以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の遊技システムのシステム構成図である。
遊技場Aの内部には内部ネットワークが設けられており、該内部ネットワークには遊技用管理装置1、中継端末4及び情報収集端末装置5が接続されている。
遊技場内に設けられた内部ネットワークは、例えば、Ethernet(登録商標、以下同じ)によって構成されている。該内部ネットワークに接続された機器にはアドレスが設定されており、各機器間の通信(例えば、特定の機器に対するデータの転送や指令信号の送信)や、複数の機器に対する同報通信(例えば、マルチキャストやブロードキャスト)を行うことができる。
遊技用管理装置(ホールコンピュータ)1は、遊技場内部に設置された遊技場の収支に関わる遊技関連装置(計数機7、券売機8、金庫9等)及び遊技機6から遊技情報(稼動情報)を収集し、各機器の動作状況を監視する。遊技機6は、遊技機本体6aに、球貸ユニット6b、補給タンク6c及びアウトタンク6dが付加されて構成されている。そして、各機器から収集した稼動情報を分析して遊技場の営業分析をし、遊技機6(パチンコ機)の釘調整をし、遊技機6に対する不正を発見する。
中継端末(ルータ)4は遊技場内の島設備毎に設けられており、該島設備に設置された情報収集端末装置5からの情報を中継して、該情報を内部ネットワークに向けて送信する。
遊技機6は島設備に複数台ずつ設置されており、遊技機本体6aに、球貸ユニット6b、補給タンク6c及びアウトタンク6dが付加されて構成されている。遊技機6毎又は複数(例えば、2台)の遊技機6に1台の情報収集端末装置5が接続されており、情報収集端末装置5は、遊技機6から出力される遊技情報を収集する。
すなわち、遊技機6は、その設置場所の特定が可能に情報収集端末装置5に接続されている。例えば、遊技機6と情報収集端末装置5とが1対1の関係で接続されている場合には、情報収集端末装置5に記憶された識別コードや、情報収集端末装置5に付与される通信アドレスや、情報収集端末装置5に内蔵されるチップに固有の識別番号(例えば、MACアドレス)や、情報収集端末装置5に設定された台番号等の、情報収集端末装置5が保有する遊技場内で固有の識別子を遊技機6に対応付けて、遊技機6の設置場所を特定する。なお、遊技機6と情報収集端末装置5とが、多対1の関係で接続されている場合には、前述した識別子に加え、情報収集端末装置5に備えられた複数の情報収集用の入出力ポート又は通信ポートと対応付けて遊技機の設置場所を特定する。
また、遊技場には、遊技場の収支に関わる遊技関連装置として計数機7、券売機8及び金庫9が設けられており、各々情報収集端末装置5に接続されている。計数機7は、遊技者が遊技によって得た遊技媒体(遊技球、メダル等)を、景品との交換のために計数するジェットカウンター等であり、遊技媒体の計数結果に関する「計数信号」を出力する。券売機8は、遊技に用いるプリペイドカード等を発券し、発券時の売上金額に関する「売上信号」を出力する。金庫9には、券売機8、現金サンドが収受した現金が搬送されて収納される。金庫9からは、金庫9への入金額に関する「入金信号」が出力される。これらの、計数機7、券売機8及び金庫9からの稼動情報としての「計数信号」、「売上信号」及び「入金信号」は、情報収集端末装置5に入力される。情報収集端末装置5では、所定時間の遊技媒体の計数値、売上金額、入金額を加算演算し、累積値を集計して、稼動情報の累積値を遊技用管理装置1に出力する。
情報収集端末装置5は、遊技場に設置される装置(遊技機6等)に接続されており、これらの装置から出力される遊技情報を収集して、所定期間の遊技情報の累積値(例えば、賞球信号に基づいて算出される賞球数の累積値)を生成し、遊技情報の累積値を遊技用管理装置1に送信する。この情報収集端末装置5が生成する所定期間の遊技情報の累積値は、通常は一営業単位毎に累積算出されるが、週又は月を単位として累積算出してもよい。
ここで営業単位とは一日の営業開始から営業終了までを意味し、開店時間より早く始まり閉店時間より遅く終わる。なお、一日の営業時間を午前、午後等に分割して、一日に複数の営業単位を設定してもよい。また、営業単位を、複数日(例えば、1週間)にわたるものとしてもよい。
なお、情報収集端末装置5に、遊技機6の過去の稼動状況(スタート回数、大当たり回数等)を表示する情報開示機器や呼出ランプ等を併設してもよい。
本実施の形態では、情報収集端末装置5からの情報を中継する中継端末4を島設備毎に設けたが、中継端末4を設けることなく、情報収集端末装置5を直接内部ネットワークに接続するように構成してもよい。情報収集端末装置5の代わりにリモートIOを置き、中継端末4の代わりに複数の遊技機6に対応する情報収集端末装置を設置することもできる。このように構成することで、従来、島コンピュータと称された方式での遊技システムにも対応することができる。
遊技場外部管理装置2は、遊技場チェーンを経営する本部や外部機関に設けられ、ネットワークを介して遊技用管理装置1と接続されており、遊技用管理装置1が遊技場に設置された装置から収集した遊技情報の送信を受け、このデータを記憶して、管理する。この遊技場外部管理装置2に対して送信されるデータ(遊技情報、稼動情報等)の正当性を確認する目的であれば、ハッシュ関数を用いて、該遊技情報のハッシュ値を求めてコード化する演算処理を行って送信するとよい。このように構成することで、遊技場外部管理装置2に対して送信されるデータ量を抑制することができる。また、遊技用管理装置1で暗号化されたデータを遊技場外部管理装置2に送信し、遊技場外部管理装置2でデータを復号化することによって、遊技場外部管理装置2に送信されるデータの機密性を確保し、営業秘密(遊技情報、稼動情報)の外部への流出を抑制することができる。
また、遊技機6の固有番号を遊技場外部管理装置2に対して送信し、該固有番号を遊技場外部管理装置2で認証することによって、遊技機6が正当なものであるかを確認することができる。また、該固有番号又は遊技機6の機種を特定する機種コードを遊技場外部管理装置2(例えば、管理装置メーカや遊技機メーカに設けられる)に送信して、後述する設定情報を取得することができる。なお、この機種コードに基づいて、機種名、機類(パチンコ機か、パチスロ機か;遊技球式か、メダル式か;パチンコ機であれば、1種、2種、3種か;パチスロ機であれば、Aタイプ、Bタイプ等の遊技性;現金機か、カード機か等)を特定することができる。
なお、遊技場内部のネットワークと遊技場外部管理装置2との間のネットワークが、インターネットのような不特定多数者が用いるネットワークであり、専用線で接続されていない場合には、遊技用管理装置1と遊技場外部管理装置2との間に仮想閉域網(VPN)を設定すると、遊技用管理装置1と遊技場外部管理装置2との間で転送されるデータが外部に漏洩することがなく、遊技場の経営情報の秘匿性を保つことができる。
以上、遊技場Aについて説明したが、遊技場B及び遊技場Cにも同様の設備が設けられており、遊技場外部管理装置2は、各遊技場に設けられた遊技用管理装置と通信することができる。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機6周辺のブロック図であり、遊技機6からの情報の収集を示す。
遊技機本体6aに設けられた外部出力端子41(図4参照)及び遊技用マイクロコンピュータ101の通信ポート124(図4参照)からは、遊技に関わる信号(遊技情報)及び遊技機に関わる情報が出力される。
この遊技機本体6aから出力される信号には、上タンク内の賞品球が不足していることを示し、島設備からの球の補給を促す「球切れ信号」、所定数(例えば、10個)の賞球を排出する毎に出力される「賞球信号」、所定数(例えば、25個)の遊技球を貸し出す毎に出力される「球貸信号」、変動表示ゲームを開始したときに出力される「スタート信号」、変動表示ゲームが終了したときに出力される「図柄確定信号」、特別遊技状態(大当たり状態)中に出力される「大当たり信号」、確率変動中に出力される「確変信号」等がある。また、遊技機に関わる情報には、遊技機に固有の情報として遊技用マイクロコンピュータ101が備えるチップID(固有情報)、遊技機のメーカを特定するメーカコード、遊技機の機種を特定する機種コード、プログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)等がある。
また、球貸ユニット6bが現金サンドである場合には、球貸時の売上高に関する「売上信号」が出力される。なお、この現金サンドからの「売上信号」は、売上金額に関する情報の他、売上金額に相当する貸球数に関する情報を出力してもよい。これらの信号を受信した情報収集端末装置5は、これらの稼動情報(遊技情報)を加算演算し、累積値を集計して、稼動情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。
また、遊技機6が設置される島設備には、遊技機6に遊技球(賞球、貸球)を補給する補給路(補給ユニット)と、遊技機6からアウト球を回収する回収路(回収ユニット)とを備えた補給回収機構(補給タンク6c、アウトタンク6d)が設けられている。補給タンク6cは補給した球数を計数する補給数計数部を有し、アウトタンク6dはアウト球数を計数する回収球計数部を有している。補給タンク(補給数計数部)6cは補給球の計数結果である「補給信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を稼動情報として出力する。アウトタンク(回収球計数部)6dはアウト球の計数結果である「回収信号」(例えば、10個で1パルスのパルス信号)を稼動情報として出力する。この補給タンク6c及びアウトタンク6dは情報収集端末装置5に接続され、情報収集端末装置5が、補給タンク6c及びアウトタンク6dから出力される稼動情報を加算演算し、累積値を集計して、稼動情報の累積値を内部ネットワークに向けて送信する。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機6(パチンコ遊技機)の遊技盤の正面図である。
遊技盤の表面には、ガイドレールで囲われた遊技領域が形成され、遊技領域のほぼ中央には画像表示装置(特別図柄表示装置)80が設けられるセンターケース11が配置され、遊技領域の下方には大入賞口を備えた変動入賞装置10が配置される。また、遊技領域には方向転換部材12、一般入賞口15、始動口16、普通変動入賞装置17等が配置されている。
画像表示装置80はセンターケース11に設けられた凹部に、センターケース11の前面より奥まった位置に取り付けられており、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等で表示画面部分が構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に図柄(特別図柄、普通図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。すなわち、表示画面の左、中、右に設けられた変動表示領域には、図柄(例えば、「0」〜「9」までの数字及び「A」、「B」の英文字による12種類)が変動表示(可変表示)して変動表示ゲームが行われ、画像表示装置80は可変表示装置として機能する。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像が表示される。
センターケース11の下方には、普通変動入賞装置(普通電動役物)17を有する始動口16が配置される。遊技領域の左側の所定の位置には、普通図柄始動ゲート14が配置される。
本実施の形態の遊技機6では、打球発射装置(図示省略)から遊技領域に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われ、打ち出された遊技球は、遊技領域内の各所に配置された風車等の方向転換部材12によって転動方向を変えながら遊技領域を流下し、始動口16、一般入賞口15又は特別変動入賞装置10に入賞するか、遊技領域の最下部に設けられたアウト口から排出される。一般入賞口15への遊技球の入賞は、一般入賞口毎に備えられたN個の入賞センサ51.1〜51.N(図4参照)により検出される。各種入賞口に入賞した遊技球及びアウト口から排出された遊技球は、アウトタンク6dにある回収球計数部によってアウト球として計数される。なお、遊技機にアウト球を計数するセンサを設けて遊技機からアウト球数を出力するようにしてもよい。あるいは、発射球数とファール球数を検出するセンサを設け、発射球数とファール球数との差からアウト球数を求めてもよい。
始動口16、一般入賞口15、特別変動入賞装置(大入賞口)10に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口に応じた数の賞球が払出ユニット(排出装置)から排出され、遊技盤6の下方に設けられた供給皿に供給される。賞球及び貸球として排出する遊技球として遊技機6に補給される遊技球は、補給タンク6cにある補給数計数部により補給数として計数される。
始動口16へ遊技球の入賞があると、画像表示装置80では、前述した数字等で構成される図柄が順に変動表示する変動表示ゲームが開始され、変動表示ゲームに関する画像が表示される。始動口16への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の特別図柄乱数カウンタ値が当たり値であるとき)には大当たり状態となり、三つの表示図柄が揃った状態(大当たり図柄)で停止する。このとき、特別変動入賞装置10は、大入賞口ソレノイド10A(図4参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、大入賞口が所定の時間だけ大きく開くので、遊技者はこの間多くの遊技球を獲得することができるという遊技価値が付与される。
始動口16への遊技球の入賞は、特別図柄始動センサ52(図4参照)によって検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された特別図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(特別図柄入賞記憶領域)に、特別図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この特別図柄入賞記憶の記憶数は、画像表示装置80の表示画面の一部に設けられた特別図柄記憶状態表示領域に表示される。遊技制御装置100は、特別図柄入賞記憶に基づいて、画像表示装置80にて変動表示ゲームを行う。
特別変動入賞装置10への遊技球の入賞は、カウントセンサ54、継続センサ55(図4参照)によって検出される。
遊技球が普通図柄始動ゲート14を通過すると、画像表示装置80の一部に設けられた普通図柄表示領域では、普通図柄の変動表示を始める。遊技制御装置100は普通図柄入賞記憶に基づいて、普通図柄に関する当たりの抽選を行う。すなわち、普通図柄始動ゲート14への通過検出が所定のタイミングでなされたときには(具体的には、通過検出時の普通図柄乱数カウンタ値が当たり値であるときには)、普通図柄に関する当たり状態となり、普通図柄が当たり図柄で停止する。このとき、始動口16の手前に設けられた普通変動入賞装置17は、普通電動役物ソレノイド17A(図4参照)への通電により、始動口16への入口が所定の時間(例えば、0.5秒)だけ拡開するように変換され、遊技球の始動口16への入賞可能性が高められる。
普通図柄始動ゲート14への遊技球の通過は、普通図柄始動センサ53(図4参照)で検出される。この遊技球の通過タイミングによって抽出された普通図柄乱数カウンタ値は、遊技制御装置100内の所定の記憶領域(普通図柄入賞記憶領域)に、普通図柄入賞記憶として所定回数(例えば、最大で連続した4回分)を限度に記憶される。この普通図柄入賞記憶の記憶数は画像表示装置80に設けられた普通図柄記憶状態表示領域に表示される。
遊技盤6の要所には、ランプ、LED等の装飾装置が設けられており、これらのランプは遊技の進行に合わせて点灯して、遊技者の遊技に対する興趣が継続するようにしている。
図4は、本発明の実施の形態の遊技機6の遊技制御装置100を中心とする制御系の一部を示すブロック図である。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置であり、遊技制御を司るCPU、遊技制御のための不変の情報を記憶しているROM及び遊技制御時にワークエリアとして利用されるRAMを内蔵した遊技用マイクロコンピュータ101、入力インターフェース102、出力インターフェース103等から構成される。遊技制御装置100は遊技制御手段として機能する。
遊技用マイクロコンピュータ101の通信ポート124には外部通信用端子104が接続されており、外部通信用端子104からは、遊技用マイクロコンピュータ101が備える一意に設定されたチップID(固有情報)や、遊技機のメーカを特定するメーカコード、遊技機の機種を特定する機種コード、またプログラムの正当性を確認するセキュリティコード(例えば、プログラムコードのハッシュ値)等や、遊技用マイクロコンピュータ101の動作状態(例えば、遊技の進行状況)を出力することができる。また、外部通信用端子104に検査装置を接続して、チップIDによって遊技用マイクロコンピュータ101の正当性や、セキュリティコードによって遊技用プログラムの正当性を判定することができる。また、外部通信用端子104に情報収集端末装置5を接続して、チップIDによって遊技機6を識別することができる。
なお、遊技場には、遊技用マイクロコンピュータ101に通信機能(外部通信用端子104)を備えない、古いタイプの遊技機も稼動しているため、これらの情報は古いタイプの遊技機から出力されない。
遊技用マイクロコンピュータ101は、入力インターフェース102を介しての各種検出装置(一般入賞口センサ51.1〜51.N、特別図柄始動センサ52、普通図柄始動センサ53、カウントセンサ54、継続センサ55)からの検出信号を受けて、大当たり抽選等、種々の処理を行う。そして、出力インターフェース103を介して、各従属制御装置(演出制御装置150、排出制御装置200等)、普通電動役物ソレノイド17A、大入賞口ソレノイド10A等に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
遊技制御装置100から演出制御装置150には、表示制御指令信号として変動表示コマンド、図柄コマンド、確定コマンド、デモ表示コマンド、ファンファーレコマンド、大当たりコマンド、エラーコマンド等が送信される。さらに、通常の遊技状態、確率変動状態、変動時間短縮状態等の遊技状態の違いによって表示態様を変化させるための指令信号も送信される。
演出制御装置150は、表示制御用CPU、プログラムや画像データ(図柄データ、背景画データ、動画キャラクタデータ、テクスチャデータ等)等を格納したROM、表示制御用CPUの動作時のワークエリアや、画像表示装置80に表示される画像データを一時的に記憶するフレームバッファが設けられたRAM、VDP(Video Display Processor)等から構成され、前述した表示制御指令信号を受けて、画像表示装置80に表示する画像信号を生成する。
また、演出制御装置150は、装飾制御装置としても機能し、遊技制御装置100からの装飾制御指令信号に基づいて、LED、ランプ等の装飾装置の点灯を制御する。さらに、演出制御装置150は、音制御装置としても機能し、遊技制御装置100からの音制御指令信号に基づいて、スピーカから出力される効果音を制御する。
排出制御装置200は、遊技制御装置100からの賞球指令信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し賞球を排出させる。また、球貸ユニット6bがカード球貸ユニットである場合には、球貸ユニット6bからの貸球要求信号に基づいて、払出ユニットの動作を制御し貸球を排出させる。
遊技機6の電源装置(図示省略)は、電源回路の他に、バックアップ電源部と停電監視回路とを備えている。停電監視回路は、電源装置の電圧降下を検出すると、遊技制御装置100等に対して停電検出信号とリセット信号とを順に出力する。遊技制御装置100は、停電検出信号を受けると所定の停電処理を行い、リセット信号を受けるとCPUの動作を停止する。バックアップ電源部は、遊技制御装置100等のRAMにバックアップ電源を供給して、遊技データ(遊技情報、遊技制御情報:変動表示ゲーム情報を含む)等をバックアップする。
以上説明した実施の形態では、演出制御装置150に装飾制御装置及び音制御装置を含めて一体に構成したが、装飾制御装置や音制御装置を演出制御装置150とは別個に構成してもよい。
図5は、本発明の実施の形態の遊技機本体6aに用いられる遊技用マイクロコンピュータ101のブロック図である。
遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技機6aの動作を制御する遊技制御ブロックと、通信ポート124からの情報出力を制御する管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技制御ブロックは、遊技機メーカで自由にプログラミングをして、遊技用CPU111を動作させることができるが、管理ブロックは管理用ファームウェア121によって動作し、遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力するもので、その機能を遊技機メーカが変えることはできない。
遊技制御ブロックには、遊技用CPU111、遊技用ROM112、遊技用RAM113、リセット回路114、クロック回路115、カウンタ/タイマ(CTC)116、割込みコントローラ117、外部バスインターフェース118及びI/Oポート119によって構成されている。
遊技用CPU111は、遊技用ROM112に記憶されたプログラムに従って、遊技制御を行う。遊技用ROM112は、遊技制御に必要な遊技用プログラムやメーカコード、機種コード、セキュリティコード等のデータを記憶する。この遊技用ROM112には、1回限りデータを書き込み可能なワンタイムROMを使用し、遊技機製造後の遊技プログラムの改変を防止している。遊技用RAM113には、遊技用CPU111によるプログラム実行時に一時的に使用されるワークエリア、及び、遊技機6の状態(例えば、遊技状態)を記憶するステータスエリアが設けられている。
リセット回路114は、遊技機6の起動時や、電源異常時に遊技用CPU111の動作を初期化する。クロック回路115は、遊技用CPU111の動作に必要なクロック信号を生成する。
カウンタ/タイマ(CTC)116は、クロック回路115で生成されたクロック信号に基づいて、遊技用CPU111に一定時間毎に割り込みをかけたり、外部から供給されるクロック数を計数する。
割込みコントローラ117は、遊技用CPU111に対する割込の優先順位等を制御する。外部バスインターフェース118は、遊技用CPU111の外部に設けられたメモリや、インターフェースコントローラとを接続する。I/Oポート119は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、各種センサからの信号が入力され、アクチュエータ、制御装置への信号が出力される。
遊技用CPU111、遊技用ROM112、遊技用RAM113、外部バスインターフェース118及びI/Oポート119は、遊技制御ブロックのバス120によって接続されている。
管理ブロックは、管理用ファームウェア121、管理用ワークRAM122、セキュリティメモリ123及び通信ポート124によって構成されている。
管理用ファームウェア121は、管理ブロックにおける処理を実行する。例えば、遊技用RAM113のステータスエリアのデータを管理用ワークRAM122のステータスエリアに転送したり、管理用ワークRAM122のステータスエリアに記憶されたデータを累積演算したり、管理用ワークRAM122の所定領域(外部データ出力領域)に記憶されたデータを外部からの要求に応じて出力したり、セキュリティメモリ123に記憶されたチップIDを外部からの要求に応じて出力する。
管理用ワークRAM122は、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用されるワークエリア、遊技機6の状態(例えば、遊技状態)を記憶するステータスエリア、及び、ステータスエリアに記憶されたデータの累積演算結果を記憶する累積カウントエリアが設けられている。
セキュリティメモリ123は、不揮発性のメモリであって、各チップ毎に異なるチップIDが、遊技用マイクロコンピュータ101の製造工程で改変不能に書き込まれている。このチップIDは、通信ポート124を介して外部から読み出すことができるので、チップIDによって遊技機6を識別することができる。
通信ポート124は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うインターフェースである。
管理用ファームウェア121、管理用ワークRAM122、セキュリティメモリ123及び通信ポート124は、管理ブロックのバス125によって接続されている。
遊技制御ブロックのバス120と管理ブロックのバス125との間にはバスモニタ126が設けられている。バスモニタ126は、遊技制御ブロックのバス120と管理ブロックのバス125との状態を監視しており、バス120、125におけるデータ転送に余裕があるときに、バス120とバス125との間のデータの受け渡しをする。
このバスモニタ126は、管理用ファームウェア121によって制御されており、管理用ファームウェア121によって許可されたデータのみがバスモニタ126を通過可能となっている。すなわち、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112、遊技用RAM113、管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123のいずれからもデータを読み出すことができ、管理用ワークRAM122にデータを書き込むことができる。一方、遊技用CPU111は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113からデータを読み出すことができ、遊技用RAM113にデータを書き込むことができるが、管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123のいずれからもデータを読み出すことができず、管理用ワークRAM122にはデータを書き込むことができない。従って、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリは、管理ブロックによって読み書き可能であるが、管理ブロックによって読み書き可能なメモリは、遊技ブロックによって読み書きすることができない。このように、バスモニタ126によって、遊技ブロックによる管理ブロックへのアクセスを制限するアクセス制限手段が構成されている。
図6は、本発明の実施の形態の遊技用マイクロコンピュータのメモリの配置図である。
前述したように、遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技制御ブロックと管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技に関する制御を行う遊技制御ブロックには、遊技用CPU111によって読み書き可能な遊技用RAM113、及び、遊技用CPU111によって読み出し可能な遊技用ROM112が設けられている。
遊技用ROM112には、遊技制御プログラムが記憶されるプログラム領域、及び、プログラムが改変されていないかを判定するために用いられるセキュリティコードが記憶されるセキュリティ領域が設けられている。また、遊技用ROM112には、遊技機のメーカを示す8ビットのメーカコード及び機種毎に予め定められている16ビットの機種コードが記憶されており、遊技機の機種に関する機種情報を改変不能に記憶する機種情報記憶手段が構成されている。
遊技用RAM113には、プログラム実行時に一時的に使用されるワークエリア、及び、遊技機6の状態を記憶するステータスエリアが設けられている。
このステータスエリアは、入力データ領域、出力データ領域及び遊技制御データ領域に区分される。入力データ領域には、各種センサからの検出信号の物理的入力(入力ポートから入力されたデータそのもの)や、物理的入力に対してノイズ除去(例えば、短周期の信号変化を除去するチャタリング除去)をして確実性を判定した入力信号である論理的入力等が記憶されている。また、出力データ領域には、ソレノイド17A、20A等のアクチュエータの駆動信号や、遊技制御装置100から従属制御装置150、200に出力されるコマンド等が記憶されている。また、遊技制御データ領域には、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態に関する情報が記憶されている。
遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力する管理ブロックには、管理用ファームウェア121によって読み書き可能な管理用ワークRAM122、及び、管理用ファームウェア121によって読み出し可能なセキュリティメモリ123が設けられている。なお、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113の記憶内容を読み出すことができるが、遊技用CPU111は管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123の記憶内容を読み出すことができない。
管理用ワークRAM122には、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用されるワークエリア及びステータスエリアが設けられている。
管理用ワークRAM122のステータスエリアには、管理用ファームウェア121によって、遊技用RAM113のステータスエリアのデータが転送される(図12のS112)。よって、管理用ワークRAM122のステータスエリアのデータは、遊技用RAM113のステータスエリアのデータと同一の入力データ、出力データ及び遊技機6の状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態)が記憶される。
この管理用ワークRAM122の所定領域(外部データ出力領域)に記憶された値は、外部からの要求信号に対応して、通信ポート124から出力することができるので、情報収集端末装置5に対する出力が必要なデータは外部データ出力領域に記憶される。
セキュリティメモリ123には、前述したように、遊技機6に固有に付与されたチップIDが記憶されている。
このように、管理用ファームウェア121によって、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(遊技用RAM113のステータスエリア)から管理ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(管理用ワークRAM122のステータスエリア)に、遊技情報を転送する遊技情報転送手段が構成される。
図7は、本発明の実施の形態の遊技機6に設けられる設定情報テーブルを説明する図である。
管理用ワークRAM122のステータスエリアの特定領域は、外部データ出力領域に設けられており、記憶されたデータを情報収集端末装置5に対して出力することができる。このステータスエリアに記憶されているステータスデータは、外部に出力された時点では単なるデータ列としか把握されないが、遊技用管理装置1が以下に説明するように動作することによって、各データの意味を把握可能になっている。
図7(a)は、遊技場外部管理装置2から通信手段を介して遊技用管理装置1に入力される(又は、管理者が入力することによって遊技用管理装置1に入力される、予め遊技用管理装置1に設定される)機種情報の設定情報テーブルである。この機種情報の設定情報テーブルには、メーカコード、メーカ名、機種コード、機種名、設定モードが記憶されている。また、遊技用管理装置1は、設定モードにより対応する図7(b)に示すステータスデータの対応表を、同じく遊技場外部管理装置2から通信手段を介して(又は、管理者によって)取得する。そして、遊技用管理装置1は、遊技機6から情報収集端末装置5を介して収集したメーカコード及び機種コードを設定情報テーブル(図7(a))と照合することによって、メーカ名及び機種名を特定すると共に、遊技機6から出力されるデータの意味を、ステータスデータの設定情報テーブル(図7(b))を参照して把握できる。
図7(b)は、ステータスデータの設定情報テーブルである。ステータスデータは、遊技用RAM113のステータスエリアの特定領域及び管理用ワークRAM122のステータスエリアの特定領域に、16バイトのデータとして記憶されている。遊技機6からは、16バイトのデータ列としてステータスデータが出力される。情報収集端末装置5が収集した16バイトのデータ列は、ステータスデータの設定情報テーブルを参照することによって、その意味を把握することができる。例えば、図7(b)に示す場合には、ステータスデータの1バイト目は、図柄が確定したことを示している。
このようにメーカコード、機種コード、ステータスデータが遊技機6から出力され、ステータスデータの対応表を取得し、遊技機6から収集したデータと取得した対応表を照合する。そのため、遊技機メーカは、所定のデータフォーマットの範囲内で、遊技機の遊技性に応じて必要と思われるステータスデータを出力することができ、新しい遊技性を提供する遊技機6においても、遊技用管理装置1が遊技機6から遊技情報を的確に把握することができる。また、遊技機のメーカ、機種、遊技性が異なっても、遊技用マイクロコンピュータ101の管理ブロックの処理内容が変更されない。
図8は、本発明の実施の形態の遊技機6の遊技状態の状態遷移図である。この状態遷移図に従って、遊技の概要について説明する。以下の説明では、画像表示装置80の変動表示領域を左、中、右の変動表示領域として説明する。
まず、遊技開始当初(あるいは遊技開始前)の時点では、客待ち状態となっており、客待ち画面の表示(デモンストレーション表示)を指令する表示制御指令信号が遊技制御装置100から演出制御装置150に送信され、画像表示装置80の表示画面には、動画又は静止画である客待ち画面が表示される。ここで、客待ち状態には、遊技者が遊技をしていない状態と、遊技者が遊技中であるが変動表示中でも大当たり中でもない状態とが含まれる。この二つの状態は、タッチセンサや発射球、アウト球の状態を監視することによって区別することができる。
そして、遊技領域に打ち出された遊技球が始動口16に入賞すると、遊技制御装置100によって、特別図柄乱数が抽出され、変動表示ゲームの大当たりの抽選が行われ、その入賞が特別図柄始動記憶として記憶される。そして、変動表示開始条件が成立すると、遊技制御装置100から演出制御装置150に変動表示を指令する表示制御指令信号が送信され、画像表示装置80の画面の左、中、右の変動表示領域において複数の図柄の変動表示が開始する。
この変動表示の開始後、所定の時間が経過すると、変動表示が左、右、中の順に仮停止する。この仮停止状態とは遊技者が図柄を認識可能な略停止状態として、最終的な停止図柄が確定しない状態である。具体的には、停止位置にて図柄を微少に変動させることの他に、図柄を回転させたり、図柄を拡大縮小したり、図柄の色を変化させたり、図柄の形状を変化させる等の態様がある。
変動表示の過程でリーチ状態(例えば、左の図柄と右の図柄が大当たりの組合せを発生する可能性のある状態)が発生すると、例えば、中の図柄を極めて低速で変動表示させたり、高速変動させたり、変動表示を逆転したりするリーチ遊技が行われる。また、リーチ遊技に合わせた背景表示、キャラクタ表示が行われる。
そして、前記抽選の結果が大当たりであれば、最終的に左、中、右の図柄が所定の大当たりの組合せで停止して、大当たり状態が発生する。
大当たり状態が発生すると、特別変動入賞装置10が所定期間にわたって開かれる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。この特別遊技は特別変動入賞装置10への遊技球の所定数(例えば、10個)の入賞又は所定時間の経過(例えば、30秒)を1単位(1ラウンド)として実行され、特別変動入賞装置10内の継続入賞口への入賞(継続センサ55による入賞球の検出)を条件に、規定ラウンド(例えば、16ラウンド)繰り返される。また、大当たり遊技が開始すると、大当たりのファンファーレ表示、ラウンド数表示、大当たりの演出表示等、遊技制御装置100から演出制御装置150に大当たり遊技に関する表示を指令する信号が送信され、画像表示装置80の画面に大当たり遊技の表示が行われる。
この場合、大当たりが特定の大当たりであれば、大当たり遊技後に特定遊技状態が発生して、次回の大当たりの発生確率を高確率(確変状態)にしたり、普通図柄表示領域における変動表示ゲームの変動表示時間の短縮(時短)等が行われ、遊技者により有利な状態となる。
そして、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に又は大当たり遊技が終了したときに、特別図柄始動記憶があれば、その特別図柄始動記憶に基づき新たな変動表示ゲームが繰り返される。また、変動表示ゲームが終了したとき(ハズレのとき)に、特別図柄始動記憶がなければ、客待ち状態に戻されて、デモンストレーション画面を表示する。
なお、普通図柄始動ゲート14を遊技球が通過すると普通図柄乱数が抽出され、乱数が当たりであれば、普通図柄表示領域に当たり表示が行われて、始動口16の普通変動入賞装置17が所定時間(例えば、0.5秒)にわたって拡開され、始動口16への入賞が容易になる。
次に、本実施の形態の情報収集端末装置5の構成を説明する。
情報収集端末装置5は、マイクロプロセッサ50、電源回路及びデータ入出力用端子が設けられている。このマイクロプロセッサ50の構成を図9に示す。
マイクロプロセッサ50は、3個のCPU501〜503を内蔵した1チップタイプのプロセッサであり、メディアアクセスコントロールCPU(MACCPU)501、ネットワークCPU502、アプリケーションCPU503の3つのCPUを内蔵している。また、これらのCPU501〜503が共通に接続されているアドレス及びデータのためのコモンバス504には、各CPUに共通して使用されるメモリとして、CPUによるプログラム実行時のワークエリアとして使用されるメモリであるRAM505、不揮発性のメモリであるEEPROM507、プログラム等を予め格納したROM509が接続されている。
また、このコモンバス504には、外部との入出力を司るネットワーク通信ポート510及びI/Oポート512も接続されている。ネットワーク通信ポート510は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのポートである。ネットワーク通信ポート510は、ドライバを介してネットワーク接続端子に接続されており、該ネットワーク接続端子には中継端末4が接続され、遊技場管理装置1との信号(データ信号、指令信号)を送受信する。
I/Oポート512は、パラレル又はシリアルの入出力ポートであり、ドライバを介して外部入出力端子に接続されており、該外部入出力端子には、遊技機6、計数機7等の遊技場に設置された装置から出力されたデータが入力される。また、I/Oポート512には、情報収集端末5に接続された遊技機6が入れ替えられた場合に、遊技場の係員によって操作される遊技機入替確認スイッチ(遊技機入替確認入力手段)が接続されている。
通信ポート513は、遊技用マイクロコンピュータ101の通信ポート124との間で、所定のプロトコルで通信を行う通信ポートで、遊技機6の外部通信用端子104と接続されている。
アプリケーションCPU503は、遊技機入替確認スイッチからの入力信号を検出すると、遊技機の入替日時を確定し、遊技機入替情報を生成し、RAM505に記憶して遊技機入替情報を登録する。
EEPROM507は、不揮発性のメモリであって、ネットワーク構成及びアドレスの指定情報、識別コード等の情報収集端末装置5に設定される情報等を記憶している。識別コード以外は、プログラムにより書き換え可能である。識別コードは、EEPROM507の製造過程で改変不能に書き込まれるものであり、各チップ毎に異なるコードを書き込むことができる。この識別コードは、ネットワークを介して外部から読み出すことができるので、情報収集端末装置5の識別に用いることができる。すなわち、遊技用管理装置1は、どの情報をどのプロセッサ50(どの情報収集端末装置5)が出力したかを知ることができる。EEPROM507のプログラムによって書き換え可能な部分及びROM509には、遊技情報の収集に用いられるプログラムが記憶されている。
また、遊技用管理装置1や情報収集端末装置3から識別コードを定期的に読み出すことによって、遊技システムに組み込まれた情報収集端末装置5が交換されたことを検出することができる。
また、情報収集端末装置5が正当なものであることを示すキーを、遊技システムの構築時や営業開始時に、遊技用管理装置1から送信し、該キーをRAM505に書き込む。そして、遊技用管理装置1から該キーを定期的に読み出すことによって、遊技システムに組み込まれた情報収集端末装置5が不正なものであることを検出することもできる。
プロセッサには、CPU501〜503のクロックやリセット等の制御信号を出力する制御回路514も内蔵されている。
遊技機6、計数機7等の遊技場に設置された装置から情報収集端末装置5に遊技情報(稼動情報)が入力されると、アプリケーションCPU503によって遊技情報や稼動情報の累積値が算出される。また、算出された遊技情報の累積値はネットワーク通信ポート510から出力される。
次に、本発明の実施の形態の遊技用管理装置1の構成を説明する。
図10は、遊技用管理装置1の構成を示すブロック図である。
遊技用管理装置1には、CPU301、プログラム等を予め格納したROM302、CPUの動作時にワークエリアとして使用されるメモリであるRAM303、各種データを記憶するハードディスク、不揮発メモリ(フラッシュメモリ等)等の記憶装置304が設けられている。RAM303は、情報収集端末装置5が送信した遊技情報を記憶して、遊技情報記憶手段を構成する。これらのCPU301、ROM302、RAM303及び記憶装置304はバス308によって接続されている。このバス308はCPU302がデータの読み書きのために使用するアドレスバス及びデータバスから構成されている。
バス308には、外部との入出力を司る通信インターフェース305、入力インターフェース306及び出力インターフェース307が接続されている。通信インターフェース305は、所定の通信プロトコルに従ってデータ通信を行うためのデータ入出力部であり、内部ネットワークと接続されている。よって、遊技用管理装置1は、外部ネットワークに接続された機器と通信をすることができる。入力インターフェース306には、遊技用管理装置1の操作のための入力装置(キーボード、マウス等)が接続される。出力インターフェース307には、遊技機6等から収集したデータや、遊技用管理装置1の稼動状態を表示する表示装置(ディスプレイ)が接続される。
次に、本発明の実施の形態の遊技場外部管理装置2の構成を説明する。遊技場外部管理装置2は、図10に示すブロック図と等しい構成を有する。しかし、前述した遊技用管理装置1の構成と以下の点で異なる。
通信インターフェース305は、遊技場外の外部ネットワークと接続している。よって、遊技有情外部管理装置2は、各遊技場に設置された内部ネットワークに接続された装置(例えば、遊技用管理装置1)と通信をすることができる。
図11は、本発明の実施の形態の管理ブロックにおけるメイン処理のフローチャートである。
まず、管理用ファームウェア121は、チップIDを要求するID要求が通信ポート124に入力されたか否かを判定し(S101)、入力されたID要求を解析して、要求が正当なものであるか否かを判定する(S102)。そして、正当なID要求であれば、セキュリティメモリ123に記憶されたチップID及び遊技用ROM112に記憶された機種コードを読み出して、通信ポート124から送信する(S103)。なお、チップIDに機種コードが含まれるように(チップIDから機種が特定可能なように)、チップIDを構成してもよい。一方、ID要求が入力されていない、又は、入力された要求が正当なものでないときは、チップIDを送信することなく、ステップS104に移行する。
このように、要求の正当性を判定してからチップID、及び機種コードを送信しているので、悪意のある第三者にチップIDや機種コードが収集されて、不正に利用されることを防止することができる。また、ID要求の正当性の判定は、ID要求のコマンド又は通信プロトコルの正当性の判定に限らず、通信相手の正当性を判定するようにしてもよい。例えば、通信相手に識別情報を要求して、通信相手から受信した識別情報の正当性を判定するようにしてもよい。また、通信相手に特定コードを送信して、通信相手が特定コードに対して所定の演算式で算出したハッシュ値を受信して、ハッシュ値から正当性を判定するようにしてもよい。また、その他の既知の認証方式を用いて通信相手を認証するようにしてもよい。
そして、通信ポート124に遊技情報送信要求が入力されたか否かを判定し(S104)、入力された遊技情報送信要求を解析して、要求が正当なものであるか否かを判定する(S105)。そして、正当な遊技情報送信要求であれば、管理用ワークRAM122のステータスエリアに記憶された遊技情報(ステータスデータ及び累積値データ)を読み出して、通信ポート124から送信する(S106)。一方、遊技情報送信要求が入力されていない、又は、入力された要求が正当なものでないときは、遊技情報を送信することなく、ステップS107に移行する。
なお、遊技情報送信要求の正当性の判定は、ID要求の正当性の判定と同様の方法で行なわれる。
そして、遊技情報更新処理(図12)を実行して遊技の進行によって変化する遊技情報を更新して(S107)、ステップS101に戻って、各処理を繰り返し実行する。
図12は、本発明の実施の形態の遊技情報更新処理のフローチャートであり、メイン処理(図11のS107)から呼び出されて実行される。
まず、管理用ファームウェア121は、遊技用RAM113のステータスエリアに記憶された情報を読み出す(S111)。そして、遊技用RAM113のステータスエリアから読み出した情報を管理用ワークRAM122のステータスエリアに書き込んで、ステータスエリアを更新する転送処理を実行する(S112)。そして、管理用ワークRAM122のステータスエリアに記憶されていた情報と管理用ワークRAM122のステータスエリアに新たに記憶する情報とを比較して、ステータスデータの変化を抽出する(S113)。
次に、変化したステータスデータに、所定の遊技情報の変化(例えば、”0”から”1”への立ち上がり変化)が含まれているか否かを、管理用ワークRAM122のステータスエリアの各領域のデータが、イベントデータ(所定の遊技情報の変化の監視対象)に設定されているかによって判定する(S114)。その結果、イベントデータの各領域に記憶されているステータスデータの変化が抽出されれば、管理用ワークRAM122のステータスエリアの所定領域にイベント情報(イベントデータの変化情報)を設定して、イベントデータが更新されたことを記憶する(S115)。そして、この遊技情報更新処理を終了する。
図13は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御ブロックの処理のフローチャートである。
遊技制御ブロックでは、繰り返し実行されるメイン処理(図13(a))、及び、所定時間間隔(例えば、2ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図13(b))が、遊技プログラムとして実行されている。ここで、メイン処理とは、タイマ割込みのように一定時間毎に処理が実行されるとは限らない繰り返し処理(すなわち、処理の実行周期が不定の繰り返し処理)である。また、タイマ割込み処理は、確実に、一定時間毎に実行される処理である。
メイン処理では、電源投入時又はリセット時に実行される初期化処理(S121)の後、複数の遊技制御処理1〜nがループ内で繰り返し実行されている(S122−1〜S122−n)。すなわち、各種スイッチからの入力を取得するスイッチ入力処理、画像表示装置8で行われる特別図柄による変動表示ゲームの制御をする特図ゲーム処理、画像表示装置8で行われる普通図柄による変動表示ゲームの制御をする普図ゲーム処理、遊技機に生じたエラーを検出し遊技の停止、エラーの報知等のエラーに関する処理をするエラー処理、変動表示ゲームで使用する乱数を更新する乱数更新処理等が遊技制御処理として行われる。図13に示す処理では、メイン処理において遊技制御処理を実行しているが、タイマ割込処理において遊技制御処理を実行してもよいし(例えば、図16参照)、メイン処理及びタイマ割込処理の双方で遊技制御処理を分担して実行してもよい。
タイマ割込処理では、各種センサからの入力を検出する入力処理(S123)、ソレノイドやモータなど遊技制御のための信号を出力する出力処理(S124)、従属制御装置(演出制御装置150等)との通信を制御する通信処理(S125)が行われる。その後、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている、遊技制御データ(遊技制御処理1〜nの制御データ、具体的には、大当りフラグ、確率変動フラグ、特別図柄、普通図柄、特別図柄や普通図柄の始動記憶数、エラーコード等)、入力データ、出力データ及び通信データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図13(c)参照)複写処理が行われる(S126)。
以上説明したように、図13に示す遊技制御ブロックの処理では、複写処理(S126)は遊技プログラム中に記述されるため、遊技機の仕様によって出力するデータをステータスエリアに書き込んでデータを出力することができる。
すなわち、遊技制御プログラムの遊技制御状態の更新タイミングが、タイマ割り込みにより緩衝されて、外部との通信処理において把握できる遊技状態の状態遷移タイミングは、例えば、タイマ割り込みが2ミリ秒周期であれば、最大で約2ミリ秒の遅延が生じる。遊技情報の管理においては、数百ミリ秒単位で情報収集ができれば十分であるため、内部制御タイミングを外部から把握されることによる遊技情報の不正利用を防止することができる。例えば、大当り信号のタイミングを狙い打つ不正な遊技を行う際のトリガを与えることを防止する。また、遊技情報の更新周期がタイマ割込み周期によって定めるため、情報収集端末装置5において、遊技情報の取得に関するサンプリングタイミングを容易に設定することができる。
このように、遊技制御処理によって生成される遊技情報を遊技ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(遊技用RAM113のステータスエリア)に設定する遊技情報設定手段が構成されている。
図14は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御ブロックの別の処理のフローチャートである。
遊技制御ブロックでは、繰り返し実行されるメイン処理(図14(a))、及び、所定時間間隔(例えば、2ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図14(b))が、遊技プログラムとして実行されている。
メイン処理では、電源投入時又はリセット時に実行される初期化処理(S131)の後、複数の遊技制御処理1〜n(前述したスイッチ入力処理、特図ゲーム処理、普図ゲーム処理、エラー処理、乱数更新処理等)が、ループ内で繰り返し実行されている(S132−1〜S132−n)。
そして、一連の遊技制御処理1〜n(S132−1〜S132−n)が終了すると、遊技制御処理1〜nで使用され、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている遊技制御データ(大当りフラグ、確率変動フラグ、特別図柄、普通図柄、特別図柄や普通図柄の始動記憶数、エラーコード等)を、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図14(c)参照)複写処理が行われる(S133)。
タイマ割込処理では、各種センサからの入力を検出する入力処理が行われ(S134)、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている入力データ(S134の入力処理で使用されたデータ)を、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図14(c)参照)複写処理が行われる(S135)。
その後、ソレノイドやモータに、遊技制御のための信号を出力する出力処理が行われ(S136)、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている出力データ(S136の出力処理で使用されたデータ)を、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図14(c)参照)複写処理が行われる(S137)。
その後、従属制御装置(演出制御装置150等)との通信を制御する通信処理が行われ(S138)、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている通信データ(S138の通信処理で使用されたデータ)を、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図14(c)参照)複写処理が行われる(S139)。
以上説明したように、図14に示す遊技制御ブロックの処理では、入力処理(S134)、出力処理(S136)、通信処理(S138)及び一連の遊技制御処理(S132−1〜S132−n)毎に、各処理で使用されたデータを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する複写処理(S133、S135、S137、S139)が行われる。すなわち、図14で説明した遊技制御ブロックの処理では、遊技制御ブロックに設けられた遊技情報設定手段は、遊技制御ブロックに情報が入出力されると、該入出力に係る遊技情報を、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリ(遊技用RAM113のワークエリア)の所定領域に設定するので、入出力の変化を管理ブロックを介して外部から把握することができる。また、入力処理、出力処理に続いて複写処理を行なうため、遊技情報としての入出力データが、データの入出力タイミングから遅延することなくステータスエリアに設定される。
また、遊技制御ブロックに設けられた遊技情報設定手段は、一連の遊技制御処理(S132−1〜S132−n)が終了すると、該遊技制御処理に係る遊技情報を、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリ(遊技用RAM113のワークエリア)の所定領域に設定するので、遊技制御処理に続けて実行される処理が少なくて済み、遊技制御処理の遅延を防止することができる。
このように、遊技制御処理によって生成される遊技情報を遊技ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(遊技用RAM113のステータスエリア)に設定する遊技情報設定手段が構成されている。
図15は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御ブロックの別の処理のフローチャートである。
遊技制御ブロックでは、繰り返し実行されるメイン処理(図15(a))、及び、所定時間間隔(例えば、2ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図15(b))が、遊技プログラムとして実行されている。
メイン処理では、電源投入時又はリセット時に実行される初期化処理(S141)の後、複数の遊技制御処理1〜n(前述したスイッチ入力処理、特図ゲーム処理、普図ゲーム処理、エラー処理、乱数更新処理等)が、ループ内で繰り返し実行されている(S142−1〜S142−n)。
これらの遊技制御処理1〜n(S142−1〜S142−n)の一つが終了すると、遊技制御処理1〜nで使用され、遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている遊技制御データ(大当りフラグ、確率変動フラグ、特別図柄、普通図柄、特別図柄や普通図柄の始動記憶数、エラーコード等)を、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図15(c)参照)複写処理が行われる(S143−1〜S143−n)。
タイマ割込処理では、各種センサからの入力を検出する入力処理(S123)、遊技制御のためにソレノイドやモータに信号を出力する出力処理(S124)、従属制御装置(演出制御装置150等)との通信を制御する通信処理(S125)が行われる。
以上説明したように、図15に示す遊技制御ブロックの処理では、遊技制御処理(S142−1〜S142−n)毎に、各遊技制御処理で使用された遊技制御データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する複写処理(S143−1〜S143−n)が行われる。すなわち、図15で説明した遊技制御ブロックの処理では、遊技制御ブロックに設けられた遊技情報設定手段は、遊技制御処理によって遊技制御情報が更新されると、該遊技制御処理に係る遊技情報を、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリ(遊技用RAM113のワークエリア)の所定領域に設定するので、遊技制御処理に関わる遊技情報の変化を管理ブロックを介して外部から把握することができる。
このように、遊技制御処理によって生成される遊技情報を遊技ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(遊技用RAM113のステータスエリア)に設定する遊技情報設定手段が構成されている。
図16は、本発明の第1の実施の形態の遊技制御ブロックの別の処理のフローチャートである。
遊技制御ブロックでは、繰り返し実行されるメイン処理(図16(a))、及び、所定時間間隔(例えば、2ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図16(b))が、遊技プログラムとして実行されている。
メイン処理では、電源投入時又はリセット時に実行される初期化処理(S151)の後、変動表示ゲームで使用する乱数を更新する乱数更新処理(S152)が実行される。その後、タイマ割込み処理で更新されて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている遊技制御データ(大当りフラグ、確率変動フラグ、特別図柄、普通図柄、特別図柄や普通図柄の始動記憶数、エラーコード等)、入力処理で入力が受け付けられて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている入力データ、出力処理で出力されて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている出力データ、及び、通信処理で通信が行なわれて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている通信データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図16(c)参照)複写処理が行われる(S153)。
タイマ割込処理では、各種センサからの入力を検出する入力処理(S154)、遊技制御のためにソレノイドやモータに信号を出力する出力処理(S154)、従属制御装置(演出制御装置150等)との通信を制御する通信処理(S156)が行われる。
その後、複数の遊技制御処理1〜n(前述したスイッチ入力処理、特図ゲーム処理、普図ゲーム処理、エラー処理、乱数更新処理等)が実行される(S157−1〜S157−n)。
以上説明したように、図16に示す遊技制御ブロックの処理では、タイマ割込処理で所定時間間隔で実行される遊技制御処理(S157−1〜S157−n)で使用された遊技制御データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する複写処理(S153)が、メイン処理で実行されるので、遊技制御処理と独立して(遊技制御処理のタイミングとは異なるタイミングで)遊技制御データがステータスエリアに書込まれることから、遊技制御の進行に影響を及ぼすことなく、データを複写することができる。
すなわち、図16で説明した遊技制御ブロックの処理では、遊技制御ブロックは、確実に一定時間毎に実行されるタイマ割込み処理において遊技制御処理を実行し、タイマ割込みのように一定時間毎に処理が実行されるとは限らない繰り返し処理(すなわち、処理の実行周期が不定の繰り返し処理)であるメイン処理の中で、遊技情報設定手段は、遊技制御処理によって生成される遊技情報を、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリ(遊技用RAM113のワークエリア)の所定領域に設定するので、遊技情報設定処理が遊技制御に必要な処理時間外の余り時間で行われることから、遊技制御処理に負荷がかからない。また、遊技制御処理と遊技情報設定処理とが分離されることから、複雑化したプログラムに不正な処理が紛れることを防止でき、遊技ブロックにおける処理(遊技プログラム)の正当性を確認するための処理負担が重くなることがない。また、遊技制御情報の更新タイミングと、遊技制御情報の設定タイミングとが独立していることから、内部制御タイミングを外部から把握されることによる遊技情報の不正利用を防止することができる。
このメイン処理及びタイマ割込処理の実行時間は、タイマ割込処理の実行時間とメイン処理の実行時間との和が、タイマ割込みの割り込み周期内で終了するように設定される。したがって、タイマ割込み周期に対するタイマ割込処理の実行時間との差分の時間(タイマ割込処理の余り時間)で、メイン処理は少なくとも1回以上繰り返し実行することができる。よって、タイマ割込処理は遊技制御内容により処理時間が可変するため、メイン処理の繰り返し回数も可変する。
このように、遊技制御処理によって生成される遊技情報を遊技ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(遊技用RAM113のステータスエリア)に設定する遊技情報設定手段が構成されている。
図17は、本発明の本発明の実施の形態の情報収集端末装置による遊技機6からの情報収集処理のシーケンス図である。
情報収集端末装置5は遊技機6にイベント情報を要求する(S171)。該要求を受信した遊技機6は、図12のS115で設定したイベント情報を送信する(S172)。なお、遊技用マイクロコンピュータ101の管理ブロックは、イベント情報を送信したことに関連して、ステータスエリアに記憶されているイベント情報を初期化する。
そして、情報収集端末装置5は、イベントの発生があるか否かを判定する(S173)。イベントが発生したと判断すると、遊技機6の状態が変わっている可能性があるので、遊技機6にステータスデータを要求する(S174)。該要求を受信した遊技機6は、管理用ワークRAM122にからステータスデータを読み出して、情報収集端末5に対して送信する(S175)。
そして、情報収集端末装置5は、受信したステータスデータに、所定の累積対象データの変化が含まれているか否かを、各ステータスデータが累積対象データとして記録されているか、累積対象外データとして記憶されているかによって判定する(S176)。累積対象データであるかは、「累積対象データ」、「累積対象外データ」であることを識別するデータ(例えば、累積対象フラグ)を付加して記憶することによって識別する。
その結果、累積対象データとして記憶されているステータスデータの変化が抽出されれば、該変化量を累積データに加算して、記憶されている累積データを更新する(S177)。
このように、遊技機6からイベント情報及びステータス情報が送信されることによって、遊技情報を通信によって出力する情報出力手段が構成される。
また、情報収集端末装置5のMACCPU501が機能することによって、遊技機から遊技情報を収集する遊技情報収集手段が構成される。
図18は、本発明の第1の実施の形態のプライベートID付与処理のシーケンス図である。
まず、情報収集端末装置5は、遊技機6にチップIDを要求する(S181)。このチップIDの要求は、遊技用管理装置1からの営業開始指示を受信したときや、遊技機6から出力された何らかの信号が検出され、遊技機6の電源が投入されたと判定されたときに行われる。
該要求を受信した遊技機6は、要求の正当性を判定してからチップIDを送信する(S182)。このとき、遊技機6は、チップIDと共に、メーカコードや機種コードを送信してもよい。そして、情報収集端末装置5は、RAM505に記憶されているチップIDを検索して、一致するチップIDが記憶されているか否かを判定する(S183)。
そして、一致するチップIDが記憶されていなければ、情報収集端末装置5は、遊技用管理装置1に、端末ID(台番号や情報収集端末装置5に付与されたネットワークアドレス等の情報収集端末装置5に唯一に設定された固有番号)、チップID及び機種コードを送信する(S184)。
端末ID、チップID及び機種コードを受信した遊技用管理装置1は、情報収集端末装置5から端末IDを受信した受付時間を確定する。そして、受信した機種コードに対応する設定情報を検索する(S185)。なお、設定情報の検索は、遊技用管理装置1が、ROM302、RAM303又はHDD304に記憶された設定情報の中から検索してもよいし、遊技機メーカ等に設置されたサーバに機種コードを用いて問い合わせをして、設定情報を取得してもよい。
そして、遊技用管理装置1は、端末ID及び該端末IDに関連するチップID及び受付時間を登録する(S186)。そして、遊技機6及び情報収集端末装置5から受信した情報に基づいて、遊技場内において一意の識別情報であるプライベートIDを生成する。例えば、メーカコード、機種コード及びユニークコード(遊技用管理装置1の管理下で遊技場内で一意に付与された16ビットのシリアル番号(例えば、1番からの通し番号))を桁が重ならないように加算することによってプライベートIDを生成して、情報収集端末装置5に送信する(S187)。このユニークコードは、遊技用管理装置1の管理下で遊技場内で一意に付与された16ビットのシリアル番号(例えば、1番からの通し番号)であり、プライベートIDは、遊技機6と情報収集端末装置5との関係に対して、遊技場内で一意に付与される識別番号である。
プライベートID及び設定情報を受信した情報収集端末装置5は、RAM505にチップID、プライベートID及び設定情報を登録する(S188、S189、S190)。このように情報収集端末装置5に、設定情報が登録されることによって、情報収集端末装置5が収集するステータスデータ及び累積データの内容を解析することができる。また、接続している遊技機の機種を所定のタイミングで確認し、確認された機種に対応した設定に基づいて遊技情報を収集しているので、遊技情報の収集に関する設定ミスが生じることなく正確に遊技情報を収集することができる。
このように、遊技機6から機種コードが送信されることによって、機種情報を通信によって出力する情報出力手段が構成される。
また、情報収集端末装置5のMACCPU501が機能することによって、遊技機6から出力される機種情報に基づいて遊技情報の収集のための設定情報を取得する設定情報取得手段;取得した設定情報に基づいて、遊技機6から出力される遊技情報を処理する遊技情報処理手段;遊技機6から前記固有情報(チップID)を取得する固有情報取得手段;固有情報取得手段が新たに取得した固有情報と、前記RAM505に記憶されている固有情報とを比較して、新たに取得した固有情報と記憶されている固有情報とが異なる場合に、新たな接続関係であると判定する情報比較手段;及び、情報比較手段によって新たな接続関係であると判定された場合に、新たに取得した固有情報を遊技用管理装置1に送信すると共に、情報記憶手段に記憶される固有情報を更新する情報更新手段が構成される。
また、RAM505によって、固有情報(チップID)を記憶する情報記憶手段が構成される。
また、遊技用管理装置1のCPU301が機能することによって、新たな接続関係であると判定された場合に、該接続関係に対して遊技場内で一意の識別情報(プライベートID)を生成すると共に、該接続関係の接続関係情報(プライベートID登録テーブル)を生成する識別情報生成手段が構成される。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
図19は、本発明の第2の実施の形態の遊技用マイクロコンピュータのメモリの配置図である。
第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態(図6)と異なり、管理ブロックにおいて累積演算処理を行って、情報収集端末装置5に累積データを出力する。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
前述した第1の実施の形態と同様に、遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技制御ブロックと管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技に関する制御を行う遊技制御ブロックには、遊技用CPU111によって読み書き可能な遊技用RAM113、及び、遊技用CPU111によって読み出し可能な遊技用ROM112が設けられている。
遊技用ROM112には、遊技制御プログラムが記憶されるプログラム領域、及び、プログラムが改変されていないかを判定するために用いられるセキュリティコードが記憶されるセキュリティ領域が設けられている。また、遊技用ROM112には、遊技機のメーカを示す8ビットのメーカコード及び機種毎に予め定められている16ビットの機種コードが記憶されている。
遊技用RAM113には、プログラム実行時に一時的に使用されるワークエリア、及び、遊技機6の状態を記憶するステータスエリアが設けられている。
このステータスエリアは、入力データ領域、出力データ領域及び遊技制御データ領域に区分される。入力データ領域には、各種センサからの検出信号の物理的入力(入力ポートから入力されたデータそのもの)や、物理的入力に対してノイズ除去(例えば、短周期の信号変化を除去するチャタリング除去)をして確実性を判定した入力信号である論理的入力等が記憶されている。また、出力データ領域には、ソレノイド17A、20A等のアクチュエータの駆動信号や、遊技制御装置100から従属制御装置150、200に出力されるコマンド等が記憶されている。また、遊技制御データ領域には、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態に関する情報が記憶されている。さらに各領域は、後述する累積演算処理が累積演算を行なう対象であるか否かが区別可能に区分される。
遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力する管理ブロックには、管理用ファームウェア121によって読み書き可能な管理用ワークRAM122、及び、管理用ファームウェア121によって読み出し可能なセキュリティメモリ123が設けられている。なお、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113の記憶内容を読み出すことができるが、遊技用CPU111は管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123の記憶内容を読み出すことができない。
管理用ワークRAM122には、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用されるワークエリアの他、ステータスエリア、累積カウントエリアが設けられている。
管理用ワークRAM122のステータスエリアには、管理用ファームウェア121によって、遊技用RAM113のステータスエリアのデータが転送される(図21のS212)。よって、管理用ワークRAM122のステータスエリアのデータは、遊技用RAM113のステータスエリアのデータと同一の入力データ、出力データ及び遊技機6の状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態)が記憶される。
累積カウントエリアは、ステータスエリアに記憶されたデータ(入力データ、出力データ及び遊技機の状態)のうち、累積演算が必要な累積対象データについて、管理用ファームウェア121によって累積演算がされた結果が記憶されている(図21のS217)。すなわち、累積カウントエリアには、大当たり回数、確率変動回数、特別図柄始動回数、普通図柄始動回数、入賞数(例えば、特別図柄始動センサ52の検出回数)、賞球数、役物の動作回数(例えば、普通電動役物ソレノイド17Aの作動回数)等の累積値が記憶されている。
この管理用ワークRAM122の所定領域(外部データ出力領域)に記憶された値は、外部からの要求信号に対応して、通信ポート124から出力することができるので、情報収集端末装置5に対する出力が必要なデータは外部データ出力領域に記憶される。
セキュリティメモリ123には、前述したように、遊技用マイクロコンピュータ101(遊技用マイクロコンピュータ101を備える遊技機6)に固有に付与されたチップIDが記憶されている。
図20は、本発明の実施の形態の遊技機6に設けられる設定情報テーブルを説明する図である。
図20(a)、(b)は、前述した図7(a)、(b)と同じなので、その説明は省略する。
図20(c)は、累積値データの設定情報テーブルである。累積値データは、管理用ワークRAM122の累積カウントエリアの特定領域に、4バイトのデータとして記憶されている。遊技機からは、4バイトのデータ列として累積値データが出力される。情報収集端末装置5が収集した4バイトのデータ列は、累積値データの設定情報テーブルを参照することによって、その意味を把握することができる。例えば、図20(c)に示す場合には、累積値データの1バイト目のデータは、図柄が確定した回数を示している。
遊技用管理装置1は、設定情報テーブル(図20(a))に記憶されている設定モードにより、対応する図20(b)に示すステータスデータ、図20(c)に示す累積値の対応表を、同じく遊技場外部管理装置2から通信手段を介して(又は、管理者によって)取得する。そして、遊技用管理装置1は、遊技機6から情報収集端末装置5を介して収集したメーカコード及び機種コードを設定情報テーブル(図20(a))と照合することによって、メーカ名及び機種名を特定すると共に、遊技機6から出力されるデータの意味を、ステータスデータの設定情報テーブル(図20(b))及び累積値データの設定情報テーブル(図20(c))を参照して把握できる。
このようにメーカコード、機種コード、ステータスデータ、累積値が遊技機6から出力
され、ステータスデータ、累積値の対応表を取得し、遊技機6から収集したデータと取得した対応表を照合する。そのため、遊技機メーカは、所定のデータフォーマットの範囲内で、遊技機の遊技性に応じて必要と思われるステータスデータや累積値を出力することができ、新しい遊技性を提供する遊技機6においても、遊技用管理装置1が遊技機6から遊技情報を的確に把握することができる。また、遊技機のメーカ、機種、遊技性が異なっても、遊技用マイクロコンピュータ101の管理ブロックの処理内容が変更されない。
図21は、本発明の第2の実施の形態の遊技情報更新処理のフローチャートであり、メイン処理(図11のS107)から呼び出されて実行される。
まず、管理用ファームウェア121は、遊技用RAM113のステータスエリアに記憶された情報を読み出す(S211)。そして、遊技用RAM113のステータスエリアから読み出した情報を管理用ワークRAM122のステータスエリアに書き込んで、ステータスエリアを更新する転送処理を実行する(S212)。そして、管理用ワークRAM122のステータスエリアに記憶されていた情報と管理用ワークRAM122のステータスエリアに新たに記憶する情報とを比較して、ステータスデータの変化を抽出する(S213)。
次に、変化したステータスデータに、所定の遊技情報の変化(例えば、”0”から”1”への立ち上がり変化)が含まれているか否かを、管理用ワークRAM122のステータスエリアの各領域のデータが、イベントデータ(所定の遊技情報の変化の監視対象)に設定されているかによって判定する(S214)。その結果、イベントデータの各領域に記憶されているステータスデータの変化が抽出されれば、管理用ワークRAM122のステータスエリアの所定領域にイベント情報(イベントデータの変化情報)を設定して、イベントデータが更新されたことを記憶する(S215)。
次に、変化したステータスデータに、所定の累積対象データの変化が含まれているか否かを、管理用ワークRAM122のステータスエリアの各領域のデータが、累積対象データとして記録されているか、累積対象外データとして記憶されているかによって判定する(S216)。累積対象データであるか否かはステータスデータが記憶されるアドレスによって判別される。また、「累積対象データ」、「累積対象外データ」であるかを識別するデータ(例えば、累積対象フラグ)を付加してステータスエリアに記憶してもよい。
その結果、累積対象データの各領域に記憶されているステータスデータの変化が抽出されれば、該変化量を累積データに加算して、管理用ワークRAM122に記憶されている累積データを更新して(S217)、管理用ワークRAM122の所定の領域に累積データ更新情報を設定して、累積データが更新されたことを記憶する(S218)。そして、この遊技情報更新処理を終了する。
一方、累積対象データの変化が抽出されなければ(累積対象データが変化していなければ)、累積データを更新することなく、この処理を終了する。
このように、管理用ファームウェア121によって、遊技情報を累積演算する累積演算手段が構成される。
図22は、本発明の第2の実施の形態の情報収集端末装置による遊技機6からの情報収集処理のシーケンス図である。
情報収集端末装置5は遊技機6にイベント情報を要求する(S271)。該要求を受信した遊技機6は、図21のS215で設定したイベント情報を送信する(S272)。そして、情報収集端末装置5は、イベントの発生があるか否かを判定する(S273)。
そして、イベントが発生したと判断すると、遊技機6の状態が変わっている可能性があるので、遊技機6にステータスデータを要求する(S274)。該要求を受信した遊技機6は、管理用ワークRAM122にからステータスデータを読み出して、情報収集端末5に対して送信する。このとき、併せて累積データ更新情報も送信する(S275)。
なお、遊技用マイクロコンピュータ101の管理ブロックは、イベント情報を送信したことに関連して、ステータスエリアに記憶されているイベント情報を初期化する。
そして、情報収集端末装置5は、受信した累積データ更新情報に基づいて、累積データが更新されているか否かを判定する(S276)。そして、累積データが更新されていると判定すると、遊技機6に対して累積データを要求する(S277)。該要求を受信した遊技機6は、累積データを送信する(S278)。
なお、第2の実施の形態においても、遊技用マイクロコンピュータ101の管理ブロックは、累積値データを送信したことに基づいて、累積値エリアに記憶されている累積値データを初期化(”0”にクリア)してもよい。これによって、必要以上に大きな累積値データの記憶領域を確保する必要がなく、累積値データの有無を容易に把握することができる。また、情報収集端末装置5は、前回のデータの要求時からのデータの変化量を容易に把握することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図23は、本発明の第3の実施の形態の遊技用マイクロコンピュータのメモリの配置図である。
第3の実施の形態では、前述した第1及び第2の実施の形態(図6、図19)と異なり、遊技制御ブロックにおいて累積演算処理を行って、情報収集端末装置5に累積データを出力する。なお、第3の実施の形態では、前述した第1又は第2の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1又は第2の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
前述した第1又は第2の実施の形態と同様に、遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技制御ブロックと管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技に関する制御を行う遊技制御ブロックには、遊技用CPU111によって読み書き可能な遊技用RAM113、及び、遊技用CPU111によって読み出し可能な遊技用ROM112が設けられている。
遊技用ROM112には、遊技制御プログラムが記憶されるプログラム領域、及び、プログラムが改変されていないかを判定するために用いられるセキュリティコードが記憶されるセキュリティ領域が設けられている。また、遊技用ROM112には、遊技機のメーカを示す8ビットのメーカコード及び機種毎に予め定められている16ビットの機種コードが記憶されている。
遊技用RAM113には、プログラム実行時に一時的に使用されるワークエリア、遊技機6の状態を記憶するステータスエリア、及び、累積対象データに関する累積演算結果を記憶する累積カウントエリアが設けられている。
このステータスエリアは、入力データ領域、出力データ領域及び遊技制御データ領域に区分される。入力データ領域には、各種センサからの検出信号の物理的入力(入力ポートから入力されたデータそのもの)や、物理的入力に対してノイズ除去(例えば、短周期の信号変化を除去するチャタリング除去)をして確実性を判定した入力信号である論理的入力等が記憶されている。また、出力データ領域には、ソレノイド17A、20A等のアクチュエータの駆動信号や、遊技制御装置100から従属制御装置150、200に出力されるコマンド等が記憶されている。また、遊技制御データ領域には、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態に関する情報が記憶されている。さらに、ステータスエリアには、累積演算が必要な累積対象データと、累積演算が必要ではない累積対象外データとが区別可能に記憶されている。
また、累積カウントエリアには、ステータスエリアに記憶された累積対象データについて、遊技制御プログラムによって、累積演算がされた結果が記憶されている(図25のS324)。すなわち、累積カウントエリアには、大当たり回数、確率変動回数、特別図柄始動回数、普通図柄始動回数、入賞数(例えば、特別図柄始動センサ52の検出回数)、賞球数、役物の動作回数(例えば、普通電動役物ソレノイド17Aの作動回数)等の累積値が記憶されている。
遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力する管理ブロックには、管理用ファームウェア121によって読み書き可能な管理用ワークRAM122、及び、管理用ファームウェア121によって読み出し可能なセキュリティメモリ123が設けられている。なお、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113の記憶内容を読み出すことができるが、遊技用CPU111は管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123の記憶内容を読み出すことができない。
管理用ワークRAM122には、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用されるワークエリアの他、ステータスエリア、累積カウントエリアが設けられている。
管理用ワークRAM122のステータスエリアには、管理用ファームウェア121によって、遊技用RAM113のステータスエリアのデータが転送される(図24のS312)。よって、管理用ワークRAM122のステータスエリアのデータは、遊技用RAM113のステータスエリアのデータと同一の入力データ、出力データ及び遊技機6の状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態)が記憶される。
また、管理用ワークRAM122の累積カウントエリアには、管理用ファームウェア121によって、遊技用RAM113の累積カウントエリアのデータが転送される(図24のS314)。よって、管理用ワークRAM122の累積カウントエリアのデータは、遊技用RAM113の累積カウントエリアのデータと同一の累積値が記憶されている。
この管理用ワークRAM122の所定領域(外部データ出力領域)に記憶された値は、外部からの要求信号に対応して、通信ポート124から出力することができるので、情報収集端末装置5に対する出力が必要なデータは外部データ出力領域に記憶される。
セキュリティメモリ123には、前述したように、遊技機6に固有に付与されたチップIDが記憶されている。
図24は、本発明の第3の実施の形態の遊技情報更新処理のフローチャートであり、メイン処理(図11のS107)から呼び出されて実行される。
まず、管理用ファームウェア121は、遊技用RAM113のステータスエリアに記憶された情報を読み出す(S311)。そして、遊技用RAM113のステータスエリアから読み出した情報を管理用ワークRAM122のステータスエリアに書き込んで、ステータスエリアを更新する(S312)。
続いて、遊技用RAM113の累積カウントエリアに記憶された情報を読み出す(S313)。そして、遊技用RAM113の累積カウントエリアから読み出した情報を管理用ワークRAM122の累積カウントエリアに書き込んで、累積カウントエリアエリアを更新する(S314)。このステップS311からS314の処理によって転送処理が行われる。
そして、管理用ワークRAM122のステータスエリアに記憶されていた情報と管理用ワークRAM122のステータスエリアに新たに記憶する情報とを比較して、ステータスデータの変化を抽出する(S315)。
次に、変化したステータスデータに、所定の遊技情報の変化(例えば、”0”から”1”への立ち上がり変化)が含まれているか否かを、管理用ワークRAM122のステータスエリアの各領域のデータが、イベントデータ(所定の遊技情報の変化の監視対象)に設定されているかによって判定する(S316)。その結果、イベントデータの各領域に記憶されているステータスデータの変化が抽出されれば、管理用ワークRAM122のステータスエリアの所定領域にイベント情報(イベントデータの変化情報)を設定して、イベントデータが更新されたことを記憶する(S317)。そして、この遊技情報更新処理を終了する。
図25は、本発明の第3の実施の形態の遊技制御ブロックの処理のフローチャートである。
遊技制御ブロックでは、繰り返し実行されるメイン処理(図25(a))、及び、所定時間間隔(例えば、2ミリ秒毎)に実行されるタイマ割込処理(図25(b))が、遊技プログラムとして実行されている。
メイン処理では、電源投入時又はリセット時に実行される初期化処理(S321)の後、変動表示ゲームで使用する乱数を更新する乱数更新処理(S322)が実行される。その後、タイマ割込み処理で更新されて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている遊技制御データ(大当りフラグ、確率変動フラグ、特別図柄、普通図柄、特別図柄や普通図柄の始動記憶数、エラーコード等)、入力処理で入力が受け付けられて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている入力データ、出力処理で出力されて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている出力データ、及び、通信処理で通信が行なわれて遊技用RAM113のワークエリアに記憶されている通信データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する(図14(c)参照)複写処理を行う(S323)。
そして、遊技用RAM113のステータスエリアに記憶されたデータ(入力データ、出力データ及び遊技機の状態)のうち、累積演算が必要な累積対象データについて累積演算をして、累積カウントエリアに記憶する累積演算処理を行う(S324)。すなわち、累積カウントエリアには、大当たり回数、確率変動回数、特別図柄始動回数、普通図柄始動回数、入賞数(例えば、特別図柄始動センサ52の検出回数)、賞球数、役物の動作回数(例えば、普通電動役物ソレノイド17Aの作動回数)等の累積値が記憶される。
なお、遊技ブロックで行う累積演算処理では、遊技機メーカが自由に累積演算式を定義できるため、累積加算する値の重み付けや、加算条件、初期化条件などを自在に設定することができ、遊技機の遊技性に応じた最適な累積演算を行うことができる。
このように遊技制御ブロックで行われるメイン処理によって、遊技情報を累積演算し、管理ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(管理用ワークRAM122累積カウントエリア)に設定する累積演算手段が構成される。
タイマ割込処理では、各種センサからの入力を検出する入力処理(S325)、遊技制御のためにソレノイドやモータに信号を出力する出力処理(S326)、従属制御装置(演出制御装置150等)との通信を制御する通信処理(S327)が行われる。
その後、複数の遊技制御処理1〜n(前述したスイッチ入力処理、特図ゲーム処理、普図ゲーム処理、エラー処理、乱数更新処理等)が実行される(S328−1〜S328−n)。
以上説明したように、図25に示す遊技制御ブロックの処理では、タイマ割込処理で所定時間間隔で実行される遊技制御処理(S328−1〜S328−n)で使用された遊技制御データを、遊技用RAM113のステータスエリアに複写する複写処理(S323)及び累積演算処理(S324)がメイン処理で実行されるので、遊技制御処理と独立して(遊技制御処理のタイミングとは異なるタイミングで)遊技制御データがステータスエリアに書込まれ、累積対象データの累積演算処理が行われることから、遊技制御処理の進行に影響を及ぼすことなく、データの複写、累積演算をすることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
図26は、本発明の第4の実施の形態の遊技用マイクロコンピュータのメモリの配置図である。
第4の実施の形態では、前述した第3の実施の形態(図23)と同様に、遊技制御ブロックにおいて累積演算処理を行って、情報収集端末装置5に累積データを出力するが、管理ブロックのメモリに記憶することなく、遊技制御ブロックのメモリに記憶されたデータを情報収集端末装置5に出力する。なお、第4の実施の形態では、前述した第1から第3の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1から第3の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
前述した第1から第3の実施の形態と同様に、遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技制御ブロックと管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技に関する制御を行う遊技制御ブロックには、遊技用CPU111によって読み書き可能な遊技用RAM113、及び、遊技用CPU111によって読み出し可能な遊技用ROM112が設けられている。
遊技用ROM112には、遊技制御プログラムが記憶されるプログラム領域、及び、プログラムが改変されていないかを判定するために用いられるセキュリティコードが記憶されるセキュリティ領域が設けられている。また、遊技用ROM112には、遊技機のメーカを示す8ビットのメーカコード及び機種毎に予め定められている16ビットの機種コードが記憶されている。
遊技用RAM113には、プログラム実行時に一時的に使用されるワークエリア、遊技機6の状態を記憶するステータスエリア、及び、累積対象データに関する累積演算結果を記憶する累積カウントエリアが設けられている。
このステータスエリアは、入力データ領域、出力データ領域及び遊技制御データ領域に区分される。入力データ領域には、各種センサからの検出信号の物理的入力(入力ポートから入力されたデータそのもの)や、物理的入力に対してノイズ除去(例えば、短周期の信号変化を除去するチャタリング除去)をして確実性を判定した入力信号である論理的入力等が記憶されている。また、出力データ領域には、ソレノイド17A、20A等のアクチュエータの駆動信号や、遊技制御装置100から従属制御装置150、200に出力されるコマンド等が記憶されている。また、遊技制御データ領域には、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態に関する情報が記憶されている。さらに、ステータスエリアには、累積演算が必要な累積対象データと、累積演算が必要ではない累積対象外データとが区別可能に記憶されている。
また、累積カウントエリアには、ステータスエリアに記憶された累積対象データについて、遊技制御プログラムによって、累積演算がされた結果が記憶されている(図25のS324)。すなわち、累積カウントエリアには、大当たり回数、確率変動回数、特別図柄始動回数、普通図柄始動回数、入賞数(例えば、特別図柄始動センサ52の検出回数)、賞球数、役物の動作回数(例えば、普通電動役物ソレノイド17Aの作動回数)等の累積値が記憶されている。
遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力する管理ブロックには、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用される管理用ワークRAM122、及び、遊技機6に固有に付与されたチップIDが記憶されるセキュリティメモリ123が設けられている。この管理用ワークRAM122は管理用ファームウェア121によって読み書き可能であり、セキュリティメモリ123は管理用ファームウェア121によって読み出し可能である。なお、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113の記憶内容を読み出すことができるが、遊技用CPU111は管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123の記憶内容を読み出すことができない。
管理用ファームウェア121は、外部からの要求信号に対応して、遊技用RAM113のステータスエリアのデータ、及び、累積カウントエリアに記憶されたデータを読み出して、通信ポート124から出力する転送処理を実行する。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
図27は、本発明の第5の実施の形態の遊技用マイクロコンピュータのメモリの配置図である。
第5の実施の形態では、前述した第1から第4の実施の形態(図6、図19、図23、図26)と異なり、遊技用RAM113にステータスエリアを設けず、管理ブロックの管理用ファームウェア121が、遊技用ROM112に記憶された転送情報を参照して、遊技用RAM113のワークエリアに記憶された遊技制御情報を、管理用ワークRAM122のステータスエリアに転送する。なお、第5の実施の形態では、前述した第1から第4の実施の形態と異なる構成のみ説明し、第1から第4の実施の形態と同一の構成はその説明を省略する。
前述した第1から第4の実施の形態と同様に、遊技用マイクロコンピュータ101は、遊技制御ブロックと管理ブロックとに分かれて構成されている。遊技に関する制御を行う遊技制御ブロックには、遊技用CPU111によって読み書き可能な遊技用RAM113、及び、遊技用CPU111によって読み出し可能な遊技用ROM112が設けられている。
遊技用ROM112には、遊技制御プログラムが記憶されるプログラム領域、及び、プログラムが改変されていないかを判定するために用いられるセキュリティコードが記憶されるセキュリティ領域が設けられている。また、遊技用ROM112には、遊技機のメーカを示す8ビットのメーカコード、機種毎に予め定められている16ビットの機種コード及びワークエリアに記憶されている遊技制御情報を転送する際に参照される転送情報(遊技用RAM113に記憶される遊技制御情報(遊技情報)を特定可能な情報(例えば、遊技用RAM113のアドレスやデータサイズに関わる情報))が記憶されている。また、転送情報には、当該遊技制御情報が累積対象か否かが識別可能な情報も含まれる。
この遊技制御情報には、各種センサからの検出信号の物理的入力(入力ポートから入力されたデータそのもの)や、物理的入力に対してノイズ除去(例えば、短周期の信号変化を除去するチャタリング除去)をして確実性を判定した入力信号である論理的入力等の入力データ、ソレノイド17A、20A等のアクチュエータの駆動信号や、遊技制御装置100から従属制御装置150、200に出力されるコマンド等の出力データ、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態に関する情報である遊技制御データ領域が含まれる。
このように遊技用ROM112によって、遊技機の機種に関する機種情報及び遊技情報の管理ブロックへの転送に関する転送情報を改変不能に記憶する機種情報記憶手段が構成される。
遊技用RAM113には、プログラム実行時に一時的に使用されるワークエリアが設けられている。
遊技機6の認証のためのチップIDや遊技機6からの各種情報を出力する管理ブロックには、管理用ファームウェア121によって読み書き可能な管理用ワークRAM122、及び、管理用ファームウェア121によって読み出し可能なセキュリティメモリ123が設けられている。なお、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112及び遊技用RAM113の記憶内容を読み出すことができるが、遊技用CPU111は管理用ワークRAM122及びセキュリティメモリ123の記憶内容を読み出すことができない。
管理用ワークRAM122には、管理用ファームウェア121における処理に一時的に使用されるワークエリアの他、ステータスエリアが設けられている。
管理用ワークRAM122のステータスエリアには、管理用ファームウェア121によって、遊技用ROM112に記憶された転送情報を参照して、遊技用RAM113のワークエリアに記憶された遊技制御情報が転送される。そして、管理用ワークRAM122のステータスエリア(外部データ出力領域)には、遊技機6の外部に出力する入力データ、出力データ及び遊技機6の状態(例えば、大当たり状態、確率変動状態、変動時間短縮状態、図柄変動状態等の遊技状態)が記憶される。この外部データ出力領域に記憶されたエータは、外部からの要求信号に対応して、通信ポート124から出力することができる。
なお、第5の実施形態において、管理ブロックで累積演算を行なうように構成してもよい。
セキュリティメモリ123には、前述したように、遊技機6に固有に付与されたチップIDが記憶されている。
図28は、本発明の第5の実施の形態の遊技情報転送処理のフローチャートである。
まず、管理用ファームウェア121は、遊技用ROM112に記憶されている転送情報(ステータスデータが記憶されている遊技用RAM113のアドレス情報、及び、ステータスデータのデータ長)を読み込む(S501)。
そして、転送情報で指定されたアドレスに記憶された指定された長さのデータを、遊技用RAM113から読み込み(S502)、管理用ワークRAM122のステータスエリアに書き込んで記憶する(S503)。
そして、転送情報で指定された全てのアドレスからデータを読み込んだか否かを判定する(S504)。転送情報で指定された全てのアドレスからデータを読み込んでいなければ、ステップS502に戻り、転送情報で指定された他のアドレスからデータを読み込んむ。一方、転送情報で指定された全てのアドレスからデータの読み込みが終了していれば、この遊技情報転送処理を終了する。
このように、管理用ファームウェア121によって、遊技ブロックによって読み書き可能なメモリ(遊技用RAM113)に記憶されている遊技情報の記憶領域を転送情報に基づいて特定して、管理ブロックによって読み書き可能なメモリの所定領域(管理用ワークRAM122のステータスエリア)に遊技情報を転送する遊技情報転送手段が構成される。
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した発明の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲での全ての変更が含まれることが意図される。