JP2005084003A - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 正確な車体速に基づいて、4輪車両における各車輪の空気圧低下判定閾値が切り換えられるようなタイヤ空気圧低下検知装置を提供する。
【解決手段】 空気圧検知装置1は、各車輪速センサS(SFR,SFL,SRR,SRL)で検出された各車輪速(VwFR,VwFL,VwRR,VwRL)を入力し、右前車輪及び左前車輪の車輪速差と右後車輪及び左後車輪の車輪速差との偏差を算出する。このとき、適正な空気圧の動荷重半径と空気圧低下を検知すべき動荷重半径との差は車体速によって異なるので、空気圧検知装置1は、その差に対応する車輪速の偏差が、車体速測定装置2から入力された車体速Vvに応じた空気圧低下判定閾値を超えたか否かによってタイヤの空気圧低下を判定する。なお、車体速測定装置2は、ホイールベースWBを右前車輪WFRが所定地点を踏んだ時刻と右後車輪WRRが同地点を踏んだ時刻との時間差で割って車体速度Vvを算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、四輪車両におけるタイヤの空気圧状態を検知するタイヤ空気圧検知装置に関し、特に、車両の走行速度に応じて適正にタイヤの空気圧低下を検知するタイヤ空気圧検知装置に関する。
従来より、ブレーキロック防止システム(Anti-lock Brake System、以下、ABSという)の車輪速センサが検出する各車輪の回転速度(以下、車輪速という)の和又は差によってタイヤの空気圧低下を検知することができるタイヤ空気圧検知装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、空気圧の低下した車輪はタイヤの径、すなわち、動荷重半径(Dynamic Load Radius、以下、DLRという)が小さくなるので他の車輪より速く回転するという現象を利用してタイヤの空気圧低下を検知するものである。このようなタイヤ空気圧検知装置によれば、各車輪に備えられた車輪速センサから得られる車輪速の和又は差を算出することによって、走行しながらタイヤの空気圧低下を検知することが可能である。例えば、四輪車両における4つのタイヤのうちの対角線上にある1対のタイヤの回転角速度の和と、他の1対のタイヤの回転角速度の和との比からタイヤの空気圧低下を検知するものや、右前車輪及び左前車輪の車輪速差と右後車輪及び左後車輪の車輪速差との偏差(以下、ΔVwという)からタイヤの空気圧低下を検知するものなどが知られている。
このようなABS方式によるタイヤ空気圧検知装置は、例えば、車輪速の偏差ΔVwが所定の空気圧低下判定閾値(以下、単に閾値ともいう)を超えたか否かを検知することによって、タイヤの空気圧低下を間接的に検知しているのであり、間接式空気圧検知装置と呼ばれている。この閾値は、正常な空気圧の車輪のDLRと、空気圧低下を検知すべき車輪のDLRの基準値(正常な空気圧のDLRより小さい)との差に対応する車輪速差である。
また、このような間接式空気圧検知装置においては、車輪速が高くなると、同じ空気圧であっても、タイヤ内部の空気温度の上昇や遠心力の増加などによってタイヤが膨張してDLRが増加する。そこで、偏差ΔVwが所定の閾値を超えたか否かを検知することによるタイヤの空気圧低下の判定を高精度かつ短時間で行うためには、車輪速の変化によるDLRの変動分(以下、ΔDLRという)を排除するように偏差ΔVwの閾値を補正する必要がある。そのため、四輪の各車輪に対して、それぞれの車輪の車輪速に応じてその閾値を変えることができるような設定が行われている。
このようにして、各車輪の車輪速の変化に応じて閾値の補正を行うことにより、車輪の車輪速の変化によるΔDLRを排除し、各車輪の車輪速の変化に関わらず常に正確な偏差ΔVwの閾値によって空気圧低下の判定を行っている。すなわち、車輪速が高くなるとΔDLRが減少するので、その分だけ偏差ΔVwの閾値を小さくするような補正を行っている。車輪の車輪速が所定値以上の範囲においては、タイヤの空気圧が30%〜50%ぐらい低下してもΔDLRは0.2%ぐらいであるので、車輪速の変化によるΔDLRを補償するための偏差ΔVwの閾値の設定はかなり高精度に行う必要がある。
また、車両の速度(以下、車体速という)を検出する場合は、4輪車輪のうちいずれかの車輪速、例えば最も高い車輪速を車体速として検出し、その検出した車輪速が所定値以上になったときに、偏差ΔVwの閾値を切り換えている。このようにして、車輪速に応じて閾値を変えることによって、車体速の変化によるΔDLRを除去している。また、駆動輪側の2つの車輪速の平均値を車体速として検出し、その検出した車輪速の平均値が所定値以上になったら4輪車輪のそれぞれの閾値を切り換える方法も行われている。車輪速に応じてタイヤ空気圧低下の判定値を補正する例が、特許文献2に開示されている。
特開平6−92114号公報(請求項1、段落番号0019〜0040、図1〜8) 特開平7−125512号公報(段落番号0023〜0030、図4、5)
しかしながら、前記従来のタイヤ空気圧検知装置による閾値の切換え方法は、いずれかの車輪速によって車体速を推定するか、又は二つの駆動輪の車輪速の平均値によって車体速を推定しているので、正確な車体速に基づいて閾値の切り換えを行うことはできない。つまり、いずれかの一輪の車輪速、又は二つの駆動輪の平均車輪速を車体速と見なして、偏差ΔVwの閾値を切り換えるための車体速の切換タイミングとしているので、正確な車体速による閾値の切換タイミングとはいえない。
また、4輪のそれぞれの車輪速を検知しながら最も高い車輪速を車体速として検出する方法では、車輪速を比較判定するための処理回路が複雑になるなど、車両全体をコストアップさせる要因となる。更に、2つの駆動輪の車輪速の平均値によって車体速を推定する方法では、例えば、駆動輪の一方の車輪がパンクしたときなどのように左右両輪のDLRの大きさが極端に異なる場合は、パンクした車輪(つまり、DLRが小さく、車輪速が高い車輪)のDLRに大きく依存されてしまって正しい車体速を検出することができない。つまり、実際の車体速から大きくかけ離れた速度を車体速として検出してしまうことになる。
また、4輪のそれぞれの車輪速を検知して何れかの車輪の車輪速を車体速とする方法では、4輪の車輪速が大きくばらついているときに、閾値を切り換える車体速の境界値付近に4輪の車輪速が分布すると、偏差ΔVwの閾値を補正するために選択する車体速が安定しないために、空気圧低下を検知する警報が断続的に鳴動するようなハンチング現象を起こす要因となる。例えば、車体速100km/hを閾値の切換タイミングとする場合、左前輪が85km/h、右前輪が90km/h、左後輪が95km/h、右後輪が100km/h、というように4輪の車輪速が大きくばらついていると、閾値を切り換えたり切り換えなかったりというような閾値切換タイミングのハンチング現象が発生する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、正確な車体速に基づいて4輪車両における各車輪の空気圧低下判定閾値が切り換えられるようなタイヤ空気圧低下検知装置を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、請求項1に記載のタイヤ空気圧低下検知装置は、四輪車両における各タイヤの空気圧低下を検知するタイヤ空気圧検知装置であって、四輪車両における前輪及び後輪の間の距離として用いる基準長を予め記憶し、前輪が路面の所定位置を通過した時刻と後輪が所定位置を通過した時刻との時間差を測定し、基準長と時間差とに基づいて四輪車両の車体速を測定する車体速測定手段と、各車輪に備えられた車輪速センサにより取得した車輪速から右前車輪及び左前車輪の車輪速差と右後車輪及び左後車輪の車輪速差との偏差を算出する偏差算出手段と、車体速測定手段が測定した車体速に応じて、空気圧低下を検知する基準となる偏差の閾値を設定する閾値設定手段と、偏差と閾値とを比較することによって各タイヤの空気圧低下を検知する空気圧検知手段とを備えたことを特徴とする。
すなわち、車輪速が高くなるとタイヤ内部の空気温度の上昇や遠心力の増加などによってタイヤが膨張してDLRが増加する。そこで、タイヤの空気圧低下の判定を高精度に行うためには、車輪速の変化によるタイヤのDLRの変動分ΔDLRを排除するように車輪速から算出する偏差の閾値を補正する必要がある。言い換えれば、タイヤのDLRは、同じ空気圧であっても車輪速、つまり車体速によって異なった値となる。そこで、本発明では、正確な車体速を測定し、その測定した車体速に応じて車輪速の偏差を比較判定するための空気圧低下判定閾値を切り換えている。これによって、車体速の変化に関わらず常に一定の空気圧で空気圧低下を判定することができる。具体的には、前輪と後輪との間の距離として用いる基準長(例えば、ホイールベース)を、前輪が所定地点を踏んだタイミングと後輪が同一の所定地点を踏んだタイミングとの時間差で割って車体速を求め、この車体速に応じて空気圧低下判定閾値を変えている。これによって、車両ごとに一つの車体速によって空気圧低下判定閾値を切り換えることができる。
なお、特許請求の範囲における「偏差算出手段」、「閾値設定手段」及び「空気圧検知手段」は、後記する実施の形態において、「空気圧検知装置」としてまとめて説明する。
請求項2に記載のタイヤ空気圧低下検知装置は、空気圧検知手段が、車体速が高くなるほど、偏差の閾値を小さくすることを特徴とする。
すなわち、車体速が高くなると(つまり、車輪速が高くなると)、タイヤ内部の空気温度の上昇や遠心力の増加などによってタイヤが膨張してDLRが増加する。このDLRの増加は、空気圧が低いほど顕著になり、これによって、適正な空気圧のDLRと空気圧が低下しているDLRとの差が減少する。そこで、車体速が高くなるにしたがって偏差の空気圧低下判定閾値を小さくすれば、車体速の変化によるΔDLRを排除するように偏差の空気圧低下判定閾値を補正することができる。よって、車体速の変化に関わらず常に一定の空気圧で空気圧低下を判定することができる。
請求項3に記載のタイヤ空気圧低下検知装置は、車体速測定手段が、時間差として、前輪が路面の所定位置を通過することによって前輪に振動パルスが発生した時刻と、後輪が所定位置を通過することによって後輪に振動パルスが発生した時刻との時間差を測定することを特徴とする。
すなわち、本発明のタイヤ空気圧低下検知装置によれば、前輪側のセンサが路面の段差やバンプ(路面の凹凸)によって変動する振動パルスを検出し、更に、後輪側のセンサが路面の段差やバンプによって変動する振動パルスを検出している。このとき、前輪側の路面の検出値の振動パルスと後輪側の路面の検出値の振動パルスとは、同じ段差やバンプによって発生したものである。したがって、前輪側の振動パルスと後輪側の振動パルスをパターンマッチングさせて両者が一致したパターンの間の時間差を求め、この時間差と予め記憶しておいた車両の基準長(例えば、前輪と後輪との間の距離であるホイールベース)とによって車体速を求めれば、正確な車体速を算出することができる。
本発明のタイヤ空気圧低下検知装置によれば、予め記憶されている基準長を、前輪が路面のある位置を踏んだタイミングと後輪が路面の同一位置を踏んだタイミングとの時間差で割って車体速を求めている。そして、この車体速に応じて空気圧低下判定閾値を切り換えている。このようにして、車両ごとに一つの車体速のタイミングによって四輪の空気圧低下判定閾値を一括して切り換えることにより、タイヤ空気圧低下検知装置の演算回路の処理負担を軽減させることができるので、タイヤ空気圧低下検知装置の回路を簡素化してコストダウンを図ることができる。また、四輪の各車輪速に依存しない車体速によって空気圧低下判定閾値を切り換えることにより、四輪の全てに対して空気圧低下判定閾値の切り換えタイミングを一致させることができるので、タイヤの空気圧低下判定をスムーズに行うことができる。更に、車両ごとに一つの車体速を用いて空気圧低下判定閾値の切り換えタイミングとすれば、四輪の何れの車輪速にも偏らないで閾値の補正を行うことができるので、極めて正確にタイヤの空気圧低下を判定することができる。
≪タイヤ空気圧検知装置の概要≫
まず、本発明におけるタイヤ空気圧検知装置の概要について説明する。本発明におけるタイヤ空気圧検知装置は、四輪車両において、ブレーキロック防止システム(ABS)に用いられている車輪速センサを利用してタイヤの空気圧低下を検知するシステムとなっている。尚、このようなシステムをABS方式のタイヤ空気圧監視システム(Tire Pressure Monitoring System、以下、TPMSという)という。このようなTPMSにおいて、前記背景技術で説明した各車輪速から算出する偏差ΔVwの空気圧低下判定閾値(以下、単に閾値ともいう)の切換タイミングを、四輪車両に固有な一つの車体速によって決定するように構成されている。つまり、車体速の変化によって生じる動荷重半径(DLR)の変動分(ΔDLR)を補償するために、車輪速の偏差ΔVwの閾値を、従来のように四輪車輪のうちの何れかの車輪速や平均車輪速のタイミングによって切り換えるのではなく、車体速によって切り換えるように構成したことを特徴としている。このようにして、四輪の何れの車輪速にも偏らない車体速のタイミングで偏差ΔVwの閾値を切り換えれば、タイヤの空気圧低下判定閾値を一つの車体速のタイミングで切り換えることができると共に、空気圧低下の検出精度を向上させることができる。また、空気圧低下の判定時間を短縮することもできる。
≪タイヤ空気圧検知装置を備えた車両の構成≫
以下、図面を用いて、本発明におけるタイヤ空気圧検知装置の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧検知装置を搭載した車両のシステム構成図である。図1に示すように、車両Cは、FRONT(前)を上部にして、右前車輪WFR、左前車輪WFL、右後車輪WRR及び左後車輪WRLの4つの車輪を有する四輪車両である。また、各車輪(WFR,WFL,WRR,WRL)にはそれぞれ対応した車輪速センサS(SFR,SFL,SRR,SRL)が備えられている。これらの4個の車輪速センサSはABS用に設けられたセンサであるが、ABSは周知の技術であるのでその説明は省略する。なお、以下の説明では、各符号に添えられるFRは右前車輪、FLは左前車輪、RRは右後車輪、RLは左後車輪を示す添字としての意味を有しているものとする。
更に、車両Cには、各車輪速センサS(SFR,SFL,SRR,SRL)が検出したそれぞれの車輪(WFR,WFL,WRR,WRL)の車輪速(VwFR,VwFL,VwRR,VwRL)に基づいてタイヤの空気圧低下を検知する空気圧検知装置(空気圧検知手段)1と、右側前後輪(WFR,WRR)の各車輪速(VwFR,VwRR)及び右前車輪(WFR)から右後車輪(WRR)までの距離であるホイールベースWBに基づいてDLRの変化に影響されない車体速Vvを測定する車体速測定装置(車体速測定手段)2とが搭載されている。
各車輪速センサS(SFR,SFL,SRR,SRL)は、例えば、ホール素子などを用いて車輪速パルスを生成する一般的なセンサであり、それぞれ対応する車輪(WFR,WFL,WRR,WRL)の車輪速パルスを、右前輪車輪速VwFR、左前輪車輪速VwFL、右後輪車輪速VwRR及び左後輪車輪速VwRLとして検出して空気圧検知装置1へ送信している。また、右前車輪WFRと右後車輪WRRの車輪速パルスは、右前輪車輪速VwFR及び右後輪車輪速VwRRとして車体速測定装置2へ送信されている。尚、車体速測定装置2の詳細な説明は後記する。
各車輪速センサSが生成して空気圧検知装置1へ送信する車輪速パルスは、車輪速が速くなるほど単位時間当たりのパルス数が多くなり、車輪速が遅くなるほど単位時間当たりのパルス数が少なくなる。一般的には、この車輪速パルスに基づいて車輪速や車体速を測定するが、車輪速パルスから得られる車輪速は、タイヤの空気圧が低いほど、DLRが小さくなるために高くなる。前記のようにABSを搭載した車両Cは、通常、各車輪ごとに前記のような車輪速センサSを有しているので、本発明に適用されるタイヤ空気圧検知装置ではこれらの車輪速センサSを流用している。
空気圧検知装置1は、図示しないマイコン(マイクロコンピュータ)及び周辺回路から構成され、マイコンが、ROM(Read Only Memory)に書き込まれたプログラムを読み出し、このプログラムの各モジュールを実行することによって、タイヤの空気圧低下を検知する機能を実現している。また、空気圧検知装置1は、タイヤの空気圧低下を検知するために、各種信号・情報・指令などを入出力する入出力ポート、アナログ信号をデジタル信号に変換してマイコンでデジタル処理するための図示しないAD(Analog Digital)変換器などを有する。
≪空気圧検知装置の動作≫
前記のように構成された空気圧検知装置1は、各車輪速センサS(SFR,SFL,SRR,SRL)によって検出された右前輪車輪速VwFR、左前輪車輪速VwFL、右後輪車輪速VwRR及び左後輪車輪速VwRLを入力する。そして、タイヤの空気圧とDLRと車輪速とが一定の関係を持つことにより、各車輪の車輪速(VwFR,VwFL,VwRR,VwRL)から、右前車輪及び左前車輪の車輪速差と右後車輪及び左後車輪の車輪速差との偏差ΔVwを算出する。更に、空気圧検知装置1は、算出された偏差ΔVwが、車体速測定装置2から入力された車体速Vvに対応した空気圧低下判定閾値を超えたか否かによって、タイヤの空気圧低下の判定を行う。
ここで、車体速Vvに対応して空気圧低下を判定するための偏差ΔVwの閾値を変える理由を説明する。尚、以下の説明では、理解を容易にするために車体速Vvを車輪速Vwに置き換えて説明する。図2は、タイヤ空気圧Pをパラメータとしたときの、車輪速VwとDLRとの関係を示す特性図である。図2において、横軸に車輪速Vw、縦軸にDLRをとったとき、車輪速Vwが所定の車輪速Vwch(例えば、120km/h)以下のときは、DLRは各タイヤ空気圧Pごとに一定の値である。すなわち、ある車輪のタイヤ空気圧Pの大きさをP4>P3>P2>P1とし、P4を最も適正なタイヤ空気圧であるとすると(つまり、DLR4を最も適正なDLRとすると)、タイヤ空気圧Pが低下するにしたがって(つまり、タイヤ空気圧がP4→P3→P2→P1と低下するにしたがって)、DLRはDLR4→DLR3→DLR2→DLR1というように小さくなる。ここで、タイヤ空気圧低下を判定する基準値DLREが設定されているとすると、DLRがDLRE以下に下がったとき(つまり、タイヤ空気圧PがPE以下に下がったとき)にそのタイヤの空気圧低下を検知するべきである。
このとき、具体的には、Δdlr1(=DLR4−DLRE)に対応する車輪速の偏差ΔVwを閾値として持っていて、そのときの偏差ΔVwが閾値を超えれば、空気圧低下を検知する。
しかし、図2に示すように、車輪速Vwが所定の車輪速Vwch(例えば、120km/h)以上になると、タイヤ内部の空気温度の上昇や遠心力の増加などによってタイヤが膨張してDLRが増加する。特に、タイヤ空気圧Pが低いほどDLRが大きく増加する。このため、車輪速VwがVwch以上の場合に、Δdlr1に対応する偏差ΔVwを閾値としてタイヤの空気圧低下を判定すると、タイヤ空気圧PがPE以下になったときでもタイヤの空気圧低下を検知しないことがある。つまり、車輪速Vwが高くなるほどタイヤ空気圧Pが低下しても、適正なDLRとそのときのDLRとの差Δdlr(つまり、タイヤのつぶれ度合)が、例えば、Δdlr2のように小さくなるので、正確にタイヤの空気圧低下を判定するためには、車輪速Vwが高くなったときには偏差ΔVwの閾値を、例えば、Δdlr2に対応するように小さく設定する必要がある。以上の例では車輪速Vwを高くした場合について説明したが、車体速Vvを高くした場合でも車輪速Vwが高くなるので同様の現象が発生する。
図3は、車体速Vvに応じて閾値を切り換える概念を示す特性図である。図3では、横軸にタイヤ空気圧P、縦軸にΔdlrを示し、車体速Vvをパラメータとしている。尚、縦軸のΔdlrは、タイヤの空気圧低下を検知する偏差ΔVwの閾値に対応する、適正な空気圧のDLRと実際のDLRとの差を示している。つまり、特性カーブ(a)に示すような車体速Vvが120km/h以下のときのタイヤ空気圧Pに対するΔDLRの特性では、タイヤ空気圧PがPEのときのΔdlrの値はΔdlr1となる。したがって、Δdlr1に対応する偏差ΔVwを閾値として設定すれば、タイヤ空気圧PEをタイヤの空気圧低下基準値とすることができる。
また、特性カーブ(b)に示すような車体速Vvが120km/h≦Vv<160km/hのときのタイヤ空気圧Pに対するΔdlrの特性では、タイヤ空気圧PがPEのときのΔdlrの値はΔdlr2となる。したがって、Δdlr2に対応する偏差ΔVwを閾値として設定すれば、タイヤ空気圧PEをタイヤの空気圧低下基準値とすることができる。
更に、特性カーブ(c)に示すような車体速Vvが160km/h以上のときのタイヤ空気圧Pに対するΔdlrの特性では、タイヤ空気圧PがPEのときにΔdlrの値はΔdlr3となる。したがって、Δdlr3に対応する偏差ΔVwを閾値として設定すれば、タイヤ空気圧PEをタイヤの空気圧低下基準値とすることができる。
このようにして、車体速Vvに応じてタイヤの空気圧低下を検知する偏差ΔVwの閾値を変えられるように設定すれば、車体速Vvによって変化する動荷重半径DLRの変動分ΔDLRを排除して、常に一定のタイヤ空気圧PEを基準値としてタイヤの空気圧低下を検知することができる。
ここで、本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧検知装置では、タイヤの空気圧低下を検知する車輪速の偏差ΔVwの閾値を補正するための設定タイミングを、各車輪によってばらつきのある車輪速Vwではなく、車輪速Vwに偏らない車体速Vvによって決定するように構成されている。具体的には、車両の一方の側の前輪と後輪との間の距離であるホイールベースを、同じ側の前輪が路面のある地点Aを踏んだ時刻と後輪が路面の同一地点Aを踏んだ時刻との時間差で割って車体速Vvを求めている。そして、この車体速Vvを求めた時点で偏差ΔVwの閾値を再設定している。このようにすれば、車体速Vvによって変化するΔDLRを排除して、常に一定のタイヤ空気圧PEを基準値としてタイヤの空気圧低下を検知することができる。
図1を用いて更に具体的に説明すると、車体速測定装置2は、右前車輪WFRの車輪速センサSFRが右前輪車輪速VwFRを検出した時刻T1と右後車輪WRRの車輪速センサSRRが右後輪車輪速VwRRを検出した時刻T2との時間差ΔTを求め、右前車輪WFRから右後車輪WRRまでの距離であるホイールベースWBを時間差ΔTで割って車体速Vvを求めている。つまり、Vv=WB/ΔTによって車体速Vvを求めている。このようにして求められた車体速Vvは、右前車輪WFRや右後車輪WRRのタイヤ径の変化に影響されない。この車体速Vvに応じて偏差ΔVwの閾値を所定値に設定すれば、車体速Vvに応じたタイヤの空気圧判定を行うことができる。
図4は、本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧検知装置において、車体速Vvに応じて偏差ΔVwの閾値を段階的に切り換える具体的な実施例を示す図であり、横軸に車体速Vv、縦軸に偏差ΔVwを示している。図4に示すように、タイヤの空気圧が一定であっても車体速Vvが増加すると偏差ΔVwが小さくなる。例えば、時速40km/hのときのΔVwはΔVw1、時速60km/hのときのΔVwはΔVw2、…時速140km/hのときのΔVwはΔVw6というように、車体速Vvが増加するにしたがってΔVwが小さくなっている。したがって、車体速Vvが増加するにしたがって偏差ΔVwの閾値を小さくすれば、車体速Vvの如何に関わらず常に一定の空気圧を基準値としてタイヤの空気圧低下を検知することができる。
≪車体速測定装置の構成≫
ここで、図1を参照しながら、車体速測定装置2が各車輪の車輪速Vwに依存しない車体速Vvを測定する実施の形態について詳細に説明する。車体速測定装置2は、右前車輪WFRの車輪速センサSFRが検出した右前輪車輪速VwFRと右後車輪WRRの車輪速センサSRRが検出した右後輪車輪速VwRRをそれぞれ入力している。更に、車体速測定装置2は、右前車輪WFRから右後車輪WRRまでの距離であるホイールベースWBを基準長として記憶している。
また、車体速測定装置2は、図示しないマイコン(マイクロコンピュータ)及び周辺回路から構成され、マイコンが図示しないROMに書き込まれたプログラムを読み出すことにより該当するプログラムの各モジュール(後記するデジタルフィルタ12、正規化手段15など)の動作を実行して車体速Vvの測定を行う。更に、車体速測定装置2は、車体速Vvの測定を行うために、各種信号・情報・指令などを入出力する入出力ポート(後記する入出力インタフェイス11)、アナログ信号をデジタル信号に変換してマイコンでデジタル処理するための図示しないAD変換器などを有している。
図5は、図1に示す車体速測定装置の詳細な構成を示すブロック構成図である。また、図6は、図5に示す車体速測定装置が検出した車輪速Vwの検出値Vの変動の模様を示す概念図である。したがって、図5及び図6を参照しながら車体速測定装置2について更に詳細に説明する。図5に示すように、車体速測定装置2は、主に、入出力インタフェイス11、デジタルフィルタ12(12f,12r)、バッファコントローラ13(13f,13r)、データバッファ14(14f,14r)、正規化手段15(15f,15r)、相互相関関数演算手段16、最大値抽出手段17、車体速演算手段18及び平均車体速演算手段19を備えた構成となっている。
入出力インタフェイス11は、車体速測定装置2で処理するデータの入力及び車体速測定装置2で処理されたデータの出力を行う機能を有している。すなわち、図1と対比すると分かるように、入出力インタフェイス11には、右前輪車輪速VwFRと右後輪車輪速VwRRとが入力され、車体速測定装置2で処理された結果のデータである車体速Vv又は平均車体速AVvが出力される。なお、車体速測定装置2は、図5における上段の系統の右前輪車輪速VwFRの車速パルスはデジタルデータの前輪車輪速Vfとして取り扱い、下段の系統の右後輪車輪速VwRRの車速パルスはデジタルデータの後輪車輪速Vrとして取り扱うものとする。ちなみに、本実施の形態での車輪速のサンプリングレートは1000Hzとする。
デジタルフィルタ12(12f,12r)は、刻々と入力される前輪車輪速Vfと後輪車輪速Vrの検出値Vを処理し、特定の周波数成分のみを通過させるためのデジタル式のバンドパスフィルタである。このように、特定周波数の前輪車輪速Vfと後輪車輪速Vrのみを通過させる理由は、タイヤのユニフォーミティ(均一性)の崩れによる車輪速の変動を除去して、路面のバンプ(凹凸)や段差など(以下「路面バンプなど」という)による車輪速の変動分を抽出するためである。
つまり、タイヤはゴムやスチールワイヤなどを巻いて製造するため、タイヤの一周に亘っては強度や密度に不均一性(ユニフォーミティの崩れ)が存在する。このため、図6(a)に示すように、車輪Wが路面上を回転すると、見かけ上は車両Cが一定速度で走行していても、車輪速センサS(SFR,SRR)から得られる右前輪車輪速VwFRと右後輪車輪速VwRRの検出値Vの時間変動(車輪速検出値の変動曲線)には、図6(b)に示すように、タイヤのアンバランス(ユニフォーミティの崩れ)による周期の大きな変動が生じる。そして、この周期の大きな変動に、路面のバンプなどによる周期の小さな変動が重畳される。
本実施の形態では、路面バンプなどによる車輪速Vwの変動から絶対的な車体速Vvを求めるために、図6(c)に示すように、タイヤのユニフォーミティの崩れによる変動成分を、デジタルフィルタ12(12f,12r)で除去し(つまりタイヤ固有の影響を排除し)、後の処理を円滑に行えるようにしている。なお、車輪速Vwが速いほど、タイヤのユニフォーミティの崩れによる車輪速変動の周期(周波数)及び路面バンプなどによる車輪速変動の周期(周波数)は全体的に短周期になる(高周波数帯域にシフトする)。このため、デジタルフィルタ12(12f,12r)は、車輪速Vwが速くなるほど高い周波数帯域の車輪速の変動分を通過させるように構成されている。
バッファコントローラ13(13f,13r)は、デジタルフィルタ12(12f,12r)を通過した前輪車輪速Vfと後輪車輪速Vrの検出値Vを、例えば10ms間隔を置いて取得し、これをデータバッファ14(14f,14r)に所定個数書き込むと共に、書き込んだ検出値V(Vf,Vr)を所定個数まとめて読み出す機能を有している。
データバッファ14(14f,14r)は、前輪車輪速Vfと後輪車輪速Vrの検出値Vを一時的に記憶する読み書き自在のバッファメモリである。なお、データの読み書きはバッファコントローラ13(13f,13r)を介して行われる。
ここで、前輪車輪速Vfと後輪車輪速Vrの検出値Vは、処理の回数を数える処理カウンタn,mと対応付けてデータバッファ14に記憶される。具体的には、前輪側の検出値Vfは配列変数Vf(n)として処理カウンタnと対応付けてデータバッファ14fに記憶される。また、後輪側の検出値Vrは、配列変数Vr(m)として処理カウンタmと対応付けてデータバッファ14rに記憶される。ちなみに、処理カウンタn,mは、検出値V(Vf,Vr)を1個記憶する際に1ずつインクリメントされるカウンタ(インデックス)であり、本実施の形態では、処理カウンタnは16を上限として、1,2…16というように“1”ずつインクリメントされ、処理カウンタmは30を上限として、1,2…30というように“1”ずつインクリメントされる。
つまり、前記所定個数(終値N,M)は、前輪側のバッファコントローラ13fについていえば16個(終値N=16)であり、後輪側のバッファコントローラ13rについていえば30個(終値M=30)である。このように、記憶するデータ数を絞り込むのは、後段の正規化手段15(15f,15r)や相互相関関数演算手段16における演算処理の負荷を少なくするためである。また、このようにデータ数を絞り込んでも、充分に絶対的な車体速Vvを測定することができるからである。なお、処理カウンタn,mの初期値はそれぞれ0であるが、実際にデータが記憶されるのは1からである。従って、処理カウンタnは実質上1〜16までの正の整数値を取り、処理カウンタmは実質上1〜30までの正の整数値を取る。このように、後輪側の処理カウンタmの終値Mが大きな値を取るのは、前輪側で起こったのと同じ事象(特定のバンプなどを通過したことによる検出値Vの変動)は時間を隔てて後輪側でも起こるが、後輪側で起こった際にその事象を見逃さないためである。よって、終値Mは、前輪側で起こったのと同じ事象を確実に記憶できる数が設定される。
ちなみに、本実施の形態では、データバッファ14がデジタルフィルタ12から検出値Vを取得する間隔が10msおきであることから、処理カウンタnが16になるまで検出値Vfを配列変数Vf(n)に格納すると、検出値Vfを実時間にして150ms分だけデータバッファ14fに記憶したことになる(つまり、150ms=(16−1)×10ms)。同様に、処理カウンタmが終値の30になるまで検出値Vrを配列変数Vr(m)に格納すると、検出値Vrを実時間で290ms分だけデータバッファ14rに記憶したことになる(つまり、290ms=(30−1)×10ms)。
なお、車速(車体速、車輪速)が速い場合は、データの取得間隔(サンプリング間隔)を短くするのが好ましい。その一方で、さほど長い時間検出値Vを記憶する必要はない。逆に、車速(車体速、車輪速)が遅い場合は、長い時間検出値Vを記憶する必要がある。つまり、終値Mを大きくするか、サンプリング間隔を長くするかの何れかが必要である。
次に、正規化手段15(15f,15r)について説明する。前輪側の正規化手段15fは、バッファコントローラ13fを介してデータバッファ14fから配列変数Vf(n)を16個分、全てを読み出す機能を有する。そして、次の相互相関関数演算手段16での処理を行い易くするため、検出値Vf(=配列変数Vf(n))から車輪速成分を取り除いて正規化する機能を有する。このため、正規化手段15fは、配列変数Vf(1)〜Vf(16)までの平均車輪速AVfを求める処理を行う。なお、前輪側の平均車輪速AVfは、次の式(1)で演算される。
AVf=ΣVf(n)/16=(Vf(1)+Vf(2)+…+Vf(16))/16 (1
また、正規化手段15fは、配列変数Vf(n)の正規化を次の式(2)のように行い、車輪速成分(平均車輪速AVf)を取り除く。
Vf(n)=Vf(n)−AVf (2)
なお、処理カウンタn(データを記憶している部分)は1〜16までの正の整数であるので、正規化手段15fは、処理カウンタnを1から1ずつインクリメントして終値Nが16になるまで式(2)の演算を16回実行する。これによって正規化した配列変数Vf(1)〜Vf(16)が得られる。ちなみに、本実施の形態では変数名を節約するため、正規化する前と正規化した後で、同じVf(n)という変数名を使用することとする。
後輪側の正規化手段15rも、前輪側の正規化手段15fと同様の正規化処理を行うが重複を避けるために説明は簡略化する。すなわち、正規化手段15rは後輪側の平均車輪速AVrを次の式(3)で演算する。
AVr=ΣVr(m)/30=(Vr(1)+Vr(2)+…+Vr(30))/30 (3
また、後輪側の正規化手段15rは、平均車輪速AVrを用いて、次の式(4)により正規化を行う。
Vr(m)=Vr(m)−AVr (4)
なお、処理カウンタmは1〜30までの正の整数であるので、正規化手段15rは、処理カウンタmを1から1ずつインクリメントして終値Mが30になるまで式(4)の演算を30回実行する。これにより、正規化した配列変数Vr(1)〜Vr(30)が得られる。
相互相関関数演算手段16は、フーリエ変換の一種である相互相関関数を演算(実行)する手段である。つまり、この相互相関関数演算手段16は、前記した150msの間に前輪FRに現れる路面バンプなどによる車輪速の変動パターンと同じ変動パターンが、290msの間に後輪RRにどの時点で現れるのかを判断するための処理を行う手段である。このため、相互相関関数演算手段16は、正規化手段15(15f,15r)から一括して正規化した配列変数Vf(n),Vr(m)を取得して、次の式(5)〜式(19)に示すように畳み込み積分を行う(式(8)〜式(18)は省略)。
S(1)=Vf(1)・Vr(1)+Vf(2)・Vr(2)+…+Vf(16)・Vr(16) (5)
S(2)=Vf(1)・Vr(2)+Vf(2)・Vr(3)+…+Vf(16)・Vr(17) (6)
S(3)=Vf(1)・Vr(3)+Vf(2)・Vr(4)+…+Vf(16)・Vr(18) (7)
(中略)
S(15)=Vf(1)・Vr(15)+Vf(2)・Vr(16)+…+Vf(16)・Vr(30) (19)
ここで、S(1)〜S(15)はS(j)として表現されるが、このS(j)は相互相関関数の演算(畳み込み積分)の結果を15個分(j=1〜15)格納する配列変数である。なお、jはデータのアドレスを指定するインデックスである。
ところで、相互相関関数の演算が完了して配列変数S(j)に結果のデータが書き込まれると、新たな検出値V(Vf,Vr)を配列変数Vf(n),Vr(m)として記憶しても車体速Vvの測定に支障は生じない。このため、相互相関関数演算手段16は、相互相関関数の演算が完了すると、処理完了報告(図示外)をバッファコントローラ13(13f、13r)に行うものとする。バッファコントローラ13は処理完了報告を受信すると、処理カウンタn,mを0にし、新たな検出値V(Vf,Vr)を、前記したように配列変数Vf(n),Vr(m)として新たにデータバッファ14に記憶するものとする。このようにすることによって変数名を節約することができる。即ち、メモリの使用量を節約することができ、結果としてより多くのデータを取り扱えるようになる。
ちなみに、データバッファ14から配列変数Vf(n),Vr(m)とは異なる変数名をつけて配列変数Vf(n),Vr(m)を読み出すとすれば、配列変数Vf(n),Vr(m)の読出完了後、直ちに新たな検出値Vf,Vrを同じ変数名の配列変数Vf(n),Vr(m)として記憶することもできる。このようにすると、処理時間を短縮することが可能になる。
次に、最大値抽出手段17は、配列変数S(j)のうち、最大値を抽出する関数を実行する手段である。つまり、前記した畳み込み積分の結果が割り当てられている配列変数S(j)から、次の式(20)により最大値を抽出する。
Ssim=max|S(1),S(2),S(3),…,S(15)| (20)
車体速演算手段18は、前記した配列変数が最大値となるインデックスjの値から時間差Δtを決定する処理、及び別に記憶している車両Cの前輪FRと後輪RRとの間の距離であるホイールベースWBの値から、次の式(21)及び式(22)により車体速Vvを演算する処理を行う手段である。
Δt[秒]=10[ミリ秒]/1000[ミリ秒/秒]×(j−1) (21)
Vv[km/hr]=WB[m]/Δt[秒]×3600[秒/hr]/1000[m/km]
(22)
なお、式(21)の10という値は、各検出値Vf,Vrのサンプリング間隔である。また、インデックスjから1を引くのは区間数を求めるためである。
平均車体速演算手段19は、図示しないFIFO(First In First Out)を有し、車体速演算手段18で演算された車体速Vvから平均車体速AVvを演算する処理を行う手段である。ここで、FIFOは、先入れ先出しを行うメモリである。FIFOには、車体速演算手段18で演算されたK個の車体速Vvが配列変数Vv(k)として格納されるものとし、新たな車体速Vvが車体速演算手段18からFIFOに配列変数Vv(1)として格納される際、最も古い配列変数Vv(K)は消去する。そして、他の配列変数Vv(k)は、そのインデックスkが1だけインクリメントされる。つまり、配列変数Vv(1)は配列変数Vv(2)に、配列変数Vv(K−1)は配列変数Vv(K)に、というようにインデックスkがインクリメントされ、過去の一定時間にわたる車体速Vvが順次に更新される。なお、インデックスkとその終値Kの関係は、1≦k≦K、となる(但しK>1)。ちなみに、終値Kは例えば5である。
そして、平均車体速演算手段19は、FIFOから配列変数Vv(1)〜Vv(5)を読み出して、次の式(23)により平均車体速AVvを演算する(つまり車体速を測定する)。
AVv=ΣVv(k)/K=(Vv(1)+Vv(2)+…+Vv(K))/K (2
3)
ちなみに、インデックスkの終値Kが5であるとすると、処理カウンタmの終値Mが30であり、各検出値V(Vf,Vr)のデータ間隔が10msであることから平均車体速AVvは、1.5秒間(=30×10ms×5)における車両Cの平均した車体速となる。なお、前記した通りバッファコントローラ13(13f,13r)は、検出値V(Vf,Vr)を常に10ms間隔でデジタルフィルタ12から取得し、データバッファ14(14f,14r)に記憶するものとする。
このように、平均車体速演算手段19を、FIFOを有する構成とすることで、平均車体速演算手段19は、車体速演算手段18が車体速Vvを1つ演算するごとに、平均車体速AVvを1つ演算(測定)することができる。なお、変数名を節約するため、車体速演算手段18が演算した車体速Vvと平均車体速演算手段19が演算した平均車体速AVvを同じ変数名Vvにしてもよい。また、このように演算(測定)された平均車体速AVvは各種制御に使用される。
≪車体速測定装置の動作≫
次に、本実施の形態の車体速測定装置の動作について説明する。図7は、図5に示す車体速測定装置が測定した車体速測定の様子を模式的に示した図であり、(a)は車両がa地点側からb地点側へ道路を走行する様子を模式的に示し、(b)はその際における車輪速の検出値の変化を時系列的に示し、(c)は(b)の検出値をデジタルフィルタで処理した後の検出値の変化を時系列的に示す。図8は、図7において車体速を測定する処理のうち、検出値をデータバッファに記憶する部分に関するフローチャートである。また、図9は、図7において車体速を測定する処理のうち、データバッファに記憶された検出値から平均車体速を演算する部分に関するフローチャートである。更に、図10は、図7の波形を正規化する様子を示す概念図であり、(a)が正規化処理後の配列変数Vf(n)を模式的に示し、(b)が正規化処理後の配列変数Vf(m)を模式的に示す図である。したがって、必要に応じて図1と図5を参照しながら、図7、図8、図9、及び図10を用いて車体速測定装置の動作を説明する。
〔タイヤのユニフォーミティの崩れによる変動の除去〕
図7(a)に示すように、車両Cがある車速でa地点からb地点へ向かって道路を走行する。車両Cが走行すると、車輪速センサS(SFR,SRR)から入出力インタフェイス11を介して車輪速Vw(VwFR,VwRR)が車体速測定装置2に入力される。そして、車体速測定装置2の内部においては、車輪速は検出値V(Vf,Vr)として処理される。なお、図1において車体速測定装置2が車輪速を検出する右前車輪WFR及び右後車輪WRRは、図7ではそれぞれ前輪Wf及び後輪Wrとして示されている。図7(b)に示すように、前輪Wf及び後輪Wrのタイヤにはユニフォーミティの崩れが存在するので、これによる周期の大きな変動と、路面バンプなどによる周期の小さな変動が車輪速センサSで検出される検出値Vf,Vrに重畳されている。つまり、見かけ上、車両Cが一定速で走行していても、タイヤのユニフォーミティの崩れと路面バンプなどの存在による影響で検出値Vf,Vrは変動する。本実施の形態では、車体速Vvを路面バンプなどによる車輪速変動から測定するので、デジタルフィルタ12で処理してタイヤのユニフォーミティの崩れによる変動分を検出値Vf,Vrから除去する。
なお、図7(b)の上図は前輪側における車輪速Vwの検出値Vの変化の様子を示すものであり、下図は後輪側における車輪速Vwの検出値Vの変化の様子を示すものであり、車両CのホイールベースWB及び車体速Vvに対応した位相のズレが生じている。つまり、図7(b)に示すように、前輪Wfがa地点(b地点)を通過した後、後輪Wrがa地点(b地点)を通過する。そして、デジタルフィルタ12でフィルタリング処理すると、図7(c)に示すように、検出値Vf,Vrからタイヤのユニフォーミティの崩れによる変動が除去される。しかし、前輪Wfがa地点(b地点)を通過した後、後輪Wrがa地点(b地点)を通過する様子は図7(b)と同じである。これにより、絶対的な速度である車体速をより正確に測定(演算)することができる。なお、図7(c)は、図7(b)よりも縦軸方向のレンジが強調して記載されている。
〔検出値のデータバッファへの記憶〕
次に、デジタルフィルタ12により、タイヤのユニフォーミティの崩れによる変動が除去された検出値Vf,Vrは、バッファコントローラ13により10ms間隔で取得され、データバッファ14に配列変数Vf(n),Vr(m)として記憶する処理が行われる。このときの処理の流れを図8を用いて説明する。最初は、処理カウンタn,mが0になっているので、処理カウンタn,mをインクリメントして、検出値V(Vf,Vr)をデータバッファ14に記憶する。具体的には、前輪側Wfについての処理カウンタnをインクリメントしてn=n+1とする。(ステップS11)。そして、前輪側Wfについてデジタルフィルタ12fが処理した検出値Vfを10ms間隔で取得して、データバッファ14fに配列変数Vf(n)として記憶する(ステップS12)。
後輪側Wrについても、処理カウンタmをインクリメントしてm=m+1とする(ステップS13)。そして、後輪側Wrについてデジタルフィルタ12rが処理した検出値Vrを10ms間隔で取得して、データバッファ14rに配列変数Vr(m)として記憶する(ステップS14)。
後輪側Wrの検出値Vrを配列変数Vr(m)としてデータバッファ14rへ記憶すると、バッファコントローラ13が、処理カウンタnの値が終値Nになっているか否かを判断する(ステップS15)。終値Nになっていない場合(no)は、再びステップS11に戻り処理を繰り返す。これにより、データバッファ14に順次検出値Vf,Vrが配列変数Vf(n),Vr(m)として記憶される。一方、ステップS15で処理カウンタnが終値Nになっている場合(yes)、つまり本実施の形態でいえば処理カウンタnが16になった場合は、処理カウンタmが終値Mになっているか否かを判断する(ステップS16)。
ステップS16で、処理カウンタmが終値Mになっていない場合は(no)、ステップS13に戻り、処理カウンタmをインクリメントした後、後輪側Wrのデジタルフィルタ12rが処理した検出値Vrをデータバッファ14rに配列変数Vr(m)として記憶する(ステップS14)。この後は、ステップS15を経由してステップS16の処理を繰り返す。これにより、後輪側のデータバッファ14rにだけ、順次検出値Vrが配列変数Vr(m)として記憶される。
一方、ステップS16で処理カウンタmが終値Mになっている場合(yes)、つまり本実施の形態でいえば処理カウンタmが30になった場合は、相互相関関数演算手段16からの処理完了報告の有無を判断する(ステップS17)。ここで、処理完了報告がない場合(no)は、処理完了報告があるまで処理を待つ。一方、処理完了報告が相互相関関数演算手段16からバッファコントローラ13にあった場合(yes)は、バッファコントローラ13は、処理カウンタn,mを0にクリアした後(ステップS18)、Returnに移行する(つまり、処理を継続する)。
これにより、10ms間隔ごとに、検出値Vfが16個分、配列変数Vf(n)として記憶され、検出値Vrが30個分、配列変数Vr(m)として記憶され、次の処理である平均車体速の演算処理の前準備が整う。
〔平均車体速の演算〕
データバッファ14f,14rに配列変数Vf(n),Vr(m)が所定個数記憶されると、図9のフローチャートに示すように、データバッファ14から配列変数Vf(n),Vr(m)を全て読み出す(ステップS21)。そして、前輪側Wf及び後輪側Wrについて、すでに説明した手順により正規化を行う(ステップS22,ステップS23)。この際の演算において使用されるのは前記の式(1)〜式(4)である。このようにして正規化が完了すると、図10(a),(b)のようなグラフで配列変数Vf(n),Vr(m)が模式的に示される。つまり、波形の積分値がゼロとなるレベルを零点とするように波形が正規化される。なお、すでに説明したように、正規化する前と正規化した後とで、同じ変数名を使用してメモリを節約している。
ステップS22及びステップS23で正規化が完了すると、すでに説明した式(5)〜式(19)を使用して相互相関関数S(j)を演算する(ステップS24)。なお、式(5)〜式(19)は、次のように1つの式(24)にまとめて繰り返し部分を省略化することができる。
S(j)=Vf(1)・Vr(j)+Vf(2)・Vr(1+j)+…+Vf(16)・Vr(15+j)
(j=1〜15) (24)
ステップS24で、相互相関関数を演算して配列変数S(j)をバッファコントローラ13に格納すると、配列変数Vf(n),Vr(m)に新しいデータを書き込むことができるようになる。このため、ステップS25で、相互相関関数演算手段16が処理完了報告をバッファコントローラ13に出力する。これにより、新たな検出値Vf,Vrを配列変数Vf(n),Vr(m)に格納してデータバッファ14に記憶することができるようになる(図8のステップS17参照)。
次に、式(20)により、相互相関関数の演算結果を格納した配列変数S(j)から最大値を抽出する(ステップS26)。そして、その最大値となるS(j)のインデックスjを特定し、このインデックスを式(21)に代入して時間差Δtを決定する。続けて、式(22)に決定した時間差Δtと予め記憶しているホイールベースWBを代入して、車体速Vvを演算する(ステップS27)。なお、ステップS24の相互相関関数の演算及びステップS26の最大値の抽出は、図10(a)のグラフに図10(b)のグラフをどの様にずらせば両グラフが重なり合うのかを試行(パターンマッチング)することに相当し、ステップS27の時間差Δtの決定は、重なり合う場所における両グラフの位相差を決定するものである。
位相差の決定を、図10(a),(b)と式(5)〜式(19)を用いて補足説明する。前輪側Wfと後輪側Wrとで位相が揃わない場合(パターンの異なる場合)の式(5)では、例えば、「Vf(2)とVr(2)の積」、「Vf(3)とVr(3)の積」は負の値になり、例えば「Vf(16)とVr(16)の積」は正の値になる。従って、和のS(1)は、正の値と負の値を足し合わせて演算されることになる。
位相が揃わない場合の式(6)なども同様であり、和のS(2)などは、正の値と負の値を足し合わせて演算されることになる(図10(a)、(b)参照)。
ところが、位相が揃う場合(パターンが一致する場合)の式(19)では、「Vf(1)とVr(15)の積」〜「Vf(16)とVr(30)の積」の全てが正の値になるので、和のS(15)も、S(j)の中で最も大きな値になる(jは1〜15)。
つまり、VfとVrの位相が異なっているときはVfとVrの積は負の値となり、VfとVrの位相が一致しているときはVfとVrの積は正の値となるので、両者の積分値の最大となるところを求める。このようにして最大値となるS(j)のインデックスjを見つけ出せば、そのインデックスjとサンプリング間隔(ここでは10ms)から位相差がどれだけの時間あるのかが分かる。
次に、ステップS27において、S(j)から時間差を求めて車体速Vvを演算する処理を具体的な数字を用いて説明する。
仮に、配列変数S(15)が最大値であったとすると(ステップS26)、時間差Δtは、Δt=(15−1)×10ms=140ms(0.14秒)になる。ここで、ホイールベースWBを2.83mとすると、車体速Vvは式(22)により次のように求められる。
Vv=WB/Δt×3600/1000=2.83/0.14×3.6=73[km/h]
このステップS27で演算された車体速Vvは、ステップS28で平均車体速AVvを演算するのに使用される。即ち、ステップS27で車体速Vvが演算されると、これを配列変数Vv(k)として先入れ先出しメモリのFIFOに記憶する。そして、平均車体速AVvを式(23)に基づいて演算する。つまり、移動平均の演算を行う(ステップS28)。更に、演算後はReturnに移行して処理を継続する。これにより、ステップS21〜ステップS28が順次繰り返され、平均車体速AVvが演算される。なお、ステップS28において、最初のうちはFIFOにデータが全て記憶されていないことから、ステップS28の平均車体速演算手段19の処理では、記憶したデータの分だけの平均車体速AVvを演算するものとする。なお、FIFOにデータが全て記憶された後は、データバッファ14に検出値Vf,Vrが配列変数Vf(n),Vr(m)として所定個数書き込まれると、これを全て読み出して(ステップS21)、ステップS22からS28の処理を実行して直ちに平均車体速AVvを演算する。
このようにして、本実施の形態に適用される車体速測定装置2は、車輪速センサSにより検出される車輪速の検出値Vwの変動(即ちタイヤを介して入力される路面との振動)に基づいて平均車体速AVvを演算(測定)する。このような測定によれば、タイヤの径が変化しても平均車体速AVvをより正しく測定して空気圧低下判定の閾値を切り換えることができる。もちろん、平均車体速AVvでなく、車体速Vvをそのまま出力して閾値を切り換えてもよい。なお、タイヤの空気圧低下判定の検出精度を向上させるためには、平均車体速AVvを用いて閾値を可変させることが望ましい。
≪タイヤ空気圧検知装置の考察≫
以上述べたように、本実施の形態で測定(演算)された車体速Vv及び平均車体速AVvは、原理上タイヤのサイズ、空気圧の多少などに影響されない。したがって、このような車体速に応じて空気圧低下判定の閾値を切り換えれば、極めて精度の高い空気圧低下判定を行うことができる。つまり、同じ空気圧であってもタイヤのΔdlr(適正な空気圧のDLRと実際のDLRとの差)は車体速によって異なってくる。したがって、前記のようにして求めた車体速に応じてΔdlrに対応する車輪速の偏差ΔVwを判定する空気圧低下判定閾値を変えるようにすれば、車体速の変化に関わらず常に一定の空気圧でタイヤの空気圧低下を判定することができる。具体的には、前輪が所定地点を踏んだ時刻と後輪が所定地点を踏んだ時刻との時間差を求め、予め分かっている前輪と後輪との間の距離であるホイールベースをこの時間差で割れば、車両ごとに一つの車体速を求めることができるので、この車体速に応じて空気圧低下判定閾値を変えるようにすれば精度の高い空気圧低下判定を行うことができる。
本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧検知装置を搭載した車両のシステム構成図である。 本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧Pをパラメータとしたときの、車輪速Vwに対する動荷重半径DLRの関係を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係る実施の形態に係る車体速Vvに応じて閾値を切り換える概念を示す特性図である。 本発明の実施の形態に係るタイヤ空気圧検知装置において、車体速Vvに応じて閾値を段階的に切り換える具体的な実施例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る車体速測定装置の詳細な構成を示すブロック構成図である。 本発明の実施の形態に係る車体速測定装置が検出した車輪速の検出値の変動の模様を示す概念図である。 本発明の実施の形態に係る車体速測定装置が測定した車体速測定の様子を模式的に示した図であり、(a)は車両がa地点側からb地点側へ道路を走行する様子を模式的に示し、(b)はその際における車輪速の検出値の変化を時系列的に示し、(c)は(b)の検出値をデジタルフィルタで処理した後の検出値の変化を時系列的に示す。 本発明の実施の形態に係る車体速を測定する処理のうち、検出値をデータバッファに記憶する部分に関するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車体速を測定する処理のうち、データバッファに記憶された検出値から平均車体速を演算する部分に関するフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る車輪速の検出値の変動波形を正規化する様子を示す概念図であり、(a)が正規化処理後の配列変数Vf(n)を模式的に示し、(b)が正規化処理後の配列変数Vf(m)を模式的に示す図である。
符号の説明
1 空気圧検知装置(空気圧検知手段)
2 車体速測定装置(車体速測定手段)
11 入出力インタフェイス
12(12f,12r) デジタルフィルタ
13(13f,13r) バッファコントローラ
14(14f,14r) データバッファ
15(15f,15r) 正規化手段
16 相互相関関数演算手段
17 最大値抽出手段
18 車体速演算手段
19 平均車体速演算手段
C 車両
S(SFR,SFL,SRR,SRL) 車輪速センサ
VwFR 右前輪車輪速
VwFL 左前輪車輪速
VwRR 右後輪車輪速
VwRL 左後輪車輪速
WFR 右前車輪
WFL 左前車輪
WRR 右後車輪
WRL 左後車輪
WB ホイールベース(基準長)

Claims (3)

  1. 四輪車両における各タイヤの空気圧低下を検知するタイヤ空気圧検知装置であって、
    前記四輪車両における前輪及び後輪の間の距離として用いる基準長を予め記憶し、前記前輪が路面の所定位置を通過した時刻と前記後輪が前記所定位置を通過した時刻との時間差を測定し、前記基準長と前記時間差とに基づいて前記四輪車両の車体速を測定する車体速測定手段と、
    各車輪に備えられた車輪速センサにより取得した車輪速から右前車輪及び左前車輪の車輪速差と右後車輪及び左後車輪の車輪速差との偏差を算出する偏差算出手段と、
    前記車体速測定手段が測定した車体速に応じて、空気圧低下を検知する基準となる前記偏差の閾値を設定する閾値設定手段と、
    前記偏差と前記閾値とを比較することによって前記各タイヤの空気圧低下を検知する空気圧検知手段と、
    を備えたことを特徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  2. 前記空気圧検知手段は、前記車体速が高くなるほど、前記偏差の閾値を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧検知装置。
  3. 前記車体速測定手段は、前記時間差として、前記前輪が路面の所定位置を通過することによってその前輪に振動パルスが発生した時刻と、前記後輪が前記所定位置を通過することによってその後輪に振動パルスが発生した時刻との時間差を測定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタイヤ空気圧検知装置。
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