JP2007204225A - 移動体の走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中の移動体に作用する慣性の影響を受けることなくスリップの状況を正確に検出し、スリップ発生時の走行制御を行う。
【解決手段】スリップ検出部15cは、速度変換部15aが算出した実走行速度値と速度指令部15bが走行駆動装置14に出力した速度指令を入力する。そして、スリップ検出部15cは、実走行速度値と速度指令値を比較し、実走行速度値と速度指令値の差分値からスリップの有無を検出する。速度指令部15bは、スリップ検出部15cによりスリップの発生が検出された場合、速度パターンを変更し、スタッカクレーンの走行時の加減速度を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動倉庫用のスタッカクレーンなどの移動体の走行を制御する走行制御装置に関する。
一般に自動倉庫は荷を収納する収納部(棚)を複数段、複数連備えた枠組棚(ラック)と、入出庫される荷を一時的に載置する荷受台と、荷受台及び収納部との間で荷の搬送及び移載作業を行うスタッカクレーン(以下、単に「クレーン」と記載する場合もある)とを備えている。この自動倉庫における入出庫作業は、走行レール上にクレーンを走行させ、荷受台又は収納部と対応する位置で停止して荷を移載装置上に移載する荷移載動作と、その荷を搬送して所望の収納部又は荷受台と対応する位置で停止して荷を移載する降ろし動作とからなる。
ところで、走行レールは、気温の低下や降雨などにより湿度が増加すると、結露することがある。この結露は、走行レール上を走行するクレーンがスリップする原因となる。例えば、走行開始時などの加速時にスリップした場合には、クレーンが所望の走行速度に至る迄に時間を要し、荷移載動作の効率が低下してしまう。また、目標停止位置に停止するための減速時にスリップした場合には、クレーンが目標停止位置で停止できず、オーバーランしてしまう。オーバーランした場合には、クレーンを目標停止位置まで戻す必要があり、荷移載動作の効率が低下してしまう。
そこで、従来、スリップの発生を検出し、スリップが発生した場合には、加減速条件表やブレーキング条件表を参照し、加減速度を変更することにより、加速に必要な走行距離や減速の開始点を変更する制御を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−190843号公報
特許文献1では、スリップの発生を検出するために、駆動輪と従動輪の各車軸に接してロータリエンコーダを設け、駆動輪の回転数と従動輪の回転数の差分値からスリップの発生を検出している。具体的に言えば、両輪の回転数が等しい場合にはスリップの発生なしと検出し、駆動輪の回転数が従動輪の回転数よりも大きい場合にはスリップの発生ありと検出している。
ところで、特許文献1にも記載されるようにスリップは、通常、駆動輪に対して発生する。このため、走行開始時などの加速時にスリップが発生した場合には、駆動輪が空転状態になる一方で、従動輪は推進力が付与されておらず回転数がほぼ零の状態となる。したがって、加速時にスリップが発生した場合には、両輪の回転数に差が生じることでスリップの発生を検出し得る。しかしながら、走行中のクレーンの減速時にスリップが発生した場合には、クレーンに作用する慣性によって当該クレーンが走行を続けることで、従動輪も回転し続けることになる。このため、スリップ検出において駆動輪と従動輪の回転数の差をとる場合には、空転状態で回転する駆動輪と慣性を受けて回転する従動輪との回転数に差が生じ難く、スリップの状況を正確に把握できない虞がある。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものであり、その目的は、走行中の移動体に作用する慣性の影響を受けることなくスリップの有無を正確に検出し、スリップ発生時の走行制御を行うことができる移動体の走行制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、輪体の駆動により走行レールに沿って走行する移動体の走行制御装置であって、前記移動体の実走行速度を検出する速度検出手段と、前記移動体に速度指令を与え、前記移動体の走行を制御する速度指令手段と、前記速度検出手段が検出した実走行速度値と前記速度指令手段が出力した速度指令値とを比較し、スリップの有無を検出するスリップ検出手段と、前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記移動体の走行時の加減速度を制御する加減速度制御手段とを備えたことを要旨とする。
移動体にスリップが発生した場合には、移動体の実走行速度値と移動体の走行制御に用いる速度指令値との間に差が生じ得る。具体的に言えば、移動体は、加速時にスリップが発生すると、速度指令で加速を指示しても、駆動側の輪体の空転によって実走行速度値は速度指令に追従ぜず速度が上昇しない。一方、移動体は、減速時にスリップが発生すると、速度指令で減速を指示しても、駆動側の輪体の空転によって実走行速度値は速度指令に追従せずに速度が下降しない。このため、本発明においてスリップ検出手段は、スリップ発生時における前述の特性を利用し、移動体の実走行速度値と速度指令値を比較し、その比較結果からスリップの発生の有無を検出する。すなわち、実走行速度値と速度指令値との間に生じる差は、移動体に慣性が作用する状況下にあっても、実走行速度値が速度指令に追従せずに両値の差が広がっていくという関係を保つ。したがって、走行中の移動体に作用する慣性の影響を受けることなくスリップの状況を正確に検出し、スリップ発生時の走行制御を行うことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の移動体の走行制御装置において、前記移動体の移動開始位置から目標停止位置までの目標速度と加減速度を定めた速度パターンを記憶するパターン記憶手段を備え、前記速度パターンには、前記移動体が同じ移動距離を走行する場合において前記スリップが発生したときのスリップ発生時用の速度パターンと前記スリップが発生していないときのスリップ未発生時用の速度パターンとがあり、前記スリップ発生時用の速度パターンと前記スリップ未発生時用の速度パターンは、少なくとも加減速度が異なるようにパターン化されており、前記加減速度制御手段は、前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記加減速度制御手段は前記速度パターンを前記スリップ発生時用の速度パターンに変更し、加減速度を制御するとともに、前記速度指令手段は前記スリップ発生時用の速度パターンに基づき前記移動体に前記速度指令を与え、前記移動体の走行を制御することを要旨とする。
これによれば、スリップの発生時及び未発生時において、加減速度制御手段による加減速度の制御、及び速度指令手段による走行の制御が速度パターンに基づき行われる。したがって、加減速度の制御及び走行の制御を簡素化できる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の移動体の走行制御装置において、前記スリップ発生時用の速度パターンは、前記スリップの発生程度に応じて複数種類用意されており、前記スリップ検出手段は、前記スリップが発生している場合には前記実走行速度値と前記速度指令値の差分値から前記スリップの発生程度を検出し、前記加減速度制御手段は、前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記スリップの発生程度に応じて前記スリップ発生時用の速度パターンを選択することを要旨とする。
これによれば、複数種類のスリップ発生時用の速度パターンの中からスリップの発生程度に合わせて速度パターンが加減速度制御手段によって選択されるので、スリップの発生程度に合わせた走行制御を実現することできる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の移動体の走行制御装置において、前記スリップが発生していない状態で前記移動体を走行させた時の前記実走行速度値と前記速度指令値とを比較し、前記速度指令値を補正する補正手段を備えたことを要旨とする。
これによれば、速度指令値が補正手段によって補正され、その補正後の速度指令値を用いてスリップの有無の検出が行われる。このため、移動体の据え付け時に発生した誤差や走行を制御する手段の製造時の誤差などを排除した状態でスリップの有無の検出を行うことができる。したがって、前記検出をより正確に行うことができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の移動体の走行制御装置において、前記速度検出手段は、前記移動体の移動距離を取得するために従動輪に設けた位置検出手段の位置データを速度に変換し、その変換した値を実走行速度値とすることを要旨とする。
これによれば、移動体の走行制御を行う上で必要な位置検出手段をスリップの有無の検出に流用することにより、速度を検出するための手段を新たに追加する必要がなく、製造コスト増を抑制することができる。
本発明によれば、走行中の移動体に作用する慣性の影響を受けることなくスリップの有無を正確に検出し、スリップ発生時の走行制御を行うことができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、自動倉庫1は通路を挟んで左右両側に枠組棚(ラック)2a,2bが並設されている。枠組棚2a,2bには各一対の支持部としての棚3によって構成された収納部4が通路の長手方向(連方向)及び高さ方向(段方向)にそれぞれ複数ずつ配設されている。通路の第1端部には、入出庫口(入出庫部)としての荷受台5が配設されている。荷受台5は、枠組棚2aの最下段に位置する収納部4と同じ高さにおいて、荷Wを載置可能に構成されている。なお、片側の枠組棚2bは、第1端部の枠のみを図示している。
通路の底面にはその長手方向に沿って走行レール6が敷設され、走行レール6上には移動体としてのスタッカクレーン7が走行可能に配備されている。スタッカクレーン7は、走行レール6上を走行自在な前後二つの輪体としての走行輪8(図2に図示)を有する走行台9と、その上に立設された一対のマスト10と、マスト10間に上下動可能に配設された昇降キャリッジ11とを備えている。昇降キャリッジ11上には移載装置としてのフォーク装置12が設けられ、フォーク装置12は昇降キャリッジ11上において水平に左右方向(スタッカクレーン7の走行方向と直交方向)に移動可能なフォークを備えている。
走行台9には、走行駆動装置14(図3に図示)が設けられている。走行駆動装置14は、走行用電動モータM(図3に図示)と、当該走行用電動モータMを速度制御するインバータIn(図3に図示)とから構成されている。そして、二つの走行輪8のうち、一方の走行輪8が走行用電動モータMに連結されており、駆動される推進用の駆動輪8aとされているとともに、他方の走行輪8が遊転自在な従動輪8bとされている。従動輪8bの回転軸(図示しない)には、当該回転軸の回転を検出する位置検出手段としての従動輪エンコーダEが連結されている。本実施形態の従動輪エンコーダEは、ロータリエンコーダとされている。
スタッカクレーン7には、マスト10の下部と対応する位置に制御装置15が配設されている。制御装置15は、通路の第1端部に配設されたクレーンコントローラ16からの指令信号に基づいて走行用電動モータM、昇降キャリッジ11の駆動用モータ(図示しない)及びフォーク装置12の駆動用モータ(図示しない)などを制御するようになっている。
スタッカクレーン7及びクレーンコントローラ16は、制御装置15とクレーンコントローラ16との間で無線により信号の授受を行う送受信装置17a,17bを備えている。クレーンコントローラ16は、図示しない在庫管理コンピュータから入出庫指令を受信するとスタッカクレーン7に入庫先の収納部4あるいは出庫元の収納部4の位置を指令する。入出庫作業には、収納部4と荷受台5との間における荷Wを搬出(出庫)して入庫先の収納部4へ荷Wを搬入(入庫)する作業もある。その場合、クレーンコントローラ16は、スタッカクレーン7に入庫先の収納部4及び出庫元の収納部4の位置を指令する。
制御装置15は、クレーンコントローラ16の指令に基づいて、入庫作業又は出庫作業を行うように、スタッカクレーン7の走行用電動モータM、昇降キャリッジ11の駆動用モータ及びフォーク装置12の駆動用モータを制御する。制御装置15は、コンピュータ及びメモリ(パターン記憶手段)を備え、当該メモリに記憶された所定のプログラムデータにしたがって各種の処理を実行する。メモリには、スタッカクレーン7、昇降キャリッジ11及びフォーク装置12の制御プログラムなどが記憶されている。
以下、本実施形態の自動倉庫1の電気的構成、特にスタッカクレーン7の走行制御に係る電気的構成を図3にしたがって説明する。
制御装置15には、クレーンコントローラ16と、従動輪エンコーダEと、走行駆動装置14(インバータIn)とが接続されている。
制御装置15には、速度変換部15aと、速度指令部15bと、スリップ検出部15cとが設けられている。なお、速度変換部15a、速度指令部15b及びスリップ検出部15cは、制御装置15が備えるコンピュータの機能を当該機能別に模式的に図示したものであり、速度変換部15a、速度指令部15b及びスリップ検出部15cの機能は単一のコンピュータ又は複数のコンピュータによって実現される。
速度変換部15aは、従動輪エンコーダEから入力された位置データとしてのパルス信号をカウントしてスタッカクレーン7の実移動距離を算出し、当該実走行距離を速度に変換してスタッカクレーン7の実走行速度値(実際に走行している時の速度値)を算出する。速度指令部15bは、制御装置15のメモリに記憶された速度パターンにしたがって速度指令値を走行駆動装置14(インバータIn)へ出力する。
速度パターンは、移動開始位置から目標停止位置までの移動距離毎(走行距離毎)に設定されている。そして、速度パターンは、スタッカクレーン7の速度と距離の関係をパターン化したものであり、速度パターンにより目標速度(最高速度に相当する)と加減速度が定められる。加速度は、目標速度と移動開始位置から目標速度に到達するまでの移動距離(図4に示す「a1,a2,a3」)とに応じて定められるとともに、減速度は、目標速度と減速開始位置から目標停止位置に到達するまでの移動距離(図4に示す「b1,b2,b3」)とに応じて定められる。
スリップ検出部15cは、スリップの有無(スリップが発生したか否か)を検出する。本実施形態においてスリップ検出部15cは、速度変換部15aの算出した実走行速度値と速度指令部15bの出力した速度指令を入力し、実走行速度値と速度指令値との比較結果からスリップの有無を検出する。具体的には、スリップ検出部15cは、実走行速度値と速度指令値との差を求め、その差分値S(絶対値)が、0(零)から所定値E1(例えば、5m/min)の範囲(0≦S≦5)である場合、スリップが発生していないことを検出する。その一方で、スリップ検出部15cは、前記差分値Sが、所定値E1を超えた場合、スリップが発生したことを検出する。
また、本実施形態のスリップ検出部15cは、前記差分値Sが所定値E1を超えている場合、さらにスリップの発生程度(発生具合)を検出する。具体的に言えば、スリップ検出部15cは、前記差分値Sが所定値E1を超える場合、当該差分値Sが所定値E1から所定値E2(例えば、10m/min)の範囲(5<S≦10)であるか否かを検出し、その範囲外である場合には所定値E2から所定値E3(例えば、15m/min)の範囲(10<S≦15)であるか否かを検出する。なお、スリップの発生程度は、差分値Sが小さいほど小さい、すなわちスリップによる滑りが少ないことになる。また、本実施形態では、前記差分値Sが所定値E3を超えた場合、スリップ以外の要因(例えば、検出器や制御装置の誤作動や故障など)によって発生した異常状態であると判定する。異常状態は、外部に報知される。また、スリップ検出部15cは、検出結果(スリップの有無と発生程度)を速度指令部15bに出力する。
本実施形態では、図4に示すように、移動開始位置から目標停止位置までの移動距離に対し、複数(本実施形態では3つ)の速度パターンP1,P2,P3が定められている。速度パターンP1,P2,P3は、スリップの有無と発生程度に対応付けられている。速度パターンP1は、スリップが発生していない時の走行に使用するスリップ未発生時用の速度パターンとされている。速度パターンP1の目標速度値及び加減速度値は、他の速度パターンP2、P3の目標速度値及び加減速度値よりも速くなっている。速度パターンP1では、移動開始位置から目標速度値に到達するまでの移動距離が移動距離a1とされ、減速開始位置から目標停止位置に到達するまでの移動距離が移動距離b1とされており、これらの移動距離a1,b1は他の速度パターンP2,P3の前記移動距離よりも短くなっている。
速度パターンP2は、スリップが発生した場合であって、当該スリップの発生程度が小さいとき(前記差分値Sが所定値E1から所定値E2の範囲のとき)の走行に使用するスリップ発生時用の速度パターンである。速度パターンP2の目標速度値は、速度パターンP1の目標速度値と同一値とされる一方で、加減速度値は速度パターンP1の加減速度値よりも遅く、かつ速度パターンP3の加減速度値よりも速くなっている。速度パターンP2では、移動開始位置から目標速度値に到達するまでの移動距離が移動距離a2(>移動距離a1)とされ、減速開始位置から目標停止位置に到達するまでの移動距離が移動距離b2(>移動距離b1)とされている。
速度パターンP3は、スリップが発生した場合であって、当該スリップの発生程度が大きいとき(前記差分値Sが所定値E2から所定値E3の範囲のとき)の走行に使用するスリップ発生時用の速度パターンである。速度パターンP3の目標速度値及び加減速度値は、他の速度パターンP1,P2の目標速度値及び加減速度値よりも遅くなっている。速度パターンP3では、移動開始位置から目標速度値に到達するまでの移動距離が移動距離a3(>移動距離a2)とされ、減速開始位置から目標停止位置に到達するまでの移動距離が移動距離b3(>移動距離b2)とされている。
以下、スタッカクレーン7の走行を制御する制御装置15の制御内容について詳しく説明する。
制御装置15のメモリには、図4に示すような移動開始位置から目標停止位置までの移動距離毎に速度パターンを定めた速度テーブルが複数記憶されており、各速度テーブルにはスリップの有無と発生程度に応じて複数種類の速度パターンが定められている。したがって、制御装置15は、クレーンコントローラ16からの指令信号に基づいて複数の速度テーブルの中から今回の移動距離に応じた速度テーブルを選択し、その選択した速度テーブルの中からスリップの有無及び発生頻度に応じて速度パターンを選択する。本実施形態において制御装置15は、スタッカクレーン7の走行中にスリップの発生を検出した場合、次回の走行時、前回の走行でスリップが発生したことを加味して速度パターンを選択し、走行を制御するようになっている。すなわち、制御装置15は、前回の走行時にスリップが発生した場合、今回の走行においてスリップ発生時用の速度パターンを選択する。
制御装置15の速度指令部15bは、前回の走行時にスリップの発生が検出されていない場合、移動距離に応じて選択した速度テーブルの中からスリップが発生していない場合の速度パターンP1を選択する。そして、速度指令部15bは、速度パターンP1にしたがって速度指令を所定の制御周期毎に走行駆動装置14のインバータInに出力する。速度指令を入力したインバータInは、当該速度指令に対応する指令速度でスタッカクレーン7を走行させるように走行用電動モータMを制御する。そして、速度指令部15bは、従動輪エンコーダEからパルス信号を入力し、速度パターンP1をもとに実移動距離に応じた速度指令をインバータInに順次出力する。これらの制御により、スタッカクレーン7の走行が制御される。なお、速度指令部15bは、インバータInに出力した速度指令をスリップ検出部15cにも出力する。本実施形態では、制御装置15の速度指令部15bと走行駆動装置14により速度指令手段が構成される。
制御装置15の速度変換部15aは、スタッカクレーン7の走行に伴い従動輪エンコーダEからパルス信号を入力し、実移動距離をもとに実走行速度値を算出するとともに、その算出した実走行速度値をスリップ検出部15cに出力する。本実施形態では、制御装置15の速度変換部15aと従動輪エンコーダEにより速度検出手段が構成される。また、従動輪エンコーダEは、走行制御に必要な実移動距離を算出するための位置検出を行う位置検出手段と速度検出を行う速度検出手段として兼用されている。
制御装置15のスリップ検出部15cは、速度変換部15aが出力した実走行速度値と速度指令部15bが出力した速度指令を入力する。そして、スリップ検出部15cは、実走行速度値と速度指令値とを比較し、スリップの有無を検出する。スリップ検出部15cは、所定の制御周期毎に前記検出を行い、その検出結果を速度指令部15bに出力する。実施形態では、制御装置15のスリップ検出部15cによりスリップ検出手段が構成される。
制御装置15の速度指令部15bは、前回の走行時にスリップの発生が検出されている場合、移動距離に応じて選択した速度テーブルの中からスリップの発生程度をもとに速度パターンP2又は速度パターンP3を選択する。そして、速度指令部15bは、選択した速度パターンP2又は速度パターンP3にしたがって速度指令を所定の制御周期毎に走行駆動装置14のインバータInに出力する。速度指令を入力したインバータInは、当該速度指令に対応する指令速度でスタッカクレーン7を走行させるように走行用電動モータMを制御する。これらの制御により、スタッカクレーン7は、走行時に加減速度が制御される。
具体的に言えば、スタッカクレーン7は、スリップの発生が検出されている場合、当該スリップの発生が検出されていない場合よりも加減速度が遅くなる。したがって、スタッカクレーン7は、走行開始時にはスリップが発生していない時よりもゆっくりと加速して目標速度値に到達し、減速時にはスリップが発生していない時よりも早く減速を開始して目標停止位置に停止する。なお、スタッカクレーン7は、速度パターンP3で走行が制御される場合、速度パターンP2で走行が制御される場合よりもさらにゆっくりと加速するとともに、さらに早く減速を開始する。本実施形態では、制御装置15の速度指令部15bと走行駆動装置14により加減速度制御手段が構成される。そして、本実施形態では、制御装置15と、従動輪エンコーダEと、走行駆動装置14とにより、スタッカクレーン7の走行制御装置が構成される。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)実走行速度値と速度指令値の差分値Sからスリップの有無を検出し、スリップが発生している場合には、スタッカクレーン7の走行時の加減速度を制御するようにした。スタッカクレーン7にスリップが発生した場合には、スタッカクレーン7の実走行速度値とスタッカクレーン7の走行制御に用いる速度指令値との間に差が生じ得る。そして、実走行速度値と速度指令値との間に生じる差は、例えば、スタッカクレーン7の減速時にスリップが発生した時のように当該スタッカクレーン7に慣性が作用する状況下にあっても、実走行速度値が速度指令に追従せず、両値の差が広がっていくという関係を保つ。したがって、走行中のスタッカクレーン7に作用する慣性の影響を受けることなくスリップの有無を正確に検出し、スリップ発生時の走行を制御できる。
(2)スタッカクレーン7の目標速度値と加減速度値をパターン化し、速度パターンとして記憶した。このため、スリップの発生時及び未発生時には、制御装置15による加減速度の制御及び走行の制御が速度パターンに基づき行われる。したがって、加減速度の制御及び走行の制御を簡素化できる。
(3)スリップ発生時用の速度パターンを、スリップの発生程度に応じて複数種類用意した。このため、スリップ発生時には、複数種類のスリップ発生時用の速度パターンの中からスリップの発生程度に合わせて速度パターンが選択される。したがって、スリップの発生程度に合わせた走行制御を実現することできる。
(4)従動輪8bに設けられた従動輪エンコーダEのパルス信号(位置データ)を速度に変換することにより、スタッカクレーン7の実走行速度値を検出するようにした。従動輪エンコーダEは、スタッカクレーン7の走行制御の際、当該スタッカクレーン7の移動距離を取得するために必ず設置されている。したがって、従動輪エンコーダEをスリップの有無の検出に必要な実走行速度値を得るための手段として流用することにより、速度を検出するための手段を新たに追加する必要がなく、製造コスト増を抑制することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2の実施形態を図5にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態は、既に説明した実施形態と同一構成については同一符号を付し、その重複する説明を省略又は簡略する。
本実施形態では、制御装置15に速度補正部15dが設けられている。速度補正部15dは、速度指令部15bの出力した速度指令と速度変換部15aの出力した実走行速度値を入力する。そして、速度補正部15dは、速度指令値と実走行速度値を比較し、前記速度指令部15bが走行駆動装置14に指令する速度指令の補正値を算出する。
具体的に言えば、速度補正部15dは、速度指令値と実走行速度値の差を求め、その差を補正値として算出する。速度補正部15dは、前記差が0(零)の場合には補正値として0(零)を算出するとともに、前記差がプラス側の数値である場合には速度指令値を差の分だけ加算する補正値を算出し、さらに前記差がマイナス側の数値である場合には速度指令値を差の分だけ減算する補正値を算出する。なお、前記差がプラス側の数値である場合には速度指令に対してスタッカクレーン7の速度が遅いときであり、前記差がマイナス側の数値である場合には速度指令に対してスタッカクレーン7の速度が速いときである。速度補正部15dは、算出した補正値を速度指令部15bに出力する。一方、補正値を入力した速度指令部15bは、前記補正値をもとに速度指令を補正し、その補正後の速度指令を走行駆動装置14に出力する。本実施形態では、制御装置15の速度指令部15bと速度補正部15dとにより補正手段が構成される。
速度補正部15dによる速度指令の補正は、スリップが発生していない状態でスタッカクレーン7を走行させた時の実走行速度値と速度指令値とを比較して行う。例えば、速度指令の補正は、自動倉庫1の据え付け時やメンテナンス時に行う。この速度指令の補正により、スリップ検出部15cによるスリップ検出は、補正後の速度指令をもとに行われるようになり、スリップ検出の誤差要因を排除し得る。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態の効果(1)〜(4)と同様の効果に加えて以下に示す効果を得ることができる。
(5)速度補正部15dを設け、当該速度補正部15dにより速度指令値を補正するようにした。このため、スリップの有無の検出を、速度補正部15dにより補正された補正後の速度指令値を用いて行うことができる。したがって、スタッカクレーン7の据え付け時に発生した誤差や走行を制御する制御装置15(コンピュータ)の製造時の誤差などを排除した状態でスリップの有無の検出を行うことができ、前記検出をより正確に行うことができる。
なお、各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ スリップ発生時用の速度パターンでは、スリップ未発生時用の速度パターンに対して加減速度値とともに目標速度値を変更するようにしても良い。なお、目標速度値は、移動距離と加減速度値との関係から算出される。
○ 1つの速度テーブルに定める速度パターンは、1種類のスリップ未使用時用の速度パターンと1種類のスリップ発生時用の速度パターンの2種類としても良い。また、スリップの発生程度を実走行速度値と速度指令値との差分値Sに応じて3段階以上に設定し、その段階に合わせて3種類以上のスリップ発生時用の速度パターンを速度テーブルに定めても良い。
○ スタッカクレーン7の実走行速度を検出する手法は、例えば、レーザ装置による測定や加速度ピックアップによる測定としても良い。
○ スリップの有無やスリップの発生程度を検出する場合のしきい値の幅は変更しても良い。すなわち、どの程度の差が生じた場合にスリップが発生したと検出するかは、スタッカクレーン7の仕様(大きさや速度など)に応じて変更されるものであり、シミュレーションなどにより設定される。
○ スリップの発生が検出された場合には、その検出時点においてリアルタイムに加減速度値を変更するようにしても良い。
○ 本実施形態のスリップ検出は、走行レール上を走行する各種の走行台車に適用することができる。例えば、立体駐車場などで車両を搬送する台車や、荷を搬送する台車などにも適用できる。
自動倉庫の概略を示す斜視図。 スタッカクレーンと枠組棚を示す正面図。 制御構成を示すブロック図。 速度パターンを示す特性図。 別例の制御構成を示すブロック図。
符号の説明
6…走行レール、7…スタッカクレーン、8…走行輪、8a…駆動輪、8b…従動輪、14…走行駆動装置、15…制御装置、15a…速度変換部、15b…速度指令部、15c…スリップ検出部、15d…速度補正部、E…従動輪エンコーダ、In…インバータ、M…走行用電動モータ、P1〜P3…速度パターン。

Claims (5)

  1. 輪体の駆動により走行レールに沿って走行する移動体の走行制御装置であって、
    前記移動体の実走行速度を検出する速度検出手段と、
    前記移動体に速度指令を与え、前記移動体の走行を制御する速度指令手段と、
    前記速度検出手段が検出した実走行速度値と前記速度指令手段が出力した速度指令値とを比較し、スリップの有無を検出するスリップ検出手段と、
    前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記移動体の走行時の加減速度を制御する加減速度制御手段とを備えたことを特徴とする移動体の走行制御装置。
  2. 前記移動体の移動開始位置から目標停止位置までの目標速度と加減速度を定めた速度パターンを記憶するパターン記憶手段を備え、
    前記速度パターンには、前記移動体が同じ移動距離を走行する場合において前記スリップが発生したときのスリップ発生時用の速度パターンと前記スリップが発生していないときのスリップ未発生時用の速度パターンとがあり、前記スリップ発生時用の速度パターンと前記スリップ未発生時用の速度パターンは、少なくとも加減速度が異なるようにパターン化されており、
    前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記加減速度制御手段は前記速度パターンを前記スリップ発生時用の速度パターンに変更し、加減速度を制御するとともに、前記速度指令手段は前記スリップ発生時用の速度パターンに基づき前記移動体に前記速度指令を与え、前記移動体の走行を制御することを特徴とする請求項1に記載の移動体の走行制御装置。
  3. 前記スリップ発生時用の速度パターンは、前記スリップの発生程度に応じて複数種類用意されており、
    前記スリップ検出手段は、前記スリップが発生している場合には前記実走行速度値と前記速度指令値の差分値から前記スリップの発生程度を検出し、
    前記加減速度制御手段は、前記スリップ検出手段が前記スリップの発生を検出した場合、前記スリップの発生程度に応じて前記スリップ発生時用の速度パターンを選択することを特徴とする請求項2に記載の移動体の走行制御装置。
  4. 前記スリップが発生していない状態で前記移動体を走行させた時の前記実走行速度値と前記速度指令値とを比較し、前記速度指令値を補正する補正手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の移動体の走行制御装置。
  5. 前記速度検出手段は、前記移動体の移動距離を取得するために従動輪に設けた位置検出手段の位置データを速度に変換し、その変換した値を実走行速度値とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の移動体の走行制御装置。
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