JP2005088217A - プリント装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 プリントヘッドが制御動作を正確に行えるようにするための調整に要する時間を短縮化することができるプリント装置を提供すること。
【解決手段】 主走査方向に沿って移動可能であり、ペーパー２に画像を形成するためのプリントヘッド５と、このプリントヘッド５に設けられ、副走査方向に沿って移動されるペーパー２の検出を行うペーパーセンサー１６と、主走査方向において、プリントヘッド５が制御動作を行うための制御基準位置をペーパーセンサー１６により検出しておき、この検出された位置情報に基づいてプリントヘッド５に対する制御を行う制御部２２とを備えた。
【選択図】図４

Description

本発明は、主走査方向に沿って移動可能であり、画像形成媒体に画像を形成するためのプリントヘッドと、このプリントヘッドに設けられ、副走査方向に沿って移動される画像形成媒体の検出を行う媒体センサーとを備えたプリント装置に関するものである。

かかるプリント装置として、インクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、ペーパー（画像形成媒体）を副走査方向に沿って搬送させながら、プリントヘッドを主走査方向に沿って繰り返し往復移動させることでプリントヘッドに取り付けられたインク吐出部からインクを吐出し、ペーパーに画像を形成させる（例えば、本出願人による下記特許文献１）。

プリントヘッドは主走査方向に沿って往復移動できるようになっており、この往復動作とプリント動作を組み合わせることで画像形成を行う。そして、搬送されるペーパーに画像を形成するためには、ペーパー中心と画像中心が一致するようにインク吐出を制御しなければならない。そのために、ペーパーを搬送させるプリント基台の取り付け位置を調整する必要がある。
特開２００３−１７５６５５号公報

しかしながら、このようなプリント基台の機械的な調整をすべてのプリント装置に対して行うことは、膨大な調整時間を要するため改善が望まれている。また、プリント基台の取り付け位置の調整以外にも、プリントヘッドのインク吐出部のキャッピング動作を行うため、キャッピング部へプリントヘッドを移動させるための制御を行う。そして、キャッピングを適切に行うためには、キャッピング部の取り付け位置を調整しなければならず、この調整についてもプリント基台の場合と同様に機械的に行っており膨大な時間を必要としている。

本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、プリントヘッドが制御動作を正確に行えるようにするための調整に要する時間を短縮化することができるプリント装置を提供することである。

上記課題を解決するため本発明に係るプリント装置は、
主走査方向に沿って移動可能であり、画像形成媒体に画像を形成するためのプリントヘッドと、
主走査方向において、プリントヘッドが制御動作を行うための制御基準位置を取得するためのセンサーと、
このセンサーを利用して求められた位置情報に基づいてプリントヘッドに対する制御を行う制御部とを備えたことを特徴とするものである。

この構成によるプリント装置の作用・効果は、以下の通りである。このプリントヘッドは、主走査方向に沿って移動可能に構成されている。またセンサーが設けられており、このセンサーを利用して、プリントヘッドが制御動作を行うための制御基準位置を検出しておく。検出された位置情報は、例えば、メモリ等の記憶部に記憶させておくことができる。そしてこの検出された位置情報に基づいてプリントヘッドに対する制御を行うことができる。また、センサーにより取得された位置情報に基づいて制御を行う構成であるから、プリント基台の取り付けを行うに際して機械的な調整を行う必要はなくなる。すなわち、 各装置ごとでプリント基台の取り付け位置に誤差があったとしても、位置情報に基づいてプリントヘッドを移動させる位置を精度良く制御できる。その結果、プリントヘッドが制御動作を正確に行えるようにするための調整に要する時間を短縮化することができるプリント装置を提供することができる。

本発明に係るセンサーは、プリントヘッドかプリントヘッドが取り付け支持される本体側に設けられる。センサーをプリントヘッドに設けた場合は、本体側に制御基準位置が設定され、センサーを本体側に設けた場合は、プリントヘッド側に制御基準位置が設定される。いずれの場合であっても、センサーにより検出される位置情報に基づいて、プリントヘッドを移動させる位置を精度良く制御できる。

本発明の好適な実施形態として、前記センサーは、プリントヘッドに設けられており、副走査方向に沿って移動される画像形成媒体を検出する機能を有するものがあげられる。

画像形成媒体を検出するセンサーと、プリントヘッドの制御基準位置を取得するためのセンサーを兼用することで、構成を簡素化し、コストアップを抑制することができる。

本発明の好適な実施形態として、前記制御動作は、プリントヘッドによる画像形成動作であり、前記制御基準位置は、画像形成媒体を走行させるプリント基台の中心位置であり、
前記制御部は、形成されるべき画像の中心が前記中心位置となるように、プリントヘッドに対する制御を行うものがあげられる。

この構成によれば、媒体センサーを用いてプリント基台の中心位置を検出する。プリント基台は、画像形成媒体をガイドする機能も有しており、プリント基台の中心は画像形成媒体の幅方向の中心でもある。この検出された中心位置を画像の中心となるようにすれば、画像形成媒体に適切に画像形成を行うことができる。また、プリント基台の取り付けについて機械的調整を行わなくてすむ。

本発明の別の好適な実施形態として、前記制御動作は、プリントヘッドのインク吐出部をキャッピングする動作であり、前記制御基準位置は、キャッピング部に設けられたキャッピング基準位置であり、
前記制御部は、前記キャッピング基準位置に基づいてプリントヘッドをキャッピング部に移動させる制御を行うものがあげられる。

この構成によれば、媒体センサーを用いてキャッピング基準位置を検出する。この位置情報に基づいてキャッピング部へプリントヘッドを適切に移動させることができる。従って、キャッピング部の取り付けについて、機械的な調整を行わなくてもすむ。

本発明に係るプリント装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図１はインクジェット式印刷装置（プリント装置に相当）の概略構成を示す図である。

＜インクジェット式印刷装置の構成＞
まず、フィルムや記憶媒体などから、印刷すべき画像が入力装置（不図示）によって読み取られ、画像信号として処理される。画像信号は所定の処理が施され、印刷すべき画像に対応する画像データを含む印刷信号が、コントローラ２０に送られる。続いて、図１に示すように、モータ２５により搬送ローラ対８が駆動され、マガジン３からペーパー２が巻きほどかれる。巻きほどかれたペーパー２はプリント基台４上を搬送されて印刷ユニット５に供給される。プリントヘッド５は、インク吐出部１１と、中継タンク１３と、それらを保持すると共にペーパー２の幅方向及び搬送方向に往復動可能なキャリッジ１２とを備えており、インク吐出部１１は中継タンク１３より下方に配置される。インク吐出部１１はコントローラ２０によって制御され、ペーパー２の印刷面に対してインクを吐出して画像を形成する。画像形成後のペーパー２は圧着ローラ対９によって挟持されつつ、搬送ローラ対８によって下流側へ搬送され、移動刃７ａ及び固定刃７ｂからなる切断ユニット７によって所定の長さでカットされて排出口２４から排出される。

次に、インク吐出部１１へのインク供給システムについて説明する。図２はカバーを外した状態のインクジェット式印刷装置３０の外観図である。上述のように、キャリッジ１２はペーパー２の幅方向に往復動可能であり、印刷していない状態では図２のようにキャッピング部１４上に配置される。キャッピング部１４上は非印字領域であり、インク吐出部１１のノズル開口の乾燥防止のためのノズル形成面の封止（キャッピング）や、クリーニングが行われる。インクを貯留したインクカートリッジ６はキャリッジ１２の下方に配置されており、後述するインク供給システム１によって、中継タンク１３を介してインク吐出部１１にインク供給される。

＜プリントヘッドの構成＞
次に、プリントヘッド５の構成を説明する。図３は、プリントヘッド５を下方から見た図である。プリントヘッド５は、インク吐出部１１を備えており、このインク吐出部１１は８つのインク吐出部を備えている。１つは予備であり、残りの７つは、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン、ライトブラック、ライトマゼンタ、ライトシアンの７色のインクを吐出可能に配置されている。プリントヘッド５（インク吐出部１１）は、図３の矢印Ａ方向、すなわち、 主走査方向（ペーパー２の幅方向）に沿って移動可能に構成されている。８つの吐出部は２行×４列の配置となっており、主走査方向に４列配置となっている。

インク吐出部の配置に対応して、８つのシール１５が貼り付けられている。シール１５には、例えば、ＱＲコード（二次元コード）に基づくデータが記録されている。このシール１５には、各吐出部のノズル特性の情報が記録されており、インク吐出部１１を交換したときにコードに記録された情報を読み取るようにしている。また、プリントヘッド５には、ペーパーセンサー１６（本発明に係るセンサーに相当）が搭載されている。ペーパーセンサー１６は、ペーパー２の存否を検出するセンサーである。

＜プリントヘッドの位置制御＞
次に、プリントヘッド５の位置制御について説明する。図４は、プリントヘッド５により位置制御すべき動作内容を説明する図である。プリントヘッド５は、図４の矢印Ａ方向に沿って往復移動することができる。プリントヘッド５を移動させる移動機構については、特定の機構に限定されるものではない。例えば、往復駆動される無端ベルトにプリントヘッド５を固定することで、移動させることができる。また、リニアガイド機構により往復移動させるようにしてもよい。プリントヘッド５の位置制御を行うために、ペーパーセンサー１６を利用する。ペーパーセンサー１６は、元来ペーパー２の存否を検出する目的で設けられているが、これをプリントヘッド５の位置制御を行う場合にも利用する。これにより、専用のセンサーを設ける必要がないので、コスト的に利点を有する。

プリントヘッド５は、ホームポジションを有しており、位置センサー１７によりホームポジションに位置させることができる。位置センサー１７は、例えば、反射型の光センサーにより構成され、プリントヘッド５の特定の箇所を検出することでホームポジションとすることができる。ホームポジションの位置は、位置制御を行う場合の原点（絶対基準）とすることができる。なお、光センサーは透過型のセンサーにしても良い。

キャッピング部１４は、インク吐出部１１の数に対応して８つの凹部が形成されており、インク吐出部１１をキャッピングする。キャッピングを行うためには、プリントヘッド５の位置制御を行う必要がある。キャッピング部１４に対する位置制御を行なうには、キャッピング部１４についての制御基準位置が必要である。例えば、キャッピング部１４に反射率の高いシールを貼り付けておき、これをペーパーセンサー１６で検出すれば、その位置がキャッピング部１４に対する位置制御を行う場合の基準となる。プリントヘッド５をパルスモータで駆動する場合は、ホームポジションから検出位置までのパルス数によりキャッピング部１４の位置を特定できる。

プリント基台４は、ペーパー２の幅よりも大きな幅寸法を有しており、その右端部４ａと左端部４ｂは段差が形成されているため、ペーパーセンサー１６により検出することができる。キャッピング部１４とプリント基台４の相対位置関係が予め定まっておれば、右端部４ａの位置を検出し、この位置から所定パルス数の距離だけ移動した位置にキャッピング部１４があるものと定義してもよい。この所定パルス数であるが、設計値を用いても良い。

次に、フラッシング部１８に対する位置制御について説明する。フラッシング部１８は、プリント基台４の右端部４ａに隣接した位置と、プリント基台４の中央部に設けられている。フラッシングとは、画像形成動作を行う前に、インク吐出部１１からインクを吐出させる動作のことを言う。インク吐出部１１のノズル先端にインクが固まっているようなことがあるので、前もってインクを少量吐出させておくことで、画像形成のときにインクがスムーズに吐出できるように構成している。フラッシング部１８は、プリント基台４の中央にも設けている。これは、幅狭のペーパー２を２列で搬送させて画像形成を２枚分同時に行うことがあるからである。

フラッシング部１８についても、反射率の高いシールを貼り付けて、制御基準位置を検出するようにしてもよい。あるいは、プリント基台４の右端部４ａを検出し、この位置から所定パルス数の距離だけ移動した位置がフラッシング部１８であると定義しても良い。この所定パルス数は、設計値を用いることができる。

次に、プリント基台４の中心位置の位置制御を説明する。プリント基台４の中心位置は、搬送されるペーパー２に中心位置に相当する。プリントヘッド５を主走査方向に沿って移動させて画像を形成する場合に、ペーパーセンターと画像センターを合わせる必要がある（図５参照）。お互いのセンターがずれていると、ペーパー２に正しく画像を形成することができないからである。そこで、プリント基台４の中心位置を検出する。そのために、ペーパーセンサー１６によりプリント基台４の右端部４ａを検出し、この右端部４ａから所定パルス数だけ離れた位置をペーパーセンター（プリント基台センター）とすることができる。この所定パルス数であるが、設計値を用いることができる。

次に、メンテナンス位置の位置制御を説明する。既に説明したように、プリントヘッド５には、シール１５が貼り付けられており、このシール１５のコード情報を読み取る必要がある。そのためにプリント基台４の左端部４ｂに隣接してコードリーダ２１が設けられている。コードリーダ２１に対する位置制御も、既に述べてきたのと同じような方法を採用することができる。

以上のように、プリントヘッドが主走査方向において制御動作を行うための制御基準位置をペーパーセンサー１６を用いて検出するようにしている。上記のように検出された制御基準位置は、ホームポジションからの距離情報として設定・記憶させておくことができる。距離情報は、プリントヘッド５を駆動するパルスモータのパルス数として設定することができる。あるいは、プリントヘッド５の移動に連動するエンコーダからの出力パルス数により設定することもできる。

したがって、プリント基台４を取り付ける場合も、取り付けのための機械的な調整を行わなくても良い。個々の装置において、ホームポジションからの取り付け位置が異なっていたとしても、距離情報（パルス数）により制御するので、個々のプリント装置で検出された距離情報に基づいて制御することができる。これにより、個々のプリント装置の組み立て誤差を吸収することができる。また、機械的な調整をなくすことができるので、調整時間の短縮化を図ることができる。

＜位置情報の検出動作＞
次に、各制御基準位置を取得する場合の動作を説明する。プリントヘッド５を主走査方向に沿って移動させて、ペーパーセンサー１６を用いて、画像センター、キャッピング位置、フラッシング部の位置、メンテナンス位置を検出する。それぞれの位置情報は、記憶部２３に記憶される。位置情報は、ホームポジションからのモータパルス数として設定される。以後は、この設定された位置情報に基づいて各制御が行われる。

＜別実施形態＞
（１）本実施形態では、ペーパーセンサー（センサー）をプリントヘッドに設けた構成を説明したが、センサーをプリントヘッドが取り付け支持される本体側に設けても良い。この場合は、プリントヘッド側に制御基準位置を設定する。例えば、反射式の光センサーにより検出しやすいように、反射シートをプリントヘッド側に配置する。これを制御基準位置とすることができる。プリントヘッドに設ける反射シート等は、少なくとも１つあればよい。例えば、センサーにより反射シートの位置を検出させる場合、その位置をプリント基台の中間位置となるようにすることができる。その他の制御基準位置は、これを出発点として設計値からの演算で取得することが可能である。
（２）本実施形態では、インクジェット式印刷装置を説明したが、これに限定されるものではなく、他の形式のプリント装置の場合にも本発明は応用できるものである。
（３）プリントヘッドにより行われる制御動作については、本実施形態であげた例に限定されるものではない。

インクジェット式印刷装置の概略構成を示す図 カバーを外した状態のインクジェット式印刷装置の外観図 プリントヘッドの構成を示す図 プリントヘッドにより位置制御すべき動作内容を説明する図 画像センターとペーパーセンターとの関係を示す図

符号の説明

２ ペーパー
４ プリント基台
５ プリントヘッド
１１ インク吐出部
１４ キャッピング部
１５ シール
１６ ペーパーセンサー
１７ 位置センサー
１８ フラッシング部
２２ 制御部
２３ 記憶部
３０ インクジェット式印刷装置

Claims (6)

1. 主走査方向に沿って移動可能であり、画像形成媒体に画像を形成するためのプリントヘッドと、
   主走査方向において、プリントヘッドが制御動作を行うための制御基準位置を取得するためのセンサーと、
   このセンサーを利用して求められた位置情報に基づいてプリントヘッドに対する制御を行う制御部とを備えたことを特徴とするプリント装置。
2. 前記センサーは、前記プリントヘッドに設けられており、プリントヘッドが取り付け支持される本体側に前記制御基準位置が設定されていることを特徴とする請求項１に記載のプリント装置。
3. 前記センサーは、前記プリントヘッドが取り付け支持される本体側に設けられており、プリントヘッドに前記制御基準位置が設定されていることを特徴とする請求項１に記載のプリント装置。
4. 前記センサーは、副走査方向に沿って移動される画像形成媒体を検出する機能を有するものであることを特徴とする請求項２に記載のプリント装置。
5. 前記制御動作は、プリントヘッドによる画像形成動作であり、前記制御基準位置は、画像形成媒体を走行させるプリント基台の中心位置であり、
   前記制御部は、形成されるべき画像の中心が前記中心位置となるように、プリントヘッドに対する制御を行うことを特徴とする請求項１に記載のプリント装置。
6. 前記制御動作は、プリントヘッドのインク吐出部をキャッピングする動作であり、前記制御基準位置は、キャッピング部に設けられたキャッピング基準位置であり、
   前記制御部は、前記キャッピング基準位置に基づいてプリントヘッドをキャッピング部に移動させる制御を行うことを特徴とする請求項１又は２に記載のプリント装置。

Images