JP2005094311A - 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】
同軸ケーブルが接続される同軸コネクタを有する半導体素子収納用パッケージにおいて高周波信号の伝送効率を向上させること。
【解決手段】
半導体素子5の載置部1aを有する基体1と、側部に貫通孔が形成された枠体2と、貫通孔に嵌着された、同軸コネクタ3とを具備しており、貫通孔は、同軸コネクタ3が嵌着された枠体2の内面側の小径部2aと、それに同軸状に連なるとともに同軸コネクタ3に電気的に接続される同軸ケーブル10を固定する金属製の円筒状固定部材9が挿入固定される枠体2の外面側の大径部2dとを有し、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3の外周導体3aとが、貫通孔に同軸状に設置された導電性の環状部材30を介して接続されており、環状部材30は、外周面の中央部が全周にわたって凹んでいるとともに、円筒状固定部材9側の厚さが外周導体3a側の厚さよりも薄い。
【選択図】 図1
同軸ケーブルが接続される同軸コネクタを有する半導体素子収納用パッケージにおいて高周波信号の伝送効率を向上させること。
【解決手段】
半導体素子5の載置部1aを有する基体1と、側部に貫通孔が形成された枠体2と、貫通孔に嵌着された、同軸コネクタ3とを具備しており、貫通孔は、同軸コネクタ3が嵌着された枠体2の内面側の小径部2aと、それに同軸状に連なるとともに同軸コネクタ3に電気的に接続される同軸ケーブル10を固定する金属製の円筒状固定部材9が挿入固定される枠体2の外面側の大径部2dとを有し、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3の外周導体3aとが、貫通孔に同軸状に設置された導電性の環状部材30を介して接続されており、環状部材30は、外周面の中央部が全周にわたって凹んでいるとともに、円筒状固定部材9側の厚さが外周導体3a側の厚さよりも薄い。
【選択図】 図1
Description
本発明は、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に関するものである。
従来より、半導体素子、特に高周波で作動する半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージ(以下、単にパッケージともいう)には、内部の半導体素子と外部の同軸ケーブルとを電気的に接続するための同軸コネクタが設けられている。この同軸コネクタが設けられたパッケージを図面に基づき詳細に説明する。図3,図4は従来のパッケージを示し、11は基体、12は枠体、13は同軸コネクタである。基体11は、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)等の金属から成る四角形状の板体である。
基体11の上面中央部には、半導体素子15を載置するための載置部11aが形成されている。この載置部11aには、半導体素子15が、例えば上面に線路導体16aを有するアルミナ(Al2O3)質焼結体から成る回路基板16等に実装されその電極が線路導体16aにボンディングワイヤ17を介して電気的に接続された状態で載置固定される。
また基体11の上面外周部には載置部11aを囲繞するようにして枠体12が取着されており、枠体12は基体11とともに半導体素子15を収容する空所を形成する作用をなす。
枠体12は、基体11と同様にFe−Ni−Co合金やCu−W等の金属から成り、基体11と一体成形されることによって、あるいは基体11に銀(Ag)ロウ,Ag−Cuロウ等のロウ材を介してロウ付けされたり、シーム溶接法等の溶接法により溶接されることによって基体11の上面外周部に取着される。
また、枠体12はその一部に同軸コネクタ13が挿入固定される貫通孔12aが形成されている。そして、貫通孔12aには同軸コネクタ13が挿入されるとともに同軸コネクタ13の外周面と貫通孔12aの内面とが金(Au)−錫(Sn)半田,鉛(Pb)−Sn半田等の半田から成る封着材18を介して固定されている。
更に枠体12に形成された貫通孔12aは、図4に示すように、その直径が枠体12の外面に向けて全周にわたり段状に広がった封着材挿入部12bを有している。これにより、同軸コネクタ13が全周にわたって封着材挿入部12bに広がる封着材18によって保持されることから、枠体12の内外が完全に気密に仕切られる。
貫通孔12a内に挿入固定される同軸コネクタ13は、内部に収容する半導体素子15を外部電気回路基板に接続された同軸ケーブルに電気的に接続する作用をなし、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る円筒状の外周導体13aの中心部に同じくFe−Ni−Co合金等の金属から成る中心導体13bが絶縁体13cを介して固定された構造をしており、外周導体13aが枠体12に封着材18を介して、中心導体13bが回路基板16の線路導体16aにAu−Sn半田、Pb−Sn半田等の導電性接着剤を介してそれぞれ電気的に接続されている。
このような同軸コネクタ13を有するパッケージに同軸ケーブルを接続するため、枠体12の外面側に同軸コネクタ13に同軸状に連なるとともに同軸コネクタ13に電気的に接続される同軸ケーブルを固定する円筒状固定部材(ランチャー)がネジ込まれることによって固定される。
そして、このようなパッケージの載置部11aに、半導体素子15がその電極を線路導体16aに電気的に接続した状態で実装された回路基板16を載置固定し、しかる後、回路基板16の線路導体16aと同軸コネクタ13の中心導体13bとを半田を介して電気的に接続し、そして枠体12の上面にFe−Ni−Co合金等の金属から成る蓋体14を半田付け法やシームウエルド法により接合することにより製品としての半導体装置となる。そして、この半導体装置に円筒状固定部材を介して外部電気回路基板に接続された同軸ケーブルを接続することにより、内部に収容された半導体素子15が外部電気回路に電気的に接続されることとなる(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開平9−64219号公報
しかしながら、この従来の半導体素子収納用パッケージは、円筒状固定部材がネジ込まれることにより円筒状固定部材の先端と同軸コネクタ13とが接触することにより電気的な接続が得られるが、同軸コネクタ13および円筒状固定部材の加工形状の精度に少しでもばらつきが生じると、円筒状固定部材と同軸コネクタ13の外周導体13aとが全周にわたって接触することができなくなってそれらの間に隙間が生じ、その結果、円筒状固定部材の接地電位と外周導体13aとの接地電位が同一でなくなり、中心導体13bを伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生し易くなるという問題点を有していた。
また、時間が経つにつれて円筒状固定部材が緩み易くなり、円筒状固定部材と同軸コネクタ13の外周導体13aとの間に接触不良が生じ、その結果、パッケージに高周波信号を効率よく入出力できなくなり、内部に収容する半導体素子15を長期間にわたり正常、かつ安定に作動させることができないという問題点を有していた。
従って、本発明は上記問題点に鑑み完成されたものであり、その目的は、同軸ケーブルが接続される同軸コネクタを有する半導体素子収納用パッケージにおいて高周波信号の伝送効率を向上することである。
本発明の半導体素子収納用パッケージは、上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に断面が円形状の貫通孔が形成された枠体と、前記貫通孔に嵌着された、円筒状の外周導体および該外周導体の中心軸に設置された中心導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から成る同軸コネクタとを具備しており、前記貫通孔は、前記同軸コネクタが嵌着された前記枠体の内面側の小径部と、それに同軸状に連なるとともに前記同軸コネクタに電気的に接続される同軸ケーブルを固定する金属製の円筒状固定部材が挿入固定される前記枠体の外面側の大径部とを有し、前記円筒状固定部材と前記外周導体とが、前記貫通孔に同軸状に設置された導電性の環状部材を介して接続されており、該環状部材は、外周面の中央部が全周にわたって凹んでいるとともに、前記円筒状固定部材側の厚さが前記外周導体側の厚さよりも薄いことを特徴とする。
本発明の半導体装置は、上記構成の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記同軸コネクタに電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする。
本発明の半導体素子収納用パッケージは、貫通孔が、同軸コネクタが嵌着された枠体の内面側の小径部と、それに同軸状に連なるとともに同軸コネクタに電気的に接続される同軸ケーブルを固定する金属製の円筒状固定部材が挿入固定される枠体の外面側の大径部とを有し、円筒状固定部材と外周導体とが、貫通孔に同軸状に設置された導電性の環状部材を介して接続されており、環状部材は、外周面の中央部が全周にわたって凹んでいるとともに、円筒状固定部材側の厚さが外周導体側の厚さよりも薄いことから、枠体の外面側に円筒状固定部材をネジ込んで固定した場合に、円筒状固定部材の先端と同軸コネクタの外周導体とを圧力が加わった状態で確実に接触させることができ、円筒状固定部材の先端の接地電位を同軸コネクタの外周導体の接地電位と同一電位として、円筒状固定部材と同軸コネクタを伝送する高周波信号のインピーダンス値を整合させることができる。その結果、円筒状固定部材と同軸コネクタを伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が生じるのを有効に抑制して高周波信号を効率よく伝送させることができる。
また、円筒状固定部材の先端と同軸コネクタの外周導体とを圧力が加わった状態で確実に接触させることができるため、時間の経過とともに筒状固定部材が緩んで円筒状固定部材の先端と同軸コネクタの外周導体とに加わっている圧力が低下したとしても、環状部材が復元するように円筒状固定部材の緩みに追従するので、円筒状固定部材の先端と同軸コネクタの外周導体との接触を維持することができ、半導体素子に入出力される高周波信号の伝送効率を維持して半導体素子を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。
さらに、環状部材は、円筒状固定部材側の厚さが外周導体側の厚さよりも薄いことから、円筒状固定部材側で変形させやすくすることができるため、円筒状固定部材を締め付けた際や、温度変化によって発生した応力を緩和して半導体素子収納用パッケージが破損するのを有効に防止できる。さらに、外周導体側で環状部材の端面は剛性を維持して変形し難くいため、環状部材が変形して同軸コネクタの絶縁体に接触するのを防止できる。従って、絶縁体にクラック等の破損が発生するのを有効に防止でき、半導体素子収納用パッケージ内を確実に気密に保持できる信頼性の高いものとなる。
本発明の半導体装置は、上記構成の半導体素子収納用パッケージと、載置部に載置されるとともに同軸コネクタに電気的に接続された半導体素子と、枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることにより、上記本発明の半導体素子収納用パッケージを用いた高周波信号の伝送特性の優れたものとなる。
本発明の半導体素子収納用パッケージについて以下に詳細に説明する。図1は本発明のパッケージについて実施の形態の一例を示す断面図、図2(a)は図1のパッケージの要部拡大断面図である。これらの図において、1は基体、2は枠体、3は同軸コネクタ、9は円筒状固定部材である。
基体1は、Fe−Ni−Co合金,Cu−W等の金属やAl2O3質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体等のセラミックスから成る四角形状等の板体であり、金属から成る場合、そのインゴットに圧延加工や打ち抜き加工等の従来周知の金属加工法を施すことによって所定形状に製作される。また、基体1が、例えばAl2O3質焼結体から成る場合、以下のようにして作製される。Al2O3,酸化珪素(SiO2),酸化カルシウム(CaO),酸化マグネシウム(MgO)等の原料粉末に適当な有機バインダや可塑剤,分散剤,溶剤等を添加混合して泥漿状となす。これを従来周知のドクターブレード法でシート状となすことによって複数枚のセラミックグリーンシートを得る。しかる後、これらのセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し、積層した後、還元雰囲気中で約1600℃の温度で焼成することによって製作される。
基体1の上面中央部には、半導体素子5を載置するための載置部1aが形成されており、この載置部1aには、半導体素子5が、例えば上面に線路導体6aを有するAl2O3質焼結体,AlN質焼結体等から成る回路基板6等に実装されるとともに、その電極が線路導体6aにボンディングワイヤ7等を介して電気的に接続された状態で載置固定される。
このような回路基板6は以下のようにして作製される。例えば、セラミックグリーンシートに、Wやモリブデン(Mo)等の高融点金属粉末に適当な有機バインダ、可塑剤、溶剤等を添加混合して得た金属ペーストを、スクリーン印刷法等の厚膜形成技術により印刷塗布して、線路導体6aとなるメタライズ層を所定パターンに形成する。しかる後、セラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを還元雰囲気中、約1600℃の温度で焼成することにより製作される。
また線路導体6aは薄膜形成法によって形成されていてもよく、その場合、線路導体6aは窒化タンタル(Ta2N)、ニクロム(Ni−Cr合金)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)等から形成され、セラミックグリーンシートを焼成した後に形成される。
なお、線路導体6aは、その露出表面にNiやAuから成るメッキ金属層を1〜20μm程度の厚みに被着させておくのが好ましい。これにより、線路導体6aの酸化腐食を有効に防止することができるとともに線路導体6aとボンディングワイヤ7や同軸コネクタ3の中心導体3bとの接続性を良好なものとすることができる。
また基体1の上面外周部には載置部1aを囲繞するようにして枠体2が取着されており、枠体2は基体1とともに半導体素子5を収容する空所を形成する作用をなす。
枠体2は、基体1と同様にFe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属から成り、基体1と一体成形されることによって、あるいは基体1にAgロウ等のロウ材を介してロウ付けされたり、シーム溶接法等の溶接法により溶接されることによって基体1の上面外周部に取着される。
枠体2は、その一部に同軸コネクタ3、および同軸ケーブル10を固定する円筒状固定部材9を固定するための貫通孔が形成されており、この貫通孔は、同軸コネクタ3が嵌着された枠体2の内面側の小径部2aと、それに同軸状に連なるとともに同軸コネクタ3に電気的に接続される同軸ケーブル10を固定する金属製の円筒状固定部材9が挿入固定される枠体2の外面側の大径部2dとを有している。
小径部2a内には同軸コネクタ3が挿入されるとともに同軸コネクタ3と小径部2a内面とがAu−Sn半田、Pb−Sn半田等の半田から成る封着材8を介して固定されている。
好ましくは、小径部2aの大径部2d側の開口部に全周にわたって形成された段差2bを有しているのがよく、この構成により、段差2bに同軸コネクタ3を固定するための封着材8のメニスカスを形成でき、同軸コネクタ3を小径部2aに強固に嵌着固定することができる。
このような同軸コネクタ3は、パッケージ内部に収容する半導体素子5を外部の同軸ケーブル10に電気的に接続するためのものであり、Fe−Ni−Co合金等の金属から成る円筒状の外周導体3aの中心軸に同じくFe−Ni−Co合金等の金属から成る中心導体3bが絶縁体3cを介して固定された構造をしている。なお、同軸ケーブル10は、貫通孔の大径部2dにネジ込まれて固定された円筒状固定部材9を介して、同軸コネクタ3に接続される。
中心導体3bを伝送する高周波信号は、枠体2の内部にある中心導体3bの部分では同軸線路のモードで伝送し、特性インピーダンス値に整合されている。そして枠体2の内側では回路基板6の上面に被着形成された線路導体6aに接続されて線路導体6a上を伝送することとなる。
段差2bを有している場合、同軸コネクタ3は、図2(a)に示すように段差2b内に突出しているのがよい。これにより、同軸コネクタ3が全周にわたって段差2bに広がる封着材8によって保持されることから、枠体2の内外がより完全に気密に仕切られる。
円筒状固定部材9は、中心軸に絶縁体を介して中心導体を有するFe−Ni−Co合金,ステンレス鋼(SUS)等の金属であり、一端部から同軸ケーブル10が挿入され電気的に接続されるとともに他端部が貫通孔の大径部2dにネジ込まれることにより固定される。この円筒状固定部材9の外周部は接地導体となっており、その先端が外周導体3aと電気的に接続されることによって円筒状固定部材9の外周部の接地電位が同軸コネクタ3の外周導体3aの接地電位と同一電位となり、円筒状固定部材9の中心導体を伝送する高周波信号と、同軸コネクタ3の中心導体3bを伝送する高周波信号のインピーダンス値を整合させることができる。その結果、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失を発生させることなく効率よく伝送させることができる。
本発明では、大径部2dの小径部2a側の先端に円筒状固定部材9と外周導体3aとで挟み込むようにして、大径部2dおよび小径部2aに同軸状に導電性の環状部材30が配置されている。この環状部材30は外周面の中央部が全周にわたって凹んだ凹部30bが形成されているとともに、円筒状固定部材9側の厚さが外周導体3a側の厚さよりも薄い。
これにより、枠体2の外面側に円筒状固定部材9をネジ込み固定した場合に、円筒状固定部材9の先端と同軸コネクタ3の外周導体3aとを圧力が加わった状態で確実に接触させることができ、円筒状固定部材9の先端の接地電位を同軸コネクタ3の外周導体3aの接地電位と同一電位として、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3を伝送する高周波信号のインピーダンス値を整合させることができる。その結果、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3を伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が生じるのを有効に抑制して高周波信号を効率よく伝送させることができる。
また、円筒状固定部材9の先端と同軸コネクタ3の外周導体3aとを圧力が加わった状態で確実に接触させることができるため、時間の経過とともに筒状固定部材9が緩んで円筒状固定部材9の先端と同軸コネクタ3の外周導体3aとに加わっている圧力が低下したとしても、環状部材30が復元するように円筒状固定部材9の緩みに追従するので、円筒状固定部材9の先端と同軸コネクタ3の外周導体3aとの接触を維持することができ、半導体素子5に入出力される高周波信号の伝送効率を維持して半導体素子5を長期間にわたり正常かつ安定に作動させることができる。外周部に凹部30bが形成されることにより、環状部材30を弾性変形させ易くでき、外周導体3aに大きな力が加わるのを有効に防止し、絶縁体3cにクラック等の破損が生じるのを確実に防止することができる。
さらに、環状部材30は、円筒状固定部材9側の厚さが外周導体3a側の厚さよりも薄いことから、円筒状固定部材30側で変形させやすくすることができるため、円筒状固定部材30を締め付けた際や、温度変化によって発生した応力を緩和してパッケージが破損するのを有効に防止できる。さらに、外周導体3a側で環状部材30の端面は剛性を維持して変形し難くいため、環状部材30が変形して同軸コネクタの絶縁体3cに接触するのを防止できる。従って、絶縁体3cにクラック等の破損が発生するのを有効に防止でき、パッケージ内を確実に気密に保持できる信頼性の高いものとなる。
このような環状部材30は、Fe−Ni−Co合金,SUS,Cu等の金属やAgエポキシ等の導電性樹脂等の導電性部材からなり、中央の貫通孔に同軸コネクタ3の中心導体3bが挿通される。また、環状部材30は外径が外周導体3aの直径よりも大きくなっている。これにより、外周導体3aとより確実に接続することができ、環状部材30を介して円筒状固定部材9の先端と外周導体3aとの電気的接続をより向上させることができる。
好ましくは、環状部材30は、円筒状固定部材9側の端面の直径が外周導体3a側の端面の直径よりも大きくなっているのがよい。これにより、環状部材30の円筒状固定部材9側の端面を円筒状固定部材9の端面に広い面積で当接させることができ、環状部材30を傾けることなく取り付けることが可能となり接続信頼性を向上させることができる。
また好ましくは、環状部材30は円筒状固定部材9よりも縦弾性係数が低い材料であるのがよい。例えば円筒状固定部材9がFe−Ni−Co合金やSUSの場合、Cu,Ag,アルミニウム(Al)等の金属材料やAgエポキシ等の導電性樹脂等の変形し易い材料であるのがよい。これにより、環状部材30を応力緩衝部材としても機能させることができ、円筒状固定部材9を大径部2dにネジ込んだ際、外周導体3aに加わる応力を緩和することができ、絶縁体3cにクラック等の破損を生じるのを有効に抑制できる。
さらに好ましくは、図2(b)に示すように、環状部材30の円筒状固定部材9側の外周部が、大径部2dの内周面に接しているのがよい。さらに、この大径部2dの内周面に接触した環状部材30の外周部の先端には大径部2dの内周面に沿って突出部30cが形成されており、この突出部30cが大径部2dの小径部2a側の端面に接しているのがよい。これにより、環状部材30の中央部に設けられた貫通孔を所定の位置に容易に配置することができるとともに、環状部材30に加わる応力を分散させることができる。従って、外周導体3aに加わる応力を大幅に緩和することができ、絶縁体3cにクラック等の破損を生じるのをより確実に防止できる。また、環状部材30の貫通孔に挿通される中心導体3bが貫通孔の中心に精度よく配置されるので、中心導体3bの環状部材30内部を伝送する高周波信号のインピーダンス値を容易に所望の値とすることができ、中心導体3bを伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのを有効に抑制し、高周波信号を効率よく伝送させることができる。
また好ましくは、図2(b)に示すように突出部30cの内側に凹部が形成されているのがよく、この構成により、枠体2の外面側に円筒状固定部材9をネジ込み固定した場合に、円筒状固定部材9の先端と同軸コネクタ3の外周導体3aとを圧力が加わった状態で確実に接触させることができ、環状部材30に加わる圧力を突出部30cにも分散させるとともに弾性変形し易くして、より外周導体3aに加わる応力を低減させることができる。その結果、円筒状固定部材9をネジ込み固定した場合に同軸コネクタ3の外周導体3aに圧力が加わりすぎるのを防止して、同軸コネクタ3の絶縁体3cにクラック等の破損が生ずるのをさらに有効に抑制できる。
また、環状部材30の凹部30bの底面は、外周導体3aの内周面よりも中心導体3b側にあるのがよい。これにより、外周導体3aと環状部材30との接触により加わる応力を、環状部材30が適度に変形することにより有効に緩和することができるとともに、外周導体3aと環状部材30との接触の圧力が多少低下しても環状部材30が追従して電気的な接続をより維持し易くなる。
これらの構成により、枠体2の外面側から円筒状固定部材9をネジ込んでも同軸コネクタ3の絶縁体3cにクラック等の破損を生じさせることなく、円筒状固定部材9と同軸コネクタ3の外周導体3aとを環状部材30を介して確実に電気的接続させることができ、円筒状固定部材9の接地電位を同軸コネクタ3の外周導体3aの接地電位と同一電位とすることができ、さらに中心導体3bを伝送する高周波信号のインピーダンス値を所望の値とすることができる。その結果、中心導体3bを伝送する高周波信号に反射損失等の伝送損失が発生するのをより有効に抑制し、半導体素子5に高周波信号を良好に入出力させることができる。
このような本発明のパッケージの載置部1aに、半導体素子5を、回路基板6等に実装されるとともにその電極が線路導体6aにボンディングワイヤ7等を介して電気的に接続された状態で載置固定し、しかる後、回路基板6の線路導体6aと同軸コネクタ3の中心導体3bとを半田等を介して電気的に接続し、枠体2の大径部2dに筒状固定部材9をネジ込んで固定し、最後に枠体2の上面にFe−Ni−Co合金等の金属等から成る蓋体4を半田付け法やシームウエルド法等により取着することにより製品としての半導体装置となる。
このような半導体装置は、円筒状固定部材9と外部電気回路に接続される同軸ケーブル10とを嵌合させることにより内部に収容する半導体素子5が外部電気回路に電気的に接続されることとなる。
尚、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更は可能である。
本発明は、半導体素子を収容するための半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置に利用できる。
1:基体
1a:載置部
2:枠体
2a:小径部
2d:大径部
3:同軸コネクタ
3a:外周導体
3b:中心導体
3c:絶縁体
4:蓋体
5:半導体素子
9:円筒状固定部材
10:同軸ケーブル
30:環状部材
1a:載置部
2:枠体
2a:小径部
2d:大径部
3:同軸コネクタ
3a:外周導体
3b:中心導体
3c:絶縁体
4:蓋体
5:半導体素子
9:円筒状固定部材
10:同軸ケーブル
30:環状部材
Claims (2)
- 上面に半導体素子が載置される載置部を有する基体と、該基体の上面の外周部に前記載置部を囲繞するように取着され、側部に断面が円形状の貫通孔が形成された枠体と、前記貫通孔に嵌着された、円筒状の外周導体および該外周導体の中心軸に設置された中心導体ならびにそれらの間に介在させた絶縁体から成る同軸コネクタとを具備しており、前記貫通孔は、前記同軸コネクタが嵌着された前記枠体の内面側の小径部と、それに同軸状に連なるとともに前記同軸コネクタに電気的に接続される同軸ケーブルを固定する金属製の円筒状固定部材が挿入固定される前記枠体の外面側の大径部とを有し、前記円筒状固定部材と前記外周導体とが、前記貫通孔に同軸状に設置された導電性の環状部材を介して接続されており、該環状部材は、外周面の中央部が全周にわたって凹んでいるとともに、前記円筒状固定部材側の厚さが前記外周導体側の厚さよりも薄いことを特徴とする半導体素子収納用パッケージ。
- 請求項1記載の半導体素子収納用パッケージと、前記載置部に載置されるとともに前記同軸コネクタに電気的に接続された半導体素子と、前記枠体の上面に取着された蓋体とを具備していることを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003324464A JP2005094311A (ja) | 2003-09-17 | 2003-09-17 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003324464A JP2005094311A (ja) | 2003-09-17 | 2003-09-17 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005094311A true JP2005094311A (ja) | 2005-04-07 |
Family
ID=34455216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003324464A Pending JP2005094311A (ja) | 2003-09-17 | 2003-09-17 | 半導体素子収納用パッケージおよび半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005094311A (ja) |
-
2003
- 2003-09-17 JP JP2003324464A patent/JP2005094311A/ja active Pending
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