JP2005078556A - 構造体の有限要素モデル作成方法および構造体のシミュレーション方法 - Google Patents

構造体の有限要素モデル作成方法および構造体のシミュレーション方法 Download PDF

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Abstract

【課題】補強材が基材中に埋設された補強層を有する構造体の有限要素モデル作成方法であって、モデルにおける面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性について、実際の補強層と一致させるモデル作成方法およびこれを用いた構造体のシミュレーション方法を提供する。
【解決手段】基材を有限要素で表した基材モデル要素20を作成するとともに、補強材のヤング率が材料定数として与えられ、互いに離間し、かつ、離間距離が自在に設定される少なくとも2つの層状の仮想補強層モデル要素22を、補強層のモデル要素として基材モデル要素20に付加することにより、補強層を再現した補強層モデルを作成し、この補強層モデルにおける面外方向の曲げ剛性が補強層の有する面外方向の曲げ剛性に一致するように、平行に設けられた仮想補強層モデル要素22の間の間隔を調整する。作成された補強層のモデルを用いて構造体の応力、歪み解析を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、補強材が基材中に設けられて構成された補強層を有する構造体の有限要素モデル作成方法および構造体のシミュレーション方法であって、例えば、鉱石等を積載して搬送するコンベヤベルトやタイヤのように補強層が設けられた積層構造体の有限要素モデルの作成方法およびこれを用いた構造体のシミュレーション方法に関する。
今日、タイヤ等のようなゴム部材を基材としてスチールワイヤや有機繊維等の線材が補強材として層状に埋設された補強層を有するゴム積層構造体に有限要素法を適用して、ゴム積層構造体の挙動を解析、予測することが広く行なわれている。有限要素法で用いられる有限要素モデルでは、スチールワイヤや有機繊維等の線材が層状に設けられた補強層の忠実なモデル化が行なわれ、場合によっては簡略化したモデル化が行なわれる。
例えば、下記特許文献1では、タイヤの有限要素モデルの作成方法が開示されている。この有限要素モデルの作成方法では、タイヤのベルト部材等の補強層のモデル化は、スチールワイヤ等の線材からなる積層された線材の各層毎に四辺形膜要素でモデル化し、さらに基材であるトッピングゴム部材を6面体ソリッド要素にてモデル化する。
また、下記特許文献2では、有限要素モデルを用いたタイヤ解析モデルの作成方法が開示され、タイヤにおけるベルト部材等の補強層のモデル要素を、シェル要素とこのシェル要素の積分点とを用いて構成することが提案されている。
また、図6(a),(b)には、補強層の一例として、タイヤにおけるベルト部材のモデル化の例を示している。図6(b)中の破線は線材等の補強材による補強方向を示している。補強層(ベルト部材)100は、ゴム部材を基材102として基材102中に補強材である多数の線材104が一方向に設けられた補強層を成している。この補強層(ベルト部材)100の有限要素モデルのモデル要素として、図6(b)に示すように、基材(ゴム部材)102を6面体ソリッド要素で表した基材モデル要素106に、基材モデル要素106内に線材104を表した1層の仮想補強層モデル要素108を付加して補強層モデルを構成する。例えば、汎用非線形有限要素解析プログラムABAQUS(ABAQUS, Inc.社製)では、面内方向の剛性が異方性を有するように材料特性を与えることのできる要素(リバー)を定めることにより、一定の厚さを有する層状の仮想補強層モデル要素108が基材(ゴム部材)102の有限要素に補強材要素として付加される。これにより、線材104で補強された補強層(ベルト部材)100と同等の面内方向の剛性を有する補強層モデルが作成される。
特開2002−7489号公報([0022]〜[0023]、[図3]) 特開2002−82998号公報([0019]〜[0023]、[図3])
上記種々のベルト部材のモデル化では、面内方向の剛性については実際の補強層の補強材と良好に対応するが、面外方向の曲げ剛性については対応しないといった問題がある。例えば、ベルト部材を再現した補強層モデルの面内方向の剛性は実際のベルト部材の面内方向の剛性にほぼ一致するものの、ベルト部材を面外方向に曲げた時の曲げ剛性が一致しない。特にタイヤの接地によりタイヤ部材は局部的に面外方向に曲げ変形を受けるため、上述のような、ベルト部材における曲げ剛性が有限要素モデルにおいて対応しないといった問題は、接地状態から転動させて種々のタイヤ性能をシミュレーションする際に得られる計算結果が実際のタイヤの挙動と精度高く対応しない一因ともなっている。
この種の問題は、ベルト部材を有するタイヤに限ったものではなく、繊維、ワイヤ、帆布、すだれ等の補強材とゴム材料や樹脂材料等の基材とからなる補強層を有するコンベヤベルト、ホース、防舷材等の構造体に共通する問題でもある。
そこで、本発明は、繊維、ワイヤ、帆布、すだれ等の補強材のように、補強材が基材中に埋設されて構成される補強層を有する構造体の有限要素モデル作成方法であって、モデルにおける面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性を実際の特性と一致させるモデル作成方法、およびこれを用いた構造体のシミュレーション方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材中に補強材が埋設された補強層を有する構造体の有限要素モデル作成方法であって、基材を有限要素で表した基材モデル要素を作成するとともに、前記補強材のヤング率が材料定数として与えられ、互いに離間しかつ離間距離が自在に設定される少なくとも2つ以上の層状の仮想補強層モデル要素を、前記補強層のモデル要素として前記基材モデル要素に付加することにより、前記補強層を再現した補強層モデルを作成するステップと、前記補強層モデルにおける面外方向の曲げ剛性が前記補強層の有する面外方向の曲げ剛性に一致するように、平行に設けられた前記仮想補強層モデル要素の間の間隔を調整するステップと、を有することを特徴とする構造体の有限要素モデル作成方法を提供する。
本発明における面外方向の曲げ剛性とは、補強層の表面が曲率を持って湾曲(変形)するときの曲げ剛性をいう。
ここで、前記仮想補強層モデル要素の要素厚さの合計が、前記補強層を、前記補強材のヤング率と等価な1層の仮想補強層モデル要素で再現したときの要素厚さに等しいのが好ましい。また、前記構造体は、例えば、前記補強層が上カバーゴム層および下カバーゴム層で積層されたコンベヤベルトである。
さらに、本発明は、前記有限要素モデルで作成された構造体のモデルを用いて、構造体の応力、歪み解析を行なう構造体のシミュレーション方法を提供する。
本発明の構造体の有限要素モデル作成方法では、基材を有限要素で表した基材モデル要素を作成するとともに、補強材のヤング率が材料定数として与えられ、前記補強材を表すモデル要素として、互いに平行に設けられた少なくとも2つ以上の仮想補強層モデル要素を、前記基材モデル要素内に作成することにより、補強層を再現した補強層モデルを作成し、この補強層モデルにおける面外方向の曲げ剛性が補強層の有する面外方向の曲げ剛性に一致するように、平行に設けられた仮想補強層モデル要素の間の間隔を調整するので、モデルにおける面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性を一致させることができる。これにより、構造体の応力、歪み解析を精度高くおこなうことができる。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明の構造体の有限要素モデル作成方法および構造体のシミュレーション方法を説明する。
図1(a)は、本発明の構造体の有限要素モデル作成方法においてモデルの作成対象となる補強層10を説明する図である。
補強層10は、一方向に沿って複数の線材12が並列して基材(ゴム部材)14中に埋設された部材であり、コンベヤベルトのベルト補強層、あるいは、タイヤのベルト部材(ベルト補強層)を構成するものである。線材12は、有機繊維やスチールワイヤの単線、あるいは、有機繊維やスチールワイヤが撚り構造となった撚線等が例示される。線材12は、基材14中に並列配置して埋設されている。
このような補強層10を含む構造体について有限要素法を用いて応力、歪み解析を行なう場合、以下のようなモデル化が行なわれる。
モデル化は、コンピュータ上で、構造体の輪郭形状からなる輪郭モデルを作成し、この輪郭モデルがメッシュ分割されて6面体ソリッド要素、膜要素、シェル要素等に分割される。図1(a)に示す補強層10は、例えば、図1(b)に示すような補強層モデルの有限要素が作成される。図1(b)における破線および一点鎖線は各仮想補強層モデル要素における補強方向を示している。
具体的には、基材14を有限要素で表した基材モデル要素20と、基材モデル要素20内に、層状に配列された線材12をモデル要素として表した、互いに平行な2つの仮想補強層モデル要素22とが作成される。
ここで、基材モデル要素20は6面体ソリッド要素である。
また、2つの仮想補強層モデル要素22はそれぞれ線材のヤング率が材料定数として与えられたものである。仮想補強層モデル要素22は、互いに平行に間隔dで離間している。この間隔dはパラメータとして自在に調整されるように設定される。間隔dは、間隔dが広くなるほど、仮想補強層モデル要素22を有する基材モデル要素20を面外方向に曲げ変形を与えた時の曲げ剛性が高くなるように機能するものである。
このため、間隔dを調整することにより、仮想補強層モデル要素22を付加した基材モデル要素20における面外方向の曲げ剛性が、実際の補強層10における図1(a)中のX,X’方向(面外方向)の曲げ剛性に一致するように調整することができる。
仮想補強層モデル要素22は、一方向に所定のヤング率を持つように材料定数が与えられるので、この方向のヤング率を、実際の線材12のヤング率と一致させることができる。一方、図1(a)に示すような面外方向の曲げ剛性は、仮想補強層モデル要素22が互いに間隔d離間しているので、X,X’方向の曲げ剛性は間隔dの増大に伴って増加する。一方、ヤング率は、仮想補強層モデル要素22の間隔dに依存しないので一定に維持される。このように、ヤング率を実際の線材のヤング率と一致させつつ、間隔dを自在に変更可能にして、面外方向の曲げ剛性を調整することのできる補強層モデルが作成される。
なお、2つの仮想補強層モデル要素22の要素厚さはそれぞれ、線材のヤング率と等価な1層の仮想補強層モデル要素で表したときの要素厚さの半分になっている。すなわち、2つの仮想補強層モデル要素22の要素厚さの合計は、1層の等価な仮想補強層モデル要素の厚さに等しくなっている。これは、仮想補強層モデル要素22を2層設けても1層の場合のヤング率と等しくするためである。
図1(b)は、基材14として6面体ソリッド要素を用いてモデル化した例であるが、基材14を膜要素やシェル要素でモデル化してもよい。基材14を膜要素24でモデル化した場合、図1(c)に示すように、膜要素24を中心として、間隔d/2離間した位置に仮想補強層モデル要素22を互いに設ける。図1(c)では、仮想補強層モデル要素22は、膜要素24の面外に位置するものであるが、この仮想補強層モデル要素22は、膜要素24に付随して付加されたものとして、応力、歪み解析では一体的に扱われる。
例えば、汎用非線形有限要素解析プログラムABAQUS(ABAQUS, Inc.社製)では、有限要素に付加される補強層の要素として、異方性を有する材料特性を自在に設定できるリバーを2つ定めることで、一定の厚さを有する層状の2つの仮想補強層モデル要素が作成される。ここでリバーとは、基材モデル要素とは別に材料定数や材料特性(超弾性特性、線形弾性等の特性)を設定して付加することのできる補強材要素であって、一方向に補強された補強層を構成することができる補強材要素である。リバーは、補強層における線材のように、付加される位置、リバー1本の断面積、隣り合うリバーの間隔および補強方向等の情報を定めることで基材モデル要素に付加される。また、1つのリバーの断面積をリバーの隣り合う間隔で割った値をリバーで形成された仮想補強層モデル要素の要素厚さとすることができる。
このようにして、仮想補強層モデル要素22の付加された基材モデル要素20が作成されて補強層モデルが作成され、補強材を含む構造体のモデルが作成される。
この後、作成された構造体のモデルは公知の応力、歪み解析に用いられる。
例えば、タイヤの場合、タイヤモデルに内圧充填処理が施され、所定の荷重条件で接地処理が施されることによって、応力、歪み解析が行なわれる。また、コンベヤベルトの場合、積載状態のコンベヤベルトが一定の間隔で下方からローラで支持された状態を再現するために、コンベヤベルトモデルに張力を付与し、コンベヤベルトに積載状態の分布荷重を付与することによって、ローラに当接した状態の応力、歪み解析が行なわれる。
このように基材モデル要素20に仮想補強層モデル要素22を付与して、面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性を実際の補強層に等しく設定するためには、2つの仮想補強層モデル要素22の間隔dを、実際の面外方向の曲げ剛性を測定して調整する必要がある。
例えば、補強層10を所定幅、所定の長さ切り出して、一端を固定した真直梁とし、他端に剪断力を与えた時の変位に対する剪断力の値(面外方向の曲げ剛性)を測定する。
一方、補強層10について上述の方法でモデル要素を設定して、間隔dが自在に変更可能な補強層モデルを作成する。そして、間隔dを種々変化させながら、図2(a)に示すように、作成された補強層モデルの一端を固定し、他端に剪断力を付与した時の面外方向の曲げ剛性を算出し、上記測定値と比較する。上記剛性と測定値との差が許容範囲内に収まる場合、間隔dは確定する。許容範囲内にない場合は、間隔dをさらに調整する。
こうして見出された間隔dを用いて仮想補強層モデル要素が決定され、補強層モデルが作成される。さらに、補強層モデル以外の部材モデルと結合されて構造体の有限要素モデルが作成される。
図2(b)には、仮想補強層モデル要素22の間隔dを種々変化させながら曲げ剛性の算出値が測定値に一致するような間隔dを見出した例を示している。
補強層モデルは、線材からなる撚り線材を、サンプルの打ち込み密度に合わせて1段配列した補強層をモデル化したものである。仮想補強層モデル要素22の付加された基材モデル要素20を、図2(a)に示すように補強層モデルの各要素として一方向に長いモデルを構成し、このモデルの1端を固定し、他端を剪断力によって変位する端として曲げ剛性の値が算出される。この場合、補強層における線材の埋設方向(補強方向)は、補強層の長手方向としている。このときの算出値は380N/mである。
図2(b)に示す例では、まず、間隔dを0.1mm、0.2mm、0.5mmに設定して変位δに対する剪断力Fの値(曲げ剛性、傾き)が算出される。この値を目安にして、例えばニュートン-ラフソン法等により間隔dを変化させながら、曲げ剛性の算出値が測定値である380N/mになるように間隔dが算出される。図2(b)に示す例では、算出された間隔dは0.32mmである。
このように見出された間隔dは仮想補強層モデル要素の間隔dとして決定されて、補強層モデルが作成される。
このようにして作成された補強層は構造体、例えばコンベヤベルトの有限要素モデルに利用される。
図3(a)は、コンベヤベルトの一例の断面図であり、図3(b)はコンベヤベルトをベルトコンベヤに用いた時の態様の一例を説明する説明図である。
コンベヤベルト30は、スチール線材32が長手方向に一定間隔でゴム基材34中に埋設された補強層36と、この補強層36に積層された上カバー層38と下カバー層40とを有して構成される。
図3(b)に示すように、コンベヤベルト30はコンベヤベルトの長手方向と直交する幅方向の中心にコンベヤベルト30を支持する従動ローラ42と、コンベヤベルト30が幅方向に傾斜するように幅方向の両端近傍に配置された従動ローラ44、46と、が配置され、コンベヤベルト30はトラフ状に変形されている。従動ローラ42〜46は、コンベヤベルトの長手方向に一定間隔で配置されている。
このようなコンベヤベルト30について、本発明のモデル作成方法を用いて有限要素モデルが作成される。
補強層36は、例えば、実際に用いるスチール線材を、測定された引っ張り特性に合うように断面積とヤング率を調整した一様部材としてモデル化し、実際の打ち込み密度に合わせて1層配列した補強層モデルにモデル化される。
補強層36を例えば幅50mm×長さ200mmの短冊状に切り出して変位δに対する剪断力Fの値(面外方向の曲げ剛性)を測定し、この測定結果に合うような間隔dが見出される。この間隔dを用いて補強層モデルが作成され、さらにゴム部材からなる上カバー層38および下カバー層40のモデルが作成され、補強層モデルと結合される。
コンベヤベルトは、長手方向に沿って配置されている多数の従動ローラのうち、1つの従動ローラを中心として隣り合う従動ローラの半分の長さの範囲(1スパンの範囲)でモデル化される。また、コンベヤベルトは幅方向に対称性を有するので、この対称性を利用してコンベヤベルトの中心線から一方の側のみでモデル化することができる。図4は、作成されるコンベヤベルトモデル50の一例が示されている。図中、従動ローラに対応するローラモデル52、54は、変形を許容しない円筒状の剛体モデルである。
この後、応力、歪み解析が行なわれる。すなわち、作成されたコンベヤベルトモデル50の長手方向の両端に所定の引っ張り応力が付与され、この状態で、所定の分布荷重がコンベヤベルトモデル50の表面に付与される(荷重条件が付与される)。一方、付与された分布荷重によって撓んだコンベヤベルトモデル50は、ローラモデル52、54で下方から支持される。付与される分布荷重は、コンベヤベルトモデル50の傾斜側面の端において0であり、この位置のz方向位置(図4参照)を基準位置とし、コンベヤベルトモデル50の表面の各要素のz方向位置が上記基準位置から低くなるにつれて分布荷重が大きくなるように設定される。コンベヤベルトモデル50の中心線CL上の底面において、分布荷重が最大となる。このような分布荷重は、トラフ状のコンベヤベルトに鉱石等が一様に満載された積載状態を再現するためである。
図5は、応力、歪み解析を行なって得られた結果の一例のグラフである。図5では、コンベヤベルトモデル50がローラモデル52と当接する当接位置を中心とした領域A(図4参照)の各方向の歪み(εxx,εyy,εzz,εxy,εyz, εxz)の分布を中心線CLに沿って表している。当接位置の中心は、図5中、700mmの位置である。このようなコンベヤベルトの歪み分布から、歪み分布と材料定数とを用いて応力分布を求めることができる。さらに、歪み分布と応力分布を用いて、コンベヤベルトが従動ローラに当接して移動するときのエネルギー損失を求めることができる。例えば、コンベヤベルトの各部材が有するエネルギー損失を定めるtanδを利用する。
このように、面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性についても実際の補強層に正確に一致させたモデルを用いることにより、応力、歪み解析を正確に行なうことができ、従動ローラと当接することによって発生するコンベヤベルトのエネルギー損失を精度高く予測することができる。
なお、本実施例では、補強層モデルにおける面外方向の曲げ剛性を調整するために、互いに平行な2つの仮想補強層モデル要素を用いたが、本発明では、2つの仮想補強層モデル要素に限定されず、3層、4層等、複数の仮想補強層モデル要素を用いてもよい。
以上、本発明の構造体の有限要素モデル作成方法および構造体のシミュレーション方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
本発明の構造体の有限要素モデル作成方法は、鉱石等を積載して搬送するコンベヤベルト、タイヤ、ホース、防舷材等のように補強層が設けられたゴム積層構造体の有限要素モデルに有効に適用することができ、面内方向の剛性のみならず面外方向の曲げ剛性について、実際の補強層と一致させてモデル化し、正確な応力、歪み解析を行なうことができる。
(a)は、本発明の構造体の有限要素モデル作成方法においてモデルの作成対象となる補強層を説明する図であり、(b)は、本発明で作成される補強層モデルの有限要素の一例を示す図であり、(c)は、本発明で作成される補強層モデルの有限要素の他の例を示す図である。 (a)は、本発明を用いて作成される補強層モデルにおける剛性を説明する図であり、(b)は本発明を用いて調整される間隔と変位に対する剪断力の値との関係を示すグラフである。 (a)は、本発明において適用されるコンベヤベルトの一例の断面図であり、(b)はコンベヤベルトをベルトコンベヤに用いた時の態様の一例を説明する説明図である。 本発明によって作成されるコンベヤベルトモデルの一例を示す斜視図である。 本発明によって作成されたコンベヤベルトの有限要素モデルを用いて行なわれた応力、歪み解析結果の一例のグラフである。 (a),(b)は、従来の補強層のモデル化の一例を説明する図である。
符号の説明
10,36,100 補強層
12,104 線材
14,102 基材
20,106 基材モデル要素
22,108 仮想補強層モデル要素
24 膜要素
30 コンベヤベルト
32 スチール線材
34 ゴム基材
38 上カバー層
40 下カバー層
42,44,46 従動ローラ
50 コンベヤベルトモデル
52,54 ローラモデル
102 基材
104 線材

Claims (4)

  1. 基材中に補強材が埋設された補強層を有する構造体の有限要素モデル作成方法であって、
    基材を有限要素で表した基材モデル要素を作成するとともに、前記補強材のヤング率が材料定数として与えられ、互いに離間しかつ離間距離が自在に設定される少なくとも2つ以上の層状の仮想補強層モデル要素を、前記補強層のモデル要素として前記基材モデル要素に付加することにより、前記補強層を再現した補強層モデルを作成するステップと、
    前記補強層モデルにおける面外方向の曲げ剛性が前記補強層の有する面外方向の曲げ剛性に一致するように、平行に設けられた前記仮想補強層モデル要素の間の間隔を調整するステップと、を有することを特徴とする構造体の有限要素モデル作成方法。
  2. 前記仮想補強層モデル要素の要素厚さの合計が、前記補強層を、前記補強材のヤング率と等価な1層の仮想補強層モデル要素で再現したときの要素厚さに等しい請求項1に記載の構造体の有限要素モデル作成方法。
  3. 前記構造体は、前記補強層が上カバーゴム層および下カバーゴム層で積層されたコンベヤベルトである請求項1または2に記載の構造体の有限要素モデル作成方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の有限要素モデルで作成された構造体のモデルを用いて、構造体の応力、歪み解析を行なう構造体のシミュレーション方法。





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