JP2005081580A - 記録ヘッド及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電磁コイルの巻き太りを回避し、歩留まりを向上させることができる記録ヘッド及びこの記録ヘッドを備えた記録装置を提供する。
【解決手段】 フレーム43に形成されたコア53に嵌め込まれるボビン56にコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを備え、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバー49を介して記録ワイヤ35を駆動する記録ヘッドにおいて、コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するようにボビン56に巻き付けられている。
【選択図】 図4
【解決手段】 フレーム43に形成されたコア53に嵌め込まれるボビン56にコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを備え、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバー49を介して記録ワイヤ35を駆動する記録ヘッドにおいて、コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するようにボビン56に巻き付けられている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、記録ワイヤを有する記録ヘッド及びこの記録ヘッドを備えた記録装置に関する。
一般に、フレームに形成されたコアに嵌め込まれるボビンにコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを備え、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤを駆動する記録ヘッドを有し、プラテンに沿って走行可能なキャリッジに記録ヘッドが搭載され、ワイヤレバーを駆動して記録ワイヤを突出させることにより、記録ヘッドとプラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録する記録装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の記録装置に適用される記録ヘッドでは、1本のコイル線がボビンに複数回巻き付けられて電磁コイルが形成されている。そして、この電磁コイルとコアとで形成される電磁石において所望の磁力を得るために、コイル線の巻き数及びこのコイル線に流れる電流が設定される。
特開2003−136765号公報
しかしながら、コイル線をボビンに巻き付ける際に巻き乱れが発生した場合、巻き付けたコイル線間の空隙が大きくなり、その分電磁コイルの外形が大きくなる(巻き太りする)という問題があり、この巻き乱れの発生を零にすることは現状では不可能である。
この巻き太りした電磁コイルを巻き付けたボビンをコアに嵌め込む場合、隣接したコアに嵌め込まれる他のボビンに干渉してしまうことがある。したがって、巻き太りした電磁コイルを巻き付けたボビンは、不良品として排除しなければならず、記録ヘッドの製造の歩留まりが低下してしまうという問題がある。
そこで、本発明の目的は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、電磁コイルの巻き太りを回避し、歩留まりを向上させることができる記録ヘッド及びこの記録ヘッドを備えた記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、フレームに形成されたコアに嵌め込まれるボビンにコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを備え、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤを駆動する記録ヘッドにおいて、前記コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するように前記ボビンに巻き付けられていることを特徴とするものである。
この記録ヘッドにおいて、前記複数の電磁コイルは、前記コイル線が前記ボビンに複数回巻き付けられて形成される第1の電磁コイルと、この第1の電磁コイルの上に前記コイル線が複数回巻き付けられて形成される第2の電磁コイルとを有してもよい。
また、上記記録ヘッドにおいて、前記ボビンには、一対の端子が設けられ、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端が接続された一方の端子に、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端を電気的に接続し、前記第1の電磁コイルの巻き付け方向とは逆方向に前記第2の電磁コイルにおけるコイル線を巻き付け、当該第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端を、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端が接続された他方の端子に電気的に接続してもよい。
更に、上記記録ヘッドにおいて、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端と、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端とは、切断されることなく連続し、前記一方の端子に電気的に接続されていてもよい。
更にまた、上記記録ヘッドにおいて、前記コアが、略同一円周上に所定間隔を空けて複数形成され、前記各コアに、それぞれ前記ボビンが嵌め込まれるようにしてもよい。
また、フレームに形成されたコアに嵌め込まれるボビンにコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを有し、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤを駆動する記録ヘッドを備え、プラテンに沿って走行可能なキャリッジに前記記録ヘッドが搭載され、前記ワイヤレバーを駆動して前記記録ワイヤを突出させることにより、前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、前記コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するように前記ボビンに巻き付けられていることを特徴とするものである。
この記録装置において、前記複数の電磁コイルは、前記コイル線が前記ボビンに複数回巻き付けられて形成される第1の電磁コイルと、この第1の電磁コイルの上に前記コイル線が複数回巻き付けられて形成される第2の電磁コイルとを有してもよい。
また、上記記録装置において、前記ボビンには、一対の端子が設けられ、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端が接続された一方の端子に、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端を電気的に接続し、前記第1の電磁コイルの巻き付け方向とは逆方向に前記第2の電磁コイルにおけるコイル線を巻き付け、当該第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端を、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端が接続された他方の端子に電気的に接続してもよい。
更に、上記記録装置において、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端と、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端とは、切断されることなく連続し、前記一方の端子に電気的に接続されていてもよい。
更にまた、上記記録装置において、前記コアが、略同一円周上に所定間隔を空けて複数形成され、前記各コアに、それぞれ前記ボビンが嵌め込まれるようにしてもよい。
本発明の記録ヘッド及び記録装置によれば、各電磁コイルが電気的に並列に接続されるので、電磁コイルの巻き太りを回避することができ、製造の歩留まりが向上する。
以下、本発明の一実施形態を添付の図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る記録装置の一実施形態が適用されたドットインパクトプリンタのプリンタ本体を示す斜視図である。図2は、図1のプリンタ本体を示す側断面図である。図3は、図1の記録ヘッドを示す斜視図である。
これらの図に示す記録装置としてのプリンタ10は、記録ヘッド18の図示しない多数の記録ワイヤ35(図3)を、インクリボン31(図2)を介してシートSに打ち付けてドットを記録することにより、文字を含む画像を印刷するドットインパクトプリンタである。
ここで、シートSは、単票紙や連続紙などの普通紙の他に、通帳や葉書、封筒などである。特に、単票紙は単票複写紙を含み、上記連続紙は連続複写紙を含む。
上記プリンタ10は、図1に示すように、記録装置本体としてのプリンタ本体11と、このプリンタ本体11に着脱自在に装着されたプッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13と、同じくプリンタ本体11に着脱自在に装着されたシート供給ガイド34(図2)と、プリンタ本体11の上方、下方をそれぞれ覆う図示しないアッパケース及びロアケースと、を有して構成される。
上記プリンタ本体11は、本体フレームとしてのベースフレーム14、シート案内フレーム15(図2)、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17と、記録ヘッド18及びキャリッジ19を備えた印刷機構部20と、プラテン21、シート案内22及びピンチローラ25(図2)を備えたシート搬送機構部23と、を有して構成される。
ベースフレーム14及びシート案内フレーム15は、図2に示すようにほぼ平行配置され、これらのベースフレーム14及びシート案内フレーム15の両端に上記左サイドフレーム16、右サイドフレーム17がそれぞれ立設して固定される。これらの左サイドフレーム16と右サイドフレーム17間に、図1に示すように、キャリッジ軸24が架け渡されて回動可能に枢支され、プラテン21が架け渡されて回転自在に配設されている。シート案内22は、左サイドフレーム16と右サイドフレーム17との間に配設されて、シート案内フレーム15に嵌合して固定されている。また、左サイドフレーム16及び右サイドフレーム17の後方部、上方部それぞれには、前記プッシュトラクタユニット12、排出ユニット13をそれぞれ装着可能な図示しないトラクタユニット装着部、排出ユニット装着部が設けられている。
図2に示すプッシュトラクタユニット12は、シートSとしての連続紙をシート搬送機構部23へ送り出し、シート供給ガイド34は、シートSとしての単票紙を1枚ずつ(単票複写紙の場合には一綴りずつ)シート搬送機構部23へ供給する。また、排出ユニット13は、連続紙または単票紙をシート搬送機構部23からプリンタ10外へ引き出すものである。
つまり、プッシュトラクタユニット12のトラクタベルト26の回転により、このトラクタベルト26のピン27の作用で、連続紙は、シート搬送機構部23のシート案内22に案内され、このシート案内22とプラテン21との間に形成されるシート搬送経路28を経て記録ヘッド18へ向い、矢印α方向に送給される。このプッシュトラクタユニット12の非動作時に、シート供給ガイド34から単票紙が一枚ずつ、シート搬送経路28を経て記録ヘッド18へ供給可能とされる。また、排出ユニット13の排出ローラ29の回転により、後述のごとく、記録ヘッド18により文字等が記録された連続紙または単票紙は、シート搬送機構部23のプラテン21から矢印β方向に引き出される。これにより、連続紙または単票紙は、キャリッジ19の後述の主走査方向に直交する副走査方向に搬送される。
図1に示す前記キャリッジ19は、キャリッジ軸24に摺動自在に挿通されると共に、記録ヘッド18を搭載する。キャリッジ軸24がプラテン21と平行に配置されることから、キャリッジ19は、これらのプラテン21及びキャリッジ軸24の軸方向と一致する主走査方向に移動(走行)可能に設けられる。
図示しないキャリッジ駆動モータの正転または逆転により、キャリッジ19は、タイミングベルト30(図2)を介しキャリッジ軸24に案内されて、主走査方向における図1の左向きまたは右向きに走行される。
前記記録ヘッド18は多数の記録ワイヤ35(図3)を備え、これらの記録ワイヤ35の突出方向前方にインクリボン31が位置する。記録ヘッド18は、キャリッジ19と共に主走査方向に走行する間に、記録ワイヤ35を突出動作させてインクリボン31に打ち当て、インクリボン31のインクを、プラテン21とインクリボン31との間に搬送されるシートS(連続紙または単票紙)に付着させて、このシートSに文字を含む画像を記録する。
記録ヘッド18による記録動作は、キャリッジ19が主走査方向左向きまたは右向きに走行する間に、記録ヘッド18の記録ワイヤ35により一行分の記録がなされ、この一行分の記録がなされる度に、シートSが連続紙の場合には、図2に示すシート搬送機構部23のプラテン21、プッシュトラクタユニット12及び排出ユニット13が、また、シートSが単票紙の場合には、シート搬送機構部23のプラテン21、ピンチローラ25及び排出ユニット13が、それぞれシートSを所定量(通常行間分)搬送させ、これらの動作が繰り返されることにより実施される。
尚、図2に示す符号32は、ベースフレーム14とシート案内フレーム15との間に開口して形成されて、プリンタ10の下方からシート搬送機構部23内へシートSを供給するためのボトムシート供給口である。
上記記録ヘッド18は、図3に示すように、ヘッド本体40にノーズ部41が連設され、ヘッド本体40の外側に放熱器42が配置されて構成される。
図4は、図3のIV−IV線に沿う記録ヘッド18の断面図である。また、図5は、記録ヘッド18におけるフレーム43を示す平面図である。また、図6は、コア53にボビン56が嵌め込まれた場合のフレーム43を示す平面図である。以下、図4乃至図6を参照し、記録ヘッド18の構成について詳細に説明する。
上記ヘッド本体40は、図4に示すように、有底円筒形状のフレーム43を有し、フレーム43の開口側に、略リング形状のヨーク44、サイドヨーク45が順次積層して配設される。また、フレーム43の内側にスプリングホルダ(不図示)が配置され、更に、上記ヨーク44及びサイドヨーク45の周方向に複数形成されたそれぞれの凹部47及び凹部48に各1本のワイヤレバー49が収容される。また、これらのワイヤレバー49の基端部50が支点軸51により支持され、更に、これらのワイヤレバー49がレバーホルダ52により保持されて構成される。
フレーム43は、軟磁性材料(例えば1%ケイ素鋼)から構成され、図5に示すように、環形状の外壁66と内壁67との間に底部46が形成される。このフレーム43の底部46には、略同一円周上に所定間隔を隔てて複数のコア53が一体に形成されている。
これら各コア53には、図6に示すように、ボビン56が嵌め込まれる。このボビン56には、コイル線68(図8)が巻き付けられて電磁コイル54が形成されており、図4に示すように、コア53及び電磁コイル54により電磁石59が構成される。
フレーム43の底部46には、図4及び図5に示すように、ボビン56の端子台74及び端子台75(図7)が挿通されるフレーム孔57、58が形成されている。
図4において、それぞれの上記ワイヤレバー49の先端部55には、記録ワイヤ35が1本ずつ装着される。図4では、1本の記録ワイヤ35のみを示す。また、各ワイヤレバー49は、それぞれの先端部55付近が、スプリングホルダに内蔵された復帰スプリング(ともに図示せず)によってレバーホルダ52方向へ常時付勢される。
更に、各ワイヤレバー49の基端部50には、この基端部50との間でU字溝を構成するエッジ部62が一体に形成される。このU字溝内に支点軸51が嵌合されて、各ワイヤレバー49の基端部50が支点軸51に支持され、各ワイヤレバー49は、支点軸51を中心として回動可能に設けられる。
上述のように、複数のワイヤレバー49の各基端部50をそれぞれ支持する支点軸51は、ワイヤレバー49の本数に対応した数の辺を有する多角形状のリング体から構成され、各辺にワイヤレバー49の基端部50のU字溝が嵌合する。この支点軸51は、ヨーク44とサイドヨーク45との間に介在されて支持される。
前記電磁石59の電磁コイル54に通電がなされると、この電磁石59の周囲に磁気回路63が形成され、コア53が励磁されて磁気力として吸引力が発生し、ワイヤレバー49のアーマチュア部60がコア53に吸引される。これにより、ワイヤレバー49は、基端部50を支持する支点軸51を中心としてノーズ部41方向に回動し、記録ワイヤ35をノーズ部41の先端ガイド65から突出動作させる。このように、電磁コイル54は通電されることにより、ワイヤレバー49を介して記録ワイヤ35を駆動する。ワイヤレバー49を駆動するのに必要な磁気力を電磁コイル54(電磁石59)に発生させるべく、電磁コイル54の巻き数及び電磁コイル54に流れる電流が設定されている。
電磁コイル54の通電により形成される上記磁気回路63は、磁束が、コア53からワイヤレバー49のアーマチュア部60及び基端部50を経て、フレーム43の外壁66からコア53へ循環して流れる回路が主なものである。
電磁コイル54の通電が遮断されたときにコア53が消磁されて、上記吸引力が消失する。このとき、ワイヤレバー49は、図示しない復帰スプリングの付勢力(復帰力)により、支点軸51を中心としてレバーホルダ52方向へ回動し、記録ワイヤ35を元位置に復帰させる。
上記ノーズ部41は、記録ワイヤ35の上述の突出動作を含む進退動作を案内するものである。つまり、記録ワイヤ35の進退動作は、ノーズ部41内に形成された複数の中間ガイド64及び先端ガイド65により案内される。また、前記放熱器42(図3)は、電磁石59の電磁コイル54への通電によってこの電磁コイル54が発熱するが、この発熱によるヘッド本体40の熱を放散させて、このヘッド本体40を冷却するものである。
フレーム43とノーズ部41との間には、電子部品が実装された基板78が配置される。また、この基板78とフレーム43との間には、絶縁板79が介在される。この絶縁板79は、フレーム43に対し基板78を絶縁するものである。
図7は、ボビン56を示す斜視図である。
ボビン56は、図7に示すように、コイル線が巻き付けられる巻き付け面部69を有し、この巻き付け面部69の両端につば部70、71が一体に形成されている。更に、一方のつば部70には、一対の端子台74、75が一体に形成されている。そして、端子台74、75には、一対の端子として導電性の第1端子72又は第2端子73がそれぞれ設けられている。これら端子台74、75のそれぞれには、巻き付け面部69から端子72、73或いは端子72、73から巻き付け面部69へコイル線を導くための切り欠き部76、77が設けられている。
ボビン56がコア53に嵌め込まれた場合、ボビン56の端子台74、75並びに第1端子72及び第2端子73は、フレーム43の底部46に形成されたそれぞれのフレーム孔57、58(図5)に挿通される。更に、第1端子72及び第2端子73は、絶縁板79(図4)に形成された不図示の絶縁板孔及び基板78に形成された不図示の基板孔に挿通され、この基板78に設けた不図示の電源線に電気的に接続される。また、ボビン56の端子台74、75は、図4に示すように絶縁板79付近まで延在されて、フレーム43に対しそれぞれ第1端子72或いは第2端子73を絶縁している。
図8は、ボビン56にコイル線68が巻き付けられて形成された電磁コイル54を示す電気回路図である。
本実施形態では、図8に示すように、コイル線68は、電磁コイル54として複数の電磁コイル54A、54Bを形成するようにボビン56に巻き付けられており、各電磁コイル54A、54Bは、電気的に並列に接続されている。具体的に説明すると、コイル線68は、第1の電磁コイル54A及び第2の電磁コイル54Bを形成するようにボビン56に巻き付けられており、第1の電磁コイル54Aと、第2の電磁コイル54Bとは、電気的に並列に接続されている。そして、これら第1及び第2の電磁コイル54A、54Bの巻き数及びコイル線68の径(つまり、各電磁コイル54A、54Bに流れる電流)は、ワイヤレバー49を駆動するのに必要な磁気力となるように設定されている。
第1又は第2の電磁コイル54A、54Bの巻き数は、同数に設定されている。従って、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bの電気抵抗は、略同一であり、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bに流れる電流は略等しい。従って、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bにより発生する磁気力は略等しくなる。
また、ボビンにコイル線を巻き付けて1つの電磁コイルのみを形成する場合にワイヤレバーを駆動するのに必要な磁気力を得るために設定されるコイル線の径と比較して、コイル線68が細径(例えば、断面積が1/2倍)に設定される。これによって、第1及び第2の電磁コイル54A、54Bの電気抵抗が増大(例えば、電気抵抗が2倍に増大)し、第1及び第2の電磁コイル54A、54Bに流れる電流は低下(例えば、電流が1/2倍に低下)するため、各電磁コイル54A、54Bにより発生される磁気力は低下(例えば、磁気力が1/2倍に低下)する。しかし、ワイヤレバー49に作用する磁気力は、全ての電磁コイル54A及び54Bの合成の磁気力であるため、これら電磁コイル54A及び54Bによりワイヤレバー49を駆動するのに必要な磁気力が得られる。そして、コイル線68を細径化することができるので、コイル線68をボビン56に巻き付ける際に、巻き乱れが発生しても不良品となるほど巻き太りすることはない。従って、コイル線68が巻き付けられたボビン56がコア53に嵌め込まれた際に、隣接したコア53に嵌め込まれた他のボビン56に干渉することはなくなり、記録ヘッド18の製造の歩留まりが向上する。
また、仮に、単に1つの電磁コイルのみを形成してコイル線の細径化を図る場合、コイル線の電気抵抗が増大するので、ワイヤレバーを駆動するのに必要な磁気力を電磁コイルに発生させるための電流を電磁コイルに流すと、電磁コイル(つまり、記録ヘッド)による発熱量が増大してしまう。
本実施形態では、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bとが電気的に並列に接続されているため、各電磁コイル54A、54Bのコイル線68が細径化されてそれぞれの電気抵抗が増加しても、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bとの合成抵抗は、第1の電磁コイル54A或いは第2の電磁コイル54Bの電気抵抗よりも低くなる。このように、第1の電磁コイル54A及び第2の電磁コイル54Bの合成抵抗が低くなるので、これら電磁コイル54A、54Bで消費される電力は低く、第1及び第2の電磁コイル54A、54B(つまり、記録ヘッド18)による発熱が低減される。
次に、第1電磁コイル54A及び第2電磁コイル54Bの構成について詳細に説明する。本実施形態では、第1電磁コイル54Aは、コイル線68がボビン56に複数回巻き付けられて形成され、第2電磁コイル54Bは、この第1の電磁コイル54Aの上にコイル線68が複数回巻き付けられて形成される。そして、第1及び第2の電磁コイル54A、54Bは、複数の層が形成されてなる。
図9〜図11は、コイル線68をボビン56に巻き付けて第1及び第2の電磁コイル54A、54Bが形成される過程を示す説明図である。ここで図9(a)〜図11(a)は、ボビン56の側面図であり、図9(b)〜図11(b)は、ボビン56に設けた端子72、73側から見た底面図である。尚、図9〜図11に図示したボビン56に巻き付けたコイル線68間は、説明の都合上空隙を設けているが、実際は、ボビン56に巻き付けられたコイル線68同士は密着しているものである。
まず、図9に示すように、第1の電磁コイル54Aにおけるコイル線68の巻始端が第1端子72に巻き付けられて電気的に接続される。そして、コイル線68は、切り欠き部76を這って巻き付け面部69に導かれ、この巻き付け面部69に矢印A方向に複数回巻き付けられる。この巻き付け面部69には、第1の電磁コイル54Aとして、当該巻き付け面部69のつば部70側からつば部71側に向けてコイル線68が巻き付けられて巻き付け面部69のつば部71側で折り返し、更に、巻き付け面部69のつば部70側に巻き付けられて偶数の層が形成される。
そして、図10に示すように、第1の電磁コイル54Aにおけるコイル線68の巻終端が、切り欠き部77を這って第2端子73に至り、この第2端子73に巻き付けられて電気的に接続される。
次に、第2の電磁コイル54Bにおけるコイル線68の巻始端が、第2端子73に巻き付けられて電気的に接続される。この第1の電磁コイル54Aにおけるコイル線68の巻終端と、第2の電磁コイル54Bにおけるコイル線68の巻始端とは、切断されることなく連続して第2端子73に電気的に接続されている。そして、コイル線68は、切り欠き部77を這って第1の電磁コイル54Aの上に導かれ、第1の電磁コイル54Aの巻き付け方向である矢印A方向(図9)とは逆方向である矢印B方向にボビン56の巻き付け面部69に相当する箇所(第1の電磁コイル54A上)に巻き付けられる。この第2の電磁コイル54Bも第1の電磁コイル54Aと同様に、第2の電磁コイル54Bとして、偶数の層が形成される。
そして、図11に示すように、第2の電磁コイル54Bにおけるコイル線68の巻終端が、切り欠き部76を這って第1端子72に至り、この第1端子72に巻き付けられて電気的に接続される。
これによって、第1の電磁コイル54Aと第2の電磁コイル54Bとは、コイル線を切断することなく、並列に電気的に接続することができるので、電磁コイル54の製造の効率が向上する。
以上、本実施形態によれば、第1及び第2の電磁コイル54A、54Bを電気的に並列に接続したことにより、コイル線68を細径にしても第1及び第2の電磁コイル54A、54Bの合成抵抗を低減することができるので、記録ヘッド18の発熱を低減させることができる。また、コイル線68を細径にできるので、第1及び第2の電磁コイル54A、54Bの巻き太りを回避することができ、記録ヘッド18の製造の歩留まりを向上させることができる。
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルとが電気的に並列に接続される場合について説明したが、これに限るものではなく、3つ以上の電磁コイルが電気的に並列に接続される場合であってもよい。この場合、さらに電磁コイルを形成するコイル線の径を細くすることができるので、より効果的に電磁コイルの巻き太りを防止することができ、より効果的に記録ヘッド18の製造の歩留まりを向上させることができる。そして、第2の電磁コイルの上に巻き付けられる電磁コイルは、本実施形態における第2の電磁コイルと同様に、コイル線が切断されることなく連続して第1端子に接続され、第2の電磁コイルの巻き方向とは逆巻きにコイル線がボビンに巻き付けられて電磁コイルが形成されることとなる。従って、3つ以上ある電磁コイルのうち、ある電磁コイルとこの電磁コイルの直ぐ上に巻き付けられる電磁コイルは、第1の電磁コイルと、この第1の電磁コイルの上に巻き付けられる第2の電磁コイルに該当する。
また、上記実施形態では、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルの巻き数が等しい場合について説明したが、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルの巻き数が異なってもよい。つまり、ワイヤレバーを駆動するのに必要な磁気力が得られ、コイル線が巻き太りしない程度に細径であれば、第1の電磁コイルと第2の電磁コイルの巻き数が異なるように設定できる。
また、上記実施形態では、ボビンの一方のつば部に一対の端子が設けられる場合について説明したが、これに限るものではなく、一方のつば部に第1端子、他方のつば部に第2端子を設ける場合であってもよい。
10…プリンタ(記録装置)、18…記録ヘッド、43…フレーム、49…ワイヤレバー、53…コア、54A…第1の電磁コイル、54B、第2の電磁コイル、56…ボビン、68…コイル線、72…第1端子(他方の端子)、73…第2端子(一方の端子)。
Claims (10)
- フレームに形成されたコアに嵌め込まれるボビンにコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを備え、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤを駆動する記録ヘッドにおいて、
前記コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するように前記ボビンに巻き付けられていることを特徴とする記録ヘッド。 - 請求項1に記載の記録ヘッドにおいて、
前記複数の電磁コイルは、
前記コイル線が前記ボビンに複数回巻き付けられて形成される第1の電磁コイルと、この第1の電磁コイルの上に前記コイル線が複数回巻き付けられて形成される第2の電磁コイルとを有することを特徴とする記録ヘッド。 - 請求項2に記載の記録ヘッドにおいて、
前記ボビンには、一対の端子が設けられ、
前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端が接続された一方の端子に、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端を電気的に接続し、
前記第1の電磁コイルの巻き付け方向とは逆方向に前記第2の電磁コイルにおけるコイル線を巻き付け、
当該第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端を、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端が接続された他方の端子に電気的に接続したことを特徴とする記録ヘッド。 - 請求項3に記載の記録ヘッドにおいて、
前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端と、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端とは、切断されることなく連続し、前記一方の端子に電気的に接続されていることを特徴とする記録ヘッド。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の記録ヘッドにおいて、
前記コアが、略同一円周上に所定間隔を空けて複数形成され、
前記各コアに、それぞれ前記ボビンが嵌め込まれることを特徴とする記録ヘッド。 - フレームに形成されたコアに嵌め込まれるボビンにコイル線を巻き付けて形成された電磁コイルを有し、この電磁コイルの磁気力によりワイヤレバーを介して記録ワイヤを駆動する記録ヘッドを備え、プラテンに沿って走行可能なキャリッジに前記記録ヘッドが搭載され、前記ワイヤレバーを駆動して前記記録ワイヤを突出させることにより、前記記録ヘッドと前記プラテンとの間に搬送されるシートに画像を記録する記録装置において、
前記コイル線は、電気的に並列に接続された複数の電磁コイルを形成するように前記ボビンに巻き付けられていることを特徴とする記録装置。 - 請求項6に記載の記録装置において、
前記複数の電磁コイルは、
前記コイル線が前記ボビンに複数回巻き付けられて形成される第1の電磁コイルと、この第1の電磁コイルの上に前記コイル線が複数回巻き付けられて形成される第2の電磁コイルとを有することを特徴とする記録装置。 - 請求項7に記載の記録装置において、
前記ボビンには、一対の端子が設けられ、
前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端が接続された一方の端子に、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端を電気的に接続し、
前記第1の電磁コイルの巻き付け方向とは逆方向に前記第2の電磁コイルにおけるコイル線を巻き付け、
当該第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端を、前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端が接続された他方の端子に電気的に接続したことを特徴とする記録装置。 - 請求項8に記載の記録装置において、
前記第1の電磁コイルにおけるコイル線の巻終端と、前記第2の電磁コイルにおけるコイル線の巻始端とは、切断されることなく連続し、前記一方の端子に電気的に接続されていることを特徴とする記録装置。 - 請求項6乃至請求項9のいずれか一項に記載の記録装置において、
前記コアが、略同一円周上に所定間隔を空けて複数形成され、
前記各コアに、それぞれ前記ボビンが嵌め込まれることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003313653A JP2005081580A (ja) | 2003-09-05 | 2003-09-05 | 記録ヘッド及び記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003313653A JP2005081580A (ja) | 2003-09-05 | 2003-09-05 | 記録ヘッド及び記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005081580A true JP2005081580A (ja) | 2005-03-31 |
Family
ID=34414517
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003313653A Pending JP2005081580A (ja) | 2003-09-05 | 2003-09-05 | 記録ヘッド及び記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005081580A (ja) |
-
2003
- 2003-09-05 JP JP2003313653A patent/JP2005081580A/ja active Pending
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