JP2005090703A - 建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 制御バルブ11Aを、油圧アクチュエータ8への供給油が通る供給用弁路14aおよび油圧アクチュエータ8からの排出油が通る第一排出用弁路14bを備え、これら弁路14a、14bの開口量制御を油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて行うメインスプール14と、油圧アクチュエータ8からの排出油が通る第二排出用弁路15aを備え、該第二排出用弁路15aの開口量制御を操作モード制御部からの制御信号に基づいて行うサブスプール15とを用いて構成した。
【選択図】 図2
Description
このものにおいて、前記スプールの供給用弁路および排出用弁路の開口面積は、スプールのノッチ形状とボディの油路位置との相対的な関係で決まるが、供給用弁路の開口面積と排出用弁路の開口面積とのバランスが良くないとブースト圧や負圧が発生するため、できるだけブースト圧や負圧が発生しないように開口面積のバランス調整を行う必要がある。尚、負圧の発生は、油圧機器の寿命、シールの信頼性に悪影響を及ぼすばかりか、操作性(例えば、操作具操作に対する油圧アクチュエータの応答性など)が悪化する。また、ブースト圧の発生は、不要な圧力損失を伴い、生産性、燃費の低下を招くことになるが、ブースト圧をたたせ気味にしたおいた方が操作性は良い。
しかるに、建設機械で行う作業は多用化しており、例えば作業スピードを重視する現場では、オペレータは操作レバーを殆どフル操作している。このようにフル操作しかしない場合には、前述したようにコストアップの要因となる微操作のときのための高精度の実機上での調整やスプールの加工が無駄になってしまうという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
そして、この様にすることにより、油圧アクチュエータからの排出油量制御を、操作具操作に基づいて開口量制御されるメインスプールの第一排出用弁路、または操作モード制御手段からの制御信号に基づいて開口制御されるサブスプールの第二排出用弁路の何れでも行うことができ、而して、建設機械で行う作業内容等に対応させて、油圧アクチュエータからの排出油量制御を第一排出用弁路あるいは第二排出用弁路の開口量制御の何れかで行うことにより、良好な操作性が得られると共に、供給用弁路の開口面積と第一、第二排出用弁路の開口面積とを正確にバランスさせるべく設計や製造を高精度に行う必要がなくなり、コストダウンを達成できる。
請求項2の発明は、請求項1において、操作モード制御手段は、油圧アクチュエータからの排出油の流量制御を、メインスプールの第一排出用弁路の開口量制御により行う第一モード、サブスプールの第二排出用弁路の開口量制御により行う第二モードを設定し、これら各モードの制御を行うことを特徴とするものである。
これにより、油圧アクチュエータからの排出油の流量制御を、メインスプールの第一排出用弁路の開口量制御で行う第一モード、サブスプールの第二排出用弁路の開口量制御で行う第二モードの各モードを設定できる。
請求項3の発明は、請求項2において、操作モード制御手段は、第一モードでは、第二排出用弁路の開口量が第一排出用弁路の開口量以上となるように制御し、第二モードでは、第二排出用弁路の開口量が第一排出用弁路の開口量より小さくなるように制御することを特徴とするものである。
これにより、第一モードでは、第一排出用弁路の開口量制御により油圧アクチュエータからの排出量制御がなされ、第二モードでは、第二排出用弁路の開口量制御により油圧アクチュエータからの排出量制御がなされる構成とすることができると共に、第二モードにおける油圧アクチュエータからの排出流量を第一モードよりも少なくでき、これにより油圧アクチュエータ用回路をブースト気味にして、微操作における操作性の向上を図ることができる。
請求項4の発明は、請求項2または3において、第二モードにおける第二排出用弁路の開口は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づく第一排出用弁路の開口に対して遅延するように制御されることを特徴とするものである。
これにより、第二モードにおける第二排出用弁路の開口量を第一排出用弁路の開口量よりも小さくなるように制御できる。
請求項5の発明は、請求項4において、第二モードにおける第二排出用弁路の開口の遅延量を可変せしめることができる可変手段を設けたことを特徴とするものである。
これにより、オペレータの好みの操作性が得られるように、第二モードにおける第二排出用弁路の開口量調整を行うことができる。
請求項6の発明は、請求項2、3、4または5の何れかにおいて、第一、第二の各モードは、モード設定用操作具からの操作信号に基づいて設定されることを特徴とするものである。
これにより、モード設定用操作具の操作によって各モードを設定することができる。
請求項7の発明は、請求項2、3、4または5の何れかにおいて、第一、第二の各モードは、油圧アクチュエータ用操作具の操作速度に対応して設定されることを特徴とするものである。
これにより、オペレータの好みに応じて油圧アクチュエータ用操作具の操作速度に対応したモード設定を、自動的に行うことができる。
また、図2中、12は二個の油圧ポンプ9の圧油を合流するための合流弁、また13はネガティブフローコントロールリリーフバルブである。
尚、本実施の形態では、図5に示す如く、供給用弁路14a(供給側)の開口面積が常に第一排出用弁路14b(排出側)の開口面積よりも大きくなるように設定されているが、シリンダのロッド側とヘッド側のピストンの面積差により、逆転する場合もある。
前記「通常モード用制御指令」が出力されると、サブスプール15は、第二排出用弁路15aの開口面積が最大となるように動作する。この第二排出用弁路15aの最大開口面積は、メインスプール14の第一排出用弁路14bの最大開口面積と略一致するように設計されている。而して、「通常モード」が選択されている場合には、油圧アクチュエータ8から油タンク10への排出油の流量制御は、油圧アクチュエータ用操作具の操作量に対応して開口面積制御がなされる第一排出用弁路14bによって行われるように構成されている。
前記「微操作モード用制御指令」が出力されると、サブスプール15は、図5に示す如く、第二排出用弁路15aの開口が、油圧アクチュエータ用操作具の操作に対応するメインスプール14の第一排出用弁路14bの開口に対し遅延して行われるように動作する。その遅延量αは、前記調整ダイヤル18によりオペレータが任意に調整できる。さらに、油圧アクチュエータ用操作具の操作量が増加するにつれて、第二排出用弁路15aの開口面積も増加するが、該第二排出用弁路15aの開口面積は、第一排出用弁路14bの開口面積よりも前記開口が遅延した分だけ小さくなるように制御される。而して、「微操作モード」が選択されている場合には、油圧アクチュエータ8から油タンク10への排出油の流量制御は、操作モード制御部16からの制御指令に基づいて開口面積制御がなされる第二排出用弁路15aによって行われるように構成されているが、該第二排出用弁路15aの開口面積は、前述したように第一排出用弁路14bの開口面積よりも小さくなるように制御されるため、メインスプール14の供給用弁路14aと略バランスが取れている第一排出用弁路14bの開口量によって排出油量制御がなされる前述の「通常モード」の場合と比べると、油圧アクチュエータ8からの排出油量が少なくなり、これにより、油圧アクチュエータ8用の回路がブースト気味となるように構成されている。
尚、前記遅延量αが大きくなるほど操作具操作量に対する第二排出用弁路15aの開口量が少なくなって、ブースト圧も高めとなるが、どの程度が操作し易いかはオペレータの好みにより異なるため、本実施の形態では、調整ダイヤル18により遅延量αを任意に調整できるようになっている。
また、「通常モード」、「微操作モード」の設定を、油圧アクチュエータ用操作具の操作速度に対応させて自動的に行うように構成することもできる。この場合、例えば、オペレータの操作具操作速度を所定時間センシングし、操作速度が速い場合には「通常モード」となり、操作速度が遅い場合には「微操作モード」となるように自動的にモード設定する。そして、この様に自動的にモード設定される構成にした場合には、該自動設定をオペレータが任意にキャンセルすることができるキャンセル用操作具を設けることが望ましい。
さらに、サブスプールの開口量制御を行うにあたり、例えば一つの油圧アクチュエータが単独で操作されている場合、複数の油圧アクチュエータが複合操作されている場合等、各種作業内容に対応させて異なる制御を行うように構成することもできる。
11A 制御バルブ
14 メインスプール
14a 供給用弁路
14b 第一排出用弁路
15 サブスプール
15a 第二排出用弁路
16 操作モード制御部
17 操作モード選択スイッチ
18 調整ダイヤル
Claims (7)
- 油圧アクチュエータの圧油供給排出量制御を行うための制御バルブを、
油圧アクチュエータへの供給圧油が通る供給用弁路および油圧アクチュエータからの排出油が通る第一排出用弁路を備え、これら供給用弁路および第一排出用弁路の開口量制御を油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づいて行うメインスプールと、
該メインスプールの第一排出用弁路に直列状に接続されると共に、油圧アクチュエータからの排出油が通る第二排出用弁路を備え、該第二排出用弁路の開口量制御を操作モード制御手段からの制御信号に基づいて行うサブスプールとを用いて構成したことを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。 - 請求項1において、操作モード制御手段は、油圧アクチュエータからの排出油の流量制御を、メインスプールの第一排出用弁路の開口量制御により行う第一モード、サブスプールの第二排出用弁路の開口量制御により行う第二モードを設定し、これら各モードの制御を行うことを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
- 請求項2において、操作モード制御手段は、第一モードでは、第二排出用弁路の開口量が第一排出用弁路の開口量以上となるように制御し、第二モードでは、第二排出用弁路の開口量が第一排出用弁路の開口量より小さくなるように制御することを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
- 請求項2または3において、第二モードにおける第二排出用弁路の開口は、油圧アクチュエータ用操作具の操作に基づく第一排出用弁路の開口に対して遅延するように制御されることを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
- 請求項4において、第二モードにおける第二排出用弁路の開口の遅延量を可変せしめることができる可変手段を設けたことを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
- 請求項2、3、4または5の何れかにおいて、第一、第二の各モードは、モード設定用操作具からの操作信号に基づいて設定されることを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
- 請求項2、3、4または5の何れかにおいて、第一、第二の各モードは、油圧アクチュエータ用操作具の操作速度に対応して設定されることを特徴とする建設機械における油圧アクチュエータ用制御バルブ。
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