JP2005084262A - ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 - Google Patents

ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体 Download PDF

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哲郎 水島
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Abstract

【課題】 充分に高い回折効率が得られるホログラム記録材料及びこれを用いたホログラム記録媒体を提供すること。
【解決手段】 本発明のホログラム記録媒体100は、基体20及び保護層60の間に記録層40が挟持された構造を有している。そして、記録層40は、環状スルフィド構造を有するスルフィド化合物、このスルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び、光アニオン重合開始剤を含有する本発明のホログラム記録材料から構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ホログラム記録材料及びホログラム記録媒体に関する。
近年、従来の光記録媒体を超える大容量化を達成し得る記録手段として、光の干渉により生じる干渉縞を記録するホログラフィ技術を利用した方法が注目されている。この方法においては、例えば、照射された光の強度に応じて屈折率の変化を生じるような記録材料を用い、干渉縞は、その光の強度分布に対応して生じる屈折率の分布として記録材料に記録する。こうして記録された干渉縞を一般にホログラムという。
このような屈折率変化を生じる記録材料としては、樹脂、カチオン重合性モノマー、カチオン重合を活性化する重合開始剤及び増感色素からなるホログラム用感光性組成物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2000−47552号公報
ところで、上述のような屈折率変化を利用して記録を行うホログラム記録材料には、回折効率が高いという特性が要求される。回折効率とは、照射した再生光のうちで再生像を再生するために有効に利用される光の割合を示しており、つまり、回折効率が高いほど明るい再生像が得られ、記録されている情報を再現性よく読み出すことが可能となる。そして、この回折効率は、照射される光の強度に対応して生じる屈折率の変化が大きい記録材料ほど高い傾向にある。
上記従来技術のホログラム用感光性組成物においては、まず、光が照射された部位においてカチオン重合性モノマーの重合反応が進行する。こうして組成物中で重合反応が生じると、これによるモノマーの消費を補填するために、周囲から反応部位にモノマーが移動してくる。同時に、反応部位にもともと存在している樹脂はそこから押し出される。こうして感光性組成物には、カチオン重合性モノマーが重合してなる重合体の濃度が高い領域と、樹脂の濃度が高い領域とができ、それぞれの領域間で組成の差が生じるようになる。こうなると、カチオン重合性モノマーの重合体と樹脂とは屈折率が異なるものであるため、感光性組成物には組成の差に基づく屈折率差が生じ、この屈折率差によって干渉縞が記録される。
しかし、このホログラム用感光性組成物を用いた場合、照射された光の強度分布に対応して生じる屈折率差が小さく、このため充分に高い回折効率が得られず、記録時に再現性よく情報を読み出すことが困難であった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、充分に高い回折効率が得られるホログラム記録材料及びこれを用いたホログラム記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を行った結果、上記従来技術のホログラム用感光性組成物において回折効率が不充分となってしまうのは、この組成物におけるカチオン重合性モノマーの光の照射による重合率が低く、このために組成物中において組成の差が充分に生じていないことに起因していることが判明した。そして、本発明者らは、光の照射によって高い効率で重合反応を生じ得る記録材料を用いることにより、充分に高い回折効率が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のホログラム記録材料は、環状スルフィド構造を有するスルフィド化合物(以下、「環状スルフィド化合物」と略す。)、該スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び、光アニオン重合開始剤を含有することを特徴とする。
本発明の記録材料においては、この環状スルフィド化合物及び光アニオン重合開始剤と、環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物とが、互いに均一に分散した状態で混合されている。この記録材料に光が照射されて、記録材料中で環状スルフィド化合物の重合反応が生じると、そのモノマーはかかる重合反応による消費を補填するために反応部位近辺に移動するようになり、また、この移動に伴って、環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物がこの部位から押し出される。こうして記録材料において、環状スルフィド化合物及びその重合体が高濃度で存在する領域と環状スルフィド化合物と異なる屈折率を有している化合物が高濃度で存在する領域とが生じるようになる。ここで、上述の環状スルフィド化合物は、光の照射によって極めて効率よく重合反応を生じ得る化合物である。このため、本発明の記録材料は、光の強度が高い部分において重合反応を活発に生じ、これに伴う環状スルフィド化合物やこれと異なる屈折率を有する化合物の移動量も多くなる。その結果、上記従来の感光性組成物を用いた場合に比して、照射した光の強度に対応して生じる組成の差、ひいては屈折率の差が大きいものとなる。
具体的には、環状スルフィド化合物としては、1つ以上の硫黄原子を有する3〜6員環構造を有するスルフィド化合物が好ましく、なかでも、3員環であるチイラン環構造を有するスルフィド化合物がより好ましい。これらの環状のスルフィド構造は、光の照射による重合反応を更に効率よく生じ得る構造であり、これにより記録材料における組成の差がより大きく生じるようになる。
また、上述の環状スルフィド構造を有するスルフィド化合物の重合体は、有機化合物のなかでは極めて高い屈折率を有している。従って、この環状スルフィド化合物の有する高屈折率特性を生かすためには、環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物として、環状スルフィド化合物の重合体よりも小さい屈折率を有する化合物(以下、「低屈折率化合物」と略す。)を用いることが好ましい。このように、環状スルフィド化合物と低屈折率化合物とを組み合わせて用いると、照射された光の強弱に対応する屈折率の差をより大きくすることができ、更に高い回折効率が得られるようになる。
このような低屈折率化合物は、無機化合物からなるものであると更に好ましい。無機化合物からなる低屈折率化合物は、反応等による体積変化が極めて少ないものと考えられ、環状スルフィド化合物の重合に伴う体積変化(主に収縮)による影響を無視し得るレベルまで低減することができる。その結果、記録時の干渉縞を、記録材料の体積変化等に起因する変形を殆ど受けることなく記録することが可能となる。
さらに、光アニオン重合開始剤としては、光の照射により塩基を発生する光塩基発生剤が好適である。こうすると、環状スルフィド構造を有するスルフィド化合物の重合反応がより効率よく生じるようになる。
また、本発明によるホログラム記録媒体は、本発明のホログラム記録材料を備えて好適なものであって、基体と、環状のスルフィド構造を有するスルフィド化合物、該スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び、光アニオン重合開始剤を含有してなるホログラム記録材料からなり、上記基体上に形成された記録層と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明は、上述したホログラム記録媒体に記録用の光を照射することにより干渉縞が記録された記録後のホログラム記録媒体も提供する。かかるホログラム記録媒体は、基体と、この基体上に形成されており干渉縞が記録されたホログラム記録層とを備えており、ホログラム記録層は、環状のスルフィド構造を有するスルフィド化合物を光アニオン重合開始剤の存在下で光を照射することにより重合させてなる重合体、及び、この重合体と異なる屈折率を有する化合物を含有していることを特徴とする。
本発明のホログラム記録材料は、光の強度分布に対応して生じる組成の差が大きく、これにより回折効率が極めて高いものとなる。従って、かかる記録材料を用いたホログラム記録媒体は、情報を精度よく記録することができ、再生時の情報の劣化も極めて少ないものとなる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、場合により図面を参照しつつ説明する。
本発明のホログラム記録材料は、上述の如く、環状スルフィド化合物、この環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び光アニオン重合開始剤を含有するものである。まず、本発明の記録材料中に含まれる環状スルフィド化合物について説明する。
ホログラム記録材料中に含まれている環状スルフィド化合物としては、硫黄原子を1つ以上有している環状分子や、硫黄原子を有する環状構造が分子骨格に結合してなる化合物が挙げられる。
前者の硫黄原子を1つ以上有している環状分子としては、硫黄原子を1〜3つ有している3〜6員環構造の分子が望ましく、このような環状分子としては、エチレンスルフィドやプロピレンスルフィド等のチイラン類、チエタン類、ジチイラン類、トリチアン類等が例示できる。これらの環状分子は、光アニオン重合開始剤の存在下で光を照射されることによって容易に開環して重合反応を生じ、これにより高分子量のポリマーを生成する。
ホログラム記録材料に含有させる環状スルフィド化合物としては、より高い回折効率を達成し、更に高精度の記録を行うためには、後者の硫黄原子を有する環状構造(以下、「環状スルフィド構造」と略す。)が分子骨格に結合してなる化合物がより好ましい。以下、かかる化合物について詳述する。
環状スルフィド化合物において分子骨格に結合している環状スルフィド構造としては、硫黄原子を1〜3つ有している3〜6員環構造が好ましい。このような環状スルフィド構造は、分子骨格に2つ以上結合していることが望ましく、かかる環状スルフィド構造が重合に寄与するものであると更に好適である。上述の如く、この環状スルフィド構造は光アニオン重合開始剤の存在下で光を照射されることにより容易に開環して重合反応を生じ得るものである。このため、このようなスルフィド構造を有している環状スルフィド化合物は重合性が高いものとなる。さらに、このスルフィド構造における重合反応による高分子量化は、通常の重付加や重縮合等の重合反応に比して、モノマーからポリマーに転換される際の体積変化(主に収縮)が極めて小さいため、このような環状スルフィド構造を有する化合物を用いた本発明のホログラム記録材料によれば、実際の干渉縞のパターンと記録材料に記録される干渉縞のパターンとの間でずれを生じることが少なく、干渉縞を正確に記録することができる。
より具体的には、環状スルフィド構造としては、硫黄原子を1つ以上有する三員環構造、いわゆるチイラン環と呼ばれる構造が好ましい。なかでも、光の照射に対する反応性が高く、また重合反応による体積変化も小さいという特性を有する下記式(1)で表されるチイラン環構造が特に好適である。
Figure 2005084262
上記式(1)中、Rは硫黄原子、酸素原子及びエステル結合のうちいずれか1つを有していてもよい炭素数1〜10の2価の有機基、Rは水素原子又は炭素数1〜10の1価の鎖状若しくは環状炭化水素基、Xはスルフィド基又はオキシ基を示し、nは0又は1を示す。なお、複数存在するRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、また、2つ以上のRが互いに結合し合い、Rを骨格とした環構造を構成してもよい。
特に、環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物(かかる化合物については後述する。)として環状スルフィド化合物の重合体よりも小さい屈折率を有する化合物を用いる場合、上記式(1)において、Rとしてはメチレン基又はエチレン基が好ましく、メチレン基がより好ましい。また、Rとしては水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。このような環状スルフィド構造を有する化合物は通常ホログラム記録材料に用いられる有機化合物に比して高い屈折率を有していることから、低屈折率の材料と組み合わせた場合に光の照射部と未照射部との屈折率差を大きくすることができ、これにより高い回折効率が得られるようになる。
環状スルフィド化合物において、上述した環状スルフィド構造と結合する分子骨格としては、脂肪族炭化水素からなる骨格、脂肪族環状構造を有する骨格、芳香環を有する骨格等が例示できる。
例えば、脂肪族炭化水素からなる骨格としては、硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜12の脂肪族炭化水素が挙げられる。このような骨格を有する環状スルフィド化合物としては、下記式(2)で表される化合物が好適である。
Figure 2005084262
上記式(2)中、脂肪族炭化水素骨格であるRは炭素数1〜20の直鎖又は枝分かれ脂肪族炭化水素基又はその炭素原子の1つ以上が硫黄原子に置換されてなる基を示し、mは1〜(Rの炭素数×2+2)で表される整数であり、R、R、X及びnは上記と同義である。なお、mが2以上である場合、括弧内の環状スルフィド構造は、Rを構成している炭素原子のいずれに結合していてもよく、この場合、各環状スルフィド構造はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(2)で表される環状スルフィド化合物における、R、R、R、X、n及びmの好ましい組み合わせとして、以下に示すような組み合わせが例示できる。例えば、nが0、すなわちXで表される基を有していないスルフィド化合物においては、Rが炭素数1〜6のアルキレン基、Rが炭素数1〜3のアルキレン基、Rが水素原子、mが2である組み合わせが好ましい。
このような環状スルフィド化合物としては、具体的には、1,1−ビス(エピチオエチル)メタン、1−(エピチオエチル)−1−(β−エピチオプロピル)メタン、1−(エピチオエチル)−1−(β−エピチオプロピル)エタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピル)エタン、1−(エピチオエチル)−3−(β−エピチオプロピル)ブタン、1−(エピチオエチル)−5−(β−エピチオプロピル)ヘキサン等が例示できる。
また、Xがオキシ基、mが2であるスルフィド化合物においては、Rが炭素数1〜6のアルキレン基、Rが酸素原子を有していてもよい炭素数1〜10のアルキレン基、Rが水素原子であり、nは0又は1(ただし、2つの環状スルフィド構造のうち少なくとも一方のnは1である。)である組み合わせが好適である。
このような環状スルフィド化合物としては、ビス(β−エピチオプロピルオキシ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ブタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルオキシ)−2−[〔2−(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシエチル〕オキシ]エタン等が例示できる。
一方、Xがオキシ基、mが3以上であるスルフィド化合物においては、Rが硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜18の炭化水素基、Rが酸素原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、Rが水素原子であり、nが0又は1(ただし、3以上の環状スルフィド構造のうち少なくとも一つのnは1である。)である組み合わせが好適である。
このような環状スルフィド化合物としては、テトラキス(β−エピチオプロピルオキシメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルオキシメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2,4−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3−チアペンタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5−(β−エピチオプロピルオキシメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルオキシエチル)オキシ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルオキシ)−4,7−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン等が例示できる。
さらに、Xがスルフィド基、mが2であるスルフィド化合物においては、Rが炭素数1〜10のアルキレン基、Rが硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、Rが水素原子であり、nが0又は1である組み合わせが好ましい。
このような環状スルフィド化合物としては、ビス(β−エピチオプロピルチオ)メタン、1,2−ビス(β−エピチオプロピルチオ)エタン、1,3−ビス(β−エピチオプロピルチオ)プロパン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ブタン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ペンタン、1,6−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)ヘキサン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕エタン等が例示できる。
また、Xがスルフィド基、mが3以上であるスルフィド化合物においては、Rが硫黄原子を有していてもよい炭素数1〜12の炭化水素基、Rが硫黄原子及び/又はエステル結合を有していてもよい炭素数1〜6のアルキレン基、Rが水素原子であり、nが0又は1である組み合わせが好ましい。
このような環状スルフィド化合物としては、テトラキス(β−エピチオプロピルチオメチル)メタン、1,1,1−トリス(β−エピチオプロピルチオメチル)プロパン、1,5−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3−チアペンタン、1−(β−エピチオプロピルチオ)−2,2−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−4−チアヘキサン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4−(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,8−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6−ジチアオクタン、1,9−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5−(β−エピチオプロピルチオメチル)−5−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,7−ジチアノナン、1,10−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,6−ビス〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオ〕−3,6,9−トリチアデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−4,8−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−3,6,9−トリチアウンデカン、1,11−ビス(β−エピチオプロピルチオ)−5,7−〔(2−β−エピチオプロピルチオエチル)チオメチル〕−3,6,9−トリチアウンデカン、テトラ〔2−(β−エピチオプロピルチオ)アセチルメチル〕メタン、1,1,1−トリ〔2−(β−エピチオプロピルチオ)アセチルメチル〕プロパン、1,1,1−トリ〔2−(β−エピチオプロピルチオメチル)アセチルメチル〕プロパン等が挙げられる。
また、脂肪族環状構造からなる骨格としては、例えば、硫黄原子を有していてもよい脂肪族環状構造からなる骨格や、2つの脂肪族環状構造が2価の基を介して結合してなる骨格を有しているものが好適である。この場合の脂肪族環状構造としてはシクロへキシル基が好ましく、硫黄原子を有する脂肪族環状構造としてはジチアン又はシクロヘキセンスルフィドが好ましく、また2価の基としては炭素数1〜3のアルキレン基又はスルフィド基が好ましい。
このような骨格を有した環状スルフィド化合物としては、以下に示す化合物が例示できる。例えば、上記式(1)において、nが0、すなわちXで表される基を有していない環状スルフィド構造が結合している化合物が挙げられる。このような化合物としては、具体的には、1,2,3,4−テトラエピチオシクロヘキサン、1,2,4,5−テトラエピチオシクロヘキサン、4−エピチオエチル−1,2−エピチオシクロヘキサン、1,1,3,4−テトラ(エピチオエチル)シクロヘキサン、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピル)シクロヘキサン、ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)シクロヘキシル〕スルフィド、ビス〔4−(エピチオエチル)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(エピチオエチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピル)−1,4−ジチアン、4−エピチオエチル−1、2−シクロヘキセンスルフィド4−エポキシ−1、2−シクロヘキセンスルフィド等が例示できる。
また、脂肪族環状構造からなる骨格に上記式(1)においてXがオキシ基、nが0又は1である環状スルフィド構造が結合した環状スルフィド化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキサン、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルオキシメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルオキシエチルオキシメチル)−1,4−ジチアン等が例示できる。
さらに、脂肪族環状構造からなる骨格に上記式(1)においてXがスルフィド基、nが0又は1である環状スルフィド構造が結合した環状スルフィド化合物も同様に好適であり、例えば、1,1,3,4−ビス(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキサン、1,1,3,4−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)シクロヘキサン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)シクロヘキシル〕スルフィド、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオメチル)−1,4−ジチアン、2,5−ビス(β−エピチオプロピルチオエチルチオメチル)−1,4−ジチアン等が例示できる。
またさらに、芳香環を含む骨格としては、芳香環からなる骨格、複数の芳香環が結合してなる骨格、又は2つの芳香環が2価の基を介して結合してなる骨格等が挙げられる。この場合、芳香環としてはベンゼン環が好ましく、複数の芳香環が結合してなる骨格としてはビフェニルが好ましく、2価の基としては、炭素数1〜3のアルキレン基、スルフィド基又はスルフォン基が好ましい。
このような芳香環を含む骨格を有している環状スルフィド化合物としては、例えば、上記式(1)においてnが0すなわちXで表される基を有していない環状スルフィド構造が結合した環状スルフィド化合物が挙げられる。このような化合物としては、1,1,3,4−テトラ(エピチオエチル)ベンゼン、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピル)ベンゼン、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(エピチオエチル)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(β−エピチオプロピル)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(エピチオエチル)ビフェニル、4,4’−ビス(β−エピチオプロピル)ビフェニル等が例示できる。
また、芳香環を含む骨格を有しており、上記式(1)においてXがオキシ基又はスルフィド基、nが0又は1である環状スルフィド構造が結合した環状スルフィド化合物も好適である。このような化合物としては、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルオキシ)ベンゼン、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルオキシメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕メタン、2,2−ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕プロパン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル〕スルフィド、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルチオ)ベンゼン、1,1,3,4−テトラ(β−エピチオプロピルチオメチル)ベンゼン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕メタン、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(β−エピチオプロピルチオ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(β−エピチオプロピルチオ)ビフェニル等が挙げられる。
なお、ホログラム記録材料に用いる環状スルフィド化合物としては、必ずしも上述したような骨格を有しているものでなくてもよく、例えば、上記式(1)で表される環状スルフィド構造同士が結合した化合物であってもよい。このような化合物としては、例えば、ビス(β−エピチオプロピル)エーテルやビス(β−エピチオプロピル)スルフィド等が例示できる。
これらの環状スルフィド構造を有する環状スルフィド化合物は、対応するエポキシ化合物におけるエポキシ基の酸素原子を公知の方法で硫黄原子に置換することにより容易に製造可能である。具体的には、例えば、対応するエポキシ化合物をチオシアン酸塩等で処理して酸素原子を硫黄原子に変換する方法がある。
このようにして製造された環状スルフィド化合物は、ホログラム記録材料として用いる場合に、原料化合物であるエポキシ化合物を少量含んでいても構わない。例えば、原料であるエポキシ化合物が、生成物である環状スルフィド化合物よりも光による重合性が高い場合、環状スルフィド化合物中にエポキシ化合物が少量含まれていることにより、全体の光重合性が高められる場合がある。同様の観点から、環状スルフィド化合物中には、かかる環状スルフィド化合物の原料のエポキシ化合物とは別に、これと異なる構造を有するエポキシ化合物を含有させることもできる。
次に、本発明のホログラム記録材料中に含まれる、上述した環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物(以下、場合により「異屈折率化合物」と略す。)について説明する。
この環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物としては、環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有しており、且つホログラム記録材料として必要な透明性等の特性を有しているものである限り特に制限なく用いることができる。このような化合物としては、アクリル樹脂、フッ素樹脂等の有機材料や、金属酸化物、金属微粒子等の無機材料が例示できる。
光の強弱に対応する屈折率の差をより大きくして更に高い回折効率を得る観点からは、環状スルフィド化合物の重合体と異屈折率化合物との屈折率差は、0.1〜0.5程度であると好ましい。
ここで、上述した環状スルフィド化合物の重合体は、ホログラム記録材料に通常用いられる光重合性モノマーの重合体等に比べて、極めて高い屈折率を有している。従って、この高屈折率の特性を有効に活用する観点からは、異屈折率化合物としては環状スルフィド化合物の重合体よりも小さい屈折率を有する低屈折率化合物を用いると好ましい。環状スルフィド化合物と低屈折率化合物とを組み合わせて用いることで、光の照射により生じる屈折率差を大きくすることができ、ホログラム記録材料の回折効率が更に向上する。
また、記録時の光の照射により生じる環状スルフィド化合物の重合において不可避的に生じる体積変化に起因する干渉縞の変形等の影響を極力小さくする観点から、低屈折率化合物としては無機化合物を用いることが望ましい。無機系の低屈折率化合物を用いる場合、ホログラム記録材料において、環状スルフィド化合物は無機化合物からなる骨格中に広く分散された状態となる。こうなると、重合の際にはこの骨格中でモノマー成分の移動が生じるのに近い状態になるものと考えられ、重合に伴う環状スルフィド化合物の体積変化(収縮)は記録材料において殆ど無視できる程度に抑制される。この結果、記録される干渉縞には重合による体積変化の影響が殆どなく、より正確な記録が可能となる。
かかる低屈折率化合物として使用できる無機化合物としては、例えば、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化ホウ素、酸化ゲルマニウム等の金属酸化物;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ等の窒化物;炭化ケイ素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化タングステン等の炭化物等の誘電体微粒子、Si、Ge等のIV族半導体微粒子;CdS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgS、HgSe等のII−IV族半導体微粒子;GaAs、InP、InSb等のIII−VI族半導体微粒子;金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム、鉄、コバルト、タングステン、モリブデン、ニオブ等の金属微粒子等が例示できる。
これらの異屈折率化合物は、環状スルフィド化合物やその重合体との親和性に優れるものであるとより好ましい。異屈折率化合物が上記成分との親和性が高いという特性を有していると、ホログラム記録材料中でこれらの成分が均一に分散される。こうなると、記録材料における組成のばらつきが生じ難くなり、かかるばらつきに起因して生じる記録誤差が僅かとなって、より正確な記録を行うことが可能となる。しかし、この親和性が高すぎると、上述した環状スルフィド化合物及び異屈折率化合物の移動が生じ難くなるおそれがある。このため、異屈折率化合物の環状スルフィド化合物及びその重合体に対する親和性は、これらの移動が充分に生じ得る範囲で可能な限り高いことが望ましい。
上述したように、ホログラム記録材料において、環状スルフィド化合物と異屈折率化合物との混合は均一になされていると好ましい。このためには、異屈折率化合物の粒径は可能な限り小さいことが望まれる。実用的には、100nm以下の粒径が好ましく、50nm以下の粒径がより好ましい。こうすると、環状スルフィド化合物と異屈折率化合物との均一な混合が可能になって、記録材料中の組成のむらが低減されるとともに、重合時における環状スルフィド化合物及び異屈折率化合物の移動が生じやすくなる。これにより、さらに正確に干渉縞を記録することが可能となる。
上述の特性を満たした異屈折率化合物としては、有機材料としてはフッ素樹脂が好ましく、無機材料としては酸化ケイ素が好ましい。これらは、記録用の光に対して高い透明性を有しているという特性も併せて有しており、より容易にホログラム記録を行うことを可能にする。
次に、本発明のホログラム記録材料に含まれる光アニオン重合開始剤について説明する。
光アニオン重合開始剤とは、光の照射により上述の環状スルフィド化合物の重合を促進させるアニオン性の活性種を生じ得る成分であり、例えば、光を照射されて塩基を発生する光塩基発生剤が例示できる。この光塩基発生剤としては、非イオン性の塩基を生じる非イオン性光塩基発生剤やイオン性の塩基を生じるイオン性光塩基発生剤のどちらも好ましく用いることができる。
まず、非イオン性光塩基発生剤としては、光の照射によりアミンを生じ得る化合物が好ましく、このような化合物としては、アシルオキシム、カルバモイルオキシム、カルバミン酸誘導体、フォルムアミド等が例示できる。
具体的には、アシルオキシムとしては、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005084262
式中、R31、R32及びR33はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基を示す。より具体的には、R31がフェニル基、R32がメチル基及びR33がフェニル基である組み合わせや、R31がベンジル基、R32がメチル基及びR33が−C10で表される基である組み合わせを有するアシルオキシムが好適である。
また、カルバモイルオキシムとしては、下記式(4)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005084262
式中、R31、R32及びR33は上記と同義である。かかるカルバモイルオキシムとしては、R31がフェニル基、R32がメチル基及びR33がフェニル基である組み合わせや、R31がシクロヘキシル基、R32及びR33がフェニル基である組み合わせ、R31がシクロヘキシル基、R32がフェニル基及びR33がメチル基である組み合わせのものが特に好ましい。
さらに、カルバミン酸誘導体としては、下記式(5a)〜(5c)で表される化合物が好ましく、またフォルムアミドとしては、下記式(6)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005084262

Figure 2005084262
これらの光アニオン重合開始剤に加えて、熱によりアミンを生じる化合物を組み合わせると、塩基の生成量が大幅に向上し、重合効率を更に高めることが可能となる。このような熱によりアミンを生じる化合物としては、下記式(7a)又は(7b)で表される化合物が例示できる。
Figure 2005084262
一方、イオン性光塩基発生剤としても、光の照射によりアミンを生じ得る化合物が好ましい。このようなイオン性光塩基発生剤としては、下記式(8a)〜(8d)で表される化合物が挙げられる。

Figure 2005084262
式(8d)中、R81は、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基、YはBr又は(CHNC(=S)Sで表される基を示す。ここで、R81としては、フェニル基又はC10で表される基がより好ましい。
このような光アニオン重合開始剤により開始される反応の種類としては、光架橋反応や光重合反応等があるが、用いる光アニオン重合開始剤を適宜選択することによって環状スルフィド化合物が生じ得る反応を制御することができる。例えば、光架橋反応を生じさせる場合、光の照射により水酸基を生じる下記式(9a)又は(9b)で表される化合物や、1,6−ジメチルピペリジンを生じる下記式(10)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2005084262

Figure 2005084262
一方、光重合反応を生じさせる場合、下記式(11a)〜(11e)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2005084262
上記式中、acacはアセチルアセトネート、Anはアントラセン、Mはクロム又はタングステン、Lはピロリジン又はビニルピリジンを示す。これらの化合物は、光の照射によりNCS、acac、CCOO、ピリジン及びピリジン誘導体等のアニオン活性種を出し、これらが環状スルフィド化合物の重合を促進するものと考えられる。但し、メカニズムはこれらに限定されない。
また、光アニオン重合開始剤としては、上述の低分子の化合物に限定されず、高分子の光アニオン重合開始剤を用いることができる。このような高分子光アニオン重合開始剤としては、低分子光アニオン重合開始剤であるアシルオキシムやカルバモイルオキシムからなる構造単位であるアシルオキシイミノ基やカルバモイルオキシイミノ基を組み込んだ高分子化合物が挙げられる。具体的には、例えば下記式(12a)〜(12c)で表される化合物が例示できる。
Figure 2005084262
式中、R121、R122及びR123はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基を示す。R122及びR123としては、メチル基又はフェニル基が特に好ましい。このような高分子光アニオン重合開始剤は単独でも重合開始剤としての機能を有しているが、1,4−ベンゾキノン、1,4−ナフトキノン等のキノン類を組み合わせて添加すると、これらの架橋反応が生じて、更に環状スルフィド化合物の重合性が向上する場合がある。
このような高分子光アニオン重合開始剤として、下記式(13)で表されるような、光により塩基を発生する構造単位及び光により酸を発生する構造単位の両方を分子内に有しているような開始剤を用いることもできる。かかる開始剤は、溶媒に対する溶解性を制御する必要がある場合等において好適に用いることができる。
Figure 2005084262
また、2種以上の化合物を組み合わせて用いることにより光アニオン重合開始剤として機能することができる化合物を開始剤として用いることもできる。このような組み合わせとしては、例えば、下記式(14a)と下記式(14b)との組み合わせが例示できる。
Figure 2005084262
本発明のホログラム記録材料は、上述した(A)環状スルフィド化合物、(B)環状スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物(異屈折率化合物)、及び(C)光アニオン重合開始剤を必須成分として有している。この記録材料においては、これらの(A)、(B)、及び(C)の各成分は、以下に示す割合で配合されていることが望ましい。すなわち、(A)成分は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは10〜80質量部程度含有させる。また、(B)成分は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは10〜80質量部程度含有させる。さらに、(C)成分は、(A)成分及び(B)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.05〜20質量部程度含有させる。(A)〜(C)の各成分がこのような配合比であると、記録時に組成の差を大きく生じさせることができ、より高い回折効率が得られるようになる。
また、本発明のホログラム記録材料は、上述の必須成分に加えて、ホログラムの記録に影響しない程度に他の成分を含有するものであってもよい。このような他の成分としては、例えば、光による環状スルフィド化合物の重合を促進する増感剤等が挙げられる。かかる増感剤としては、例えば、チオピリリウム塩系色素、メロシアニン系色素、キノリン系色素、スチリルキノリン系色素、ケトクマリン系色素、チオキサンテン系色素、キサンテン系色素、オキソノール系色素、シアニン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム塩系色素等の色素が例示できる。これらの増感剤としては、ホログラム記録後に所定の処理を施すことによって無色となり得るものが特に望ましい。
さらに、他の成分として、例えばホログラム記録材料からなる膜を形成させる場合には、かかる膜の強度を向上させることを目的としてアクリル樹脂等のバインダーを含有することもできる。
次に、本発明によるホログラム記録媒体について説明する。図1は、本発明のホログラム記録媒体を模式的に示す断面図である。ホログラム記録媒体100は、基体20と、この基体上に形成された本発明のホログラム記録材料からなる記録層40と、この基体上に形成され、記録層を保護するための保護層60とを備えている。なお、ホログラム記録媒体100は、必ずしも保護層60を有している必要はなく、基体20及び記録層40からなる2層構造のものも本発明のホログラム記録媒体に含まれる。
このホログラム記録媒体に用いられる基体20又は保護層60は、ホログラム記録に用いる光に対する透明性を有している材料から形成されるものであれば特に制限はない。このような透明基材としては、例えば、ガラス基板、アクリル板、ポリカーボネート板の板状の基材や、ポリエチレンフィルム、ポリナフタレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のフィルム上の基材等が挙げられる。なお、ホログラム記録媒体100の一方面からの記録を行う限りにおいては、基体20及び保護層60の両方がこれらの透明基材からなることは必ずしも必須の要件ではなく、どちらか一方が透明性を有していればホログラム記録を行うことができる。
このホログラム記録媒体100は、例えば、基体20上に記録層40を形成させた後に、記録層40上に保護層60を被着させる方法により製造することができる。基体20上に本発明のホログラム記録材料からなる記録層40を形成させる方法としては、各成分を所定の配合量で混合して所定の溶媒に溶解又は分散させた溶液を基体20上に滴下するか、又はスピンコーター、ロールコーター、バーコーター等の公知の手段により基体20上に塗布した後、加熱等により溶媒を除去する方法が例示できる。また、基体20及び保護層60を平行平板として用いた押型内に、ホログラム記録材料を含む溶液を充填した後、圧着接合することにより基体20及び保護層60間に記録層40を形成させる方法によっても、ホログラム記録媒体100の製造が可能である。
上述した構成を有するホログラム記録材料又はホログラム記録媒体100は、以下のようにしてホログラムの記録を行うことができる。すなわち、まず、記録するべき情報を有している光(物体光)と、情報を有していない光(参照光)とを、それぞれ異なる角度からホログラム記録材料の同一位置に照射する。この物体光及び参照光が照射されると、記録材料はその照射部位において環状スルフィド化合物の重合反応を生じる。こうなると、かかる重合反応によって消費された環状スルフィド化合物のモノマー成分を補填するため、光の強度がより弱い周辺の部位から重合反応が生じている部位にモノマー成分の拡散・移動が生じるようになる。また、これと同時に、異屈折率化合物は、モノマー成分の移動に伴って重合反応が生じている部位から押し出され、光の強度がより弱い部位へと移動する。
このような拡散・移動によって、記録材料には、照射された光の強弱に対応して環状スルフィド化合物の重合体が高濃度で存在する領域と、異屈折率化合物が高濃度で存在する領域とが形成され、これらの領域間で組成の差が生じるようになる。ここで、物体光及び参照光が照射された部位においては、この2つの光が干渉することによって干渉縞が形成されている。従って、それぞれの領域間における組成の差は干渉縞による光の強弱に対応したものとなる。こうなると、環状スルフィド化合物の重合体と異屈折率化合物とは互いに異なる屈折率を有していることから、ホログラム記録材料には、干渉縞による光の強弱に対応して生じた組成の差に基づいて、各領域間で屈折率の差が形成される。こうして干渉縞は記録材料に生じた屈折率差として記録される。
ホログラム記録媒体100には、このようにして干渉縞が記録され、所定の情報が記録されたホログラム記録媒体が得られる。この記録後のホログラム記録媒体は、基体及びこの基体上に形成されたホログラム記録層から構成されている。かかる記録媒体におけるホログラム記録層は、環状のスルフィド構造を有するスルフィド化合物を、光アニオン重合開始剤の存在下で光を照射することにより重合させてなる重合体、及び、この重合体と異なる屈折率を有する化合物を含有している。そして、かかる記録層においては、環状スルフィド化合物の重合体と異屈折率化合物との組成比に所定の分布が生じており、上述したように、この組成比の所定の分布によって干渉縞が記録されている。
こうしてホログラム記録媒体に記録された情報は、記録時に用いた参照光と同一の光をホログラム照射して、この照射した光をホログラムによって回折させ、これによりもとの情報を有している光を再生することによって読み出すことができる。
このような構成を有する本発明のホログラム記録材料及びホログラム記録媒体によれば、以下に示すような作用及び効果が得られる。すなわち、本発明のホログラム記録材料における環状スルフィド化合物は、光アニオン重合開始剤の存在により効率よく重合反応を生じるものであるため、光の強度変化に対応して重合率も大きく変化し、これに伴う各成分の移動量も多くなる。その結果、干渉縞に対応して生じる組成の差が非常にはっきりしたものとなり、これにより干渉縞を記録しているホログラム記録材料における屈折率差も大きくなって、極めて高い回折効率が得られるようになる。
また、環状スルフィド化合物は、従来ホログラム記録材料に用いられる光重合性モノマーに比して、重合前及び重合後の双方において高い屈折率を有している。従って、この環状スルフィド化合物と、これよりも低い屈折率を有する低屈折率化合物を用いると、干渉縞の明暗に対応する屈折率差も極めて大きくなり、より高精度に干渉縞の記録を行うことが可能となる。
さらに、低屈折材料として無機化合物を用いると、記録時(重合時)に生じる環状スルフィド化合物の体積変化の影響が、記録材料全体としては殆ど無視できる程度となる。この結果、干渉縞を正確に記録材料に記録することが可能になり、これに伴って再生時に生じるデータの劣化等も大幅に低減される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ホログラム記録媒体の作成]
(実施例1)
環状スルフィド化合物である2,2−ビス[4−(β−エピチオプロピルオキシ)フェニル]プロパン(下記式(15a)で表される化合物)100重量部、環状スルフィド化合物と異なる屈折率を有する化合物であるオルガノシリカゾル(30wt%イソプロパノール溶液、OSCAL1432、触媒化成社製)300重量部、光アニオン重合開始剤であるカルバミン酸誘導体(NBC−101、みどり化学社製;上記式(5a)で表される化合物)5重量部、及び、増感色素である3,3’−カルバミルビス−7−ジエチルアミノクマリン(下記式(15b)で表される化合物)1重量部を、テトラヒドロフラン100重量部に溶解させた。
Figure 2005084262
次に、この溶液を、両端に厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが張られたスライドガラスにおけるフィルムが張られていない中央部に滴下した後、減圧下で24時間乾燥させ、上述の溶液から溶媒が除去された組成物からなる記録層を形成し、スライドガラス上に記録層を備えるホログラム記録媒体を作製した。
(比較例1)
光アニオン重合開始剤に代えて光カチオン重合開始剤であるジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート系化合物(BBI−103、みどり化学社製)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてホログラム記録媒体を作製した。
(比較例2)
環状スルフィド化合物に代えて光重合性のモノマーである2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートを用い、光アニオン重合開始剤に代えて、光ラジカル重合開始剤である3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体を作製した。
(比較例3)
環状スルフィド化合物に代えて光重合性のモノマーである2,2−ビス−[4−(2,3−エポキシ−プロポキシ)−フェニル]プロパンを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてホログラム記録媒体を作製した。
[ホログラムの記録]
実施例1及び比較例1〜3で得られたホログラム記録媒体に2光束干渉露光を行い、記録媒体における記録材料にホログラムを記録させた。図2は、ホログラムの記録及び再生に用いた露光装置を示す概略図である。この2光束干渉露光においては、露光装置1の光源2としてdoubled−YAGレーザ(λ=532nm)を用い、露光パワー5mW/cmで出射されたレーザ光を、ビームエキスパンダ4を通した後、ハーフミラー6により2本に分割して、更にそれぞれのレーザ光をミラー8及び10に反射させてホログラム記録媒体12の同一個所に照射し、この2本にレーザ光により生じた干渉縞を記録材料に記録した。なお、このとき、露光装置1の減光フィルタ16及びシャッタ18は開放した状態(減光フィルタ16は16bの位置に配置された状態)で露光を行った。
[回折効率の測定]
上述の方法でホログラムが記録された実施例1及び比較例1〜3のホログラム記録媒体に、記録時に用いた露光装置1を用い、減光フィルタ16及びシャッタ18を閉じた状態(減光フィルタ16は16aの位置に配置された状態)で、レーザ光を記録媒体に照射してホログラムを再生し、このときの回折光を光検出器14で検出して、各記録媒体の回折効率を測定した。
図3は、実施例1及び比較例1〜3の記録媒体により得られた回折効率を示す棒グラフである。図3より、環状スルフィド化合物及び光アニオン重合開始剤を組み合わせて用いた実施例1のホログラム記録媒体によれば、比較例1〜3の記録媒体に比して高い回折効率が得られることが判明した。
本発明のホログラム記録媒体を模式的に示す断面図である。 ホログラムの記録及び再生に用いた露光装置を示す概略図である。 実施例1及び比較例1〜3の記録媒体により得られた回折効率を示す棒グラフである。

Claims (8)

  1. 環状スルフィド構造を有するスルフィド化合物、該スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び、光アニオン重合開始剤を含有することを特徴とするホログラム記録材料。
  2. 前記スルフィド化合物が、1つ以上の硫黄原子を有する3〜6員環構造を有するスルフィド化合物であることを特徴とする請求項1記載のホログラム記録材料。
  3. 前記スルフィド化合物が、チイラン環構造を有するスルフィド化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載のホログラム記録材料。
  4. 前記スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物が、前記スルフィド化合物の重合体よりも小さい屈折率を有する化合物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  5. 前記スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物が、前記スルフィド化合物の重合体よりも小さい屈折率を有する無機化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  6. 前記光アニオン重合開始剤が、光の照射により塩基を発生する光塩基発生剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のホログラム記録材料。
  7. 基体と、
    環状のスルフィド構造を有するスルフィド化合物、該スルフィド化合物の重合体と異なる屈折率を有する化合物、及び、光アニオン重合開始剤を含有してなるホログラム記録材料からなり、前記基体上に形成された記録層と、を備えることを特徴とするホログラム記録媒体。
  8. 基体と、該基体上に形成されており干渉縞が記録されたホログラム記録層と、を備えるホログラム記録媒体であって、
    前記ホログラム記録層は、環状のスルフィド構造を有するスルフィド化合物を、光アニオン重合開始剤の存在下で光を照射することにより重合させてなる重合体、及び、該重合体と異なる屈折率を有する化合物を含有していることを特徴とするホログラム記録媒体。
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