JP2005093361A - 回転式プラズマ反応器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 回転電極等の回転する部分に給電子を接触させることなく、電極間にプラズマを発生させることで、メンテナンス性及び静粛性を向上でき、また電極間の短絡を防止することができる回転式プラズマ反応器を提供する。
【解決手段】 回転軸7を軸心として回転する回転電極5、6の周囲を覆う形態で、リング状の第一固定電極1及び第二固定電極2が配置されている。第一固定電極1と第二固定電極2とは、回転軸7の軸心方向に沿って、所定の間隔をあけて併設されており、この第一固定電極1と第二固定電極2との間に電源装置14が接続されている。第一固定電極1と回転電極5との間、及び第二固定電極2と回転電極6との間にプラズマ放電が生じる放電空間10、11が形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】 回転軸7を軸心として回転する回転電極5、6の周囲を覆う形態で、リング状の第一固定電極1及び第二固定電極2が配置されている。第一固定電極1と第二固定電極2とは、回転軸7の軸心方向に沿って、所定の間隔をあけて併設されており、この第一固定電極1と第二固定電極2との間に電源装置14が接続されている。第一固定電極1と回転電極5との間、及び第二固定電極2と回転電極6との間にプラズマ放電が生じる放電空間10、11が形成される。
【選択図】 図1
Description
本発明は、対向する電極間にプラズマを発生させ、該プラズマが発生する空間に存在する被処理気体を他の物質に変換させるプラズマ反応器に関し、特に、対向する電極の一方が軸心を中心として回転する回転電極であり、他方が回転電極の径方向に、該回転電極に対向するかたちで配置される固定電極である回転式プラズマ反応器に関するものである。
対向する電極間にプラズマを発生させることで、このプラズマが発生する空間に存在する被処理気体を他の物質に変換する技術がある。被処理気体としては、自動車等の排ガスに含まれているNOxやSOx等の物質を例示でき、これらの物質を無害化する技術に応用される。また、被処理気体として空気を採用し、該空気を電極間の放電エネルギーよりオゾンに変換する技術にも応用できる。また、被処理気体として炭化水素と水蒸気との混合気体を採用し、該混合気体から放電エネルギーにより水素を生成するような、例えば燃料電池の改質器に利用できるものも考えられる。
上記のようなプラズマ反応器としては、下記特許文献1に記載されているような回転式オゾン発生装置がある。該文献に記載されているオゾン発生装置は、被処理気体としての空気からオゾンを発生させるための手段として、以下のような手段を採用している。つまり、一方の電極を軸心を中心に回転させるとともに、該回転する回転電極の軸心を中心として径方向外側に他方の固定電極を、該回転電極と対向するように配置させるものである。このような方式を採用することで、対向する電極間にプラズマを均一に発生させることができ、電極間に形成される放電空間と空気との接触確率を向上させることで、オゾンの発生効率を向上させることができる。
特許3261054号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術においては、放電空間に高電圧を印加するための手段として、回転電極と、該回転電極を回転駆動するためのモータとを連結する連結軸に給電子(ブラシ)を接触させ、該給電子と、回転電極に対向して配置される固定電極との間に電源装置を電気的に接続している。このような電圧の印加方式によれば、給電子が回転する連結軸に接触しているため、次のような問題が生じやすい。
(1) 給電子と連結軸が接触し、これらが磨耗するため、メンテナンスが頻繁に必要となる。
(2) 給電子及び連結軸の磨耗により金属粉が生じ、この金属粉が回転電極と固定電極との両方に接触することで、電極間が短絡する。
(3) 回転する連結軸に給電子が接触するため接触音が発生し、装置の静粛性を損なう。
また、特許文献1に記載されている回転式オゾン発生装置は、回転軸とモータとを連結する連結軸に給電子を接触させているが、回転電極自体に給電子を接触させる形態でも同様の問題が生じると考えられる。
本発明は以上のような実情を鑑みてなされたものであり、回転電極等の回転する部分に給電子を接触させることなく、電極間にプラズマを発生させることで、メンテナンス性及び静粛性を向上でき、また電極間の短絡を防止することができる回転式プラズマ反応器を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明の回転式プラズマ反応器は、所定の軸を軸心として回転する回転電極と、軸心を中心として前記回転電極の径方向内側あるいは外側に該回転電極と所定の隙間を保って対向するように配置された第一固定電極と、該第一固定電極と離間するとともに、軸心を中心として前記回転電極の径方向内側あるいは外側に該回転電極と所定の隙間を保って対向するように配置された第二固定電極と、前記第一固定電極と前記第二固定電極との間に電圧を印加するための電源装置と、を有し、前記回転電極を回転させた状態で、前記第一固定電極と前記第二固定電極との間に電圧を印加することにより、前記第一固定電極と前記回転電極との間、及び前記第二固定電極と前記回転電極との間にそれぞれ電位差を生じさせ、前記回転電極と前記第一及び第二固定電極との間の放電空間にプラズマを発生させることにより、前記放電空間に存在する被処理気体を処理することを特徴とする。
上記本発明の回転式プラズマ反応器においては、回転電極は、軸心を中心として回転するものであり、該軸心を中心として自転するものでも公転するものでもどちらでもよい。軸心を中心として自転するものとする場合、円筒状あるいは円柱形状のもので、自身の軸心を中心として回転するものを例示できる。また、軸心を中心として公転するものの場合、自身の軸心を中心として自転する回転部材の側周面に取り付けられ、該回転部材の軸心を中心として公転するものを例示することができる。
また、前記第一固定電極と前記第二固定電極とは、前記軸心の方向に沿って、間隔をあけて併設されているものとすることができる。
さらに、前記回転電極は、前記固定電極に向けて突出する部分を有するものとすることができる。この場合、回転電極の一部に固定電極にむかって突出する部分を形成するようにしてもよいし、回転電極自体が、回転電極を支持する支持部材から突出するようにしてもよい。この場合の具体的な構成としては、回転電極は、該回転電極を回転可能に支持する支持部材により支持されるものであり、該支持部材から前記第一固定電極及び第二固定電極に向かって突出するように配置されるものとすることができる。
また、回転電極を支持部材により支持する構成を採用する場合、該支持部材は筒状あるいは円柱状で自身の軸心を中心として回転するものであり、該支持部材の円周方向に所定の間隔をあけて回転電極を設けるようにするのがよい。
上記本発明の構成においては、固定電極として、少なくとも第一固定電極及び第二固定電極の2つの電極を有するものを使用し、そして、これらの第一固定電極及び第二固定電極間に電源装置を接続して、第一固定電極と第二固定電極との間に電圧を印加するようにしている。そして、第一固定電極と第二固定電極との間に電圧を印加することで、それぞれ対向して配置される第一固定電極と回転電極の間、及び第二固定電極と回転電極との間に電位差を生じさせることができるので、給電子(ブラシ)等を回転電極等の回転する部分に接触させなくても、回転電極と固定電極との間にプラズマ放電を発生させることができる。つまり、ブラシレスでプラズマ反応器を作動することができる。そのため、回転電極の回転により、回転電極等の回転する部分が磨耗することがなく、メンテナンス性が向上することともに、磨耗粉により回転電極と固定電極とが短絡することもない。さらに、回転電極の回転時に回転電極に接触する部分がなくなるので、作動時の静粛性を向上することができる。
本発明の回転式プラズマ反応器においては、回転電極と固定電極との間を直接電源装置により接続するのではなく、固定電極を分割し、分割された固定電極間に電源装置を接続するようにしたことが特徴である。分割された第一固定電極と第二固定電極との間に電源装置を接続することで、回転電極と固定電極との間にプラズマ放電が発生する機構について、簡単に説明する。前述したように、本発明の構成においては、第一固定電極と第二固定電極とは、いずれも回転電極に対向するように配置される。そのため、第一固定電極と第二固定電極との間に電圧が印加されると、第一固定電極と回転電極の間、及び第二固定電極と回転電極の間に電位差が生じる。回転電極と固定電極間に電源装置を接続しなくても、回転電極と固定電極との間にプラズマ放電を発生させることができるのである。
第一固定電極と第二固定電極との配置形態としては、具体的には、軸心方向に沿って併設する構造を採用することができる。このような構造によれば、例えば回転電極を軸心方向に沿って延在するようにすれば、第一固定電極と第二固定電極とのいずれもが回転電極に対向する構造を実現することができる。また、第一固定電極と第二固定電極とのいずれもが回転電極に対向する構造を実現するためには、次の構造も考えられる。回転電極として、第一回転電極と第二回転電極とを有するものを採用し、第一回転電極と第二回転電極とを軸心方向に沿って併設して、第一固定電極と第一回転電極とが対向し、第二固定電極と第二回転電極とが対向するようにして、これら第一回転電極と第二回転電極とを導電体で電気的に接続するようにしてもよい。この場合第一固定電極と第一回転電極との間、及び第二固定電極と第二回転電極との間に、それぞれ電位差が生じプラズマ放電が発生する。また、第一固定電極と第二固定電極とを軸心の方向に沿って併設する構造を採用することにより、第一固定電極と第二固定電極との軸心に沿う最短距離間を電源装置により接続することができる。
さらに、回転電極は、固定電極に向かって突出する部分を有するものとすることで、固定電極と回転電極との間の距離を局所的に短くすることができ、固定電極と回転電極との間にプラズマ放電を発生させやすくなる。
また、回転電極は、筒状あるいは円柱状で自身の軸心を中心として回転する支持部材に取り付けられるものとする場合、回転電極を該支持部材の円周方向に所定の間隔をあけて、固定電極に向かって突出するように設けることで、回転電極が設けられていない箇所においては、回転電極の突出分に見合った空間が形成されることになる。そのため、固定電極と回転電極との間の放電空間以外にも、被処理気体が存在できる空間を設けることができるため、プラズマ反応器に導入できる被処理気体の容量を増加させることができ、被処理気体の処理能力の向上につながる。
以下、本発明の実施形態を添付の図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明のプラズマ反応器100の軸心を含む断面図を示すものであり、図2は、プラズマ反応器100の軸心に垂直な断面図である。図1及び図2に示すように、プラズマ反応器100は、モータ等の回転装置8と、該回転装置8に連結されている回転軸7と、該回転軸7の外周に取り付けられるリング部材4と、該リング部材4の外周に取り付けられる回転電極5、6と、回転軸7の軸心を中心として回転電極5、6の径方向外周側に、該回転電極5、6と対向するように配置されている固定電極1、2と、を有する。さらに、固定電極1、2は、それぞれ所定の間隔を隔てて、2つに分割された第一固定電極1及び第二固定電極2である。そして、これら第一固定電極1と第二固定電極2とを接続する電源装置14を有する。
さらに、第一固定電極1及び第二固定電極2と、回転電極5、6との間には誘電体9が配置されている。そして、第一固定電極1及び第二固定電極2の軸心を中心として径方向外側には、絶縁体である筒体3が配置されており、この筒体3により、第一固定電極1及び第二固定電極2並びに誘電体9が支持されている。
ここで、第一固定電極1及び第二固定電極2は、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属製のリング状部材あるいは線状部材とすることができる。一方、回転電極5、6は、耐熱金属製のピン状部材とされ、回転リング4は、ステンレス、アルミニウム、銅などの金属製のリング状部材とされる。ここで、回転電極5,6は、第一回転電極5と第二回転電極6とを有するものであるが、これら回転電極5、6間は、金属製の回転リング4により接続され、通電が可能となっている。
第一固定電極1及び第二固定電極2は、図2に示すように、誘電体9の周囲を囲うように配置されているリング形状を有するものであり、図1に示すように、回転軸7の軸方向に、所定間隔をあけて並んで配置されている。そして、これらリング形状の第一及び第二固定電極1、2には、図1及び図2に示すように、円周方向の所定の位置にターミナル12、13が取り付けられている。これらのターミナル12、13間に電源装置14が接続されており、第一固定電極1と第二固定電極2との間に所定の電圧を印加させることができるようになっている。なお、第一固定電極1及び第二固定電極2との間に形成されている隙間の所定の間隔は、第一固定電極1と第二固定電極2との間に所定の電圧を印加したときに、第一固定電極1と第二固定電極2との間で放電が起こらないように適宜設定される。また、第一固定電極1と第二固定電極2との間に印加される電圧は、直流電圧でも交流電圧でも良いが、誘電体9中を放電させる場合は交流のみが可能である。誘電体9の表面に沿って放電を発生させる場合は、直流電圧でも交流電圧でもよい。
さらに、本実施形態のプラズマ反応器100においては、回転リング4に取り付けられる回転電極5、6は、第一固定電極1に対向するように第一回転電極5が配置され、第二固定電極2に対向するように第二回転電極6が配置されている。別の言い方をすれば、回転軸7の軸方向に沿って、並んで回転電極5、6が配置されている。また、回転電極5、6は、第一固定電極1及び第二固定電極2が配置されている径方向外側に向けて回転リング4から突出するように配置されており、この径方向外側に向けて突出する回転電極5、6の径方向外側の側周面と誘電体9との間に、プラズマが発生する放電空間10、11が形成されている。
また、図2に示すように、本実施形態にかかるプラズマ反応器100においては、回転電極5、6は、回転リング4の円周方向に沿って、所定の間隔をあけて複数箇所(図2では4箇所)形成されている。したがって、回転軸7ひいては回転電極5、6が軸心を中心として回転しない場合にあっては、図2に示すように、回転電極5、6が形成されている領域にのみ放電空間10、11が形成されることになる。このように、回転電極5、6が回転リング4の円周方向において、所定間隔をあけて配置されている場合、回転電極5、6が円周方向に連続して形成されている場合(つまり、回転電極5、6により回転リング4の全周が覆われている場合)とは異なり、軸心方向に垂直な断面において、誘電体9と回転リング4との間に形成される隙間空間21の断面積を大きくとることができる。つまり、回転リング4の円周方向全周に、間隔をあけて配置された回転電極5、6と固定電極1、2との間隔を狭くして、プラズマを発生しやすくしても、被処理気体が導入される隙間空間21全体の体積は大きくすることができるので、より多くの被処理気体を導入することができる。そのため、被処理気体を処理する能力が向上することにつながる。
以下、本実施形態のプラズマ反応器100の動作について図1〜図3を用いて説明する。回転装置8による回転力を受け、回転軸7が回転駆動される。回転軸7はその外周部において回転リング4と結合されており、回転軸7の回転駆動により、軸心を中心として回転リング4の径方向外周側に取り付けられている回転電極5、6とともに、回転リング4が軸心を中心として回転することになる。
一方、回転リング4の径方向外側に、該回転リング4を囲う形態で配置されている誘電体9及び第一固定電極1並びに第二固定電極2は、筒体3により支持されており固定である。この固定されている第一固定電極1及び第二固定電極2にターミナル12、13を介して接続されている電源装置14により、第一固定電極1及び第二固定電極2の間に電圧を印加する。第一固定電極1と第二固定電極2との間に印加される電圧は、直流電圧でも交流電圧でもよいが、本実施形態においては、交流電圧を印加する場合について説明する。
電源装置14により印加された高電圧(例えば、10kV程度)により、第一固定電極1と回転リング4に取り付けられた回転電極5との間、及び第二固定電極2と回転リング4に取り付けられた回転電極6との間で、誘電体9を介して放電が始まる。つまり、例えば第一固定電極1側に正の電圧、第2固定電極2側に負の電圧が印加される場合、回転電極5の径方向外側に負の電荷が誘起され、第一固定電極1と回転電極5との間に電位差が生じ放電が起こるとともに、回転電極6の径方向外側に正の電荷が誘起され、第二固定電極2と回転電極6との間に電位差が生じ放電が起こる。すなわち、第一固定電極1から回転電極5へ電気を供給すると同時に放電が発生し、且つ、回転電極6から第二固定電極2へ電気を戻すと同時に放電させるものである。本実施形態においては、電源電圧を交流(例えば、5kHz〜20kHzのパルス状の交番)としているため、誘電体9を介した第一固定電極1と回転電極5との間の放電空間10に放電領域を形成し、誘電体9を介して第二固定電極2と回転電極6との間の放電空間11に放電領域が形成され、この放電が、電源周波数に合わせて各電極間を交番しながら起こる。
そして、この放電空間10、11を有する、誘電体9と回転リング4との間の隙間空間21に、図示しない気体導入手段により被処理気体を導入すると、放電空間10、11に存在する被処理気体がプラズマ状態となり、被処理気体の分解あるいは合成が起こる。気体導入手段としては、隙間空間21に被処理気体を導入できるものであればどのようなものでもよいが、隙間空間21に被処理気体を送風するファンや、隙間空間21に被処理気体を誘引するファンを例示することができる。
次に、回転リング4ひいては回転電極5、6を回転させる効果について図3を用いて説明する。図3(a)は回転装置8からの回転駆動が行われていない場合であり、図3(b)は回転装置8が回転軸7を低速で回転させている場合であり、図3(c)は、回転装置8が回転軸7を高速で回転させている場合である。図3(a)に示すように、回転電極5、6が停止している状態では、回転電極5、6と固定電極1、2との間で線状の線放電が起こる。しかしこの状態では、放電空間10、11の面積が見かけ上小さく、被処理気体が処理される空間の範囲が狭く処理効率は低い。一方、図3(b)のように、低速回転状態では、線状の線放電が見かけ上隙間空間21の全周に亘り発生する。そのため、図3(a)の状態と比較して、被処理気体が処理される空間の範囲が広くなり、処理能力が向上する。さらに、図3(c)の高速回転状態では、回転電極5、6の高速回転により、隙間空間21に見かけ上面状の放電空間10、11が形成されることになる。そのため、図3(a)、(b)の状態と比較して、被処理気体が処理される空間の範囲が広くなり、被処理気体の処理能力をさらに向上させることができる。
以上のようなことを考慮すれば、回転電極5、6を回転させることにより、見かけ上面上の放電空間10、11を形成することができるので、回転電極5、6の回転リング4における円周方向の長さは、短くても長くてもよい。しかしながら、前述したように、回転電極5、6の回転リング4における円周方向の長さが長くなると、相対的に隙間空間21が狭くなり、該隙間空間21に導入できる被処理気体の容量が減少する。そのため、被処理気体の処理能力が低下することも懸念される。したがって、図2に示すように、回転リング4の円周方向において、所定の箇所(1箇所あるいは複数箇所)に回転電極5、6を配置するのがよい。
また、本実施形態においては、被処理気体としては、例えば揮発性誘起化合物(VOC)等の有害物質を含むものを例示することができる。VOC気体を被処理気体とする場合、これらの気体が、例えば、水、二酸化炭素等に分解されることになり、被処理気体を無害化することができる。被処理気体としては、NOxやSOx等の自動車の排ガスに含まれるものを例示することもでき、これらの排ガスに含まれる有害物質を分解し無害化させることも可能である。また、被処理気体としてホルムアルデヒドを採用し、該ホルムアルデヒドを水、二酸化炭素等に分解して無害化させる用途にも使用することができる。また、被処理気体としては、空気を採用することもでき、この場合、本実施形態のプラズマ反応器100は、空気をプラズマ化することによりオゾンを発生するオゾン発生装置にすることができる。また、被処理気体として炭化水素と水蒸気との混合気体を採用することもでき、この場合、本発明のプラズマ反応器100は、炭化水素を水蒸気改質し水素を発生させる改質器に使用することも可能である。
さらに、被処理気体の種類に応じて、該被処理気体の分解・合成を促進する目的で、誘電体9と回転リング4との間の隙間空間21を形成する表面に、触媒を胆持させることもできる。例えば、被処理気体がVOC気体である場合、触媒として白金系触媒などを採用することができ、被処理気体がホルムアルデヒドの場合は、触媒としてMn系触媒などを採用することができる。
以上、本発明の実施形態における回転式プラズマ反応器100は、回転軸7を軸心として回転する回転電極5、6と、軸心を中心として回転電極5、6の径方向外側に該回転電極5、6と所定の隙間を保って対向するように配置された固定電極1、2と、回転電極5、6と固定電極1、2との間に電圧を印加するための電源装置14と、を有し、回転電極5、6を回転させた状態で回転電極5、6と固定電極1、2との間に電圧を印加して、回転電極5、6と固定電極1、2との間の放電空間10、11にプラズマを発生させることにより、放電空間10、11に存在する被処理気体を処理するプラズマ反応器100であって、固定電極1、2は、それぞれ離間する第一固定電極1と第二固定電極2とを有し、これら2つの固定電極1、2がそれぞれ回転電極5、6に対向するように配置されているものであり、第一固定電極1、と第二固定電極2が電源装置14により接続されていることを特徴とするので、給電子等を使用しなくても、固定電極1、2と回転電極5、6との間にプラズマを発生させることができる。そのため、メンテナンス性及び静粛性を向上でき、また電極間の短絡を防止することができる。
さらに、本実施形態のプラズマ反応器100は、第一固定電極1及び第二固定電極2とは、軸心の方向に離れて併設されているものであるので、円周方向の同一位置において、ターミナル12、13を軸方向に並べて配置することができる。
さらに、回転電極5、6は、固定電極1、2と対向する位置において、固定電極1、2に向けて突出する部分を有するものとされているので、固定電極1、2と回転電極5,6との間で、プラズマ放電を発生させやすい。
また、回転電極5、6は、筒状あるいは円柱状で自身の軸心を中心として回転する回転リング4に取り付けられており、回転電極5、6を該回転リング4の円周方向に所定の間隔をあけて、固定電極1、2に向かって突出するように設けられているので、誘電体9と回転リング4との間の隙間空間21において、回転電極5、6が設けられていない箇所においては、回転電極5、6の突出分に見合った空間が形成されることになる。そのため、固定電極1、2と回転電極5、6との間の放電空間10、11以外にも、被処理気体が存在できる空間を設けることができるため、プラズマ反応器100に導入できる被処理気体の容量を増加させることができ、被処理気体の処理能力の向上につながる。
以上、本実施形態のプラズマ反応器100について説明したが、本発明はこれにかぎられるものではない。例えば、本実施形態のプラズマ反応器100においては、回転電極5、6の軸心を中心として径方向外側に固定電極1、2を配置する形態を示したが、回転電極5、6の軸心を中心として径方向内側に固定電極1、2を配置する構造も可能である。この場合、第一固定電極及び第二固定電極は、軸心方向に沿って併設される筒状あるいは円柱状のものであり、この第一固定電極及び第二固定電極の径方向外側に、これら固定電極と対向するように回転電極を配置することができる。
また、本実施形態のプラズマ反応器100においては、第一固定電極1と第二固定電極2とが、軸心方向に沿って併設する構造について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、第一固定電極及び第二固定電極として円弧形状のものを採用し、これら第一固定電極と第二固定電極とを同一円周上に所定の間隔を隔てて配置するようにしてもよい。この場合、前述の実施形態と同様に、第一固定電極と第二固定電極との間に形成される所定の間隔は、放電が起きないようにある程度大きく設定する必要がある。
また、本実施形態のプラズマ反応器100においては、回転電極5、6は、回転リング4の円周方向において、所定の間隔をあけて配置されているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、回転電極としては、筒状あるいは円柱状のもので、軸心を中心として自転するものを採用することができる。この場合、前述のプラズマ反応器100において、回転リング4自体を回転電極と見なすことができる。また、同様の理由により、回転リング4と回転電極5、6との全体を回転電極とすることもできる。
さらに、本実施形態においては、回転電極5、6は、回転リング4の軸心方向に、第一回転電極5と第二回転電極6として2つ併設されているが、回転電極は、回転リング4の軸心方向にそって、3以上の箇所にそれぞれ別体に配置してもよい。この場合、第一固定電極1及び第二固定電極2のそれぞれに、少なくとも一つの回転電極が対向するように配置する必要がある。
次に、本実施形態のプラズマ反応器100を用いた応用例を図4を用いて説明する。図4はVOC等の有害物質を分解するガス分解装置の具体的な構成を示すものである。図4に示すガス分解装置200は、本発明にかかるプラズマ反応器100と、該プラズマ反応器100の一端側に配置され、隙間空間21に異物が混入することを防止するための防塵フィルタ15と、プラズマ反応器100の他端側に配置されるオゾン除去フィルタ17、18と、隙間空間21にVOCなどの有害物質を含む空気を導入する導入手段としてのファン19と、を有する。ファン19が回転すると、隙間空間21にVOCを含む空気が導入され、電源装置14により電圧が印加された第一固定電極1と回転電極5間、及び第二固定電極2と回転電極6間に放電が起こり、VOCを含む空気がプラズマ状態となり分解・合成される。このように、VOCとともに空気を隙間空間21に導入した場合、VOCは無害化されるが空気の分解・合成によりオゾンが発生する。そのため、このオゾンをオゾン除去フィルタ17、18により除去するようにしている。オゾン除去フィルタは、高濃度用オゾン除去フィルタ17と低濃度用オゾン除去フィルタ18であり、これらのオゾン除去フィルタ17、18が並んで配置されている。プラズマ反応器100により発生するオゾンは、プラズマ反応器100の隙間空間21近傍で高濃度である。そのため、低濃度及び高濃度のオゾンを除去できるように、高濃度用及び低濃度用のオゾン除去フィルタ17、18を並べて配置するようにしている。
また、ガス分解装置200においては、被処理気体の流通経路において、オゾン除去フィルタ17、18の後に、オゾンセンサ20を配置することができる。このオゾンセンサ20は、電源装置14に電気的に接続されている。これにより、オゾンセンサ20によって検出されたオゾンの量が多い場合に、電源装置14により固定電極1、2と回転電極5、6との間への電圧の印加を停止して、被処理気体の処理を停止する機能を付与することができる。そのため、オゾンの安全管理を行うこともできる。
上記のガス分解装置において、従来の装置との静粛性の違いを比較した。従来及び本発明のプラズマ反応器において、同一の回転数で回転装置を動作させたときの騒音を測定し、両者を比較した。従来のプラズマ反応器においては52dBを記録したが、本発明のプラズマ反応器においては43dBを記録し、本発明により静粛性を大幅に向上させることができることが確認された。
以上説明したように、ガス分解装置200によれば、有害なオゾンを生成することなしに、空気中に含まれるVOC等の有害物質を効率よく分解することができる。また、本発明にかかるプラズマ反応器100を使用し、回転電極5、6を回転させるときの静粛性を向上させたので、例えば家庭等に設置してその効果がより一層発揮される。
1 第一固定電極
2 第二固定電極
3 筒体
4 回転リング
5、6 回転電極
7 回転軸
8 回転装置
9 誘電体
10、11 放電空間
12、13 ターミナル
14 電源装置
21 隙間空間
2 第二固定電極
3 筒体
4 回転リング
5、6 回転電極
7 回転軸
8 回転装置
9 誘電体
10、11 放電空間
12、13 ターミナル
14 電源装置
21 隙間空間
Claims (3)
- 所定の軸を軸心として回転する回転電極と、軸心を中心として前記回転電極の径方向内側あるいは外側に該回転電極と所定の隙間を保って対向するように配置された第一固定電極と、該第一固定電極と離間するとともに、軸心を中心として前記回転電極の径方向内側あるいは外側に該回転電極と所定の隙間を保って対向するように配置された第二固定電極と、前記第一固定電極と前記第二固定電極との間に電圧を印加するための電源装置と、を有し、
前記回転電極を回転させた状態で、前記第一固定電極と前記第二固定電極との間に電圧を印加することにより、前記第一固定電極と前記回転電極との間、及び前記第二固定電極と前記回転電極との間にそれぞれ電位差を生じさせ、前記回転電極と前記第一及び第二固定電極との間の放電空間にプラズマを発生させることにより、前記放電空間に存在する被処理気体を処理することを特徴とする回転式プラズマ反応器。 - 前記第一固定電極と前記第二固定電極とは、前記軸心の方向に沿って、間隔をあけて併設されていることを特徴とする請求項1に記載の回転式プラズマ反応器。
- 前記回転電極は、前記固定電極に向けて突出する部分を有するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転式プラズマ反応器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003328386A JP2005093361A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 回転式プラズマ反応器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003328386A JP2005093361A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 回転式プラズマ反応器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005093361A true JP2005093361A (ja) | 2005-04-07 |
Family
ID=34457979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003328386A Pending JP2005093361A (ja) | 2003-09-19 | 2003-09-19 | 回転式プラズマ反応器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005093361A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100828718B1 (ko) * | 2005-09-30 | 2008-05-09 | 주식회사 엘지화학 | 플라즈마를 이용한 가스전환장치 및 가스전환방법 |
JP2016524519A (ja) * | 2013-04-10 | 2016-08-18 | アムリカ メルサンタイル プライベート リミテッド | 低温プラズマの発生装置、及び、関連する化学物質を製造するため方法 |
JP2021188091A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 日鉄溶接工業株式会社 | 粉体製造装置 |
-
2003
- 2003-09-19 JP JP2003328386A patent/JP2005093361A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021188091A (ja) * | 2020-05-29 | 2021-12-13 | 日鉄溶接工業株式会社 | 粉体製造装置 |
JP7261199B2 (ja) | 2020-05-29 | 2023-04-19 | 日鉄溶接工業株式会社 | 粉体製造装置 |
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