JP2005090997A - 光学式エンコーダとその信号安定化方法 - Google Patents

光学式エンコーダとその信号安定化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 検出信号特性の温度変化を抑えた光学式エンコーダを提供する。
【解決手段】 光を出射する発光部、発光部からの出射光をコリメートするレンズ、レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケール、および、光学スケールを透過した光を受光する受光部を備える光学式エンコーダにおいて、光学スケールは、入射光を反射する複数のV字部を備える。発光部から出射された光の迷光を受光部の方に導く。また、光学スケールの膨張と収縮を考慮して、受光部は、第1の温度と異なる第2の温度では受光部に入射する迷光の量が第1の温度に比べて少なくなる位置に設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、光学式エンコーダに関するものである。
光学式エンコーダは、サーボシステムなどにおいて、モータなどの物体の回転運動や並進運動を光学的に検出して、位置や速度を求めるために用いられる。光学式エンコーダは、発光部(発光ダイオードなど)、受光部(フォトダイオードなど)および両者の間で移動する可動コード板を含む。可動コード板には、遮光部と透過部などの2種の領域が交互に設けられる。遮光部は、たとえば、ガラス板にCr蒸着で作成したパターンである。たとえば光学式ロータリーエンコーダでは、モータの回転軸に可動コード板である回転板が取りつけられる。2種の領域からなる部分は光学スケールとして動作する。モータが回転し、発光部から出射する光が透過部を通ったとき、受光部に入射した光が検出され、受光部からの信号を基に、回転板の位置や速度が検出される。
また、光学式ロータリーエンコーダには、可動コード板(光学スケール)において、遮光部の代わりに、凹凸形状(たとえばV字形状、梨子地形状)を配置した領域を反射部として設けたものがある(特開平11−287671号公報参照)。凹凸形状に入射した光は反射、屈折、散乱などにより受光部には入射しないが、凹凸形状を配置しない領域に入射した光は受光部に入射する。これによって出力光を強度変調し、この出力光を受光部で電気変換した信号を処理することにより、位置や速度を検出している。
特開平11−287671号公報
光学式エンコーダは、位置、速度などの検出器として使用されているが、広い温度範囲で安定して使用するためには、受光素子に入射する光レベルが温度変化に対して安定である必要がある。上述のV字形状を配置した従来の光学式エンコーダ(特開平11−287671号公報)では、光学スケールのV字形状に入射した光は反射され、光学スケールを透過しない。しかし、樹脂製の光学スケールが用いられた場合、温度変化の影響を受けることがある。発明者らは、樹脂成形時の転写鈍りにより、V字形状の先端に丸みが発生することがあることに注目した。本来V字形状は内部全反射により光が透過しない角度に設計されているが、V字形状の先端の丸み部では、一部の光は全反射せずに光学スケールを透過する。周囲温度が変化すると、材料の屈折率変化により、光学スケールに入射した光のうちV字形状を透過する光の割合が変化する。このようなV字形状の透過率の温度変化により、光学スケールが移動したときに、V字部の透過率が高い部分では、V字部透過率の温度変化の影響が大きく、受光部に入射する光のAC成分の振幅が小さくなるとともに、DC成分(オフセット)が増大する。このように、温度条件によって、受光素子への平均的な入射光レベルが変化して、検出される信号の特性、したがって、位置、速度などの検出特性が劣化するという問題点があった。
本発明の目的は、検出信号特性の温度変化を抑えた光学式エンコーダを提供することである。
本発明に係る光学式エンコーダの信号安定化方法では、光を出射する発光部、発光部からの出射光をコリメートするレンズ、レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケールであって、入射光を反射する複数のV字部を備えた光学スケール、および、光学スケールを透過した光を受光する受光部を備える光学式エンコーダにおいて、発光部から出射された光の迷光を受光部の方に導く。ここで、受光部は、第1の温度と異なる第2の温度では、迷光の入射量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設ける。これにより光学スケールの温度による膨張と収縮を考慮して信号を安定化する。
受光部に入射する迷光が第1の温度よりも第2の温度で減少することにより、温度変化によるV字部の透過率変化を補正して、受光部の検出信号のDC成分の変動を抑制できる。
この発明に係る光学式エンコーダでは、発光部からの出射光をレンズでコリメートし、V字部を備えた樹脂製光学スケールに入射し、光学スケールを透過した光を受光部で受光する。光学スケールは、入射光を反射する複数のV字部を表面に形成している。ここで、V字部での透過率が大きくなるにつれ、光学式エンコーダ内で発生する迷光の受光部への入射量が小さくなるようにする。このため、発光部から出射された光の迷光を受光部の方に導き、かつ、光学スケールの膨張と収縮を考慮して受光部を設置する。受光部は、第1の温度と異なる第2の温度では、迷光の入射量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設ける。迷光レベルは、第1の温度と第2の温度の間で単調に変化する。こうして迷光レベルを温度により制御することにより、温度変化によるV字部の透過率の変化を補正し、DC成分の変動を抑制できる。こうして、検出信号の温度特性の変化を補償して、広い温度範囲において、光学式ロータリーエンコーダの信号特性を安定化する。具体的には以下の種々の実施の形態の光学式エンコーダが使用できる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による光学式ロータリーエンコーダの光学系の全体構成を示す。LEDなどの発光部(光源)1から出射された光は、レンズ2によりコリメートされ、光学スケール3に入射する。光学スケール3は、回転軸に取りつけられ、その回りを回転する可動円板である。光学スケール3はたとえば樹脂により形成される。光学スケール3の(たとえば受光部側の)表面の一部分には、光学スケール3の移動方向(図1では円周方向)に2種類のトラック30、31が形成されている。両トラック30、31では、光の強度変調または遮光のため、多数のV字部(V字状の突起または溝)32からなるパターンが形成されている。第1のトラック30では、V字部32の有無により遮光/透過のパターンが形成される。一方、第2のトラック31では、V字部32により全周が遮光されている。このように、光学スケールは、入射光を強度変調する複数のV字部からなるパターンを形成した第1のトラックと、入射光を発光部の方に反射する第2のトラックを備える。V字状の突起又は溝の2つの傾斜面は、光学スケールの表面に垂直な面に対して(すなわちレンズ2によりコリメートされた光の入射方向に対して)対称的に設けられる。V字部32の傾斜角は、材料の屈折率nで決まる臨界角θc=sin-1(1/n)よりも大きい値に設定されている。たとえば、傾斜角が45°であると、V字部32に入射した光は2つの傾斜面で2回全反射され、発光部1の方に戻る。すなわち、入射光は、光学スケール3を透過しない。一方、V字部32以外に入射した光は光学スケール3を透過する。なお、好ましくは、後で説明するように、傾斜角は45°よりわずかに異ならせる。
第1のトラック30には、透過する光の強度変調を行うため、V字部32の幅と間隔を変化させたパターンが形成されている。図2および図3にパターンの例を示す。図2の例では、幅が一定のV字部で間隔を変化させて正弦波パターンとしている。図3の例では、間隔は一定だが幅を変化させて、同じく正弦波を実現している。光学スケール3が移動(図1ならば軸中心に回転)すると、上記パターンを透過した光は、強度変調された光信号としてフォトダイオードなどの受光部5に入射し、光電気変換されて電気信号となる。この電気信号を元に、光学スケール3の移動位置が検出される。
ここで実際のV字部32における問題点を以下に説明する。なお、図1の例では第1のトラック30は第2のトラック31の内側に記載されているが、位置関係は逆でもよい。V字部32の2つの傾斜角は理想的には一様な値であることが望ましいが、実際上は成形上の転写鈍りにより、V字部32の先端に丸みが発生する。図4に、そのようなV字部の1例を示す。V字部32の先端の丸み部分では、入射角が臨界角よりも小さくなるため、漏れ光が発生する。一方、光学スケール3の材料の屈折率の温度依存性により、V字部32における透過率は温度により変化する。図5は1例としてポリカーボネートの場合の屈折率と温度の関係を示す。このような材料においては、高温ほど臨界角θcが小さくなり、漏れ光が増加する。このようにV字部32の透過率は温度が上がるほど大きくなる特性を持つ。
図6は、比較例として、第1のトラック30を透過した光のうち、直接光源1から入射した成分による透過光による信号レベルの1例を示す。この信号レベルは、再帰反射光がない場合であり、従来の光学式エンコーダの信号レベルに対応するものである。上記の温度依存性を考慮すると、透過光が多い部分ではV字部32の占める割合が低いため、温度による透過率変化が小さいが、透過光が少ない部分では、V字部32の占める割合が高く、温度変化に伴う透過率上昇による信号レベル上昇が無視できない。このレベル上昇により、元の波形に対して、AC振幅が小さくなると共に、DCレベルが上昇する。特に、DCレベルの温度変動は位置検出機能上の誤差要因となり得る。
次に、第2のトラック31について説明する。DCレベルの温度変動を少なくするため、本実施形態1では、図1に示すように、さらに、第2のトラック31および反射手段4を用いる。第2のトラック31では多数のV字部32が密に隣接して1列に並べられており、トラック31に垂直に入射した光は全反射される。理想的には入射光が透過されないため、第2のトラック31を「全遮光トラック」と呼ぶこととする。
また、反射手段4をコリメートレンズ2に対して発光部1の側に設けて、光学スケールの第2のトラックから反射された光を、レンズ2従って光学スケール3の方に再反射する。反射手段4は、たとえば、発光部1を取り付ける板の表面に設けた金または金合金製のダイパッドなどの反射部材である。この場合、ダイパッドの上に発光部1が配置される。これにより、発光部1と反射手段4を一体化した配置できる。全遮光トラック31により反射された光は反射手段4により再反射されて、ふたたび光学スケール3の方に進む。なお、一般的には、反射手段4は、発光部1と同一面のほか、発光部1に対してコリメートレンズ2の反対側、あるいは、発光部1の光束を妨げない範囲で発光部1とレンズ2の間に設けてもよい。反射手段4の寸法は、光学スケールから反射される光の位置を考慮して設定すればよい。
さらに説明すると、発光部1は、出射光がトラック30,31にまたがるように光学スケールを照射する位置に設置される。光学スケール3は、熱膨張により形状が変化する。発光部1、反射手段4及び受光部5の位置は、温度により変動しない位置に設置することが望ましいが、温度により変化する場合は、温度変化時の相対的な位置関係の変化を考慮した位置とすればよい。
図7は、全遮光トラック31と反射手段4を考慮した光の経路を模式的に示す。発光部1からの出射光は、レンズ2によりコリメートされ、これら第1のトラック30および第2のトラック(全遮光トラック)31にまたがるように光学スケール3を照射する。円板状の光学スケール3において、V字部32は、受光部側の表面に形成したV字状突起である。(なお右側の側面図では2つのトラックのV字部32がハッチングで示されている。)図7の左側に示すように、全遮光トラック31からの反射光は、レンズ2を透過し、発光部1近傍の反射手段5上の再反射点で反射され、再度レンズ2を透過して光学スケール3に入射する。光学スケール3に再入射する位置は、光学スケール3上の反射位置に対して、発光部1を中心にほぼ対称的な位置である。なお、V字部32の傾斜角を45°とすると、スケール3の面に垂直に入射しV字部32の2つの傾斜面で反射される光はスケール3の面に垂直に出射されるが、V字部32での反射光を発光部1の横の再反射点に効率よく照射させるためには、V字部32の傾斜角を45°よりわずかにずらすのが望ましい。
光学スケール3が樹脂製である場合、温度が上昇すると光学スケール3は膨張する。例えばポリカーボネートの場合、線膨張係数は6×10−5であるから、光学スケール3が半径12mmの場合、温度変化を50℃として半径の伸び量は36μmである。上記の対称関係により、こうした再帰反射光は、図7の右側に示すように、温度によって入射位置が変化する。右上側が低温時の光の経路を示し、右下側に高温時の光の経路を示す。高温時には、円板状の光学スケール3は膨張により伸び、これに応じてトラック30、31の位置もずれる。これにより、第2トラックからの反射光の位置がずれる。こうして、温度が高くなるにつれ受光部に入射する迷光のレベルが単調に減少していく。本実施形態1では、発光部1、反射手段4及び受光部5の位置は、再帰反射光(迷光)が低温時には受光部5に入射し、高温時には入射しない位置となっているので、高温時には迷光減少とV字部透過率の増大が相殺されて、受光部5の検出信号の温度特性がよくなる。一般的には、受光部1は、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケール3を透過した光のほかに、第2のトラック31から反射され、次に反射手段4により反射されて光学スケール3を透過した光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置される。
以上に説明した温度特性に優れた光学式エンコーダでは、迷光の反射経路が、第2のトラック31におけるV字部32での全反射光と外付けの反射手段4であり、いずれも反射率の再現性が高い。また、迷光の入射位置および光量のばらつきが小さく、組立て時の調整が容易である。
図8は、上述の光学式エンコーダにおいて、光学スケール3が回転したときに受光部5で得られる信号の波形を示す。ここで、実線は低温での特性を示し、破線は高温での特性を示す。第1のトラック30内には、図2または図3に示したように、V字部32が密な領域と疎な領域が存在する。V字部32の占める割合が低い部分では、高温では、迷光減少に伴う光量の減少により信号レベルがわずかに減少する。一方、V字部32の占める割合が高い部分では、高温では、迷光減少に伴う光量の減少とV字透過率の増大が相殺して変化が小さい。すなわち、信号レベルのAC成分の温度変化が小さく、また、DC成分の変動はない。したがって、図8に示すように、V字部透過率の温度変化によるDC成分(オフセット)の温度変動を打ち消すことができた。このように本実施の形態によれば、V字部32の透過率変化によって発生するDCレベルの温度変動を光学的手段のみによって補償して、広い温度範囲で安定した検出特性を実現できる。
実施の形態2.
図9は、発明の実施の形態2による光学式エンコーダの全体構成を示す。発明の実施の形態1による光学式エンコーダと異なるのは、光学スケール3’に迷光発生用の第2のトラックを設けないことでである。受光部5は、トラック30の下方に位置される。
図10は、発明の実施の形態2による光学式エンコーダの要素部分の構成と動作を示す。第1の実施形態では温度特性の補償に用いる迷光源は全遮光トラック31であったが、本実施形態では、パターントラック30自身のV字部32からの反射光を用いる点が特徴である。パターントラック30自身からの反射光が光源1近傍の反射手段4により反射され、再度レンズ2によりコリメートされ、光学スケール3’に再入射する。すなわち、反射手段4は、光学スケール3からレンズ2の方に反射された光を光学スケール3の方に再反射する。ここで光学スケール3’を透過する光を受光する受光部5は、トラック30からの透過光を受光するとともに、低温時には再反射光(迷光)も受光可能な大きさである。すなわち、V字部32は、図においてハッチングにより示されているが、V字部32からの反射光をも受光するため、第1の実施の形態の第1トラックの幅より長い幅を有する。受光部5は、高温で光学スケール3’が膨張したときには受光しないように配置される。ここで、受光部5は、光学スケール3を透過した光と、光学スケール3のV字部により反射され反射手段4により反射されて光学スケール3を透過する光とを受光するが、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケール3を透過した光と、トラック30から反射され、次に反射手段4により反射されて光学スケール3を透過した光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置されている。図10の右側に示すように、高温では、円板状の光学スケール3’は膨張により伸び、これに応じてトラック30の位置もずれる。こうして、温度が高くなるにつれ受光部に入射する迷光のレベルが単調に減少していく。これにより、トラック30からの反射光の位置がずれ、高温時には受光部5に入射しなくなる。
図11は、本実施の形態における受光部での検出波形を示す。パターントラック30内には、図2または図3に示したように、V字部32が密な領域と疎な領域が存在する。V字部32が密な領域ほど反射して戻る光量が多いため、透過率が高い部分では戻り光が少なく、透過率が低い部分では戻り光が多い。温度が低温から高温に変化した場合、図11に示したように、透過率が低い部分では、高温時に、V字部の透過率が増加した分を再反射した迷光成分が入射しないことによりちょうど補償できるので、DCレベルも変動せず、AC成分も安定である。すなわち、単一のトラック30のみにより、検出波形を温度に対して安定させることが可能となる。このように、実施の形態2によれば、V字部32の透過率変化によって発生する温度変動時のDCレベルだけでなくACレベルの波形変化を光学的手段のみによって補償する。すなわち単一のトラックのみによりV字部透過率の温度特性の補正が可能であり、また、その補正ではDC成分だけでなくAC成分も補正できるので、検出波形を原理的に変化させない。これにより、広い温度範囲で安定した検出特性を実現できる。
実施の形態3.
図12は、発明の実施の形態3による光学式エンコーダの全体構成を示す。この光学式エンコーダは、発明の実施の形態2による光学式エンコーダ(図9)と似ているが、発光部1の近傍に反射部材を設けない。この光学式エンコーダでは、迷光として、光学スケール3”のトラック以外の平坦部分に入射した光を用いる。
図13は本発明の実施の形態3による光学式エンコーダの要素部分の構成と動作を示す。円板状の光学スケール3”の外周部にテーパ形状の部分35を形成する。このテーパ部35の角度と受光部5の配置を、低温時には、光学スケール3”の表面に入射した光をテーパ部35で内部全反射した光が受光部5に入射し、温度上昇と共に受光部5に入射する量が減少するように設定する。このように、光学スケール3”の外周部は、入射した光を受光部5の方に全反射するテーパー形状の部分35を備える。
さらに説明すると、光学スケール3”は、外周部にテーパ部35を有し、受光部5に入射させる迷光はテーパ部35での内部全反射光である。発光部1からの光はレンズ2によりコリメートされ、光学スケール3”のテーパ部35に入射し、全反射されて、光学スケール3”から受光部5の方に出ていく。ここで、受光部5は、トラック30からの透過光を受光するとともに、低温時にはテーパ部35からの反射光(迷光)も受光可能な位置に設けられる。すなわち、低温時には、受光部1に入射する光は、光学スケール3”の平坦部からの透過光とV字部32の先端からの透過光のほかに、外周テーパ部35において内部全反射された成分が存在する。
温度が上昇すると、樹脂の膨張により光学スケール3”に伸びが発生し、外周テーパ部35で全反射された成分の受光部1への入射位置も伸び量だけ移動する。そこで受光部5を、低温時には当該迷光を十分に受光可能でかつ高温時にはほとんど受光しないように配置する。こうして、温度が高くなるにつれ受光部に入射する迷光のレベルが単調に減少していく。図14は、このような温度変動により受光部1に入射する光量が変化する様子を模式的に示す。受光部5は、光学スケール3を透過した光と、光学スケール3の外周部から反射された光とを受光するが、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケール3を透過した光と、光学スケール3の外周部から反射された光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置されている。このような配置によって、V字透過率が小さい光学スケールの位置でも、高温時にV字透過率の増大と迷光の減少が相殺するので、図14に示すように、温度変化に対してDC成分の変動を小さくできる。
このように本実施の形態によれば、テーパ部35の形状設計という簡単な光学的手段のみにより、V字部の透過率変化の補正を行い、広い温度範囲での安定した位置検出特性を実現できる。外付けの反射手段等が不要であるため、部品点数が少なく、安価にできる。また、V字部32を45°以外の角度にする必要がなく、屈折率が小さい材料でも適用できる。
なお、上述の実施の形態1、2、3は光学式ロータリーエンコーダについて説明したが、直線状の光学スケールを用いれば、上述の説明は光学式リニアエンコーダにも適用できる。
また、上述の各実施形態では、受光部5の位置の温度変化は、光学スケール3の膨張収縮に比べて小さい。しかし、光学スケール3の膨張収縮に合わせて、受光部5の位置を変化させるようにしてもよい。この場合、高温になるほど、受光部に入射する迷光の量が小さくなるように、受光部の位置を変化させればよい。
発明の実施の形態1による光学式エンコーダの全体構成を示す図 V字パターンの1例を示す図 V字パターンの他の例を示す図 V字部のなまり形状を示す図 ポリカーボネートの場合の屈折率と温度の関係を示すグラフ 比較例における信号レベルの温度変化の1例を示すグラフ 発明の実施の形態1による光学式エンコーダの要素部分の構成と動作を示す図 信号レベルの温度変化の1例を示すグラフ 発明の実施の形態2による光学式エンコーダの全体構成を示す図 発明の実施の形態2による光学式エンコーダの要素部分の構成と動作を示す図 信号レベルの温度変化の1例を示すグラフ 発明の実施の形態3による光学式エンコーダの全体構成を示す図 発明の実施の形態3による光学式エンコーダの要素部分の構成と動作を示す図 信号レベルの温度変化の1例を示すグラフ
符号の説明
1 発光部、 2 レンズ、 3、3’、3” 光学スケール、 4 反射手段、 5 受光部、 32 V字部、 35 外周テーパ部。

Claims (4)

  1. 光を出射する発光部、
    発光部からの出射光をコリメートするレンズ、
    レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケールであって、入射光を反射する複数のV字部を備えた光学スケール、および
    光学スケールを透過した光を受光する受光部を備える光学式エンコーダにおいて、
    発光部から出射された光の迷光を受光部の方に導き、かつ、受光部を、第1の温度と異なる第2の温度で迷光の入射量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設けることを特徴とする光学式エンコーダの信号安定化方法。
  2. 光を出射する発光部、
    発光部からの出射光をコリメートするレンズ、
    レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケールであって、入射光を反射する複数のV字部を表面に形成した光学スケール、
    光学スケールを透過した光を受光する受光部、
    レンズに対して発光部の側に設けられ、光学スケールからレンズの方向に反射された光を光学スケールの方向に反射する反射手段を備え、
    前記の光学スケールは、入射光を強度変調する複数のV字部からなるパターンを形成した第1のトラックと、入射光を発光部の方に反射する第2のトラックを備え、
    前記の受光部は、光学スケールを透過した光と、光学スケールの第2のトラックから反射され反射手段により反射されて光学スケールを透過した光を受光し、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケールを透過した光と、第2のトラックから反射され反射手段により反射されて光学スケールを透過した光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置されることを特徴とした光学式エンコーダ。
  3. 光を出射する発光部、
    発光部からの出射光をコリメートするレンズ、
    レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケールであって、入射光を強度変調する複数のV字部からなるパターンを形成したトラックを表面に設けた光学スケール、
    光学スケールを透過した光を受光する受光部、および
    レンズに対して発光部の側に設けられ、光学スケールからレンズの方に反射された光をスケールの方に反射する反射手段を備え、
    前記の受光部は、光学スケールを透過した光と、光学スケールのV字部により反射され反射手段により反射されて光学スケールを透過する光とを受光し、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケールを透過した光と、トラックから反射され反射手段により反射されて光学スケールを透過した光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置されることを特徴とした光学式エンコーダ。
  4. 光を出射する発光部、
    発光部からの出射光をコリメートするレンズ、
    レンズを透過した光が入射する樹脂製光学スケールであって、入射光を強度変調する複数のV字部からなるパターンを形成したトラックを表面に設けた光学スケール、
    光学スケールを透過した光を受光する受光部を備え、
    光学スケールの外周部は、入射した光を受光部の方に全反射するテーパー形状を備え、
    前記の受光部は、光学スケールを透過した光と、光学スケールの外周部から反射された光とを受光し、第1の温度より高い第2の温度では、光学スケールを透過した光と、光学スケールの外周部から反射された光の受光量が第1の温度に比べて小さくなる位置に設置されることを特徴とした光学式エンコーダ。
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