JP2005097163A - トリフェニレン化合物および液晶組成物 - Google Patents

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尚之 西川
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Abstract

【課題】 液晶または光電子機能性物質として有用なトリフェニレン化合物を提供する。
【解決手段】 トリフェニレン核の2,3,6,7,10,11位を、−A−L−D−(Cy−B)n−Cyで置換した化合物を用いる。Aは−O−または−S−であり、Lは炭素原子数が1乃至20の二価の連結基であり、Dは−O−、−S−または−NR−であって、Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基であり、Cyは二価の環状基であり、Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−、−CO−S−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−NH−または−NH−CO−であり、nは1または2であり、そして、Cyは一価の環状基である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、トリフェニレン化合物に関する。また本発明は、光学材料の製造に有用な液晶性組成物にも関する。さらに本発明は、光電子機能性物質にも関する。
液晶表示装置は、パーソナルコンピューターやテレビに広く用いられている。液晶表示装置の根本をなす液晶セルを構成する液晶化合物については、活発な開発研究が行われ、数多くの化合物が開発されてきた。液晶化合物は、液晶セルの構成成分以外にも、種々の用途が提案されている。
液晶セルの構成成分として従来から利用されている棒状液晶化合物に加え、最近では液晶セルの構成成分以外の用途において円盤状(ディスコティック)液晶化合物が注目されている。
円盤状液晶化合物としては、ベンゼン環、トリフェニレン環、トルキセン環やフタロシアニン環を分子の中心の母核とする化合物が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。円盤状液晶化合物は一般に、母核の置換基として、直鎖アルキル基、直鎖アルコキシ基や置換ベンゾイルオキシ基が、母核から放射状に配置された分子構造を有している。
トリフェニレン環を母核とするトリフェニレン化合物は、モノドメイン性の液晶相であるディスコティックネマティック相を形成しやすいとの特徴がある。そのため、光学用途における円盤状液晶化合物として、トリフェニレン化合物を用いることが多い(例えば、特許文献1参照)。
代表的なトリフェニレン化合物(特許文献1に記載)を、下記式(X)で示す。
Figure 2005097163
[式中、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはアルコキシ基であり;Arはアリール基であり;Yは酸素原子または硫黄原子であり;そして、mは1〜5の整数である]。
特開平7−267902号公報 シー・デストラーデ(C. Destrade)他、Mol. Cryst. Liq. Cryst.、71巻、111頁(1981年)
本発明の目的は、液晶として有用な新規なトリフェニレン化合物を提供することである。
また本発明の目的は、位相差板のような光学材料の製造に有用な液晶性組成物を提供することでもある。
さらに本発明の目的は、非線形光学素子に利用できる光電子機能性物質を提供することでもある。
本発明は、下記(1)、(2)のトリフェニレン化合物、下記(3)の液晶性組成物を提供する。
(1)下記式(I)で表されるトリフェニレン化合物:
Figure 2005097163
[式中、Aは−O−または−S−であり;Lは炭素原子数が1乃至20の二価の連結基であり;Dは−O−、−S−または−NR−であって、Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基であり;Cyは二価の環状基であり;Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−、−CO−S−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−NH−または−NH−CO−であり;nは1または2であり;そして、Cyは一価の環状基である]。
(2)Lが、炭素原子数が1乃至20のアルキレン基または炭素原子数が1乃至20の置換アルキレン基である(1)に記載のトリフェニレン化合物。
(3)前記式(I)で表されるトリフェニレン化合物を液晶成分として含むことを特徴とする液晶組成物。
前記式(I)で表されるトリフェニレン化合物は、広い温度範囲で液晶性を示し、液晶組成物の液晶成分として有用である。
さらに、前記式(I)で表されるトリフェニレン化合物は、容易に二次の非線形光学特性を発現できるとの特徴がある。従って、前記式(I)で表されるトリフェニレン化合物を、非線形光学素子あるいは電気光学素子において光電子機能性物質として利用することもできる。
非線形光学効果を有する化合物としては、特定の棒状液晶化合物が知られている(例えば、SPIEProc.誌、1692巻、107頁(1992年))。非線形光学効果は、光が物質に作用したときに生じる現象が、その光自身の電界を含む外部電界強度に対して線形的な応答を示さない場合の総称である。非線形光学効果を有する化合物は、様々な光学素子への応用が期待されている。
トリフェニレン化合物は、下記式(I)で表される。なお、式(I)においてRで表される6個の基(トリフェニレン核の置換基)は、互いに異なっていてもよい。ただし、Rで表される6個の基は、同一である方が好ましい。
Figure 2005097163
式(I)において、Aは−O−または−S−である。−O−の方が−S−よりも好ましい。
式(I)において、Lは炭素原子数が1乃至20の二価の連結基である。連結基の炭素原子数は、2乃至18であることが好ましく、4乃至16であることがさらに好ましい。
二価の連結基は、炭素原子数が1乃至20のアルキレン基、炭素原子数が1乃至20の置換アルキレン基、炭素原子数が2乃至20のアルケニレン基、炭素原子数が2乃至20の置換アルケニレン基、炭素原子数が2乃至20のアルキニレン基、炭素原子数が2乃至20の置換アルキニレン基、炭素原子数が6乃至20のアリーレン基、炭素原子数が6乃至20の置換アリーレン基およびそれらと−CO−または−O−との組み合わせからなる群より選ばれることが好ましく、炭素原子数が1乃至20のアルキレン基、炭素原子数が1乃至20の置換アルキレン基およびそれらと−CO−または−O−との組み合わせからなる群より選ばれることがさらに好ましく、炭素原子数が1乃至20のアルキレン基または炭素原子数が1乃至20の置換アルキレン基であることが最も好ましい。
アルキレン基、置換アルキレン基のアルキレン部分、アルケニレン基、置換アルケニレン基のアルケニレン部分、アルキニレン基および置換アルキニレン基のアルキニレン部分は、環状構造または分岐構造を有していてもよい。ただし、鎖状連結基の方が環状連結基よりも好ましく、直鎖状連結基の方が分岐を有する鎖状連結基よりも好ましい。
置換アルキレン基、置換アルケニレン基および置換アルキニレン基の置換基の例には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、アルコキシ基およびハロゲン置換アルキル基が含まれる。アルコキシ基およびハロゲン置換アルキル基の炭素原子数は、1乃至6であることが好ましい。
式(I)において、Dは−O−、−S−または−NR−である。Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。Dは−O−または−S−であることが好ましく、−O−であることがさらに好ましい。
式(I)において、Cyは二価の環状基である。
環状基は、5員環、6員環、7員環またはそれらの縮合環を有することが好ましい。環には、芳香族環(例、ベンゼン環、ナフタレン環)、複素環(例、チオフェン環)および脂肪族環(例、シクロヘキサン環)が含まれる。芳香族環が好ましく、ベンゼン環がさらに好ましい。
環状基の環に、DおよびB(Bが単結合の場合にはCyまたはCy)が結合する二つの位置の関係は、隣接しないことが好ましく、なるべく離れていることがさらに好ましい。例えば、環状基の環がベンゼン環の場合、環はm−フェニレンまたはp−フェニレンであることが好ましく、p−フェニレンであることがさらに好ましい。チオフェン環の場合、環はチオフェン−2,5−ジイルであることが特に好ましい。
環状基の環は、置換基を有していてもよい。置換基の例には、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン置換アルキル基が含まれる。ハロゲン原子およびアルキル基が好ましい。アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン置換アルキル基の炭素原子数は、1乃至6であることが好ましい。
式(I)において、Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−、−CO−S−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−NH−または−NH−CO−である。Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−または−CO−S−であることが好ましく、単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−であることがさらに好ましい。
式(I)において、nは1または2である。1の方が2よりも好ましい。nが2の場合、二つの(Cy−B)は互いに異なっていてもよい。
式(I)において、Cyは一価の環状基である。
環状基は、5員環、6員環、7員環またはそれらの縮合環を有することが好ましい。環には、芳香族環(例、ベンゼン環、ナフタレン環)、複素環(例、チオフェン環)および脂肪族環(例、シクロヘキサン環)が含まれる。芳香族環が好ましく、ベンゼン環がさらに好ましい。
環状基の環は、置換基を有していてもよい。置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および電子吸引性基が含まれる。アルキル基およびアルコキシ基の炭素原子数は、1乃至6であることが好ましい。Cyは、電子吸引性基を置換基として有することが好ましい。
本明細書において、電子吸引性基は、ハメット則の値(σまたはσ)が正の値になる基を意味する。ハメット則の値は、Chem.Rev.誌、第91巻、165頁(1991年)に記載の数値を参照できる。
電子吸引性基には、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ハロゲン化アルキル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカンスルフィニル基、シアノ、アミド基およびカルボキシルが含まれる。ハロゲン化アルキル基(例、トリフルオロメチル)、アシル基(例、ホルミル、アセチル)、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル)、アルカンスルフィニル基およびアミド基の炭素原子数は、1乃至6であることが好ましい。電子吸引性基は、ニトロ、シアノ、−CH-=C=C(CN)、−C(CN)=C(CN)または−CH=C(CN)CO−R(Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基)が好ましい。
環状基の環に、Bおよび置換基が結合する二つの位置の関係は、隣接しないことが好ましく、なるべく離れていることがさらに好ましい。例えば、環状基の環がベンゼン環の場合、環はm−フェニレンまたはp−フェニレンであることが好ましく、p−フェニレンであることがさらに好ましい。チオフェン環の場合、環はチオフェン−2,5−ジイルであることが特に好ましい。
以下に、式(I)で表されるトリフェニレン化合物の例を示す。なお、以下の各例は、6個のR(トリフェニレン核の置換基)が同一である場合であって、Rのみを例示する。
Figure 2005097163
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Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
Figure 2005097163
具体例(4)、(11)、(18)、(19)に含まれている二重結合は、トランスの方がシスよりも好ましい。
式(I)で表されるトリフェニレン化合物は、例えば、以下の第1〜第3工程からなる方法により合成することができる。
Figure 2005097163
上記式において、Xは脱離性基であり、L、D、Cy、B、n、Cyは式(I)と同じ定義である。
第1工程では、化合物(C−1)と化合物(C−2)を溶媒に溶解し、塩基存在下において反応させることにより、化合物(C−3)を合成する。なお、化合物(C−2)の種類(特にDの種類)によっては、化合物(C−1)のヒドロキシル基が自己反応する場合がある。自己反応を防止するため、化合物(C−1)のヒドロキシル基に保護基を結合させておくことができる。
化合物(C−1)における脱離性基(X)は、ハロゲン原子であることが好ましく、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であることがさらに好ましい。化合物(C−1)と化合物(C−2)は、市販品を利用できる。また、既知の方法により化合物(C−1)と化合物(C−2)を合成してもよい。
第1工程で用いる溶剤は、ニトリル(例、アセトニトリル)およびアミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)が好ましい。塩基は、無機塩基の方が有機塩基よりも好ましい。炭酸金属塩(例、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)が特に好ましい無機塩基である。塩基の使用量は、化合物(C−1)に対して0.5乃至10当量の範囲であることが好ましく、2乃至5当量の範囲であることがさらに好ましい。反応温度は、室温から用いる溶媒の沸点までの範囲が好ましく、60乃至150℃の範囲であることがさらに好ましい。還流条件下で反応を実施してもよい。反応時間は、10分間乃至1日間が好ましく、1時間乃至12時間がさらに好ましい。反応を促進するため、少量のヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムを触媒として反応系に添加してもよい。
Figure 2005097163
上記式において、L、D、Cy、B、n、Cyは式(I)と同じ定義である。
第2工程では、第1工程で得られた化合物(C−3)を、塩基存在下でトシルクロリドと反応させることにより化合物(C−4)に変換する。トシルクロリドの使用量は、化合物(C−3)に対して、0.5乃至2当量の範囲であることが好ましく、0.8乃至1.2当量の範囲であることがさらに好ましい。第2工程で用いる塩基は、有機塩基の方が無機塩基よりも好ましい。芳香族複素環化合物(例、ピリジン)が特に好ましい有機塩基である。塩基として使用するピリジンを、溶媒としても用いることが特に好ましい。反応温度は、室温から用いる溶媒の沸点までの温度であることが好ましい。還流条件下で反応を実施してもよい。反応時間は、10分間乃至1日間が好ましく、1時間乃至12時間がさらに好ましい。
なお、化合物(C−3)において、Lの末端ヒドロキシル基(−OH)がカルボキシル基(−COOH)の一部として存在する場合は、トシルクロリドに代えてメシルクロリドを用いることが好ましい。メシルクロリドを用いる場合の溶媒は、環状エーテル(例、テトラヒドロフラン)が好ましい。用いる塩基は、有機塩基の方が無機塩基よりも好ましい。三級アミン(例、N,N−ジイソプロピルエチルアミン)が特に好ましい有機塩基である。
Figure 2005097163
上記式において、L、D、Cy、B、n、Cyは式(I)と同じ定義である。
第3工程では、第2工程で得られた化合物(C−4)と2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンを溶媒に溶解し、塩基存在下において反応させることにより式(I)で表されるトリフェニレン化合物(Aは−O−)を合成する。
化合物(C−4)の使用量は2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンに対して、5乃至12当量の範囲であることが好ましく、6乃至8当量の範囲であることがさらに好ましい。第3工程で用いる溶媒は、アミド(例、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド)が好ましい。塩基は、無機塩基の方が有機塩基よりも好ましい。炭酸金属塩(例、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)が特に好ましい無機塩基である。塩基の使用量は、化合物(C−4)に対して0.5乃至10当量の範囲であることが好ましく、0.8乃至2当量の範囲であることがさらに好ましい。反応温度は、室温から用いる溶媒の沸点までの範囲が好ましく、80乃至180℃の範囲であることがさらに好ましい。還流条件下で反応を実施してもよい。反応時間は、10分間乃至1日間が好ましく、1時間乃至12時間がさらに好ましい。反応を促進するため、少量のヨウ化ナトリウムまたはヨウ化カリウムを触媒として反応系に添加してもよい。
が−S−であるトリフェニレン化合物を合成する場合は、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレンに代えて、2,3,6,7,10,11−ヘキサメルカプトトリフェニレンを使用すればよい。2,3,6,7,10,11−ヘキサメルカプトトリフェニレンは、独国特許出願公開第3425261号明細書に記載の方法で合成できる。
式(I)で表されるトリフェニレン化合物が置換基を有する場合、上記の製造方法において、あらかじめ導入すべき置換基の前駆体となる基を導入し、適切な工程で目的とする置換基に変換することができる。また、必要に応じて保護基を用い、脱保護の工程を採用することで、置換基を導入することもできる。
式(I)で表されるトリフェニレン化合物は、光学分野で利用される機能性フイルム(例えば、位相差板)や光学分野またはエレクトロニクス分野で利用される機能性素子(非線形光学素子、電気光学素子、光変調素子、光シャッター)の製造に利用できる。
Figure 2005097163
ジメチルホルムアミド100mlに、4−ヒドロキシ−4’−シアノビフェニル19.5g、10−ブロモデカノール25.0gを溶解した。溶液に、炭酸カリウム27.8g、ヨウ化カリウム1.66gを加え、外温120℃において5時間反応させた。反応液を水に注ぎ、生じた沈殿を減圧濾過により採取した。得られた沈殿をアセトニトリルにより再結晶し、4−(10−ヒドロキシデシル)オキシ−4’−シアノビフェニル19.1gを得た。
Figure 2005097163
ピリジン20mlに、得られた4−(10−ヒドロキシデシル)オキシ−4’−シアノビフェニル7.0gを溶解した。溶液に、3.8gのトシルクロリドを加え、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル=7/3)で精製し、4−(10−トシルオキシデシル)オキシ−4’−シアノビフェニル1.4gを得た。
Figure 2005097163
ジメチルホルムアミド20mlに、得られた4−(10−トシルオキシデシル)オキシ−4’−シアノビフェニル1.20g、2,3,6,7,10,11−ヘキサヒドロキシトリフェニレン0.97gを溶解した。溶液に、炭酸カリウム0.66g、触媒量のヨウ化カリウムを加え、還流条件で2時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/酢酸エチル=9/1)で精製し、トリフェニレン化合物(1)0.62gを得た。
−NMR(δ:CDCl):1.38−1.58(m,72H)、1.79(quint.,12H)、1.94(quint.,12H)、3.97(t,12H)、4.22(t,12H)、6.95(d,12H)、7.49(d,12H)、7.60(d,12H)、7.66(d,12H)、7.83(s,6H)
(液晶性の確認)
実施例1で合成したトリフェニレン化合物(1)を、偏光顕微鏡でテクスチャー観察した。その結果、ネマチック(N)相の液晶性を確認した。トリフェニレン化合物(1)は、下記のように広い温度範囲で液晶性を示した。Δnは、0.15であった。
Cryst.−(57℃)−液晶相(N)−(137℃)−Iso.
(液晶相転移変化の調整)
2,3,6,7,10,11−ヘキサ(オクチルオキシフェニルカルボニルオキシ)トリフェニレン9mgにトリフェニレン化合物(1)1mgを加えてクロロホルムに溶解した後、減圧下で濃縮および乾燥し液晶組成物を調製した。
偏光顕微鏡観察により得られた液晶組成物の液晶の相転移温度を調べた。その結果、トリフェニレン化合物(1)の添加により相転移温度を低下できることを確認した。すなわち、2,3,6,7,10,11−ヘキサ(オクチルオキシフェニルカルボニルオキシ)トリフェニレンとトリフェニレン化合物(1)からなる液晶組成物は、下記の相変化が認められた。
Cryst.−(157℃)−液晶相−(217℃)−Iso.
一方、2,3,6,7,10,11−ヘキサ(オクチルオキシフェニルカルボニルオキシ)トリフェニレンの相変化は、下記の通りである。
Cryst.−(162℃)−液晶相−(238℃)−Iso.
(液晶相転移変化の調整)
4−ペンチル−4’−シアノビフェニル(5CB)9mgにトリフェニレン化合物(1)1mgを加えてクロロホルムに溶解した後、減圧下で濃縮、乾燥し液晶組成物を調製した。
偏光顕微鏡観察により得られた液晶組成物の液晶の相転移温度を調べた。その結果、トリフェニレン化合物(1)の添加により相転移温度を低下できることを確認した。すなわち、5CBとトリフェニレン化合物(1)からなる液晶組成物は、下記の相変化が認められた。
Cryst.−(室温以下)−液晶相−(54℃)−Iso.
なお、5CBの相変化は、下記の通りである。
Cryst.−(24℃)−液晶相−(35℃)−Iso.
(非線形光学特性の確認)
一対の透明ガラス基板からなるセルギャップが5μmの液晶評価セル(E.H.C製、)に、160℃でトリフェニレン化合物(1)を注入した。
得られた試料に対し、100℃において50V、100Vの直流電場を印加しながらYHGレーザーの赤外光(1.06μm)を照射した。第二高調波の発生を確認し、その強度をメーカフリンジ法(J.Opt.Soc.Am.誌、第B6巻、733頁、1989年)により測定した。
測定結果を図1に示す。
図1に示されるように、トリフェニレン化合物(1)は非線形光学特性を有し、その第二高調波強度は印加電圧に依存して増加する。
実施例5で作製した非線形光学素子から発生する第二高調波の強度を測定した結果を示すチャートである。

Claims (3)

  1. 下記式(I)で表されるトリフェニレン化合物:
    Figure 2005097163
    [式中、Aは−O−または−S−であり;Lは炭素原子数が1乃至20の二価の連結基であり;Dは−O−、−S−または−NR−であって、Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基であり;Cyは二価の環状基であり;Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−、−CO−S−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−NH−または−NH−CO−であり;nは1または2であり;そして、Cyは一価の環状基である]。
  2. が、炭素原子数が1乃至20のアルキレン基または炭素原子数が1乃至20の置換アルキレン基である請求項1に記載のトリフェニレン化合物。
  3. 下記式(I)で表されるトリフェニレン化合物を液晶成分として含むことを特徴とする液晶組成物:
    Figure 2005097163
    [式中、Aは−O−または−S−であり;Lは炭素原子数が1乃至20の二価の連結基であり;Dは−O−、−S−または−NR−であって、Rは炭素原子数が1乃至6のアルキル基であり;Cyは二価の環状基であり;Bは単結合、−CH=CH−、−CH≡CH−、−CO−O−、−CO−S−、−O−CO−、−S−CO−、−CO−NH−または−NH−CO−であり;nは1または2であり;そして、Cyは一価の環状基である]。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100997544B1 (ko) 2009-05-29 2010-11-30 한국화학연구원 아마이드기를 포함하는 내열성 트리페닐렌계 반응성 메조겐
KR101255062B1 (ko) * 2010-12-13 2013-04-16 한국화학연구원 할로겐을 함유하는 트리페닐렌계 반응성 메조겐 화합물의 합성

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KR100997544B1 (ko) 2009-05-29 2010-11-30 한국화학연구원 아마이드기를 포함하는 내열성 트리페닐렌계 반응성 메조겐
KR101255062B1 (ko) * 2010-12-13 2013-04-16 한국화학연구원 할로겐을 함유하는 트리페닐렌계 반응성 메조겐 화합물의 합성

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