JP2005083162A - 防水アンカー及び防水アンカーの施工方法 - Google Patents

防水アンカー及び防水アンカーの施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】既に防水シートを用いて防水仕上されたベランダの床や屋根に、手摺やアンテナ等の構築物を取り付ける際の防水性を保持し得る防水アンカーとこの施工方法を解決する。
【解決手段】防水アンカーAは、所定の寸法を持った鋼板1と、鋼板1よりも大きい面積を持った防水シート2と、端部にフランジ3aを設けたナット3と、外周にナット3の雌ネジ部cと螺合する雄ネジ部4bを形成し内周に雌ネジ部4cを形成し且つ端部にフランジ4aを設けた固定ナット4とを有する。鋼板1と防水シート2との重ね合わせ部に形成された貫通穴1a,2aの鋼板1側にナット3のフランジ3aを接触させ、防水シート2側から固定ナット4の雄ネジ部4bを貫通させて締結し、フランジ3a,4aによって鋼板1と防水シート2を挟持する。ナット3又は固定ナット4に止水底(3d)を形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、防水シートを用いた防水施工がなされた略平坦な屋根にアンテナの支線を取り付けたり、リフォームの際に利用する親綱を取り付ける際に用いるアンカーであって、該屋根に後付けして既に施工されている防水構造との間に良好な防水性を保持し得る防水アンカーと、その施工方法に関するものである。
完成している建物の平坦な屋根や屋上の外周部に沿って手摺を取り付けたり、新たなアンテナや屋上緑化を実現する際の樹木を支持する支線を取り付けることが必要となることがある。また外壁のメンテナンスやリフォームを行う際の作業員の安全を確保するために屋根や屋上に親綱を張り渡しておき、この親綱に安全ベルトを引っ掛けて目的の作業を行うようにしており、この親綱を支持する支柱を取り付けることが必要となることもある。
上記の如く、予め手摺や支線或いは親綱を取り付けることが予定されている建物では、新築時にこれらの部材を取り付けるための金具や支柱を設置しておくのが一般的である。この技術は、建物の躯体を構成する梁に床を貫通し得る長さを持った円筒状の支柱を固定すると共に該梁に床下地材を敷設し、且つ床下地材の上部に不燃ボードや防水シートを敷設して床を構成し、更に、支柱の外周に一端にフランジを設けた筒状の防水シートを装着すると共に、該防水シートのフランジを床の防水シートに溶着させたものである。
上記技術は、支柱を梁に取り付けた後、床の施工や防水シートの施工が行われるのであり、予め支柱の上端部分に目的の機能を発揮し得る形状を持った部材を取り付けておき、或いは支柱の内周面に雌ネジを形成すると共に該雌ネジに目的の機能を発揮し得る部材を装着することで、アンテナの支線や親綱を取り付けることが出来る。
また特許文献1に記載された技術は、防水シートを敷設した床や壁面に支柱を取り付けるための固定ボルトを水密性を持って立設したものである。この技術は、コンクリート躯体にフランジを有し且つ内周に雌ネジを形成した筒を埋設しておき、フランジにパッキンを載置した状態で筒に対向する位置に孔が形成された防水シートを施工し、その後、防水シートを貫通させて固定ボルトを筒に螺合し、この固定ボルトに押さえ板を溶接したナットを配置すると共に押さえ板と防水シートとの間にパッキンを介在させて螺合し、更に、ナットと固定ボルトを溶接することで水密性を保持し得るように構成したものである。
上記技術は、コンクリート躯体に筒を埋設した後、該筒の上部に対する防水シートの施工を行うものであり、筒に螺合させた固定ボルトと、該固定ボルトに螺合されたナットとは水密溶接されている。そしてナットを螺合した固定ボルトに支柱取付用ステーを取り付けて更にナットを締結することで、支柱を取り付ける準備構造を構成している。
実公平3−52323号公報
上記従来技術及び特許文献1の技術は何れも防水工事の着手に先立って円筒状の支柱や筒の躯体に対する設置作業を行うものであり、防水シートによる防水施工が完了した後で行うものではない。このため、前記各技術を利用して、既に防水施工が完了している床に手摺の支柱やアンテナや樹木の支線を取り付けようとすると、防水施工された部位を壊し、梁を露出させて円筒状の支柱を固定し、或いはコンクリート躯体を露出させて筒を埋設し、その後、再度防水施工を行うことが必要となり、多くの手間が掛かるという問題がある。
また上記従来技術では、将来取り付けるべき手摺や支線を見込んで、予め新築時に梁に支柱を取り付けておいた場合、この支柱が床から突出することとなり、該床を利用する際に邪魔になったり、見栄えが悪くなるという問題も生じる。
また特許文献1の技術では、前述した従来技術と同様に、将来取り付けるべき手摺を見込んで、予め新築時に梁に固定ボルトを取り付けておいた場合、この固定ボルトが床から突出することとなり、該床を利用する際に邪魔になったり、見栄えが悪くなるという問題が生じる。
本発明の目的は、既に防水シートを用いて防水仕上された床面に後から手摺やアンテナ等の構築物を取り付ける際に有利な防水アンカーの施工方法を提供すると共に、このような施工を行う際に利用して有利な防水アンカーを提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る防水アンカーは、所定の寸法を持った鋼板と、前記鋼板よりも大きい面積を持った防水シートと、端部にフランジを設けたナットと、外周に前記ナットに形成したネジと螺合する雄ネジ部を形成すると共に内周に雌ネジ部を形成し且つ端部に前記ナットに設けたフランジと対応するフランジを設けた固定ナットと、を有し、前記鋼板と防水シートとを重ね合わせると共に重ね合わせ部の所定位置に前記固定ナットの雄ネジ部よりも大きく且つフランジよりも小さい貫通穴を形成し、該貫通穴の鋼板側に前記ナットのフランジを接触させて貫通穴の防水シート側から固定ナットの雄ネジ部を貫通させると共にナットに締結することで、ナットのフランジと固定ナットのフランジとによって鋼板と防水シートを挟持し、且つ前記ナット又は固定ナットに止水底を形成したものである。
また本発明に係る防水アンカーの施工方法は、防水シートを用いて防水仕上された床面に請求項1又は2に記載した防水アンカーのナットを挿入するための穴を形成し、該穴に防水アンカーのナットを挿入して鋼板を前記床面に載置した後、該鋼板をビスを含む固定具によって床面に固定し、その後、鋼板に重ね合わせた防水シートを少なくとも床面に溶着又は接着することを特徴とするものである。
上記防水アンカーでは、該防水アンカーを構成する鋼板、防水シート、ナット、固定ナットを夫々工場生産することが出来る。このため、安定した品質を保証することが可能であり、信頼性の高い防水アンカーとすることが出来る。
特に、鋼板と防水シートとを、ナット及び固定ナットのフランジで挟持することによって穴の周囲の防水性を確保することが出来る。またナット或いは固定ナットに止水底を設けたので、これらのナットのネジ部分から水が浸透したとしても、この水を止水底に貯留させることで、屋内側への浸入を防止することが出来る。従って、特別な部品を必要とせずに信頼性の高い防水アンカーとすることが出来る。
また上記防水アンカーの施工方法では、目的の床面が防水シートによる防水仕上が完了している場合であっても、防水施工の後工程として容易に防水アンカーの床に対する取付施工を実施することが出来る。
即ち、防水シートが施工されている床に防水アンカーを取り付ける場合、床に対し防水アンカーを構成するナットを挿入し得る穴を形成すること、防水アンカーを構成する防水シートを床に施工されている防水シートに溶着或いは溶接することで良く、後加工であるにも関わらず信頼性の高い防水性を付与することが出来る。
上記の如く、既に防水シートによる防水施工が完了した床面に防水アンカーを取り付けるため、該防止アンカーの取付位置を所望の位置に設定することが出来る。このため、屋根や屋上の床面を利用する際の自由度が高くなり、例えば屋上緑化を行う際に樹木を支持するような場合、該樹木の高さや枝のはりかたに応じて最適な方向に支線を配置することが可能となる。
また鋼板をビスを含む固定具によって床面に固定するに際し、該固定具を床面の下部に設けた軽量気泡コンクリートパネルやプレキャストコンクリートパネル等のパネルからなる床材、或いは他の材料からなる床材や躯体に固定することによって、大きな力に対抗することが出来る。
また固定ナット或いはナットに設けた止水底によって、雨水や散水のナットよりも屋内側への浸入を阻止することが出来、且つ床に取り付けた防水アンカーを使用しない場合であっても、防水アンカーを構成する防水シートの既存の防水シートからの膨らみも大きなものではなく、この床上で人が作業するような場合でも邪魔になることがなく、安全で見栄えが悪くなることもない。
上記のように、本発明では、既存の屋根やベランダに屋上緑化に伴う樹木を植えたり、アンテナを設置したり、リフォームを行う際の安全性を確保するための親綱を設けることを容易に行うことが出来る。
本発明に係る防水アンカーは、屋根やベランダの床(以下、屋根と床を含めて「床」という)に手摺の支柱や親綱の支柱、アンテナの支線或いは樹木の支線を取り付ける際に用いるものであって、既に防水シートによる防水施工が完了しているような床に適用して有利なものである。
特に、本発明に係る防水アンカーは、床に取り付けられたとき、雨水や散水が建物に浸入することを阻止し、且つ不使用時には床の上面からの突出高さを小さくして、該床上で人が作業する際に邪魔にならないようにし、更に、外部から見たときに見栄えを悪くすることがない。
本発明に於いて、床は防水シートを利用して防水施工がなされるものであれば良く、この防水シートの下部の構成は特に限定するものではない。即ち、防水シートの下側の構造が、例えば軽量気泡コンクリート(ALC)パネルやプレキャストコンクリート(PC)パネル等の床パネル(屋根パネルを含む)を利用したものであって良く、生コンクリートを打設して構成したスラブであっても良い。更に、建物の躯体が木造であっても特別な問題を生じるものではない。
本発明の防水アンカーは、所定の寸法を持った鋼板と、この鋼板よりも大きい面積を持った防水シートと、端部にフランジを設けたナットと、内周面に雌ネジが形成され外周面に前記ナットに螺合する雄ネジが形成され端部にフランジを設けた固定ナットを有し、前記鋼板と防水シートに固定ナットの雄ネジが貫通し得る穴を形成しておき、この穴側にナットのフランジと固定ナットのフランジを対向させると共に、固定ナットの雄ネジを挿通してナットに締結することで構成され、更に、ナット或いは固定ナットに止水底が形成されている。
鋼板は、防水シートと重ね合わされて該防水シートの強度を向上させる補強部材としての機能を有する。即ち、重ね合わされた防水シートと鋼板は、固定ナットの端部に設けたフランジとナットの端部に設けたフランジとによって挟持され、固定ナットを介して伝達される荷重或いは力に対抗する機能を有するものである。
また鋼板の防水シートとの重ね合わせ部に於ける所定位置には、該鋼板と防水シートを厚さ方向に貫通し、固定ナットの雄ネジよりも大きく且つフランジの外径よりも小さい貫通穴が形成され、この貫通穴の防水シート側に固定ナットのフランジが接触し、鋼板側にナットのフランジが接触し、これらのナットを互いに締め付けることで、各フランジによって鋼板と防水シートとが圧接して防水性が発揮される。
このため、鋼板は、床に取り付ける対象物に作用する力に伴って発生する引き抜き力等の力に対抗し得る厚さを有することが必要である。また鋼板の面積(平面寸法)は限定するものではないが、固定ナット,ナットの締め付けに伴う力が防水シートに対し適度に分散した状態で作用し得るように各ナットに設けたフランジの外径よりも充分に大きいものであることが好ましい。
鋼板と防水シートとは互いに別体であって良い。これらが異なる部材として構成されている場合であっても、固定ナットとナットとの締結に伴う各フランジの押圧力によって鋼板と防水シートとの重ね合わせ部の間隙を無視し得るように圧接することが可能である。しかし、より高い水密性を確保し、且つ防水アンカーとしての取り扱い性を向上させるには、鋼板と防水シートとを貫通穴を中心として同心円状に溶着し、或いは接着しておくことが好ましい。このように、両者を溶着或いは接着しておくことによって、両者の重ね合わせ部に形成される虞のある間隙をなくして防水性を確実にし、且つ施工時や製造時に一体物としての取り扱いを容易とすることが可能となる。
防水アンカーは該防水アンカーを構成する防水シートを既存の床に施工されている防水シートに溶着し、或いは接着することで床に取り付けられる。このため、固定ナット,ナットを介して鋼板,防水シートに伝達された力は、防水シートどうしの溶着部或いは接着部の引き剥がし抵抗によって支持される。固定ナット,ナットに作用する力が、前記引き剥がし抵抗よりも小さい場合、この構成で充分である。
しかし、対象物に作用する力が大きい場合、固定ナット,ナットに作用する力を建物の躯体側に伝達して支持することが好ましい。このため、鋼板に貫通穴を中心として略同心円上に複数の孔を形成し、この孔に釘やビス等の固定具を挿通して床に打ち込むことで、力を該固定具から躯体側に伝達して支持し得るように構成することが好ましい。鋼板をこのように構成することで、固定ナット,ナットを介して鋼板,防水シートに伝達された力を、更に躯体側に伝達して支持することが可能となる。
上記の如く、鋼板を釘やビス等の固定具を利用して建物の躯体側に固定し得るように構成した場合、鋼板の直径を、固定具の太さや、固定具を打ち込む際の作業スペースを考慮して設定することが好ましい。
上記鋼板としては特別な処理を施していない鉄板であって良い。しかし、使用期間が長期にわたることを考慮すると、所謂防水鋼板を用いることが好ましい。
防水シートは、既存の床に防水施工された防水シートと溶着或いは接着されて防水アンカーの周囲の防水をはかる機能を有するものである。このため、防水シートとしては、床に施工されている既存の防水シートに対して溶着或いは接着が可能な材質であることが必要である。床を防水施工する一般的な防水シートとしては、可撓性を持った塩化ビニルシートが用いられており、防水アンカーを構成する防水シートとしてもこの塩化ビニルのシートを用いることが好ましい。
防水シートは、床に施工された既存の防水シートに溶着或いは接着されるため、鋼板の外周に対応する部位に安定した強度を発揮し得る溶着,接着を行うことが可能な溶着代を設けることが必要となる。このため、防水シートの面積は鋼板の面積よりも大きく設定されている。また防水シートや鋼板の平面形状は特に限定するものではないが、円形か或いは四角形程度の形状であることが好ましい。
固定ナットは床に取り付けるべき対象物を、直接或いはステーや支線等の中間部材を介して固定するための部材であり、対象物に作用する力に応じた寸法を持って形成されることが好ましい。対象物を床に固定する部材としては構造や形状を限定するものではなく、固定ナットの雌ネジ部に締結される雄ネジを有する部材、例えば既成のアイボルトや、スタッドボルト、或いは対象物に応じて構成された特殊な頭部を持ったボルト部材等を選択的に利用することが可能である。
固定ナットは、重ね合わせた鋼板と防水シートの貫通穴に対し防水シート側から雄ネジ部を挿入し、鋼板側に配置されたナットに締結される。そして固定ナットの端部に設けたフランジがナットの端部に設けたフランジと共に鋼板と防水シートを挟持して押圧することで、固定ナット,ナットと鋼板,防水シートを一体化するものである。このため、固定ナットに設けたフランジは、ナットに締結されたときに防水シートに対し適正な面圧を持って押圧することが可能な面積を有することが好ましい。
固定ナットの雄ネジ,雌ネジの寸法、或いは長さ等の寸法、及びフランジの外径や厚さは一義的に設定されるものではなく、作用する力の大きさや、ナットに対する締結力の大きさ等に応じて適宜設定することが好ましい。また固定ナットの材質も特に限定するものではなく、長期間大気に暴露された状態で錆が生じることのない材質(例えばステンレス鋼)、或いは防錆処理(メッキ処理等)がなされたものであることが好ましい。
ナットは、固定ナットと共に重ね合わせた鋼板と防水シートを挟持して一体化する機能を有するものである。特に、ナットは鋼板側に配置されるため、固定ナットが締結されたときに作用する締結力は、フランジを介して鋼板に作用する面圧は防水シートに作用する面圧よりも大きくとも良い。このため、ナットに設けたフランジの外径は、固定ナットに設けたフランジの外径よりも小さくすることが可能となり、これにより、防水アンカーを床に設置する際に、該床に形成する穴の径を小さくすることが可能となって好ましい。
固定ナットとナットは、鋼板と防水シートを挟み込んだ状態で互いに締結される。固定ナットとナットを締結するための工具としては特に限定するものではなく、例えばナット側の本体、及び固定ナット側のフランジをプライヤーや水道レンチ等によって把持して締結することが可能である。しかし、これらのナットを良好な状態で締結するためには、固定ナット及びナットに夫々締結用工具を着脱するための部位を形成しておくことが好ましい。
このため、固定ナットのフランジの表面に複数のピン孔を形成すると共に前記ピン孔の少なくとも2個と係合するピンを立設した固定具を用意し、且つナットのフランジを除く外周に少なくとも一対の平行な面を形成すると共に該平行な面を把持するスパナを固定具として用意し、固定ナットとナットとを締結する際には、これらの固定具を利用することが好ましい。
固体ナットとナットの何れかに、浸入した水を滞留させるための止水底が形成される。この止水底は雌ネジ部の端部を遮蔽することで、該遮蔽部分を止水底として利用することが可能である。
上記の如く構成された防水アンカーでは、鋼板と防水シート、固定ナット、ナットを夫々単独の部品として製造しておき、防水アンカーを設置すべき現場で組み立てることが可能である。しかし、予め工場段階で、鋼板と防水シートを互いに溶着或いは接着すると共に、この鋼板と防水シートを固定ナットとナットで挟持して完成した防水アンカーを製造しておき、現場では完成部品として取り扱うようにすることが好ましい。
次に、上記防水アンカーの実施例について図を用いて説明する。図1は防水アンカーの構成を説明する展開図である。図2は床に防水アンカーを設置した状態を説明する断面図である。図3は防水アンカーの使用例を説明する図である。
先ず、図3により防水アンカーAの使用例について簡単に説明する。防水アンカーAは、例えば屋上緑化を構成する人工緑地に植え込まれた樹木21を支線22によって支持する場合、ベランダや屋根に取り付けたアンテナ23を支線24によって支持する場合、更に、複数の防水アンカーAに後述するアイボルト7を締結すると共に該アイボルト7に親綱25を設置する場合、等に好ましく使用することが可能である。
図1,2に示すように、防水アンカーAは、所定の直径を持った防水鋼板からなる鋼板1と、鋼板1よりも大きい面積を持った防水シート2と、端部にフランジ3aを設けたナット3と、端部にフランジ4aを設けた固定ナット4とを有して構成されている。
鋼板1と防止シート2は夫々円形に形成されており、略中心に貫通穴1a,2aが形成されている。貫通穴1a,2aの径は、固定ナット4の雄ネジ部4bの径よりも大きくフランジ4aの径よりも小さい値を有しており、固定ナット4の雄ネジ部4bの径に応じて適宜設定される。
鋼板1と防水シート2は貫通穴1a,2aを中心として略同心円状に溶着(溶着部5)されており、これにより、鋼板1と防水シート2を一体化させると共に両者1,2の重ね合わせ部の隙間を充填している。尚、溶着部5の径は特に限定するものではない。
鋼板1の溶着部5よりも大きい直径を持った円周上に複数(本実施例では4個)の穴1bが形成されている。この穴1bは、釘やビス等の固定具6を挿通するためのものであり、該固定具6の太さに応じた径を持って形成されている。
防水シート2は、鋼板1よりも大きい直径を持って形成されており、鋼板1の外径よりも大きいリング状の部分が、既存の床に施工された防水シートに対する溶着代2bとして機能するものである。
ナット3は、一方側の端部にフランジ3aが設けられており、本体部3bの内周面に雌ネジ部3cが形成されている。特に、本体部3bのフランジ3aを設けた端部とは他方側の端部は雌ネジ部3cが貫通することなく遮蔽されており、この遮蔽部の雌ネジ部3c側が止水底3dとして形成されている。即ち、ナット3は袋ナット状に形成されており、これにより、雌ネジ部3cに水が浸入した場合であっても、該水は止水底3dに滞留して漏洩が阻止される。
ナット3の本体3bの外周には、図示しない締結用工具となるスパナを係止するための面取り部3eが形成されており、固定ナット4を締結する際には、面取り部3eにスパナを掛けることで、安定した締結を実現し得るように構成されている。
固定ナット4は、端部にフランジ4aが設けられており、外周には雄ネジ部4bが、内周には雌ネジ部4cが夫々形成されている。雌ネジ部4cが固定ナット4の全長にわたって形成されることで、該固定ナット4は略円筒状に形成されている。
フランジ4aの雄ネジ部4bとは反対側の表面に、複数のピン穴4dが形成されている。このピン穴4dは固定ナット4の中心を通る直線上に形成されており、締結工具として直線状の板材にピン穴4dの間隔に一致させて2本のピンを立設して構成した治具を用い、該軸のピンをピン穴4dに嵌合させて回転させることが可能なように構成されている。
固定ナット4の雌ネジ部4cは、アイボルト7や目的に応じた特殊な形状を持ったボルトを締結するためのものであり、例えばアイボルト7を利用して支線22,24や親綱25を固定することが可能である。
防水アンカーAは、鋼板1と防水シート2が貫通穴1a,2aを一致させた状態で互いに重ね合わされると共に溶着部5を介して溶着され、更に、貫通穴1a,2aの軸心上であって鋼板1側にナット3を配置すると共に該ナット3のフランジ3aを鋼板1に当接させ、防水シート2側に固定ナット4を配置して雄ネジ部4bを貫通させてナット3の雌ネジ部3cに螺合して強固に締結することで完成した部品として構成され、この完成品として供給される。
防水アンカーAを取り付ける既存の床Bは、例えばALCパネルやPCパネル等のパネルからなる床パネル11と、床パネル11の上部に防水モルタルを打設して構成された防水下地層12と、防水下地層12の上部に施工された断熱層13と、床Bの最上層となる防水シート14と、を有して構成されている。
次に、防水アンカーの施工方法について図4により説明する。図に於いて、床Bには既に防水シート14による防水施工が完了している。このように既に防水施工が完了している床Bに屋上緑化を施工し、或いはアンテナや親綱を取り付けるために、これらの施工に必要な位置に防水アンカーAを設置する。
同図(a)に示すように、床Bの所定位置に穴15を形成する。この穴15は、防水アンカーAを構成するナット3を嵌入させるためのものであり、該ナット3に設けたフランジ3aの外径よりも大きい径と、ナット3の長さと等しいか或いは僅かに大きい深さを持って形成される。穴15を施工する際の工具は限定するものではなく、ホールソー等を用いることが可能である。
同図(b)に示すように、床Bに形成された穴15に防水アンカーAのナット3を嵌入させる。その後、同図(c)に示すように、防水シート2をまくり上げて鋼板1の穴1bを露出させ、この状態で固定具6を床Bに打ち込む。鋼板1に形成した全ての穴1bに対して固定具6を打ち込むことで、該鋼板1を直接床Bに固定し、これにより、ナット3,固定ナット4を鋼板1を介して床Bに一体化させる。
次に、同図(d)に示すように、防水アンカーAの防水シート2を床Bの防水シート14に溶着或いは接着することで、防水アンカーAを床Bに取り付けることが可能である。従って、目的(樹木21の支線22やアンテナ23の支線24の固定、或いは親綱25の取り付け等)に応じて必要な数の防水アンカーAを必要な個所に取り付けることが可能である。
図2に示すように、鋼板1を固定具6として4本のビスを利用して床Bを構成する床パネル11に固定し、この防水アンカーAに引き抜き方向の力を付与して実験を行ったところ、ビス1本当たりの引抜強度は約170kgであった。
また防水アンカーAの固定ナット2にアイボルト7を締結すると共に該アイボルト7にロープに結んだ60kgの砂袋をつなぎ、この砂袋を下方に投げ落とす実験を行ったところ、この実験では破壊にはいたっていないことが確認された。この結果、防水アンカーAに張り渡した親綱25の場合、屋根や屋上で作業している作業員が誤って落下した場合であっても、防水アンカーAが床Bから離脱するようなことはない、といえることが確認された。
本発明に係る防止アンカーAは、ベランダの床や屋根が防水シートを利用して防水施工がなされたものであれば利用することが可能であり、これらの床や屋根の構造を問うものではない。従って、木造の躯体を持った建物であっても適用することが可能である。
防水アンカーの構成を説明する展開図である。 床に防水アンカーを設置した状態を説明する断面図である。 防水アンカーの使用例を説明する図である。 防水アンカーを床に施工する際の手順を説明する図である。
符号の説明
A 防水アンカー
B 床
1 鋼板
1a,2a 貫通穴
1b 穴
2 防水シート
2b 溶着代
3 ナット
3a フランジ
3b 本体部
3c 雌ネジ部
3d 止水底
3e 面取り部
4 固定ナット
4a フランジ
4b 雄ネジ部
4c 雌ネジ部
4d ピン穴
5 溶着部
6 固定具
7 アイボルト
11 床パネル
12 防水下地層
13 断熱層
14 防水シート
15 穴
21 樹木
21,24 支線
23 アンテナ
25 親綱

Claims (2)

  1. 所定の寸法を持った鋼板と、前記鋼板よりも大きい面積を持った防水シートと、端部にフランジを設けたナットと、外周に前記ナットに形成したネジと螺合する雄ネジ部を形成すると共に内周に雌ネジ部を形成し且つ端部に前記ナットに設けたフランジと対応するフランジを設けた固定ナットと、を有し、前記鋼板と防水シートとを重ね合わせると共に重ね合わせ部の所定位置に前記固定ナットの雄ネジ部よりも大きく且つフランジよりも小さい貫通穴を形成し、該貫通穴の鋼板側に前記ナットのフランジを接触させて貫通穴の防水シート側から固定ナットの雄ネジ部を貫通させると共にナットに締結することで、ナットのフランジと固定ナットのフランジとによって鋼板と防水シートを挟持し、且つ前記ナット又は固定ナットに止水底を形成したことを特徴とする防水アンカー。
  2. 防水シートを用いて防水仕上された床面に請求項1又は2に記載した防水アンカーのナットを挿入するための穴を形成し、該穴に防水アンカーのナットを挿入して鋼板を前記床面に載置した後、該鋼板をビスを含む固定具によって床面に固定し、その後、鋼板に重ね合わせた防水シートを少なくとも床面に溶着又は接着することを特徴とする防水アンカーの施工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011231597A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Sekisui Chem Co Ltd 積載物の屋根への支持構造
KR101798956B1 (ko) 2017-09-22 2017-11-20 신승레버(주) 방수 시공 방법

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