JP2005080579A - 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法 - Google Patents

動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005080579A
JP2005080579A JP2003316748A JP2003316748A JP2005080579A JP 2005080579 A JP2005080579 A JP 2005080579A JP 2003316748 A JP2003316748 A JP 2003316748A JP 2003316748 A JP2003316748 A JP 2003316748A JP 2005080579 A JP2005080579 A JP 2005080579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
animal cell
formula
polymer
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003316748A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4405769B2 (ja
Inventor
Yasuhiko Iwasaki
泰彦 岩崎
Kazunari Akiyoshi
一成 秋吉
Emi Tabata
絵美 田畑
Hidejiro Sakaki
秀次郎 榊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOF Corp
Original Assignee
NOF Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOF Corp filed Critical NOF Corp
Priority to JP2003316748A priority Critical patent/JP4405769B2/ja
Publication of JP2005080579A publication Critical patent/JP2005080579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4405769B2 publication Critical patent/JP4405769B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

【課題】煩雑な手法を用いることなく、選択的に所定の動物細胞を固定することができる動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法を提供すること。
【解決手段】本発明の動物細胞固定化材は、基材に動物細胞を固定させる固定化材であって、基材が、少なくとも動物細胞を固定させる箇所に、式(1)のホスホリルコリン類似基及び式(2)のヒドラジド基を有する。本発明の動物細胞固定化方法は、N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において培養した動物細胞を含む液状物を、上記動物細胞固定化材に接触させる工程を含む。
【化1】
Figure 2005080579

(R1、R2、R3:H、C1〜6のアルキル基等、n:1〜4の整数)

Description

本発明は、所定の動物細胞を固定する際に用いる動物細胞固定化材及び、該固定化材を用いた動物細胞固定化方法に関する。
動物細胞は種々の生理活性物質を産生し、またこれを受け取ることにより個体としての恒常性を維持している。近年、このような生体内で細胞相互間に働く生理活性物質を取出し再び生体内に戻すこと、即ち、該生理活性物質を生体内由来の医薬品として利用することの有用性が明らかにされてきた。従来、このような生理活性物質の取得は、特にヒトの場合、血液、尿等から抽出されているため、大量に入手するには大きな制約があった。
そこで、このような生理活性物質等の有用物質を大量に入手する方法として、無限に増殖可能なヒトを含む動物由来の各種の株細胞に遺伝子操作や細胞融合操作を施し、これらの細胞を大量に培養し、目的とする物質、例えば、インターフェロン、インターロイキン、各種の細胞増殖因子、ホルモン、血液凝固因子、モノクローナル抗体等を産生させる方法が検討されている。
しかし、これらの無限増殖可能な株細胞はガン細胞類似のものと考えられ、その使用は安全性の面で問題を残している。また、異種動物由来の細胞を用いて産生した糖タンパク質は、ヒト型のものに比べて通常、糖構造が異なっているため、生理活性物質が本来有する活性に比べて低くなるか、あるいは活性が全く失われる場合が多い。
従って、生体由来の有用生理活性物質を効率良く生産するために、ヒトを含む動物組織から遊離した正常細胞、即ち、動物遊離細胞を生体外の人工的な環境のもとで高密度且つ大量に培養する技術を確立することが求められている。
動物遊離細胞の培養は、生きた細胞を人工臓器の一部として利用するハイブリッド型人工臓器や皮膚移植のための細胞供給源としてもその応用が期待されている。例えば、劇症肝炎をはじめとする肝不全の治療のために人工的に肝機能を代行するための肝機能補助装置、並びに人工肝臓においては、肝臓の機能があまりにも複雑で現在なお解明されていない部分も多いため人工的な手段のみでその機能を完全に代行することは現状不可能であり、生体由来の肝素材、中でも遊離肝細胞を利用するハイブリッド型のものの開発、実用化が期待されている。このような装置においては、細胞が生体内において発現していた機能を保持したままで遊離細胞を長時間安定に培養できなければならない。
更に、ハイブリッド型人工臓器において動物細胞を固定する際には動物細胞固定化材を用いることが考えられるが、目的とする動物細胞のみを選択的に固定化でき、抗原性がなく、耐久性が高く、低分子物質が溶出せず、血小板を付着、破壊しない等の条件を満足する動物細胞固定化材については完成していないのが現状である。
一方、医療用材料の研究において、ホスホリルコリン類似基含有ポリマーは、生体膜に由来するリン脂質類似構造に起因して、血液適合性、補体活性、生体物質非吸着性等の特性を有していることが明らかにされ、こうした機能を利用した生体関連材料の開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(以下、MPCと略す)の製造方法とその重合体が優れた生体適合性を有することが開示されている。特許文献2には、MPCとメタクリル酸エステルとの共重合体が血小板の粘着、凝集や血漿タンパク質の付着が起こり難く、医療用材料として有用であることが開示されている。特許文献3には、ホスホリルコリン類似基を側鎖に有するポリマーを用いた医療用材料が開示されている。特許文献4及び5には、ホスホリルコリン類似基を有する重合体を樹脂表面にコーティングして、優れた生態適合性が得られることが開示されている。特許文献6には、ホスホリルコリン類似基を有する重合体をポリエチレンテレフタレートにコーティングして、血球細胞、株細胞及び初代培養細胞を分離、回収する分離剤及び回収方法が開示されている。
しかし、ホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基の両方を有する動物細胞固定化材については知られていない。
特開昭54−36025号公報(第1頁) 特開平3−39309号公報(第2頁) 特開平9−183819号公報(第2頁) 特表平6−502200号公報(第2頁) 特表平7−502053号公報(第2頁) 特開2002−98676号公報(第2頁)
本発明の目的は、煩雑な手法を用いることなく、選択的に所定の動物細胞を固定することができる動物細胞固定化材を提供することにある。
本発明の別の目的は、煩雑な手法を用いることなく、選択的に所定の動物細胞を生きた状態においても固定できる動物細胞固定化方法を提供することにある。
本発明によれば、動物細胞を固定させる基材を備える動物細胞固定化材であって、基材が、少なくとも動物細胞を固定させる箇所に、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を有することを特徴とする動物細胞固定化材が提供される。
Figure 2005080579
(式(1)中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示す。nは1〜4の整数である。)
また本発明によれば、N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において培養した動物細胞を含む液状物を、上記動物細胞固定化材に接触させることにより該所定の動物細胞を固定することを特徴とする動物細胞固定化方法が提供される。
本発明の動物細胞固定化材は、ホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基を有するので、血球系由来の浮遊系細胞であっても効率良く固定することができ、加えて、目的である動物細胞以外の繊維芽細胞等の付着性細胞が粘着したりすることなく、選択的に所定の動物細胞が固定できる。更に、本発明の動物細胞固定化方法は、本発明の上記固定化材を用いるので、選択的に所定の動物細胞を生きた状態においても固定することができる。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の動物細胞固定化材は、目的とする所定の動物細胞のみを基材に選択的に固定させることができる固定化材であって、基材が、少なくとも動物細胞を固定させる箇所に、前記式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び前記式(2)で表されるヒドラジド基を有する。
式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を付与する基材の形態は特に限定されず、例えば、細胞培養用ディッシュ、細胞培養用マルチディッシュ、細胞培養用プレート、細胞培養用バック、細胞培養用フラスコ等の既存の細胞培養具の形態が挙げられる他、シート状、膜状、糸状、繊維状等の形態であっても良い。
前記基材を形成する材料は特に限定されず、例えば、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、セルロース、ポリスルフォン、ポリウレタン、ナイロン、アクリル樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。また、基材に式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を付与するにあたり、後述する化学結合等を利用する場合には、表面加工や、更には所望の官能基等を付与する処理等を基材に施すこともできる。例えば、ポリウレタンやナイロンで形成された基材表面の少なくとも一部をアルカリにより加水分解処理することにより、アミノ基等を表面に露出させることができる。また、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤を用いることにより、ガラス、金属等の基材表面にアミノ基等を付与することもできる。
式(1)において、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示す。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシへキシル基等が挙げられる。
式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を基材に付与するには、例えば、ホスホリルコリン類似基を有する反応性化合物及びヒドラジド基を有する反応性化合物を用いて基材に化学修飾することにより付与する方法、ホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基を有するポリマーを基材に接触・固定させて被覆する方法、ホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基を有するポリマーを基材に化学結合させる方法等が挙げられる。中でも、前記ポリマーを基材に接触・固定させて被覆する方法は、簡便に、且つ均一にホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基を基材の所望箇所に付与できるので適している。
前記被覆に用いるポリマーは、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を有するポリマーであれば特に限定されないが、式(3)で表されるホスホリルコリン類似基含有モノマー及び式(4)で表されるヒドラジド基含有モノマーを含むモノマー組成物を共重合させて得たポリマー(X)が好ましく挙げられる。
Figure 2005080579
式(3)中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示し、R4は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R5は水素原子又はメチル基を示す。nは1〜4の整数である。また式(4)中、R6は水素原子又はメチル基を示す。炭素数1〜6のアルキル基又はヒドロキシアルキル基としては、前述の式(1)で例示した各基が好ましく挙げられる。炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基等が挙げられる。
式(3)で表されるホスホリルコリン類似基含有モノマーとしては、例えば、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、4−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、5−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、6−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリプロピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリブチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリシクロヘキシルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリフェニルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)プロピル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ブチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ペンチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−((メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート等が挙げられる。
中でも、2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェートが好ましく、更に2−(メタクリロイルオキシ)エチル−2'−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート(これは2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンとも言う、以下、MPCと略す)が入手性の点より好ましい。
式(4)で表されるヒドラジド基含有モノマーは、アクリロイルヒドラジド又はメタクリロイルヒドラジドである。
前記ポリマー(X)は、式(3)で表されるホスホリルコリン類似基含有モノマー及び式(4)で表されるヒドラジド基含有モノマーを共重合させたポリマーであっても、またこれらモノマーに加えて更に他のモノマーを含むモノマー組成物を共重合させたポリマーでも良い。
前記他のモノマーは、本発明の所望の効果が損なわれず、また他の所望の効果を付与しうるものであって、共重合可能なモノマーであれば特に限定されない。例えば、ポリマー(X)を基材に化学結合させうる官能基の付与を可能にしたり、ポリマー(X)に疎水性基を付与しうる他のモノマーを用いることにより、ポリマー(X)の耐溶出性を向上させることができる。
このような他のモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー、(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシホスホン酸、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のイオン性基含有モノマー、(メタ)アクリルアミド、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の含窒素モノマー、(メタ)アクリル酸クロライド、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等の反応性基含有モノマー、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは使用に際して1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記他のモノマーとして、上記例示以外に、特に、疎水性基を付与しうるモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の疎水性ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系モノマー、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー等が挙げられる。これらは使用に際して1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記他のモノマーを用いる場合、他のモノマーに由来する構成単位は、ポリマー(X)の構成単位中89.9モル%以下が好ましく、特に、1〜89.9モル%が好ましい。他のモノマーの構成単位が89.9モル%を超えると、基材に付与される式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基の量が少なくなり、所望の効果が十分に発揮されない恐れがあり好ましくない。
ポリマー(X)が他のモノマーに由来する構成単位を有することにより、例えば、ポリマー(X)の耐溶出性を向上させることができる。具体的には、他のモノマーとしてグリシジル(メタ)アクリレートを用いる場合、基材がその表面等にアミノ基、カルボキシル基等を有すると、基材にポリマー(X)を化学的に結合させることができるので、ポリマー(X)の耐溶出性が向上し、後述する動物細胞を培養する際に培地等に界面活性剤、有機溶剤等を使用することを可能できる。
前記ポリマー(X)は、式(3)で表されるホスホリルコリン類似基含有モノマー等の式(1)で表されるホスホリルコリン類似基を有するモノマーと、式(4)で表されるヒドラジド基含有モノマー等の式(2)で表されるヒドラジド基を有するモノマーと、更に必要に応じて他のモノマーとを含むモノマー組成物を重合したポリマーである。
前記モノマー組成物は、前記ホスホリルコリン類似基を有するモノマー10〜99モル%、特に20〜89モル%と、前記ヒドラジド基を有するモノマー0.1〜50モル%、特に0.5〜40モル%と、前記他のモノマー0〜89.9モル%、特に1〜89.9モル%とからなることが好ましい。前記ホスホリルコリン類似基を有するモノマーの含有割合が10モル%未満では、目的の動物細胞以外の細胞粘着や、タンパク質の吸着が生じる可能性が高くなるので好ましくない。また、前記ヒドラジド基を有するモノマーの含有割合が0.1モル%未満では、目的の動物細胞の固定化効率が低下するので好ましくなく、一方、50モル%を超えるとヒドラジド基に由来する細胞毒性が発現する恐れがあるので好ましくない。
前記ポリマー(X)の分子量は、重量平均分子量で5000〜5000000の範囲が好ましく、目的の動物細胞を固定させ、またポリマー(X)の耐溶出性を向上させるために、100000〜2000000の範囲が更に好ましい。
前記基材全体若しくは一部をポリマー(X)により被覆して、基材に式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を付与するには、例えば、ポリマー(X)を溶剤に溶解した後、基材を浸漬するか、あるいは基材にポリマー(X)の溶液をスプレーする方法等により容易に行うことができる。
前記溶剤としては、例えば、水、エタノール、メタノール、イソプロパノール等の単独溶剤あるいは、水とエタノール、エタノールとイソプロパノール等の混合溶剤を用いることができる。好ましくはポリマー(X)の溶解性が高く、被覆する際に基材に対して影響が少ない、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコールの使用が好ましい。
前記溶剤に溶解するポリマー(X)の濃度は、動物細胞固定化効果を十分に発揮させるために通常0.01〜10質量%、特に0.1〜1質量%が好ましい。
ポリマー(X)が、エポキシ基、イソシアネート基、スクシンイミド基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の化学結合可能な官能基を有する場合には、ポリマー(X)の溶剤としてはこれら官能基と反応しない溶剤を用いることが好ましい。また基材は、これら官能基と反応可能なアミノ基、カルボキシル基、水酸基等を有することが好ましい。このような基材、ポリマー(X)及び溶剤を用いて本発明の動物細胞固定化材を調製するには、例えば、ポリマー(X)を前記溶剤に溶解し、基材と化学結合させて被覆した後に、未反応のポリマー(X)を洗浄除去し、乾燥させる方法等により得ることができる。
前記ポリマー(X)における化学結合可能な官能基を利用する際に、基材に化学結合可能な官能基が存在しない場合には、例えば、基材表面をγ線処理、電子線処理、コロナ放電処理等の既存の表面処理技術を用いて処理することにより化学結合可能とすることができる。中でも基材の物性にあまり影響を与えないコロナ放電処理が好ましい。
また基材に、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を付与するに際して化学試薬を用いることもできる。例えば、基材がガラス、金属の場合は、好ましくはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤を用いて式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を基材に付与することができる。
本発明の動物細胞固定化材において、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基による基材への表面の被覆の程度は、表面分析方法により評価できる。
具体的には、X線光電子分光分析によって測定したスペクトルにおける、リンのピーク面積P、酸素のピーク面積O、窒素のピーク面積N、炭素のピーク面積Cにより、各基の表面組成を算出することにより確認することができる。
本発明の動物細胞固定化材において、基材に付与される式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基の量は、本発明の所望の効果を得ることができれば特に限定されないが、前記X線光電子分光分析により算出した値が、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基が通常10〜99モル%、式(2)で表されるヒドラジド基の基が0.1〜50モル%が好ましい。更には、細胞毒性が低くより効率良く目的の細胞のみを固定化することを可能にするために、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基が20〜89モル%、式(2)で表されるヒドラジド基が0.5〜40モル%であることがより好ましい。
本発明の動物細胞固定化材を用いて固定できる動物細胞は、後述するN−レブリノイルマンノサミンによる処理が可能なものであれば特に限定されず、例えば、赤血球、白血球等の血球細胞、各種株細胞、初代培養細胞等が挙げられる。具体的には、白血球としては、例えば、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球等が挙げられる。リンパ球としては、例えば、T細胞、B細胞等が挙げられる。
前記株細胞及び初代培養細胞は、由来の動物、由来の臓器及び形態は特に限定されず、例えば、繊維芽細胞、表皮細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、神経細胞、膵臓細胞、肝細胞、幹細胞、胚性幹細胞、ハイブリドーマ等が挙げられる。特に好ましくは、ハイブリッド型人工臓器で利用可能な膵臓細胞、肝細胞や、再生医療で利用可能な胚性幹細胞、バイオリアクターで利用可能なハイブリドーマ等が挙げられる。
本発明の動物細胞固定化方法は、N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において培養した所定の動物細胞を含む液状物を、上述の本発明の動物細胞固定化材に接触させることにより実施することができる。要するに、N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において培養した動物細胞のみが、選択的に本発明の動物細胞固定化材に固定される。
前記N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において、N−レブリノイルマンノサミンの含有量は、終濃度で1〜100mMが好ましい。この際、1mM未満では基材に固定される動物細胞数が少なくなり好ましくなく、100mMを超えると細胞毒性が生じる恐れがあるので好ましくない。また、N−レブリノイルマンノサミンを含む培地で培養する際に用いる培養液としては、既存の各種培養液を用いることが可能であり、例えば、DMEM、RPMI1640、ハンクス、アール等が好ましく挙げられる。
培養期間は、0.5日間〜7日間が好ましい。0.5日未満では、基材に固定される動物細胞が少なくなり好ましくなく、7日間を超えると細胞が増殖し、単位細胞あたりのN−レブリノイルマンノサミン量が少なくなるので好ましくない。培養を行う際の培養条件は、動物細胞の種類に応じて公知の培養条件に従い行うことができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
合成例1
メチルメタクリレート25g(0.25モル)とヒドラジン・1水和物7.5g(0.15モル)とを氷冷下で1時間撹拌後、氷冷下10mmHgで未反応物を除去した。更に減圧蒸留にて精製後、トルエンにより再結晶し無色の結晶を得た。1H-NMR及び元素分析を行った結果、得られた結晶は、メタクリロイルヒドラジド(以下MHと略す)であることが確認された。
尚、1H-NMRの測定結果は、α−CH3(1.9ppm)、末端のNH2(3.8ppm)、−CO−NH−(7.0ppm)、元素分析の測定結果は、C(57.14/57.24:理論値/実測値)、H(9.52/9.92:理論値/実測値)、N(33.33/32.86:理論値/実測値)であった。
合成例2
MPC11.1g、n−ブチルメタクリレート(以下、BMAと略す)14.9g及び合成例1で調製したMH0.75g(MPC/BMA/MH(モル比)=25/70/5)をエタノール358gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、60℃で20質量%のt−ブチルパーオキシピバレートのトルエン溶液2.18gを加えて5時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末5.3gを得た。1H-NMRにて組成分析した結果、MPC/BMA/MH(モル比)=18/77/5であった。また、GPCにより測定した重量平均分子量は186000であった。得られたポリマーをポリマー(X−1)とする。
尚、GPCの測定条件は以下のとおりである。
(1)試料:試料0.5質量%臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール=6/4(体積/体積)混合溶媒に溶解し、0.5質量%のポリマー溶液を調製した。試料溶液使用量は20μLであった。
(2)カラム:Plgel 5μmMIXEDC-C、2本直列(ポリマー・ラボラトリー社製)、カラム温度は40℃、東ソー社製インテグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC-8020用GPCプログラム)にて調整した。
(3)溶出溶媒:0.5質量%臭化リチウムを含むクロロホルム/メタノール=6/4(体積/体積)混合溶媒、流速は1.0mL/分である。
(4)標準物質:ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと略す)(ポリマー・ラボラトリー社製)。
合成例3
MPC37.7g、MH0.75g及びグリシジルメタクリレート(以下、GMAと略す)2.1g(MPC/MH/GMA(モル比)=85/5/10)をイソプロパノール358gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、60℃で20質量%のt−ブチルパーオキシピバレートのトルエン溶液2.18gを加えて5時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末17.1gを得た。1H-NMRにて組成分析した結果、MPC/MH/GMA(モル比)=87/3/10であった。合成例2と同様にGPCにより測定した重量平均分子量は42000であった。得られたポリマーをポリマー(X−2)とする。
合成例4
BMA21.3gをエタノール160gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ後、60℃でアゾビスイソブチロニトリル0.82gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末13.6gを得た。合成例2と同様にGPCにより測定した重量平均分子量は298000であった。得られたポリマーをポリマー(X−3)とする。
合成例5
MPC13.2g及びBMA14.9g(MPC/BMA(モル比)=30/70)をエタノール160gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、60℃でアゾビスイソブチロニトリル0.82gを加えて8時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末21.6gを得た。1H-NMRにて組成分析した結果、MPC/BMA(モル比)=30/70であった。合成例2と同様にGPCにより測定した重量平均分子量は213000であった。得られたポリマーをポリマー(X−4)とする。
合成例6
BMA20.3g及びMH0.75g(BMA/MH(モル比)=95/5)をエタノール358gに溶解して4つ口フラスコに入れ、30分間窒素を吹き込んだ。続いて、60℃20質量%のt−ブチルパーオキシピバレートのトルエン溶液2.18gを加えて5時間重合反応させた。重合液を3リットルのジエチルエーテル中に撹拌しながら滴下し、析出した沈澱を濾過し、48時間室温で真空乾燥を行って、粉末10.3gを得た。1H-NMRにて組成分析した結果、BMA/MH(モル比)=97/3であった。合成例2と同様にGPCにより測定した重量平均分子量は163000であった。得られたポリマーをポリマー(X−5)とする。
実施例1−1及び比較例1−1〜1−3
合成例2、4〜6において合成したポリマー(X−1)、(X−3)〜(X−5)の各々0.5gをエタノール100mlに溶解し、ポリマー溶液を調製した。基材として低蛍光セルディスク(住友ベークライト社製)を用い、該基材を上記で調製した溶液にそれぞれ室温で5分間浸漬した。次いで、溶液から基材を取出し室温で1時間乾燥させた。
更に、乾燥器内を60℃まで昇温し、そのままの温度で4時間減圧乾燥させ、セルディスク形状の動物細胞固定化材を調製した。得られた動物細胞固定化材の表面に存在するリンのピーク面積P、酸素のピーク面積O、窒素のピーク面積N、炭素のピーク面積Cを求めるために、X線光電子分光分析機(商品名「ESCA−3300」、島津製作所製)を用いて、X線の照射角が90°のときの各元素のスペクトルを測定し、各ピークの面積を測定した。各ピークの面積より、各基の表面組成を算出して、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基の表面存在量を測定した。結果を表1に示す。
得られた動物細胞固定化材を24穴マルチディッシュの底面に入れて、シリコンリングにより固定して動物細胞固定化材を有する容器を作製した。
ここで、ポリマー(X−1)を用いて得た容器を容器(1)(実施例1−1)、ポリマー(X−3)を用いて得た容器を容器(3)(比較例1−1)、ポリマー(X−4)を用いて得た容器を容器(4)(比較例1−2)、並びにポリマー(X−5)を用いて得た容器を容器(5)(比較例1−3)とする。
実施例1−2
低蛍光セルディスク(住友ベークライト社製)を空気中でコロナ放電処理(照射エネルギー1J/cm2)して表面にカルボキシル基を生成させた。次いで、合成例3により合成したポリマー(X−2)0.5gをイソプロパノール100mlに溶解しポリマー溶液を調製し、上記コロナ放電処理した低蛍光セルディスクを室温で5分間浸漬した。溶液からセルディスクを取出し室温で1時間乾燥させた。更に、乾燥器内で60℃まで昇温し、そのままの温度で4時間減圧乾燥させ、セルディスク形状の動物細胞固定化材を調製した。得られた動物細胞固定化材について実施例1−1と同様に式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基の表面存在量を測定した。結果を表1に示す。
得られた動物細胞固定化材を24穴マルチディッシュの底面に入れて、シリコンリングにより固定化して動物細胞固定化材を有する容器を調製した。この容器を容器(2)とする。
Figure 2005080579
実施例2−1、2−2
10mMのN−レブリノイルマンノサミン(モレキュラプローブ社製)及び10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地に、1.0×105個/mlのヒト前骨髄性白血病細胞(以下、HL−60と略す)を懸濁させた。37℃、3日間炭酸ガスインキュベーターで培養した。培養終了後、1000回転/分、10分間、4℃にて遠心分離した。上清を除去して、10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で、1.5×105個/mlのHL−60を懸濁させてN−レブリノイルマンノサミン処理HL−60懸濁液を調製した。
得られたN−レブリノイルマンノサミン処理HL−60懸濁液を、実施例1−1及び実施例1−2で調製した容器(1)及び(2)の各ウェルに1.0ml添加し、37℃、2時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。培養終了後、10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で各ウェルを洗浄した。洗浄終了後、HL−60の固定化の有無を位相差顕微鏡により観察した。更に、37℃、2時間炭酸ガスインキュベーターで培養した後、また、HL−60の固定化の生死を位相差顕微鏡により観察した。結果を表2に示す。
比較例2−1〜2−3
容器(1)及び容器(2)の代わりに、比較例1−1〜1−3で調製した容器(3)〜(5)を用いた以外は実施例2−1、2−2と同様にHL−60の固定化を行い各測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2005080579
表2の結果より、ヒドラジド基を有する動物細胞固定化材は、浮遊細胞であるHL−60を固定できることが判った。更に、ヒドラジド基を有するがホスホリルコリン類似基を有していない比較例2−3の容器(3)では、固定化されたHL−60がネクロース(細胞死)し、細胞が黒く変色していた。一方、ヒドラジド基及びホスホリルコリン類似基を有する実施例2−1及び2−2の容器(1)及び(2)では、固定化されたHL−60は綺麗な円形を維持しネクローシスしていないことが判った。
実施例3−1、3−2
50μM CFSE(5又は6−(N−スクシンイミジルオキシカルボニル)−3',6'−O,O'−ジアセチルフルオレセイン)(同仁化学社製)を添加したダブレッコウ生理食塩水(以下、D-PBSと略す)溶液に、1.0×104個/mlのマウス繊維芽細胞(以下、L929と略す)を懸濁させた。続いて、37℃、15分間炭酸ガスインキュベーターで培養した。培養終了後、1000回転/分、10分間、4℃にて遠心分離した。上清を除去して、10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で1.0×104個/mlのL929を懸濁させて、CFSE処理L929(蛍光ラベル929)を調製した。
実施例2−1、2−2で調製したN−レブリノイルマンノサミン処理HL−60懸濁液を、実施例1−1及び実施例1−2で調製した容器(1)及び(2)の各ウェルに1.0ml添加し、37℃、2時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。培養終了後、10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で各ウェルを洗浄した。洗浄終了後、上記で調製したCFSE処理L929懸濁液を各ウェルに1.0ml添加し、37℃、16時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。培養終了後、10体積%ウシ胎児血清を添加したRPMI1640培地で各ウェルを洗浄した。洗浄終了後、L929の接着の有無を蛍光顕微鏡により観察した。結果を表3に示す。
比較例3−1〜3−3
容器(1)及び容器(2)の代わりに、比較例1−1〜1−3で調製した容器(3)〜(5)を用いた以外は実施例3−1、3−2と同様にL929の固定化を行い測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 2005080579
表3の結果より、ホスホリルコリン類似基を有していない比較例3−1の容器(1)及び比較例3−3の容器(3)では、蛍光ラベルL929が非選択的に接着していることが観察された。要するに、この蛍光ラベルL929は非選択的に固定化されてしまった。しかし、ホスホリルコリン類似基を有する実施例3−1、3−2の動物細胞固定化材及び比較例3−2の容器では蛍光ラベルL929は一切観察されなかった。
表2及び3の結果より、ホスホリルコリン類似基及びヒドラジド基の双方を有している実施例の動物細胞固定化材は、選択的に動物細胞を固定でき、固定した細胞がネクローシスせず、且つ非選択的な細胞の固定が起きないことが判った。

Claims (3)

  1. 動物細胞を固定させる基材を備えた動物細胞固定化材であって、基材が、少なくとも動物細胞を固定させる箇所に、式(1)で表されるホスホリルコリン類似基及び式(2)で表されるヒドラジド基を有することを特徴とする動物細胞固定化材。
    Figure 2005080579
    (式(1)中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示す。nは1〜4の整数である。)
  2. 式(3)で表されるホスホリルコリン類似基含有モノマー及び式(4)で表されるヒドラジド基含有モノマーを含むモノマー組成物を共重合させたポリマー(X)を、基材に接触・固定させて得たことを特徴とする請求項1記載の動物細胞固定化材。
    Figure 2005080579
    (式(3)中、R1、R2及びR3は同一もしくは異なる基であって、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はフェニル基を示し、R4は炭素数1〜6のアルキレン基又はフェニレン基を示し、R5は水素原子又はメチル基を示す。nは1〜4の整数である。また式(4)中、R6は水素原子又はメチル基を示す。)
  3. N−レブリノイルマンノサミンを含む培地において培養した動物細胞を含む液状物を、請求項1又は2記載の動物細胞固定化材に接触させることにより該所定の動物細胞を固定することを特徴とする動物細胞固定化方法。
JP2003316748A 2003-09-09 2003-09-09 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法 Expired - Lifetime JP4405769B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003316748A JP4405769B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003316748A JP4405769B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005080579A true JP2005080579A (ja) 2005-03-31
JP4405769B2 JP4405769B2 (ja) 2010-01-27

Family

ID=34416550

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003316748A Expired - Lifetime JP4405769B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4405769B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013099901A1 (ja) 2011-12-28 2013-07-04 Jsr株式会社 細胞接着防止剤
JP2018183093A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 学校法人 関西大学 細胞足場材料製造用組成物ならびに細胞足場材料およびその製造方法
US10816536B2 (en) 2018-06-11 2020-10-27 Sharp Kabushiki Kaisha Bioparticle observation apparatus and bioparticle observation method

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013099901A1 (ja) 2011-12-28 2013-07-04 Jsr株式会社 細胞接着防止剤
US9320836B2 (en) 2011-12-28 2016-04-26 Jsr Corporation Cell adhesion inhibitor
US10214607B2 (en) 2011-12-28 2019-02-26 Jsr Corporation Cell adhesion inhibitor
JP2018183093A (ja) * 2017-04-26 2018-11-22 学校法人 関西大学 細胞足場材料製造用組成物ならびに細胞足場材料およびその製造方法
US10816536B2 (en) 2018-06-11 2020-10-27 Sharp Kabushiki Kaisha Bioparticle observation apparatus and bioparticle observation method

Also Published As

Publication number Publication date
JP4405769B2 (ja) 2010-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Drumheller et al. Multifunctional poly (ethylene glycol) semi‐interpenetrating polymer networks as highly selective adhesive substrates for bioadhesive peptide grafting
JP6474540B2 (ja) 溶液から細胞を分離する細胞分離方法、細胞吸着用水和性組成物、および細胞分離システム
JP4961133B2 (ja) 医療用材料
US8278097B2 (en) Method for forming embryoid bodies
US11345827B2 (en) Ion complex material having function of inhibiting adhesion of biological substance and method for manufacturing the same
JP4752047B2 (ja) 細胞培養用基材の製造方法及び細胞培養方法
US11441120B2 (en) Cell culture substrate
WO1987006007A1 (fr) Substance physiologiquement active immobilisee
JP4680361B2 (ja) 分離・回収方法
US20120156781A1 (en) Temperature-responsive cell culture substrate on which a straight-chain temperature-responsive polymer is immobilized, and manufacturing method therefor
CN104039949A (zh) 细胞粘附抑制剂
JP5162784B2 (ja) 細胞培養基材及びその製造方法並びに細胞培養方法
JP2007049918A (ja) 細胞培養支持体及びその細胞培養法、細胞回収法と細胞
EP3719113A1 (en) Cell culture container capable of long-term culture, and method for manufacturing same
EP0214089B1 (en) A photo-hardenable composition for bioactive coatings
JP4405769B2 (ja) 動物細胞固定化材及び動物細胞固定化方法
JPH0311787B2 (ja)
WO2023013410A1 (ja) 高分子組成物
JP6278321B2 (ja) 溶液から細胞を分離する細胞分離方法、および、細胞分取用水和性組成物
JP2014102194A (ja) 高分子物質、および高分子物質で表面が被覆された担体
JP2017078090A (ja) 生体物質の付着抑制能を有するイオンコンプレックス材料
JP7459616B2 (ja) 共重合体、医療用コーティング剤及び医療機器
EP3925990A1 (en) Method for producing polymer compatible with biomaterials
JP5262708B2 (ja) mRNA捕捉用担体及びmRNAの精製方法
JP3336580B2 (ja) グルコーストランスポーターの認識性を利用した合成ポリマーと細胞の結合方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060705

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090721

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091105

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121113

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4405769

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131113

Year of fee payment: 4

EXPY Cancellation because of completion of term