JP2005080103A - スピーカ装置及びスピーカ取り付けパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】 スピーカユニットが取り付けられるインナパネルの振動の防止、及び、インナパネルの振動によって聴者が感じる不快な音の発生防止が可能なスピーカ装置及びスピーカ取り付けパネルを提供する。
【解決手段】 車両用スピーカ装置SPは、スピーカユニット3と、スピーカユニット3が取り付けられたインナパネル2と、インナパネル2に取り付けられた消音用の音響管4と、を有し、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 車両用スピーカ装置SPは、スピーカユニット3と、スピーカユニット3が取り付けられたインナパネル2と、インナパネル2に取り付けられた消音用の音響管4と、を有し、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、スピーカ装置及びスピーカ取り付けパネルの技術分野に属する。
従来の低音再生に適した、いわゆるビビリ音の発生しにくい車両用スピーカは、車両の室内側に設置された室内壁(以下、適宜インナトリムと称する)にスピーカ本体(以下、適宜スピーカユニットと称する)を固定し、車両の室外側に設定された室外壁(以下、適宜アウタパネルと称する)とインナトリムとでほぼ密閉された空間であるエンクロージャを、スピーカユニットの背面から放射される音波の振動空間として利用していた。そして、エンクロージャ内に広がる音波によってドア内部から漏れて出る音波を減らすために、ドア内部に吸音性を有する構造材を設置する構造であった。そして、吸音性を有する構造材としてヘルムホルツの共鳴管が挙げられていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−37371号公報(段落番号[0043]など)
上記特許文献では共鳴管は真直管であるが、他の従来技術として図1に示すような真直管以外の形状の音響管を有するヘルムホルツの共鳴管も存在していた。図1に、湾曲した音響管102がつながった音響容積部101により構成されたヘルムホルツの音響管100を示す。
しかしながら、上記従来技術はエンクロージャ内に広がる音波によってドア内部から漏れて出る音波に着目していたので、吸音したい周波数において音圧が大きくなる位置に近い開孔に共鳴器を取り付けていた。即ち、吸音の対象としているのはエンクロージャ内に広がる音波によってドア内部から漏れて出る音波であった。
ところで、近時の車両用ドアパネルは、アウタパネルとインナトリムの間にインナパネルを有し、スピーカユニットはインナパネルに取り付けられる場合が多い。そして、スピーカユニットから発せられる音及び振動によってインナパネルが振動し、聴者が不快に感じる音が発生することがある。しかしながら、上記の従来技術は、音響空間(エンクロージャ)に広がる音を対象としているものの、スピーカユニットが取り付けられる取り付け部材(上記従来技術の場合はインナトリム、近時の車両用ドアパネルの場合はインナパネル)の振動及びその振動によって生じるいわゆるビビリ音を対象としておらず、このインナパネルの振動によって聴者が感じる不快な音の発生防止という観点が欠落している、という問題があった。また、ドア内部から漏れて出る音波が対象ゆえ、共鳴器の設置場所もドアの開孔部付近に限定されていた。
本発明が解決しようとする課題は、スピーカユニットが取り付けられるインナパネルの振動の防止、及び、インナパネルの振動によって聴者が感じる不快な音の発生防止が可能なスピーカ装置及びスピーカ取り付けパネルの提供が一例として挙げられる。
また、近時の車両用ドアパネルのインナパネルには、メンテナンスや配線等の作業効率向上のためにサービスホールがあけられている場合が多い。スピーカユニットや窓ガラスの昇降機構等が取り付けられるとインナパネルは強度不足となり得るが、強度不足解消のために、強度があるが重量もある材質にインナパネルの材質を変更することは、車両の軽量化にとって好ましくはない。
本発明が解決しようとする他の課題は、ドアパネル全体の重量化を伴うことなく、スピーカユニットが取り付けられるインナパネルの強度不足解消が可能なスピーカ装置及びスピーカ取り付けパネルの提供が他の一例として挙げられる。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
上記課題を解決するために、請求項1にかかるスピーカ装置SPは、スピーカユニット3と、スピーカユニット3が取り付けられたスピーカ取り付けパネル2と、スピーカ取り付けパネル2に取り付けられた消音用の音響管4と、を有するスピーカ装置SPにおいて、スピーカユニット3の放音に起因してスピーカ取り付けパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とすることを特徴とする。
上記課題を解決するために、請求項12にかかるスピーカ取り付けパネル2は、消音用の音響管4が取り付けられたスピーカ取り付けパネル2において、スピーカユニット3が取り付けられ、スピーカユニット3の放音に起因してスピーカ取り付けパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とすることを特徴とする。
具体的な実施の形態を説明する前に、まず、音響管の共振現象を説明する。
図2に3種類の音響管を示す。図2(a)は片端開放(開口)の音響管を示し、図2(b)はヘルムホルツの音響管を示し、図2(c)は両端開放の音響管を示している。図2中の破線で示した曲線は音響管が共振したときの一次の共振波の振幅を示している。
片端開放の音響管の共振周波数f0、ヘルムホルツの音響管の共振周波数fh、両端開放の音響管の共振周波数f1はそれぞれ以下の式で表されることが知られている。
ここで、cは音速を、Lは音響管の長さを、dは音響管の直径(または、音響管が円管でない場合には音響管の等価直径)を、Sは音響管の断面積を、Bはヘルムホルツの音響管の音響容積部の音響容積をそれぞれ表している。また、片端開放の音響管の共振周波数の(式1)における右辺の分母の第2項にある0.4dは音響管の開放端補正を表している。
(式1)に示すように、図2(a)の片端開放の音響管11の共振周波数f0を操作するには、音響管の長さL、音響管の直径dの少なくともいずれか一方を操作すればよい。
また、(式2)に示すように、図2(b)のヘルムホルツの音響管12の共振周波数fhを操作するには、音響管の断面積S、音響管の長さL、又は、音響容積部の音響容積Bの3個のパラメータのうち少なくとも1個のパラメータを操作すればよい。
更に、(式3)に示すように、図2(c)の両端開放の音響管13の共振周波数f1を操作するには、音響管の長さLを操作すればよい。
上記の式からも判るように、片端開放の音響管の場合ヘルムホルツの音響管として機能する形状であれば(式1)及び(式2)で表される二つの共振周波数(一次の共振周波数)f0及びfhが得られるのに対して、両端開放の音響管では(式3)で表される(一次の)共振周波数f1が1個得られる。
次に、本発明にかかるスピーカ装置の一実施の形態を、車両用のドア用スピーカ装置を例として図面を用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態にかかる車両用スピーカ装置SPを示す図である。
車両用ドアパネル1は、車両の外側パネルであるアウタパネル(図示省略)と車室側パネルであるインナトリム(図示省略)との間の空間にインナパネル2を備えた構成である。インナパネル2にはスピーカユニット3と音響管4が取り付けられている。車両用スピーカ装置SPは、スピーカユニット3とインナパネル2とを有する車両用ドアパネル1によって構成されている。インナパネル2は音響管4が取り付けられている。
インナパネル2は、例えば樹脂又はFRP(Fiberglass Reinforced Plastics:ガラス繊維強化プラスチック)等の複合樹脂で構成され、成型によって製作されている。あるいは鉄板により構成されている。また、メンテナンス時の作業性向上や車両用ドアパネル1の軽量化のため、インナパネル2にはサービスホール5a及び5bがあいている。更に、上述したように、インナパネル2にはスピーカユニット3と音響管4が取り付けられている。
音響管4は、音響容積部4aと音響管部4bとを有しており、例えばプラスチック等の樹脂で構成されている。また、本実施の形態において音響管部4bは折れ曲がっており、インナパネル2のサービスホール5a又は5bを塞がないようサービスホール5a及び5bのない位置を迂回して取り付けられている。更に、音響管4は一方が開放端4cであり他方が閉じた構成である。更にまた、音響管4は音響管部4bの全長にわたってインナパネル2に接触するよう音響管部4bの中心軸がインナパネル2に平行になるよう一体的に取り付けられている。
また、下記の説明のため、インナパネル2の振動により発生する音のうち聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所Rを破線で表している。
ここで、例えば、本実施の形態における車両用スピーカ装置SPは本願に係るスピーカ装置の一例を、インナパネル2は本願に係るスピーカ取り付けパネルの一例を、スピーカユニット3は本願に係るスピーカユニットの一例を、音響管4は本願に係る音響管の一例を、開放端4cは本願に係る開放端の一例を、サービスホール5a及び5bは本願に係るサービスホールの一例を、それぞれ構成する。
以上の構成を有する車両用スピーカ装置SPが音を発するときの現象を以下に説明する。
音声信号を受けてスピーカユニット3が音を発するとき、車両用ドアパネル1内の空間を音は伝播する。車両用ドアパネル1内の空間では、伝播した音の音圧による力でインナパネル2が振動し音を発する。
音響管4の形状は、インナパネル2が発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数において共振するように決定される。即ち、本実施の形態では音響管4は片端開放であるから、共振周波数は上記(式1)及び(式2)によって得られるf0及びfhである。共振周波数f0を操作するには、音響管部4bの長さL、音響管4の直径dの少なくともいずれか一方のパラメータを操作する。共振周波数fhを操作するには、音響管4の断面積S、音響管部4bの長さL、又は、音響容積部4aの音響容積Bの3個のパラメータのうち少なくとも1個のパラメータを操作する。よって、これらのパラメータが操作された結果、音響管4の形状が決定される。
また、音響管4の開放端4cの位置は、インナパネル2の振動により発生する音のうち聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所Rに配される。音響管4の他端(即ち、音響容積部4a)はインナパネル2の振動に影響を与えない位置に配置されている。
実際には、車両用ドアパネル1内の空間の形状が複雑であり、また、スピーカユニット3を取り付けているインナパネル2の形状、サービスホール5a及び5bの大きさと位置なども複雑であるから、音響管4の形状や配置を机上の計算だけで決定することはできない。インナパネル2の振動を測定して聴者が不快に感じる音の周波数のうち最も音圧の大きな周波数、及び、その周波数の音を出す位置を決定する。そして、聴者が不快に感じる音の周波数に合わせて音響管4の形状を決定することが好ましい。
また、最も音圧の大きな音を出す位置もインナパネル2上のある一点として必ずしも特定できるものではない。むしろある範囲を持ったエリアとして特定されるものである。従って、最も音圧の大きな音を出す位置、或いは、その周辺の位置のうちいずれの位置が音響管4の開放端4cを配置するのに最も適しているかは、インナパネル2の振動を測定して決定することが好ましい。
最も音圧の大きな音を出す位置がある範囲を持ったエリアRとして特定されるとき、その音圧最大のエリアRに対して音響管4の開放端4cをどのように配置するかもインナパネル2の振動を測定して決定することが好ましい。図3では音圧最大のエリアRの中心付近に開放端4cを配置する場合を図示したが(図4の(a)に該当する)、その他に、例えば、図4に示すように、その音圧最大のエリアRの周辺に開放端4cを配置する場合(b)及び(c)が考えられる。
また、聴者(運転者又は同乗者)が音声や楽音の中で特に敏感な音は周波数20Hz〜5kHzの範囲の音であるから、この周波数の範囲におけるインナパネル2の振動が効率よく抑えられるように、音響管4の形状及び開放端4cの配置位置を実験により決定することが好ましい。
上記実施の形態は以下の効果を有する。
● 本実施の形態に係る車両用スピーカ装置SPは、スピーカユニット3と、スピーカユニット3が取り付けられたインナパネル2と、インナパネル2に取り付けられた消音用の音響管4と、を有し、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。音響管4はインナパネル2が発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数において共振するので、音響管4の共振現象により聴者が不快に感じる音の音圧が効率よく弱められる。よって、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 本実施の形態に係るインナパネル2は、消音用の音響管4が取り付けられたインナパネル2において、スピーカユニット3が取り付けられ、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。音響管4はインナパネル2が発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数において共振するので、音響管4の共振現象により聴者が不快に感じる音の音圧が効率よく弱められる。よって、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 音響管4の開放端4cは、インナパネル2の振動のうち聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に配されている。よって、音響管4内部に音が侵入し易く、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に音響管4の開放端4cが配されていれば、音響管4が曲がっていても音響管4の共振周波数に影響を与えない。即ち、曲管の音響管4が使用できるので、聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に音響管4の開放端4cを配しつつ、インナパネル2のサービスホール5a及び5bを塞がないようにサービスホール5a又は5bのない位置を迂回して音響管4を取り付けることができる。
● 曲がった形状の音響管、或いは、折れ曲がった形状の音響管が使用できるので、インナパネル2の振動し易い部分に音響管4を迂回させて張り付けることが可能となり、その結果音響管4はインナパネル2の補強を兼ねることができる。
● 車両用ドアパネル1内の空間を伝わる音による振動のほかに、スピーカフレーム(図示省略)から直接伝播する振動によってインナパネル2が振動する。音響管4を張り付けることによってインナパネル2を補強するから振動を抑えることが可能となる。
● 本実施の形態に係る車両用スピーカ装置SPは、スピーカユニット3と、スピーカユニット3が取り付けられたインナパネル2と、インナパネル2に取り付けられた消音用の音響管4と、を有し、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。音響管4はインナパネル2が発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数において共振するので、音響管4の共振現象により聴者が不快に感じる音の音圧が効率よく弱められる。よって、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 本実施の形態に係るインナパネル2は、消音用の音響管4が取り付けられたインナパネル2において、スピーカユニット3が取り付けられ、スピーカユニット3の放音に起因してインナパネル2が振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、音響管4の共振周波数とする。音響管4はインナパネル2が発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数において共振するので、音響管4の共振現象により聴者が不快に感じる音の音圧が効率よく弱められる。よって、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 音響管4の開放端4cは、インナパネル2の振動のうち聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に配されている。よって、音響管4内部に音が侵入し易く、聴者の感じる不快を効率よく軽減することができる。
● 聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に音響管4の開放端4cが配されていれば、音響管4が曲がっていても音響管4の共振周波数に影響を与えない。即ち、曲管の音響管4が使用できるので、聴者が不快に感じる音の音圧が最大となる箇所、或いは、その周辺の位置に音響管4の開放端4cを配しつつ、インナパネル2のサービスホール5a及び5bを塞がないようにサービスホール5a又は5bのない位置を迂回して音響管4を取り付けることができる。
● 曲がった形状の音響管、或いは、折れ曲がった形状の音響管が使用できるので、インナパネル2の振動し易い部分に音響管4を迂回させて張り付けることが可能となり、その結果音響管4はインナパネル2の補強を兼ねることができる。
● 車両用ドアパネル1内の空間を伝わる音による振動のほかに、スピーカフレーム(図示省略)から直接伝播する振動によってインナパネル2が振動する。音響管4を張り付けることによってインナパネル2を補強するから振動を抑えることが可能となる。
なお、上記実施の形態は、上記に限定されるものではなく、例えば以下のように変形してもよい。
○ 上記実施の形態では、インナパネル2に取り付けられる音響管4が1個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、複数個の音響管をインナパネル2に取り付けてもよい。即ち、互いに異なる複数の周波数の振動が生じる場合には、それぞれの共振周波数を有する複数個の音響管をインナパネル2に取り付けることで異なる周波数の振動を減らすことが可能となる。このとき、音響管の開放端の位置は必ずしも同じ位置に配置する必要はない。それぞれの周波数において音圧が最大の位置に配置することで、異なる周波数の振動を効率よく減らすことができる。
○ 上記実施の形態では、音響管4は片端開放型として説明をしたが、これに限定されるものではなく、両端開放型の音響管であってもよい。抑えたい音の周波数がひとつの場合には、両端開放型の音響管は音響管4の長さLという1個のパラメータだけを操作すれば足りるので、周波数の調整が容易である。
○ 上記実施の形態では、折れ曲がった形状の音響管4を例にして本願のスピーカ装置を説明したが、本願はこれに限定されるものではない。図5(a)に示すように、例えば真直管の音響管21であってもよい。この場合、音響管の製作及びインナパネルへの取り付け作業が容易になる。また、図5(b)に示すように、音響管22が渦巻状に曲がっていてもよい。共振周波数との関係で狭いエリアに長い音響管を収納しなければならないとき、渦巻状に曲がっている形状にすれば音響管の収納効率がよい。
○ 上記実施の形態では、音響管4とインナパネル2とは別部品であって、インナパネル2に音響管4が取り付けられる構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、インナパネル2に壁31を建てて溝部を予め設けておき、板状部材32で溝部をカバーすることで音響管を形成することもできる(図6(a))。簡易な構成で音響管を作ることができるので、製造時の作業負担が軽減でき、製造原価が低減できる。壁部分がリブの役割を果たし、インナパネルの強度が増す。その他に、窪み33を設けることによってインナパネルに溝部を設けてもよい(図6(b))。板状部材34のカバーを使用しつつ、音響容積部の窪み部分の深さを変えて音響容積を変化させることができる。
○ 上記実施の形態では、音響管4の開放端4cは音響管の軸に対して垂直に切られた構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、音響管のインナパネルと離れた側の壁に張り出し部分35を設けることで音響管内部に音が侵入し易くすることが可能である。図7(a)は音響管の開放端の変形例の側面図で、図7(b)はその斜視図である。
○ 上記実施の形態では、聴者(運転者又は同乗者)が音声や楽音の中で特に敏感な周波数20Hz〜5kHzの範囲の音に絞って音響管4の開放端4cの位置を決定しているが、開放端4cの位置の決定をより効率的に行うために、周波数の範囲の下限を50Hzや300Hzとしたり、或いは、周波数の範囲の上限を1kHzや3kHzとしてもよい。
○ 上記実施の形態では車両用スピーカ装置SPを例として説明したが、本願はこれに限定されるものではない。ドアの内部にスピーカユニットが取り付けられたインナパネルを有する構造であって、インナパネルが振動して聴者に不要な音を与えているドア用スピーカであれば適用可能である。例えば、オートバイのパネルや、船舶のドアパネルなど移動体のドアパネルに広く適用可能である。
○ 上記実施の形態では、インナパネル2に取り付けられる音響管4が1個の場合を説明したが、これに限定されるものではなく、複数個の音響管をインナパネル2に取り付けてもよい。即ち、互いに異なる複数の周波数の振動が生じる場合には、それぞれの共振周波数を有する複数個の音響管をインナパネル2に取り付けることで異なる周波数の振動を減らすことが可能となる。このとき、音響管の開放端の位置は必ずしも同じ位置に配置する必要はない。それぞれの周波数において音圧が最大の位置に配置することで、異なる周波数の振動を効率よく減らすことができる。
○ 上記実施の形態では、音響管4は片端開放型として説明をしたが、これに限定されるものではなく、両端開放型の音響管であってもよい。抑えたい音の周波数がひとつの場合には、両端開放型の音響管は音響管4の長さLという1個のパラメータだけを操作すれば足りるので、周波数の調整が容易である。
○ 上記実施の形態では、折れ曲がった形状の音響管4を例にして本願のスピーカ装置を説明したが、本願はこれに限定されるものではない。図5(a)に示すように、例えば真直管の音響管21であってもよい。この場合、音響管の製作及びインナパネルへの取り付け作業が容易になる。また、図5(b)に示すように、音響管22が渦巻状に曲がっていてもよい。共振周波数との関係で狭いエリアに長い音響管を収納しなければならないとき、渦巻状に曲がっている形状にすれば音響管の収納効率がよい。
○ 上記実施の形態では、音響管4とインナパネル2とは別部品であって、インナパネル2に音響管4が取り付けられる構成として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、インナパネル2に壁31を建てて溝部を予め設けておき、板状部材32で溝部をカバーすることで音響管を形成することもできる(図6(a))。簡易な構成で音響管を作ることができるので、製造時の作業負担が軽減でき、製造原価が低減できる。壁部分がリブの役割を果たし、インナパネルの強度が増す。その他に、窪み33を設けることによってインナパネルに溝部を設けてもよい(図6(b))。板状部材34のカバーを使用しつつ、音響容積部の窪み部分の深さを変えて音響容積を変化させることができる。
○ 上記実施の形態では、音響管4の開放端4cは音響管の軸に対して垂直に切られた構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、図7に示すように、音響管のインナパネルと離れた側の壁に張り出し部分35を設けることで音響管内部に音が侵入し易くすることが可能である。図7(a)は音響管の開放端の変形例の側面図で、図7(b)はその斜視図である。
○ 上記実施の形態では、聴者(運転者又は同乗者)が音声や楽音の中で特に敏感な周波数20Hz〜5kHzの範囲の音に絞って音響管4の開放端4cの位置を決定しているが、開放端4cの位置の決定をより効率的に行うために、周波数の範囲の下限を50Hzや300Hzとしたり、或いは、周波数の範囲の上限を1kHzや3kHzとしてもよい。
○ 上記実施の形態では車両用スピーカ装置SPを例として説明したが、本願はこれに限定されるものではない。ドアの内部にスピーカユニットが取り付けられたインナパネルを有する構造であって、インナパネルが振動して聴者に不要な音を与えているドア用スピーカであれば適用可能である。例えば、オートバイのパネルや、船舶のドアパネルなど移動体のドアパネルに広く適用可能である。
SP:車両用スピーカ装置
1:車両用ドアパネル
2:インナパネル
3:スピーカユニット
4,21,22:音響管
4a:音響容積部
4b:音響管部
4c:開放端
5a,5b:サービスホール
31:壁
32,34:板状部材
33:窪み
1:車両用ドアパネル
2:インナパネル
3:スピーカユニット
4,21,22:音響管
4a:音響容積部
4b:音響管部
4c:開放端
5a,5b:サービスホール
31:壁
32,34:板状部材
33:窪み
Claims (22)
- スピーカユニットと、
前記スピーカユニットが取り付けられたスピーカ取り付けパネルと、
前記スピーカ取り付けパネルに取り付けられた消音用の音響管と、を有するスピーカ装置において、
前記スピーカユニットの放音に起因して前記スピーカ取り付けパネルが振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、前記音響管の共振周波数とすることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1に記載のスピーカ装置において、
前記聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数の音の音圧が最大となる前記スピーカ取り付けパネル上の箇所に、前記音響管の開放端が配されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は曲管であることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は渦巻状に曲がった管であることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1又は請求項2に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は真直管であることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
当該スピーカ装置は車載用であると共に、
前記スピーカ取り付けパネルに設けられたサービスホール以外の前記スピーカ取り付けパネル上の位置に、前記音響管は設けられていることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記スピーカ取り付けパネルの補強を兼ねて前記音響管は前記スピーカ取り付けパネルに取り付けられていることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は、前記スピーカ取り付けパネルに設けられた溝部と、当該溝部を覆う板状部材と、により形成されていることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は、片端開放であることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記音響管は、両端開放であることを特徴とするスピーカ装置。 - 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のスピーカ装置において、
前記音響管の共振周波数は20Hz以上5kHz以下の周波数であることを特徴とするスピーカ装置。 - 消音用の音響管が取り付けられたスピーカ取り付けパネルにおいて、
スピーカユニットが取り付けられ、当該スピーカユニットの放音に起因して前記スピーカ取り付けパネルが振動して発する音のうち聴者が不快に感じる音の周波数として予め設定されている周波数を、前記音響管の共振周波数とすることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記聴者が不快に感じる音の周波数と同じ周波数の音の音圧が最大となる前記スピーカ取り付けパネル上の箇所に、前記音響管の開放端が配されていることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12又は請求項13に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は曲管であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は渦巻状に曲がった管であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12又は請求項13に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は真直管であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項16のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
当該スピーカ取り付けパネルは車載用スピーカ装置のためのものであると共に、
当該スピーカ取り付けパネルに設けられたサービスホール以外の当該スピーカ取り付けパネル上の位置に、前記音響管は設けられていることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項17のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
当該スピーカ取り付けパネルの補強を兼ねて前記音響管は当該スピーカ取り付けパネルに取り付けられていることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項18のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は、前記スピーカ取り付けパネルに設けられた溝部と、当該溝部を覆う板状部材と、により形成されていることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項19のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は、片端開放であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項19のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管は、両端開放であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。 - 請求項12乃至請求項21のいずれか一項に記載のスピーカ取り付けパネルにおいて、
前記音響管の共振周波数は20Hz以上5kHz以下の周波数であることを特徴とするスピーカ取り付けパネル。
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