JP2005089239A - シリコン曲面体の製造方法、シリコン曲面体、デバイス及びデバイスの製造方法 - Google Patents

シリコン曲面体の製造方法、シリコン曲面体、デバイス及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、低コストで、プロセスの簡便な曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体の製造方法、優れた性能を有するシリコン曲面体、該シリコン曲面体を備えたデバイス、及び該デバイスの製造方法を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、シラン化合物を含有する液体材料を用いることを特徴とするシリコン曲面体の製造方法を提供する。また、本発明は、前記のシリコン曲面体の製造方法により形成されたシリコン曲面体、及び該シリコン曲面体を材料として用いたデバイスを提供する。更に、本発明は、前記シリコン曲面体の製造方法を使用することを特徴とするデバイスの製造方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、LSI等の各種の電子デバイスを構成する曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体の製造方法及びこれにより得られるシリコン曲面体並びにデバイスの製造方法に関する。
従来、半導体素子は、円盤状のシリコンウエハを用いて、これにエッチング、拡散、酸化、プラズマ処理、コーティング、露光といった処理を行うことにより作製されていた。
これに対して、近年、球状や円柱状の微小なシリコンに対して上記処理を行うことにより、球状乃至円柱状等の曲面状の半導体素子を作製する技術が開発されている(特表2001−501779号公報:特許文献1、特開2000−340785号公報:特許文献2、特開平11−126818号公報:特許文献3等)。この球状乃至円柱状素子を用いる技術の利点としては、シリコンウエハよりもシリコンの使用効率が大幅に上ったり、素子をチューブ内で搬送するため、大規模な工場設備を必要とせず、また清浄な環境で工程を進めることができるといったことが挙げられる。
これらのうち、球状シリコンの作製法としては、インゴットを砕いて整形する方法や、溶解させた半導体材料を霧状にして作製する方法、多結晶粉末を反応炉で成長させる方法、直径1mm程度の粒状のシリコンを溶解させ単結晶化させる方法(特開2000−21329号公報:特許文献4、特開2002−292265号公報:特許文献5)等がある。一方、柱状シリコンは、CZ法等を用いて作製することができる(特許文献2)。
しかしながら、これらの作製方法では、大掛かりな溶融設備が必要である為、製造コストが高い。また、得られる球状シリコンの大きさや品質が一定しにくく、素子としての性能は良好ではない。また、球状シリコンの場合は、作製されるシリコン球が直径1mm程度の小さな球体であるため、搬送や固定に困難を伴うといった問題がある。
特表2001−501779号公報 特開2000−340785号公報 特開平11−126818号公報 特開2000−21329号公報 特開2002−292265号公報
従って、本発明の目的は、曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体が低コストで、かつ簡便なプロセスで製造できる方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、かかる簡便なプロセスで得られる、優れた性能を有するシリコン曲面体、及び該シリコン曲面体を備えたデバイス、及び該デバイスの製造方法を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究した結果、特定のシリコン材料を用いることにより、曲面を有する形状となるように処理するシリコン曲面体の製造方法が、前記目的を達成し得ることの知見を得た。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、下記の各発明を提供するものである。
即ち、〔1〕シラン化合物を含有する液体材料を用いることを特徴とするシリコン曲面体の製造方法。:〔2〕基板の表面上に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する工程を含み、塗布された該シラン化合物を含有する液体材料の形状は曲面を有している、〔1〕記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔3〕前記基板の表面に、撥液性を有する部分が少なくとも設けられてなる、〔2〕記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔4〕前記基板の表面における前記撥液性を有する領域以外に、親液性を有する部分が備えられ、該親液性を有する部分に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する、〔3〕記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔5〕前記基板は、その表面の一部に溝部が設けられ、該溝部に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する、〔2〕〜〔4〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔6〕前記シラン化合物を含有する液体材料を空中で熱処理及び/又は光処理を施す工程を備える、〔1〕記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔7〕前記シラン化合物を含有する液体材料として、シラン組成物を用いる、〔1〕〜〔6〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔8〕前記シラン化合物を含有する液体材料として、高次シラン組成物を用いる、〔1〕〜〔6〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔9〕前記シラン化合物を含有する液体材料として、シラン組成物および/または高次シラン組成物とドーパントからなる溶液を用いる、〔1〕〜〔6〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔10〕前記シラン化合物を含有する液体材料に対して熱処理及び/又は光処理を施す工程を備える、〔1〕〜〔5〕、または、〔7〕〜〔9〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔11〕前記シラン化合物を含有する液体材料を用いて、インクジェット法又はディスペンサーによる塗布方法を使用する、〔1〕〜〔10〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。:〔12〕〔1〕〜〔11〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法により形成されたシリコン曲面体。:〔13〕少なくとも一面に平面形状を備える、〔12〕記載のシリコン曲面体。:〔14〕略真球状である、〔12〕記載のシリコン曲面体。:〔15〕半導体材料として用いられる、〔12〕又は〔14〕記載のシリコン曲面体。:〔16〕〔12〕〜〔15〕の何れかに記載のシリコン曲面体を材料として用いたデバイス。:〔17〕〔1〕〜〔11〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法を使用することを特徴とするデバイスの製造方法。:〔18〕〔2〕〜〔11〕の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法を使用するデバイスの製造方法であって、前記基板の表面上に形成したシリコン曲面体を剥離する工程を少なくとも含む、デバイスの製造方法。:
をそれぞれ提供する。
〔シリコン曲面体の製造方法〕
以下、本発明のシリコン曲面体の製造方法について、好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明に係るシリコン曲面体の製造方法は、既述の通り、シラン化合物を含有する液体材料を用いることを特徴とする。本発明は、かかる構成を有しているため、低コストで、プロセスの簡便な曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体を得ることができる。
また、本発明の製造方法によれば、得られる微小なシリコンが球、円柱等の曲面形状を有しており、その曲面を有効に利用し、当該曲面の表面上に配線等の回路を設けた半導体素子等のデバイスを形成する為に、従来のシリコンウェハー上にデバイスを形成するプロセスに比べて、格段にシリコンの使用効率が高く、コスト的に有利となる。
ここで、シラン化合物を含有する液体材料(以下、この液体材料を「液体シリコン材料」ともいう。)としては、常温で液体であるために、制御が容易であるシラン組成物、または高次シラン組成物を使用することが好ましい。これにより、原料に微小な結晶性シリコンやシランガスを用いて、大掛かりな装置を用いてシリコン曲面体を作製する従来プロセスに比べて圧倒的に低コストで高性能なシリコン曲面体を形成する事ができる。
この液体シリコン材料としてはシラン化合物またはその溶液にドーパントを添加したものを用いる事ができる。
ここで、「ドーパント」とは、液体シリコン材料中に含まれ、後述の光処理および/または熱処理による活性化によってn型またはp型のドープシリコンを形成し得るリン、ホウ素又は砒素等の周期表第3B族元素又は周期表の第5B族元素を含む化合物、具体的にはホウ素、黄燐、デカボランや特開2000−31066号公報に挙げられているよう
な物質が例示される。
上記シラン化合物としては、例えば、一般式Si(ここで、nは3以上の、またmは4以上のそれぞれ独立な整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表されるシラン化合物等が挙げられる。
また、この液体シリコン材料としては、上記シラン化合物に紫外線を照射することにより光重合してなる高次シランを含有する組成物であるか、又は上記シラン化合物の溶液に、紫外線を照射することにより光重合してなる高次シランを含有する組成物を用いる事もできる。
かかる高次シランは、光重合性を有するシラン化合物の溶液にUVが照射されて該シラン化合物が光重合することにより形成されたもので、その分子量が従来のシリコン作製方法で用いられているシラン化合物(例えば、Si14であれば分子量は182)に比しても比較にならない程大きなもの(1800程度までの分子量のものが確認されている)である。このような巨大な分子量を持つ高次シランはその沸点が分解点よりも高く、蒸発してなくなる前に膜を形成することができるため、従来のシリコン作製法よりも効果的にシリコン層の形成を行うことができる。なお、実際にこのような高次シランを加熱すると、沸点に達する以前に分解してしまうため、分解点より高い沸点は実験的に決めることはできない。しかし、ここでは蒸気圧の温度依存性や、理論計算によって求めた理論値としての常圧での沸点を意味している。
また、このような高次シランを含有した液体シリコン材料を用いれば、この高次シランの沸点が分解点より高いという性質から、従来のように蒸発してしまう前に急いで高温で加熱するといった必要がない。つまり、昇温速度を穏やかにしたり、減圧しながら比較的低温で加熱するといったプロセスが可能となる。このことは、シリコンを形成する場合のシリコン同士の結合スピードを制御できるだけでなく、シリコンを形成するほど高温ではないが溶媒の沸点よりは高い温度を維持するといった方法によって、シリコン中からシリコンの特性劣化の原因となる溶媒を従来の方法よりも効率良く減らすことが可能となることを意味する。
光重合して形成する高次シランとしては、前述したようにその沸点がその分解点よりも高いことが好ましい。このような沸点が分解点よりも高い高次シランは、前駆体であるシラン化合物として後述の好ましいシラン化合物を選定したり、照射するUVとして後述の好ましい波長のUV、および照射時間、照射方法、照射エネルギー、および用いる溶媒およびUV照射後の精製方法を選定すること等により、容易に得ることができる。
また、この高次シランについては、その分子量分布を、UVの照射時間や照射量、照射方法によってコントロールすることができる。さらに、この高次シランは、シラン化合物へのUV照射後に、一般的な重合体の精製法であるGPCなどを用いて分離精製することで、任意の分子量の高次シラン化合物を取り出すことができる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での溶解度の差を利用して精製を行うこともできる。また、分子量の異なる高次シラン化合物の間での、常圧または減圧下での沸点の差を利用して分留による精製を行うこともできる。このようにして、液体材料中の高次シランの分子量のコントロールを行うことで、より特性バラツキが抑えられた良質のシリコン層を得ることができるようになる。
高次シランは、その分子量が大きくなればなるほど沸点が高くなり、また溶媒に対する溶解度も減少していく。このため、UVの照射条件によっては光重合後の高次シランが溶媒に溶解しきれずに析出することがあるので、その場合にはマイクロフィルターなどを用いたろ過などによって不溶成分を除去し、高次シランを精製することができる。
UVの照射時間は、所望の分子量分布の高次シランが得られる点で、0.1秒〜120分、特に1〜30分であるのが好ましい。
また、このような高次シランの前駆体であるシラン化合物を含有する前記液体材料については、その粘度および表面張力を、形成する高次シランの分子量分布に関する前記調整方法とともに溶媒を調整することにより、容易にコントロールすることができる。これは、液状体からシリコン層を形成する場合、その最大のメリットとしてインクジェット法を用いたパターニング法が採用できる点が挙げられるが、この液滴吐出法によるパターニングにおいて、前述したように粘度および表面張力が溶媒によって容易にコントロール可能であることが、非常に有利な点として作用する。
前記高次シランの前駆体となるシラン化合物としては、UVの照射により重合し得るという光重合性を有する限り特に制限されず、例えば、前述した一般式Si(ここで、nは3以上の、またmは4以上のそれぞれ独立な整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子等の置換基を示す。)で表されるシラン化合物等が挙げられる。
このようなシラン化合物としては、一般式Si2n(式中、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子を示す。)で表される環状のシラン化合物や、一般式Si2n−2(式中、nは4以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はハロゲン原子を示す。)で表される環状構造を2個以上有するシラン化合物の他、分子内に少なくとも一つの環状構造を有する水素化珪素及びそのハロゲン置換体等、本発明に係る紫外線照射による光重合プロセスを適用し得る、光重合性を有するシラン化合物の全てが挙げられる。
具体的には、1個の環状構造を有するものとして、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等が挙げられ、2個の環状構造を有するものとして、1、1’−ビシクロブタシラン、1、1’−ビシクロペンタシラン、1、1’−ビシクロヘキサシラン、1、1’−ビシクロヘプタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘプタシラン、 1、1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2.2]ペンタシラン、スピロ[3.3]ヘプタタシラン、スピロ[4.4]ノナシラン、スピロ[4.5]デカシラン、スピロ[4.6]ウンデカシラン、スピロ[5.5]ウンデカシラン、スピロ[5.6]ウンデカシラン、スピロ[6.6]トリデカシラン等が挙げられ、その他にこれらの骨格の水素原子を部分的にSiH基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。これらは2種以上を混合して使用することもできる。
これら化合物のうち、分子内の最低一箇所に環状構造を有するシラン化合物は光に対する反応性が極度に高く、光重合が効率よく行えるという点から、これを原料として用いるのが好ましい。その中でも、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロヘプタシラン等のSi2n(式中、nは3以上の整数を示し、Xは水素原子及び/又はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等のハロゲン原子を示す。)で表されるシラン化合物は、以上の理由に加えて合成、精製が容易である利点を有するため特に好ましい。
本発明における液体材料に用いられる溶媒としては、シラン組成物の場合は前記シラン化合物を溶解し、一方高次シラン組成物の場合は前記シラン化合物が光重合されたことにより形成された高次シランを溶解し、かつ該シラン化合物又は高次シランと反応しないものであれば特に限定されない。この溶媒は、通常、室温での蒸気圧が0.001〜200mmHgのものが用いられる。蒸気圧が200mmHgより高いものでは、コーティングで塗膜を形成する場合に溶媒が先に蒸発してしまい、良好な塗膜を形成することが困難になるからである。一方、蒸気圧が0.001mmHgより低いものでは、同様にコーティングで塗膜を形成する場合に乾燥が遅くなり、高次シランのコーティング膜中に溶媒が残留し易くなって、後工程の熱処理及び/又は光照射処理後にも良質のシリコン層が得られ難くなるからである。
また、前記溶媒としては、その常圧での沸点が室温以上であり、シラン化合物又は高次シランの分解点である250℃〜300℃よりも低いものを用いることが好ましい。シラン化合物又は高次シランの分解点よりも低い溶媒を用いることにより、塗布後、加熱によってシラン化合物又は高次シランを分解することなく溶媒のみを選択的に除去することができるため、シリコン層に溶媒が残留するのを防止することができ、より良質の膜を得ることができるからである。
液体材料に使用される溶媒、すなわちシラン組成物の場合はシラン化合物を含む溶液中の溶媒、一方高次シラン組成物の場合はUV照射前では前駆体としてのシラン化合物の溶液中の溶媒であり、UV照射後は高次シラン溶液中の溶媒となるものの具体例としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭化水素系溶媒の他、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。
本発明の製造方法に用いられる液体シリコン材料は、前述の通り特定の手法により得られるシラン化合物または高次シランを溶質として含有した溶液であり、溶媒としては前記例示のものからなる。溶質濃度としては、通常1〜80重量%程度であり、所望のシリコン層厚に応じて調製することができる。80重量%を超えると、高次シランが析出しやすくなり、均一な塗布膜を得るのが困難になる。
また、この液体シリコン材料は、その粘度が通常1〜100mPa・sの範囲に調製可能となるが、塗布装置や目的の塗布膜厚に応じて、その粘度を適宜選択することができる。粘度が1mPa・sより小さくなるとコーティングが困難になり、100mPa・sを超えると均一な塗布膜を得ることが困難になる。
なお、前記液体シリコン材料には、目的の機能を損なわない範囲で必要に応じてフッ素系、シリコーン系、ノニオン系などの表面張力調節材を微量添加することができる。このノニオン系表面張力調節材は、溶液の塗布対象物への濡れ性を良好化し、塗布した膜のレベルリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。
本発明においては、基板を用いることができ、前記シラン化合物を含有する液体材料を該基板の表面上に塗布しその後熱処理及び/又は光処理等を行うことにより実施することができる。また一方、基板を用いずに、前記シラン化合物を含有する液体材料を空中で熱処理及び/又は光処理等を行うことにより実施することもできる。
基板を使用する場合、本発明に用いることのできる基板としては、その種類等に何等制限されないが、所望の形状(例えば、球形に近いもの)が得られるように、表面に撥液性を有する部分が少なくとも設けられた基板、具体的には撥液処理された基板が好ましい。撥液処理法としては、例えば、特開2000−249821号公報の段落〔0081〕〜〔0099〕に記載の方法等が挙げられる。
親液性を表面全体に有する親液基板を使用した場合には、図1に示すように、シラン化合物を含有する液体材料を塗布した際に、所望の曲面状を形成できないおそれがある。これに対し、撥液性を表面に有する基板として、撥液層が設けられた基板(平面図を図2(b)に示す)を使用した場合には、図2(a)に示すように、シラン化合物を含有する液体材料を塗布した際に、デバイスの形成に有用な、球状、円柱状、その他の所望の曲面状の形成が可能となるため好ましい。
また、基板の表面における撥液性を有する領域(以下、撥液領域ともいう)以外に、親液性を有する領域(以下、親液領域ともいう)が備えられた基板、例えば、基板上に図3(b)のように、親液領域と撥液領域がパターン状に形成された基板において、該親液領域(親液領域上)に、シラン化合物を含有する液体材料を塗布することによっても、図3(a)に示すように、容易に所望の曲面状の形成ができるため好ましい。また、かかる基板を用いた場合には、例えば形成されるシリコン曲面体と基板との密着性をコントロールする事ができる為に、焼成工程後に形成されたシリコン曲面体の基板から不意に剥離する事を防止することができる点でも好ましい。
このような部分的な親液領域の形成は、例えば、表面全面に撥液層を設けた基板において、UVのマスク露光や、電子線やレーザー光線照射等の処理を行うことにより、撥液層を選択的に除去する事によって可能となる。
また、この時予め溝部が形成された基板を用いる事もできる。例えば、図4(a)に示すように基板表面に半球状の溝部を形成しておき、該溝部にシラン化合を塗布することによって、球状に近い(略真球状の)シリコン曲面体を得る事ができる。この溝の大きさや形状は球状や円柱状、その他所望のシリコン曲面体の形状に合わせて、任意の形を取る事ができる。また、基板への溝部を形成すると同時に上記親液/撥液パターンを形成する事によって、より精細に形状のコントロールされたシリコン曲面体を得る事が出来る。
また、シラン化合物を含有する液体材料からなる液滴を連なって塗布することにより、図5(c)及び(d)に示すような、円柱状のシリコン曲面体を形成することも可能である。尚、図5(c)に示すシリコン曲面体を形成するために使用した基板は、図5(a)に示すように、撥液層表面の一部に長方形状の親液領域が設けられた基板である。この場合、シラン化合物を含有する液体材料を塗布した後の平面状態は、図5(b)に示す通りである。また、図5(d)に示すシリコン曲面体を形成するために使用した基板は、円柱形状に係合し、親液領域である溝部を有する基板である。
このように、球、円柱に限らず、特に回路を有するデバイスの製造プロセスに用いる場合に、回路上必要な形状になるように、前述した親液、撥液処理、基板への溝形成、パターン塗布等を適宜組み合わせて、任意の形状のシリコン曲面体を得ることができる。
液体シリコン材料の基板への塗布方法は塗布液適量によって10μm〜5mm程度の間で任意にシリコン曲面体のサイズをコントロールする事が出来ると言う点において、インクジェット装置、ディスペンサー、マイクロディスペンサー等の一般的な液滴塗布装置を用いることが好ましい。シラン化合物、高次シランは、水、酸素と反応して変性してしまうので、一連の工程は水や酸素が存在しない状態であることが好ましい。よって、一連の工程中の雰囲気は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス中で行なうことが好ましい。さらに必要に応じて水素などの還元性ガスを混入したものが好ましい。また、溶媒や添加物も水や酸素を取り除いたものを用いる
ことが望ましい。
本発明のシリコン曲面体の製造方法において、シラン化合物を含有する液体材料を塗布した後は、溶媒を除去するために加熱処理を行うことができる。加熱する温度は使用する溶媒の種類、沸点(蒸気圧)により異なるが通常100℃〜200℃である。雰囲気は上記塗布工程と同じ窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス中で行なうことが好ましい。この時系全体を減圧することで、溶媒の除去をより低温で行うこともできる。これにより、基板の熱による劣化を減少させることができる。
本発明に使用されるシラン化合物を含有する液体材料は基板への塗布後に、熱処理及び/又はUV照射等の光処理を施すことでシリコン曲面体へと変化させる事ができる。かかる熱処理の温度条件や、UV照射条件等の光処理条件を所定の条件に設定することにより、アモルファス、多結晶、結晶型等の所望する型のシリコン曲面体を形成することができる。
上記熱処理及び/または光処理で形成したシリコン曲面体の結晶性をさらに向上させる為に、さらにエキシマレーザーアニールや、RTA(rapid thermal annealing)、フラッシュランプアニール、高温での加熱、プラズマ処理等のシリコンの結晶化を向上させる為の一般的な処理を行うこともできる。このような結晶化処理によって、さらに結晶性の高い高性能なシリコン曲面体を得ることができる。
また、本発明においては、一枚の基板上に大量に同時に極めて精度の整ったシリコン曲面体を形成する事ができる。このシリコン曲面体は基板に密着している為に、後の工程でシリコン曲面体を一つ一つ処理を行う必要がなく、基板ごとにまとめて処理を行う事ができる。例えば、4インチ基板上にシリコン曲面体を形成した後に、4インチ基板用の装置によって高温での水蒸気アニールによる熱酸化を行う事で、現在用いられている装置をそのままシリコン曲面体の熱酸化のプロセスに用いる事が出来る為に、コスト的に有利であり、また大量に一括処理が出来る為、スループットも非常に高いと言う利点がある。
このシリコン曲面体は必要に応じて、基板上から個々に分離する事ができる。このシリコン曲面体は基板との接触面が平坦であり、半球状や、半円柱状(かまぼこ状)等の形状となっているが、これにより後の製造工程において転がりを防止できる等、製造上の取扱いが容易であるという点で従来のシリコン曲面体よりも優れた物である。しかしながら、従来のシリコン曲面体の様に略真球ないし真球状のシリコン曲面体が求められる場合は、所望の形状になるように、ヤスリその他による研磨処理を行うことが可能である。
〔シリコン曲面体〕
本発明のシリコン曲面体は、前述したシリコン曲面体の製造方法により形成されたものである。本発明のシリコン曲面体は、このように前記製造方法によって得られたものであるため、従来から存在するシリコン球等に比して、微細なもので、サイズが揃ったものである。また、前述したシリコン曲面体の製造方法はそのプロセスが室温において液体である液体材料を用いる為に取り扱いが容易であり、大掛かりな装置を必要とせず低コストで本発明のシリコン曲面体を得る事ができる。
本発明のシリコン曲面体は、その用途に特に制限されるものではないが、特に、半導体材料として有効に用いられる。
〔デバイス〕
本発明のデバイスは、前記シリコン曲面体を材料として用いたデバイスである。本発明のデバイスは、前述したように非常に形状とサイズの整ったシリコン曲面体から形成されるため、材料の使用効率も高く、その特性も非常に安定した物となる。
本発明のデバイスとしては、例えば、MOSトランジスタを有するLSI等のデバイスや太陽電池等通常のシリコン半導体を用いたデバイス全般に適用することが特可能である。
〔デバイスの製造方法〕
本発明に係るデバイスの製造方法は、前述したシリコン曲面体の製造方法を使用することを特徴とする。本発明によれば、かかる構成からなるため、簡便なプロセスで、優れた性能を有するデバイスを得ることができる。
本発明においては、特に、基板の表面上に形成したシリコン曲面体(形成後にデバイス製造に係る所定の処理を施したものを含む)を剥離する工程を少なくとも含むことが好ましい。この場合、該シリコン曲面体は、デバイスの製造工程において、その搬送やプロセス処理を全てチューブ等の中で行う事ができ、クリーンルームで製造を行う必要がなく、簡便な製造プロセスでデバイスの製造を可能とする。
本発明のデバイスの製造方法においては、前記シリコン曲面体を形成後、例えば、シリコン曲面体に、熱酸化、レジスト、エッチング、電極形成処理等の、半導体等デバイスの製造プロセスにおける通常の処理を施すことができる。
シリコン曲面体を剥離する方法としては、超音波による剥離や機械によりピックアップする方法等が挙げられる。具体的には、図9に示すように、微孔を通してシリコンゴム部に吸着させて真空によりピックアップする方法等が挙げられる。また、図10に示すような超音波発生器を備えた装置によって、水や有機溶媒等の溶媒中で超音波処理を行う剥離処理も行うことが可能である。このようにして剥離された複数のシリコン球は、互いに接触することによって表面が傷つくのを防ぐために、搬送チューブを通して、デバイスの製造等における次工程に利用することができる。
基板上にシリコン曲面体を形成する場合は、通常、該シリコン曲面体が基板上に一様に形成、固定される。このため、後のデバイス製造工程において、前記剥離処理を行わずに、基板に該シリコン曲面体を固定したまま搬送、処理を行うことができ、容易に後の処理を行うことができる。従って、工程によっては、既存のウェハーを用いる設備をそのまま、曲面状半導体等のデバイス製造プロセスへと流用することが可能となり、プロセス、コスト上非常に有利である。
本発明に係るデバイスの製造方法においては、前述のようにしてシリコン曲面体を形成した後は、図7乃至図8に示すように、通常のシリコンウェハーやシリコン曲面体を用いたデバイス作製方法と同様に、CVDによる成膜や熱拡散、熱酸化、フォトリソグラフィー、エッチング等の処理を繰り返し経て行う。
本発明によれば、低コストで、プロセスの簡便な曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体の製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、かかる簡便なプロセスで得られる、優れた性能を有するシリコン曲面体、及び該シリコン曲面体を備えた優れた性能を有するデバイス、及び簡便なプロセスの該デバイスの製造方法を提供することができる。
本発明は、前述した各実施形態を好適に提供するものであるが、これらの実施形態に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
以下に、本発明の実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、斯かる実施例により何等制限されるものではない。
〔シラン化合物を含有する液体材料の調製〕
シクロペンタシラン10gをベンゼン50gに溶解させた。この溶液を撹拌しながら、高圧水銀灯から照射される強度20mW/cmのUVを5分間照射した。次に、0.5μmのフィルターで該溶液の濾過を行うことにより、シラン化合物を含有する液体材料としての高次シラン組成物を調製した。
〔シリコン曲面体の形成〕
シリコン基板の表面上に、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシルトリエトキシシランで撥液処理を行い、表面全体に撥液層が設けられた撥液性基板を得た。この撥液性基板上に、インクジェット法を用いて、上記高次シラン組成物を適当な間隔毎に5μlずつ塗布を行った。次いで、この基板を真空処理によって溶媒を除去した後、800℃で5時間加熱した。これによって、基板上に直径1mmの非常に均一な半球状シリコン球(基板に接している部分が平面状)を複数個、等間隔に形成することができた。このシリコン球の結晶性について、RAMANスペクトルで評価した結果、端数520cm−1に鋭いピークがみられ、単結晶シリコン球が形成できていることが確認できた。
〔シリコン曲面体の基板からの剥離〕
得られたシリコン球を、図9に示すようなシリコンゴムからなる吸盤により真空で吸い上げて、シリコン球を基板表面からピックアップする装置を用いて基板から剥離した。このようにして剥離された複数のシリコン球は、互いに接触することによって表面が傷つくのを防ぐために、搬送チューブを通して、デバイスの製造等における工程に好適に利用することができる。
〔研磨処理〕
このシリコン球は、基板に接している面が平面状であったが、その部分を研磨処理することで、直径0.8mmの真球状の単結晶シリコン球を得ることができた。
〔シリコン曲面体の形成〕
実施例1の製造方法において、800℃で5時間の加熱に代えて、300℃で2時間の焼成をして、半球状アモルファスシリコンを形成した。ここに、波長308nm、エネルギー密度800mJ/cmのエキシマレーザーを10発照射した。 このシリコン球の結晶性について、RAMANスペクトルで評価した結果、直径1mmの単結晶シリコン球が基板上に形成できていることが確認できた。
これを更に、フラッシュランプアニール、RTA処理、ICPプラズマ処理等の一般的なシリコンの結晶性を向上させる手法を用いて処理し、良質な結晶性シリコン膜を得ることができた。
〔シリコン曲面体の形成〕
実施例1と同様に作成した撥液性基板に対して、マスクを通して、172nmのUVを30分照射することにより、撥液領域の中に、2mm*5mmのサイズの親液領域が等間隔に並んだ表面を有する基板を作成した〔図6〕。ここで、キシレンの該基板表面に対する接触角を調べたところ、キシレンの該親液領域に対する接触角は5度以下であり、該撥液領域に対する接触角は90度であった。
この親液領域上に、実施例1と同様に調製した高次シラン組成物を、ディスペンサーによって8μlずつ塗布を行い、2mm*5mmのパターンに液体が盛り上がるようにパターニングを行った。このときの状態は、図5(c)に示されるようになる。
このパターニング後の基板を10−2Torrの真空下で、254nmのUVを照射しながら800℃で1時間加熱を行うことにより、一部に平面部を有する柱上の単結晶を得ることができた。
また、予め図5(d)に示すように、基板上に半円状の溝を作っておくことで、円柱状の単結晶シリコン柱を作成することもできた。
〔シリコン曲面体の形成〕
図11(a)は、本発明に係るシリコン曲面体の製造方法を実施するためのシリコン結晶(球状)形成装置の一例である。図11(b)は、図11(a)の装置の一部拡大図(不活性ガス注入口付近)である。装置のノズル部から、実施例1と同様に調製した高次シラン組成物を0.5μlずつ滴下した。この組成物(溶液)は、その落下中(空中)に、ヒーター部で700℃まで熱せられ、溶媒の除去と結晶化が起こり、落下中(空中)でシリコン球が形成される。
次に、2000〜8000KのICPプラズマ処理を行うことで結晶性を更に向上させることができた。このプラズマ処理は、装置のプラズマコイル部から発生するプラズマを利用する。装置の左右壁面からは不活性ガスが噴出しており、シリコン球はこの不活性ガスの流れにのって運搬され、チューブを通って、次工程である研磨工程へと運搬される。
研磨工程において研磨処理を行った後、直径0.4mmで均一なサイズの真球状のシリコン球を得ることができた。
〔シリコン曲面体の形成〕
実施例1で用いた液体材料を調製するための溶液(UV照射前)に黄リン5gを添加し、高次シラン組成物を得た。
この組成物(溶液)を、実施例1と同様に撥液処理(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシルトリエトキシシランで処理)した撥液性基板上に、インクジェット法を用いて、4mm間隔で10μlずつ塗布を行った。次いで、高次シラン組成物を塗布した後の基板をPH雰囲気下、800℃で2時間加熱した。これによって、図7(a)に示すように、基板上に直径1mmの非常に均一な半球状のn型シリコン球(基板に接している部分が平面状)を複数等間隔に形成することができた。
〔デバイスの製造〕
基板上のn型シリコン球を、H/O混合ガス雰囲気下、800℃でアニールを行った。これにより、図7(b)に示すように、n型シリコン球の表面に、厚さ0.5μmのSiOからなる熱酸化膜を形成した。
このとき、H/O雰囲気の代わりにオゾン雰囲気下で熱酸化を行ったところ、更に低温で良質な酸化膜が形成できることも確認した。
次に、インクジェット装置を用いてシリコン曲面上にレジストをパターン状に塗布した。このときの状態を図7(c)に示す。更に、ポストベークを行った後、図7(d)に示すように、酸化膜のエッチング、レジスト剥離を行って、熱酸化膜のパターニングを行った。
この状態のシリコン球を有する基板を、既存の4インチウェハー用の拡散炉に入れ、BBrガス中、750℃で熱拡散を行い、図7(e)に示すように、ソース、ドレイン領域を形成した。
ソース、ドレイン領域が形成されたシリコン球〔図8(e)〕に対してフォトエッチングを行い、ゲート部分の酸化膜を完全に除去した〔図8(f)〕。その後、再び熱酸化炉でO雰囲気中で酸化を行うことにより、厚さ50nmのゲート酸化膜を形成した。このときの状態は、図7(g)に示す通りである。
次に、フォトエッチングによって、図8(h)に示すように、ソース、ドレイン領域上の酸化膜を除去した。その後、金属微粒子インクをインクジェット法によって塗布し、200℃で焼成することによって、図8(i)に示すように、ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極をそれぞれ形成した。
以上の工程によって、シリコン曲面上にpMOSトランジスタを形成することができた。
尚、本実施例では、インクジェット法によりソース、ドレイン、ゲート電極形成を行ったが、より微細にパターニングを行いたい場合には、従来一般的な半導体プロセスと同様に金属膜をCVD法によって基板全部面に成膜した後、フォトエッチングによってパターニングを行うといった方法によっても、ソース、ドレイン、ゲート電極を形成することが可能である。その他、酸化膜、層間絶縁膜、強誘電体膜など、半導体デバイスに基体としてシリコン曲面体を用いる他は半導体プロセスで通常用いられている成膜法、パターンニング法を任意の組み合わせで用いる事が可能である。
また、本実施例では、シリコン基板にシリコン球が整列している状態のまま、従来の4インチウェハー用半導体製造装置を用いて全工程を行ったが、シリコン球の側面や裏面へのデバイス作製時には、図9に示すような装置を用いて、このシリコン基板からシリコン球の剥離を行い、球状半導体装置用の熱酸化炉、拡散炉、レジストコーター、レジスト剥離装置、露光装置、エッチング槽を用いることも可能である。
本発明は、低コストで、プロセスの簡便な曲面状半導体等の材料となるシリコン曲面体の製造方法、かかる簡便なプロセスで得られる、優れた性能を有するシリコン曲面体、該シリコン曲面体を備えたデバイス、及び該デバイスの製造方法として、産業上の利用可能性を有する。
図1は、親液基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図である。 図2(a)は、撥液性を有する基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図(断面図)であり、図2(b)は、撥液性を有する基板(塗布前)の平面図である。 図3(a)は、親液領域上に一部円状の領域を除いて撥液層が設けられた基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図であり、図3(b)は、かかる図3(a)の基板(塗布前)の平面図である。 図4(a)は、表面の一部に凹部が設けられた基板(塗布前)の断面図であり、図4(b)は、表面の一部に凹部が設けられた基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図(断面図)である。 図5(a)は、撥液層表面の一部に長方形状の親液領域が設けられた基板(塗布前)の平面図である。図5(b)は、かかる図5(a)の基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図(平面図)である。図5(c)は、かかる図5(a)の基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図(一部切断斜視図)である。図5(d)は、円柱形状に係合する溝部を有する基板を用いてシラン化合物を含有する液体材料を塗布した場合の説明図(一部切断斜視図)である。 図6は、図5(a)の基板全体を示す平面図である。 図7は、本発明に係るシリコン曲面体を用いたデバイスの製造工程の一部(前段階)を示す説明図である。 図8は、本発明に係るシリコン曲面体を用いたデバイスの製造工程の一部(後段階)を示す説明図である。 図9は、基板上に形成したシリコン曲面体を剥離する方法の例を示す説明図である。 図10は、基板上に形成したシリコン曲面体の剥離装置の一例として超音波発生器を備えた装置を示す概略図である。 図11(a)は、本発明に係るシリコン曲面体の製造方法を実施するためのシリコン結晶形成装置の一例である。図11(b)は、図11(a)の装置の一部拡大図(不活性ガス注入口付近)である。

Claims (18)

  1. シラン化合物を含有する液体材料を用いることを特徴とするシリコン曲面体の製造方法。
  2. 基板の表面上に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する工程を含み、塗布された該シラン化合物を含有する液体材料の形状は曲面を有している、請求項1記載のシリコン曲面体の製造方法。
  3. 前記基板の表面に、撥液性を有する部分が少なくとも設けられてなる、請求項2記載のシリコン曲面体の製造方法。
  4. 前記基板の表面における前記撥液性を有する領域以外に、親液性を有する部分が備えられ、該親液性を有する部分に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する、請求項3記載のシリコン曲面体の製造方法。
  5. 前記基板は、その表面の一部に溝部が設けられ、該溝部に、前記シラン化合物を含有する液体材料を塗布する、請求項2〜4の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  6. 前記シラン化合物を含有する液体材料を空中で熱処理及び/又は光処理を施す工程を備える、請求項1記載のシリコン曲面体の製造方法。
  7. 前記シラン化合物を含有する液体材料として、シラン組成物を用いる、請求項1〜6の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  8. 前記シラン化合物を含有する液体材料として、高次シラン組成物を用いる、請求項1〜6の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  9. 前記シラン化合物を含有する液体材料として、シラン組成物および/または高次シラン組成物とドーパントからなる溶液を用いる、請求項1〜6の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  10. 前記シラン化合物を含有する液体材料に対して熱処理及び/又は光処理を施す工程を備える、請求項1〜5、または、7〜9の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  11. 前記シラン化合物を含有する液体材料を用いて、インクジェット法又はディスペンサーによる塗布方法を使用する、請求項1〜10の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法により形成されたシリコン曲面体。
  13. 少なくとも一面に平面形状を備える、請求項12記載のシリコン曲面体。
  14. 略真球状である、請求項12記載のシリコン曲面体。
  15. 半導体材料として用いられる、請求項12又は14記載のシリコン曲面体。
  16. 請求項12〜15の何れかに記載のシリコン曲面体を材料として用いたデバイス。
  17. 請求項1〜11の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法を使用することを特徴とするデバイスの製造方法。
  18. 請求項2〜11の何れかに記載のシリコン曲面体の製造方法を使用するデバイスの製造方法であって、前記基板の表面上に形成したシリコン曲面体を剥離する工程を少なくとも含む、デバイスの製造方法。
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