JP2005082189A - 包装箱 - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉を繰り返しても閉塞状態を確実に維持できるうえ、ブランクに必要な面積を低減してコストダウンを図る。
【解決手段】側壁15A,15Bに上端縁から底壁11に向けて延びる開口14を設けるとともに、蓋壁27の両側に開口14を閉塞する閉塞壁29を設け、閉塞壁29の一端を側壁15A,15Bの内側に配置するとともに、開口14を通して他端を側壁15A,15Bの外側に配置して蓋をする。蓋壁27は、端壁12Bとの境界部分である後側の辺27aより対向する前側の辺27bの全長が長く設定され、閉塞壁29の後端を側壁15A,15Bの内側に配置するとともに前端を側壁15A,15Bの外側に配置しており、蓋壁27の前端縁に、前側の端壁12Aの上側外周部を覆う前縁枠32を更に設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、靴などの商品を収容するための蓋付きの包装箱に関するものである。
この種の包装箱は、テープやステッチなどの固定手段を使用することなく、組み立てられるとともに、開閉可能な蓋を一体に連設されている。
具体的には、従来の包装箱は、図4(A),(B)および図5に示すように、底壁100の前後両端に端壁101A,101Bが設けられるとともに、底壁100の左右両側に側壁102A,102Bが設けられている。そして、後側の端壁101Bには、蓋壁103が連設され、この蓋壁103の両側縁に側壁102A,102Bの上側外周部を覆う側縁枠104が設けられるとともに、蓋壁103の前端縁に前側の端壁101Aの上側外周部を覆う前縁枠105が設けられている。
そのうち、前記側壁102A,102Bは、端壁101A,101Bにそれぞれ連設した中壁部106と、該中壁部106の外側面を覆う外壁部107とからなる。そして、中壁部106の先端には上下方向に噛み合わせるフック状の係合部108が設けられている。外壁部107の先端には、中壁部106の上端を旋回して内側面に位置する折返部109が連設され、この折返部109の両側に端壁101A,101Bの固定孔110を貫通する固定片111が設けられている。
また、蓋を構成する前縁枠105は、側縁枠104の先端から突設された中壁部112と、該中壁部112を巻き込むように略U字形状に折り曲げる表面壁部113とからなり、該表面壁部113の先端に設けた固定片114を、蓋壁103に設けた固定孔115に係止することにより、組立状態を維持する構成としている。
しかしながら、前記包装箱では、前記外壁部107に蓋を構成する前縁枠105の内面を押圧する突出部116を設け、この突出部116による押圧力で蓋の閉塞状態を維持するため、開閉を繰り返して行うと前記突出部116が摩耗したり、紙自身の腰が低下し、閉塞状態を確実に維持できなくなるという問題がある。
また、図5に示すように、側壁102A,102Bを構成するための中壁部106および外壁部107が底壁100から大きく突出するため、そのブランクに必要な面積が大きいうえ、ブランク全体が略T字形状をなすため、打抜屑の発生量が多く、コスト高になるという問題がある。
そこで、本発明では、開閉を繰り返しても閉塞状態を確実に維持できるうえ、ブランクに必要な面積を低減してコストダウンを図ることができる包装箱を提供することを課題とするものである。
前記課題を解決するため、本発明の包装箱は、底壁の前後両端に端壁を設けるとともに左右両側に側壁を設け、後側の端壁に蓋壁を連設した包装箱において、前記側壁に上端縁から底壁に向けて延びる開口を設けるとともに、前記蓋壁の両側に前記開口を閉塞する閉塞壁を設け、該閉塞壁の一端を前記側壁の内側に配置するとともに、前記開口を通して他端を前記側壁の外側に配置して蓋をする構成としている。
この包装箱では、前記蓋壁は、前記端壁との境界部分である後側の辺より対向する前側の辺の全長が長く設定され、前記閉塞壁の後端を側壁の内側に配置するとともに前端を側壁の外側に配置しており、前記蓋壁の前端縁に、前側の端壁の上側外周部を覆う前縁枠を更に設けることが好ましい。
また、前記側壁は、前記端壁にそれぞれ連設した壁面部および該壁面部の下部から突出する被固定部とからなる略L字形状の側壁本体と、前記底壁の両側に連設され一対の側壁本体の被固定部を巻き込んで固定する固定壁部とからなることが好ましい。
本発明の包装箱では、蓋壁の両側から突設する閉塞壁の一端を側壁の内側に配置するとともに、開口を通して他端を側壁の外側に配置する。そのため、前記閉塞壁および側壁は、波状をなすように湾曲し、互いに押圧するように作用するため、封緘強度を向上できる。そして、そのロック構造は、従来例のような突出部分によるものではないため、開閉を繰り返し行ってもそのロック構造部分が摩耗したり、紙自身の腰が低下することはない。そのため、封緘強度が低下することを防止し、複数回使用しても確実に閉塞状態を維持できる。
具体的には、前記蓋壁は、後側の辺より対向する前側の辺の全長を長く設定し、閉塞壁の後端を側壁の内側に配置するとともに前端を側壁の外側に配置し、かつ、蓋壁の前端縁には前縁枠を更に設けているため、全体の剛性を確保したうえで、確実に閉塞状態を維持できる。
また、側壁は、略L字形状の側壁本体と、側壁本体の被固定部を巻き込んで固定する固定壁部とからなる構成としているため、底壁を基準として左右両側に突出する量を平均化できるとともに、従来例と比較して小さくできる。そのため、包装箱を構成するブランクに必要な面積を低減するとともに、打抜屑の発生を削減でき、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る段ボール紙製の包装箱を示す。この包装箱は、靴などの商品を収容するための蓋付きのもので、大略、底壁11と、底壁11の前後両端に設けた端壁12A,12Bと、底壁11の左右両側に設けた側壁15A,15Bとからなる箱本体10を備え、該箱本体10における後側の端壁12Bに蓋体26を一体に設けたものである。
具体的には、この包装箱のブランクは、図2に示すように、長方形状をなす底壁11の上下に位置する前後端縁に長方形状をなす同一幅の端壁12A,12Bが連設され、その境界部分には罫を入れて形成した折曲線13が設けられている。
そして、前記端壁12A,12Bの左右両側には、それぞれ略L字形状をなす側壁本体16が連設されるとともに、底壁11の左右両側には前記側壁本体16を規制して固定する固定壁部20が設けられ、これら一対の側壁本体16および固定壁部20により、上端縁から底壁11に向けて延びる開口14を形成した左右の側壁15A,15Bを構成している。
前記側壁本体16は、前記端壁12A,12Bの全高にかけて連続する壁面部17と、該壁面部17の下部から突出する被固定部18とからなり、前記端壁12A,12Bとの境界部分には折曲線19が設けられている。前記壁面部17の先端隅部には円弧状の面取部17aが設けられている。また、被固定部18の先端には、従来例の中壁部106のような係合部108は設けられていない。
前記固定壁部20は、一対の側壁本体16の被固定部18を巻き込んで固定するもので、前記底壁11との境界部分には折曲線21が設けられている。具体的には、この固定壁部20は、底壁11に連続した外壁部22と、該外壁部22の中央に連設した折返用壁部23と、該折返用壁部23に連続した内壁部24とからなり、これらの境界部分には折曲線25が設けられている。ここで、前記折返用壁部23の寸法(奥行き)は、前記被固定部18の突出量の略2倍に設定されている。また、前記内壁部24の先端には底壁11に形成した固定孔11aに差し込んで係止する固定片24aが突設されている。
本実施形態では、前記側壁本体16の突出量、即ち、折曲線19から被固定部18の先端までの寸法S1は、底壁11の前後方向の奥行きの寸法S2の略半分とされている。また、前記被固定部18の高さT1は、固定壁部20の突出量、即ち、折曲線21から固定片24aの先端までの寸法S3に従って設定される。そして、この寸法S3は、前記側壁本体16の寸法S1と略同一に設定され、底壁11を基準とした左右への突出量の平均化を図っている。その結果、前記被固定部18の高さT1は、寸法S3(≒S1=S2/2)から折返用壁部23および固定片24aの幅、即ち、段ボール紙の肉厚の2枚分の寸法を減算した寸法の半分に設定されている。
このように構成した側壁15A,15Bは、底壁11に対して端壁12A,12Bを折り曲げた状態で、各端壁12A,12Bに対して側壁本体16を折り曲げ、その被固定部18の先端を互いに突き合わせる。その後、底壁11に対して固定壁部20を略逆凹字形状に折り曲げる。即ち、底壁11に対して外壁部22を折り曲げ、該外壁部22に対して折返用壁部23を折り曲げ、該折返用壁部23に対して内壁部24を折り曲げ、該内壁部24の先端の固定片24aを底壁11の固定孔11aに係止する。これにより、一対の側壁本体16を巻き込むようにして離脱不可能な状態で固定できる。また、一対の壁面部17の先端縁、および、折返用壁部23により広く切り欠かれた開口14が形成される。
前記蓋体26は、端壁12Bに連設した蓋壁27と、前記側壁15A,15Bに形成される開口14を閉塞する閉塞壁29と、前側の端壁12Aの上側外周部を覆う前縁枠32とからなる。
前記蓋壁27は、前後の端壁12A,12Bにかけた開口縁を閉塞するもので、端壁12Bとの境界部分には折曲線28が設けられている。この蓋壁27は、前記端壁12Bとの境界部分である後側の辺27aより対向する前側の辺27bの全長が長く設定された台形状のものである。具体的には、前記辺27aは端壁12A,12Bの幅より小さく、辺27bは端壁12A,12Bの幅より大きい台形状をなす。これにより、後述する閉塞壁29は、蓋体26によって箱本体10を閉塞した状態で、後端が側壁15A,15Bの内側に配置されるとともに前端が側壁15A,15Bの外側に配置されるように構成している。
前記閉塞壁29は、前記蓋壁27の傾斜した辺から略矩形状に突出するもので、その境界部分には折曲線30が設けられている。この閉塞壁29の突出寸法S4は、端壁12A,12Bの全高T2から前記被固定部18の高さT1を減算した寸法としている。また、この閉塞壁29と蓋壁27との境界部分中央には、蓋体26を開放操作するための指差孔31が設けられている。さらに、この閉塞壁29の先端両側隅部には円弧状の面取部29aが設けられている。
前記前縁枠32は、前記閉塞壁29に連設された中壁部33と、前記蓋壁27に連設された表面壁部35とからなる。前記中壁部33は、後述する表面壁部35と同一位置まで突出されるもので、前記閉塞壁29との境界部分には折曲線34が設けられている。前記表面壁部35は、前記中壁部33を巻き込むように略U字形状に折り曲げて組み立てるもので、前記蓋壁27との境界部分には折曲線36が設けられている。具体的には、この表面壁部35は、蓋壁27に連続するとともに前記中壁部33と略同一幅の外面壁部37と、該外面壁部37と連続する折返用壁部38と、該折返用壁部38と連続する内面壁部39とからなり、これらの境界部分にはそれぞれ折曲線40が設けられている。また、前記内面壁部39の先端には一対の固定片39aが設けられ、この固定片39aを蓋壁27に設けた固定孔27cに係止することにより、該前縁枠32の組立状態を維持する構成としている。
このように構成した包装箱は、図1(A)に示すように、前記蓋壁27における辺27a,27bの寸法設定により、蓋体26の閉塞壁29は、その後端が、後側の端壁12Bと連続する側壁本体16の壁面部17の内側に位置する。そして、箱本体10に対して蓋体26を折り曲げて完全に閉塞すると、閉塞壁29が側壁15A,15Bの開口14を通り、前端が、前側の端壁12Aと連続する側壁本体16の壁面部17の外側に自然に位置する。
この蓋体26による箱本体10の閉塞状態では、閉塞壁29の先端(下端)が側壁15A,15Bの開口14の縁である折返用壁部23に略当接し、該閉塞壁29によって開口14が完全に閉塞された状態をなす。そして、この閉塞壁29は、開口14を通して一端が側壁15A,15Bの内側に位置するとともに他端が側壁15A,15Bの外側に位置するため、波状をなすように湾曲し、該閉塞壁29と側壁15A,15Bとで互いに押圧するように作用する。しかも、蓋体26の前縁枠32は箱本体10の前側の端壁12Aの上側外周部を覆う。そのため、全体の剛性を確保したうえで、封緘強度を向上できる。また、このロック構造は、従来例のような突出部分によるものではないため、開閉を繰り返し行ってもそのロック構造部分が摩耗したり、紙自身の腰が低下することはない。そのため、封緘強度が低下することを防止し、複数回使用しても確実に閉塞状態を維持できる。
しかも、側壁15A,15Bは、略L字形状の側壁本体16と、側壁本体16の被固定部18を巻き込んで固定する固定壁部20とからなる構成としているため、底壁11を基準として左右両側に突出する量を平均化できる。言い換えれば、本実施形態の包装箱は、側壁15A,15Bに開口14を形成し、その開口14を蓋体26の閉塞壁29によって閉塞する構成としているため、底壁11を基準として左右両側に突出する構成部材の設計の自由度を向上し、従来例と比較して小さくできる。そのため、包装箱を構成するブランクに必要な面積を低減するとともに、打抜屑の発生を削減でき、コストダウンを図ることができる。
即ち、図5に示す従来の包装箱では、側壁102A,102Bは、端壁101A,101Bの上端縁まで延びる外壁部107により構成されるため、ブランクではその外壁部107の突出量が非常に大きい。しかし、本実施形態では、側壁15A,15Bに開口14を設け、この開口14の下部において、従来の外壁部107に対応する固定壁部20で組立状態を維持するため、この固定壁部20の突出量は非常に小さく抑えることができる。
また、従来の包装箱では、側壁本体16に対応する中壁部106に係合部108を設ける必要があるのに対し、本実施形態の側壁本体17にはこのような係合部108を設ける必要がないため、その分、底壁11から両側に突出する量を抑えることができ、ブランクを製造するのに必要な面積を削減できる。因みに、従来の包装箱では、本実施形態の固定壁部20と同様に、中壁部106の内外面を覆うように組み立てる構成とすれば、前記中壁部106には係合部108を設ける必要はない。しかし、この場合、外壁部107の突出量が一層大きくなるため、無駄およびコストが増大することになる。
このように、本実施形態の包装箱は、従来の包装箱と比較すると、ブランクを製造するのに必要な面積を低減できる。そのうえ、設計の自由度が向上するため、ブランク全体を図示のように略矩形状に形成することが可能になり、その結果、打抜屑の発生を抑え、コストダウンを図ることができる。
なお、本発明の包装箱は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、蓋体26は、その閉塞壁29の後端を側壁15A,15Bの内側に配置するとともに、前端を側壁15A,15Bの外側に配置する構成としたが、蓋壁27の後側の辺27aを前側の辺27bより長くし、図3に示すように、閉塞壁29の前端を側壁15A,15Bの内側に配置するとともに、後端を側壁15A,15Bの外側に配置してもよい。
本発明の実施形態に係る包装箱を示し、(A)は蓋体を閉塞する状態を示す斜視図、(B)は蓋体を閉塞した状態を示す斜視図である。 図1の包装箱のブランクを示す平面図である。 包装箱の変形例を示す斜視図である。 従来の包装箱を示し、(A)は蓋体を閉塞する状態を示す斜視図、(B)は蓋体を閉塞した状態を示す斜視図である。 従来の包装箱のブランクを示す平面図である。
符号の説明
10…箱本体 11…底壁
12A,12B…端壁 14…開口
15A,15B…側壁 16…側壁本体
17…壁面部 18…被固定部
20…固定壁部 22…外壁部
23…折返用壁部 24…内壁部
26…蓋体 27…蓋壁
27a,27b…辺 29…閉塞壁
32…前縁枠

Claims (3)

  1. 底壁の前後両端に端壁を設けるとともに左右両側に側壁を設け、後側の端壁に蓋壁を連設した包装箱において、
    前記側壁に上端縁から底壁に向けて延びる開口を設けるとともに、前記蓋壁の両側に前記開口を閉塞する閉塞壁を設け、該閉塞壁の一端を前記側壁の内側に配置するとともに、前記開口を通して他端を前記側壁の外側に配置して蓋をするようにしたことを特徴とする包装箱。
  2. 前記蓋壁は、前記端壁との境界部分である後側の辺より対向する前側の辺の全長が長く設定され、前記閉塞壁の後端を側壁の内側に配置するとともに前端を側壁の外側に配置しており、前記蓋壁の前端縁に、前側の端壁の上側外周部を覆う前縁枠を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
  3. 前記側壁は、前記端壁にそれぞれ連設した壁面部および該壁面部の下部から突出する被固定部とからなる略L字形状の側壁本体と、前記底壁の両側に連設され一対の側壁本体の被固定部を巻き込んで固定する固定壁部とからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の包装箱。
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