JP2005096493A - サスペンション装置 - Google Patents

Abstract

【課題】構造の単純化とイニシャルコストの低減が可能なサスペンション装置を提供する。
【解決手段】長手方向中間部にアクスル２３が締結され且つサイドレール９に前方Ｆ側の端部を枢支したフロントリーフ１４と、Ｕ字形の湾曲部位１８を有し且つサイドレール９に後方Ａ側の端部を枢支したリヤリーフ１７とを備え、リヤリーフ１７の前方Ｆ側の端部にフロントリーフ１４の後方Ａ側の端部を重ね合わせて継手とし、両リーフ１４，１７を放射状に配置した複数のボルト１９により接続してリーフスプリング２０を構成し、このリーフスプリング２０の撓みによる変形を、湾曲部位１８の回動によって許容する。
【選択図】図１

Description

本発明はシングルリーフ構造のサスペンション装置に関するものである。

アクセルをシャシフレームに懸架するサスペンション装置には、種々の方式が提案されている。

図３は従来のサスペンション装置の一例を示すもので、前方Ｆ側及び後方Ａ側の端部にアイ２，３を形成したリーフスプリング１を用いている（例えば、特許文献１参照）。

このサスペンション装置では、サイドレール５に設けたフロントブラケット６にリーフスプリング１の前方Ｆ側のアイ２を枢支し、後方Ａ側のアイ３にシャックル７の一端部を枢支したうえ、当該シャックル７の他端部を前記サイドレール５に設けたリヤブラケット８に枢支し、リーフスプリング１が撓むときのアイ２，３の間隔の拡縮を、シャックル７の変位によって許容する。

なお、特許文献１とは別の未公開の出願として、特願２００２−１４４９４９号がある。
実願平４−８４３４１号（実開平６−４３３８０号）のマイクロフィルム

図３に示すサスペンション装置では、シャックル７とその関連部品が必須の構成要素になるが、近年、サスペンション装置の構造を単純化して、イニシャルコストの低減を図ることが要望されている。

本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、構造の単純化とイニシャルコストの低減が可能なサスペンション装置を提供することを目的としている。

上記目的を達成するため、請求項１に記載の発明は、前端部をシャシフレームに枢支したフロントリーフと、後端部近傍に車両側方から見てＵ字形を呈する湾曲部位を有し且つ後端部をシャシフレームのフロントリーフ枢支点とは異なる位置に枢支したリヤリーフとを備え、フロントリーフの後端部にリヤリーフの前端部を継ぎ合わせてリーフスプリングを構成し、当該リーフスプリングにアクスルを締結している。

請求項２に記載の発明は、フロントリーフの後端部にリヤリーフの前端部を重ね合わせて継手としている。

請求項３に記載の発明は、継手に放射状に配置した締結部材によって、フロントリーフとリヤリーフを相互に接続している。

請求項４に記載の発明は、継手をフロントリーフ及びリヤリーフの他の部位よりも幅広に形成している。

請求項１に記載の発明においては、撓みにより生じるリーフスプリングの変形を、リヤリーフの枢支点を中心としたＵ字形の湾曲部位の回動で許容する。

請求項２に記載の発明においては、重ね合わせ継手によりフロントリーフとリヤリーフを接続してリーフスプリングを構成する部品の種類を少なくする。

請求項３に記載の発明においては、締結部材を放射状に配置して、フロントリーフ及びリヤリーフに加わる車幅方向への力に起因した継手の弛みを抑制する。

請求項４に記載の発明においては、継手を広幅に形成して、隣り合った締結部材の間隔が拡がるようにし、車幅方向への力に起因した継手の弛みを効果的に抑制する。

本発明のサスペンション装置によれば、下記のような優れた効果を奏し得る。

（１）請求項１に記載の発明では、リヤリーフに設けた湾曲部位の回動によってリーフスプリングの変形を許容するので、サスペンション装置の構造が単純になり、イニシャルコストの低減を図ることができる。

（２）フロントリーフとリヤリーフが別々の部材であるので、フロントリーフにボデー姿勢の安定化及び乗り心地の向上に適した素材を選択し、また、リヤリーフに耐摩耗性に優れた素材を選択することができる。

（３）請求項２に記載の発明では、リーフスプリングの部品の種類が少なくなるので、組付工数の削減による低コスト化を図ることが可能になる。

（４）請求項３及び請求項４に記載の発明では、車幅方向へ加わる力に起因した継手の弛みを抑制するので、車両姿勢の安定性、並び快適な乗り心地を確保することができる。

以下、本発明の実施の形態を図示例とともに説明する。

図１及び図２は本発明のサスペンション装置の実施の形態の一例を示すもので、図中、９はサイドレール、１０はフロントブラケット、１１はリヤブラケットを表わしている。

このサスペンション装置は、前方Ｆ側の端部にアイ１２を形成し且つ後方Ａ側の端部に連結座１３を形成したフロントリーフ１４と、前方Ｆ側の端部に連結座１５を形成し且つ後方Ａ側の端部にアイ１６を形成したリヤリーフ１７とを備えている。

リヤリーフ１７の後方Ａ側寄り部分には、車両側方から見て上方へ突出し且つ後方Ａ側へ傾いたＵ字形の湾曲部位１８が設けてある。

連結座１３，１５は、両リーフ１４，１７の他の部位よりも幅広で且つ厚みが薄く形成されている。

フロントリーフ１４には、ばね鋼、あるいは繊維強化複合材（ＦＲＰ板ばね）を用いて、ボデー姿勢の安定化及び乗り心地の向上を図り、リヤリーフ１７には、炭素鋼や合金鋼などを用いて、耐摩耗性を確保する。

フロントリーフ１４及びリヤリーフ１７は、フロントリーフ１４の連結座１３の上面に、リヤリーフ１７の連結座１５が重なるように縦列に配置され、これら連結座１３，１５を重ね合わせ継手としている。

また、リヤリーフ１７の連結座１５にフロントリーフ１４の連結座１３を載せるようにしてもよい。

重ね合わせ継手には、連結座１３，１５を板厚方向に貫通する複数の孔（図示せず）が放射状に穿設され、それぞれの孔に挿通したボルト１９によりフロントリーフ１４とリヤリーフ１７を相互に締結し、リーフスプリング２０を構成している。

すなわち、少ない種類の部品でリーフスプリング２０を構成でき、ボルト１９の配置も放射状になるので、両リーフ１４，１７に加わる車幅方向への力に起因した継手の弛みを抑制することが可能になる。

更に、連結座１３，１５が他の部位よりも幅広になっているので、隣り合うボルト１９の間隔を拡げて、上記の弛みを効果的に抑制することができる。

また、ボルト１９に代えてリベットを両リーフ１４，１７の締結部材に用いてもよく、ボルト１９の数は３以上であれば放射状の配置とすることができる。

フロントブラケット１０には、フロントリーフ１４のアイ１２がスプリングピン２１によって枢支され、リヤブラケット１１には、リヤリーフ１７のアイ１６がスプリングピン２２によって枢支されている。

フロントリーフ１４の長手方向中間部の下側には、アクスル２３が配置され、フロントリーフ１４の長手方向中間部の上面とサイドレール９との間には、エアスプリング２４がアクスル２３の真上に位置するよう介在しており、これらアクスル２３とエアスプリング２４は、ボルト２５によってフロントリーフ１４に締結されている。

これに加えて、エアスプリング２４の至近には、上下に延びるショックアブソーバ２６が配置してあり、当該ショックアブソーバ２６のバレルは、サイドレール９に連結され、また、ピストンロッドは、アクスル２３に連結されている。

図１及び図２に示すサスペンション装置においては、リーフスプリング２０が撓むと、Ｕ字形の湾曲部位１８がスプリングピン２２を中心として回動する。

このように、撓みによるリーフスプリング２０の変形をリヤリーフ１７の後方Ａ側寄り部分に一体的に設けた湾曲部位１８の回動によって許容するので、サスペンション装置の構造が単純になり、イニシャルコストの低減を図ることができる。

なお、本発明のサスペンション装置は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において変更を加え得ることは勿論である。

本発明のサスペンション装置は、様々な車種に適用することができる。

本発明のサスペンション装置の実施の形態の一例を示す左側面図である。 図１に関連するリーフスプリングの継手部分の平面図である。 従来のリーフスプリングの一例を示す左側面図である。

符号の説明

９ サイドレール（シャシフレーム）
１４ フロントリーフ
１７ リヤリーフ
１８ 湾曲部位
１９ ボルト（締結部材）
２０ リーフスプリング
２３ アクスル

Claims (4)

1. 前端部をシャシフレームに枢支したフロントリーフと、後端部近傍に車両側方から見てＵ字形を呈する湾曲部位を有し且つ後端部をシャシフレームのフロントリーフ枢支点とは異なる位置に枢支したリヤリーフとを備え、フロントリーフの後端部にリヤリーフの前端部を継ぎ合わせてリーフスプリングを構成し、当該リーフスプリングにアクスルを締結したことを特徴とするサスペンション装置。
2. フロントリーフの後端部にリヤリーフの前端部を重ね合わせて継手とした請求項１に記載のサスペンション装置。
3. 継手に放射状に配置した締結部材によって、フロントリーフとリヤリーフを相互に接続した請求項２に記載のサスペンション装置。
4. 継手をフロントリーフ及びリヤリーフの他の部位よりも幅広に形成した請求項３に記載のサスペンション装置。

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