JP2005078963A - 非水電解質二次電池およびその製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 負極集電体におけるCuの溶解を抑え、高信頼性を有する非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】 非水電解質二次電池は、正極10と、負極20と、正極10および負極20の間に配置されたセパレータ30と、正極10、負極20およびセパレータ30との間に設けられた電解質41,42とを備える。正極10は、正極集電体層11と、正極集電体11上に形成された正極活物質層12とを備える。負極20は、負極集電体21と、負極集電体21上に形成された溶解防止膜22と、溶解防止膜22上に形成された負極活性物質23とを備える。この構成により、負極集電体21を構成するCu等の材料が溶解することを防止し、過放電後の容量劣化、サイクル劣化、加熱による劣化を抑制することができる。
【選択図】 図4

Description

この発明は、非水電解質二次電池およびその製造方法に関し、特に、リチウムを電気化学的にドープ/脱ドープ可能に構成された正極および負極を備えた非水電解質二次電池に適用して好適なものである。
近年、携帯電話、ノートブック型パソコンなどの各種の携帯電子機器の薄型化、小型化および軽量化に伴って、携帯電子機器のエネルギー源である電池、特に二次電池の高容量化に関する要求が高まっている。
また、従来実用化されている二次電池(例えば、鉛畜電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)は、電解質として液体を使用しているため、電池からの液漏れの問題がある。このため、液漏れがない二次電池の実現化に関する要求も高まっている。
そこで、これらの要求に応えるべく開発されたのが、電解液によって膨潤した高分子ゲルを電解質として使用したポリマーリチウムイオン二次電池である(例えば、特許文献1参照)。このポリマーリチウムイオン二次電池は、電池からの液もれの心配がない、小型、軽量、薄型で高いエネルギー密度を実現可能である、という利点を有する。
以下、従来のポリマーリチウムイオン二次電池の構成について説明する。ポリマーリチウムイオン二次電池は、素電池(ユニットセル)を外装材に封止した構成を有する。この外装材は、アルミニウム箔のような金属薄膜(封入用容器)と、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等のプラスチックフィルムとから構成される。
素電池は、リチウムを電気化学的にドープ/脱ドープ可能に構成された正極および負極の中間にセパレータが挟み込まれ、これらの電極およびセパレータとの間に電解質が充填されたサンドイッチ構造を有する。正極は、アルミニウム薄板からなる正極集電体上に、例えばLiCoO2と黒鉛とからなる正極活物質が積層されて構成される。負極は、銅薄板からなる負極集電体の上に、カーボン、コークス、グラファイト等からなる負極活物質が積層されて構成される。セパレータは、細孔を有する薄膜であり、ポリプロプレン、ポリエチレン等の材料からなる。電解質は、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの高分子ゲル状電解質である。
特許第3109497号公報
ところが、上述の構成を有するリチウムイオン二次電池をパソコンなどの組みセルで使用する場合、セル毎に劣化のばらつきがあると、劣化の早い電池は放電時に過放電状態になり、負極集電体のCuが溶解し電池が劣化してしまう。また、集電体箔巻部を設けることにより、電池が高温にさらされた際の電池特性劣化を抑えることが考えられているが、この方法では、Cuの溶解による開回路電圧(OCV;Open Circuit Voltage)不良を防止することは困難である。
したがって、この発明の目的は、負極集電体におけるCuの溶解を抑え、高信頼性を有する非水電解質二次電池およびその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明は、負極活物質層が形成された負極集電体と、
正極活物質層が形成された正極集電体と、
負極活物質層および正極活物質層の間に設けられた電解質と
を備える非水電解質二次電池において、
負極集電体の負極活物質層が形成される面に、負極集電体の溶解を防ぐための溶解防止膜が形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池である。
第2の発明は、負極活物質層が形成された負極集電体と、
正極活物質層が形成された正極集電体と、
負極活物質層および正極活物質層の間に設けられた電解質と
を備える非水電解質二次電池の製造方法において、
負極集電体の溶解を防ぐための溶解防止膜を負極集電体上に形成する工程と、
溶解防止膜上に負極活物質層を形成する工程と
を備えることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法である。
この発明によれば、負極集電体の負極活物質層が形成される側の面に、負極集電体の溶解を防ぐための溶解防止膜が形成されているため、負極集電体の溶解を抑えることができる。
以上説明したように、この発明によれば、負極集電体の溶解を抑えることができるため、高信頼性を有する非水電解質二次電池およびその製造方法を提供することができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態の全図においては、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。図2は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構成の一例を示す斜視図である。図3は、封止材の構成の一例を示す斜視図である。この一実施形態による非水電解質二次電池は、素電池1を外装材2に収容し、外装材2の外周に備えられたヒートシール部5を熱溶着して封止して構成される。素電池1には、素電池1に備えられた正極と電気的に接続された正極端子リード3と、素電池1に備えられた負極と電気的に接続された負極端子リード4とが備えられ、これらのリード3,4は、外装材2の外部へと引き出されている。この一実施形態による非水電解質二次電池は、例えば固体電解質電池、あるいはゲル状電解質電池である。
外装材2は、金属薄膜の両面に対してプラスチックフィルムを貼り合わせた構成を有する。素電池1を封入する側のプラスチックフィルム(熱溶着樹脂層)としては、熱溶着することを考量して、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、変性ポリプロピレン等のポリエチレン系樹脂が用いられる。
なお、非水電解質二次電池の形状は、図1および図2に示した角型に限定されるものではく、これ以外の形状であってもよい。角型以外の形状としては、例えば、円筒型、コイン型、ガム型、扁平型等が挙げられる。
図4に、この発明の一実施形態による素電池1の構成の一例を示す。図4に示すように、この素電池1は、主として、互いに対向された正極10および負極20と、正極10および負極20の間に設けられたセパレータ30と、正極10およびセパレータ30との間に設けられた電解質41と、負極20およびセパレータ30との間に設けられた電解質42とから構成される。
<正極10>
正極10は、正極集電体11と、この正極集電体11の両主面または一主面に形成された正極活物質層12とから構成される。正極集電体11は、例えば金属箔、金属からなる網状物である。この金属としては、例えばステンレス、銅、ニッケル、アルミニウム等が挙げられ、特にアルミニウムが好ましい。
正極活物質層12は、正極活物質と結着剤とからなる。正極活物質としては、目的とする電池の種類を考慮して、例えば金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子が用いられる。例えば目的とする電池がリチウムイオン電池である場合、正極活物質としては、例えばTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを含有しない金属硫化物あるいは酸化物や、LixMO2(式中Mは一種以上の遷移金属を表し、xは電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である。)を主体とするリチウム複合酸化物等が用いられる。このリチウム複合酸化物を構成する遷移金属Mとしては、Co,Ni,Mn等が好ましい。このようなリチウム複合酸化物の具体例としてはLiCoO2,LiNiO2,LiNiyCo1−yO2(式中、0<y<1である。),LiMn24等が挙げられる。これらリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度的に優れた正極活物質である。正極活物質層12には、これらの正極活物質の複数種を併せて使用してもよい。
また、結着剤としは、公知の結着剤を用いることができる。この結着剤としては、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTEF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。なお、以上のような正極活物質を使用して正極活物質層12を形成するに際して、公知の導電剤を添加するようにしてもよい。その導電材としては、例えばグラファイト、カーボンブラック等の炭素粉末が挙げられる。
正極活物質層12の形成方法としては、例えば、粉体状の正極活物質をバインダーとともに溶剤と混合し、必要に応じてボールミル、サンドミル、二軸混練機等により分散塗料化した後、正極集電体11上に塗布して乾燥する方法が好適に用いられる。この場合、用いられる溶剤の種類は、正極集電体11に対して不活性であり、且つバインダーを溶解しうる限り、特に制限されず、例えばN−メチル−2−ピロリドン等の一般に使用される無機、有機溶剤の何れも使用できる。塗布装置は特に限定されず、例えばスライドコーティングやエクストルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グラビア、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビア、ロッドコーター、ブレードコーター等が使用できる。乾燥方法は特に制限されず、例えば放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機等が使用できる。
<負極20>
負極20は、負極集電体21と、この負極集電体21の両主面または一主面に形成された溶解防止膜22と、この溶解防止膜22上に形成された負極活物質層23とから構成される。負極集電体21は、例えば金属箔、金属からなる網状物である。この金属としては、例えばステンレス、銅、ニッケル、アルミニウム等が挙げられ、特に銅が好ましい。
溶解防止膜22は、電気化学的酸化に強い被膜であることが好ましい。溶解防止膜22としては、例えば金属酸化膜、フッ素系樹脂などが挙げられる。金属酸化膜の材料としては、例えば、酸化銅、アルミナなどが挙げられる。金属酸化膜の形成方法としては、負極集電体20を熱酸化処理する方法、スラーリ状にして塗布する方法が挙げられる。金属酸化膜の膜厚は、好ましくは50Å〜500Åの範囲である。50Å未満であると、過放電維持率が低下する傾向があり、一方、500Åより大きいと、サイクル特性が低下する傾向がある。
なお、負極集電体21を大気中に放置した場合にも、数Å〜10数Å程度の酸化被膜が負極集電体21上に形成される。例えば、従来の非水電解質二次電池の製造方法では、乾燥工程において負極集電体21上の負極活物質未塗布部分には20Å程度の酸化被膜が形成される。この酸化被膜の膜厚は、上述の溶解防止膜22の膜厚に比して薄く、負極集電体21を構成するCuなどの金属の溶解を抑えるには不十分である。従来、乾燥工程において形成される酸化被膜では、過放電維持率(20Ωの抵抗を一週間接続し、その後充放電を行った際の容量維持率)は10%程度であり、極めて低い。すなわち、上述の酸化被膜では、溶解防止膜22を形成することにより得られるような効果を得ることはできない。
負極活物質層23は、負極活物質と結着剤とからなる。負極活物質層23を構成する負極活性物質としては、リチウムをドープ/脱ドープできる材料が用いられる。このような材料としては、例えば難黒鉛化炭素系材料や黒鉛系材料の炭素材料が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料が挙げられる。これ以外にも、リチウムをドープ/脱ドープできる材料として、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物が挙げられる。
また、結着剤としは、公知の結着剤を用いることができる。この結着剤としては、例えばポリフッ化ビニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTEF)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
負極活物質層23の形成方法としては、上述の正極活物質層12と同様の方法を用いることができる。
<セパレータ30>
セパレータ30は、細孔を有する薄膜である。このセパレータ30を構成する材料としては、例えばポリプロプレン、ポリエチレン等が挙げられる。
<電解質41,42>
電解質41,42は、例えば高分子固体電解質である。高分子電解質の高分子材料は、特に限定されるものではないが、主にフッ素系ポリマーとして、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−テトラフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−トリフルオロエチレン)、ポリ(ビニリデンフルオロライド−co−クロロトリフルオロエチレン)などおよびこれらの混合物が挙げられる。
例えば、正極活物質層12または負極活物質層23上に積層されている固体電解質、またはゲル状電解質は、高分子化合物、電解質塩および溶媒(ゲル状電解質の場合は、さらに可塑剤)からなる溶液を正極活物質層12または負極活物質層23に含浸させ、溶媒を除去し固体化したものである。すなわち、正極活物質層12または負極活物質層23に積層された固体電解質、またはゲル状電解質は、その一部が正極活物質層12または負極活物質層23に含浸されて固体化されている。
ゲル状電解質は、例えば、リチウム塩を含む可塑剤と、2重量%以上〜30重量%以下のマトリクス高分子とからなる。また、エステル類、エーテル類、炭酸エステル類などを単独または混合して可塑剤の一成分として用いるようにしてもよい。また、ゲル状電解質を調整するにあたり、炭酸エステル類をゲル化するマトリクス高分子としては、ゲル状電解質を構成するのに使用されている種々の高分子が利用できるが、酸化還元安定性から、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子を用いることが好ましい。
高分子固体電解質は、リチウム塩とそれを溶解する高分子化合物とからなる。高分子化合物としては、ポリ(エチレンオキサイド)や同架橋体などのエーテル系高分子、ポリ(メタクリレート)エステル系、アクリレート系、ポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子およびこれらの混合物が挙げられるが、酸化還元安定性から、例えばポリ(ビニリデンフルオロライド)やポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)などのフッ素系高分子が好ましい。
このようなゲル状電解質または高分子固体電解質に含有させるリチウム塩としては、通常の電池電解液に用いられるリチウム塩を使用することができる。そのリチウム化合物(塩)は、特に限定されるものではないが、例えば以下のものが挙げられる。
例えば、塩化リチウム臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩素酸リチウム、過塩素酸リチウム、臭素酸リチウム、ヨウ素酸リチウム、硝酸リチウム、テトラフルオロほう酸リチウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、酢酸リチウム、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドリチウム、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6等が挙げられる。これらリチウム化合物は単独で用いても複数を混合して用いても良いが、これらの中でLiPF6、LiBF4が酸化安定性の観点から好ましい。
この発明の一実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
素電池1が、リチウムを電気化学的にドープ/脱ドープ可能に構成された正極10と、リチウムを電気化学的にドープ/脱ドープ可能に構成された負極20と、正極10および負極20の間に設けられたセパレータ30と、正極10、負極20およびセパレータ30の間に設けられた電解質41,42とを備え、正極10および負極20同士が何れかの箇所(巻内側、中間、巻外側)においてセパレータ30を介して隣り合う構造を有する素電池1を、フィルム状の外装材2に封止してなる非水電解質二次電池において、Cuなどからなる金属箔を酸化銅などの溶解防止膜22でコートすることにより、金属箔を構成するCuなどの材料が溶解することを防止することができる。したがって、過放電後の容量劣化、サイクル劣化、加熱による劣化を抑制することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、上述の実施形態と対応する箇所には同一の符号を付す。
(実施例1)
<負極の作製>
粉砕した黒鉛粉末90重量部と、結着剤としてPVDF10重量部とを混合して負極合剤を調製し、さらにこれをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。そして、酸素濃度20%、温度150℃の高温槽中において、厚さ10μmの帯状銅箔21を15分間保持することにより酸化処理して、厚さ100Åの酸化銅被膜22を帯状銅箔21の両主面に形成した。この酸化銅被膜22の膜厚の測定には、ボルタンメトリー測定の原理を利用した酸化膜厚計(マルコム(株)製)を用いた。この酸化膜厚計は、金属表面の酸化被膜を電気化学的に還元し、そのエネルギー量から酸化被膜を換算するものである。その後、スラリー状の負極合剤を帯状銅箔21の両主面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形し、52mm×320mmの大きさに切り出した。ただし、最後に未塗布部分を35mm設けた。
<正極の作製>
炭酸リチウムと炭酸コバルトとを0.5モル対1モルの比率で混合し、空気中において温度900℃で5時間焼成させて正極活物質であるLiCoO2を得た。そして、得られたLiCoO291重量部と、導電剤としての黒鉛6重量部と、結着剤としてのPVDF10重量部とを混合して正極合剤を調製し、さらにこれをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。そして、このスラリー状の正極合剤を厚さ20μmの帯状アルミニウム箔11の両主面に均一に塗布し、乾燥後、ロールプレス機で圧縮成形し50mm×300mmの大きさに切り出した。ただし、最後に未塗布部分を30mm設けた。
<ゲル状電解質の作製>
同重量濃度42.5重量部の炭酸エチレン(EC)および炭酸プロピレン(PC)と、LiPF615重量部とからなる可塑剤に重量平均分子量Mw60万のポリ(ビニリデンフルオロライド−co−ヘキサフルオロプロピレン)10重量部、そして炭酸ジメチル60重量部を混合溶解させたゾル状の電解質を得た。そして、このゾル状の電解質を負極20上に均一に塗布し、含浸させ、常温で8時間放置し、炭酸ジメチルを気化、除去し、ゲル状電解質42を得た。正極も負極20と同様にして、正極10上にゲル状電解質41を得た。その後、正極10および負極20を厚さ15μm有するポリエチレン製セパレータ30を介して合わせるように平たく巻いて2Whの容量を持つ素電池1を得た。
<封入工程>
サイズ7×14cm、厚さ100μmを有するラミネートシート2を、熱融着樹脂(高密度ポリエチレン)が内側となるよう長手方向に折り返し、4cm四方のサイズの素子容器部ができるように3方を熱溶着して、素電池1を封入した。なお、正極端子リード3および負極端子リード4とヒートシール部5とが交差する部分には樹脂片をあてがって、バリ等によるショートを避けるとともに、正極端子リード3および負極端子リード4とラミネートフィルム2との接着性を向上させた。最後に、正極10、負極20、セパレータ30が一体型構造となるように、熱をかけプレスした。
(実施例2)
酸化処理の時間を約5分として、酸化銅被膜22の膜厚を50Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(実施例3)
酸化処理の時間を約20分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を200Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(実施例4)
酸化処理の時間を約40分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を300Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(実施例5)
酸化処理の時間を約60分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を500Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(比較例1)
酸化処理工程を省略する以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。なお、乾燥工程により、膜厚30Åの酸化銅被膜が帯状銅箔21上に形成されていた。
(比較例2)
酸化処理の時間を約70分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を550Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(比較例3)
酸化処理の時間を約80分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を600Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(比較例4)
酸化処理の時間を約100分、温度を170℃として、酸化銅被膜22の膜厚を750Åとする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(比較例5)
正極10、負極20、セパレータ30を一体型構造としない、すなわち、正極10、負極20、セパレータ30が一体型構造となるように熱をかけプレスする工程を省略する以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
(比較例6)
正極10、負極20がセパレータ30を介して隣り合う構造としない、すなわち、セパレータ30を省略した構成とする以外のことは、全て実施例1と同様にして非水電解質二次電池を得た。
次に、上述のようにして得られた各実施例および比較例による非水電解質二次電池に対して、以下に示す過放電試験、サイクル試験および加熱試験を行った。
<過放電試験>
まず、上述のようにして得られた非水電解質二次電池の放電容量を測定した。次に、非水電解質二次電池に対して20Ωの抵抗を一週間接続する過放電試験の後に、非水電解質二次電池の放電容量を測定した。そして、以下の式(1)を用いて過放電後の容量維持率を算出した。
容量維持率[%]=過放電後の放電容量/過放電前の放電容量×100・・・(1)
<サイクル試験>
まず、1Cで充電を繰り返し行い、1サイクルおよび400サイクルの放電容量を測定した。そして、以下の式(2)を用いて400サイクル後の容量維持率を算出した。
容量維持率[%]=400サイクル後の放電容量/1サイクル後の放電容量×100・・・(2)
<加熱試験>
まず、加熱前の非水電解質二次電池の放電容量を測定した。次に、温度120℃の環境下に1時間、電池を保持した後、非水電解質二次電池の放電容量を測定した。そして、以下の式(3)を用いて容量維持率(残存容量)を算出した。
容量維持率[%]=加熱後の放電容量/加熱前の放電容量×100・・・(3)
表1に、実施例および比較例による非水電解質二次電池の評価結果を示す。
Figure 2005078963
表1から、酸化銅被膜22が50Å未満であると、過放電維持率が著しく低下し、酸化銅被膜22が500Åより大きいと、サイクル特性が劣化する低下することが分かる。
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値を用いてもよい。
上述の一実施形態では、セパレータを備えた非水電解質二次電池に対してこの発明を適用した例について示したが、セパレータが省略された非水電解質二次電池に対してもこの発明は適用可能であることは言うまでもない。
この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構成の一例を示す分解斜視図である。 この発明の一実施形態による非水電解質二次電池の構成の一例を示す斜視図である。 封止材の構成の一例を示す斜視図である。 この発明の一実施形態による素電池の構成の一例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・素電池、2・・・外装材、3・・・正極端子リード、4・・・負極端子リード、10・・・正極、11・・・正極集電体、12・・・正極活物質、20・・・負極、21・・・負極集電体、22・・・溶解防止膜、23・・・負極活性物質層、30・・・セパレータ、40・・・電解質

Claims (8)

  1. 負極活物質層が形成された負極集電体と、
    正極活物質層が形成された正極集電体と、
    上記負極活物質層および正極活物質層の間に設けられた電解質と
    を備える非水電解質二次電池において、
    負極集電体の負極活物質層が形成される面に、上記負極集電体の溶解を防ぐための溶解防止膜が形成されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 上記負極活物質層および正極活物質層の間にセパレータを更に備えることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  3. 上記溶解防止膜の膜厚が、50Å以上500Å以下であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  4. 上記負極集電体が金属からなり、
    上記溶解防止膜は、上記負極集電体の表面を酸化することにより形成される金属酸化膜であることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池。
  5. 負極活物質層が形成された負極集電体と、
    正極活物質層が形成された正極集電体と、
    上記負極活物質層および正極活物質層の間に設けられた電解質と
    を備える非水電解質二次電池の製造方法において、
    負極集電体の溶解を防ぐための溶解防止膜を負極集電体上に形成する工程と、
    上記溶解防止膜上に負極活物質層を形成する工程と
    を備えることを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  6. 上記負極活物質層および正極活物質層の間にセパレータを更に備えることを特徴とする請求項5記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  7. 上記溶解防止膜の膜厚が、50Å以上500Å以下であることを特徴とする請求項5記載の非水電解質二次電池の製造方法。
  8. 上記負極集電体が金属からなり、
    上記溶解防止膜は、上記負極集電体の表面を酸化することにより形成されることを特徴とする請求項5記載の非水電解質二次電池の製造方法。
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