接触するが、本発明においては通常公知の回転速度で回転させればよく、キャリア粒子や砥粒、被研磨対象物の材質等に応じて適宜選択することができる。
また、被研磨対象物は、キャリア粒子や砥粒の種類やサイズに応じて適宜加工圧を選択することができるが、本発明においては5〜100kPaであることが好ましく、より好ましくは10〜70kPaである。
また、研磨剤の供給量も定盤のサイズに応じて適宜選択することができ、研磨工程に供給する際の研磨剤の撹拌力も、使用するキャリア粒子や砥粒の種類および配合量などによって適宜選択することができる。
具体的に、上記研磨剤の定盤上への供給における一定量とは1〜100mL/分であり、好適には20〜50mL/分である。また、該定盤を所定の回転速度で回転させながら、被研磨対象物をラップ加工する場合において、所定の回転速度とは10〜500rpmであり、好適には20〜200rpmである。
本発明の研磨方法では、特にシリコンウエハ、光学ガラス、水晶、石英、アルミディスク、ステンレス、サファイヤ等を被研磨対象物とする場合に、その表面の鏡面研磨に優れる。
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
(実施例1)
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3リットルの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水1.2リットルを仕込み、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「クラレポバールPVA−205」)3gを添加および溶解させた後、さらに、スチレン320gおよびベンゾイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「ナイパーBW」、水25%含有品)9.6gからなる混合物を加えた。その後、分散機を用いて5,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、80℃で5時間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に水洗し、水分を含有した重合体粒子ケーキ440g(湿潤度33%)を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を粒度分布測定装置(コールター・カウンター,マルチサイザーII型(Beckman Coulter, Inc.)で測定した結果、平均粒径は9.5μmであった。
(実施例2)
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3リットルの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水1.2リットルを仕込み、カチオン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「クラレポバールC−506」)16gを添加および溶解させた後、さらに、スチレン288g、メチルメタクリレート32gおよびラウロイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パーロイルL」)9.6gからなる混合物を加えた。その後、分散機を用いて5,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、70℃で8時間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に水洗し、水分を含有した重合体粒子ケーキ440g(湿潤度33%)を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を粒度分布測定装置で測定した結果、平均粒径は9.1μmであった。
(実施例3)
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3リットルの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水1.2リットルを仕込み、アニオン変性ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、商品名「クラレポバールKL−506」)8gを添加および溶解させた後、さらに、スチレン272g、ブチルメタクリレート48gおよびベンゾイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「ナイパーBW」、水25%含有品)12.8gからなる混合物を加えた。その後、分散機を用いて5,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、80℃で5時間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に水洗し、水分を含有した重合体粒子ケーキ450g(湿潤度30%)を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を粒度分布測定装置で測定した結果、平均粒径は7.8μmであった。
(比較例1)
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3リットルの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水1.2リットルを仕込み、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1.6g添加・溶解させた後、さらにスチレン320gおよびベンゾイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「ナイパーBW」、水25%含有品)9.6gからなる混合物を加えた。その後、分散機を用いて5,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、80℃で5時間重合した。得られた固形物を濾別し、十分に水洗し、水分を含有した重合体粒子ケーキ450g(湿潤度33%)を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を粒度分布測定装置で測定した結果、平均粒径は8.9μmであった。
(比較例2)
攪拌機、還流冷却器および温度計を備えた3リットルの4ツ口セパラブルフラスコにイオン交換水1.2リットルを仕込み、そこへ平均粒子径0.6μmのトリリン酸カルシウムを30g添加混合させた後、さらにスチレン272g、ブチルメタクリレート48gおよびラウロイルパーオキサイド(日本油脂株式会社製、商品名「パーロイルL」9.6gからなる混合物を加えた。その後、分散機を用いて8,000rpmの攪拌速度でフラスコ内の内容物を分散させた後、70℃で8時間重合した。得られた固形物を濾別し、1N塩酸水溶液で洗浄した後、濾液が中性になるまで十分に水洗し、水分を含有した重合体粒子ケーキ420g(湿潤度28%)を得た。
得られた樹脂粒子の平均粒子径を粒度分布測定装置で測定した結果、平均粒径は12.8μmであった。
(実施例4)
実施例1、2および比較例1、2で調製した樹脂粒子をキャリア粒子として、砥粒としてコロイダルシリカ(日産化学工業株式会社製、商品名「スノーテックス30」)およびイオン交換水を溶媒として使用し、砥粒の濃度を5質量%とし、キャリア粒子の濃度が3質量%になるように混合および撹拌して研磨剤を調製した。なお、pHメーターで測定したところ、該研磨剤のpHはいずれも10.1であった。
該研磨剤を、片面研磨機(株式会社岡本工作機械製作所製、商品名「SPL−15」)を用いて、4インチシリコンウェーハの研磨試験を行った。
定盤は、表面粗さRa(算術平均粗さ)2.5μmのガラスを用いた。シリコンウェーハ及び定盤の回転数は60rpm、該研磨剤の供給量は25mL/分とし、加工圧30kPaで20分間研磨加工した。
研磨終了後に純水で洗浄し、研磨前後の質量の減少から研磨能率を算出し、及びスクラッチの有無を目視により評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005097445
(実施例5)
実施例1、3および比較例1で調製した樹脂粒子をキャリア粒子として、砥粒としてセリア(セイミケミカル株式会社製、商品名「TE−508」)およびイオン交換水を溶媒として使用し、砥粒の濃度を5質量%とし、キャリア粒子の濃度が2.5質量%になるように混合および撹拌して研磨剤を調製した。pHが9になるように、トリエタノールアミン水溶液を用いて調整した。
該研磨剤を、片面研磨機(株式会社岡本工作機械製作所製、商品名「SPL−15」)を用いて、3インチのガラスウェーハの研磨試験を行った。
定盤は、表面粗さRa(算術平均粗さ)2.5μm、溝幅1mmで放射状に24本入ったアルミナプレートを用いた。ガラスウェーハ及び定盤の回転数は60rpm、該研磨剤の供給量は25mL/分とし、加工圧20kPaで20分間研磨加工した。
研磨終了後に純水で洗浄し、研磨前後の質量の減少から研磨能率を算出し、及びスクラッチの有無を目視により評価した。結果を表2に示す。
Figure 2005097445
本発明の研磨剤用キャリア粒子、該キャリア粒子を用いた研磨剤を使用すると、優れた研磨効率で研磨することができる。しかも、スクラッチの発生も抑制され種々の対象物にわたり効率的な研磨を行うことができ、有用である。

Claims (4)

  1. キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、重合性単量体を水溶性高分子の存在下に重合して得られた重合体である、研磨剤用キャリア粒子。
  2. 該水溶性高分子がポリビニルアルコール変性物である、請求項1記載の研磨剤用キャリア粒子。
  3. キャリア粒子と砥粒とを含む研磨剤用キャリア粒子であって、該キャリア粒子として請求項1または2記載のキャリア粒子を用いることを特徴とする研磨剤。
  4. 請求項3記載の研磨剤を用いる、被研磨対象物の表面を研磨する方法。
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