JP2005094981A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】同期整流回路を備える複合共振形コンバータとして、高い電力変換効率を得ることと、回路の簡易化による回路規模の縮小、及び低コスト化を図ることとの両立を図る。
【解決手段】複合共振形コンバータの二次側に巻線電圧検出方式の同期整流回路を備える。そして、絶縁コンバータトランスPITの結合係数の設定、二次巻線の1ターン(T)あたりの誘起電圧レベルの設定、及び上記二次巻線のセンタータップと二次側平滑コンデンサとの間に挿入したチョークコイルのインダクタンスの設定により、絶縁コンバータトランスPITの磁束密度を一定以下に設定し、重負荷の条件でも二次側整流電流を連続モードとする。さらに、上記チョークコイルに生じる逆起電力により整流電流に生じていた逆電流を抑圧し、無効電力のさらなる低減を図る。
【選択図】図7

Description

本発明は、各種電子機器の電源として備えられるスイッチング電源回路に関する。
スイッチング電源回路として、例えばフライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知られている。これらのスイッチングコンバータはスイッチング動作波形が矩形波状であることから、スイッチングノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、電力変換効率の向上にも限界があることがわかっている。
そこで、共振形コンバータによるスイッチング電源回路が各種提案され、実用化されている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
図11の回路図は、従来としての、共振形コンバータを備えるスイッチング電源回路の一例を示している。この図に示す電源回路は、他励式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされている。
この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対して、ブリッジ整流回路Di及び1本の平滑コンデンサCiから成る全波整流平滑回路が備えられる。そして、これらブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiの全波整流動作によって、平滑コンデンサCiの両端には整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が得られることになる。この整流平滑電圧Eiは、交流入力電圧VACの等倍に対応したレベルとなる。
上記直流入力電圧を入力してスイッチングする電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれボディダイオードによるダンパーダイオードDD1,DD2が並列に接続される。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
この電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、例えば汎用のICによる発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動回路回路を有している。そして、発振回路及び駆動回路によって、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送する。この絶縁トランスPITの一次巻線N1の一端は、一次側並列共振コンデンサC1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が伝達されるようになっている。
また、一次巻線N1の他端は、一次側アースに接続される。
ここで、上記直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンスL1によっては、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成する。
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた形式を採っていることになる。本明細書では、このようなスイッチングコンバータについて、複合共振形コンバータということにする。
ここでの図示による説明は省略するが、絶縁コンバータトランスPITの構造としては、例えばフェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1と、次に説明する二次巻線(N2A,N2B)を、EE型コアの中央磁脚に対して、巻装している。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線としては、センタータップが施されたことで2つに分割された二次巻線N2A,N2Bが巻装されている。これらの二次巻線N2A,N2Bには、一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
この場合、上記二次巻線N2A,N2Bのセンタータップは二次側アースに対して接続される。そして、この二次巻線N2A,N2Bに対して、図示するようにして整流ダイオードDO1,DO2、及び平滑コンデンサCOから成る全波整流回路を接続する。これにより、平滑コンデンサCOの両端電圧として二次側直流出力電圧EOが得られる。この二次側直流出力電圧EOは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
制御回路1は、二次側直流出力電圧EOのレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する。このようにしてスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、二次側直流出力電圧のレベルが安定化されることになる。
この図に示す回路構成による電源回路として、低電圧大電流としての負荷条件に対応させた場合の動作波形を、図12に示す。図12に示す動作波形は、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=100Wの条件で測定を行って得られたものである。また、ここでの低電圧大電流の状態としては、二次側直流電圧Eo=5Vで、一次側スイッチングコンバータのスイッチング電流である一次側直列共振電流Io=25Aとなる状態である。
また、図12に示す動作波形による実験結果を得るのにあたっては、次のような条件と、電源回路における部品素子等の選定を行っている。
先ず、二次側巻線の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルが、5V/Tとなるようして、二次巻線N2A,N2B及び一次巻線N1のターン数を設定することとして、具体的には、二次巻線N2A=N2B=1T、一次巻線N1=30Tとしている。
そして、絶縁コンバータトランスPITのEE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm程度のギャップを形成するようにしている。これによって、一次巻線N1と二次巻線N2A,N2Bとで、0.85程度の結合係数を得るようにしている。
また、一次側直列共振コンデンサC1=0.068μF、部分電圧共振コンデンサCp=330pFを選定し、整流ダイオードDo1,Do2には、50A/40Vのショットキーダイオードを選定している。
図12に示す波形図において、スイッチング素子Q2の両端電圧V1は、スイッチング素子Q2のオン/オフ状態に対応している。つまり、スイッチング素子Q2がオンとなる期間T2では0レベルで、オフとなる期間T1では所定レベルでクランプされた矩形波となる。そして、スイッチング素子Q2//ダンパーダイオードDD2に流れるスイッチング電流IDS2としては、期間T2に示されるように、ターンオン時においては、ダンパーダイオードDD2を流れることで負極性となり、これが反転して正極性によりスイッチング素子Q2のドレイン→ソースを流れ、期間T1でオフとなって0レベルとなる波形が得られる。
また、スイッチング素子Q1は、上記スイッチング素子Q2に対して交互にオン/オフするようにしてスイッチングを行う。このため、スイッチング素子Q1//ダンパーダイオードDD1に流れるスイッチング電流IDS1は、スイッチング電流IDS2に対して180°位相がシフトした波形となっている。
そして、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点と一次側アース間に接続される一次側直列共振回路(C1−L1)に流れる一次側直列共振電流Ioは、スイッチング電流IDS1とスイッチング電流IDS2との合成波形に対応する、一次側直列共振回路(C1−L1)の共振電流としての正弦波成分と、一次巻線N1の励磁インダクタンスにより発生する鋸歯状波成分とが合成された波形となる。
そして、このときの測定条件である、負荷電力Po=100Wは、図11に示す電源回路が対応する負荷条件としては、最大に近い重負荷の条件となるのであるが、このようにして対応負荷電力範囲において重負荷の傾向となる条件では、二次側の整流電流は不連続モードとなる。
つまり、二次巻線N2Aに発生する二次巻線電圧V2は、図12に示すようにして、一次側直列共振電流Ioが正弦波状で流れる期間のみ、所定の絶対値レベルでクランプされる波形が生じ、その間の一次側直列共振電流Ioとして励磁インダクタンスによる鋸歯状波成分が流れる期間は0レベルとなる。二次巻線N2Bには、二次巻線電圧V2を反転させた波形が発生する。
このために、整流ダイオードDo1を流れる整流電流I1と、整流ダイオードDo2を流れる整流電流I2は、それぞれ、一次側直列共振電流Ioが正弦波状で流れる期間DON1、DON2においてのみ流れ、これ以外の期間においては共に流れない。つまり、二次側の整流電流は不連続で平滑コンデンサに流入している。
ショットキーダイオードである整流ダイオードDo1,Do2の順方向電圧降下は0.6Vであり、上記したような二次側の動作では、図示もしているように、整流電流I1,I2は35Apという相応に高いレベルとなるので、これらの整流ダイオード素子による導通損が顕著となって電力損失が大きくなる。実際の測定結果として、直流入力電圧(整流平滑電圧Ei)=100VのときのDC→DC電力変換効率は82%程度にとどまる。
そこで、二次側における整流電流の導通損を低減する技術として、低オン抵抗のMOS−FETにより整流を行うようにした、同期整流回路が知られている。このような同期整流回路として、巻線電圧検出方式による構成を例を図13に示す。
なお、図13においては、絶縁コンバータトランスPITの二次側の構成のみを示している。一次側の構成は、図11と同様であるものとする。また、定電圧制御方式としても、二次側直流出力電圧Eoのレベルに応じて、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数を可変制御するスイッチング周波数制御方式を採る。
また、この図13に示す二次側の構成を採る電源回路としても、図11の場合と同様の低電圧大電流(VAC=100V、負荷電力Po=100W、Eo=5V、Io=25A)の条件に対応するものとされる。
この場合にも、二次巻線としては、同じ巻数の二次巻線N2A、N2Bの各一端はセンタータップにより接続されるが、このセンタータップ出力は、平滑コンデンサCoの正極端子に接続される。二次巻線N2Aの他端は、NチャネルのMOS−FETQ3のドレイン→ソースを介して、二次側アース(平滑コンデンサCoの負極端子側)に接続される。同様にして、二次巻線N2Bの他端も、NチャネルのMOS−FETQ4のドレイン→ソースを介して、二次側アース(平滑コンデンサCoの負極端子側)に接続される。つまり、この場合には、二次巻線N2A、N2Bの各整流電流経路において、MOS−FETQ3,Q4を負極側に直列に挿入した構造となっている。なお、MOS−FETQ3,Q4のドレイン−ソースに対しては、それぞれ、ボディダイオードDD3,DD4が接続される。
そして、MOS−FETQ3を駆動する駆動回路は、二次巻線N2BとMOS−FETQ4のドレインとの接続点とMOS−FETQ3のゲートの間に、ゲート抵抗Rg1を接続すると共に、MOS−FETQ3のゲートと二次側アースとの間に抵抗R11を接続して形成される。
同様に、MOS−FETQ4を駆動する駆動回路は、二次巻線N2AとMOS−FETQ3のドレインとの接続点とMOS−FETQ4のゲートの間に、ゲート抵抗Rg2を接続すると共に、MOS−FETQ4のゲートと二次側アースとの間に抵抗R12を接続して形成される。
MOS−FETは、ゲートにオン電圧を印加すると、ドレイン−ソース間は、単なる抵抗体と等価となるので、電流は双方向に流れる。これを二次側の整流素子として機能させようとすれば、平滑コンデンサCoの正極端子に充電する方向のみに電流を流さなければならない。これとは逆方向に電流が流れると、平滑コンデンサCoから絶縁コンバータトランスPIT側に放電電流が流れて、負荷側に有効に電力を伝達することができなくなる。また、逆電流によるMOS−FETの発熱、ノイズなどが生じて、一次側におけるスイッチング損失も招く。
上記した駆動回路は、二次巻線の電圧を検出することに基づいて、平滑コンデンサCoの正極端子に充電する方向にのみ電流が流れるように、MOS−FETQ3,Q4をスイッチング駆動するための回路である。
図14の波形図は、上記図13に示す二次側の構成を採る電源回路(一次側は図11と同様)として、負荷電力Po=100W時の動作を示している。前述もしたように、この場合における負荷電力Po=100Wは、ほぼ最大負荷の条件となる。
この図において、スイッチング素子Q2の両端電圧V1と、これに応じた二次巻線N2A−N2Bの両端に得られる二次巻線電圧V2は、図12と同様のタイミングとなっているものである。なお、図14に示す二次巻線電圧V2は、二次巻線N2Aとゲート抵抗Rg2との接続点側からみた場合の極性となっており、二次巻線N2Bとゲート抵抗Rg1との接続点側からみた場合には逆極性となる。
MOS−FETQ4の駆動回路は、この図に示す極性の二次巻線電圧V2が負極性の所定レベルでクランプされる期間に至ると、MOS−FETQ4のゲートに対して、ゲート抵抗Rg2と抵抗R12とにより設定されるレベルのオン電圧を印加するように動作することになる。
同様にして、MOS−FETQ3の駆動回路(ゲート抵抗Rg1,抵抗R11)は、この図とは反転した極性の二次巻線電圧(V2)が負極性の所定レベルでクランプされる期間に至ると、MOS−FETQ3のゲートに対してオン電圧を印加するように動作することになる。
これにより、MOS−FETQ3,Q4には、それぞれ、図示するようにして、期間DON1,DON2において、正極性の整流電流I1,I2が流れる。図示する二次巻線電圧V2が正/負でクランプされる期間に流れる整流電流I1,I2は、図11の回路の場合(図12の波形図の整流電流I1,I2)と同様に、35Apである。しかしながら、MOS−FETQ3,Q4は低オン抵抗であり、ショットキーダイオードによる整流ダイオードDo1,Do2と比較すれば、整流電流の導通損は著しく低いものとすることができる。また、駆動回路が抵抗素子のみから成ることからも理解されるように、巻線電圧検出方式は、駆動回路系が簡単な構成であることもメリットとなっている。
しかしながら、この図14に対応する場合のような重負荷(負荷電力Po=100W)とされる条件では、この電源回路も二次側整流電流は不連続モードとなる。これは、図14においても期間DON1,DON2が不連続であることにより示されている。
この不連続モードでは、整流電流I1,I2として、平滑コンデンサCoへの充電電流が0レベルになったとしても、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1には同じ方向に電流が流れている。これは、先の図12の波形図であれば、期間DON1,DON2以外の期間において、一次側直列共振電流Ioとして、一次巻線N1の励磁インダクタンス成分がその直前タイミングと同じ極性で流れていることにより示されている。このために、実際としては、二次巻線N2A,N2Bに誘起される電圧の極性が反転しないために、その間、MOS−FETQ3、Q4は完全にオフにならずにオン状態を維持する。これにより、図示するようにして、期間DON1,DON2以外では、整流電流I1,I2として逆方向の電流が流れてしまう。この期間DON1,DON2以外における逆方向の整流電流I1,I2は、無効電力を生じさせるが、このときの整流電流I1,I2のレベルは、8Apと比較的高いために、その無効電力量も相応に大きなものとなる。
このように、同期整流回路として巻線電圧検出方式を採る場合、整流電流の導通損は低減されるものの、上記のようにして無効電力が発生するために、全体として電力変換効率の有効な向上は図ることが難しいというのが現状である。
図15の波形図は、図13に示した二次側の構成を採る電源回路についての軽負荷とされる条件での動作を示している。
図13に示す電源回路の実際としても、先に図11に示した電源回路の構成として説明したようにスイッチング周波数制御による定電圧制御を行うが、軽負荷の条件となって二次側直流出力電圧が上昇すると、スイッチング周波数を高くするようにして二次側直流出力電圧を低下させ、これにより安定化を図るように動作する。
そして、このような軽負荷の状態では、図15に示すスイッチング素子Q2の両端電圧V1に対して、二次側巻線電圧V2はほぼ同じタイミングで反転するようになり、これに応じて、二次側の整流電流I1、I2としては、期間DON1,DON2との間に休止期間が無く平滑コンデンサCoに連続して充電されるようにして流れる。つまり、連続モードとなる。このときには、上記図17の重負荷時の動作として示したような逆方向の整流電流I1、I2が流れる期間は存在しなくなって、これに応じた無効電力も生じていない。
このように、二次側整流回路系を巻線電圧検出方式による同期整流回路に置き換えた構成の電源回路も、重負荷時における電力変換効率の低下が依然として問題となる。
そこで、上記図14に示されるような、逆方向の整流電流による無効電力の発生の問題を解消する技術としては、整流電流検出方式による同期整流回路が知られている。この整流電流検出方式は、平滑コンデンサCoに充電される整流電流が0レベルになる前にMOS−FETをオフさせる技術である。
この整流電流検出方式による同期整流回路の構成例を、図16に示す。なお、この図においては、説明を簡単なものとするために、半波整流による構成を示している。
整流電流検出方式としては、二次巻線N2に流れる電流を検出するためにカレントトランスTRを設ける。カレントトランスの一次巻線Naは、二次巻線N2の端部と、MOS−FETQ4のドレインと接続される。MOS−FETQ4のソースは、平滑コンデンサCoの負極端子に接続している。
カレントトランスの二次巻線Nbに対しては、抵抗Raが並列に接続されるとともに、相互に順電圧方向が逆となるようにして、ダイオードDa、Dbが並列に接続されて並列接続回路を形成する。また、この並列接続回路に対して、コンパレータ20が接続される。コンパレータ20の反転入力には、基準電圧Vrefが入力される。なお、基準電圧Vrefとコンパレータ20の反転入力との接続点には、上記並列接続回路においてダイオードDaのアノードとダイオードDbのカソードが接続されている側の端部と接続される。また、コンパレータ20の非反転入力には、上記並列接続回路においてダイオードDaのカソードとダイオードDbのアノードが接続されている側の端部が接続される。
この場合、コンパレータ20の出力は、バッファ21により増幅されてMOS−FETQ4のゲートに印加されるようになっている。
上記図16に示す構成による回路の動作を、図17に示す。
二次巻線N2に誘起される電圧が、平滑コンデンサCoの両端電圧(Eo)よりも大きくなると、先ず、MOS−FETQ4のボディダイオードのアノード→カソードの方向により、平滑コンデンサCoへ充電するようにして整流電流Idが流れ始める。この整流電流Idは、カレントトランスの一次巻線Naに流れるので、カレントトランスの二次巻線Nbには、一次巻線Naに流れる整流電流Idに応じた電圧Vnbが誘起される。コンパレータ20では、基準電圧Vrefと電圧Vnbとを比較して、電圧Vnbが基準電圧Vrefを越えるとHレベルを出力する。このHレベルの出力がバッファ21からオン電圧としてMOS−FETQ4のゲートに対して印加され、MOS−FETQ4をオンさせる。これにより、整流電流IdがMOS−FETQ4のドレイン→ソース方向により流れることになる。図17では、正極性により流れる整流電流Idとして示されている。
そして時間経過に応じて整流電流Idのレベルが低下し、これに応じて、電圧Vnbが基準電圧Vrefよりも低くなると、コンパレータ20は出力を反転させる。この反転出力がバッファ21を介して出力されることで、MOS−FETQ4のゲート容量を放電させて、MOS−FETQ4をオフとする。なお、この時点で、残りの整流電流IdはボディダイオードDD4を経由して短時間のうちに流れる。
このような動作とされることで、MOS−FETQ4は、整流電流Idが0レベルとなる前のタイミングでオフされることになる。これにより、図14に示したように、整流電流が不連続となる期間において、MOS−FETに逆方向電流が流れることが無くなって無効電力が生じなくなり、その分の電力変換効率は高くなる。
例えば、図11に示した電源回路の二次側の構成を、上記図16に示した構成に基づく、全波整流の整流電流検出方式による同期整流回路とした場合のDC→DC電力変換効率としては、先の図12、図14などと同様の条件の下で測定したところ、90%程度にまで向上するという測定結果が得られた。
特開2003−111401号公報
しかしながら、上記した整流電流検出方式の同期整流回路では、図16からも分かるように、1つのMOS−FETに対応して、少なくとも1組のカレントトランスと、このカレントトランスの出力によりMOS−FETを駆動するための比較的複雑な駆動回路系が必要となる。これにより、回路構成が複雑になり、これが製造能率の低下、コストアップ、回路基板サイズの拡大などにつながるという不都合が生じることになる。
特に、図16に示した一次側のスイッチングコンバータの構成を基本として整流電流検出方式の同期整流回路を二次側に備えることとした場合、二次側には全波整流回路を備える必要がある。従って、上記したカレントトランス及び駆動回路系は、MOS−FETQ3,Q4ごとに対応して2組必要とされることになり、上記した問題がさらに大きくなる。
このようにして、巻線電圧検出方式と整流電流検出方式とでは、巻線電圧検出方式のほうが、無効電力により電力変換効率の面で不利ではあるが、回路構成が簡略であるのに対して、整流電流検出方式のほうは、無効電力が生じないので電力変換効率の面では有利であるが、回路構成が複雑になる、というトレードオフの関係にある。
従って、同期整流回路を備える電源回路としては、できるだけ簡略な回路構成でありながら、かつ、無効電力による損失増加が解消されるような構成を採ることが求められている、ということになる。
そこで、本発明では以上のような問題点に鑑み、スイッチング電源回路として以下のように構成することとした。
すなわち、先ず、入力された直流入力電圧を断続するようにしてスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、上記スイッチング素子をスイッチング駆動する駆動手段と、上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から二次側に伝送するものであり、少なくとも一次巻線と二次巻線が巻装される絶縁コンバータトランスとを備える。
そして、少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、自己のキャパシタンスとによって上記スイッチング手段の動作を共振形とするための一次側共振回路を形成するようにして、一次側の所定の部位に接続される一次側共振コンデンサと、上記スイッチング手段を形成するスイッチング素子のうち、少なくとも一方のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成するスイッチング素子のターンオフ期間に部分電圧共振動作を行う一次側部分電圧共振回路を備え、さらに上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に誘起される交番電圧を全波整流して二次側平滑コンデンサに整流電流を充電することで、上記二次側平滑コンデンサの両端電圧として二次側直流出力電圧を得るようにされた同期整流回路と、を備えるようにする。
そして、このような構成において、先ずは、上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を、上記二次側直流電圧に接続される負荷条件の変動にかかわらず、上記全波整流動作により同期整流回路に流れる二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定する。
さらに、上記同期整流回路としては、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線をセンタータップすると共に、
上記二次巻線のセンタータップしていない側の一方の端部と二次側アースとの間に直列接続される第1の電界効果トランジスタと、上記二次巻線のセンタータップしていない側の他方の端部と二次側アースとの間に直列接続される第2の電界効果トランジスタとを備える。
そして、上記第1の電界効果トランジスタが整流電流を流すべき半波の期間に対応する二次巻線電圧を抵抗素子により検出して、上記第1の電界効果トランジスタをオンとするためのゲート電圧を出力するようにされた第1の駆動回路と、上記第2の電界効果トランジスタが整流電流を流すべき半波の期間に対応する二次巻線電圧を抵抗素子により検出して、上記第2の電界効果トランジスタをオンとするためのゲート電圧を出力するようにされた第2の駆動回路とを備えるようにする。
その上で、さらに上記二次巻線のセンタータップと上記二次側平滑コンデンサの正極端子との間に、金属系ダスト及び/又はNi−Zn系フェライト材によるコアの磁脚に対して所要のターン数により巻線が巻装されて、所要以上の飽和磁束密度を有すると共に、所要以下のインダクタンスを有するようにされたチョークコイルの複数による並列接続回路を直列に挿入するようにした。
上記構成によるスイッチング電源回路において、一次側スイッチングコンバータとしては、共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた複合共振形コンバータとしての構成を採り、二次側においては、巻線電圧検出方式による全波整流の同期整流回路を備える。
そして、絶縁コンバータトランスの磁束密度が所定以下となるようにしていることで、負荷変動にかかわらず、二次側整流電流が常に連続モードとなるようにしている。二次側整流電流が連続モードとなれば、巻線電圧検出方式による同期整流回路において問題となる、二次側整流電流の不連続期間において整流電流に逆方向電流が生じることに依る無効電力を低減することができる。
その上で、上記のようにして二次巻線のセンタータップと二次側平滑コンデンサとの間には、所要以下のインダクタンスを有するチョークコイルが直列に挿入される。このチョークコイルによっては、そこに整流電流が流れる際の逆起電力により整流電流に生じる逆方向電流が抑圧される。つまり、これによって整流電流に逆方向電流が生じることによる無効電力についての、さらなる低減を図ることができるものである。
また、上記チョークコイルとしては、金属系ダスト、Ni−Zn系フェライト材による、飽和磁束密度の比較的高いコアを用いるようにしていることから、負荷電流レベルの変動によらずそのインダクタンス値が安定するものとなる。
さらに、本発明では、上記のようなチョークコイルを並列接続していることで、例えば1つのチョークコイルを挿入する場合と比較して、その直流抵抗の低減を図ることができる。
上記本発明によれば、巻線電圧検出方式の同期整流回路を備えながらも、二次側整流電流の不連続期間に対応した無効電力は生じないこととなり、例えば、整流電流検出方式による同期整流回路を備えた場合と同等程度にまで電力変換効率を向上させることができる。そして、なおかつ、同期整流回路の回路構成自体は巻線電圧検出方式であることで、整流電流検出方式よりも簡易な構成を採ることができる。
つまり、本発明によっては、同期整流回路を備える複合共振形コンバータとして、高い電力変換効率を得ることと、回路の簡易化による回路規模の縮小、及び低コスト化を図ることとの両立が図られるものであり、特に、低電圧大電流とされるような条件に電源回路を使用する場合に有利となるものである。
また、上記もしたように、二次巻線のセンタータップ平滑コンデンサの間に挿入されるチョークコイルによっては、整流電流に生じる逆方向電流を抑制することができ、これによって無効電力のさらなる低減を図ることができる。
さらに、上述もしたようにこのチョークコイルとしては、飽和磁束密度の比較的高いコア材が用いるようにしたことにより、電流レベル変動によらずそのインダクタンス値が安定して得られるようになる。そして、このように負荷電流レベルの変動によらずインダクタンス値を安定化できれば、例えば軽負荷の条件となって負荷電流レベルが所要以下に低下した場合に、そのインダクタンスが急激に上昇するようなことは無くなり、例えばこのような軽負荷時においても電源回路として安定した動作を保証することができる。
さらに本発明では、上記チョークコイルの複数を並列接続していることで、例えば1つのチョークコイルを挿入する場合と比較して、その直流抵抗の低減を図ることができる。そしてこれによっては、二次側に設けられたチョークコイルによる損失を低減することができ、電力変換効率のさらなる向上を図ることができる。
図1は、本発明における実施の形態としてのスイッチング電源回路を構成する上での、その基となる構成を例示した回路図である。この図に示す電源回路は、一次側の基本構成として、他励式によるハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータに対して部分電圧共振回路が組み合わされた構成を採る。
この図1に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対し、フィルタコンデンサCL、CL、及びコモンモードチョークコイルCMCによるノイズフィルタが形成されている。
そして、このようなノイズフィルタの後段に対しては、図のように整流ダイオードDA,DBから成る整流回路部Diと、2本の平滑コンデンサCi1,Ci2とから成る倍電圧整流回路が備えられる。この倍電圧整流回路によっては、平滑コンデンサCi1−Ci2の両端電圧として、交流入力電圧VACの2倍に対応したレベル整流平滑電圧Ei(直流入力電圧)が生成される。
この図に示す電源回路のように、負荷が比較的大きな電流を必要とする条件では、一次側スイッチングコンバータ側の回路に流れる電流レベルも増加する。これにより、スイッチング損失などが増加して電力変換効率が低下する。そこで、このようにして、直流入力電圧を生成する整流回路系について倍電圧整流回路とすることで、例えば通常の全波整流により交流入力電圧VACの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧Eiを供給する場合と比較して、一次側スイッチングコンバータの回路内に流れる電流レベルを約1/2とすることができる。これにより、一次側スイッチングコンバータによるスイッチング損失が低減されるようにしているものである。
上記直流入力電圧を入力してスイッチング(断続)する電流共振形コンバータとしては、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1,Q2をハーフブリッジ結合により接続したスイッチング回路を備える。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、ダンパーダイオードDD1,DD2が並列に接続される。ダンパーダイオードDD1のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q1のソース、ドレインと接続される。同様にして、ダンパーダイオードDD2のアノード、カソードは、それぞれスイッチング素子Q2のソース、ドレインと接続される。ダンパーダイオードDD1,DD2は、それぞれスイッチング素子Q1,Q2が備えるボディダイオードとされる。
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
この電源回路においては、スイッチング素子Q1,Q2をスイッチング駆動するために、発振・ドライブ回路2が設けられる。この発振・ドライブ回路2は、発振回路、駆動回路を有しており、例えば汎用のICを用いることができる。そして、この発振・ドライブ回路2内の発振回路及び駆動回路によって、所要の周波数によるドライブ信号(ゲート電圧)をスイッチング素子Q1,Q2の各ゲートに対して印加する。これにより、スイッチング素子Q1,Q2は、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
絶縁コンバータトランスPITは、スイッチング素子Q1 、Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するために設けられる。
この絶縁トランスPITの一次巻線N1の一方の端部は、一次側並列共振コンデンサC1の直列接続を介して、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に接続されることで、スイッチング出力が伝達されるようになっている。
また、一次巻線N1の他方の端部は、一次側アースに接続される。
ここで、絶縁コンバータトランスPITは、後述する構造により、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1に所要のリーケージインダクタンスL1を生じさせる。そして、直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、上記リーケージインダクタンスL1によっては、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とするための一次側直列共振回路を形成する。
上記説明によると、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(L1−C1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた、複合共振形コンバータとしての構成を採っている。
絶縁コンバータトランスPITの二次巻線には一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
図1の回路の場合、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線としては、図のように、それぞれ上記一次巻線N1と巻方向が同極性とされた二次巻線N2A,二次巻線N2Bが備えられる。
これら二次巻線N2A、N2Bは、それぞれセンタータップが施されたことで、それぞれ図のように2つの巻線部に分割されている。ここでは、二次巻線N2Aの巻き始め端部を含む巻線部を巻線部N2A1とし、巻き終わり端部を含む巻線部は巻線部N2A2としている。また、二次巻線N2Bの巻き始め端部を含む巻線部は巻線部N2B1、巻き終わり端部を含む巻線部は巻線部N2B2とする。
この場合の二次巻線N2A,N2Bにおいて、上記巻線部N2A1、N2A2、N2B1、N2B2は、それぞれ同じ所定のターン数を有する。
そして、この二次巻線N2A,N2Bに対しては、整流用素子としてNチャネルのMOS−FETQ3,Q4を備える全波整流の同期整流回路が備えられる。これらMOS−FETQ3,Q4は、例えば低耐圧のトレンチ構造のものを選定することで、低オン抵抗を得るようにされる。
上記二次巻線N2A、N2Bの各センタータップ出力は、図示するように平滑コンデンサCo1の正極端子に接続される。
そして、二次巻線N2A、N2Bの各巻き終わり端部は、インダクタLd1→MOS−FETQ3のドレイン→ソースを介して、二次側アース(平滑コンデンサCo1の負極端子側)に接続される。
また、二次巻線N2A、N2Bの各巻き始め端部は、インダクタLd2→MOS−FETQ4のドレイン→ソースを介して、二次側アース(平滑コンデンサCo1の負極端子側)に接続される。
なお、MOS−FETQ3,Q4のドレイン−ソースに対しては、それぞれ、ボディダイオードDD3,DD4が接続される。
このような接続形態によれば、二次巻線N2A、N2Bの巻線部N2A2、巻線部N2B2を含む整流電流経路においては、MOS−FETQ3が直列に挿入される。また、二次巻線N2A、N2Bの巻線部N2A1、巻線部N2B1を含む整流電流経路においては、MOS−FETQ4が直列に挿入された構造となっている。
また、この際、上記巻線部N2A2、巻線部N2B2を含む整流電流経路においては、二次巻線N2A、N2Bの各巻き終わり端部とMOS−FETQ3のドレインとの間に、インダクタLd1が直列に挿入されるものとなる。同様に、上記巻線部N2A1、巻線部N2B1を含む整流電流経路においては、二次巻線N2A、N2Bの各巻き始め端部とMOS−FETQ4のドレインとの間にインダクタLd2が直列に挿入される。
また、この図に示される同期整流回路において、MOS−FETQ3を駆動する駆動回路は、二次巻線N2Aの巻き始め端部とMOS−FETQ3のゲートとの間に、ゲート抵抗Rg1を接続して形成される。
同様に、MOS−FETQ4を駆動する駆動回路は、二次巻線N2Bの巻き終わり端部とMOS−FETQ4のゲートとの間に、ゲート抵抗Rg2を接続して形成される。
つまりこの場合、上記MOS−FETQ3は、それぞれ巻線部N2A1、巻線部N2B1に励起される交番電圧が上記ゲート抵抗Rg1により検出されて導通するようにされ、また、MOS−FETQ4は、巻線部N2A2、巻線部N2B2に励起される交番電圧が上記ゲート抵抗Rg2により検出されて導通するようにされているものである。
MOS−FETは、ゲートにオン電圧を印加すると、ドレイン−ソース間は、単なる抵抗体と等価となるので、電流は双方向に流れる。これを二次側の整流素子として機能させようとすれば、二次側平滑コンデンサ(ここでは上記した平滑コンデンサCo1、及び後述する平滑コンデンサCo2)の正極端子に充電する方向のみに電流を流さなければならない。これとは逆方向に電流が流れると、二次側平滑コンデンサから絶縁コンバータトランスPIT側に放電電流が流れて、負荷側に有効に電力を伝達することができなくなる。また、逆電流によるMOS−FETの発熱、ノイズなどが生じて、一次側におけるスイッチング損失も招く。
上記した駆動回路は、二次巻線の電圧を検出することに基づいて、二次側平滑コンデンサの正極端子に充電する方向(つまり、この場合ではソース→ドレイン方向)の電流のみが流れるように、MOS−FETQ3,Q4をスイッチング駆動するための回路である。つまり、この場合における同期整流回路の回路構成としては、巻線電圧検出方式により、整流電流に同期させてMOS−FETQ3,Q4をオン/オフ駆動する構成を採っているものである。
なお、この場合、MOS−FETQ3、MOS−FETQ4の駆動回路系を形成するとされるゲート抵抗Rg1、Rg2に対しては、それぞれ並列にショットキーダイオードDg1、ショットキーダイオードDg2を図示する方向により接続するようにしている。これらショットキーダイオードDg1、Dg2によっては、後述するようにMOS−FETQ3、Q4のゲート入力容量の蓄積電荷を、これらのターンオフ時に放電するための経路が形成される。そして、これによってMOS−FETQ3、Q4を確実にターンオフさせて、良好なスイッチング特性を得るようにしている。
また、この場合、MOS−FETQ3のゲート−ソース間に対しては、図のようにツェナーダイオードDz1、ツェナーダイオードDz2を挿入し、同様にMOS−FETQ4のゲート−ソース間にはツェナーダイオードDz3、ツェナーダイオードDz4を挿入しているが、これらのツェナーダイオードによってはMOS−FETQ3、Q4についての過電圧保護回路が形成される。
このようなツェナーダイオードDzとしては、ツェナー電位(ブレイクダウン電位)としてMOS−FETQ3、Q4の耐圧レベルに応じた電位のもが選定される。これにより、MOS−FETQ3、Q4のゲート−ソース間電位が耐圧レベル以上に上昇するのに応じ、これらツェナーダイオードDzが導通してMOS−FETQ3、Q4を保護することができる。
例えば、この場合のツェナーダイオードDzとしては、ツェナー電位=±20Vのものが選定される。また、例えばこれらツェナーダイオードDz1、Dz2、及びツェナーダイオードDz3、Dz4は、それぞれMOS−FETQ3、MOS−FETQ4に対して内蔵されるようにして備えられる。
また、上述もしたように、この図1に示す電源回路では、二次巻線N2A、N2Bの各巻き終わり端部−MOS−FETQ3のドレイン間に対し、インダクタLd1を挿入している。また、同様に二次巻線N2A、N2Bの各巻き始め端部−MOS−FETQ4のドレイン間に対しては、インダクタLd2を挿入している。
この場合において、これらインダクタLd1、Ld2としては、例えば0.6μH程度の比較的低いインダクタンスを設定するものとしている。
ここで、このように低いインダクタンスを得るにあたっては、上記インダクタLd1、Ld2として、次の図3に示すようなビーズコアを用いることとしている。
すなわち、この図3に示されるようにして、例えばアモルファス磁性体若しくはフェライト材等の磁性体が筒形状に形成されたビーズコアによって、リード線を挿通する。そして、このようにリード線を挿通したビーズコアを、1つのインダクタ素子としてプリント基板上に実装するものである。
説明を図1に戻す。
上述した回路構成による同期整流回路によっては、二次側平滑コンデンサに対して全波整流により整流して得られる整流電流を充電する動作が得られる。
すなわち、二次側に励起される交番電圧の一方の半周期には、巻線部N2A1、N2B1を流れる電流がそれぞれ二次側平滑コンデンサに対して充電される。また、交番電圧の他方の半周期には、巻線部N2A2、N2B2に流れる電流がそれぞれ二次側平滑コンデンサに対して充電される。これによって、上記交番電圧が正/負の期間で二次側平滑コンデンサに充電する全波整流動作が得られるものである。
そして、このような平滑コンデンサの両端電圧として、図のような二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
制御回路1は、二次側直流出力電圧Eoのレベル変化に応じた検出出力を発振・ドライブ回路2に供給する。発振・ドライブ回路2では、入力された制御回路1の検出出力に応じてスイッチング周波数が可変されるようにして、スイッチング素子Q1,Q2を駆動する。スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数が可変されることで、絶縁コンバータトランスPITの一次巻線N1から二次巻線N2A,N2B側に伝送される電力が変化するが、これにより二次側直流出力電圧Eoのレベルを安定化させるように動作する。
例えば重負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eoが低下するのに応じては、上記スイッチング周波数を高くするように制御することで、二次側直流出力電圧Eoを上昇させる。これに対して、軽負荷の傾向となって二次側直流出力電圧Eoが上昇するのに応じては、上記スイッチング周波数を低くするように制御することで、二次側直流出力電圧Eoを低下させる。
また、この場合のスイッチング電源回路においては、上記二次側直流出力電圧Eoのラインに対し、上記した平滑コンデンサCo1、及び平滑コンデンサCo2、及びチョークコイルLnによるフィルタ回路が形成される。
このフィルタ回路としては、図示するように平滑コンデンサCo1の正極端子に対して、チョークコイルLnの一端を接続する。そして、このチョークコイルLnの他端に対して、平滑コンデンサCo2の正極端子を接続し、さらに平滑コンデンサCo2の負極端子を二次側アースに接地して成る。
このような接続形態によれば、平滑コンデンサCo1、平滑コンデンサCo2の並列接続回路が形成され、さらに、これら平滑コンデンサCo1、Co2の各正極端子間に対しては、チョークコイルLnが挿入されたものとなる。
つまり、この図1に示す回路においては、二次側直流出力電圧Eoのラインに対し、C、L、Cによる所謂π型フィルタを設けるようにしているものである。
ここで、このように二次側直流出力電圧Eoのラインに対してフィルタ回路を設けるようにしたのは、以下のような理由による。
先にも説明したように、図1の基本構成においては、MOS−FETQ3、Q4の各ゲートに対し、各々ショットキーダイオードDgを接続するものとしていた。これによっては、各MOS−FETのターンオフ時にそれぞれのゲート入力容量の蓄積電荷を強制的に引き抜くようにして、MOS−FETの良好なターンオフ特性を得ることが可能とされる。
しかしながら、このようにショットキーダイオードDgを設けることによっては、MOS−FETとして良好なターンオフ特性を得ることができる一方で、二次側整流電流経路においてはスイッチングノイズが発生し易いものとされていた。そして、この影響により二次側直流出力電圧Eoにも高周波のノイズが重畳し易くなっていたものである。
そこで図1の回路では、上記したようなπ型フィルタを備えることによって、このように二次側直流出力電圧Eoに生じるノイズの抑制を図るようにしたものである。
なお、この場合の上記フィルタ回路においては、上記平滑コンデンサCo1、平滑コンデンサCo2を、例えばアミジン系アルミ電解コンデンサで構成し、そのキャパシタンスCとして、例えばC=6800μF、耐圧は6.3V、ESR(等価直列抵抗値)は15mΩ以下となるものを選定している。
さらに、上記チョークコイルLnとしては、例えばDCR(直流抵抗値)=1mΩ程度、インダクタンスL=0.7μH程度に設定している。
これによって、二次側直流出力電圧Eoに生じる高周波ノイズのピークレベルを、100mV以下に抑制している。
本実施の形態の基本構成の電源回路としては、これまで説明してきた構成の下で、低電圧、大電流とされる負荷条件に対応させることとしている。ここでの低電圧大電流の状態としては、二次側直流電圧Eo=5Vで、一次側スイッチングコンバータのスイッチング電流である一次側直列共振電流Io=20Aとなる状態であるとする。
このような条件を前提として、図1に示す電源回路としては、次のようにして各部所要の部品を構成し、また、選定している。
先ず、絶縁コンバータトランスPITについては、図2に示す構造を採ることとしている。
この図に示すように、絶縁コンバータトランスPITは、フェライト材によるE型コアCR1、CR2を互いの磁脚が対向するように組み合わせたEE型コア(EE字形コア)を備える。
そして、一次側と二次側の巻装部について相互に独立するようにして分割した形状により、例えば樹脂などによって形成される、ボビンBが備えられる。このボビンBの一方の巻装部に対して一次巻線N1を巻装する。また、他方の巻装部に対して二次巻線(N2A,N2B)を巻装する。このようにして一次側巻線及び二次側巻線が巻装されたボビンBを上記EE型コア(CR1,CR2)に取り付けることで、一次側巻線及び二次側巻線とがそれぞれ異なる巻装領域により、EE型コアの中央磁脚に巻装される状態となる。このようにして絶縁コンバータトランスPIT全体としての構造が得られる。この場合のEE型コアとしては、例えばEER−40を選定している。
EE型コアの中央磁脚に対しては、図のようにして、例えばギャップ長1.5mm程度のギャップGを形成するようにしている。これによって、結合係数kとしては、例えばk=0.8以下による疎結合の状態を得るようにしている。つまり、従来例として図11に示した電源回路の絶縁コンバータトランスPITよりも、さらに疎結合の状態としているものである。なお、ギャップGは、E型コアCR1,CR2の中央磁脚を、2本の外磁脚よりも短くすることで形成することが出来る。
そのうえで、二次側巻線の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルとしても、図11に示した電源回路よりも低くなるように、一次巻線N1と二次巻線N2A,N2Bの巻線数(ターン数)を設定する。例えば、一次巻線N1=80T、二次巻線N2A=N2B=6T(巻線部N2A1=N2A2=N2B1=N2B2=3T)とすることで、二次側巻線の1T(ターン)あたりの誘起電圧レベルを、2V/T以下としている。
このような絶縁コンバータトランスPIT及び一次巻線N1、二次巻線(N2A,N2B)の巻線数設定とすることで、絶縁コンバータトランスPITのコアにおける磁束密度が低下して、図11に示した電源回路よりも、絶縁コンバータトランスPITにおけるリーケージインダクタンスは増加する。
また、一次側直列共振コンデンサC1には、0.015μFを選定した。また、二次側の同期整流回路を形成するMOS−FETQ3,Q4については、30A/20Vを選定しており、そのオン抵抗は5.0mΩ以下である。
このような構成による図1に示す電源回路の動作波形を、図4及び図5に示す。図4は、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=100Wのときの動作を示し、図5は、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=25W時の動作を示している。図1に示す電源回路の対応負荷電力範囲において、負荷電力Po=100Wは重負荷とされる条件であり、負荷電力Po=25Wは軽負荷の条件となる。
図4に示す波形図において、スイッチング素子Q2の両端電圧V1は、スイッチング素子Q2のオン/オフ状態に対応している。つまり、スイッチング素子Q2がオンとなる期間T2では0レベルで、オフとなる期間T1では所定レベルでクランプされた矩形波となる。そして、スイッチング素子Q2//ダンパーダイオードDD2に流れるスイッチング電流IDS2としては、期間T2に示されるように、ターンオン時においては、ダンパーダイオードDD2を流れることで負極性となり、これが反転して正極性によりスイッチング素子Q2のドレイン→ソースを流れ、期間T1でオフとなって0レベルとなる波形が得られる。
また、スイッチング素子Q1は、上記スイッチング素子Q2に対して交互にオン/オフするようにしてスイッチングを行う。このため、スイッチング素子Q1//ダンパーダイオードDD1に流れるスイッチング電流としても、図示はしていないがスイッチング電流IDS2に対して180°位相がシフトした波形となる。また、スイッチング素子Q1の両端電圧としても、スイッチング素子Q2の両端電圧V1に対して180°位相がシフトした波形となる。
そして、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点と一次側アース間に接続される一次側直列共振回路(C1−L1)に流れる一次側直列共振電流Ioは、スイッチング電流IDS1とスイッチング電流IDS2とが合成されたものとなる。これにより、図示するようにして、一次側直列共振電流Ioは正弦波状となる。この波形を、図11に示した従来の電源回路の一次側直列共振電流Ioの波形(図12参照)と比較すると、図1の回路の場合の一次側直列共振電流Ioとしては、一次巻線N1の励磁インダクタンスにより発生する鋸歯状波成分がほとんど含まれていないことが分かる。これは、絶縁コンバータトランスPITの結合係数をより疎結合な状態としたことで、一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1が増加した分、相対的に一次巻線N1の励磁インダクタンスが小さくなったことに依る。
そして、このような一次側直列共振電流Ioの波形が得られるのに応じて、二次巻線N2Bの巻線部N2B2に得られる電圧V2としては、一次側直列共振電流Ioの周期に応じた波形とされ、且つ二次側直流出力電圧Eoに対応する絶対値レベルでクランプされた波形となる。
なお、この電圧V2としては、巻線部N2B2に得られる電位として示したが、二次巻線N2Aにおける巻線部N2A2においても同等の波形により電位が生じていることになる。またこの場合、巻線部N2A1、巻線部N2B1においても、この電圧V2と同等の電位が生じるものである。
ここで、図12に示す電圧V2と比較して分かるように、この図4に示す電圧V2は、一次側直列共振電流Ioが0レベルとなるタイミングで、同様に0レベルとなる波形が得られる。つまり、この場合の電圧V2としては、ゼロクロスタイミングが一次側直列共振電流Ioのゼロクロスタイミングと重なるようになっている(図中時点t1、t2、t3参照)。
そして、電圧検出方式による二次側の同期整流回路では、抵抗Rg2から成る駆動回路により上記電圧V2(巻線部N2A2、N2B2)を検出し、MOS−FETQ4に対してオンレベルのゲート電圧を出力する。
この場合、電圧V2としては、図示するように時点t1にて正極性のピークレベルとなり、以降はそのレベルを低下させていき時点t2にて0レベルとなるような波形とされている。MOS−FETQ4のゲート−ソース間に生じるゲート−ソース間電圧VGS4は、この電圧V2が、Q4のゲート−ソース間電位として定められた所定のレベルに対応したレベル以上を保つ期間(図中期間t1〜td1)において、オン電圧を発生させる。つまり、この期間t1〜td1が、MOS−FETQ4のオン期間DON2となる。
そして、この期間DON2が終了する時点td1から時点t2までは、MOS−FETQ4のデットタイムであり、このデットタイムである期間td1〜t2ではQ4のボディダイオードDD4を介して整流電流が流れる。このことは、図示するゲート−ソース間電圧VGS4における期間td1−t2の電位によっても示されている。
これによって、MOS−FETQ4を介して流される整流電流I4としては、図示するように時点t1〜t2の期間にわたって流れるようになる。つまり、この整流電流I4としては、これら時点t1、t2において、一次側直列共振電流Ioと0レベルになるタイミングが重なるようにされ、これによって一次側直列共振電流と連続するものとなる。
また、同様に抵抗Rg1から成る駆動回路では、上記電圧V2と同等とされる巻線部N2A1、N2B1に生じる電圧を検出し、MOS−FETQ3に対してオンレベルのゲート電圧を出力するようにされる。
つまり、この場合、MOS−FETQ3のゲート−ソース間に生じるゲート−ソース間電圧VGS3は、巻線部N2A1、N2B1側に生じる電圧V2がゲート−ソース間電位としての所定のレベルに対応したレベル以上を保つ期間(図中期間t2〜td2)において、オン電圧を発生させ、これによってこの期間t2〜td2がMOS−FETQ3のオン期間DON1となる。
そして、同様にこの期間DON1が終了する時点td2から時点t3までは、MOS−FETQ3のデットタイムであり、この期間td2〜t3ではQ3のボディダイオードDD3を介して整流電流が流れる。
これによって、MOS−FETQ3を介して流れる整流電流I3としても、図示するように一次側直列共振電流Ioのゼロクロスタイミングである時点t2と時点t3との間にわたって流れるようになり、一次側直列共振電流Ioと連続して流れるものとなる。
各平滑コンデンサ(平滑コンデンサCo1、Co2)への充電電流Icとしては、これら整流電流I3、I4が合成された図のような波形により流れるものとなる。つまり、整流動作としては、二次巻線N2A、N2Bに生じる電圧が正/負となる各期間で平滑コンデンサCoに対して充電する、全波整流動作が得られていることがわかる。
そして、前述したように、この場合の二次巻線に生じる電圧V2は、一次側直列共振電流Ioが0レベルとなるのに応じ0レベルとなるから、電圧V2は一次側直列共振電流と連続するものとなる。さらに、このように電圧V2が連続することによって、上記説明のようにして整流電流I3、整流電流I4も連続することになり、従って、平滑コンデンサCoに対する充電電流Icも連続して流れることになる。
つまり、図1の回路では、重負荷とされてスイッチング周波数が低くなるようにして制御されているときにも、二次側整流電流としては連続モードが得られていることになる。なお、この場合、整流電流I3,I4としては28Apとなっており、例えば従来の図12に示した整流電流I1,I2よりも低減している。これは、例えば、同等のスイッチング周波数に対応する周期内において、整流電流の導通期間が従来よりも拡大したことに依るものである。
このようにして、重負荷の条件でも連続モードが得られているのは、これまでの説明から理解されるように、ギャップ長の設定により絶縁コンバータトランスPITの結合係数を0.8程度までに低下させてより疎結合の状態とし、また、例えば二次巻線の1ターンあたりの誘起電圧レベルが2V/T程度に低下するようにして一次巻線N1と二次巻線N2A(巻線部N2A1、N2A2),二次巻線N2B(巻線部N2B1、N2B2)の巻数(ターン数)設定を行い、これにより、絶縁コンバータトランスPITのコアに生じる磁束密度を所要以下にまで低下させたことにより得られるものである。
また、この図4において、この場合の整流電流I3、I4としては、図12に示した従来の整流電流I1、I2と比較してわかるように、逆方向電流が流されていないことがわかる。
つまり、従来において、整流電流I1、I2には8Apによる逆方向電流が流れ、これが電力損失を生じさせていたが、図1の回路ではこのような整流電流に生じていた逆方向電流が発生しないものである。
この場合において、整流電流I3、I4にこのような逆方向電流が発生しないのは、図1に示したようにして、各整流電流経路にインダクタLd1、Ld2を挿入するようにしたことによる。
このように各整流電流経路に対して各インダクタを挿入することによっては、整流電流が流れた際に、このインダクタに逆起電力が発生するようになる。そして、このように逆起電力が発生することに伴って、MOS−FETQ3、Q4のターンオフ時に生じるとされていた逆方向電流が抑圧されるようになるものである。
先にも述べたように、図1に示した回路の場合、これらインダクタLd1、Ld2として0.6μH程度を設定し、これによって整流電流I3、I4における逆方向電流の発生を防止することが可能とされる。
ここで、従来でも述べたように、同期整流回路は、低オン抵抗で低耐圧のMOS−FETを整流用素子として用いるために、整流用素子にダイオード素子を用いる場合よりも導通損を低減することができる。
しかしながら、二次側整流電流が不連続モードで流れる場合において、同期整流回路として巻線電圧検出方式を採る場合、平滑コンデンサCoへの充電電流が0レベルとなっても逆方向電流が流れ、これが無効電力を生じていた。
この無効電力を解消しようとすれば、整流電流検出方式の同期整流回路を採用することになる。しかしながら、整流電流検出方式では、カレントトランス及びコンパレータを備える駆動回路系などが必要であり、回路構成が複雑で大規模化する。
これに対して図1の回路では、重負荷時においても二次側整流電流を連続モードとしていることで、電圧検出方式による同期整流回路であっても、上記のような電流不連続期間の無効電力を低減できる。さらに、この場合は、上述のように二次側の整流電流経路に対してインダクタLd1、Ld2をそれぞれ挿入することにより、整流電流に逆方向電流が発生しないようにして無効電力のさらなる低減を図っている。
このことから図1の基本構成としては、同期整流回路として電圧検出方式による構成を採ることで、簡単な回路構成として回路規模の拡大を抑制し、さらにコストアップを避けるようにしていながら、なおかつ、電流不連続期間の無効電力による電力変換効率の低下の問題を解消していることになるものである。
また、図4においては、二次側直流出力電圧Eoに生じるリップル成分ΔEoが示されている。
この場合のリップル成分ΔEoとしては、図示するように二次側直流出力電圧Eoの出力レベルである5Vを中心として、0.05Vの範囲で生じている。また、この図からもわかるように、この場合の二次側直流出力電圧Eoとしては、MOS−FETQ3、Q4のターンオフ時に対応した期間に生じるノイズ成分が、0.1Vpのレベルにより発生している。
ここで、この図4では、平滑コンデンサCo1の両端電圧E1のリップル成分ΔE1の波形も示されているが、このΔE1の波形からもわかるように、平滑コンデンサCo1の両端電圧E1には、MOS−FETQ3、Q4のターンオフ時に対応した期間に生じるノイズ成分が、0.3Vpのレベルにより生じている。つまりこれは、二次側直流出力電圧Eoのラインに対してπ型フィルタの前段では(すなわちπ型フィルタを設けないとした場合には)、二次側直流出力電圧に0.3Vpのレベルによるノイズが生じるということが示されているものである。
このようなことからも、二次側直流出力電圧Eoのラインに対してπ型フィルタを設けた図1の回路では、二次側直流出力電圧Eoに生じるとされていた、上記のような0.3Vpのレベルによるノイズ成分を、0.1Vp(100mVp)にまで低減できることが理解できる。
なお、この図4において、ゲート−ソース間電圧VGS3、VGS4としては、それぞれMOS−FETQ3、Q4をターンオフとするタイミングで、この場合は−9Vによる負の電位が生じているが、これは、先に説明したようにしてMOS−FETQ3、Q4の各ゲートと二次巻線との間に、それぞれ抵抗Rg1、Rg2と並列にショットキーダイオードDg1、Dg2を挿入していることによる。
このようにショットキーダイオードDg1、Dg2を挿入することによっては、MOS−FETQ3、Q4のターンオフ時に、これらMOS−FETQ3、Q4のゲート入力容量(Ciss)の蓄積電荷を、これらショットキーダイオードDg1、Dg2を介して引き抜くようにして流すことができる。
つまりこの場合、ゲート入力容量の電荷は、それぞれショットキーダイオードDg(Dg1、Dg2)→二次巻線N2→平滑コンデンサCoの経路により放電されることになる。そして、このように入力容量の電荷が放電されることにより、MOS−FETQ3、Q4におけるターンオフ時の電圧降下時間を減少させることができる。
このようにして、MOS−FETのターンオフ時の電圧降下時間を減少させることができれば、これらMOS−FETQ3、Q4を確実にオフとさせて良好なスイッチング特性を得ることができる。
また、図5には、図1に示す回路における軽負荷時(Po=25W時)の動作が示されている。
図1に示す電源回路では、これまでの説明から理解されるように、二次側直流出力電圧Eoの安定化のために、スイッチング周波数制御による定電圧制御を行う。この定電圧制御は、軽負荷の条件となって二次側直流出力電圧が上昇すると、スイッチング周波数を高くするようにして二次側直流出力電圧を低下させ、これにより安定化を図るように動作する。
このような軽負荷の状態では、図示するスイッチング素子Q2の両端電圧V1に対して、二次側巻線電圧V2はほぼ同じタイミングで得られるようになり、これに応じて、二次側の充電電流Ic(整流電流I3、I4)としても、図のように休止期間が無く平滑コンデンサCoに連続して充電されるようにして流れる。
このことから、図1に示した電源回路では、軽負荷時においても連続モードとなることが理解できる。
続いて、図6には、これまでに説明した構成による図1に示す電源回路の負荷電力変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の特性を示す。なお、この図では交流入力電圧VAC=100Vで一定とした場合の実験結果を示している。
この図6によると、図1に示す回路のAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)は、負荷電力Po=12.5W〜100Wの範囲にわたってηAC→DC=85%以上となる結果が得られている。そして、負荷電力Po=100W時には、ηAC→DC=86.5%程度となり、先の図11に示した従来の回路よりも約4.5%向上する結果が得られた。
このような図6に示される電力変換効率の特性は、図11に示す一次側の構成に対して、二次側に整流電流検出方式の同期整流回路を採用した場合(図16参照)と同等となる。つまり、先にも述べたように、図16の整流電流検出方式を採用した場合のAC→DC電力変換効率はηAC→DC=90%程度であるのに対し、本例ではηAC→DC=86.5%と、およそ同等のAC→DC電力変換効率が得られるものである。
しかしながら先に説明したように、図1に示す電源回路では、同期整流回路の構成としては巻線電圧検出方式を採っていることで、回路構成はより簡略なものとすることができるものである
以上では、本実施の形態のスイッチング電源回路が基とする回路構成について説明したが、上述もしたように図1に示した本例の基本構成の電源回路においては、絶縁コンバータトランスPITが所要以下の磁束密度となるように設定したことで、重負荷の条件においても連続モードとすることが可能とされる。そして、このように連続モードの拡大が図られることにより、整流電流の逆方向電流が抑制されて、無効電力の低減が図られて良好なAC→DC電力変換効率が得られるようになったものである。
また、図1の回路においては、先にも説明したように各整流電流経路に対してインダクタLdを挿入することで、整流電流の逆方向電流がさらに抑制される。そして、これによってさらなる無効電力の低減が図れている。
ところで、先にも説明したように図1の回路では、上記ようなインダクタLdとして、例えばアモルファス磁性体等によるビーズコアを使用するものとしていたが、このようなビーズコアとしては、ギャップがゼロとされていることから、その直流重畳特性より、軽負荷の条件となって負荷電流レベルが所定以下となるのに応じてインダクタンス値が急激に上昇する傾向となる。
例えば図1の回路において、インダクタLd1、Ld2のインダクタンスは、負荷電力Po=12.5W以下となるのに応じ、0.3μH程度から急激に0.6μH程度に上昇する。そして、これに伴い図1の回路においては、負荷電力Po=12.5W以下では異常発振動作となり、二次直流出力電圧Eoに数kHz程度のリップル電圧が発生するものとされていた。
また、図1の基本構成の回路では、抵抗Rg1、Rg2に対して並列に設けたショットキーダイオードDg1、Dg2によって、MOS−FETQ3、Q4の良好なターンオフ特性を得るようにされていた。
但し、上述もしたようにこれらショットキーダイオードDgを設けることによっては、二次側直流出力電圧Eoに高周波のスイッチングノイズが発生し易いものとされていた。このため、先にも説明したように図1の回路では、二次側直流出力電圧Eoのラインに対して平滑コンデンサCo1、Co2、及びチョークコイルLnによるπ型フィルタを挿入して、このような高周波ノイズの抑制を図るように構成していた。
しかしながら、二次側直流出力電圧Eoのラインに対して設けられたπ型フィルタによっては、上記したチョークコイルLnにおける巻線の銅損、コアの鉄損、及び平滑コンデンサCo2のESRに起因して、この場合は約1.5Wの電力損失が生じる。
ここで、このようなπ型フィルタを削除した場合における図1の回路の電力変換効率を、先の図6の特性図において破線で示したが、この場合、図示するようにπ型フィルタ(平滑コンデンサCo2、チョークコイルLn)を削除した方が、負荷電力Po=12.5W〜100Wの範囲にわたって高い電力変換効率が得られるのがわかる。
そして、実験によれば、π型フィルタとしての平滑コンデンサCo2、チョークコイルLnを削除した場合、AC→DC電力変換効率はηAC→DC=88%程度となる結果が得られた。先にも述べたように、π型フィルタを設けた図1の回路の場合のAC→DC電力変換効率としてはηAC→DC=86.5%程度であったことから、この場合は約1.5%のロスが生じていることがわかる。
また、図1の基本構成において、各MOS−FETのドレイン−ソース間には、各ドレイン−ソース間の静電容量(coss)によって、それぞれターンオフ時にスパイク電圧が発生するものとなる。
このことは、先の図4の波形図にも示すように、二次巻線に生じる電圧V2として、これら各MOS−FETがターンオフとなるタイミングで28Vpによるピーク電圧が発生していることからも理解できる。
そこで、このようなことを考慮して、本発明の実施の形態では、スイッチング電源回路を次の図7に示すようにして構成することとしている。
なお、この図では、既に図1において説明した部分については同一の符号を付して説明を省略する。
この図7に示されるようにして、本実施の形態では、図1の回路において各整流電流経路に対して挿入するようにして設けられていた、ビーズコアによるインダクタLd1、インダクタLd2は削除するものとしている。
また、先に述べたようにπ型フィルタを設ける要因とされていたショットキーダイオードDg1、ショットキーダイオードDg2も削除するものとしている。
その上で、このようなπ型フィルタを削除した構成を採る。
そしてこの場合、上記インダクタLd1、Ld2に代えては、図示するように二次巻線のセンタータップと、平滑コンデンサCoの正極端子との間に、チョークコイルLo、Loによる並列接続回路を直列に挿入するものとしている。
つまり本実施の形態のスイッチング電源回路においては、このようなチョークコイルLo、Loに生じる逆起電力によって、整流電流の逆方向電流を防止する構成とするものである。
但しこの場合、上記のようなチョークコイルLoとして、負荷電流レベルの変動に対するインダクタンス値の変化特性について考慮されなければ、先の図1の回路の場合のインダクタLdと同様に、軽負荷時に急激にインダクタンス値が上昇して異常発振動作となってしまう可能性がある。
これを防止するため、本実施の形態としては、上記チョークコイルLoとして次の図8に示すように構成するものとしている。
図8は、本実施の形態の電源回路で用いる、チョークコイルLoの構造を示す分解斜視図である。
先ず、この場合のチョークコイルLoとしては、図示するように平角線5aを所定ターン数巻回した、平角線コイル5を用いるものとしている。この平角線コイル5としては、断面形状が方形とされた上記平角線5aをその幅方向に巻回した、所謂エッジワイズ巻き(縦巻き)のものが採用される。
そして、このような平角線コイル5の両端部は、図示するようにこの平角線5を載置する側のプレート型コアCR6に設けられた、外部端子6に対してそれぞれ半田付け等により接続される。
さらに、このように平角線コイル5が載置されたプレート型コアCR6に対して、図示する形状によるポット型コアCR5が嵌合されることによって、チョークコイルLoが形成される。つまり、図示するように上記ポット型コアCR5側に形成された、図のような円形磁脚7を、上記平角線コイル5の内側に形成される円形の空洞領域に挿通させるようにして、プレート型コアCR6に対してポット型コアCR5を嵌合するものである。
この図8に示すチョークコイルLoにおいて、上記ポット型コアCR5の材質としては、金属系ダストを採用している。また、上記プレート型コアCR6としては、Ni−Zn系のフェライト材を採用するものとしている。
本実施の形態において、このようにチョークコイルLoのコア材として金属系ダスト、及び/又はNi−Zn系のフェライトを選定することによっては、例えば一般的なマンガン系のフェライトを使用する場合よりも飽和磁束密度が向上するものとなり、その分チョークコイルLoとして、電流レベルの変動に対するインダクタンス変化特性を向上することができる。
実験によれば、このような構成による本例のチョークコイルLoの2つを並列接続した図7の回路では、チョークコイルLo個々のインダクタンス値をそれぞれLo=0.7μHに設定した場合に、負荷電流(電流Ic)の30A〜0Aの変動に対し、インダクタンス値を0.35μHでほぼ一定とすることができた。
さらに、図8のチョークコイルLoにおいては、上記のように巻線として平角線5aを用いることで、例えば断面が円形とされる一般的な銅線を使用する場合と比べて、巻線の断面積が増加してDCR(直流抵抗値)を低減させることができる。また、上述のようにNi−Zn系のフェライトを使用することによって、コアの鉄損の低減も図られている。
これらのことより、この場合のチョークコイルLoとしては、その直流抵抗値が1.1mΩ程度とされる。
そしてこの場合は、このようなチョークコイルLoを並列接続していることから、直流抵抗値を約半分の0.5mΩ程度に低減することができる。
また、図7の回路において、この場合の絶縁コンバータトランスPITの二次巻線としては、図示するようにセンタータップを境として巻き始め側とされる二次巻線N2Aと、巻き終わり側とされる二次巻線N2Bとによる1組を巻装するものとしている。そして、このような二次巻線に対しては、図示するように抵抗RSとコンデンサCSによる直列接続回路を並列に接続するようにしている。
このような接続形態によれば、この場合の電源回路の二次側においては、MOS−FETQ3−Q4の直列接続回路に対して並列に、上記抵抗RS−コンデンサCSの直列接続回路によるスナバ回路が挿入されたものとなる。
なお、この場合、図示するようにMOS−FETQ3、Q4の各ゲート−ソース間に対しては、それぞれ抵抗R1、R2を挿入するようにしている。そして、これによって、MOS−FETQ3、Q4の各ゲート−ソース間電圧のレベルを、図1の場合よりも低下させるようにしている。
本例において、このように図1の場合よりも各MOS−FETのゲート−ソース間電圧のレベルを低下させるようにしているのは、図1の場合よりも各MOS−FETとして耐圧レベルの低い素子を選定しているからである。
つまり、ここでは上記のように抵抗R1、R2を挿入しておくことによって、ゲート−ソース間電位を低下させて、この場合の各MOS−FETの耐圧に合わせたゲート−ソース間電圧VGSを得るようにしているものである。
例えば、先の図1の場合では、図4の波形図にも示したように各MOS−FETのゲート−ソース間電圧VGSとしては12V程度を得るものとしていたが、本例では抵抗R1、R2の挿入によって、後述するようにゲート−ソース間電圧VGSとして10V程度を得るようにしている。
ところで、上記のような構成による図7のスイッチング電源回路において、先に説明したようにしてチョークコイルLoを絶縁コンバータトランスPITの二次巻線の各センタータップに接続されるようにして挿入することによっては、このチョークコイルLoによる漏洩インダクタンスによって、絶縁コンバータトランスPITにおける漏洩インダクタンスも増加するものとなる。つまり、このようにチョークコイルLoを挿入することによっては、絶縁コンバータトランスPITにおける磁束密度が変化するようになるものである。
ここで、前述のとおり、図1の回路では、絶縁コンバータトランスPITにおけるギャップ長(漏洩インダクタンス)と、二次巻線の巻数の設定(1Tあたりの誘起電圧の設定)とによって、その磁束密度を所定以下とし、負荷変動に関わらず連続モードとしていたものである。
このことを踏まえると、図7の回路の絶縁コンバータトランスPITでは、上記チョークコイルLoの挿入により漏洩インダクタンスが増加する分、ギャップ長を縮める、及び/又は二次巻線の巻数を減少させても、連続モードとするための所定以下の磁束密度を得ることが可能となるものである。
このことから、本実施の形態の電源回路においては、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線N2A、二次巻線N2Bとして、図1の回路の場合よりも巻数を少なく選定し、さらにギャップ長も短くするものとしている。
例えばこの場合は、上述のようにして各チョークコイルLoのインダクタンス値を0.7μH程度に設定する(つまりチョークコイルLo、Loによる並列接続回路としては0.35μHを設定する)ことで、二次巻線N2A=二次巻線N2B=2Tに設定するものとしている。
また、この場合の絶縁コンバータトランスPITのギャップ長としては、先の図1の場合のG=1.5mmから、ギャップ長G=1.0mmに短縮するものとしている。
二次巻線の巻数を少なくすることができれば、その分二次巻線における直流抵抗成分を低減することが可能となる。
また、ギャップ長が短ければ、その分ギャップ形成のための研磨工程が省略できるというメリットがある。
図9は、上記構成による図7の回路の各部の動作波形を示した波形図である。
なお、この図9では、交流入力電圧VAC=100V、負荷電力Po=100Wの条件下での測定結果を示している。
また、この図に示す実験結果を得るにあたっては、各部を以下のように選定するものとした。
・絶縁コンバータトランスPIT
一次巻線N1=70T、二次巻線N2A=N2B=2T
・チョークコイルLo=0.7μH
・平滑コンデンサCo
キャパシタンスC=6800μF、耐圧6.3V、ESR=16mΩ
・MOS−FETQ3、Q4
耐圧30A/10V、オン抵抗RON=2.5mΩ
・抵抗RS=47Ω
・コンデンサCS=4700PF
・ゲート抵抗Rg1=ゲート抵抗Rg2=47Ω
・抵抗R1=R2=100Ω
先ず、この図9においても、スイッチング素子Q2の両端電圧V1、及びスイッチング素子Q2//ダンパーダイオードDD2に流れるスイッチング電流IDS2が示されている。
これら電圧V1、スイッチング電流IDS2としては、先の図4の場合と比較してわかるように、図1の回路の場合と同等の波形が得られている。
また、この図9においては、一次側直列共振電流Ioの波形も示されている。この場合の一次側直列共振電流Ioとしても、図のように略正弦波状の波形とされた上で、時点t1、t2、t3においてゼロクロスする波形が得られる。つまり、このような一次側直列共振電流Ioとしても、先の図4の場合と同等の波形が得られているものである。
これらのことから、図7の回路の一次側においては、先の図1の回路の場合と同等の動作が得られていることがわかる。
そして、MOS−FETQ3、Q4のゲート−ソース間に生じるゲート−ソース間電圧VGS3、VGS4としては、先の図4の場合と比較して、この場合は略正弦波状の波形により得られるものとなる。またこの場合、図4の場合ではMOS−FETQ3、Q4がターンオフするタイミングで生じていた負の電位は生じないものとなっている。
これは、先の図7にて説明したように、本例ではショットキーダイオードDg1、Dg2が省略されたことにより、各MOS−FETのゲート入力容量の蓄積電荷を放電する経路を形成しないようにしたことによるものである。
また、この場合における、二次巻線N2B(N2A)に生じる電圧V2としては、上記のようにゲート−ソース間電圧VGS3、VGS4として異なる波形が得られることからもわかるように、図4の場合とは異なる波形が得られる。
つまり、図4の場合の電圧V2としては、ゲート−ソース間電圧VGS3、VGS4の負の電位が生じることによって、MOS−FETのデットタイムの終了時点(時点t2)にて、急峻に0レベルに落ち込む波形とされていたが、ここでは、図示するようにゲート−ソース間電圧VGS3、VGS4のレベル低下に応じて徐々に0レベルに低下していく波形が得られるものである。
そして、このような電圧V2としては、この場合もそのゼロクロスタイミングが、一次側直列共振電流Ioのゼロクロスタイミングと重なるものとなっている(時点t1、t2、t3参照)。
また、この場合の整流電流I3、I4としても、上記のように電圧V2が一次側直列共振電流Ioと連続することによって、そのゼロクロスタイミングが、一次側直列共振電流Ioのゼロクロスタイミングと重なる波形として得られる。そして、このように整流電流I3、I4が、一次側直列共振電流Ioと連続して流れるようになることにより、平滑コンデンサCoへの充電電流Icとしても、同様に一次側直列共振電流Ioと連続して流れることになる。
このようなことから、図7に示した本例の回路においても、重負荷とされてスイッチング周波数が低くなるようにして制御されているときに、二次側整流電流として連続モードが得られていることがわかる。
なお、この場合も、上記整流電流I3,I4としては、図示するようにそのピークレベルが28Apとなり、図1の場合と同様に従来の図12に示した整流電流I1,I2よりも低減する結果が得られている。
また、図9において、この場合も、上記整流電流I3、I4には逆方向電流が流されていないことがわかる。この場合において、整流電流I3、I4に逆方向電流が発生しないのは、先にも説明したように、二次巻線のセンタータップと平滑コンデンサCoの正極端子との間に、チョークコイルLo、Loによる並列接続回路を挿入するようにしたことによるものである。
なお、本例の場合、このようなチョークコイルLoの個々のインダクタンス値としては、上述もしたように0.7μH程度を設定し、チョークコイルLo、Loによる並列接続回路のインダクタンス値として0.35μHを得ることで、整流電流I3、I4における逆方向電流の発生を防止することが可能とされている。
また、図9においては、二次側直流出力電圧Eoに生じるリップル成分ΔEoが示されている。
この図9に示されるリップル成分ΔEoと、先の図4に示したリップル成分ΔEoを比較してわかるように、図7の回路のリップル成分ΔEoとしては、ΔEo=0.05Vp(50mVp)と、二次側直流出力電圧Eoのラインにπ型フィルタを設けた図1の回路の場合と同程度に抑制されるものとなる。これは、図7に示したようにして、本例ではチョークコイルLoを平滑コンデンサCoの正極端子と接続されるようにして挿入していることによる。
つまり、このようにチョークコイルLoを平滑コンデンサCoの正極端子と接続されるようにして挿入したことにより、このチョークコイルLoによるインダクタンスと平滑コンデンサCoのキャパシタンスによるフィルタ回路が形成され、これによって二次側直流出力電圧Eoに生じるリップル成分が抑制されるものである。
また、このリップル成分ΔEoの波形により示されるように、この場合の二次側直流出力電圧Eoにおける、MOS−FETQ3、Q4のターンオフ時に対応した期間に生じるノイズ成分のレベルとしても、図1の回路の場合と同様に0.1Vp程度に抑制されている。
このように二次側直流出力電圧Eoに生じるノイズ成分が低減されているのは、先にも説明したようにショットキーダイオードDg1、Dg2を省略するようにしたからである。
また、このような二次側直流出力電圧Eoに生じるノイズ成分は、チョークコイルLoのインピーダンス成分によっても抑制されるものと考えられる。
また、この図9に示されるように、この場合の二次巻線に生じる電圧V2では、図中ピークレベルAと示したスパイク電圧の波形部分が、先の図1の場合の電圧V2(図4参照)のスパイク電圧の波形部分と比較して平滑されていることがわかる。これは、図7に示したようにして、本例ではMOS−FETQ3−Q4の直列接続回路に対して並列に、抵抗RS−コンデンサCSによるスナバ回路を挿入するようにしたことによる。つまり、このようなRCスナバ回路が、MOS−FETQ3−Q4の直列接続回路に対して並列に挿入されることで、各MOS−FETのドレイン−ソース間の静電容量(coss)によって各MOS−FETのターンオフ時に生じていたスパイク電圧波形が平滑されるようになり、そのピークレベルが抑制されるようになったものである。
このようにして、各MOS−FETのドレイン−ソース間電圧のピークレベルを低減することができれば、その分各MOS−FETの耐圧を下げることができるというメリットがある。
なお、この場合の電圧V2における、スパイク電圧のピークレベルAは22Vpであり、先の図1の回路の場合の28Vpから6V低減する。
また、この図9に示すように、この場合の各MOS−FETのゲート−ソース間電位(VGS3、VCS4)としては、そのピークレベルが10Vとされている。これは、先にも説明したように、図7の回路では各MOS−FETのゲート−ソース間に対して、抵抗R1、抵抗R2を挿入するようにしたことによるものである。
なお、確認のために述べておくと、この場合としても、軽負荷時(Po=25W時)の動作としては、先の図4の場合と同様にスイッチング素子Q2の両端電圧V1に対して二次側巻線電圧V2はほぼ同じタイミングで得られ、連続モードとなる。
図10には、図7に示した本例の電源回路と、先の図1に示した基本構成との比較として、負荷電力変動に対するAC→DC電力変換効率(ηAC→DC)の特性を示す。ここでは、本例の電源回路の特性を実線で示し、図1の回路の特性を破線で示す。
この図10によると、AC→DC電力変換効率(ηAC→DC)は、本例の回路の方が図1に示した回路に対して、負荷電力Po=25W〜100Wの範囲にわたって高くなっていることが分かる。
先にも説明したように、図1に示した基本構成では、負荷電力Po=100W時にはηAC→DC=86.5%程度であったのに対して、図7の本例の電源回路では、負荷電力Po=100W時にηAC→DC=90.3%と、約3.8%向上する結果が得られている。
このような電力変換効率の向上は、これまでの説明からも理解されるように、図1の回路に備えられていた二次側のπ型フィルタを削除するようにしたことによる。つまりこの場合は、先の図1の構成から少なくとも平滑コンデンサCo2が削除されたものとなるから、このような平滑コンデンサCo2のESR(例えば図1の場合では15mΩ)分の損失を低減することができるものである。
また、さらにこのような電力変換効率の向上は、チョークコイルLoを設けたことで、絶縁コンバータトランスPITの二次巻線(N2A、N2B)の巻数を、図1の場合よりも少なくすることができたことによるものでもある。
すなわち、先にも述べたように、この場合は二次巻線の巻数として、図1の場合の6Tから2Tに減らすことができたことで、その分二次巻線の線材の要する長さを短くしてDCRを低減することができる。そして、これによって、二次巻線において生じる電力損失を低減することが可能となり、この結果として電力変換効率の向上が図られているものである。
また、この場合は、上記のようなチョークコイルLoの2つを並列接続し、これらチョークコイルLo//LoにおけるDCRを低減していることも、電力変換効率の向上に起因している。
つまり、図1の基本構成では、π型フィルタを構成するチョークコイルLnのDCRは1.0mΩ程度とされていたが、ここではチョークコイルLo//LoのDCRを0.5mΩ程度に低減していることで、その分図1の場合よりも無効電力の低減を図ることができるものである。
以上のようにして、本実施の形態のスイッチング電源回路では、図1の回路では各整流電流経路に対して挿入されていた、ビーズコアによるインダクタLd1、Ld2を削除し、これに代えて二次巻線のセンタータップと平滑コンデンサCoの正極端子との間に、チョークコイルLo//Loの並列接続回路を挿入するようにしている。
そして、これと共に、ゲート抵抗Rg1、Rg2にそれぞれ並列に接続されていたショットキーダイオードDg1、Dg2を削除し、さらに、二次側直流出力電圧Eoのラインに設けられていたπ型フィルタを削除するようにもしている。
このような実施の形態のスイッチング電源回路によれば、上記のようにして二次巻線のセンタータップと平滑コンデンサCoとの間に挿入されたチョークコイルLo//Loの逆起電力によって、整流電流に逆方向電流が発生することを防止することが可能となる。
そして、上記のようにしてショットキーダイオードDg1、Dg2を削除したことによって、二次側直流出力電圧Eoに重畳するとされる高周波のスイッチングノイズを抑制することができる。
また、上記のように本実施の形態では、二次側のπ型フィルタ(平滑コンデンサCo2)が削除されることにより、このπ型フィルタによって生じていた分の電力損失(平滑コンデンサCo2のESRによる損失)をなくすことができる。
さらに、本実施の形態では、上記もしたようにチョークコイルLoを二次巻線のセンタータップに接続されるようにして挿入していることから、絶縁コンバータトランスPITにおいて、重負荷時にも連続モードとするために所定以下の磁束密度を設定するにあたっての、二次巻線の巻数を少なくすることができる。そして、これによって、先にも説明したように二次巻線のDCRを低減することができる。
さらに、この場合はチョークコイルLoの2つを並列接続することによって、二次側に設けられたチョークコイルにおけるDCRを、図1の基本構成の場合よりも低減することができる。
このようにして各部のDCRが低減されることによって、電力変換効率の向上が図られる。
またこの際、上記のように二次巻線のDCRが低減されることによっては、二次巻線の発熱も低減することができる。
また、本実施の形態では、上記チョークコイルLoのコア材として、磁束密度の比較的高い金属系ダスト、Ni−Zn系フェライトを選定したことにより、チョークコイルLoのインダクタンス値を電流レベルの変動に対して安定化することができる。
そして、これによって、例えば軽負荷の条件となる等して、急激にそのインダクタンス値が変化して異常発振動作が生じるような自体を防止することができ、先の図1の回路の場合のように、軽負荷時における二次側直流出力電圧Eoにリップルが生じることがなくなる。
また、本実施の形態では、MOS−FETQ3−Q4の直列接続回路に対して並列に、抵抗RS−コンデンサCSによるスナバ回路を挿入するようにしている。これによっては、各MOS−FETがターンオフするタイミングで生じていた、ドレイン−ソース間のスパイク電圧が抑制され、各MOS−FETのドレイン−ソース間の耐圧を下げることができるようになる。
なお、本発明としては、これまでに説明した電源回路の構成に限定されるものではない。
例えば、本発明に基づいた巻線電圧検出方式の同期整流回路の細部の構成については適宜変更されてよい。また、例えば一次側スイッチングコンバータのスイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。
また、本発明としては、自励式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能とされる。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。さらには、4石のスイッチング素子をフルブリッジ結合した電流共振形コンバータにも適用できる。
また、商用交流電源を入力して直流入力電圧を得る整流回路としても、例えば倍電圧整流回路以外の構成とすることが考えられる。
本発明の実施の形態としてのスイッチング電源回路が基とする回路構成を例示する回路図である。 図1に示す電源回路における、絶縁コンバータトランスの構造例を示す図である。 図1の回路の二次側整流電流経路に対して挿入されるインダクタの構造例を示す図である。 図1に示す電源回路の重負荷時の動作を示す波形図である。 図1に示す電源回路の軽負荷時の動作を示す波形図である。 図1に示す電源回路における、負荷変動に対する電力変換特性について説明するための図である。 本発明における実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例について示す回路図である。 実施の形態のスイッチング電源回路の二次側に備えられる、チョークコイルの構造を示す分解斜視図である。 実施の形態のスイッチング電源回路における重負荷時の動作を示す波形図である。 実施の形態のスイッチング電源回路の、負荷変動に対する電力変換特性について説明するための図である。 従来としての電源回路の構成を示す回路図である。 図11に示す電源回路の重負荷時の動作を示す波形図である。 図11に示す電源回路として巻線電圧検出方式の同期整流回路を備えた場合の二次側の構成を示す回路図である。 図13に示す二次側の構成を採った場合の、重負荷時の動作を示す波形図である。 図13に示す二次側の構成を採った場合の、軽負荷時の動作を示す波形図である。 整流電流検出方式による同期整流回路の基本構成例を示す回路図である。 図16に示す同期整流回路の動作を示す波形図である。
符号の説明
1 制御回路、2 発振・ドライブ回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、DD1,DD2 ダンパーダイオード、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp 部分電圧共振コンデンサ、PIT 絶縁コンバータトランス、N1 一次巻線、N2A,N2B 二次巻線、N2A1、N2A2、N2B1、N2B2 巻線部、Q3,Q4 MOS−FET、DD3,DD4 ボディダイオード、Co (二次側)平滑コンデンサ、Lo チョークコイル、CR5 ポット型コア、CR6 プレート型コア、5 平角線コイル、5a 平角線、6 外部端子、7 円形磁脚、RS 抵抗、CS コンデンサ

Claims (7)

  1. 入力された直流入力電圧を断続するようにしてスイッチングを行うスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動する駆動手段と、
    上記スイッチング手段のスイッチング出力を一次側から二次側に伝送するものであり、少なくとも一次巻線と二次巻線が巻装される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、自己のキャパシタンスとによって上記スイッチング手段の動作を共振形とするための一次側共振回路を形成するようにして、一次側の所定の部位に接続される一次側共振コンデンサと、
    上記スイッチング手段を形成するスイッチング素子のうち、少なくとも一方のスイッチング素子に対して並列に接続される部分共振コンデンサのキャパシタンスと、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分によって形成され、上記スイッチング手段を形成するスイッチング素子のターンオフ期間に部分電圧共振動作を行う一次側部分電圧共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に誘起される交番電圧を全波整流して二次側平滑コンデンサに整流電流を充電することで、上記二次側平滑コンデンサの両端電圧として二次側直流出力電圧を得るようにされた同期整流回路と、を備えるものとされ、
    上記絶縁コンバータトランスの磁束密度は、上記二次側直流電圧に接続される負荷条件の変動にかかわらず、上記全波整流動作により同期整流回路に流れる二次側整流電流が連続モードとなるようにして、所定以下となるように設定されると共に、
    上記同期整流回路は、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線をセンタータップすると共に、
    上記二次巻線のセンタータップしていない側の一方の端部と二次側アースとの間に直列接続される第1の電界効果トランジスタと、
    上記二次巻線のセンタータップしていない側の他方の端部と二次側アースとの間に直列接続される第2の電界効果トランジスタと、
    上記第1の電界効果トランジスタが整流電流を流すべき半波の期間に対応する二次巻線電圧を抵抗素子により検出して、上記第1の電界効果トランジスタをオンとするためのゲート電圧を出力するようにされた第1の駆動回路と、
    上記第2の電界効果トランジスタが整流電流を流すべき半波の期間に対応する二次巻線電圧を抵抗素子により検出して、上記第2の電界効果トランジスタをオンとするためのゲート電圧を出力するようにされた第2の駆動回路と、を備え、
    さらに、上記二次巻線のセンタータップと上記平滑コンデンサの正極端子との間に対して、金属系ダスト及び/又はNi−Zn系フェライト材によるコアの磁脚に対して所要のターン数により巻線が巻装されて、所要以上の飽和磁束密度を有すると共に、所要以下のインダクタンスを有するようにされたチョークコイルの複数による並列接続回路を直列に挿入するようにした、
    ことを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を一定以下とするために、絶縁コンバータトランスに形成するギャップ長を所定以上とすることで、一次側と二次側の結合係数を所定以下に設定している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を一定以下とするために、上記二次巻線における1ターンあたりの誘起電圧レベルが所要以下となるように、上記一次巻線と、上記二次巻線のターン数を設定している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記絶縁コンバータトランスの磁束密度を一定以下とするために、上記チョークコイルの漏洩インダクタンスが一定以上となるように上記チョークコイルのインダクタンスを設定している、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  5. 上記二次側直流出力電圧のレベルに応じて、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変制御することで、上記二次側直流出力電圧についての定電圧制御を行うようにされた定電圧制御手段をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  6. 上記チョークコイルの巻線には、平角線が選定されることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  7. 上記第1の電界効果トランジスタと第2の電界効果トランジスタとによる直列接続回路に対して、並列に、抵抗素子とコンデンサ素子とによるスナバ回路を接続したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
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