JP2005090387A

JP2005090387A - エンジンの燃料噴射装置

Info

Publication number: JP2005090387A
Application number: JP2003326313A
Authority: JP
Inventors: Takayuki Tsuchiya; 孝幸土屋
Original assignee: UD Trucks Corp
Current assignee: UD Trucks Corp
Priority date: 2003-09-18
Filing date: 2003-09-18
Publication date: 2005-04-07
Anticipated expiration: 2023-09-18
Also published as: JP4091889B2

Abstract

【課題】エンジン停止時に燃料インジェクタのノズル部からの燃料気化ガスの漏出を確実に防止する。
【解決手段】燃料インジェクタ１より高圧燃料を噴射するエンジンの燃料噴射装置において、燃料インジェクタ１の針弁３の閉弁力を高める針弁着座荷重増加用の電磁コイル１６を設け、エンジン停止時にその電磁コイル１６を稼動する制御回路３０を備える。
【選択図】図１

Description

この発明は、エンジンの燃料噴射装置に関する。

エンジンの燃料噴射装置として、燃料タンクの燃料を高圧ポンプで加圧してコモンレールに蓄えておき、このコモンレールの高圧燃料を燃料インジェクタを介してエンジンの燃焼室に噴射する燃料噴射装置があるが、液化ガス燃料を用いた場合、エンジン停止時に燃料インジェクタのノズル部から燃料の気化ガスが漏出して、漏出した気化ガスが燃焼室に溜まって、エンジンを始動したときに異常燃焼を起こすことがあり、これに対して、エンジン停止時にコモンレールの燃料をパージ制御弁を介してパージタンクに回収するパージラインを形成するものがあり、このものはエンジン停止時にコモンレールの燃料温度が設定温度を越えた場合に、パージ制御弁を開いてコモンレールの燃料を回収するようにしている（例えば、特許文献１）。
特開２００３−５６３９３

このような燃料噴射装置では、コモンレールの燃料温度より燃料インジェクタ内の燃料温度が臨界温度に達したかを推定して、パージ制御弁を開くようにしているが、この場合、コモンレールと燃料インジェクタとで高低差があると、臨界温度の推定は難しく、燃料インジェクタ内の燃料が気化するに至らないのにパージ制御弁を開いてコモンレールの燃料を回収して、次のエンジン始動に時間がかかってしまったり、燃料の熱流がコモンレールに届かずパージ制御弁の開きが遅れて、燃料インジェクタのノズル部から燃料の気化ガスが燃焼室に漏出してしまうことがある。

この発明は、エンジン停止時に燃料インジェクタの針弁の閉弁力を高めて、このような問題点を解決することを目的としている。

第１の発明は、燃料インジェクタより高圧燃料を噴射するエンジンの燃料噴射装置において、燃料インジェクタの針弁の閉弁力を高める針弁着座荷重増加用の電磁コイルを設け、エンジン停止時にその電磁コイルを稼動する制御回路を備えることを特徴とする。

第２の発明は、第１の発明において、前記燃料インジェクタは、針弁の閉弁圧室の開閉によって開閉動作することを特徴とする。

第３の発明は、第１の発明において、前記制御回路は、エンジン停止後、所定時間、前記電磁コイルを稼動することを特徴とする。

第４の発明は、第１の発明において、高圧ポンプによって昇圧した燃料を燃料インジェクタに導くコモンレールに、パージ制御弁を介して燃料を回収するパージラインを形成すると共に、前記制御回路は、エンジン停止後、所定時間、前記電磁コイルを稼動した後、前記パージ制御弁を開動することを特徴とする。

第５の発明は、第１の発明において、燃料は液化ガスであることを特徴とする。

第１の発明においては、エンジン停止時に、燃料インジェクタ内の燃料が高温気化して、燃料インジェクタのノズル部から燃焼室に漏出することを確実に防止でき、エンジンを始動したときに、漏出した気化ガスによって異常燃焼を起こすことはない。

第２の発明においては、針弁の閉弁圧室の開閉によって開閉動作する燃料インジェクタにあって、エンジン停止時に、燃料インジェクタ内の燃料が高温気化して、燃料インジェクタのノズル部から燃焼室に漏出することを確実に防止できる。

第３の発明においては、エンジン停止後、所定時間の間にエンジンを再始動する場合、エンジンの再始動を速やかに行うことができる。

第４の発明においては、エンジン停止後、長い時間運転しないときに、コモンレール、燃料インジェクタ内の燃料を回収して、コモンレール、燃料インジェクタ内に気化したガスが溜まるのを確実に回避でき、その後エンジンを始動する際に、燃料インジェクタからの燃料の噴射を速やかに適正に行える。

図１は燃料インジェクタ１の断面図、図２は燃料噴射装置の構成図である。

図１のように、燃料インジェクタ１は、本体２内に針弁３が配設される。

本体２の先端内壁は針弁３のテーパ状の先端が着座する着座面４に形成され、着座面４の中央にノズル孔５が開設される。針弁３の回りはコモンレール１７の高圧燃料が導かれる燃料室６が形成される。

針弁３の基端にはピストン部７が設けられ、ピストン部７は燃料室６の奥方に形成された閉弁圧室８との間の案内部に摺動自由に嵌挿されると共に、ピストン部７に燃料室６と閉弁圧室８とを連通する連通溝１０が形成される。閉弁圧室８には、ピストン部７を介して針弁３を閉方向に付勢するリターンスプリング１１が介装される。

閉弁圧室８の出口は、出口通路１２を介して燃料戻し通路１３に接続されると共に、その閉弁圧室８の出口を開閉する電磁弁１４が設けられる。

針弁３のピストン部７の近くにはリング部１５が形成され、本体２の燃料室６の周囲には、リング部１５を電磁力によって吸引して針弁３の着座荷重を増加するための電磁コイル１６が介装される。

電磁弁１４が開動されると、閉弁圧室８が開放されて、燃料室６の燃料圧力によって針弁３がリフトされ、ノズル孔５が開いて燃料が噴射される。閉弁圧室８の燃料は、ピストン部７の後退動によって、出口通路１２より燃料戻し通路１３に排出され、燃料タンク（後述する）に戻される。

電磁弁１４が閉動されると、閉弁圧室８が閉じられ、閉弁圧室８に連通溝１０を通して燃料室６の燃料が導かれて、ピストン部７にかかる圧力によって、針弁３が着座され、ノズル孔５が閉じて、燃料の噴射が終了される。

エンジンの停止状態（電磁弁１４は閉状態）のとき、電磁コイル１６が稼動されると、着座面４に着座している針弁３のリング部１５が電磁力によって吸引され、針弁３の着座荷重が高められる。

図２において、２０はエンジンの燃焼室、２１は液化ガス燃料の燃料タンクを示す。

燃料タンク２１の燃料は、高圧ポンプ２２によって所定高圧に加圧されてコモンレール１７に送出される。コモンレール１７の高圧燃料は、分配通路２３を介して燃料インジェクタ１に導入される。

コモンレール１７にはコモンレール１７の燃料をパージ制御弁２４を介してパージタンク２５に回収するパージラインが形成され、パージタンク２５に回収された燃料は、エンジンの運転時にパージガス回生用の加圧ポンプ２６によって液化されて燃料タンク２１側に戻される。

制御回路３０は、エンジンの始動時、運転時に、燃料インジェクタ１より要求量の燃料を要求噴射時期に噴射するように、燃料インジェクタ１の電磁弁１４の開閉を制御すると共に、エンジンの停止時に、燃料インジェクタ１の電磁コイル１６の稼動を制御する。

この場合、エンジンの停止時点より、所定時間Ｔ（例えば、数時間）、電磁コイル１６を稼動して（エンジンの停止を継続していることが条件）、その後稼動を終了する。また、この終了時に、パージ制御弁２４を開いてコモンレール１７の燃料をパージタンク２５に回収する（エンジンの停止を継続していることが条件）と共に、その後のエンジンの運転時に加圧ポンプ２６を駆動して回生液化ガスを燃料タンク２１側に戻すように制御する。

図３は、エンジン停止時の制御フローを示しており、エンジンが停止すると、Ｓ１においてエンジン停止時間を判定する。

エンジン停止時間が所定時間Ｔ以下のときは、Ｓ２において燃料インジェクタ１の針弁着座荷重増加用の電磁コイル１６に通電する。

Ｓ３においてエンジン再始動のためのキーＯＮがなされたかどうかを判定し、エンジン再始動のためのキーＯＮがなされた場合は、Ｓ４において燃料インジェクタ１の針弁着座荷重増加用の電磁コイル１６への通電をオフして、Ｓ８のエンジン始動に入り、処理を終了する。

一方、エンジン停止時間が所定時間Ｔを越えると、Ｓ５においてパージ機構をＯＮ（パージ制御弁２４を開）する（燃料インジェクタ１の針弁着座荷重増加用の電磁コイル１６はオフ状態）。

Ｓ６においてエンジン再始動のためのキーＯＮがなされたかどうかを判定し、エンジン再始動のためのキーＯＮがなされた場合は、Ｓ７においてパージ機構をＯＦＦ（パージ制御弁２４を閉）して、Ｓ８のエンジン始動に入り、処理を終了する。

このような構成のため、エンジン停止時に、燃料インジェクタ１内にある燃料が高温気化して、燃料インジェクタ１のノズル部から燃焼室２０に漏出することを防止できる。

すなわち、エンジンが停止すると、燃料インジェクタ１の電磁コイル１６への通電によって針弁３の着座荷重が高められるので、着座面４との間から燃料の気化ガスが漏出することを確実に防止できる。また、燃料インジェクタ１の電磁コイル１６への通電は、所定時間行う。

したがって、エンジンを始動したときに、漏出した気化ガスによって異常燃焼を起こすことはない。また、エンジン停止後、短時間の間にエンジンを再始動する場合、高圧ポンプ２２の駆動によって高圧燃料を即座に燃料インジェクタ１に供給することができ、エンジンの再始動を速やかに行うことができる。

一方、エンジン停止後、所定時間経過（エンジンの停止を継続）すると、パージ制御弁２４を開いてコモンレール１７の燃料をパージタンク２５に回収する。パージタンク２５に回収した燃料は、エンジンの運転時にパージガス回生用の加圧ポンプ２６を駆動して液化して燃料タンク２１側に戻す。

このコモンレール１７の燃料のパージ動作を図４に、パージタンク２５の燃料の回生、戻し動作を図５に示す。

したがって、エンジン停止後、次の日まで運転しないようなときには、コモンレール１７、燃料インジェクタ１内の燃料をパージタンク２５に回収して、コモンレール１７、燃料インジェクタ１内に気化したガスが溜まるのを確実に回避でき、その後エンジンを始動する際に、燃料インジェクタ１からの燃料の噴射を速やかに適正に行える。

燃料インジェクタ１の電磁コイル１６ならびにパージ制御弁２４の動作および動作時間は、運転室に設定手段（スイッチ等）を設けて、運転者が設定できるようにして良い。

なお、燃料インジェクタ１の針弁３を閉方向に付勢するリターンスプリング１１のスプリング力を強化すれば、針弁３の着座荷重が高められるが、このようにすると、噴射時の針弁３の挙動を妨げる可能性があり、好ましくない。

燃料インジェクタの断面図である。燃料噴射装置の構成図である。エンジン停止時の制御フローチャートである。コモンレールの燃料のパージ動作を示す図である。パージタンクの燃料の回生、戻し動作を示す図である。

符号の説明

１燃料インジェクタ
３針弁
４着座面
５ノズル孔
６燃料室
７ピストン部
８閉弁圧室
１１リターンスプリング
１２出口通路
１４電磁弁
１５リング部
１６電磁コイル
１７コモンレール
２０燃焼室
２１燃料タンク
２２高圧ポンプ
２４パージ制御弁
２５パージタンク
２６加圧ポンプ
３０制御回路

Claims

燃料インジェクタより高圧燃料を噴射するエンジンの燃料噴射装置において、
燃料インジェクタの針弁の閉弁力を高める針弁着座荷重増加用の電磁コイルを設け、
エンジン停止時にその電磁コイルを稼動する制御回路を備えることを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
前記燃料インジェクタは、針弁の閉弁圧室の開閉によって開閉動作することを特徴とする請求項１に記載のエンジンの燃料噴射装置。
前記制御回路は、エンジン停止後、所定時間、前記電磁コイルを稼動することを特徴とする請求項１に記載のエンジンの燃料噴射装置。
高圧ポンプによって昇圧した燃料を燃料インジェクタに導くコモンレールに、パージ制御弁を介して燃料を回収するパージラインを形成すると共に、
前記制御回路は、エンジン停止後、所定時間、前記電磁コイルを稼動した後、前記パージ制御弁を開動することを特徴とする請求項１に記載のエンジンの燃料噴射装置。
燃料は液化ガスであることを特徴とする請求項１に記載のエンジンの燃料噴射装置。