JP2005083442A - 通電軸受 - Google Patents
通電軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005083442A JP2005083442A JP2003314890A JP2003314890A JP2005083442A JP 2005083442 A JP2005083442 A JP 2005083442A JP 2003314890 A JP2003314890 A JP 2003314890A JP 2003314890 A JP2003314890 A JP 2003314890A JP 2005083442 A JP2005083442 A JP 2005083442A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- seal
- conductive
- seals
- bearing
- conductive metal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Sealing Of Bearings (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
【課題】耐熱性や耐久性を有する通電軸受、さらに磁気効率のよいカーエアコン電磁クラッチプーリー用通電軸受を提供。
【解決手段】ころがり軸受1′に第一のシール6と、転動体4を挟んで反対側に第二のシール7′と第三のシール8′とを設け、第一第二のシール間に潤滑用グリース12を封入し、第二第三のシール間に導電性グリース13を封入する。第二第三のシールは導電性金属部10と導電性ゴム部11とからなる導電性シールとし、導電性金属部を外内輪2,3のいずれか一方に固定し、導電性ゴム部を反対側の内外輪に摺接させる。さらには、第二、第三のシールの導電性金属部を互いに対向して配置し、導電性ゴム部が相手側の導電性金属部の摺接面10c、10dを摺接するボックス形シール18とする。さらに、第二、第三のシールがカーエアコン本体32と反対側の軸端33a側になるようにカーエアコンの電磁クラッチプーリー31に嵌着させる。
【選択図】 図3
【解決手段】ころがり軸受1′に第一のシール6と、転動体4を挟んで反対側に第二のシール7′と第三のシール8′とを設け、第一第二のシール間に潤滑用グリース12を封入し、第二第三のシール間に導電性グリース13を封入する。第二第三のシールは導電性金属部10と導電性ゴム部11とからなる導電性シールとし、導電性金属部を外内輪2,3のいずれか一方に固定し、導電性ゴム部を反対側の内外輪に摺接させる。さらには、第二、第三のシールの導電性金属部を互いに対向して配置し、導電性ゴム部が相手側の導電性金属部の摺接面10c、10dを摺接するボックス形シール18とする。さらに、第二、第三のシールがカーエアコン本体32と反対側の軸端33a側になるようにカーエアコンの電磁クラッチプーリー31に嵌着させる。
【選択図】 図3
Description
この発明は、軸受の内輪と外輪間を通電させる通電軸受に関する。
従来、軸受そのものの電食防止、あるいは電気回路でのアース経路として、軸受の内外輪間を通電させた通電軸受が知られている。この通電軸受の通電方法は、例えば特許文献1においては、軸受内部に導電性グリースを充填して通電している。また、特許文献2においては、導電性シールを装着するようにしている。さらに、特許文献3においては、軸受の両端に一般のシールを設け、その一方のシールの外側に伝導性の磁性流体及び磁性流体ユニット(ポールピース)を設けさらに伝導性の押圧部材により通電性を高めている。一方、シールを複数併設したものとして、例えば、特許文献4においては、シールを二枚軸方向に配設してシール性能を高めている。また、シールの一方を簡単なシールとし、外部からの泥水等の進入の虞の多い側をシール性能の高く、二以上のシールからなるダストサイドリップ付オイルシールを用いたものが開示されている(例えば、特許文献5)。
特開2002−250353号公報
特開2002−098161号公報
特開2002−044900号公報
特公昭37−8851号公報
実用新案登録第2602812号公報
しかし、特許文献1の導電性グリースでは、高温回転時の油膜が確保出来ず、高温耐久性が不足するという問題があった。また、特許文献2の導電性シールでは、シールゴム材料の耐熱性が100度程度であり、例えば、カーエアコン用電磁クラッチ用軸受の環境温度は最大温度160度に達し、かかる高温での使用ではゴムが硬化変形により初期の性能を維持出来ない問題があり、カーエアコンのコンプレッサーの電磁クラッチプーリー用軸受のような高温、高回転数(10,000rpm前後に達する)では通電軸受は使用されていなかった。また、特許文献3の磁性流体での通電では、導電性磁性流体を用いるので構造が複雑で価格も高価であり、また、性能が劣り、ハードディスク用の振動の少ないものに用いられ、自動車用の部品のような過酷な条件に対してシール性能は期待できない。さらに、特許文献4及び5においては複数のシールを使用することが開示されているが、内外輪の通電を必要とする通電軸受に関しての応用については示唆も開示もされていない。
一方、従来のカーエアコンの電磁クラッチプーリーは、例えば、図4に示すように、エンジン動力が図示しないエンジンクランクプーリー、ベルトにより電磁クラッチプーリー31に伝達される。伝達された駆動力をコンプレッサー32の回転軸33端部33aに形成された円盤34と円盤に取り付けられたアーマチュア35と電磁クラッチプーリー31の端部に形成された摩擦板36を電磁コイル(ヨーク)37の電磁力により吸着させ、エンジン駆動力をコンプレッサー回転軸33に伝達させてコンプレッサーを駆動するようにされている。コンプレッサー回転軸33を囲むようにしてコンプレッサーカバー38から突出した固定軸38aに内輪3を固定された軸受40が設けられ、該軸受の外輪2が電磁クラッチプーリー31の凹部31aに嵌合され、内輪3に対して電磁クラッチプーリー31が回転支持可能にされている。電磁コイル37は支持体41を介して固定軸38aに固定され、支持体を経由して電源回路に接続され、さらに、電磁クラッチプーリー31の凹部42に隙間37a,37b,37cを設けた状態で非接触に挿入されている。このため電磁コイル37の磁力が弱い、大きくなるという問題があった。そこで、電磁コイルを電磁クラッチプーリーと一体として磁力を高め磁気効率の高くする。あるいは小型化することが望まれていた。
本発明の課題は、前述した問題点に鑑みて、軸受の耐熱性や耐久性を有しながら、低コストで、耐久性もあり、軸受内部の通電可能な通電軸受を提供することである。さらには電磁コイルを電磁クラッチプーリーと一体とし、磁気効率のよいカーエアコンの電磁クラッチプーリー用の新たな通電軸受を提供することである。
本発明においては、ころがり軸受の外輪と内輪との間に、前記内外輪の軌道面及び前記内外輪の軌道面を転動する転動体の外側に設けられた第一のシールと、前記軌道面及び転動体を挟んで前記第一のシールとは反対側に設けられた第二のシールと、さらに前記第二のシールの外側に設けられた第三のシールと、を有しており、前記第一のシールと前記第二のシール間に潤滑用グリースが封入され、前記第二のシールと前記第三のシール間に導電性グリースが封入され、前記第二、第三のシールと、前記導電性グリースと、で前記内外輪が通電されている通電軸受を提供することにより、上記課題を解決した。即ち、第一のシールと第二のシールとの間、即ち軸受転動体転走部に軸受本来の耐久性、温度、性能を有する潤滑用グリースを封入し、軸受本来の耐久性等を確保する。一方、軸受転動体転走部から切り離して、第二のシールと第三のシールとの間に潤滑用グリースより耐熱、耐久性能は劣るが導電性の高い導電性グリースを封入し、内外輪間を導電性グリースを介して通電させ軸受本来の耐久性等とは別に通電機能を設けたのである。
導電性グリースの使用により、通電性能を上げられるが、さらに、シール自体も導電性があればよい。そこで、請求項2に記載の発明においては、前記第二、第三のシールの少なくともいずれか一方が、導電性金属部と導電性ゴム部とからなる導電性シールであり、前記導電性金属部が前記外輪又は内輪のいずれか一方に通電可能に固定され、前記導電性ゴム部が前記導電性金属部が固定される前記外輪又は内輪と反対側の内輪又は外輪に通電可能に摺接するようにされた通電軸受とした。第二、第三の両シールを導電性シールとするのがよいが、一方のみでもよい。第三のシールを導電性シールとし、第二のシールを一般のシールとすれば、第一のシールと第二のシール性能は従来と同様な耐熱性、耐久性を得られる。かかる構造のシールは従来の導電性シールと一般シール又は導電性シールを併設することにより容易に得ることができる。
一方、導電性グリースはできる限り、内外輪及び内外輪に電気的に接続される部分と高い導電性能を確保するために内外輪等に接触する部分を多くしたい。そこで、請求項3に記載の発明においては、前記第二、第三のシールは導電性金属部とゴム部を有し、前記第二のシールの導電性金属部が前記外輪又は内輪のいずれか一方に通電可能に固定され、前記第三のシールの導電性金属部が前記第二のシールが外輪に固定されている場合は内輪に、前記第二のシールが内輪に固定されている場合は外輪に通電可能に固定され、前記ゴム部は前記導電性金属部が固定される前記外輪又は内輪と反対側の内輪又は外輪、又は、前記相手側のシールの導電性金属部の摺接面に摺接するようにされ、前記導電性グリースが前記第二及び第三のシールの導電性金属部間を通電するようにされた通電軸受とするのがよい。即ち、例えば、第二のシールの導電性金属部を内輪に嵌着させ、第三のシールの導電性金属部を外輪に嵌着させ、内輪、第二のシールの導電性金属部、導電性グリース、第三のシールの導電性金属部、外輪と導電通路が形成されるようにすることにより、内外輪間の導電を確実にするようにした。さらに、前記ゴム部は通電可能な導電性ゴムとするのがより好ましいことはいうまでもない(請求項4)。
かかる通電軸受は、高温使用等に適している。特に、前述したカーエアコン用電磁クラッチ用軸受の環境温度は例えば最大温度160度に達する。そこで、請求項5に記載の発明においては、前記通電軸受はカーエアコンの電磁クラッチプーリーに嵌着され、前記第二、第三のシールはカーエアコン本体と反対側の軸端側に設けられた通電軸受とした。これにより、電食防止ができ、さらには、アースラインを通電軸受を用いて構成できる。また、通電側のシールをダブルリップシールと同様な構造とでき、外部からの塵埃等の進入も防止できる。
本発明においては、第一のシールと第二のシールとの間に潤滑用グリースを封入し、軸受本来の耐久性等を確保し、第二のシールと第三のシールとの間に導電性グリースを封入し、通電機能を設けるようにしたので、高温、高速度での使用であっても、従来と同様の耐熱性、耐久性等に加え、さらに通電機能を得られ、種々の用途において電食を防止し、あるいは、通電路を形成できる通電軸受を提供するものとなった。また、前述した磁性流体を使用する必要もなく低コストである。
また、請求項2に記載の発明においては、第二、第三のシールの少なくともいずれか一方を導電性シールとし通電軸受としたので、より高い通電性能を得られる。また導電性シールは従来のものを使用できるので、設計、製作も容易である。さらに、請求項3及び4に記載の発明においては、それぞれ内外輪に電気的に接続された第二、第三のシールの金属部間に導電性グリースを介在させるようにして通電させ、さらにはゴム部を導電性ゴムとして、内外輪間の導電を確実にするようにしたので、より高い通電性能を得られ、電食防止や低電流の回路に限らず、比較的電流の大きな電気経路を形成可能となる。
さらに、本発明の通電軸受は高温での軸受性能を維持しながら通電を可能としたので、従来耐熱耐久性に問題があったカーエアコン電磁クラッチ部位への使用も可能となり、請求項5に記載の発明においては、通電軸受をカーエアコンの電磁クラッチプーリーに嵌着し、第二、第三のシールをカーエアコン本体と反対側の軸端側に設け、電食を防止し、さらには、電気回路を構成することができ、外部からの塵埃等の進入も防止できるので、電磁効率のよいカーエアコンの電磁クラッチプーリーを提供できるものとなった。
本発明の第一の実施の形態について図を参照して説明する。図1は本発明の第一の実施の形態を示す単列ボール軸受タイプの通電軸受の縦断面図である。本発明の第一の実施の形態においては単列のボールベアリングに3個のシールを設けたものである。図1に示すように、通電軸受1は、外輪2、内輪3、ボール(転動体)4、保持器5から構成され、さらに、外輪と内輪との間に、内外輪の軌道面3a,2aを転動するボールの外側に第一のシール6と、第二のシール7とが設けられている。さらに第二のシール7の外側に第三のシール8が設けられている。第一乃至第三のシールは円盤状に形成され、第一及び第二のシールはその外周側は心材を兼ねた金属部6a,7aとされ、金属部の内周側、あるいは金属を覆うようにして、ゴムからなるリップ部6b,7bが形成されている。外周側6a,7aは外輪内周2dに設けられたシール溝2b,2cに嵌着され、リップ部6b,7bは内輪外周3dの摺動面3b,3cを摺動するようにされている。第三のシール8はその外周側8aは心材を兼ねた導電性の金属部10とされ、金属部の内周側に導電性ゴム部11が設けられ先端にリップ部8bが形成されている。第二のシール7のシール溝2cの外側にさらに第三のシール溝2eが設けられており、第三のシールの外周側8aは外輪内周2dに設けられた第三のシール溝2eに嵌着され、リップ部8bは内輪外周3dの摺動面3eを摺動するようにされている。さらに、第一のシール6と第二のシール7間に潤滑用グリース12が封入され、第二のシールと第三のシール8間に導電性グリース13が封入されている。
かかる通電軸受1によれば、軸受の耐熱性、耐久性は、従来と同様の第一のシール6と第二のシール7、及び第一、第二のシール間に設けられた潤滑用グリース12により従来と同様の性能を確保できる。さらに、第二のシール7と第三のシール8との間に封入された導電性グリース13により内輪3及び外輪2が通電される。また、第三のシール8の導電性金属部10、導電性ゴム部11により、さらには導電性グリース13の導電性金属部、導電性ゴム部への接触により、内輪3及び外輪2が通電され、従来の耐熱性、耐久性を有しながら通電可能な軸受を提供できる。また、外輪2又は内輪3とボール4の間には,潤滑用グリース12により油膜が形成されるため通電せず,スパークによる電食は発生しない。さらに、高温や経年変化で導電性ゴム部11が硬化変形しても,内部に充填されている導電性グリース13が機能し通電を維持できる。なお、使用条件により第二、第一のシールを導電性シールとしてもよいことはいうまでもない。また、シール形状も一般的なものが使用できる。
本発明の第二の実施の形態について図を参照して説明する。図2は本発明の第二の実施の形態を示す複列ボール軸受タイプの通電軸受の縦断面図である。本発明の第二の実施の形態においては、例えば、自動車のハブ用車軸用やカーエアコンの電磁クラッチプーリー用の複列のボールベアリングに単リップ形のシールとボックス形シールを設けたものである。なお、図1と同様の部分については同符号を付し説明の一部を省略する。図2に示すように、第一のシール6は図1と同様に円盤状に形成され外周側は心材を兼ねた金属部6aとされ、金属部の内周側、あるいは金属を覆うようにして、ゴムからなるリップ部6bが形成されている。一方、第二と第三のシールは環状に形成され、ボックス形シール18として一体に組み立てられている。第二のシール7′は断面が逆L字形の長辺を外周部とする導電性金属部10と、金属部の短辺の内径側端で一体に形成されたリップ部11とから構成され、金属部の長辺の外周10aが外輪2の内周2dに嵌着されている。第三のシール8′は断面が逆L字形の長辺を内周部とする導電性金属部10と、金属部の短辺の外径側端で一体に形成されたリップ部11とから構成され、金属部の長辺の内周10bが内輪3の外周3dに嵌着されている。第二、第三のシールのリップ部11はその先端が二つに分かれたダブルリップとされ、第二のリップ部先端11aは第三の金属部の長辺の外周に設けられた摺接面10dに摺接するようにされ、第三のリップ部先端11bは第二の金属部の長辺の内周に設けられた摺接面10cに摺接するようにされており、第一及び第二のシール7′,8′とでボックス形シール18を形成している。さらに、第一のシール6とボックス形シール18の内側、即ち第二のシール7′との間に潤滑用グリース12が封入され、ボックス形シール内、即ち、第二のシール7′と第三のシール8′間に導電性グリース13が封入されている。
かかる通電軸受1′によれば、前述したと同様の従来と同様の耐熱、耐久性を保持し、導電性の良好な通電軸受を提供できる。さらに、リップ部先端11a,11bを相手側長辺の摺接面10c、10dとしたので、導電性グリース13は直接互いの導電性金属部10に接触するので良好な通電性能を確保できる。リップ部11を短辺側11e,11fに摺接するようにすると両導電性金属間に封入される導電性グリースの量が減るので、摺接面は長辺側に設けるのが好ましい。なお、リップ部11は導電性ゴムが好ましいことはもちろんである。これによれば従来のボックス形シールと同様の取り扱い、使用が可能となり、電食を防止、さらには電気回路の確保が可能である。
本発明の第三の実施の形態について図を参照して説明する。図3は本発明の第三の実施の形態を示すカーエアコン用の電磁クラッチ及びコンプレッサの縦断面説明図である。本発明の第三の実施例においては、第二の実施の形態で述べた通電軸受をカーエアコン電磁クラッチに使用した例である。図2と同様の部分については同符号を付し説明の一部を省略する。図3において、従来例で述べたように、エンジン動力が図示しないエンジンクランクプーリー、ベルトにより電磁クラッチプーリー31に伝達される。伝達された駆動力を本体(コンプレッサー)32の回転軸33端部33aに形成された円盤34と円盤に取り付けられたアーマチュア35と電磁クラッチプーリー31の端部に形成された摩擦板36を電磁コイル(ヨーク)37の電磁力により吸着させ、エンジン駆動力をコンプレッサー回転軸33に伝達させてコンプレッサーを駆動するようにされている。コンプレッサー回転軸33を囲むようにしてコンプレッサーカバー38から突出した固定軸38aに内輪3を固定された第二の実施の形態で述べた通電軸受1′が設けられ、この通電軸受の外輪2が電磁クラッチプーリー31の凹部31aに嵌合され、内輪3に対して電磁クラッチプーリー31が回転支持可能にされている。
特に、電磁コイル37は固定軸38aではなく、電磁クラッチプーリー31の凹部42に挿入固定されている。さらに電磁コイル37のプラス端子が回転ブラシ43を経由して図示しない電気回路に接続されている。一方、電磁コイル37のマイナス端子は導電性を有するプーリー31にアースされ、さらに、プーリーを介して通電軸受1′の外輪2に導通するようにされている。
かかる構造のカーエアコン電磁クラッチ20においては、電磁コイル37への電源の供給は、図示しない電源回路からブラシ43を通じ電磁コイル37、プーリー31、通電軸受1′の外輪2、導電性シールであるボックス形シール18、内輪3、固定軸38aを経由して図示しない電源回路に戻る電気回路が構成できる。また、外輪2又は内輪3とボール4の間には、潤滑用グリース12により油膜が形成されるため通電せず、スパークによる電食も発生しない。さらに、電磁コイル37をプーリー31に密着固定できるので、図4で示したコイルとプーリのすきま37a,37b,37cを無くして小型化ができ、さらに磁気効率を高めることができる。さらに、軸端33a側にボックス形シール18を設けるので外部からの塵埃等の進入も防止でき、本体(コンプレッサー)32側からの熱の影響も少ない。
なお、通電軸受を第一の実施の形態で示したような単列通電軸受を互いに背面になるように2個配置し、互いに絶縁状態となるようにすれば、ブラシに代えて、2個の通電軸受によりプラス・マイナスを備えた電気回路を構成できる。また、実施の形態においてはボール軸受について説明したが、円筒ころ、円錐ころ、ニードル軸受等のころがり軸受に適用できる。また、シールのゴム部はリップ形の摺接シールタイプの場合について述べたが、ラビリンスシールでも適宜応用できる。また、導電性シールは片側のみでなく両側に構成してもよい。さらに、高温、高速回転の電磁クラッチ用に限らず種々の用途の通電軸受に使用できることはいうまでもない。
また、潤滑用グリースはころがり軸受に一般に使用されるものでよい。また、導電性グリースは増ちょう剤にカーボンを含んだグリース、例えば協同油脂マルテンプELK(商品名)、あるいはポリグリコール系合成油グリース、例えば協同油脂マルテンプAC−J(商品名)等がよく知られている。また、導電性ゴムはカーボンを含んだゴムが多く用いられている。金属部は、銅、真鍮、鋼板等の金属材料を使用すればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の潤滑用グリース、導電性グリース、金属材料が使用されることはいうまでもない。
1、1′ 通電軸受
2 外輪
2a 外輪軌道面
2d 外輪内周
3 内輪
3b 内輪軌道面
3d 内輪外周
4 転動体(ボール)
5 保持器
6 第一のシール
7、7′ 第二のシール
8、8′ 第三のシール
10 導電性金属部
10a、10b 摺接面
11 導電性ゴム部
12 潤滑用グリース
13 導電性グリース
18 ボックス形シール
20 カーエアコンの電磁クラッチ
31 プーリー
32 本体(コンプレッサー)
33a 軸端部
37 電磁コイル
2 外輪
2a 外輪軌道面
2d 外輪内周
3 内輪
3b 内輪軌道面
3d 内輪外周
4 転動体(ボール)
5 保持器
6 第一のシール
7、7′ 第二のシール
8、8′ 第三のシール
10 導電性金属部
10a、10b 摺接面
11 導電性ゴム部
12 潤滑用グリース
13 導電性グリース
18 ボックス形シール
20 カーエアコンの電磁クラッチ
31 プーリー
32 本体(コンプレッサー)
33a 軸端部
37 電磁コイル
Claims (5)
- ころがり軸受の外輪と内輪との間に、前記内外輪の軌道面及び前記内外輪の軌道面を転動する転動体の外側に設けられた第一のシールと、前記軌道面及び転動体を挟んで前記第一のシールとは反対側に設けられた第二のシールと、さらに前記第二のシールの外側に設けられた第三のシールと、を有しており、前記第一のシールと前記第二のシール間に潤滑用グリースが封入され、前記第二のシールと前記第三のシール間に導電性グリースが封入され、前記第二、第三のシールと、前記導電性グリースと、で前記内外輪が通電されていることを特徴とする通電軸受。
- 前記第二、第三のシールの少なくともいずれか一方が、導電性金属部と導電性ゴム部とからなる導電性シールであり、前記導電性金属部が前記外輪又は内輪のいずれか一方に通電可能に固定され、前記導電性ゴム部が前記導電性金属部が固定される前記外輪又は内輪と反対側の内輪又は外輪に通電可能に摺接するようにされていることを特徴とする請求項1記載の通電軸受。
- 前記第二、第三のシールは導電性金属部とゴム部を有し、前記第二のシールの導電性金属部が前記外輪又は内輪のいずれか一方に通電可能に固定され、前記第三のシールの導電性金属部が前記第二のシールが外輪に固定されている場合は内輪に、前記第二にシールが内輪に固定されている場合は外輪に通電可能に固定され、前記ゴム部は前記導電性金属部が固定される前記外輪又は内輪と反対側の内輪又は外輪、又は、前記相手側のシールの導電性金属部の摺接面に摺接するようにされ、前記導電性グリースが前記第二及び第三のシールの導電性金属部間を通電するようにされていることを特徴とする請求項1記載の通電軸受。
- 前記ゴム部は通電可能な導電性ゴム部であることを特徴とする請求項3記載の通電軸受。
- 前記通電軸受はカーエアコンの電磁クラッチプーリーに嵌着され、前記第二、第三のシールはカーエアコン本体と反対側の軸端側に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の通電軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003314890A JP2005083442A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 通電軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003314890A JP2005083442A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 通電軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005083442A true JP2005083442A (ja) | 2005-03-31 |
Family
ID=34415311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003314890A Withdrawn JP2005083442A (ja) | 2003-09-08 | 2003-09-08 | 通電軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005083442A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051747A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Nsk Ltd | 非金属材巻き軸受 |
JP2007177956A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
WO2010004975A1 (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-14 | 株式会社ジェイテクト | 車軸用軸受装置 |
DE102019133883A1 (de) * | 2019-12-11 | 2021-06-17 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Lagereinheit mit Elektrodenraum, Ableitbaugruppe sowie elektrische Antriebsanordnung mit der Lagereinheit und/oder der Ableitbaugruppe |
-
2003
- 2003-09-08 JP JP2003314890A patent/JP2005083442A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051747A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Nsk Ltd | 非金属材巻き軸受 |
JP2007177956A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nsk Ltd | 転がり軸受 |
JP4548334B2 (ja) * | 2005-12-28 | 2010-09-22 | 日本精工株式会社 | 転がり軸受 |
WO2010004975A1 (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-14 | 株式会社ジェイテクト | 車軸用軸受装置 |
JP2010018045A (ja) * | 2008-07-08 | 2010-01-28 | Jtekt Corp | 車軸用軸受装置 |
US8770848B2 (en) | 2008-07-08 | 2014-07-08 | Jtekt Corporation | Axle bearing system |
DE102019133883A1 (de) * | 2019-12-11 | 2021-06-17 | Schaeffler Technologies AG & Co. KG | Lagereinheit mit Elektrodenraum, Ableitbaugruppe sowie elektrische Antriebsanordnung mit der Lagereinheit und/oder der Ableitbaugruppe |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5515246B2 (ja) | 車軸用軸受装置 | |
KR100491692B1 (ko) | 회전베어링 | |
CN103166361A (zh) | 轴承装置和具有该轴承装置的电动机 | |
KR20140117533A (ko) | 자기 및/또는 전자 요소를 갖는 롤링 베어링 조립체 | |
US11990817B2 (en) | Motor and drive device | |
US20230006500A1 (en) | Drive device and vehicle | |
US7800266B2 (en) | Electric motor | |
JP5371230B2 (ja) | オルタネータ用軸受 | |
JP2009079643A (ja) | 通電式転がり軸受 | |
JP2005083442A (ja) | 通電軸受 | |
JP2001153145A (ja) | 密封形転がり軸受 | |
JP4017827B2 (ja) | 玉軸受 | |
US20010021285A1 (en) | Vehicle bearing device | |
CN113107968A (zh) | 具有导电介质的轴承 | |
JPH0245046B2 (ja) | Suberijikukesochi | |
JP5661410B2 (ja) | 玉軸受用保持器および玉軸受 | |
JP2007113744A (ja) | 玉軸受及びブラシレスモータ | |
JP4548334B2 (ja) | 転がり軸受 | |
JP2008025685A (ja) | 転がり軸受 | |
JP2007138966A (ja) | 転がり軸受及び軸受組込装置 | |
JP5910385B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2005069404A (ja) | 密封型転がり軸受 | |
JP2020076427A (ja) | 転がり軸受装置 | |
JP2008106874A (ja) | 玉軸受およびこれを用いたブラスレスモータ | |
JP2006322600A (ja) | 密封型転がり軸受 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20061205 |