JP2004330866A - 自転車 - Google Patents
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Abstract
【課題】リアサスペンションを備えた自転車において、部品点数の増大を防ぎながらレイアウトの自由度を向上させる。
【解決手段】後輪8にサスペンションを備えた自転車であって、サドル11からの荷重を支持するメインフレーム1と、このメインフレーム1に結合するとともに前輪7側と連結されたヘッドチューブ3と、メインフレーム1またはヘッドチューブ3の少なくとも一方と基端側を結合し、自由端側で後輪8と連結したアンダーフレーム2を備え、このアンダーフレーム2は、可撓性を備えた部材で構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】後輪8にサスペンションを備えた自転車であって、サドル11からの荷重を支持するメインフレーム1と、このメインフレーム1に結合するとともに前輪7側と連結されたヘッドチューブ3と、メインフレーム1またはヘッドチューブ3の少なくとも一方と基端側を結合し、自由端側で後輪8と連結したアンダーフレーム2を備え、このアンダーフレーム2は、可撓性を備えた部材で構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車に関し、特にリアサスペンションを備えた自転車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
リアサスペンションを備えた自転車としては、特開2003−63474号公報(特許文献1)や特許2001−55187号公報(特許文献2)等が知られており、後輪を支持するリアフォークをスイングアーム構造として揺動可能に支持し、リアフォークとフレームの間にスプリングやダンパを介装するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、リアフォークを揺動可能に支持するため、フレームとの連結部に軸受などの部材が必要になるとともに、荷重を支持するスプリングや振動を減衰するダンパーが必要となって部品点数が増大し、フレームとリアフォークの組立が煩雑となって生産性が低下するという問題があった。
【0004】
また、路面からの衝撃を円滑に吸収するため、スプリングやダンパ等の配置スペースが必要となり、フレームのレイアウトの自由度が低下するという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、リアサスペンションを備えた自転車において、部品点数の増大を防ぎながらレイアウトの自由度を向上させることを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−63474号公報
【特許文献2】
特開2001−55187号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、後輪にサスペンションを備えた自転車であって、サドルからの荷重を支持するメインフレームと、このメインフレームに結合するとともに前輪側と連結されたヘッドチューブと、前記メインフレームまたはヘッドチューブの少なくとも一方と基端側を結合し、自由端側で後輪と連結したアンダーフレームを備え、このアンダーフレームは、可撓性を備えた部材で構成される。
【0008】
また、アンダーフレームは炭素繊維/炭素複合材で構成される。
【0009】
【発明の効果】
したがって、本発明は、後輪への荷重を支持するアンダーフレームを可撓性を備えた複合材料で構成することで、荷重を支持する強度部材としての機能と、弾性により後輪の上下動を吸収するバネ部材としての機能を併せ持つことができ、前記従来例のようにリアフォークの揺動機構やスプリングが不要となって、リアサスペンションを備えた自転車の構成を簡易にでき、組立に要する労力と部品点数の削減を実現し、また、スプリングなどの配置を考慮する必要がないので、フレームのレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明を適用した自転車の側面図で、車体の前後方向に配置されたメインフレーム1の前端(図中右側)には、ほぼ上下方向に配置されたヘッドチューブ3が結合される。このヘッドチューブ3は、ハンドル9とフロントフォーク10を操舵可能に支持する。なお、フロントフォーク10は油圧式のダンパを備えたサスペンションを備えて前輪7に連結される。
【0012】
一方、メインフレーム1の後端には、ほぼ上下方向に配置されたシートチューブ4が結合される。このシートチューブ4の上端にはサドル11が配置され、また、シートチューブ4の下端はフロントスプロケット12を設けたクランク13を回転自在に支持している。
【0013】
メインフレーム1の前端とヘッドチューブ3の結合位置には、後輪8の車軸80へ向けて斜め下方へ延設された弧状のアンダーフレーム2の基端が結合される。
【0014】
このアンダーフレーム2は、図中下方に膨らむような弧状の可撓性を備えた部材で構成され、自由端(図中左)側で後輪8の車軸80と結合し、シートチューブ4及びメインフレーム1から後輪8に加わる荷重を支持し、かつ、後述するようにアンダーフレーム2が撓むことで後輪8の変位(上下方向のストローク)を許容するバネとしての機能を有するもので、このアンダーフレーム2は強度部材とサスペンション(バネ機能)を兼ね備えたものである。
【0015】
上記メインフレーム1、アンダーフレーム2、ヘッドチューブ3及びシートチューブ4から自転車のフレームが構成される。
【0016】
ここで、メインフレーム1とヘッドチューブ3及びアンダーフレーム2は、高強度、高弾性率を備えた炭素繊維/炭素複合材(以下、C/C材とする)で構成され、メインフレーム1とヘッドチューブ3は所定の剛性を確保するように構成される一方、アンダーフレーム2は後輪8に加わる荷重を支持する強度を備えるのに加え、後輪8の変位を所定の範囲で許容する弾性(バネ機能)を兼ね備えるように構成される。
【0017】
なお、シートチューブ4については、所定剛性を有すればよいので軽合金やC/C材など、剛性を確保可能な材料で構成すればよい。
【0018】
次に、アンダーフレーム2は、メインフレーム1とヘッドチューブ3と結合した基端側から後輪8の車軸80に伸びる途中、フロントスプロケット12より上方でシートチューブ4と交差する。
【0019】
このため、図2で示すように、アンダーフレーム2の途中からは、シートチューブ4と交差してから後輪8及び車軸80を挟むようなフォーク部20が形成される。このフォーク部20は、シートチューブ4と交差する位置よりも基端側の分岐位置21から自由端側まで切り欠きを設けるように形成して、左右のフォーク部20L、20R構成する。そして、このフォーク部20の自由端には、図3に示すようなブラケット22を設けて、車軸80と結合する。
【0020】
図2、図3において、アンダーフレーム2の自由端とシートチューブ4の間には、シートチューブ4側に設けたダンパ6と左右のフォーク部20L、20Rを連結するためのリンク14が、左右のフォーク部20L、20Rにそれぞれ揺動自在に設けられる。
【0021】
左右のフォーク部20L、20Rには、シートチューブ4との交差位置よりも自由端側でリンク14L、14Rの基端がそれぞれ揺動自在に支持されており、リンク14L、14Rの先端は、シートチューブ4を車体前方側に超えた所定の位置まで伸びて、左右のリンク14Lと14Rはこの端部側で結合されるとともに、シートチューブ4側に設けたダンパ6に連結される。
【0022】
このため、左右のリンク14L、14Rは、ダンパ6との連結位置で結合されることで一体となり、左右のフォーク部20L、20Rがよじれるのを防止している。
【0023】
ダンパ6とリンク14との連結は、図5で示すように、左右のリンク14(14L、14R)は軸15によって結合されており、この軸15がダンパ6の端部に設けたブラケット16を貫通するとともに回動可能に支持される。そして、ダンパ6はゴムなどの弾性部材などで構成され、所定の弾性を備えて車体前後方向へ向けて伸縮可能であり、例えば、メインフレーム1とアンダーフレーム2の結合位置などに向けた図中軸線6c方向に沿って伸縮するよう構成される。
【0024】
したがって、後輪8が路面の凸状の段差などによって衝撃を受けると、アンダーフレーム2は図1の破線のように自由端側から上下方向に撓み、このアンダーフレーム2の撓みによってフォーク部20側のリンク14も上下動する。そして、リンク14の端部では、軸15を介して車体前方側へ変位してダンパ6を引っ張り方向に変形させるため、ダンパ6は所定の減衰力を発生して後輪8のストロークを収束させる。
【0025】
このとき、ダンパ6の伸縮方向は図5の軸線方向であるので、リンク14と結合した軸15は、相対的に回動しながらダンパ6を伸縮させることになる。このため、リンク14の先端側ではダンパ6の車体前後方向の伸縮に対して、リンク14がダンパ6と相対的に揺動しながら変位することになる。
【0026】
なお、ダンパ6としては、上記のようにラバーダンパ等の弾性部材に限定されるものではなく、フロントフォーク10と同様の油圧式ダンパを用いても良い。
【0027】
また、ダンパ6をシートチューブ4からメインフレーム1とアンダーフレーム2の結合位置へ向けて伸縮するようにし、メインフレーム1の下方とアンダーフレーム2の上方の空間にダンパ6を配置したので、ダンパ6の配置空間を特別に用意する必要がなく、フレームのレイアウトの自由度を飛躍的に向上させることができるのである。また、ダンパ6を引っ張り方向で使用し、ダンパ6の配設位置をメインフレーム1の下方とアンダーフレーム2の上方の空間とすることで、ダンパ6のストロークを大きくとることができ、特にMTB(マウンテンバイク)など、非舗装路用の自転車に好適な構造を提供できる。
【0028】
なお、ダンパ6のストロークが少なくて済む場合では、ダンパ6とリンク14の連結位置をシートチューブ4より後方(後輪側)としても良い。
【0029】
次に、C/C材で構成されたメインフレーム1とアンダーフレーム2の断面形状について図3、図4を参照しながら説明する。
【0030】
まず、高い剛性が必要とされるメインフレーム1の断面形状は、上下方向の撓みをできるだけ抑制するため、図4(A)のように、幅aに比して高さbが十分大きくなるように設定され、箱状に構成される。
【0031】
一方、後輪8にかかる荷重を支持するとともに、サスペンションと機能するアンダーフレーム2の断面形状は、メインフレーム1との結合位置である基端側になるほど高さbが増大する一方、幅aが減少して縦長の方形または正方形の断面となるのに対し、フォーク部20の分岐位置21になるほど幅aが増大する一方高さbが減少して板状の断面になる。
【0032】
例えば、図3に示す基端側のB−B断面は、図4(B)で示すようにアンダーフレーム2の幅aよりも高さbの方が大きく、あるいはほぼ等しく設定されて、基端側でアンダーフレーム2が撓むのを抑制して、後輪8にかかる荷重の支持を主とする。
【0033】
この基端側から分岐位置21に近づくにつれて、アンダーフレーム2の幅aが増大する一方高さbが減少して図4(C)のような板状の断面となり、自由端側を変位可能なバネとすることができる。同様に車軸80との結合位置に近く、2つに分岐したフォーク部20においても車軸80からの衝撃入力に応じて円滑に撓むことができるよう、幅aの方を高さbよりも大きく設定する。なお、リンク14との連結位置近傍や、車軸80との結合位置近傍では、部分的に高さbを増大して応力の集中による過度な撓みを防いでも良い。
【0034】
このように、後輪8への荷重を支持するアンダーフレーム2を途中からフォーク状に形成するとともに、強度と可撓性を備えた複合材料で構成することで、荷重を支持する強度部材としての機能と、弾性により後輪8の上下動を吸収するバネ部材としての機能を併せ持つことができ、前記従来例のようにリアフォークの揺動機構やスプリングが不要となって、リアサスペンションを備えた自転車の構成を簡易にでき、組立に要する労力と部品点数の削減を実現し、また、スプリングなどの配置を考慮する必要がないので、フレームのレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
【0035】
また、アンダーフレーム2の上下動を減衰させるダンパ6を、メインフレーム1とアンダーフレーム2の間の空間に配置したので、ダンパ6を配置する空間などを特別に用意することが無くなって、フレームのレイアウトの自由度をさらに向上させることが可能となるのである。
【0036】
また、アンダーフレーム2は、2つに分岐したフォーク部20の間隙でシートチューブ4と交差して後輪8を挟むようにしたので、フロントスプロケット12やクランク13等とアンダーフレーム2が干渉するのを避けて、アンダーフレーム2の上下方向のストロークを確保することが可能となる。
【0037】
なお、上記実施形態では、アンダーフレーム2をメインフレーム1とヘッドチューブ3に結合させたが、図示はしないが、メインフレーム1にアンダーフレーム2を結合させてもよく、あるいは、メインフレーム1との結合位置よりも下方でヘッドチューブ3とアンダーフレーム2を結合するようにしても良い。
【0038】
また、メインフレーム1やヘッドチューブ3はC/C材に代わって、金属や樹脂などで構成しても良く、この場合、少なくともアンダーフレーム2をC/C材などの強度と弾性を備えた素材で構成すればよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、アンダーフレーム2にC/C材を適用した例を示したが、この他に、下記のような素材を適用することが可能である。
【0040】
アルミニウム合金2000番(銅系)、2017(ジュラルミン)、2024(超ジュラルミン)、アルミニウム合金7000番(亜鉛・マグネシウム系)、7075(航空機用)等の強靱な軽合金、SUP(ばね鋼)、SUP3(重ね板ばね)、SUP4(コイルばね)、SUP5(トーションバー)等の弾性を有する綱、ポリウレタン(熱硬化性樹脂)、ポリカーボネイト(熱可塑性樹脂)、ポリフェニレンオキサイド(熱可塑性樹脂)、ポリスルホン(熱可塑性樹脂)などの強靱な樹脂を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す自転車の側面図。
図である。
【図2】同じくフレームの斜視図。
【図3】同じくフレームの側面図
【図4】フレームの断面図を示し、(A)は図3のA−A矢示断面図。(B)は図3のB−B矢示断面図、(C)は図3のC−C矢示断面図、(D)は図3のD−D矢示断面図である。
【図5】同じくリンクとダンパの連結位置の要部断面図。
【符号の説明】
1 メインフレーム
2 アンダーチューブ
3 ヘッドチューブ
4 シートチューブ
5 リンク
6 ダンパ
7 前輪
8 後輪
14 リンク
80 車軸
【発明の属する技術分野】
本発明は自転車に関し、特にリアサスペンションを備えた自転車の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
リアサスペンションを備えた自転車としては、特開2003−63474号公報(特許文献1)や特許2001−55187号公報(特許文献2)等が知られており、後輪を支持するリアフォークをスイングアーム構造として揺動可能に支持し、リアフォークとフレームの間にスプリングやダンパを介装するものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例においては、リアフォークを揺動可能に支持するため、フレームとの連結部に軸受などの部材が必要になるとともに、荷重を支持するスプリングや振動を減衰するダンパーが必要となって部品点数が増大し、フレームとリアフォークの組立が煩雑となって生産性が低下するという問題があった。
【0004】
また、路面からの衝撃を円滑に吸収するため、スプリングやダンパ等の配置スペースが必要となり、フレームのレイアウトの自由度が低下するという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、リアサスペンションを備えた自転車において、部品点数の増大を防ぎながらレイアウトの自由度を向上させることを目的とする。
【0006】
【特許文献1】
特開2003−63474号公報
【特許文献2】
特開2001−55187号公報
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、後輪にサスペンションを備えた自転車であって、サドルからの荷重を支持するメインフレームと、このメインフレームに結合するとともに前輪側と連結されたヘッドチューブと、前記メインフレームまたはヘッドチューブの少なくとも一方と基端側を結合し、自由端側で後輪と連結したアンダーフレームを備え、このアンダーフレームは、可撓性を備えた部材で構成される。
【0008】
また、アンダーフレームは炭素繊維/炭素複合材で構成される。
【0009】
【発明の効果】
したがって、本発明は、後輪への荷重を支持するアンダーフレームを可撓性を備えた複合材料で構成することで、荷重を支持する強度部材としての機能と、弾性により後輪の上下動を吸収するバネ部材としての機能を併せ持つことができ、前記従来例のようにリアフォークの揺動機構やスプリングが不要となって、リアサスペンションを備えた自転車の構成を簡易にでき、組立に要する労力と部品点数の削減を実現し、また、スプリングなどの配置を考慮する必要がないので、フレームのレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0011】
図1は本発明を適用した自転車の側面図で、車体の前後方向に配置されたメインフレーム1の前端(図中右側)には、ほぼ上下方向に配置されたヘッドチューブ3が結合される。このヘッドチューブ3は、ハンドル9とフロントフォーク10を操舵可能に支持する。なお、フロントフォーク10は油圧式のダンパを備えたサスペンションを備えて前輪7に連結される。
【0012】
一方、メインフレーム1の後端には、ほぼ上下方向に配置されたシートチューブ4が結合される。このシートチューブ4の上端にはサドル11が配置され、また、シートチューブ4の下端はフロントスプロケット12を設けたクランク13を回転自在に支持している。
【0013】
メインフレーム1の前端とヘッドチューブ3の結合位置には、後輪8の車軸80へ向けて斜め下方へ延設された弧状のアンダーフレーム2の基端が結合される。
【0014】
このアンダーフレーム2は、図中下方に膨らむような弧状の可撓性を備えた部材で構成され、自由端(図中左)側で後輪8の車軸80と結合し、シートチューブ4及びメインフレーム1から後輪8に加わる荷重を支持し、かつ、後述するようにアンダーフレーム2が撓むことで後輪8の変位(上下方向のストローク)を許容するバネとしての機能を有するもので、このアンダーフレーム2は強度部材とサスペンション(バネ機能)を兼ね備えたものである。
【0015】
上記メインフレーム1、アンダーフレーム2、ヘッドチューブ3及びシートチューブ4から自転車のフレームが構成される。
【0016】
ここで、メインフレーム1とヘッドチューブ3及びアンダーフレーム2は、高強度、高弾性率を備えた炭素繊維/炭素複合材(以下、C/C材とする)で構成され、メインフレーム1とヘッドチューブ3は所定の剛性を確保するように構成される一方、アンダーフレーム2は後輪8に加わる荷重を支持する強度を備えるのに加え、後輪8の変位を所定の範囲で許容する弾性(バネ機能)を兼ね備えるように構成される。
【0017】
なお、シートチューブ4については、所定剛性を有すればよいので軽合金やC/C材など、剛性を確保可能な材料で構成すればよい。
【0018】
次に、アンダーフレーム2は、メインフレーム1とヘッドチューブ3と結合した基端側から後輪8の車軸80に伸びる途中、フロントスプロケット12より上方でシートチューブ4と交差する。
【0019】
このため、図2で示すように、アンダーフレーム2の途中からは、シートチューブ4と交差してから後輪8及び車軸80を挟むようなフォーク部20が形成される。このフォーク部20は、シートチューブ4と交差する位置よりも基端側の分岐位置21から自由端側まで切り欠きを設けるように形成して、左右のフォーク部20L、20R構成する。そして、このフォーク部20の自由端には、図3に示すようなブラケット22を設けて、車軸80と結合する。
【0020】
図2、図3において、アンダーフレーム2の自由端とシートチューブ4の間には、シートチューブ4側に設けたダンパ6と左右のフォーク部20L、20Rを連結するためのリンク14が、左右のフォーク部20L、20Rにそれぞれ揺動自在に設けられる。
【0021】
左右のフォーク部20L、20Rには、シートチューブ4との交差位置よりも自由端側でリンク14L、14Rの基端がそれぞれ揺動自在に支持されており、リンク14L、14Rの先端は、シートチューブ4を車体前方側に超えた所定の位置まで伸びて、左右のリンク14Lと14Rはこの端部側で結合されるとともに、シートチューブ4側に設けたダンパ6に連結される。
【0022】
このため、左右のリンク14L、14Rは、ダンパ6との連結位置で結合されることで一体となり、左右のフォーク部20L、20Rがよじれるのを防止している。
【0023】
ダンパ6とリンク14との連結は、図5で示すように、左右のリンク14(14L、14R)は軸15によって結合されており、この軸15がダンパ6の端部に設けたブラケット16を貫通するとともに回動可能に支持される。そして、ダンパ6はゴムなどの弾性部材などで構成され、所定の弾性を備えて車体前後方向へ向けて伸縮可能であり、例えば、メインフレーム1とアンダーフレーム2の結合位置などに向けた図中軸線6c方向に沿って伸縮するよう構成される。
【0024】
したがって、後輪8が路面の凸状の段差などによって衝撃を受けると、アンダーフレーム2は図1の破線のように自由端側から上下方向に撓み、このアンダーフレーム2の撓みによってフォーク部20側のリンク14も上下動する。そして、リンク14の端部では、軸15を介して車体前方側へ変位してダンパ6を引っ張り方向に変形させるため、ダンパ6は所定の減衰力を発生して後輪8のストロークを収束させる。
【0025】
このとき、ダンパ6の伸縮方向は図5の軸線方向であるので、リンク14と結合した軸15は、相対的に回動しながらダンパ6を伸縮させることになる。このため、リンク14の先端側ではダンパ6の車体前後方向の伸縮に対して、リンク14がダンパ6と相対的に揺動しながら変位することになる。
【0026】
なお、ダンパ6としては、上記のようにラバーダンパ等の弾性部材に限定されるものではなく、フロントフォーク10と同様の油圧式ダンパを用いても良い。
【0027】
また、ダンパ6をシートチューブ4からメインフレーム1とアンダーフレーム2の結合位置へ向けて伸縮するようにし、メインフレーム1の下方とアンダーフレーム2の上方の空間にダンパ6を配置したので、ダンパ6の配置空間を特別に用意する必要がなく、フレームのレイアウトの自由度を飛躍的に向上させることができるのである。また、ダンパ6を引っ張り方向で使用し、ダンパ6の配設位置をメインフレーム1の下方とアンダーフレーム2の上方の空間とすることで、ダンパ6のストロークを大きくとることができ、特にMTB(マウンテンバイク)など、非舗装路用の自転車に好適な構造を提供できる。
【0028】
なお、ダンパ6のストロークが少なくて済む場合では、ダンパ6とリンク14の連結位置をシートチューブ4より後方(後輪側)としても良い。
【0029】
次に、C/C材で構成されたメインフレーム1とアンダーフレーム2の断面形状について図3、図4を参照しながら説明する。
【0030】
まず、高い剛性が必要とされるメインフレーム1の断面形状は、上下方向の撓みをできるだけ抑制するため、図4(A)のように、幅aに比して高さbが十分大きくなるように設定され、箱状に構成される。
【0031】
一方、後輪8にかかる荷重を支持するとともに、サスペンションと機能するアンダーフレーム2の断面形状は、メインフレーム1との結合位置である基端側になるほど高さbが増大する一方、幅aが減少して縦長の方形または正方形の断面となるのに対し、フォーク部20の分岐位置21になるほど幅aが増大する一方高さbが減少して板状の断面になる。
【0032】
例えば、図3に示す基端側のB−B断面は、図4(B)で示すようにアンダーフレーム2の幅aよりも高さbの方が大きく、あるいはほぼ等しく設定されて、基端側でアンダーフレーム2が撓むのを抑制して、後輪8にかかる荷重の支持を主とする。
【0033】
この基端側から分岐位置21に近づくにつれて、アンダーフレーム2の幅aが増大する一方高さbが減少して図4(C)のような板状の断面となり、自由端側を変位可能なバネとすることができる。同様に車軸80との結合位置に近く、2つに分岐したフォーク部20においても車軸80からの衝撃入力に応じて円滑に撓むことができるよう、幅aの方を高さbよりも大きく設定する。なお、リンク14との連結位置近傍や、車軸80との結合位置近傍では、部分的に高さbを増大して応力の集中による過度な撓みを防いでも良い。
【0034】
このように、後輪8への荷重を支持するアンダーフレーム2を途中からフォーク状に形成するとともに、強度と可撓性を備えた複合材料で構成することで、荷重を支持する強度部材としての機能と、弾性により後輪8の上下動を吸収するバネ部材としての機能を併せ持つことができ、前記従来例のようにリアフォークの揺動機構やスプリングが不要となって、リアサスペンションを備えた自転車の構成を簡易にでき、組立に要する労力と部品点数の削減を実現し、また、スプリングなどの配置を考慮する必要がないので、フレームのレイアウトの自由度を大幅に向上させることができる。
【0035】
また、アンダーフレーム2の上下動を減衰させるダンパ6を、メインフレーム1とアンダーフレーム2の間の空間に配置したので、ダンパ6を配置する空間などを特別に用意することが無くなって、フレームのレイアウトの自由度をさらに向上させることが可能となるのである。
【0036】
また、アンダーフレーム2は、2つに分岐したフォーク部20の間隙でシートチューブ4と交差して後輪8を挟むようにしたので、フロントスプロケット12やクランク13等とアンダーフレーム2が干渉するのを避けて、アンダーフレーム2の上下方向のストロークを確保することが可能となる。
【0037】
なお、上記実施形態では、アンダーフレーム2をメインフレーム1とヘッドチューブ3に結合させたが、図示はしないが、メインフレーム1にアンダーフレーム2を結合させてもよく、あるいは、メインフレーム1との結合位置よりも下方でヘッドチューブ3とアンダーフレーム2を結合するようにしても良い。
【0038】
また、メインフレーム1やヘッドチューブ3はC/C材に代わって、金属や樹脂などで構成しても良く、この場合、少なくともアンダーフレーム2をC/C材などの強度と弾性を備えた素材で構成すればよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、アンダーフレーム2にC/C材を適用した例を示したが、この他に、下記のような素材を適用することが可能である。
【0040】
アルミニウム合金2000番(銅系)、2017(ジュラルミン)、2024(超ジュラルミン)、アルミニウム合金7000番(亜鉛・マグネシウム系)、7075(航空機用)等の強靱な軽合金、SUP(ばね鋼)、SUP3(重ね板ばね)、SUP4(コイルばね)、SUP5(トーションバー)等の弾性を有する綱、ポリウレタン(熱硬化性樹脂)、ポリカーボネイト(熱可塑性樹脂)、ポリフェニレンオキサイド(熱可塑性樹脂)、ポリスルホン(熱可塑性樹脂)などの強靱な樹脂を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す自転車の側面図。
図である。
【図2】同じくフレームの斜視図。
【図3】同じくフレームの側面図
【図4】フレームの断面図を示し、(A)は図3のA−A矢示断面図。(B)は図3のB−B矢示断面図、(C)は図3のC−C矢示断面図、(D)は図3のD−D矢示断面図である。
【図5】同じくリンクとダンパの連結位置の要部断面図。
【符号の説明】
1 メインフレーム
2 アンダーチューブ
3 ヘッドチューブ
4 シートチューブ
5 リンク
6 ダンパ
7 前輪
8 後輪
14 リンク
80 車軸
Claims (4)
- 後輪にサスペンションを備えた自転車であって、
サドルからの荷重を支持するメインフレームと、
このメインフレームに結合するとともに前輪側と連結されたヘッドチューブと、
前記メインフレームまたはヘッドチューブの少なくとも一方と基端側を結合し、自由端側で後輪と連結したアンダーフレームを備え、
このアンダーフレームは、可撓性を備えた部材で構成されたことを特徴とする自転車。 - 前記メインフレームは、上端にサドルを備える一方、下端にクランクを備えたシートチューブと連結し、
前記アンダーフレームは、後輪および後輪の車軸を挟むように左右に分岐したフォーク部を有し、このフォーク部の間隙で前記シートチューブと交差することを特徴とする請求項1に記載の自転車。 - 前記アンダーフレームは、前記基端側になるほど断面の幅よりも高さを増大する一方、前記シートチューブとの交差位置に近付くほど断面の高さよりも幅を増大することを特徴とする請求項2に記載の自転車。
- 前記アンダーフレームは、炭素繊維/炭素複合材で構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の自転車。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003128998A JP2004330866A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 自転車 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003128998A JP2004330866A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 自転車 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004330866A true JP2004330866A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33504971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003128998A Pending JP2004330866A (ja) | 2003-05-07 | 2003-05-07 | 自転車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004330866A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108791641A (zh) * | 2018-07-10 | 2018-11-13 | 中国地质大学(武汉) | 一种新型柔性减震自行车架及自行车 |
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2003
- 2003-05-07 JP JP2003128998A patent/JP2004330866A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108791641A (zh) * | 2018-07-10 | 2018-11-13 | 中国地质大学(武汉) | 一种新型柔性减震自行车架及自行车 |
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