JP2005082933A - カチオン交換繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 化学的後処理を必要としない、熱処理だけの簡単な架橋処理により、繊維としての基本性能を有し、しかも有機物溶出性が少ない安定性に優れたカチオン交換繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】 ポリビニルアルコール系ポリマー、スルホン酸基を有するスチレン系ポリマーおよび架橋剤を主成分とした紡糸原液を紡糸し、熱処理することにより繊維内で高分子網目構造を形成させ不溶化する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、空気中や水中、有機溶剤中に含まれるカチオンを効率よく吸着することができるカチオン交換繊維の製造方法に関する。
イオン交換繊維は、イオン交換樹脂と比較し、表面積が大きいことからイオン交換速度の高いことが知られている。さらに、繊維状であることから、紐状、布状、不織布状など種々の形態をとることが可能である。
強カチオン交換繊維の製造方法については、これまでいくつかの方法が試みられている。例えば、ポリエステル等の不織布に放射線を照射させ発生ラジカルを利用したグラフト重合によりイオン交換基を導入する方法がある(特許文献1参照)。しかしながら、放射線照射設備等の特殊な装置が必要である等の問題点がある。
ポリビニルアルコール系強カチオン交換繊維の製造方法についても、これまでいくつかの方法が試みられている。本発明者等は、繊維としての基本性能を有する強カチオン交換繊維としてポリスチレンスルホン酸ナトリウムとポリビニルアルコールを乾式紡糸し、ジアルデヒド類でポリビニルアルコールをアセタール架橋することを特徴とする強カチオン交換繊維とその製造方法を提供した(特許文献2参照)。しかしながらアセタール化反応を利用した強カチオン交換繊維は、反応工程で塩酸あるいは硫酸などの強酸が必要であること、また反応時膨潤や溶解、収縮を防ぐため多量のボウ硝等の膨潤抑制剤が必要であり、反応浴の管理や廃棄に手間がかかり、工程の高コスト化を招いていた。
特開平08‐199480号公報 特開平08‐012774号公報
本発明は、熱処理だけの簡単な架橋処理により、煩雑な化学的後処理工程を必要としない、なおかつ使用時塩形、さらに遊離形においても有機物の溶出量が少ないカチオン交換繊維の製造方法を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を行った結果、ポリビニルアルコール系ポリマー、スルホン酸基を有するスチレン系ポリマーおよび架橋剤を主成分とした紡糸原液を乾式紡糸あるいは湿式紡糸、乾湿式で紡糸し、熱処理することにより繊維内で高分子網目構造を形成させ不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法により、煩雑な架橋処理工程を必要としない、なおかつ使用時塩形、さらに遊離形においても有機物の溶出量が少ないカチオン交換繊維を製造できることを見いだし本発明に至った。
すなわち、第一の発明の要旨は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びカルボキシル基を有するスチレン系コポリマーと溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーのヒドロキシル基とスチレン系コポリマーのカルボキシル基をエステル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法にあり、第二の発明の要旨は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びヒドロキシル基を有するスチレン系コポリマーと架橋剤としてのポリアクリル酸と溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーおよびヒドロキシル基を有するスチレン系コポリマーのヒドロキシル基とポリアクリル酸のカルボキシル基をエステル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法にあり、第三の発明の要旨は、ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びヒドロキシエチル基を有するスチレン系コポリマーと架橋剤としてのビス(βヒドロキシエチル)スルホンと溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーおよびヒドロキシエチル基を有するスチレン系コポリマーのヒドロキシル基とビス(βヒドロキシエチル)スルホンのヒドロキシル基をエーテル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法にある。
本発明により得られるカチオン交換繊維は、繊維としての基本性能を有し、多量の塩酸あるいは硫酸などの強酸やボウ硝あるいは硫安などの膨潤抑制剤を使用する化学的後処理の必要がなく、かつ使用時塩形、更に遊離形でも有機物溶出の少ないカチオン交換繊維が得られ、空気中や水中、有機溶剤中に含まれるイオンを効率よく吸着することにより、繊維状イオン交換体として、また各種フィルター、消臭剤、触媒等幅広い用途に利用できる。
本発明で使用するポリビニルアルコール系ポリマーについては、通常ポリ酢酸ビニルのケン化物を用いるが、それに限定されるものではない。また、ビニルアルコール組成比についても、ビニルアルコール単位を50モル%以上有すれば特に制限はない。しかし、溶媒、スルホン酸基を有するスチレン系ポリマーあるいは架橋剤との相溶性が求められるので、ポリ酢酸ビニルのケン化物の場合ではケン化度80モル%以上が好ましい。重合度については、重合度が低すぎると溶出性の面で不利であり、重合度が高すぎると紡糸が困難になるので平均重合度としては800〜5,000が好ましい。
本発明で用いるスルホン酸基を有するスチレン系ポリマーについては、まず、スルホン酸基及びカルボキシル基を有するコポリマーがあげられる。この場合、このコポリマーがポリビニルアルコールと架橋するためその他の架橋剤をブレンドする必要はない。スルホン酸基及びカルボキシル基を有するモノマーのコポリマーであれば特に制限はないが、スチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸のコポリマーが一般的である。コポリマーの組成モル比は、スルホン酸基/カルボキシル基が50/50〜90/10が好ましい。カルボキシル基の比率が多いと中性塩分解容量が低下し、カルボキシル基の比率が少なすぎると架橋が不十分になる。コポリマーの分子量については、溶出性の面で分子量の高い方が有利であり、5,000以上、好ましくは10万以上を用いる。
スルホン酸基を有するスチレン系ポリマーとして、更には、スルホン酸基及びヒドロキシル基を有するコポリマーが使用できる。この場合、ポリビニルアルコールとは直接架橋しないため別に架橋剤をブレンドする必要がある。スルホン酸基及びヒドロキシル基を有するコポリマーとしては、スチレンスルホン酸ナトリウムとヒドロキシエチルメタクリルレートのコポリマーが一般的である。コポリマーの組成モル比は、スルホン酸基/ヒドロキシル基が50/50〜95/5が好ましい。ヒドロキシル基の比率が多いと中性塩分解容量が低下し、ヒドロキシル基の比率が少なすぎると紡糸原液が相分離しやすくなる。コポリマーの分子量については、溶出性の面で分子量の高い方が有利であり、5,000以上、好ましくは10万以上を用いる。
熱処理で反応する架橋剤としては、まず、ポリアクリル酸が利用できる。ポリアクリル酸の平均分子量としては10,000以下が好ましい。これ以上高い分子量は、紡糸原液の相分離や粘度上昇を引き起こしやすい。また、ポリアクリル酸の中和度としては特に限定はないが、5〜15モル%以上では紡糸原液が相分離しやすい傾向となる。中和度調整のための中和剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ剤が適している。
熱処理で反応する架橋剤として、次に、ビス(βヒドロキシエチル)スルホンが利用できる。ビス(βヒドロキシエチル)スルホンは通常160℃以上で反応し、紡糸原液中ではポリビニルアルコールと反応しないため本方法の架橋剤として適している。
紡糸原液は、ポリビニルアルコール系ポリマーとスルホン酸基を有するコポリマーと必要に応じ架橋剤を溶媒に溶解した原液と、溶媒にスルホン酸基を有するコポリマーと必要に応じ架橋剤を溶解した原液とを紡糸の直前に静的混合機等で混合する方法のいずれでも良い。溶媒としては、一般的に水を用いるがDMSOなどの極性溶剤や水との混合液を用いることもできる。紡糸原液のポリマー組成重量比は、ポリビニルアルコール系ポリマー/コポリマーが90/10〜20/80が好ましい。コポリマー比が少ないと交換容量の低下をまねき、コポリマー比が高いと糸としての性能が損なわれるので通常70/30〜35/65の組成比を用いる。ポリマー濃度は、固形分量濃度として通常10%〜50%が用いられるが、乾式紡糸の場合には20%〜50%が好ましく、湿式紡糸や乾湿式紡糸の場合には10%〜40%が好ましい。
上記紡糸原液の紡糸方法としては、乾式紡糸、湿式紡糸、乾湿式紡糸いずれも可能である。湿式紡糸や乾湿式紡糸する場合の凝固浴は、ポリマーを凝固させ溶媒と相溶性があれば良く、例えば硫酸ナトリウム水溶液、硫酸アンモニウム水溶液等の無機塩水溶液、アセトン、メタノール等の有機溶剤を用いることができる。しかし、これらの凝固浴を必要とする湿式紡糸や乾湿式紡糸より、繊維に付着する凝固剤成分の除去や溶剤回収の手間のない、そのうえ凝固浴への架橋剤流出の恐れがないという面からも、水を溶媒とした乾式紡糸が最も好ましい。
紡糸条件については、乾式紡糸を例に説明すると、特別の制限はなくポリビニルアルコール系繊維の常法の紡糸条件に準じた条件で紡糸される。ケン化度の高いポリビニルアルコールを用いる場合には、温度低下による紡糸原液のゲル化を防ぐため通常80〜100℃に紡糸原液を保温する。紡糸延伸は、120〜170℃の温度で1.5〜3倍に延伸することが好ましい。紡糸延伸引続く紡糸熱処理は、通常190〜250℃で5〜60秒行う。紡糸原液にもよるが220℃以上10秒以上の紡糸熱処理により、エステル化あるいはエーテル化を伴う架橋が生じ水に不溶性のフィラメント状繊維が得られる。
紡糸した繊維は、紡糸熱処理だけでは架橋が不十分な場合追熱処理を行ってもよい。追熱処理は、加熱ローラー接触による熱処理や、加熱空気浴による熱処理方法がある。熱処理温度としては170〜240℃が好ましい。熱処理時間とのかねあいもあるが、熱処理温度が低すぎると架橋が不十分となり、高すぎるとポリマーの分解が生じる。
スルホン酸基かつカルボキシル基を有するコポリマー、あるいは架橋剤としてポリアクリル酸を使用する場合、特に注意しなければならない条件として、水素イオン量がある。水素イオン量が多すぎると紡糸原液の粘度の上昇やゲル化あるいは、熱処理時ポリビニルアルコール系ポリマーの脱水化を引き起こし黒色化する。黒色化した繊維は、ポリビニルアルコール系ポリマーの水酸基が脱水化で消費されるためエステル架橋が若干阻害される。イオン交換繊維としての性能に大きな問題はないが、外観上好ましくない。最も好ましい水素イオン量は、スルホン酸基はすべて塩形すなわちスルホン酸基の対イオンはすべて例えばナトリウムイオンであり、さらにカルボキシル基の対イオンの一部あるいは大半が水素イオンの状態である。これは紡糸原液のpHではpH4〜8に対応する。紡糸原液のpHが高すぎると紡糸原液の安定性が低下し、相分離などを引き起こす。
一方、架橋剤としてビス(βヒドロキシエチル)スルホンを使用する場合にはアルカリの添加が触媒として架橋反応を促進する。アルカリとしては特に限定されるものではないが炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ塩が好ましい。触媒の添加量は紡糸原液固形分に対し通常2%以下の範囲で用いることができる。それ以上の添加は紡糸原液の相分離を助長したり紡糸性を悪化させるため好ましくない。
かくして熱処理架橋により得られたカチオン交換繊維は、強カチオン交換性を有し、遊離形でも化学的アセタール架橋したものより有機物溶出性に優れる。
本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお実施例、比較例では、電気化学工業株式会社製、ケン化度99.9モル%。重合度1200のポリビニルアルコールを用いた。
スチレンスルホン酸ナトリウムとメタクリル酸モル比が1/1のコポリマー(東ソー株式会社製NaSS/MAA‐Na共重合体,分子量50万)水溶液をイオン交換樹脂を用いてpH4.5に調整した。次いで、ポリビニルアルコール/コポリマー/水の重量比が16/16/68になるようニーダーで溶解し紡糸原液とした。この紡糸原液のpHは5.6、80℃における粘度は50PaSであった。この紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸した。30ホールの紡糸口金より熱風中に原液を吐出し、140℃にて1.5倍紡糸延伸し、210℃で8秒間紡糸熱処理し、270dtex/30fのマルチフィラメント(以下、原糸と称す)を得た。
この原糸を、熱風乾燥機にて210℃、10分間熱処理し、エステル化架橋したカチオン交換繊維を得た。このカチオン交換繊維の引張強度と結節強度は共に0.6cN/dtexを示し、伸度は90%であった。
実施例1で得た原糸を、熱風乾燥機にて200℃、10分間熱処理し、エステル化架橋したカチオン交換繊維を得た。
(比較例1)
実施例1で得た原糸を、グリオキザール1重量%、グルタルアルデヒド0.1重量%、硫酸20重量%、ボウ硝25%のアセタール化液に浴比1/40で浸漬させ70℃で1時間処理しカチオン交換繊維を得た。
(比較例2)
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(東ソー株式会社製ポリナスPS‐100M,分子量100万)水溶液をイオン交換樹脂を用いてpH4.7に調整し、ポリビニルアルコール/ポリスチレンスルホン酸ナトリウム/水の重量比が17/17/66になるようニーダーで紡糸原液を調整した。この紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸した。30ホールの紡糸口金より熱風中に原液を吐出し、140℃にて1.5倍紡糸延伸し、210℃で8秒間紡糸熱処理し、270dtex/30fのマルチフィラメントを得た。このマルチフィラメントを比較例1で用いたのと同じ浴組成のアセタール化液で同様に処理し、カチオン交換繊維を得た。このカチオン交換繊維の引張強度と結節強度は共に0.4cN/dtex、伸度は20%であった。
スチレンスルホン酸ナトリウムと2‐ヒドロキシエチルメタクリレートのモル比が75/25のコポリマー(東ソー株式会社製NaSS/HEMA共重合体,分子量100万)水溶液とポリビニルアルコール剤および架橋剤としてポリアクリル酸(和光試薬,分子量5000,水酸化ナトリウムにて5モル%部分中和)を用い、ポリビニルアルコール/コポリマー/架橋剤/水の重量比が13/13/3.9/70.1になるようニーダーで溶解し紡糸原液とした。この紡糸原液のpHは3.7、80℃における粘度は20PaSであった。この紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸した。20ホールの紡糸口金より熱風中に原液を吐出し、400dtex/20fの未延伸、未熱処理原糸を得た。
この原糸を、熱風乾燥機にて210℃、10分間熱処理し、エステル化架橋したカチオン交換繊維を得た。このカチオン交換繊維の引張強度と結節強度は共に0.5cN/dtexを示し、伸度は90%であった。
架橋剤としてビス(βヒドロキシエチル)スルホン(明成化学工業株式会社,BHES50)を用い、原液組成比としてポリビニルアルコール/コポリマー/架橋剤/水の重量比が16/16/4.8/63.2になるよう紡糸原液を調整した。この紡糸原液の80℃における粘度は90PaSであった。この紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸した。20ホールの紡糸口金より熱風中に原液を吐出し、150℃にて1.5倍紡糸延伸し、220℃で20秒間紡糸熱処理し、160dtex/20fのカチオン交換繊維を得た。
このカチオン交換繊維の引張強度と結節強度は共に0.3cN/dtexを示し、伸度は80%であった。
架橋剤としてビス(βヒドロキシエチル)スルホンを用い、原液組成比としてポリビニルアルコール/コポリマー/架橋剤/触媒/水の重量比が11/16/3.5/0.03/69.5になるよう紡糸原液を調整した。触媒として炭酸水素ナトリウムを用いた。この紡糸原液の80℃における粘度は40PaSであった。この紡糸原液を乾式紡糸法により紡糸した。20ホールの紡糸口金より熱風中に原液を吐出し、160℃にて2倍延伸し、220℃で20秒間紡糸熱処理し、160dtex/20fのカチオン交換繊維を得た。
このカチオン交換繊維の引張強度と結節強度は共に0.3cN/dtexを示し、伸度は70%であった。
(評価方法)
(1)交換容量 一般的なイオン交換樹脂の交換容量測定法による。
(2)膨潤度 交換容量測定後の遠心脱液した水膨潤試料重量をWwet、減圧乾燥した試料重量をWnetとしたとき、膨潤度=Wwet/Wnetとした。
(3)有機物溶出試験 H形(遊離形)にしたカチオン交換繊維をカラムで水洗した後、繊維重量の20倍の純水に浸漬させ50℃で4日間放置したときの浸漬液を検液とし、過マンガン酸消費量を測定した。
(4)過マンガン酸消費量の測定 滴定値が2〜6mlになるよう検液を必要に応じ希釈した希釈検液100mlに、硫酸1/水2の希硫酸5mlと0.01N過マンガン酸カリウム10mlを加え5分間煮沸、0.025Nシュウ酸ナトリウム4mlを加え、0.01N過マンガン酸カリウムで滴定、消費される過マンガン酸カリウム量を求めた。
(評価結果)
上記実施例1〜5および比較例1、2で得られたイオン交換繊維の交換容量と膨潤度および比較例2の過マンガン酸消費量を基準にしたときの有機物溶出性を表1に示す。
Figure 2005082933

Claims (5)

  1. ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びカルボキシル基を有するスチレン系コポリマーと溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーのヒドロキシル基とスチレン系コポリマーのカルボキシル基をエステル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法。
  2. ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びヒドロキシル基を有するスチレン系コポリマーと架橋剤としてのポリアクリル酸と溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーおよびヒドロキシル基を有するスチレン系コポリマーのヒドロキシル基とポリアクリル酸のカルボキシル基をエステル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法。
  3. ポリビニルアルコール系ポリマーと、スルホン酸基及びヒドロキシエチル基を有するスチレン系コポリマーと架橋剤としてのビス(βヒドロキシエチル)スルホンと溶媒からなる紡糸原液を紡糸し、熱処理することによりポリビニルアルコール系ポリマーおよびヒドロキシエチル基を有するスチレン系コポリマーのヒドロキシル基とビス(βヒドロキシエチル)スルホンのヒドロキシル基をエーテル架橋し、不溶化することを特徴とするカチオン交換繊維の製造方法。
  4. 請求項2記載のポリアクリル酸が平均分子量10,000以下である請求項2の製造方法。
  5. 請求項3記載の紡糸原液に、炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ触媒を添加する請求項3の製造方法。


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