JP2005082287A - フォークの自動旋回装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ローテイト/シフト動作を各々担う2つの駆動源を個別に制御しつつも、これらの動作を正確に同期させられるフォークの自動旋回装置を提供する。
【解決手段】 フォークの自動旋回装置1は、フォーク4が旋回する範囲内に定めた旋回基点R0を基準に、フォーク4が実際に旋回した旋回角度θを検出する角度検出手段と、フォーク4が車幅方向へ移動する範囲内に定めた移動基点S0を基準に、フォーク4が車幅方向へ移動した移動距離dを検出する距離検出手段と、目標旋回角度及び目標移動距離を各々記録した記憶手段と、角度検出手段7が検出した旋回角度と目標旋回角度との差を演算すると共に、距離検出手段が検出した移動距離と目標移動距離との差を演算する演算手段10と、この演算結果に基づき制御を行う制御手段11とを備える。
【選択図】 図2
【解決手段】 フォークの自動旋回装置1は、フォーク4が旋回する範囲内に定めた旋回基点R0を基準に、フォーク4が実際に旋回した旋回角度θを検出する角度検出手段と、フォーク4が車幅方向へ移動する範囲内に定めた移動基点S0を基準に、フォーク4が車幅方向へ移動した移動距離dを検出する距離検出手段と、目標旋回角度及び目標移動距離を各々記録した記憶手段と、角度検出手段7が検出した旋回角度と目標旋回角度との差を演算すると共に、距離検出手段が検出した移動距離と目標移動距離との差を演算する演算手段10と、この演算結果に基づき制御を行う制御手段11とを備える。
【選択図】 図2
Description
本発明は、3方向スタッカーフォークリフトのフォークを旋回(ローテイトさせる動作と、同フォークリフトのフォークを車幅方向に直線移動(シフト)させる動作とを、互いに同期させて行うフォークの自動旋回装置に関する。
図7に示す3方向スタッカーフォークリフトトラックtは、そのフォークfの旋回する範囲を、矢印wで指した車幅方向の両方へ90度ずつ振り分けた180度に設定されている。同トラックtを複数列のラック棚rの間の狭路へ進入させ、フォークfを180度旋回させるには、フォークfの水平シフト及びローテイト動作を同時に行うことが周知である。
即ち、図8に示すように、フォークfがその先端ffを車幅方向の一方(右側)へ向けて90度旋回した状態で、フォークfの基端feは、昇降キャリッジcと共に車幅方向の他方(左側)に寄って位置する。この状態から、フォークfのローテイト動作、及びシフト動作を同時に行うと、同図(a)〜(c)に示すように、フォークfが、図中を反時計周りに旋回を開始する。これと同時に、フォークfの基端feが車幅方向の一方の移動基点から他方への移動を開始する。そして、同図(d),(e)に示すように、フォークfの先端ffが車幅方向の他方(左側)を向き、フォークfの基端feが、車幅方向の一方(右側)まで移動した時点で、フォークfの自動旋回が完了する。この技術は下記の特許文献に開示されている。
特開昭61−206797号公報
特開昭63−171800号公報
特開平11−228095号公報
上記のように、フォークfを旋回させるシフト動作、及びフォークfを直線移動させるローテイト動作(以下、単に「ローテイト/シフト動作」と記す。)を、互いに同期させて行う場合、それぞれの動作の速度はフォークfが荷物等から受ける負荷によって多少は変化する。また、ローテイト/シフト動作は、主に油圧による駆動に拠るので、作動油の粘性が温度の影響で変化すると、ローテイト/シフト動作の何れか一方の動作が他方の動作よりも遅延したり、又は速くなり過ぎることがある。そこで、上記の特許文献に開示の技術では、作動油の粘性やフォークfの受ける負荷が変化しても、作動油の流量を一定に保てるような温度補償機能を付加している。
しかしながら、ローテイト/シフト動作を各々担う2つの駆動源を、互いに対応させて制御する構成を採用しているため、油圧回路が複雑化するという問題がある。また、上記の技術は、ローテイト/シフト動作を正確に同期させるには、流量調整弁を微調整する等の整備の手間が不可欠であり、このような調整が煩雑である。
本発明は、上述した問題点に鑑みて成されたものであり、ローテイト/シフト動作を各々担う2つの駆動源を個別に制御しつつも、これらの動作を正確に同期させられるフォークの自動旋回装置を提供することを目的とする。
本発明は、フォークリフトに基端が接続され先端が前記フォークリフトから延出するフォークと、該フォークを前記基端を支点に旋回させるローテイト駆動装置と、前記フォークの基端を前記フォークリフトの車幅方向へ移動させるシフト駆動装置とを備え、前記ローテイト駆動装置及び前記シフト駆動装置を互いに同期させて、前記フォークの先端が前記フォークリフトの車幅方向の一方又は他方を向く姿勢となるよう旋回させる、フォークの自動旋回装置に係るものであって、前記フォークが旋回する範囲内に定めた旋回基点を基準に、前記フォークが旋回した旋回角度を検出する角度検出手段と、前記フォークが前記車幅方向へ移動する範囲内に定めた移動基点を基準に、前記フォークが前記車幅方向へ移動した移動距離を検出する距離検出手段と、前記フォークが前記旋回基点から旋回を始めて時間の経過に従い達するべき目標旋回角度を記録すると共に、前記フォークが前記移動基点から移動を始めて時間の経過に従い達するべき目標移動距離を記録した記憶手段と、前記角度検出手段が検出した旋回角度と前記目標旋回角度との差を演算すると共に、前記距離検出手段が検出した移動距離と前記目標移動距離との差を演算する演算手段と、前記旋回角度と前記目標旋回角度との差に基づき、前記ローテイト駆動装置が前記フォークを旋回させる速度を制御して、前記旋回角度を前記目標旋回角度に一致させると共に、前記移動距離と前記目標移動距離との差に基づき、前記シフト駆動装置が前記フォークを移動させる速度を制御して、前記移動距離を前記目標移動距離に一致させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明に係るフォークの自動旋回装置は、前記フォークの旋回する範囲が、該範囲の限界を前記フォークリフトの車幅方向の両方へ90度ずつ振り分けた180度になるよう設定され、前記フォークの旋回する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の前記旋回基点が各々設定されると共に、前記フォークの基端が前記車幅方向に移動する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の前記移動基点が各々設定され、前記フォークの先端が、前記車幅方向の一方へ向けて90度旋回して前記一方の旋回基点に位置する状態で、前記フォークの基端が、前記2箇所の移動基点のうちの前記車幅方向の他方の移動基点に位置し、前記フォークの先端が、前記一方の旋回基点から他方の旋回基点まで旋回する所要時間と、前記フォークの基端が、前記他方の移動基点から一方の移動基点まで移動する所要時間とが等しいことを特徴とするものである。
更に、本発明に係るフォークの自動旋回装置は、前記ローテイト駆動装置、又はシフト駆動装置が、油圧モータ又は電動機であることを特徴とする。
本発明に係るフォークの自動旋回装置は、フォークが旋回基点から旋回を始めて時間の経過に従い達するべき目標旋回角度、及びフォークが移動基点から移動を始めて時間の経過に従い達するべき目標移動距離を、それぞれ記憶手段に予め記録し、これらの目標旋回角度、及び目標移動距離を、それぞれ角度検出手段が検出した旋回角度、及び距離検出手段が検出した移動距離に各々比較することにより、以下の判定を行うことができる。即ち、ローテイト駆動装置が実際にフォークを旋回させる旋回角度が、目標旋回角度より遅いか、速いか、又は旋回角度が目標旋回角度に一致するかを判定する。同時に、シフト駆動装置がフォークを移動させる移動距離が、目標移動距離より短いか、長いか、又は移動距離が目標移動距離に一致するのかを判定する。
更に、当該自動旋回装置は、上記判定の結果に基づき、旋回角度が目標旋回角度に一致するように、ローテイト駆動装置がフォークを旋回させる速度を増減又は一定に保持するような制御を行うことができる。同時に、当該自動旋回装置は、移動距離を目標移動距離に一致するように、シフト駆動装置がフォークを移動させる速度を増減又は一定に保持するような制御を行うことができる。
従って、当該自動旋回装置によれば、フォークをローテイト/シフト動作させる過程において、フォークに加わる負荷の大小に関わらず、また作動油の粘度の変化に関わらず、ローテイト/シフト動作を正確に同期させることができる。しかも、ローテイト/シフト動作を各々担うローテイト駆動装置及びシフト駆動源を、互いに対応させて制御しなくて済むので、これら2つの駆動源を制御する電気回路又は油圧回路を簡素化することができる。
また、ローテイト駆動装置及びシフト駆動源の動作は、目標旋回角度及び目標移動距離によりそれぞれ個別に定まるので、従来のように上記2つの駆動源を実動させながら、これらの動作速度を微調整する等の手間が不要であり、上記2つの駆動源に係る保守や整備を容易に行えるという利点が得られる。
更に、本発明に係るフォークの自動旋回装置は、フォークの旋回する範囲が、車幅方向の両方へ90度ずつ振り分けた180度になるよう設定されたフォークリフトにおいて、フォークの先端が、車幅方向の一方へ向けて90度旋回して一方の旋回基点に位置する状態で、フォークの基端が、2箇所の移動基点のうちの車幅方向の他方の移動基点に位置するよう設定した場合、フォークが、一方の旋回基点から他方の旋回基点まで旋回する所要時間と、フォークの基端が、他方の移動基点から一方の移動基点まで移動する所要時間とを等しくすることより、以下の利点を得ることができる。
即ち、ローテイト/シフト動作の何れか一方が開始する時点で他方が動作していなかったり、或いは、一方が動作していない時点で他方が動作し続けることがない。このように、ローテイト/シフト動作の時間的な範囲を一致させられるので、ローテイト/シフト動作の開始から終了ま所要時間を最小限に抑えることができる。しかも、ローテイト/シフト動作の両方の開始と両方の停止とを同時に達成できるので、これら2つの駆動源の始動と停止の繰り返しによってフォークに載せられた荷物等が受ける慣性力、又は軽いショック等を最小限に抑えられるので、荷崩れ等が起こり難くいという利点がある。
更に、本発明に係るフォークの自動旋回装置によれば、ローテイト駆動装置、又はシフト駆動装置が、油圧モータ又は電動機であるので、これらの駆動装置を正転、逆転、又は停止させる動作の切換が容易である。しかも、油圧モータ又は電動機は、それぞれの動作を制御手段からの指令信号に即応して行えるという動作特性がある。
従って、ローテイト駆動装置が実際にフォークを旋回させる旋回角度が、目標旋回角度より遅いか、速いか、又は旋回角度が目標旋回角度に一致するか、或いは、シフト駆動装置がフォークを移動させる移動距離が、目標移動距離より短いか、長いか、又は移動距離が目標移動距離に一致するのか等の状況に即応して、ローテイト駆動装置及びシフト駆動装置を制御することができる。
図1及び図2に概略を示すように、本発明の実施の形態に係るフォークの自動旋回装置1は、フォークリフト等に基端2が接続され先端3が同フォークリフト等から延出するフォーク4と、フォーク4を基端2を支点に旋回させるローテイト駆動装置5と、フォーク4の基端2を矢印wで指したフォークリフト等の車幅方向へ移動させるシフト駆動装置6とを備え、ローテイト駆動装置5及びシフト駆動装置6を互いに同期させて、フォーク4の先端3がフォークリフト等の車幅方向の一方又は他方を向く姿勢となるよう旋回させるものである。
当該自動旋回装置1の特徴とするところは、フォーク4が旋回する範囲内に定めた旋回基点R0又は旋回基点R6を基準に、フォーク4が実際に旋回した旋回角度(例えば図中のθ)を検出する角度検出手段7と、フォーク4が車幅方向へ移動する範囲内に定めた移動基点S0又は移動基点S6を基準に、フォーク4が車幅方向へ移動した移動距離(例えば図中のd)を検出する距離検出手段8と、後述の目標旋回角度及び目標移動距離を各々記録した記憶手段9と、角度検出手段7が検出した旋回角度と目標旋回角度との差を演算すると共に、距離検出手段8が検出した移動距離と目標移動距離との差を演算する演算手段10と、この演算結果に基づき後述の制御を行う制御手段11とを備えることにある。
フォーク4をフォークリフトにローテイト/シフト動作できるよう設ける構成は自明であるため、その図示は省略するが、概ねフォークリフト等のマストに昇降自在に支持された昇降キャリッジに、フォーク支軸を直立姿勢で設け、このフォーク支軸にフォーク4の基端2を固定している。同フォーク支軸をローテイト駆動装置5にて回転させることにより、フォーク4を旋回(ローテイト動作)できる。上記の昇降キャリッジ自体をシフト駆動装置6にてガイドレール等に沿わせて車幅方向に移動させることにより、フォーク4の基端2の位置を移動(シフト動作)できる。ローテイト駆動装置5は、油圧モータOM、方向切換弁60、リザーバータンク61、及び油圧ポンプPから主に構成される。シフト駆動装置6の構成も同様である。
角度検出手段7として、フォーク4の旋回する角度を逐次コード化して出力するエンコーダを適用しても良い。同様に、距離検出手段8にも、フォーク4の移動した移動距離を逐次コード化して出力するエンコーダを適用しても良い。これらエンコーダは、周知の技術であるため詳細な説明及び図示は省略する。演算手段10はCPUを主体としている。記憶手段9は、同CPUが適時読み込み可能なプログラム、目標旋回角度、及び目標移動距離を、それぞれ個別の記憶領域に記録したメモリーである。
制御手段11は、ローテイト駆動装置5及びシフト駆動装置6が既述の油圧モータOMを主体とする場合、油圧ポンプPを駆動する電動機を、演算手段10から送出される電気信号により起動又は停止させるソレノイドスイッチを適用できる。或いは、演算手段10の演算結果に基づき動作する比例ソレノイド式の流量調整弁を、制御手段11として適用し、同流量調整弁の開度を増減して、既述の油圧ポンプPから油圧モータOMへ流入する作動油の量(以下、単に「流量」と記す。)を増減しても良い。
この流量に、シフト駆動装置6の動作する速度は比例する。ローテイト駆動装置5の動作する速度と流量との関係も同様である。この他、制御手段11は、油圧ポンプPを駆動する電動機の回転数を増減して油圧モータOMの出力を調整するドライプ回路であっても良い。図3(a)は、フォーク4の基端2の移動距離と、制御手段11によって制御される流量との関係の一例をグラフとして表している。同図(b)は、フォーク4の先端3の旋回角度と流量との関係の一例を表している。
フォーク4が旋回する範囲は任意に設定しても良いが、既に普及している3方向スタッカーフォークリフトの多くは、その車幅方向の両方に配列したラック棚等の間に進入し、これらのラック棚等にそれぞれ荷物等を出し入れするものである。このため以下では、フォーク4の旋回する範囲は、フォークリフト等の車幅方向の両方へ90度ずつ限界を振り分け、全体としてフォーク4を180度旋回できるよう設定した実施例を説明する。また、図2に示すように、フォーク4の旋回する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の旋回基点R0,R6を各々設定し、フォーク4の基端2が車幅方向に移動する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の移動基点S0,S6を各々設定する。
図2は、フォーク4の先端3の軌跡を円弧で表し、この円弧上に、所定の時間毎に先端3が位置する箇所を、R0〜R6の合計7点で各々指している。一方、S0〜S6の合計7点は、フォーク4のシフト行程をR0〜R6に時間的に対応させて割り付けた点であり、所定の時間毎にフォーク4の基端2の位置する箇所を各々指している。同図にはフォーク4を線として表している。これは、フォーク4は2本を対にして用いるのが普通であるが、2本のフォーク4の間を2分する位置に、それぞれ基端2(旋回の支点)及び先端3があると見做している。
先ず、フォーク4の先端3が、車幅方向の一方へ向けて90度旋回して一方(図中左側)の旋回基点R0に位置する状態で、フォーク4の基端2は、車幅方向の他方(図中右側)の移動基点S0に位置する。反対に、フォーク4の先端3が他方の旋回基点R6に位置する状態で、フォーク4の基端2は、車幅方向の他方の移動基点S6に位置する。このように、フォーク4の先端が、旋回基点R0(又はR6)から旋回基点R6(又はR0)まで旋回する所要時間と、フォーク4の基端2が、移動基点S0(又はS6)から移動基点S6(又はS0)まで移動する所要時間とは、等しくなるよう設定されている。
次に、旋回基点R0に位置するフォーク4の先端3が、図中で反時計回りに旋回を始めて順次R1からR6に向かう過程で、フォーク4の基端2が移動基点S0を基準として達成されるべき距離は予め定められている。これが既述の目標移動距離であり、フォーク4が移動基点S0から移動を始めて時間の経過に従い達するべき値である。目標移動距離の一例を図4(a)にグラフ(実線)で例示している。同様に、フォーク4が移動基点S6から移動基点S0に向けて移動を始めて時間の経過に従い達する値も、目標移動距離として予め定められている。
また、フォーク4の先端3が、旋回基点R0から旋回基点R6へ旋回すると共に、フォーク4の基端2が移動基点S6からS0へ移動する一連の動作と、この逆の動作とは、相対的に同様である。このため以下では、フォーク4の先端3が旋回基点R0から旋回基点R6へ旋回する場合についてのみ説明する。また、以下の括弧内に記したP1〜P9は、図5及び図6に示すフローチャートのプロセスとの対応を示している。
図4(a)に示すように、フォーク4の基端2が移動基点S0に位置するときの目標移動距離は0である(P1)。そして、オペレータ等の指令に基づきフォーク4の基端2が移動を開始し、この時点から、例えば3秒、8秒、15秒と経過した時点における基端2の位置が、それぞれS1〜S6に相当する(P2)。図中の折れ線の区間S0〜S1と区間S5〜S6とは、フォーク4が移動を開始した直後及び停止する直前のショックを緩和するため、図4(b)に示すように、区間S1〜S5に比較して、流量が略1/3程度になるよう制限されている。同図は、基端2の移動距離と流量との関係を示す他の例であり、既に例示の図3(a)とは別の制御パターンである。
このようなシフト動作に係る時間と移動距離との関係は、理論値(図中の実線)として設定されたもので、実際のシフト動作の速度又は基端2の移動距離は、フォーク4に加わる負荷の大小、又は温度にて変化する作動油の粘度により増減する。従って、移動基点S0から移動を始めて所定時間の経過後に通過点S1に達する予定の基端2が、実際には、通過点S1に達することができずにその手前に位置したり、又は通過点S1を通過してしまうことが起こり得る。
例えば、区間S1〜S3において、仮想線で示したように、通過点S2に基端2が達するまでの所要時間が理論値を超えたとする。言い換えれば、シフト動作が、予め設定された速度よりも遅れ、基端2が目標移動距離に到達できなかった場合である。この時点で、距離検出手段8が検出した移動距離と、記憶手段9に記録された目標移動距離との差を演算手段10が演算する(P3)。演算手段10の演算結果として得られる距離の差の値に基づき(P4)、制御手段11は、図4(b)に仮想線で示すように、区間S2〜S3における流量を適切に増加する(P5)。これにより、シフト駆動装置6がフォーク4の基端2を移動させる速度は、一時的に加速される。
更に、基端2が通過点S3に達した時点(P2)で、再度、演算手段10が移動距離と目標移動距離との差を演算して(P3)、その差が0であれば(P6)、制御手段11は、通過点S3以降の区間における流量を、図中の実線上の値に戻す(P7)。通過点S2において尚も、シフト動作の遅れがある場合は、その遅れ分に応じて、再度、制御手段11は、通過点S3以降の区間における流量を増加する。制御手段11は、上記の演算結果が0になるまで以上の制御を繰り返すことになる。
逆に、基端2が通過点S3を通過した後、通過点S4に基端2が達するまでの所要時間が理論値に満たなかったとする。言い換えれば、シフト動作が、予め設定された速度よりも速過ぎ、基端2が目標移動距離を超えてしまった場合である。この時点で、距離検出手段8が検出した移動距離と、記憶手段9に記録された目標移動距離との差を演算手段10が演算する(P3)。演算手段10の演算結果として得られる距離の差の値に基づき(P8)、制御手段11は、区間S4〜S5における流量を減少する(P9)ことにより、シフト駆動装置6がフォーク4の基端2を移動させる速度を一時的に減速する。
更に、基端2が通過点S5に達した時点で(P2)、再度、演算手段10が移動距離と目標移動距離の差を演算して(P3)、その差が0であれば(P6)、制御手段11は、通過点S4以降の区間における流量を、図中の実線上の値に戻す(P7)。通過点S5において尚も、シフト動作が速過ぎる場合は、その超過分に応じて、制御手段11が、区間S5〜S6における流量を減少する(P9)。
以上に述べた制御手段11による制御は、通過点毎に繰り返して行われる制御パターンであるが、距離検出手段8はエンコーダであるため、更に小刻みな制御の繰り返しが可能である。例えば、基端2が数mm移動する毎に距離検出手段8が、基端2の移動距離を検出して、この検出した移動距離毎に演算手段10が上記の演算を逐次行うようにしても良い。
一方、ローテイト動作に係る制御は、既に述べた制御の対象がシフト駆動装置6であったのに対して、制御手段11がローテイト駆動装置5の動作する速度を制御する点を除き、既に述べたシフト動作の内容と本質的に同様である。従って、ローテイト動作に係る制御については、そのフローチャートのみを図6に示して説明の重複を避ける。
尚、本発明に係る実施の形態は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、ローテイト駆動装置5及びシフト駆動装置6として、上記例示の油圧モータに代えて、電動機(回転機)適用しても良い。この場合、方向切換弁6、リザーバタンク61、及び油圧ポンプPが不要となり、制御手段11は電動機に正転、逆転、速度調整、又は停止の動作を、ドライブ回路を通して直接に指令できるので、本発明の構成を簡素化することができる。
3方向スタッカーフォークリフトが、その車幅方向の両方に配列されたラック棚等の間に進入し、これらのラック棚等にそれぞれ荷物等を出し入れする場合に、荷物等の重さや作動油の粘度の変化に関わらず、同フォークリフトのフォーク、又はフォークに載せた荷物等荷物等がラック棚等が衝突することを確実に防止できる。しかも、簡単な制御パターンとそれを実行する極めて簡素なな構成でありながら、フォークのローテイト/シフト動作の相対的な位置関係を適切に維持できるので、上記のような3方向スタッカーフォークリフトの製造コストを抑えることにも貢献する。
1:自動旋回装置
2:基端
3:先端
4:フォーク
5:ローテイト駆動装置
6:シフト駆動装置
7:角度検出手段
8:距離検出手段
9:記憶手段
10:演算手段
11:制御手段
OM:油圧モータ
R0,R6:旋回基点
S0,S6:移動基点
2:基端
3:先端
4:フォーク
5:ローテイト駆動装置
6:シフト駆動装置
7:角度検出手段
8:距離検出手段
9:記憶手段
10:演算手段
11:制御手段
OM:油圧モータ
R0,R6:旋回基点
S0,S6:移動基点
Claims (3)
- フォークリフトに基端が接続され先端が前記フォークリフトから延出するフォークと、該フォークを前記基端を支点に旋回させるローテイト駆動装置と、前記フォークの基端を前記フォークリフトの車幅方向へ移動させるシフト駆動装置とを備え、前記ローテイト駆動装置及び前記シフト駆動装置を互いに同期させて、前記フォークの先端が前記フォークリフトの車幅方向の一方又は他方を向く姿勢となるよう旋回させる、フォークの自動旋回装置であって、
前記フォークが旋回する範囲内に定めた旋回基点を基準に、前記フォークが旋回した旋回角度を検出する角度検出手段と、
前記フォークが前記車幅方向へ移動する範囲内に定めた移動基点を基準に、前記フォークが前記車幅方向へ移動した移動距離を検出する距離検出手段と、
前記フォークが前記旋回基点から旋回を始めて時間の経過に従い達するべき目標旋回角度を記録すると共に、前記フォークが前記移動基点から移動を始めて時間の経過に従い達するべき目標移動距離を記録した記憶手段と、
前記角度検出手段が検出した旋回角度と、前記目標旋回角度との差を演算すると共に、前記距離検出手段が検出した移動距離と、前記目標移動距離との差を演算する演算手段と、
前記旋回角度と前記目標旋回角度との差に基づき、前記ローテイト駆動装置が前記フォークを旋回させる速度を制御して、前記旋回角度を前記目標旋回角度に一致させると共に、前記移動距離と前記目標移動距離との差に基づき、前記シフト駆動装置が前記フォークを移動させる速度を制御して、前記移動距離を前記目標移動距離に一致させる制御手段と、
を備えることを特徴とするフォークの自動旋回装置。 - 前記フォークの旋回する範囲が、該範囲の限界を前記フォークリフトの車幅方向の両方へ90度ずつ振り分けた180度になるよう設定され、
前記フォークの旋回する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の前記旋回基点が各々設定されると共に、前記フォークの基端が前記車幅方向に移動する範囲の両方の限界に一致させて、2箇所の前記移動基点が各々設定され、
前記フォークの先端が、前記車幅方向の一方へ向けて90度旋回して前記一方の旋回基点に位置する状態で、前記フォークの基端が、前記2箇所の移動基点のうちの前記車幅方向の他方の移動基点に位置し、
前記フォークの先端が、前記一方の旋回基点から他方の旋回基点まで旋回する所要時間と、前記フォークの基端が、前記他方の移動基点から一方の移動基点まで移動する所要時間とが等しいことを特徴とする請求項1に記載のフォークの自動旋回装置。 - 前記ローテイト駆動装置、又はシフト駆動装置が、油圧モータ又は電動機であることを特徴とする請求項1又は2に記載のフォークの自動旋回装置。
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ID=34415006
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---|---|---|---|
JP2003314374A Withdrawn JP2005082287A (ja) | 2003-09-05 | 2003-09-05 | フォークの自動旋回装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2005082287A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026030A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Nippon Yusoki Co Ltd | 荷役車両のフォーク移動装置 |
JP2019059603A (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-18 | 株式会社豊田自動織機 | フォークリフトの荷役制御方法及びフォークリフトの荷役制御装置 |
CN116374782A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-04 | 未来机器人(深圳)有限公司 | 货叉旋转保护方法、无人叉车及存储介质 |
-
2003
- 2003-09-05 JP JP2003314374A patent/JP2005082287A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011026030A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Nippon Yusoki Co Ltd | 荷役車両のフォーク移動装置 |
JP2019059603A (ja) * | 2017-09-27 | 2019-04-18 | 株式会社豊田自動織機 | フォークリフトの荷役制御方法及びフォークリフトの荷役制御装置 |
CN116374782A (zh) * | 2023-06-05 | 2023-07-04 | 未来机器人(深圳)有限公司 | 货叉旋转保护方法、无人叉车及存储介质 |
CN116374782B (zh) * | 2023-06-05 | 2023-08-25 | 未来机器人(深圳)有限公司 | 货叉旋转保护方法、无人叉车及存储介质 |
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