JP2005083494A - スタッドボルト用クランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取付部品に装着され、被取付部位に立設されたスタッドボルトに嵌合挿入されることにより取付部品を被取付部位に取付けるスタッドボルト用クランプであって、スタッドボルトの少なくとも軸対称の両側位置に挿入方向且つ外方方向に撓み得ることができる形状のヒンジ部位40が設けられており、該ヒンジ部位40の先端はスタッドボルト2を弾発支持する係止片42と成っており、該係止片42にはスタッドボルト2の溝形状に対応した複数の係合突起43が形成されてスタッドボルト2の溝と係合されるようになっており、少なくとも挿入方向の最初の係合突起43aの最初の係合面45aの角度が対応するスタッドボルトの溝形状角度より大きく形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図14
Description
この種のクランプ本体内の一般的構造としては、本体内軸対称両側にヒンジ部位が設けられており、このヒンジ部位の先端にスタッドボルト外周溝と係合する係合突起を設けるものがある(特許文献1参照)。このクランプによれば本体内のヒンジ部位の撓み変形によりスタッドボルトの挿入ができるようになっている。しかし逆に、クランプ本体からはスタッドボルトが容易に抜けないようになっている。これは係合突起とスタッドボルト外周溝とが係合状態にあることによる。また、引き抜き時の荷重がヒンジ部位の弾性変形によって吸収されるためである。
先ず、第1の発明に係るスタッドボルト用クランプは、次の手段をとる。すなわち、取付部品に装着され、被取付部位に立設されたスタッドボルトに嵌合挿入されることにより取付部品を被取付部位に取付けるスタッドボルト用クランプであって、スタッドボルトの少なくとも軸対称の両側位置に挿入方向且つ外方方向に撓み得ることができる形状のヒンジ部位が設けられており、該ヒンジ部位の先端はスタッドボルトを弾発支持する係止片と成っており、該係止片にはスタッドボルトの溝形状に対応した複数の係合突起が形成されてスタッドボルトの溝と係合されるようになっており、少なくとも挿入方向の最初の係合突起の最初の係合面の角度が対応するスタッドボルトの溝形状角度より大きく形成されていることを特徴とする。
この第1の発明によれば、スタッドボルトの少なくとも軸対称の両側位置に挿入方向且つ外方方向に撓み得ることができる形状のヒンジ部位が設けられており、該ヒンジ部位の先端はスタッドボルトを弾発支持する係止片と成っており、該係止片にはスタッドボルトの溝形状に対応した複数の係合突起が形成されてスタッドボルトの溝と係合されるようになっている。また、該係止片にはスタッドボルトの溝形状に対応した複数の係合突起が形成されてスタッドボルトの溝と係合されるようになっていることでクランプのスタッドボルトに対する保持力の維持が図られている。さらに少なくとも挿入方向の最初の係合突起の最初の係合面の角度が対応するスタッドボルトの溝形状角度より大きく形成されている、すなわち挿入方向に大きく傾斜した角度に形成されていることで、挿入時におけるヒンジ部位の外方への変形が容易となっている。つまり、スタッドボルトの挿入荷重の殆んどの荷重を最初の係合突起の係合面に対し外方に変形させる作用力として作用させることができるため、その結果としてヒンジ部位全体を外方向に弾性変形させて押し広げることができる。これによりスタッドボルトに対するクランプの挿入荷重を低減させることができる。
この第2の発明によれば、先端を係止片としたヒンジ部位がスタッドボルト挿入方向に沿って複数組設けられているためクランプの保持力をより一層向上させることができる。
この第3の発明によれば、前記ヒンジ部位は樹脂製であるためクランプの軽量化が図られると共に、ヒンジ部位の形成を容易とする。また、挿入時におけるヒンジ部位の弾性変形を容易に行わせることができる。
先ず、第1の発明によれば、スタッドボルトに対する所定の保持力を維持しつつ、挿入時における挿入荷重の低減を図ることができる。
次に、第3の発明によれば、クランプの軽量化が図られると共に、ヒンジ部位の形成を容易とする。
なお、スタッドボルト2は車体床下面Aに立設して設けられる。そして、普通にはスタッドボルト2は車体下部の車体床下面Aに一体的に取付けられている。
以下、クランプ10について詳述する。
図3に示す通り実施例1に係るクランプ10は平面形状が略四角形状をした本体11とその本体11に一体的に設けられたクリップ20とその本体11下部の周囲に亘って拡がる把持部材30とからなる。
先ず収納部12について説明する。収納部12は、図4に示す通りその平面形状が略正方形状をした中空形状の筒体である。収納部12の内部にある収納中空部13は後述のとおりスタッドボルト2の受け入れ部となっている。また、図9の収納部12正面には窓部3が左右対称に設けられている。図10の収納部12側部は密閉されている。
そして、図4の収納部12の上部面には略長方形状の挿入孔14が設けられている。挿入孔14は図4及び図5で見て正面及び背面部分がすり鉢状となっている。そして、すり鉢状部分の下部と連結して溝部4が設けられている。溝部4は収納部12内部の底部まで通じている。この溝部4に沿うことでスタッドボルト2が収納中空部13へと誘導されることとなる。なお、収納中空部13内部の詳細構造については後述する。
上記の挿入孔14及び窓部3を除き収納部12は密閉されている。
なお、内部が中空形状であるのはクランプ10の軽量化を図ったものである。そして支持中空部16に支柱部材17、18を設けることで所定の強度を支持部15に持たせることとしている。
そして、収納部12を挟んでそれぞれ対接するクリップ20同士が互いに接近する方向に撓み変形する。つまり、クリップ20同士の間隔が縮まるように収納部12方向に弾性変形するものである。
これによりクランプ10とプロテクタ1とがクリップ嵌合する。このクリップ嵌合によればワンタッチでプロテクタ1にクランプ10を装着することができる。つまり作業性がよい。
上記構成をとることでクリップ嵌合されたプロテクタ1を確実に支持することができる。つまり、プロテクタ1を支持する位置にある把持部材30は所定の断面積が確保されている。このためプロテクタ1の重みにより把持部材30が抜け落ちることがない。
収納部12収納中空部13にはヒンジ部位40が設けられている。実施例1においては図5及び図13で見て四つのヒンジ部位40が形成されている。ヒンジ部位40は二つが一組となって配置される。つまり、二つのヒンジ部位40はスタッドボルト挿入軸線を基準として軸対称となるよう収納部12内部に配置されている。実施例1においてはスタッドボルト2の軸対称の両側位置に設けられたヒンジ部位40がスタッドボルト挿入方向に沿って二組設けられていることとなる。
なお、ヒンジ部位40はスタッドボルト挿入方向に沿って三組以上設けられていてもよい。スタッドボルト保持力が向上するためである。また、逆に一組であってもよい。要求される保持力に応じてヒンジ部位40の数を設定することができる。
収納部の内部壁面19とはアーム部41で連結されている。実施例1においては図13に示す通り、アーム部41は収納部の内部壁面19と一体的に設けられている。そして、スタッドボルト挿入方向にやや傾斜が与えられている。この傾斜に沿ってスタッドボルト2が挿入される。
また、アーム部41は撓み変形が可能である。つまりスタッドボルト挿入軸線を挟んで対接するアーム部41同士が近づく方向又は離れる方向に変形することができる。
なお、実施例1においてアーム部41は樹脂製であり撓み変形可能である。
上記の対応した状態では第二係合突起43bの最初の係合面45c角度は対応するスタッドボルト溝形状角度と略同角度に形成されることとなる。普通には挿入方向に対して若干下向きの角度が付与されているが、図16に示す通り略垂直に近い角度として形成されることとなる。
なお、第―係合突起43aのその他の面及び部位についてはスタッドボルト2の溝形状と実質的に対応して形成されるものである。ここで、実質的に対応しているとは、少なくとも第一係合突起43aの次の係合面45bとそれに対応するスタッドボルト溝形状とが対応していれば良いことをいう。
先ずスタッドボルト挿入時における挿入荷重について説明する。上述のとおり、第一係合突起43aの最初の係合面45a角度はスタッドボルト挿入方向に大きく傾斜した角度として形成されている。このため挿入時におけるヒンジ部位40の外方への変形が容易となっている。これにより、スタッドボルト2の挿入荷重の殆んどの荷重を最初の第一係合突起43aの最初の係合面45aに対し外方に変形させる作用力として作用させることができることとなる。つまり、スタッドボルト2を挿入する際に生じる挿入方向の力を第一係合突起43aの最初の係合面45aで受け取る。そして、その力の向きをヒンジ部位40が拡がりつつ開く(拡開する)方向、すなわち外方方向へと効率よく変化させるものである。その結果としてヒンジ部位40全体を拡開する方向に弾性変形させて押し広げることができる。これによりスタッドボルト2に対するクランプ10の挿入荷重を低減させることができる。このため作業性がよくなるものである。また、スタッドボルト2を強引に挿入する必要もない。
また、この構造をとることで収納部12に特別な構造や要素を負荷する必要がない。このため構造が簡単となり製造が容易となる。
以上本発明の主要な実施について説明したが、本発明を実施するための形態としては、上記実施例に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態として実施できるものである。
先ず、上述の第一係合突起43aの最初の係合面45a角度と同一の角度を第二係合突起43bの最初の係合面45cに付与することができる。これにより更にクランプ10の挿入荷重を低減させることができる。つまり、挿入時の作業性がより向上するものである。特に、より作業性が重視される仮止め作業など上記クランプ10を用いることができる。なお、本実施例においては実施例1と比較してやや保持力が低下するものの、所望の保持力は確保されるものである。
また、クランプ10とプロテクタ1とを接着材で固定してもよい。これによりプロテクタ1に孔を穿つ必要がなく作業効率が向上する。
1a プロテクタ上の孔
1b 電線ケーブル
2 スタッドボルト
2a 山部位
2b 谷部位
2c フランク面
3 窓部
4 溝部
10 スタッドボルト用クランプ
11 本体
12 収納部
13 収納中空部
14 挿入孔
15 支持部
16 支持中空部
17、18 支柱部材
19 内部壁面
20 クリップ
30 把持部材
40 ヒンジ部位
41 アーム部
42 係止片
43 係合突起
43a 第一係合突起
43b 第一係合突起
44a 山部位
44b 谷部位
45 係合面
45a、45c、45n 最初の係合面
45b 次の係合面
A 車体床下面
Claims (3)
- 取付部品に装着され、被取付部位に立設されたスタッドボルトに嵌合挿入されることにより取付部品を被取付部位に取付けるスタッドボルト用クランプであって、
スタッドボルトの少なくとも軸対称の両側位置に挿入方向且つ外方方向に撓み得ることができる形状のヒンジ部位が設けられており、該ヒンジ部位の先端はスタッドボルトを弾発支持する係止片と成っており、該係止片にはスタッドボルトの溝形状に対応した複数の係合突起が形成されてスタッドボルトの溝と係合されるようになっており、少なくとも挿入方向の最初の係合突起の最初の係合面の角度が対応するスタッドボルトの溝形状角度より大きく形成されていることを特徴とするスタッドボルト用クランプ。 - 請求項1に記載のスタッドボルト用クランプであって、
前記先端を係止片としたヒンジ部位がスタッドボルト挿入方向に沿って複数組設けられていることを特徴とするスタッドボルト用クランプ。 - 請求項1又は請求項2に記載のスタッドボルト用クランプであって、
前記ヒンジ部位は樹脂製であることを特徴とするスタッドボルト用クランプ。
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